JPH10131128A - Pc橋の撤去工法 - Google Patents

Pc橋の撤去工法

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JPH10131128A
JPH10131128A JP8293743A JP29374396A JPH10131128A JP H10131128 A JPH10131128 A JP H10131128A JP 8293743 A JP8293743 A JP 8293743A JP 29374396 A JP29374396 A JP 29374396A JP H10131128 A JPH10131128 A JP H10131128A
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耕一郎 多田
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幸彦 氷澤
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進 安藤
Kiyoshi Yoshida
潔 吉田
Tetsuya Ashida
徹也 芦田
Toshio Funasako
俊雄 船迫
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工事の作業が橋下の道路に与える影響が少な
く、しかも、耐荷力の低下した橋上での安全な施工が可
能なものである。 【解決手段】 中分ベント4を橋桁1の支間中央部に設
置し、補強トラス5を側径間側から送り出し、吊鋼棒6
を緊張し桁荷重を補強トラス5に盛り替え、コア抜き・
PC鋼線の切断等の桁の準備切断を行い、切断済の桁を
ベント20で仮受けした後、大型クレーンで撤去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、震災を受けたPC
橋の撤去工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大震災を受けたPC橋では、PC鋼線定
着部近傍(側径間部)を中心として数メートル程度のひ
び割れが多数確認され、プレストレス力減少等による橋
の耐荷力の減少および耐久性の低下が懸念される。
【0003】補修方法としては、鋼板接着工法や外ケー
ブル工法等が考えられるが、損傷復旧の抜本的な対策を
採ることが困難である場合には撤去することになる。
【0004】撤去の方法としては、図34に示すようにP
C橋の下に適宜間隔でベント30を設置し、橋梁31の全体
を一旦多数のベント30で受けて、切断撤去することが考
えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように橋梁31の全
体を一旦多数のベント30で受けて、切断撤去する方法で
は、橋梁31がオーバーブリッジで道路がある場合にはこ
の橋下の道路は昼夜全面通行止めとなり、影響が大き
い。
【0006】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、橋下の道路に与える影響が少なく、しかも、耐荷力
の低下した橋上での安全な施工が可能であるPC橋の撤
去工法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1に、中分ベントを支間中央部に設置し、
補強トラスを側径間側から送り出し、吊鋼棒を緊張し桁
荷重を補強トラスに盛り替え、コア抜き・PC鋼線の切
断等の桁の準備切断を行い、切断済の桁をベントで仮受
けした後、大型クレーンで撤去すること、第2に、桁の
撤去は橋下道路の反対車線を対面通行させながら、中央
径間部の半分を先に撤去し、その後その中央径間反対
側、側径間部上り線側、下り線側を撤去することを要旨
とするものである。
【0008】第3に、切断済の桁を仮受けするベントは
自走台車上に予め組立てたものを吊り下ろし、橋下に移
動すること、第4に、橋下道路の中央分離帯を改良して
コンクリートを打設すること、第5に、中分ベントの荷
重や、傾斜、沈下の計測管理を行い、PC鋼線切断後の
橋桁やベントの変位を補正管理し、補強トラスの吊鋼棒
の張力や橋桁各所の沈下を計測し、橋桁の変位の推移を
監視できるようにしたこと、第6に、データは集中管理
し、リアルタイムにデジタル表示することを要旨とする
ものである。
【0009】請求項1記載の本発明によれば、撤去した
橋桁の切断ブロックをトレーラー積載可能とするため切
断箇所が多くなるが、予め部分切断することで限られた
時間内で工事を完了させ、この時橋桁内のPC鋼線が切
断され、また、中央径間を半分撤去する際PC鋼線が切
断されるが、補強トラスより桁全域の安定化を図ること
ができる。
【0010】さらに、撤去塊も補強トラスからチェーン
ブロックで吊り下ろす方法とくらべて大型クレーンで撤
去するのは時間の節約となる。切断は全箇所同時に施工
しなけらばならず、撤去する過程で切断済の桁が不安定
となり、補強トラスによる吊り上げだけでは、残りの橋
桁に影響が生じる可能性があり、切断中に桁と桁がせっ
てきてワイヤーソーでの切断にトラブルが生じるおそれ
があるが、撤去塊ごとにベントで受けることによりこの
ような不都合が解消できる。
【0011】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、橋下道路の反対車線を対面通行させながら、
反対側車線を利用して工事を行うものであり、道路の機
能を確保しつつ、安全かつ短期に施工を進めることがで
きる。
【0012】請求項3記載の本発明によれば、ベントを
短時間で組立てセットすることができる。
【0013】請求項4記載の本発明によれば、橋下道路
の中央分離帯を改良することで中分ベントの設置場所と
して安定した場所を確保でき、さらに大型クレーンや自
走台車の待機場所としてもここを利用できる。
【0014】請求項5記載の本発明によれば、計測管理
を行うことで、構造系変化時および荷重状態変化時の橋
および仮設構造物の挙動を定量的に把握するとともに、
ベントおよび吊鋼棒のプレロード作業時の荷重管理を行
うことができる。
【0015】請求項6記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、データは集中管理し、リアルタイムにデジタ
ル表示することで不測の事態がないようにすることがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
形態を詳細に説明する。図1は本発明のPC橋の撤去工
法の1実施形態を示す説明図で、図2は施工フロー図
で、図中1は橋桁を示す。また、橋の全体は図3〜図5
に示すが、PC斜材付π型ラーメン橋で、橋下に上り線
2a、下り線2bの道路2が通るオーバーブリッジの場
合である。
【0017】図2にもあるように準備工として、道路2
の中央分離帯3を改良してコンクリートを打設する。ま
た、玉掛け用の吊り天秤設置用、またはワイヤーソーの
ワイヤー通し孔としてコアボーリング工を行い、さら
に、橋桁1の切断場所を事前に連続コア削孔し、本撤去
時に切断時間の短縮を図る。(図6〜図9参照)
【0018】図10に示すように前記中央分離帯3の改良
部分上に鋼製の中分ベント4を支間中央部に設置する。
この中分ベント4は工場で大組みしたものを橋桁1の手
前の中央分離帯上でクレーンを使用して組立て、チルホ
ール、チルタンクで橋下へ移動後ジャッキアップしてセ
ットする。また、上部には油圧ジャッキを10台程度配置
する。
【0019】図1の(b)に示すように前記中分ベント
4の油圧ジャッキにより30tf程度のプレロードを行う。
【0020】補強トラス5を側径間側から送り出し、吊
鋼棒(ゲビンデスターブ)6を緊張し桁荷重を補強トラ
ス5に盛り替える。これは橋桁1の切断の一部を事前に
連続コアにて行うため、橋桁1内のPC鋼線のほとんど
を切る必要がある。そして、PC鋼線を切断すると、橋
桁1の中央径間はコンクリートだけでは安定しないので
補強トラス5で補強するわけである。
【0021】図11、図12に示すように、前記吊鋼棒(ゲ
ビンデスターブ)6は補強トラス5の上と橋桁1の下の
梁どうしの連結を行い、玉掛時はカプラー7を解して補
強トラス5より上の設備を撤去後吊りピース8を利用し
て施工する仕組とする。吊鋼棒6の張力はPC鋼線の切
断ごとに変化するため、油圧ジャッキ9を多数配置し、
橋桁1の各所に設置した沈下計とともに計測管理を行
う。図中10はナット、11は手動ポンプ、12は桁止め金具
である。
【0022】工事用照明設備工は、本線の両サイドの法
肩に多数の水銀灯を長くにわたって設置し、橋付近はエ
ンジン式のテラスターを本線上に数台、橋の上にも約数
十台の水銀灯を配置し、切断作業や玉掛け作業の能力の
向上を図る。
【0023】また、橋桁挙動計測工として、中分ベント
4の荷重や、傾斜、沈下の計測管理を行い、PC鋼線切
断後の橋桁やベントの変位を補正管理した。また、トラ
スのゲビンデスターブの張力や橋桁の各所の沈下を計測
し、橋桁の変位の推移を監視できるようにした。これら
のデータを集中管理しリアルタイムにデジタル表示さ
せ、不測の事態がないようにした。
【0024】前記計測管理は構造系変化時および荷重状
態変化時の橋および仮設構造物の挙動を定量的に把握す
ると共に、中分ベント4および吊鋼棒6のプレロード作
業時の荷重管理を行う目的で行う。
【0025】下記表1に計測管理項目を、また、図30、
図31に計測器の配置を示す。図中13は水盛式沈下計、15
は2成分傾斜計、16は伸縮計である。
【0026】
【表1】
【0027】管理基準値は、ベント・トラスの許容耐力
より管理基準値を以下のように定める。なお、施工時計
算で算出した予測値と大きく異なる場合も管理基準値を
超えた場合と同等の扱いを行う。 1次管理基準値:許容値の60% 2次管理基準値:許容値の80% なお、ここでいう許容値とは、ベントおよびトラスの許
容耐力から算出した値(ベント反力・傾斜・沈下量等)
を指す。
【0028】そして計測結果は、図32に示すようなベン
ト反力およびベント支点部沈下量の経日変化として、ま
た、図33に示すような桁変位量平均値の経日変化として
をリアルタイムに表示する。
【0029】図2に示すように本線撤去工としては、第
1日目に下り線橋桁撤去、第2日目に上り線橋桁撤去、
中分ベント撤去、第3日目に上り線側径間、鉛直材撤
去、第4日目に下り線側径間、鉛直材撤去となる。
【0030】この第1日目の工事のようすを図13〜図18
に示すと、まず、図13、図14に示すようにクレーン18を
組立て、自走台車(トランスポーター)19をセットし、
切断済の桁を仮受けするベント20は自走台車上19に予め
組立てたものを吊り下ろして配置する。
【0031】図15、図16に示すように補強トラス5を撤
去し、ワイヤーソー21を設置して橋桁1を切断する。撤
去塊はベント20で受け、図17、図18に示すようにトレー
ラー22に積み込み搬送する。
【0032】図19、図20に示すように、中分ベント4お
よび上り線側橋桁の撤去を行う。図21にワイヤーソー21
の配置を示す。
【0033】後は側径間の撤去工となるが、図22〜図29
にその様子を示すと、先に上り線2aでワイヤーソー22
を設置し、桁を切断し、撤去塊をトレーラー22の積込
み、撤去し、また鉛直材を撤去する。次いで下り線2b
側を同様に撤去する。
【0034】側径間はクレーンで撤去できるところまで
分割するため1日数ブロックの塊を搬出する。高欄部分
は準備工で本線2車線を規制して撤去しておく。橋桁が
鉛直材にのっている部分の橋軸方向の切断部は準備工で
切断しておき、本撤去の時の切断時間の短縮を図る。
【0035】以上のような工事を行うのに、橋下の道路
2は反対車線を対面通行させながら進行させる。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明のPC橋の撤去
工法は、工事の作業が橋下の道路に与える影響が少な
く、しかも、耐荷力の低下した橋上での安全な施工が可
能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPC橋の撤去工法の1実施形態を示す
説明図である。
【図2】本発明のPC橋の撤去工法の1実施形態を示す
施工フロー図である。
【図3】対象となる橋の側面図である。
【図4】対象となる橋の平面図である。
【図5】対象となる橋の側面図である。
【図6】コアボーリング工の第1段階の全体を示す平面
図である。
【図7】コアボーリング工の第1段階の全体を示す側面
図である。
【図8】コアボーリング工の第2段階の全体を示す平面
図である。
【図9】コアボーリング工の第2段階の全体を示す側面
図である。
【図10】中分ベントおよび補強トラスの全体を示す正
面図である。
【図11】補強トラスの設置時の側面図である。
【図12】補強トラスの盛替え時の側面図である。
【図13】本発明のPC橋の撤去工法の第1工程を示す
正面図である。
【図14】本発明のPC橋の撤去工法の第1工程を示す
平面図である。
【図15】本発明のPC橋の撤去工法の第2工程を示す
正面図である。
【図16】本発明のPC橋の撤去工法の第2工程を示す
平面図である。
【図17】本発明のPC橋の撤去工法の第3工程を示す
正面図である。
【図18】本発明のPC橋の撤去工法の第3工程を示す
平面図である。
【図19】本発明のPC橋の撤去工法の第4工程を示す
正面図である。
【図20】本発明のPC橋の撤去工法の第4工程を示す
平面図である。
【図21】中央径間ワイヤーソーの配置を示す平面図で
ある。
【図22】本発明のPC橋の撤去工法の第5工程を示す
正面図である。
【図23】本発明のPC橋の撤去工法の第5工程を示す
平面図である。
【図24】本発明のPC橋の撤去工法の第6工程を示す
正面図である。
【図25】本発明のPC橋の撤去工法の第6工程を示す
平面図である。
【図26】本発明のPC橋の撤去工法の第7工程を示す
正面図である。
【図27】本発明のPC橋の撤去工法の第7工程を示す
平面図である。
【図28】本発明のPC橋の撤去工法の第8工程を示す
正面図である。
【図29】本発明のPC橋の撤去工法の第8工程を示す
平面図である。
【図30】計測器の配置を示す平面図である。
【図31】計測器の配置を示す側面図である。
【図32】ベント反力およびベント支点部沈下量を示す
グラフである。
【図33】桁の平均変位量を示すグラフである。
【図34】従来例を示す正面図である。
【符号の説明】
1…橋桁 2…道路 2a…上り線 2b…下り線 3…中央分離帯 4…中分ベント 5…補強トラス 6…吊鋼棒 7…カップラー 8…吊りピース 9…油圧ジャッキ 10…ナット 11…手動ポンプ 12…桁止め金具 13…水盛式沈下計 15…2成分傾斜計 16…伸縮計 18…クレーン 19…自走台車 20…ベント 21…ワイヤーソー 22…トレーラー 30…ベント 31…橋梁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 潔 大阪府大阪市西区阿波座一丁目3番15号 鹿島建設株式会社関西支店内 (72)発明者 芦田 徹也 大阪府大阪市西区阿波座一丁目3番15号 鹿島建設株式会社関西支店内 (72)発明者 船迫 俊雄 大阪府大阪市西区阿波座一丁目3番15号 鹿島建設株式会社関西支店内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中分ベントを支間中央部に設置し、補強
    トラスを側径間側から送り出し、吊鋼棒を緊張し桁荷重
    を補強トラスに盛り替え、コア抜き・PC鋼線の切断等
    の桁の準備切断を行い、切断済の桁をベントで仮受けし
    た後、大型クレーンで撤去することを特徴としたPC橋
    の撤去工法。
  2. 【請求項2】 桁の撤去は橋下道路の反対車線を対面通
    行させながら、中央径間部の半分を先に撤去し、その後
    その中央径間反対側、側径間部上り線側、下り線側を撤
    去する請求項1記載のPC橋の撤去工法。
  3. 【請求項3】 切断済の桁を仮受けするベントは自走台
    車上に予め組立てたものを吊り下ろし、橋下に移動する
    請求項1または請求項2記載のPC橋の撤去工法。
  4. 【請求項4】 橋下道路の中央分離帯を改良してコンク
    リートを打設する請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載のPC橋の撤去工法。
  5. 【請求項5】 中分ベントの荷重や、傾斜、沈下の計測
    管理を行い、PC鋼線切断後の橋桁やベントの変位を補
    正管理し、補強トラスの吊鋼棒の張力や橋桁各所の沈下
    を計測し、橋桁の変位の推移を監視できるようにした請
    求項1ないし請求項4のいずれかに記載のPC橋の撤去
    工法。
  6. 【請求項6】 データは集中管理し、リアルタイムにデ
    ジタル表示する請求項5記載のPC橋の撤去工法。
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