JPH10132965A - 電子将棋盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 将棋盤にフォトダイオード等の駒検出センサ
ーを埋め込み駒がうたれたことを自動的に検知して更に
マイクロコンピュータ等と接続し通常採用されている数
種類の持ち時間の設定を可能にして対局時の消費時間若
しくは残り時間を自動的に管理する，そのことにより従
来のストップウオッチ方式や時計係による計測によら
ず、考慮時間を勝負の要素に加えて，対局者の対局条件
を公平にして，限られた時間内で終局するとともに，公
式な対局時の立会人による時間管理を省力する。 【構成】 将棋盤上に駒が置かれたことを自動検知する
ためのフォトダイオード，フォトトランジスター，光導
電セル，近接スイッチ，タッチスイッチ，光ファイバ
ー，ＣＣＤ等の駒検出センサーを埋設した電子将棋盤に
持ち時間の設定及び管理を行うマイクロコンピュータ等
と消費時間等を表示する表示器。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明品は将棋の対局時に両対局
者の数種類の消費時間若しくは残り時間を自由に設定し
その消費時間を自動的に管理するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来は将棋盤上の駒を検出するものがな
いため，普段の対局は消費時間若しくは残り時間を管理
していない，公式の対局では次の二つの方法により人が
対局者の消費時間若しくは残り時間を管理していた。 （イ）対局者の消費時間又は残り時間を立会人のうちの
時計係りがストップウオッチで測定し管理していた。 （ロ）対局者自身が駒を置いた後，素早く二連のストッ
プウオッチのうち自分用のストッブウオッチを押すこと
により自分用のストップウオッチが停止し相手のストッ
プウオッチが起動する、次に相手が駒を置いた後，相手
が相手用のストップウオッチを押すことにより相手用の
ストップウオッチが停止し自分のストップウオッチが起
動する、交互にこの動作を繰り返すことにより、ストッ
ブウオッチの稼働時間が消費時間となり積算され、持ち
時間を越えるとベルが鳴り、時間切れの負けになる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の方法は、以下の
ような問題があった、将棋の対局で時間を管理しないこ
とは，相手に必要以上に長考され精神的にじらされるこ
とがあり，勝負をするうえで公平を欠くことになり，将
棋の一方の要素である考慮時間との闘いをなくしてお
り，対局時間が無秩序に長くなる傾向があった，また限
られた時間で勝負がつかないことがあった。

【０００４】人が消費時間若しくは残り時間を測定する
場合は時計係が必要であった。

【０００５】連結のストップウオッチを使用する場合
は，対局者が駒を置いた後、素早くストップウオッチを
押し下げて自分のストップウオッチを停止させ相手のス
トップウオッチを起動させる必要があり，対局者にとっ
て非常に負担になり将棋に没頭できなくなる欠点があっ
た、しかもストップウオッチは２個が連結になっている
ため，両対局者の片側に置いてあり，一方の対局者にと
っては利き腕側に置かれない可能性があり不公平になっ
ていた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】将棋盤及び駒の持つ重厚
さ及び使い易さを損なわないよう，実物と同一形状の盤
面上に駒が置かれたことを自動検知するフォトダイオー
ド，フォトトランジスター，光導電セル，近接スイッ
チ，タッチスイッチ，光ファイバー，ＣＣＤ等の駒検出
用センサーを埋め込んだ電子将棋盤を制作する。

【０００７】請求項１の電子将棋盤をマイクロコンピュ
ータ等と接続し、持ち時間を管理するため通常実施して
いる数種類の持ち時間等をマイクロコンピュータ等に設
定可能にしておきそのうち一種類を対局前にマイクロコ
ンピュータ等に設定し、対局開始時の駒の場所と対局中
に自動検知した将棋盤上の駒の状態から先手番か後手番
かどちらが着手したかの判定を行い、そのときの駒を置
いた時間から、設定された両対局者の消費時間若しくは
残り時間をマイクロコンピュータ等で自動的に管理して
連続的に表示し，立会人による対局者の消費時間若しく
は残り時間の測定を省力化する。

【０００８】

【作用】本発明のうち請求項１の将棋盤の盤面上に駒が
置かれると検出する駒検出センサーを埋め込みその上に
駒が置かれると駒検出センサーはオン信号を出力する。

【０００９】持ち時間がトータルで６０分または考慮時
間１０分１手３０秒等の通常実施している持ち時間を全
て入力可能にしておきそのうち１方法を持ち時間設定器
から両対局者が別々にまたはどちらか一方の対局者がマ
イクロコンピュータ等に入力する、入力しない場合は標
準持ち時間となる、マイクロコンピュータ等は両対局者
の持ち時間を表示し、後手番の対局者が将棋開始のキー
入力をする、マイクロコンピュータ等は先手番の持ち時
間表示を１秒単位で減算する。

【００１０】持ち時間の設定はトータル時間で設定する
場合は持ち時間設定器の時、分、秒にそのまま設定し、
考慮時間１０分一手３０秒の時は時のところにＡを設定
し分のところに１０を秒のところに３０を設定する、持
ち時間の表示は設定と同じ箇所に表示する。

【００１１】設定するマイクロコンピュータ等は将棋盤
上の駒が置かれている状態を周期的に入力する、尚駒検
出センサーは駒の種類の判別はできない為、駒の有無の
みを検出する。

【００１２】マイクロコンピュータ等はメモリー上に盤
上の９×９ケに相当する場所に駒の有、無及び先手番の
駒か後手番の駒かを多数式確保し、後手番の対局者が将
棋開始のキー入力をすると盤上の駒の位置を入力して駒
の置いている場所から先手番の駒か後手盤の駒か区別し
て記憶しておき先手番の持ち時間を減算する。

【００１３】マイクロコンピュータ等は連続的に駒の位
置を入力し、前回入力時の将棋盤面上の駒の位置と、今
回入力時の盤面上の駒の位置を比較し、先手番の駒が１
枚減っていればこれから駒を動かす場合で、後手番の駒
が１枚減っていれば相手の駒を取って自分の駒を指す前
なので持ち時間の減算の停止はしない。

【００１４】その後先手番の駒が移動した場合及び後手
番の減った駒の位置に駒が置かれた場合は先手番の持ち
時間の減算を停止し後手番の持ち時間の減算を開始す
る。

【００１５】駒の数は変わらず駒の位置が前回と変化が
あった場合及び駒の数が１枚増えた場合は先手番が駒を
指したと判断し先手番の持ち時間の減算を停止し、後手
盤の持ち時間の減算を開始する，これを交互に繰り返
す、つまり打たれた順番で先手番又は後手番のどちらが
打たれたかの判定を行う、また動かされた駒の場合は、
その駒は先手番または後手番の駒なのかチェックし誤動
作を防ぐ。

【００１６】駒を前後左右の位置からずらして指した場
合は先手番または後手番の駒が連続して移動したと判断
できるので最初に移動した時間で減算開始し移動後の駒
検知は何もしない。

【００１７】持ち時間が０秒になった時点で消費時間の
減算を停止し０秒になった方が時間切れの負けになり警
報を出力し、対局者に知らせる。

【００１８】

【実施例１】図−１は，本発明の電子将棋盤の概念図で
あり，従来と同仕様の将棋盤１の盤面に駒検出センサー
を埋め込み更に将棋盤のなかにマイクロコンピュータを
内蔵して，両対局者側に持時間表示器２と持時間設定器
３、開始押し釦スイッチ５、時間切れ警報４を設置した
概念図である、以下の実施例１は駒検出センサーをフォ
トダイオードの場合を例として説明する。

【００１９】図−２は，上から駒６，将棋盤面の区画線
７とフォトダイオード８の垂直方向の取り付け位置関係
と大きさを立体的に表したものであり，フォトダイオー
ドは，将棋盤面の区画の中心に埋め込まれ，エレメント
９の５．０ｍｍ×８．０ｍｍの面積で，光を検出するこ
とを示している、駒を区画の交点の中心からずらして置
いたとしても駒の大きさは光を遮るには充分な大きさと
いえる。

【００２０】図−３はフォトダイオード８を将棋盤の母
材１０に埋め込み，その上に本目模様入りの将棋盤の目
の描かれた半透明のプラスチック製のプレート１１をフ
ォトダイオード８と補強材１４に重ね，更に保護用とし
て透明の強化プラスチック製プレート１２を重ねたもの
で、１３は空洞である。

【００２１】図−３の構造によりフォトダイオードの駒
がないときの検出照度は１００ｌｘ程度であり駒で光を
遮ったときは１０ｌｘ以下になるのでフオトダーイオー
ドの出力差により駒の検出は無理なくできる。

【００２２】図−４はフォトダイオードの出力をマイク
ロコンピュータに入力した図であり，９個×９個のフォ
トダイオードをディジタル出力部から信号出力指令を信
号出力部に出力し，該当のフォトダイオードを９個ずつ
切り替えて入力することを示している、信号出力指令で
切り替えて入力しているのは，回路素子の節減化と常時
通電することによる発熱を防止することを目的としてい
る。

【００２３】

【実施例２】図５に将棋盤の盤面に光ファイバーケーブ
ル１５を９×９区画の中央に埋め込み反対側は光ファイ
バーケーブル固定具１７に固定し、将棋盤上の蛍光灯等
の灯りは光ファイバーケーブル１５を経由して固定具１
７側の光ファイバーケーブルの端面を光らせ、それをカ
メラ１６で撮影する、将棋盤内部は暗室とする。

【００２４】駒が置かれていない状態ではカメラには９
×９ケの光が撮影されており、駒が置かれた場所は光が
消えた状態となる。

【００２５】カメラの映像はマイコンからの信号で駒の
有無の判別を簡単化するために２値化する。

【００２６】カメラからの映像・同期複合信号から同期
信号を取り出し比較回路で垂直同期信号入力時はシリア
ル／パラレル変換器に対して変換スタート信号を出力
し、水平同期信号入力時に水平カウンターをスタートさ
せる、映像信号は１６ビットのパラレルに変換してＶＲ
ＡＭにＤＭＡ方式で記憶させる。

【００２７】光の映像信号９×９ケが全て撮影される走
査線アドレスを予め比較回路に設定しておき、走査線カ
ウンターと水平カウンターからの信号でアドレスが一致
するとシリアル／パラレル変換器に対して変換ストップ
信号を出力し余分な映像信号を記憶しないようにする。

【００２８】マイクロコンピュータで９×９ケに相当す
る光の映像信号を画像処理により事前に作成した駒有り
のビットパターンと比較して駒の有無の判定をする。

【００２９】

【発明の効果】本発明品を使用することにより普段の対
局でも，対局者の消費時間若しくは残り時間等を自由に
設定でき、それを自動的に管理することにより、勝負に
考慮時間の要素が加わり公平な対局ができる、また昼休
み等の時間の限られた場合も時間内に対局が終わること
ができる。

【００３０】対局者の消費時間若しくは残り時間を自動
的に管理することにより，将棋の対局者がストップウオ
ッチを押す煩わしさから開放され，その分将棋に没頭で
きる。

【００３１】将棋の立会い者が消費時間を管理していた
場合は，本発明品を利用するこにより，立会人のうち時
計係が不要になる。

【００３２】ストップウオッチを両対局者の片側に置い
ていたので，利き腕の方にストップウオッチが置かれな
かった対局者は不利になっていたが，本発明品を利用す
るこにより，不公平感がなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】電子将棋盤の概念図であり，従来と同仕様の将
棋盤の盤面に駒検出センサーを埋め込み更に将棋盤のな
かにマイクロコンピュータを内蔵して，両対局者側に表
示器と持ち時間設定器を設置した概念図である。

【図２】上から駒，将棋盤の区画線及びフォトダイオー
ドの垂直方向の取り付け位置関係と大きさを立体的に表
したものである。

【図３】フォトダイオード８を将棋盤の母材１０に埋め
込み，その上に本目模様入りの将棋盤目の描かれた半透
明のプラスチック製のプレート１１をフォトダイオード
８と補強材１４に重ね，更に保護用として透明の強化プ
ラスチック製プレート１２を重ねたものです。１３は空
洞である。

【図４】フォトダイオードの出力をマイクロコンピュー
タに入力した図であり，９個×９個のフォトダイオード
を信号出力信号により９個ずつ入力することを示してい
る。

【図５】将棋盤に光ファイバーケーブルを埋め込み、カ
メラで連続的に撮影してその映像信号を２値化して画像
処理により駒の有、無を検知し、持ち時間等をマイクロ
コンピュータで演算したもの

【符号の説明】

１ 将棋盤 ２ 持ち時間表示器 ３ 持ち時間設定器 ４ 時間切れ警報器 ５ 開始押釦スイッチ ６ 駒 ７ 盤面の区画線 ８ フォトダイオード ９ エレメント １０ 将棋盤の母材 １１ 本目模様で将棋盤の線が描かれたプレート １２ 透明の強化プラスチックプレート １３ 空洞 １４ 補強材 １５ 光ファイバーケーブル １６ カメラ １７ 光ファイバーケーブル固定具

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 将棋盤上に将棋の駒が置かれたことを自
   動検知する目的でフォトダイオード，フォトトランジス
   ター，光導電セル，近接スイッチ，タッチスイッチ，光
   ファイバー，ＣＣＤ等の駒検出用センサーを将棋盤に埋
   め込んだ電子将棋盤。
2. 【請求項２】 請求項１の電子将棋盤をマイクロコンピ
   ュータ等と接続し、持ち時間を管理するため通常実施し
   ている数種類の持ち時間等をマイクロコンピュータ等に
   設定可能にしておき、そのうち一種類を対局前にマイク
   ロコンピュータ等に設定し、対局開始時の駒の場所と対
   局中に自動検知した将棋盤上の駒の状態から先手番か後
   手番かどちらが着手したかの判定を行い着手した時間か
   ら、設定された対局者の消費時間若しくは残り時間をマ
   イクロコンピュータ等で自動的に管理し連続的に表示す
   る。