JPH10134220A - コインの判別装置 - Google Patents

コインの判別装置

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JPH10134220A
JPH10134220A JP9213789A JP21378997A JPH10134220A JP H10134220 A JPH10134220 A JP H10134220A JP 9213789 A JP9213789 A JP 9213789A JP 21378997 A JP21378997 A JP 21378997A JP H10134220 A JPH10134220 A JP H10134220A
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JP
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coin
data
coins
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genuine
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JP9213789A
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English (en)
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Shigeki Takayama
茂樹 高山
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Asahi Seiko Co Ltd
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Asahi Seiko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は古いコインが多い場合でも新しいコイ
ンが多い場合でも受け入れることが出来るコインの判別
装置を目的に開発されたものである。加えて本発明は使
用による装置の劣化たとえばコイン通路の摩耗をも補償
できるようにしたコイン判別装置を提供しようとするも
のである。 【解決手段】本発明は少なくとも、投入されたコインを
検出して硬貨データを作成するための手段と、投入され
たコインが真正か否かを判別するための基準値データを
記憶する手段と、この基準値データと前記硬貨データと
を比較するための手段と、この比較によって前記投入さ
れたコインが真正と判別されたときに当該硬貨データを
貯蔵するための手段と、この貯蔵された硬貨データが所
定の個数になると統計的に処理して補正値を作成するた
めの手段と、この作成された補正値を前記基準値データ
に追加するための手段と、を備えていることを特徴とし
たコインの判別装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は通貨である複数種類
のコインを判別するための装置に関する。とくに本発明
は電子的にコインを判別するためのコイン判別装置に関
する。本発明は具体的には通貨であるコインやゲーム用
のメダルやトークンなどの真偽すなわち種類を電子的に
判別するためのコイン判別装置に関するものである。な
お本明細書における用語「コイン」とは硬貨、メダル、
トークンなどの円板体を総称するものとして使用されて
いる。
【0002】
【従来の技術】コイン判別装置は種々の自動販売機、券
売機、ゲーム機などに組み込まれており此のコイン判別
装置が投入されたコインの真偽すなわち種類を判別して
いる。電子式コイン判別装置はコインの通路にコイルが
配設されていて投入されたコインがコイルの発生磁束を
変化することを利用して当該コインを判別している。言
い換えると電子式コイン判別装置は投入されたコインが
電子回路のインダクタンスを変化させることを利用して
コインを判別している。
【0003】投入されたコインの直径、厚み、材質など
によってコイルの磁束の変化が異なる言い換えるとコイ
ルのインダクタンスの変化が異なる。この硬貨データを
真正なコイン毎に得てメモリ手段などに基準値データと
して記憶しておく。この基準値データと投入コインから
得られた硬貨データとを比較して此等の差異が一定の範
囲内に収まるときに該投入コインは真正であると判別し
ている。この場合に問題となるのは何をもって真正コイ
ンとするかである。言い換えると基準値データを何にす
るかということになる。
【0004】真正コインであっても10年前に発行され
た真正コイン群と発行直後の真正コイン群とでは使用に
よる摩耗などにより基準値データが異なる。たとえば古
い真正コイン群に基づいた基準値データによって新しい
真正コインが判別されると一定の範囲内に収まらずキャ
ンセルされる場合がある。逆に新しい真正コイン群の基
準値データを基として古い真正コインが判別されると一
定の範囲内に収まらずキャンセルされる場合がある。言
い換えるとコイン判別装置に真正コインが投入されたに
も拘わらず偽物であると判別されて返却されることにな
る。
【0005】現実に例えば駅の券売機に投入された真正
コインが返却され何度入れ直しても同様に返却されると
いうことがある。対策として基準値データに基づく許容
範囲を出来るだけ広くすると古い真正コインも新しい真
正コインも同様に受け入れられ得る。しかしながら此の
場合には直径、厚み、材質の似ている偽物をもコイン判
別装置は真正コインとして受け入れてしまうことにな
る。上記のことから前述の基準値データを一定の場合に
補正しようとする技術が種々に提案されている。
【0006】たとえば特公平8−21101号の明細書
に開示された硬貨選別装置がある。この選別装置は硬貨
の判別データに基づく第1の許容範囲に含まれる第2の
範囲を設定することを特徴としている。具体的には検査
硬貨によって得られた硬貨データが狭い第2の範囲を満
足する場合に当該硬貨データを利用して前記の判別デー
タが補正されている。言い換えると上述の装置は第2の
範囲を満足する硬貨すなわち汚れや摩耗の少ない真正コ
インを利用して判別データを補正している。したがって
当該技術は摩耗した古い真正コインを偽物と判断してし
まう恐れがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する技術的課題は上述したような問題を解消することに
あり実際に流通しているコインに対応した判別装置を提
供することある。言い換えると本発明は古いコイン群が
多い場合でも或るいは新しいコイン群が多い場合でも受
け入れ可能なコイン判別装置を目的に開発されたもので
ある。本発明は10年前に発行された真正コインが多い
場所でも或いは発行直後の真正コインが多い場所でも使
用できるコイン判別装置を提供することにある。加えて
本発明の目的は使用による装置の劣化たとえばコイン通
路の摩耗をも補償できるコイン判別装置の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は少なくとも、投
入されたコインを検出して硬貨データを作成するための
手段と、投入されたコインが真正か否かを判別するため
の基準値データを記憶する手段と、この基準値データと
前記硬貨データとを比較するための手段と、この比較に
よって前記投入されたコインが真正と判別されたときに
当該硬貨データを貯蔵するための手段と、この貯蔵され
た硬貨データが所定の個数になると統計的に処理して補
正値を作成するための手段と、この作成された補正値を
前記基準値データに追加するための手段と、を備えてい
ることを特徴としたコインの判別装置である。
【0009】また本発明は前記硬貨データが確率分布に
従って処理されることを特徴とした判別装置である。加
えて本発明は前記硬貨データが正規分布に従って処理さ
れることを特徴とした判別装置である。
【発明の実施の形態】以下に本発明を其の実施について
添付の図面を参照して説明する。図1は本発明による一
実施例の概要を示す説明図である。図2は図1の実施例
に内蔵されているブロック回路図である。
【0010】図3は図2を説明するためのグラフ図であ
る。図4は図2の動作を説明するためのフロー図であ
る。図1の大きな矩形を示す符号1はコインの判別装置
を示している。コイン判別装置1の頂部にはコインの投
入口2が開口されている。投入口2から投入されたコイ
ン9は下方のゲート7へ向かって傾斜された通路3上を
回転移動する。そして通路3に沿ってコイン材質検出用
のコイル4、コイン厚み検出用のコイル5、コイン直径
検出用のコイル6がそれぞれ配設されている。
【0011】コイル4〜6によって投入コイン9の材
質、厚み、直径が検出され真正コインと判断されるとソ
レノイド28(図2を参照)を介在してゲート7が開か
れる。この結果、投入されたコイン9は開放されたゲー
ト7を介して下方の出口8から金庫(図示略)内へ落下
することになる。なお図1下方の符号25はセンサであ
ってコイン9が出口8を通過したことを検出するための
ものである。投入コイン9が偽物であると判断された場
合はゲート7が動作されずに閉鎖されたままで当該投入
コイン9はキャンセル孔(図示略)に戻される。
【0012】図2はコイン判別装置1に内蔵されている
ブロック回路図である。図2左の符号11は発振回路で
あって一定の周波数を発振しており材質検出用コイル4
が接続されている。同じく符号12は発振回路であって
厚み検出用コイル5が接続されている。また符号13も
発振回路であって直径検出用コイル6が接続されてい
る。なお発振回路11は比較的に低い周波数を発振し発
振回路12,13は比較的に高い周波数を発振してい
る。
【0013】また各コイル4〜6ならびに各発振回路1
1〜13は検出手段20を構成しており該検出手段20
は投入されたコイン9の硬貨信号を出力する。発振回路
11〜13の各出力の硬貨信号はそれぞれ検波手段を含
む整流回路14〜16によって整流される。整流された
各信号A,B,Cがそれぞれ図3に示されている。図3
の各グラフは横軸が時間tであり縦軸が電圧Vである。
整流された各信号A,B,Cはそれぞれサンプリングさ
れてアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコン
バータ17によってデジタル信号に変換される。
【0014】変換されたデジタル信号はCPUなどの信
号処理ユニット18に出力される。CPUの信号処理ユ
ニット18にはメモリ19が接続されており此のメモリ
19には投入コイン9が真正か否かを判別するための基
準データが記憶される。さらにCPUの信号処理ユニッ
ト18にはモード切替用のスイッチ22が接続され之に
よってデータ作成モードとコイン選別モードとに切り替
えられる。データ作成モードは基準データを作成するた
めのモードでありコイン選別モードは通常のコイン判別
を行うと共に基準データの補正値を作成するためのモー
ドである。
【0015】符号26は判別しようとするコインの種類
を設定するための金種設定用のスイッチである。具体的
にはスイッチS500は500円コインの基準データを
形成して記憶するときに使用される。同様にスイッチS
100は100円コインの基準データを形成記憶するた
めのものでありスイッチS50は50円コインの基準デ
ータをスイッチS10は10円コインの基準データをそ
れぞれ形成して記憶するためのものである。
【0016】言い換えると金種設定用スイッチ26は複
数の金種たとえば500円、100円、50円、10円
に対応する各プログラムを遂行するためのものである。
したがって必要に応じて金種設定スイッチ26により上
記の金種の中から何れか1種以上を任意に選定できるこ
とになる。符号27は入力端子であり判別装置1の外部
で作成された基準データの補正値を外部から入力するた
めの端子である。符号29は補正値に関するデータを外
部から消去するためのスイッチである。
【0017】なおセンサ25(図1を参照)はゲート7
から出口8に落下する真正コインを検出したときに信号
Sを信号処理ユニット18に送出する。信号Sを受信し
た信号処理ユニット18はソレノイド28を動作してゲ
ート7を閉鎖する。さらに信号処理ユニット18はセン
サ25からの信号Sによって自動販売機や券売機などを
作動させるための信号500,100,50,10を出
力する。具体的には信号処理ユニット18は投入された
真正コイン9が500円であるときは当該判別装置1を
装置した券売機(図示略)に信号500を出力する。
【0018】同様に信号処理ユニット18は真正コイン
9が100円であるときには信号100を真正コイン9
が50円正貨であるときには信号50を真正コイン9が
10円正貨であるときには信号10をそれぞれ出力す
る。後記するようにCPUの信号処理ユニット18は少
なくとも、投入されたコインが真正か否かを判別するた
めの基準データを記憶する手段と、この基準データと前
記硬貨データとを比較するための手段と、この比較手段
によって前記投入コインが真正と判別された場合に当該
硬貨データを記憶するための手段と、この記憶された硬
貨データが所望の個数になると統計的に処理して補正値
を作成するための手段と、この作成された補正値を前記
基準データに追加するための手段と、を構成する。
【0019】なお基準データとは言い換えると受け入れ
るべき真正コインの硬貨データのことである。したがっ
て基準データは検出手段20を介在して検出された複数
個たとえば16個の硬貨データを統計的に処理すること
により作成される。具体的にはモード切替スイッチ22
をデータ作成モードに切り替えて16個の真正コインを
投入口2から投入して基準データを作成する。このこと
からコイン判別装置1の設置者は特別な器具や装置を持
たずに設置現場において基準データを作成することがで
きる。
【0020】後記されるが更に本判別装置1は基準デー
タの作成後に補正値を追加して基準データの変更も出来
ることになる。すなわち本実施例のコイン判別装置1は
真正コインを投入口2に挿入するだけで設置者が基準デ
ータを作成したり変更したりすることができる。しかも
端子27から補正値を入力できるため必要に応じて適切
な基準データに変更できることになる。また判別手段を
構成する信号処理ユニット18は投入されたコインの硬
貨データと基準データあるいは補正された基準データと
を比較する。
【0021】この比較の結果、信号処理ユニット18は
硬貨データが基準データの許容範囲内にあると前記投入
コインを真正と判断し逆に入っていなければ偽物と判断
する。この判断によってゲートのソレノイド28が制御
される。すなわち真正コインと判断されたときにはゲー
ト7が開放され逆に偽物と判断されたときにはゲートは
閉鎖されたままである。つぎに上述の補正値の作成手段
について此処で概略的に説明する。補正値は基準データ
とは別にCPUの信号処理ユニット18が作成するデー
タである。
【0022】言い換えると補正値は基準データを満足し
た複数個の投入された真正コインの硬貨データを統計的
に処理することによって作成される。なお基準データと
の比較が行われることにより真正コインであっても極端
に汚れていたり摩耗していたりする場合は取り除かれる
ことになる。また補正値の作成はモード切り替えスイッ
チ22がコイン選別モードになっているときに行なわれ
る。複数個の真正コインの硬貨データ毎に例えば16個
の真正コインの硬貨データ毎に硬貨データを統計的に処
理することによって補正値は作成される。
【0023】そして作成された補正値は順次にメモリ1
9に書き込まれ記憶される。したがってメモリ19には
基準データと追加された補正値とが併存されていること
になる。そして補正値が追加された後は判断手段を構成
する信号処理ユニット18が補正された基準データに基
づき投入されたコイン9の真偽すなわち種類が判別され
る。なお補正された基準データの代わりに元の基準デー
タを使用する場合には切り替え手段であるスイッチ29
をオンして補正データを消去しても良い。
【0024】最初に設定した基準データが補正された基
準データよりも判別に良いと考えられた場合に対処する
ためである。
【実施例】ここで図2のブロック回路図の動作について
図4に示されるフローチャートに基づいて説明する。た
とえば工場出荷された判別装置1の電源が投入されると
フロー図がスタートされる(ステップS0)。このスタ
ートの後メモリ19に余分な補正値が残っているか否か
を確認する(ステップS1)。
【0025】補正値が残っているときはクリアし(ステ
ップS2)残っていなければ次の初期設定のステップS
3へ進む。この段階ではメモリ19内に残っているのは
例えば判別装置1の工場出荷時に作成された真正コイン
判別用の基準データだけになる。ステップS3ではコイ
ン判別装置1の初期設定が確認される。初期設定とはコ
イン判別装置1がコイン9を投入することができる状態
のことをいう。具体的にはゲート7が閉鎖状態にあるか
否か金種設定スイッチ26が正しく設定されているか否
かなどの確認である。
【0026】つぎにモードの確認を行う(ステップS
5)。データ作成モードに設定されているのかコイン選
別モードに設定されているのかを確認する。データ作成
モードは例えば判別装置1の設定金種を変える場合ある
いは判別装置1の使用場所を変える場合などに使用され
る。コイン選別モードは判別装置1の通常の使用の場合
に使用される。さてデータ作成モードの場合はコイン9
が投入されたかどうかを確認し(ステップS7)、コイ
ンが投入されるまでステップS5,S7を繰り返す。コ
イン9が投入されたか否かは図3に示される信号A〜C
があるか否かで判断され得る。
【0027】なお此の場合のコイン9は判別装置1の設
置者が予め用意しておいた真正コインのことで古いコイ
ンから新しいコインまで現に使用されているコインが望
ましい。このことよって現実に即した適切な統計データ
が得られることになる。コイン9の投入があると投入コ
インの枚数がカウントされると共に(ステップS9)、
該コインの硬貨データのサンプリングが行なわれる(ス
テップS11)。これらの硬貨データは基準データ作成
手段を構成する信号処理ユニット18に順次に送られ一
時的に記憶される。
【0028】投入コイン9の枚数が所望個数たとえば1
6枚になるとステップS15へ進む。それまではステッ
プS7からステップS13までが繰り返される。ステッ
プS15では16枚の真正コインからサンプリングした
16組の硬貨データを統計的に処理して基準データを作
成する。そして作成された基準データはメモリ19に貯
蔵される(ステップS17)。なお此処で上述された基
準データの作成について詳しく説明する。本実施例では
基準データの作成は16個の検出した硬貨データが確率
分布である正規分布に従っているとして行っている。
【0029】この統計手法を採用した理由は此の手法が
全硬貨データの算術平均と個々の硬貨データとの差の平
均をとるからである。言い換えると各硬貨データの全て
を使って計算するため各硬貨の持つデータを十分に基準
データに反映できるからである。ここで「正規分布に従
う」とは機械で作り出された製品のバラツキが統計学の
「正規分布」に近似して従っていることを言う。コイン
も工業製品であるから製造時のバラツキは此の正規分布
に近似して従っていると言える。
【0030】他方、流通しているコインは使用された年
数や使用状況のより摩耗や汚れの度合いが異なってい
る。したがって製造時と同様な状態にある新しいコイン
の硬貨データを用いて前記の基準データを作成した場
合、摩耗の激しい真正コインが正規分布の密度曲線に基
づく当該基準データからはみ出してしまうことがある。
そのため実際に流通しているコインの硬貨データを用い
其の平均値と標準偏差とを求めて投入されたコイン9の
真偽すなわち種類を判別するようにしたのが本実施例で
ある。
【0031】なお「実際に流通しているコイン」とは判
別装置1の使用者すなわち券売機あるい自動販売機など
から商品を購入しようとする使用者が実際に投入したコ
インのことを言う。使用者が実際に投入したコインを利
用することによってコイン判別装置1が設置された場所
の環境に常に適合させることが出来る。なお此処で本実
施例に使用されている正規分布について若干説明する。
まず検出手段20を介在して得られた三個の検出信号
A,B,Cからサンプリングによって(ステップS1
1)コイン16個の各硬貨データ(d1,d2,・・
・,d16)が得られる(ステップS13)。
【0032】つぎに此等の硬貨データ(di、i=1,
2,・・・,n、n=16)の平均値μ=Σdi/nを
求めると共に各硬貨データと平均値μの差(d1−μ,
d2−μ、・・・、d16−μ)を求める。そして標準
偏差σ=〔Σ(di−μ)/n〕1/2を求めると図
5の(a)ならびに図5の(b)に示されるような正規
分布N(μ,σ)が得られる。ただし図5の横軸は硬
貨データdiであり縦軸は正規分布の密度関数f(d
i)である。なおμは算術平均値μ=Σdi/nであり
nは硬貨データdiの個数である。
【0033】またiは自然数でありi=1,2,3,・
・・,nである。図5(a)には平均値μが同じであっ
て標準偏差σ1、σ2、σ3が種々に変化されたときの
正規分布の形が示されている。横軸diと此等の各密度
曲線a1,a2,a3とによって囲まれる各面積は1で
あるため標準偏差σ1、σ2、σ3が大きくなると高さ
が低くなる。したがって背の高い密度曲線a1はバラツ
キが少ない状態を示しており背の低い密度曲線a3は最
もバラついている状態を示し密度曲線a2は中間の状態
を示している。
【0034】たとえば新しいコインのみの場合は密度曲
線a1に該当し新旧のコインが混在している場合は密度
曲線a3に該当することになる。言い換えると新しいコ
インのみの場合の密度曲線a1は新旧コインによる補正
値によって密度曲線a2,a3の何れにも変化できるこ
とになる。そして確率分布である正規分布の各密度曲線
a1,a2,a3によって定まる硬貨データdiの各領
域μ±3・σ1、μ±3・σ2、μ±3・σ3がそれぞ
れ許容範囲である基準データになる。
【0035】標準偏差σが同じで平均値μ1、μ2、μ
3が種々に変化された場合の正規分布の形が図5(b)
に示されている。図示から明らかなように密度曲線b
1,b2,b3は何れも同じ形をして横にシフト移動さ
れている。たとえば古く摩耗の大きいコインが集まった
場合を平均値μ1とすると平均値μ3は新しく磨耗の少
ないコインが集まった場合であり平均値μ2は両者の中
間の場合を示している。
【0036】言い換えると新しいコインに基づく平均値
μ3が使用によってコインが磨耗したり汚れたりすると
平均値μ2、μ1のように平均値が移動することにな
る。これに伴って正規分布の密度曲線b1,b2,b3
が移動されることになり受け入れ領域μ1±3・σ、μ
2±3・σ、μ3±3・σも移動されることになる。し
たがって投入されたコインの状態に応じた受け入れ許容
範囲の基準データが設定されることになる。たとえば新
しいコインのみの場合の密度曲線b3は新旧コインによ
る補正値によって密度曲線b2,b1の何れにも変化で
きることになる。
【0037】さてステップS5においてコイン選別モー
ドに設定されていることが確認されるとデータ作成モー
ドと同様にコイン9が投入されたか否かが確認される
(ステップ21)。この場合のコイン9は判別装置1が
設定された場合の利用者が投入するコインである。具体
的には例えば券売機(図示略)の利用者が券を買うとき
に投入するコインであって上述の基準データを作成する
ために設置者が投入するものとは異なる。コイン9の投
入があるとステップS11と同様に硬貨データのサンプ
リングが行われCPUの信号処理ユニット18に送られ
る(ステップS23)。
【0038】つぎにステップS15で作成された基準デ
ータがメモリ19から読み出されて当該硬貨データと比
較される(ステップS25)。この比較によって投入コ
イン9の硬貨データが基準データの許容範囲内にあるか
否かの判断がされる。この比較の結果、基準データの許
容範囲内に当該硬貨データが入っていると判断されたと
きに次のステップS27へ進むことになる。前記硬貨デ
ータが上記の許容範囲外であると判断されるとステップ
S27からステップS5に戻り真正コインが投入される
まで此等のステップが繰り返される。
【0039】ステップS27において投入コイン9が真
正コインであると判断されたときはステップS31を経
由してステップS33へ進む。なおステップS31にお
いては先に述べたようにゲートソレノイド28が作動さ
れる。ステップS33においては前記の硬貨データを補
正に使用するか否かが判断される。なお硬貨データを補
正に使用するか否かの判断は外部からの指示信号(図示
略)によって行われる。硬貨データを補正に使用する場
合にはステップS35へ進み補正に使用しない場合には
ステップS45へ進む。
【0040】ステップS35においては硬貨データの個
数をカウントし次に当該硬貨データを順次にCPUであ
る信号処理ユニット18内のメモリ部へ送り一時的に貯
蔵する(ステップS37)。上記メモリ部の硬貨データ
が所定の個数たとえば16個になったときに(ステップ
S39)此等の硬貨データがステップS15と同様に統
計的に処理され補正値が得られる(ステップS41)。
こうして得られた補正値は基準データの補正値としてメ
モリ19に書き込まれ記憶される(ステップS43)。
【0041】この時点でメモリ19内には先に説明され
た基準データとステップS41にて作成された補正値と
が併存されていることになる。したがってステップS4
1、S43は真正コインが16枚投入される毎に繰り返
して遂行され、遂行される毎に先に記憶された補正値が
更新されることになる。メモリ19内には基準データと
常に更新される新しい補正値とが併存されていることに
なる。こうして補正値が順次に更新されるため投入され
る真正コインのバラツキに対応したコイン受入の許容範
囲が常に新しく設定される。
【0042】言い換えると流通している真正コインの実
情に合った判別基準の設定を常に変化して行うことが出
来ることになる。前述のステップS31においてゲート
7のソレノイド28が作動されると、投入された真正コ
イン9は開かれたゲート7(図1を参照)を通過する。
かくして出口8に配設されているセンサ25は落下する
真正コイン9を検出することになる(ステップS4
5)。センサ25が真正コイン9の通過を検出するとゲ
ートソレノイド28が再び作動されてゲート7が閉鎖さ
れる(ステップS47)。
【0043】なお前述したようにセンサ25の信号Sが
CPUの信号処理ユニット18に送られると此の信号S
に基づき信号処理ユニット18は本体である券売機(図
示略)などを作動する信号を出力する(ステップS4
9)。また本実施例においては正規分布を使用して統計
的な処理を行っているが例えば二項分布などであっても
良いことは勿論である。以下に本発明の実施例をまとめ
る。
【0044】本発明は、投入硬貨テータを検出するため
の検出手段と、受け入れるべき硬貨の正貨データとして
の基準データを予め記憶するための第1の記憶手段と、
前記投入硬貨データと前記基準データとを比較して前記
投入硬貨の真偽すなわち種類を判別するための判別手段
を設けた装置において、前記基準データを満たした投入
硬貨の硬貨データを所定枚数ごとに繰り返して統計処理
し、受け入れるべき硬貨の正貨データとしての補正値を
順次作成するため作成手段を設け、前記補正値を前記第
1の記憶手段に追加し、当該追加した補正値を新たに作
成した補正値により順次に更新するように構成したこと
を特徴とするものである。
【0045】また本発明は前記補正値の作成手段が前記
補正値を前記受け入れるべき硬貨の正貨データを正規分
布で近似することにより統計処理するように構成したこ
とを特徴とするものである。また本発明は前記補正値を
装置の設置者が投入する受け入れるべき所定枚数の硬貨
の正貨データを統計処理することにより作成するように
構成したことを特徴とするものである。
【0046】また本発明は前記基準データを前記硬貨デ
ータを正規分布で近似することにより統計処理するよう
に構成したことを特徴とするものである。また本発明は
前記補正値を前記第1の記憶手段に追加した後に前記判
別手段が前記基準データに基づいて前記投入硬貨の真偽
すなわち種類を判別できるようにするための選択手段を
設けたことを特徴とするものである。
【0047】また本発明の方法は投入硬貨の硬貨データ
を検出し前記検出した投入硬貨データと第1の記憶手段
に予め記憶してある受け入れるべき硬貨の正貨データと
しての基準データとを比較して前記投入硬貨の真偽すな
わち種類を判別するために用いる方法において前記基準
データを満たした投入硬貨の硬貨データを所定枚数ごと
に繰り返して統計処理して受け入れるべき硬貨の正貨デ
ータとしての補正値を順次作成し前記補正値を前記第1
の記憶手段に追加し当該追加した補正値を新たに作成し
た補正値により順次更新することを特徴とするものであ
る。
【0048】また本発明の方法は前記補正値を前記受け
入れるべき硬貨の正貨データを正規分布で近似すること
により統計することを特徴とするものである。また本発
明の方法は前記補正値をコイン判別装置の設置が投入す
る受け入れるべき所定枚数の硬貨の正貨データを統計処
理することにより作成するこを特徴とするものである。
【0049】
【発明の効果】以上のようになる本発明のコイン判別装
置は判別するための基準データを状況に応じて常に補正
値の追加で変更できるようにしたため結果としてコイン
使用の実状況に応じて例えば古いコインが多い場合でも
新しいコインが多い場合でも受け入れ可能な判別装置に
することができるという大きな効果が得られる。加えて
本発明の判別装置は使用による装置の劣化とくにコイン
通路の劣化をも結果として補償することができるという
大きな利点が得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による一実施例を示す概略図であ
る。
【図2】図2は本発明による一実施例のブロック回路図
である。
【図3】図3は図2を説明するための波形図である。
【図4】図4は図2を説明するためのフローチャートで
ある。
【図5】図5は図4を説明するためのグラフ図である。
【符号の説明】
1:コインの判別装置、 9:コイン、 20:コイン検出手段・・・ 4〜6:検出コイル、 11〜13:発振回路、 硬貨データ作成手段・・・ 14〜16:整流回路、 17:A/Dコンバータ、 基準データ記憶手段・・・ 19:メモリ、 比較手段・・・ 18:信号処理ユニット、 硬貨データ貯蔵手段・・・ 18:信号処理ユニット、 補正値作成手段・・・ 18:信号処理ユニット、 補正値追加手段・・・ 18:信号処理ユニット。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、投入されたコインを検出し
    て硬貨データを作成するための手段と、投入されたコイ
    ンが真正か否かを判別するための基準値データを記憶す
    る手段と、この基準値データと前記硬貨データとを比較
    するための手段と、この比較によって前記投入されたコ
    インが真正と判別されたときに当該硬貨データを貯蔵す
    るための手段と、この貯蔵された硬貨データが所定の個
    数になると統計的に処理して補正値を作成するための手
    段と、この作成された補正値を前記基準値データに追加
    するための手段と、を備えていることを特徴としたコイ
    ンの判別装置。
  2. 【請求項2】請求項1の記載において、前記硬貨データ
    が確率分布に従って処理されることを特徴とした判別装
    置。
  3. 【請求項3】請求項2の記載において、前記硬貨データ
    が正規分布に従って処理されることを特徴とした判別装
    置。
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Cited By (5)

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