JPH10137212A - 磁気共鳴画像の処理方法および磁気共鳴画像の取得方法 - Google Patents

磁気共鳴画像の処理方法および磁気共鳴画像の取得方法

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JPH10137212A
JPH10137212A JP8303327A JP30332796A JPH10137212A JP H10137212 A JPH10137212 A JP H10137212A JP 8303327 A JP8303327 A JP 8303327A JP 30332796 A JP30332796 A JP 30332796A JP H10137212 A JPH10137212 A JP H10137212A
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JP
Japan
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magnetic resonance
magnetic field
coil
image
flip angle
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JP8303327A
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English (en)
Inventor
Terutake Ueno
照剛 上野
Norio Iriguchi
紀男 入口
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Siemens KK
Original Assignee
Siemens Asahi Medical Technologies Ltd
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Publication date
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気共鳴映像法の原理を利用して、被検査体の
インピーダンス分布を示す画像を得るための手段を提供
すること。 【解決手段】被検査体の磁気共鳴画像を取得する方法に
おいて、高周波磁界を発生させるための電力量を変え
て、フリップ角の異なる磁気共鳴画像を複数取得し、さ
らに、取得した磁気共鳴画像間で、除算、引き算を少な
くとも含む画像処理を行って、被検査体内のインピーダ
ンス分布画像を得ることを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴映像法
(エムアールアイ、Magnetic Resonan
ce Imaging、MRI)の原理を利用して、被
検査体のインピーダンスの分布を反映した断層画像(t
omogram)を取得する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、人体組織の導電率を計測する
ことによって診断が行われていた。例えば、人体内に存
在する腫瘍組織は、その壊滅期においては比較的導電率
が低く、一方、活性期においては比較的導電率が高いこ
とが知られている。したがって、人体組織の導電率の分
布を外部から非侵襲的に計測することは、腫瘍組織の活
性状態等を調べる上で、重要な情報をもたらすものであ
る。このように、被検査体の導電率等のインピーダンス
分布を断層画像として取得することによって、腫瘍組織
の活性状況を判断するための信頼性の高い診断情報が得
られることになる。
【0003】従来、このような診断情報を得るため、人
体に複数の電極を配置して、各電極に電流を流し、流れ
た電流量に応じてインピーダンス分布を求め、求めたイ
ンピーダンス分布を外部モニターに表示する手法が提案
されていたが、人体に複数の電極を配置するため診断効
率が良くなく、また、測定精度も悪かった。
【0004】そこで、各種被検査体に対して、非侵襲的
に断層画像を取得する方法として提案されていた磁気共
鳴映像法(MRI)をインピーダンス分布の検出に応用
することが期待されていた。
【0005】この磁気共鳴映像法は、ある静磁場の中に
被検査体を置き、該静磁場の方向に対して垂直な方向を
有する高周波磁界を印加することによって被検査体内の
原子核スピンを励起し、励起された原子核スピンの巨視
的磁化のフリップ角(Euler nutation
angle)が一定となるように前記高周波磁界を発生
させるための電力を与えて磁気共鳴を発生させ、発生さ
せた磁気共鳴による共鳴信号に基づいて、被検査体の磁
気共鳴画像を取得する方法である。なお、このような磁
気共鳴映像法(MRI)については、各種の文献、例え
ば「ME機器ハンドブック1:コロナ社」等に記載され
ているため、ここでは詳細な説明を行うことは省略し概
要のみを若干説明する。
【0006】そもそも、磁気共鳴周波数(ν=2π
ω0 )は、原子核の種類に固有の物理量であり、磁気共
鳴周波数は、周囲の静磁場の磁束密度(磁界強度
(H0 ))に比例する(ω0 =γ・H0 、γは磁気回転
比)。例えば、人体に多量に含まれる水素原子核
1 H:プロトン)の共鳴周波数は、磁束密度1(T:
テスラ)の静磁場中では約42(MHz)である。
【0007】プロトンは、この共鳴周波数で歳差運動を
行い、歳差運動を行うプロトンが複数集まると、静磁場
の磁界方向に、いわゆる巨視的磁化が発生する。そし
て、静磁場の磁界方向と垂直な磁界方向の磁場を発生す
るRF(radio frequency)コイルに電
力を供給し、歳差運動と同一の周波数の高周波磁界を発
生させたときに、巨視的磁化が基準方向(静磁場の磁界
方向)から傾斜する。
【0008】この傾斜角度は、フリップ角と称され、R
Fコイルへの電力供給量に応じて変化する。傾斜角度が
90°、180°となるような、RFコイルへの供給電
力量は、夫々、90°パルス、180°パルスと称され
る。
【0009】そして、例えば、90°パルスを与える
と、RFコイルには、90°傾斜した巨視的磁化の作用
によって、ファラデーの電磁誘導の原理に基づき起電力
が発生し、この起電力が磁気共鳴信号となる。この磁気
共鳴信号の一般的な検出は、以下の様にして行われる。
【0010】まず、RFコイルに対して90°パルスを
供給するようにするとともに、スライス位置を決めるた
めのスライス選択傾斜磁場コイルに電力供給を行う。さ
らに、位相エンコード傾斜磁場コイルへ電力供給を行
う。なお、通常、磁気共鳴画像を取得するためには、N
回(Nは整数)の繰り返し動作によって、位相エンコー
ドコイルへの電力供給量が徐々に変化するようにして、
徐々に傾斜磁場を変化させていくようにしている。
【0011】さらに、読み出し傾斜磁場コイル(リード
アウトコイル)への電力供給を行いながら、RFコイル
によって検出された共鳴信号を検出し、検出した信号に
対して、2次元(p方向およびr方向)のフーリエ変換
等の公知のアルゴリズムを用いた処理を行うことによっ
て、被検査体の磁気共鳴画像を取得する。
【0012】もちろん、以上の処理は、公知の技術であ
る磁気共鳴映像法の概要の一例を述べたにすぎない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上説明した磁
気共鳴映像法(MRI)は、各種被検査体に対して、非
侵襲的に断層画像を取得する方法としては極めて有効で
あるものの、従来の磁気共鳴映像法では、人体の診断等
を行う上で極めて有効な情報を与える導電率等のインピ
ーダンス分布を反映した画像情報を得ることはできなか
った。
【0014】そこで、本発明は、このような未解決の課
題を解決するためになされたもので、その目的は、磁気
共鳴映像法の原理を利用して、各種の被検査体に対して
非侵襲的に、そのインピーダンス分布を求める手段を提
供する点にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明によれば、ある静磁場中に被検
査体を置き、該静磁場の方向に対して垂直な方向を有す
る高周波磁界を印加することによって前記被検査体内の
原子核スピンを励起し、励起された原子核スピンの巨視
的磁化のフリップ角(Euler nutation
angle)が一定となるように前記高周波磁界を発生
させるための電力を与えて磁気共鳴を発生させ、発生さ
せた磁気共鳴による共鳴信号に基づいて、被検査体の磁
気共鳴画像を取得する方法において、前記高周波磁界を
発生させるための電力量を変えて、フリップ角の異なる
磁気共鳴画像を複数取得し、取得した磁気共鳴画像間で
画像処理を行って、被検査体内のインピーダンス分布画
像を得る、磁気共鳴画像の処理方法が提供される。
【0016】また、請求項2記載の発明によれば、請求
項1における画像処理は、磁気共鳴画像間で行う、引き
算または割り算である、ことを特徴とする磁気共鳴画像
の処理方法が提供される。
【0017】また、請求項3記載の発明によれば、ある
静磁場中に被検査体を置き、該静磁場の方向に対して垂
直な方向を有する高周波磁界を印加することによって前
記被検査体内の原子核スピンを励起し、励起された原子
核スピンの巨視的磁化のフリップ角(Euler nu
tation angle)が一定となるように前記高
周波磁界を発生させるための電力を与えて磁気共鳴を発
生させ、発生させた磁気共鳴による共鳴信号に基づい
て、被検査体の磁気共鳴画像を取得する方法において、
前記高周波磁界を発生させるための電力量を、前記被検
査体を構成する複数の成分のうちの、少なくとも1つの
成分に対するフリップ角が、180度の整数倍となるよ
うにして、前記被検査体内のインピーダンス分布画像を
得る、磁気共鳴画像の取得方法が提供される。
【0018】前記インピーダンス分布画像としては、例
えば、被検査体の導電率の分布を示す画像が挙げられ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。なお、本発明の理解の容易化を図
るため、まず原理説明を行い、その後にブロック図を参
照して、本発明の具体的な実施方法について説明する。
【0020】図1には、巨視的磁化MとRFコイル1と
の関係を示している。符号aは、パルスを与える前の巨
視的磁化を示し、符号bは、90°パルス(フリップ角
90°)を与えることによって倒れた巨視的磁化を示
す。さらに、符号cは、フリップ角がαであるパルスに
よって倒れた巨視的磁化を示している。
【0021】このとき、ファラデーの電磁誘導の原理に
よれば、RFコイル1には、巨視的磁化Mにより、以下
の式1で定まる起電力Vが発生する。 V=−d(Msinα)/dt (式1)。したがっ
て、検出される共鳴信号の信号強度はsinαに比例す
る。
【0022】今、フリップ角がα1 であるパルスによっ
て倒れた巨視的磁化による信号強度をI1 、フリップ角
がα2 であるパルスによって倒れた巨視的磁化による信
号強度をI2 とすると、「I1 /I2 = sinα1
sinα2 」となり、フリップ角の比は、信号強度の比
によって一意に定まることになる。特に、α2 =2α 1
の時、フリップ角αは、「α1 =arccos(I1
2I2 ):arccosは逆余弦関数」なる式にしたが
って一意に定まることになる。
【0023】一方、外部からRF(radio fre
quency)周波数でRFコイルに供給された電力
は、被検査体の導電率が高いほど、すなわち、アドミッ
タンスが大きいほど、ジュール熱として消費される量が
多く、巨視的磁化を倒すことによってフリップ角を大き
くすることが妨げられることになる。
【0024】被検査体の導電率等のインピーダンスが異
なると、RFコイルに同一の電力を与えてもフリップ角
が異なることになり、フリップ角の分布は、被検査体内
の導電率等のインピーダンスの分布を反映することにな
る。
【0025】このことを、図2、3を参照して説明す
る。図2は、ある被検査体2に対して、RFコイル1に
よって発生する磁場(磁束密度B1 )を印加したときに
発生する渦電流の様子を示している。矢印で図示する様
に、RFコイル1に電流を流すと、左向きに磁束密度B
1 なる磁場が発生する。このとき、被検査体2内には、
磁束密度B1 なる磁場を打ち消す様に、渦電流が発生す
る。この渦電流は、被検査体2の導電率が大きいほど、
発生しやすくなり、渦電流が発生しやすいほど、磁束密
度B1 の磁場が打ち消されて、同一の電力をRFコイル
1に供給しても、巨視的磁場が倒れにくくなる。
【0026】図3に示すように、今、被検査体2が筋肉
と脂肪の2つの成分からなるとして説明する。筋肉は、
比較的導電率σが大きな導電体であり、一方、脂肪は、
比較的導電率σが小さな絶縁体である。したがって、R
Fコイル1に同一の電力を供給しても、筋肉では比較的
渦電流が発生しやすいため、巨視的磁場が倒れにくく
(30°)、一方、筋肉では渦電流が発生しにくいた
め、巨視的磁場が倒れやすい(33°)。このように、
導電率σの大きさによって、巨視的磁場の倒れ易さが定
まるため、RFコイル1に同一の電力を供給しても、導
電率σの小さな物質ほど、検出される共鳴信号の強度レ
ベルが小さい。本発明は、この点に着目して、被検査体
の導電率等のインピーダンス分布画像を得るものであ
る。
【0027】図4は、本発明に係る方法を実施するため
のシステム構成を示すブロック図である。被検査体50
を載置する架台60が配設されており、この回りには、
ある方向に静磁場B0 を発生させるコイルであるB0
イル78と、RFコイル70と、位相エンコード傾斜磁
場コイルとして機能するGP コイル72と、スライス位
置を定めるスライス選択傾斜磁場コイルとして機能する
S コイル76と、読み出し傾斜磁場コイル(リードア
ウトコイル)として機能するGr コイル74とが設置さ
れている。なお、被検査体50に対する磁気共鳴画像を
得るための各コイルの有効な設置態様は、公知の技術に
て開示されている。
【0028】また、B0 コイル78、Gr コイル74、
S コイル76、および、GP コイル72の夫々には、
0 電源36、Gr 電源34、GS 電源32、および、
P電源30が、電力供給可能に接続されている。Gr
電源34、GS 電源32、および、GP 電源30は、与
えられた起動信号に応じて、対応するコイルに電力を供
給する。
【0029】RFコイル70には、与えられた起動信号
に応じて起動する出力パワーアンプ42と自身との接続
動作、または、検出プリアンプ44と自身との接続動作
を、与えられた制御信号により交互に行うスイッチング
回路40が接続されている。
【0030】出力パワーアンプ42とRFコイル70と
が接続されることによって、出力パワーアンプ42から
RFコイル70への電力供給が可能となり、一方、検出
プリアンプとRFコイル70とが接続されることによっ
て、RFコイル70で得られる磁気共鳴信号が検出プリ
アンプ44で増幅され、さらに、この増幅信号は、中間
アンプ46で増幅されてコンピュータ10に供給される
ようになっている。
【0031】タイミングコントローラ20は、与えられ
た動作開始信号に応じて、Gr 電源34、GS 電源3
2、GP 電源30、および、出力パワーアンプ42の起
動信号やスイッチング回路40の制御信号を、所定のタ
イミングで供給する。
【0032】コンピュータ10には、各種のコマンドを
与えるためのキーボード12と、画像処理結果等を表示
するディスプレイ14が接続されていて、タイミングコ
ントローラ20への動作開始信号の供給や、中間アンプ
46の出力信号をフーリエ変換して磁気共鳴画像を求め
る処理を含む本発明にかかる処理を行う。コンピュータ
10は、例えば、動作プログラムを内蔵したROM等の
記憶媒体、ワークエリアとして機能するRAM、およ
び、動作プログラムにしたがって動作を行うCPU等の
電子デバイスにて実現可能である。
【0033】さて、このシステムの動作を、図5のフロ
ーチャートと図6の動作タイミングチャートを参照して
説明する。ステップS500において、フリップ角α1
の画像取得処理を行う。まず、オペレータが、キーボー
ド12を操作して動作開始のコマンドを与えると、コン
ピュータ10は、タイミングコントローラ20に動作開
始信号を与える。
【0034】タイミングコントローラ20は、スイッチ
ング回路40に制御信号を与えて、RFコイル70と出
力パワーアンプ42とを接続させ、さらに、図6のタイ
ミングチャートに示すように、出力パワーアンプ42に
制御信号を与えて、RFコイル70に対してフリップ角
α1 に相当するパルス(α°=α1 °)を供給するよう
にするとともに、スライス位置を決めるためにGS 電源
32に起動信号を与えて、GS 電源32に、GS コイル
76への電力供給をさせる。
【0035】さらに、GP 電源30に起動信号を与え
て、GP 電源30に、GP コイル72への電力供給をさ
せる。なお、磁気共鳴画像を取得するためには、図6の
タイミングチャートで示される動作を、1回目からN回
目(Nは、例えば256)までN回繰り返す必要があり
(即ち、Trの期間での動作を繰り返す)、GP 電源3
0は、N回の繰り返し動作によって、徐々に、GP コイ
ル72への電力供給量を多くするようにしてある。な
お、実際には、このN回の繰り返しを、さらに、M回
(Mは、例えば256)繰り返して画像を得る。
【0036】さらに、タイミングコントローラ20は、
出力パワーアンプ42に制御信号を与えて、RFコイル
70に対し180°パルスを与えるようにするととも
に、スライス位置を決めるためにGS 電源32に起動信
号を与えて、GS 電源32に、GS コイル76への電力
供給をさせる。
【0037】次に、タイミングコントローラ20は、ス
イッチング回路40に制御信号を与えて、RFコイル7
0と検出プリアンプ44を接続させ、さらに、図6のタ
イミングチャートに示すように、Gr 電源34に起動信
号を与えて、Gr 電源34に、Gr コイル74への電力
供給をさせながら、RFコイル70で検出された共鳴信
号を検出プリアンプ44に導く。検出プリアンプ44で
増幅された信号は、さらに、中間アンプ46で増幅され
てコンピュータ10に送られ、コンピュータ10は、2
次元(p方向およびr方向)のフーリエ変換等の公知の
アルゴリズムを用いた処理を行って、被検査体50のフ
リップ角α1 での磁気共鳴画像を取得する。
【0038】次に、ステップS502において、被検査
体50のフリップ角α2 での磁気共鳴画像を得る。この
処理では、タイミングコントローラ20が、フリップ角
α2での磁気共鳴画像を得るように、出力パワーアンプ
42を起動する点に特徴があり、これ以外の点では、ス
テップS500での処理と変わるところがない。 ま
ず、タイミングコントローラ20は、スイッチング回路
40に制御信号を与えて、RFコイル70と出力パワー
アンプ42とを接続させ、さらに、図6のタイミングチ
ャートに示すように、出力パワーアンプ42に制御信号
を与えて、RFコイル70に対してフリップ角α2 に相
当するパルス(α°=α2 °)を供給するようにすると
ともに、スライス位置を決めるためにGS 電源32に起
動信号を与えて、GS 電源32に、GS コイル76への
電力供給をさせる。
【0039】さらに、GP 電源30に起動信号を与え
て、GP 電源30に、GP コイル72への電力供給をさ
せる。なお、磁気共鳴画像を取得するためには、図6の
タイミングチャートで示される動作を、1回目からN回
目(Nは、例えば256)までN回繰り返す必要があり
(即ち、Trの期間での動作を繰り返す)、GP 電源3
0は、N回の繰り返し動作によって、徐々に、GP コイ
ル72への電力供給量を多くするようにしてある。な
お、実際には、このN回の繰り返しを、さらに、M回
(Mは、例えば256)繰り返して画像を得る。
【0040】さらに、タイミングコントローラ20は、
出力パワーアンプ42に制御信号を与えて、RFコイル
70に対し180°パルスを与えるようにするととも
に、スライス位置を決めるためにGS 電源32に起動信
号を与えて、GS 電源32に、GS コイル76への電力
供給をさせる。
【0041】次に、タイミングコントローラ20は、ス
イッチング回路40に制御信号を与えて、RFコイル7
0と検出プリアンプ44を接続させ、さらに、図6のタ
イミングチャートに示すように、Gr 電源34に起動信
号を与えて、Gr 電源34に、Gr コイル74への電力
供給をさせながら、RFコイル70で検出された共鳴信
号を検出プリアンプ44に導く。検出プリアンプ44で
増幅された信号は、さらに、中間アンプ46で増幅され
てコンピュータ10に送られ、コンピュータ10は、2
次元(p方向およびr方向)のフーリエ変換等の公知の
アルゴリズムを用いた処理を行って、被検査体50のフ
リップ角α2 での磁気共鳴画像を取得する。
【0042】次に、ステップS504において、コンピ
ュータ10は、ステップS500の処理で得られた磁気
共鳴画像(画像Aと称する)と、ステップS502の処
理で得られた磁気共鳴画像(画像Bと称する)とに対し
て、画像の強度分布の比較処理を行う。この処理は、例
えば、画像Aと画像Bとの対応する画素間での引き算処
理や割り算処理を、公知の画像処理アルゴリズムにした
がって行う。そして、コンピュータ10は、画像処理結
果をディスプレイ14に表示して、一連の処理を終了す
る(エンド)。フリップ角の違いは、被検査体内の導電
率等のインピーダンスの違いに対応するので、2つの画
像A、画像Bに対する引き算処理や割り算処理を行うこ
とによって、被検査体のインピーダンスの分布を反映し
た画像が得られることになる。
【0043】このように、本発明によれば、共鳴信号に
基づいて被検査体の磁気共鳴画像を取得する方法におい
て、導電率σの大きさに対応して、検出される共鳴信号
の強度レベルが変化することに着目し、高周波磁界(R
Fコイルの磁界)を発生させるための電力量を変えて、
フリップ角の異なる磁気共鳴画像を複数取得し、取得し
た磁気共鳴画像間で画像処理を行うことによって、被検
査体内の導電率等のインピーダンス分布画像を得ること
が可能となる。また、画像処理を、引き算または割り算
とすることにより、簡素な演算処理によって、インピー
ダンス分布画像を得ることが可能となる。
【0044】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。図7は、他の実施形態の原理の説明図である。
今、被検査体が、筋肉と脂肪の2成分からなっているも
のとする。図7(a)には、この被検査体の導電率等の
インピーダンス分布を反映した画像を得るために、RF
コイル1に所定量の電力を供給したとき、筋肉、脂肪の
巨視的磁化が基準位置からどの程度倒れているかを模式
的に示している。筋肉、脂肪の巨視的磁化は夫々、基準
位置から、30°、33°倒れている。したがって、筋
肉、脂肪に対する共鳴信号の強度比は、前述した式1を
用いて「sin30°/sin33°」となり、共鳴信
号の強度比は「1」に近いため、インピーダンス分布を
反映した画像を見ても、両者の差異が明確でない。これ
に対して、図7(b)に示す様に、RFコイル1に供給
する電力量を変更して(図7(a)の6倍の電力量)、
筋肉、脂肪の巨視的磁化の夫々が、基準位置から、18
0°、198°倒れている場合には、筋肉、脂肪に対す
る共鳴信号の強度比は、前述した式1を用いて「sin
180°/sin198°」となり、共鳴信号の強度比
は「0」となってしまう。このことは、脂肪に対する共
鳴信号のみが得られて、筋肉の導電率を反映する画像が
消えてしまうことになる。
【0045】このように、ある成分の巨視的磁化が、基
準位置から180°の整数倍の角度をなして倒れるよう
に、RFコイル1への供給電力を設定することによっ
て、当該成分の導電率を反映する画像が消えてしまうよ
うにして、他のある成分の導電率を反映する画像を得る
ことが可能となる。
【0046】このためには、図4のシステムを、例え
ば、以下のように構成しておけばよい。まず、図8に示
すように、成分と当該成分の巨視的磁化を180°倒す
ための電力量とを対応付けて記憶したテーブルを、コン
ピュータ10に予め内蔵しておく。このとき、システム
が行う動作の概要を図9を参照して説明する。
【0047】まず、ステップS900において、オペレ
ータは、キーボード12を操作して、導電率を反映する
画像情報を消去する成分を指定する。ステップS902
において、コンピュータ10は、テーブルを参照して、
指定された成分に対応する電力量を参照し、この電力量
がRFコイル70に与えられるように、タイミングコン
トローラ20に動作開始信号を与える。そして、タイミ
ングコントローラ20は、出力パワーアンプ42に制御
信号を与えることによって、出力パワーアンプ42から
RFコイル70に、前記電力量が供給される。
【0048】そして、ステップS904においては、磁
気共鳴画像取得処理を行う。この処理では、まず、前述
したように、タイミングコントローラ20が、図6に示
すタイミングチャートにしたがって各電源やスイッチン
グ回路40を起動、制御することによって、中間アンプ
46から共鳴信号が得られる。そして、コンピュータ1
0が、得られた共鳴信号に基づき、2次元(p方向およ
びr方向)のフーリエ変換等の公知のアルゴリズムを用
いた処理を行って、被検査体50の磁気共鳴画像を得
る。
【0049】被検査体の磁気共鳴画像を取得する際に、
高周波磁界に与える電力を変えて、被検査体を構成する
複数の成分のうちの、少なくとも1つの成分に対するフ
リップ角が、180度の整数倍となるようにすることに
よって、特定の成分の導電率等のインピーダンス分布を
反映した画像を消去しつつ、他の成分の導電率等のイン
ピーダンス分布を反映した画像を得ることが可能にな
る。
【0050】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、磁気共鳴映像法の原理を利用して、被検査体のイン
ピーダンス分布を示す画像を得ることが可能になり、こ
の方法は、各種の被検査体のインピーダンス分布の測定
に適用可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、被検査体の磁気共鳴画像を取得する方法に
おいて、高周波磁界を発生させるための電力量を変え
て、フリップ角の異なる磁気共鳴画像を複数取得し、取
得した磁気共鳴画像間で画像処理を行うことによって、
被検査体内の導電率等のインピーダンス分布の画像を得
ることが可能になるという効果がある。
【0052】特に、請求項2に係る発明によれば、請求
項1において、磁気共鳴画像間で、引き算または割り算
を行うので、簡素な画像処理によって、インピーダンス
分布の画像を得ることが可能になるという効果がある。
【0053】また、請求項3に係る発明によれば、被検
査体の磁気共鳴画像を取得する際に、高周波磁界を発生
させるための電力量を変えて、被検査体を構成する複数
の成分のうちの、少なくとも1つの成分に対するフリッ
プ角が、180度の整数倍となるようにすることによっ
て、特定の成分の導電率等のインピーダンス分布を反映
した画像を消去しつつ、残りの成分の導電率等のインピ
ーダンス分布を反映した画像を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の説明図である。
【図2】本発明の説明図である。
【図3】本発明の説明図である。
【図4】本発明にかかるシステムのブロック図である。
【図5】本発明にかかるシステムが行う処理内容を示す
フローチャートである。
【図6】システムの動作タイミングチャートである。
【図7】本発明の説明図である。
【図8】本発明の他の実施形態で使用するテーブルの説
明図である。
【図9】本発明にかかるシステムが行う、他の処理内容
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 コンピュータ 12 キーボード 14 ディスプレイ 20 タイミングコントローラ 30 GP 電源 32 GS 電源 34 Gr 電源 36 B0 電源 40 スイッチング回路 42 出力パワーアンプ 44 検出プリアンプ 46 中間アンプ 60 架台 70 RFコイル 72 GP コイル 74 Gr コイル 76 GS コイル 78 B0 コイル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ある静磁場中に被検査体を置き、該静磁
    場の方向に対して垂直な方向を有する高周波磁界を印加
    することによって前記被検査体内の原子核スピンを励起
    し、励起された原子核スピンの巨視的磁化のフリップ角
    (Eulernutation angle)が一定と
    なるように前記高周波磁界を発生させるための電力を与
    えて磁気共鳴を発生させ、発生させた磁気共鳴による共
    鳴信号に基づいて、被検査体の磁気共鳴画像を取得する
    方法において、 前記高周波磁界を発生させるための電力量を変えて、フ
    リップ角の異なる磁気共鳴画像を複数取得し、 取得した磁気共鳴画像間で画像処理を行って、被検査体
    内のインピーダンス分布画像を得る、磁気共鳴画像の処
    理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記画像処理は、取
    得した磁気共鳴画像間で行う、引き算または割り算であ
    る、ことを特徴とする磁気共鳴画像の処理方法。
  3. 【請求項3】 ある静磁場中に被検査体を置き、該静磁
    場の方向に対して垂直な方向を有する高周波磁界を印加
    することによって前記被検査体内の原子核スピンを励起
    し、励起された原子核スピンの巨視的磁化のフリップ角
    (Eulernutation angle)が一定と
    なるように前記高周波磁界を発生させるための電力を与
    えて磁気共鳴を発生させ、発生させた磁気共鳴による共
    鳴信号に基づいて、被検査体の磁気共鳴画像を取得する
    方法において、 前記高周波磁界を発生させるための電力量を、前記被検
    査体を構成する複数の成分のうちの、少なくとも1つの
    成分に対するフリップ角が、180度の整数倍となるよ
    うにして、前記被検査体内のインピーダンス分布画像を
    得る、磁気共鳴画像の取得方法。
JP8303327A 1996-11-14 1996-11-14 磁気共鳴画像の処理方法および磁気共鳴画像の取得方法 Pending JPH10137212A (ja)

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