JPH10131091A - 電気凝固印刷用の記録シート - Google Patents

電気凝固印刷用の記録シート

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JPH10131091A
JPH10131091A JP31903896A JP31903896A JPH10131091A JP H10131091 A JPH10131091 A JP H10131091A JP 31903896 A JP31903896 A JP 31903896A JP 31903896 A JP31903896 A JP 31903896A JP H10131091 A JPH10131091 A JP H10131091A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気チャージにより凝固するインクを用い
て、電極化したシリンダー上に文字、画像を形成させ、
これを圧力によって記録シートに転写させる印刷方式に
おいて、従来の記録シートとして既存の印刷用紙を用い
た場合には、凝固コロイドの転写率が悪く、とくに多色
刷りを行う場合、色を重ねる毎に転写率がさらに悪くな
るという課題があった。 【解決手段】 電気凝固印刷用の記録シートにおいて、
動的走査吸液計による純水の吸収曲線から求められる濡
れ時間を15ミリ秒以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気チャージによ
り凝固するインクを用いて、電極を形成するシリンダー
上に所望の文字、画等からなるイメージを表すインク層
を形成し、このインク層を圧力によって記録シートに転
写させる印刷方式、すなわち電気凝固印刷法に用いられ
る記録シートに関し、とくに良好な文字、画像の形成が
できる記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気凝固印刷法に関しては、米国特許第
3,892,645号、同第4,555,320号、同
4,764,264号、特表平4−504688号公報
などに開示されており、これに使用されるインキは、水
系のインキであることが特徴であり、その組成は、水、
電解的に凝固性の高分子、可溶性電解質および着色剤よ
りなっている。電解的に凝固性の高分子とは、たとえば
アルブミン、ゼラチン、カゼイン、カンテン、ポリアク
リル酸、ポリアクリルアミド、PVAなどであり、可溶
性電解質とは、たとえば塩化リチウム、塩化ナトリウ
ム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化ニッケル、塩
化銅、硫酸マグネシウムなどである。
【0003】電気凝固法の基本的な仕組みは以下の通り
である。上記の組成のインキの層が、陽陰極間にはさま
れた状態で電極間に電位差を発生させると、コロイドの
凝固とその凝固コロイドの陽極への付着が起こる。この
凝固は、インキ中の着色剤を含んだ状態で起こる着色凝
固であり、この着色凝固コロイドを適宜配置すること
で、任意の画像を再現でき、再現した画像を何らかの方
法で記録シートに転写することによって、任意の画像の
記録シートへの記録を行うことができる。
【0004】電気凝固法を利用した印刷機の構成は、前
掲の特表平4ー504688に詳しく記載されている
が、添付の図1を参照して簡単に説明する。図1は、1
色の画像を形成し、記録シートに転写する印刷機の構成
を概略的に示したもので、多色印刷の場合には、同様の
装置を複数基連ねることにより、1機の印刷機を構成す
る。図1において、符号1は正の電極として働く金属の
円筒であり、たとえばステンレス等の電気的に不活性な
金属で作られる。この正の電極1と絶縁され、それぞれ
独立した負の電極が円筒状ボックス2上に配置されてお
り、インキ噴射機3から噴射されるインキが両電極間を
満たす。正の電極1は図の時計方向に連続的に回転し、
負の電極2との間に断続的に電位差を生じさせることに
よって、両電極間を満たすインキに凝集コロイド部と非
凝集インキ部を作る。凝集コロイドは正の電極1に付着
しており、符号4で示されるワイパー等で非凝集インキ
のみが選択的に正の電極上から除去される。
【0005】正の電極1上にはプレスロール5が圧接さ
れており、その両者間に記録シート6が給送される。し
たがってプレスロール5の周面上に支持された凝集コロ
イド部は、正の電極1の回転に伴ってプレスロール5の
位置に達し、記録シート6上に接触転写される。この時
のプレスロール5と正の電極1間のニップ圧は、30〜
50kg/cmである。なお転写後の正の電極1は、さ
らに回転をつづけてクリーニング装置7でクリーニング
され、さらに腐食防止剤塗布装置8で腐食防止剤が塗布
され1サイクルが完了する。
【0006】この印刷法を従来の印刷方式、たとえばオ
フセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、グラビア印
刷などと比較すると、大きな相違点は、電気凝固印刷法
がいわゆる「版無し印刷」の範疇に入ることが挙げられ
る。版無し印刷の利点は多いが、従来の印刷方式におい
ては版をおこす工程が必要不可欠であり、印刷物1枚あ
たりの原価に占める製版費用の割合が著しく大きいのに
対して、「版無し印刷」は製版工程を必要としないの
で、製版費用がかからないこと、および従来の「版有り
印刷」の場合、同一の印刷物を刷る間は高速であるが、
異なる印刷物に替える(版を交換する)ための準備に時
間がかかるのに対して、「版無し印刷」では、コンピュ
ータから送られるデータを毎回読み込んで印刷する方式
であるから、異なる印刷物を刷るための準備時間が極め
て短いことが挙げられる。以上の結果、電気凝固印刷法
は、特に小ロットの印刷においては、従来法に比べて圧
倒的に有利な印刷法といえる。
【0007】また、異なる印刷物を刷るための準備時間
がほとんど掛からないことは、たとえばダイレクトメー
ルの共通の本文を印刷すると同時に、それぞれ別個の宛
名まで印刷してしまう様な、従来の印刷法では不可能で
あった、いわゆるページバリアブルまでを可能とする。
【0008】さらに電気凝固法を用いた印刷機は、頑丈
な部品の比較的簡単な組み合わせで構成される印刷機で
あり、高速化には容易に対応できる。印刷スピードは、
印刷機本体よりもコンピュータからの情報伝達スピード
により上限が決まることになる。現在のコンピュータの
レベルでも数百m/分のスピードは十分可能な数字であ
る。
【0009】電気凝固法に使われる着色剤は、従来の印
刷法のインキに使われる着色剤と同じものが使用可能で
あり、凝集コロイドの形状、大きさは、陰電極の形状、
大きさとほぼ同じであり、記録シート上でのドットゲイ
ンも考えられない。したがって微細でシャープなドット
によるクリアな画像再現が可能である。
【0010】以上の様に、電気凝固印刷法は従来の印刷
法並の高生産性と高画質を、また従来法には不可能な小
ロット対応、ページバリアブル性をも併せもつ優れた印
刷方式であるといえる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように電気
凝固方式は非常に優れた方式であるが、記録シートとし
て通常の紙等を使用した場合には、その特性が十分に発
揮されない。たとえば既存の印刷用紙では、凝固コロイ
ドの転写率が悪く、とくに多色刷りを行う場合、色を重
ねる毎に転写率がさらに悪くなるという問題があった。
したがって、この電気凝固方式に適した用紙、すなわち
さまざまな種類の印刷用紙、また種々の形態を有しいろ
いろな用途に供される記録シートの開発が強く望まれて
いる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意検討した結果、ある特定の性質を
持った記録シートが上記問題点を解決することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち本発明によれば、動的走査吸液計
による純水の吸収曲線から求められる濡れ時間が15ミ
リ秒以下である電気凝固印刷用の記録シートが提供され
る。本発明の記録シートの構成について説明すると、記
録シートは、基本的には紙、フィルムあるいは不織布の
ような任意の形態であり得る。
【0014】本発明の記録シートに使用される「紙」と
は、公知の叩解機で適当に叩解した木材繊維や非木材繊
維、填料、各種薬品を水に混合した原料を、長網抄紙機
や円網抄紙機、傾斜式抄紙機、ツインワイヤー抄紙機
等、公知の抄紙機を用いて漉いたシート状物質である。
【0015】また「フィルム」とは、ビスコース、アセ
テート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ナイロン、ポリアセタール、ポリカ
ーボネート、ポリエチレンテレフタレート、などの有機
樹脂を、必要に応じてその他填料や薬品を添加し、溶融
押し出し法、カレンダ法、延伸法、溶液流延法などの公
知の方式で薄層化したシート状材料であり、いわゆる合
成紙もこの範疇に入る。
【0016】さらに「不織布」とは、木材繊維、コット
ン、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、アクリ
ル、アセテート、ナイロン、ポリプロピレン、などの繊
維を原料とし、スパンボンド法、抄紙法、カード機やガ
ーネット機を用いた乾式法など公知の方式によってシー
ト状にしたものである。
【0017】これらのシート状材料は、単一層からなっ
ていてもよいが、シート表面に填料およびバインダーか
らなる塗工層を設けた構造であってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明において、まず第1に、動
的走査吸液計による純水の吸水曲線から求められる濡れ
時間がきわめて重要な要素である。また吸収曲線から求
められる吸収係数および正反射型平滑度計で40kg/
cm2の圧力をかけ波長0.5μmの光線で測定したと
きの接触率も重要な要素であり、印刷物の要求品質によ
って、記録シートの特性値も変化する。
【0019】文字の認識および粗いモノクロ画像の判別
ができれば良い程度の印刷物では、動的走査吸液計によ
る純水の吸収曲線から求められる濡れ時間が15ミリ秒
以下であれば実用に支障はない。またモノクロの精細画
像の印刷物では、動的走査吸液計による純水の吸収曲線
から求められる濡れ時間が15ミリ秒以下であり、かつ
動的走査吸液計による純水の吸収曲線から求められる吸
収係数が5ml/m2-1/2以上であることが望まし
い。
【0020】さらにフルカラーの画像を要求する印刷物
においては、正反射型平滑度計で40kg/cm2の圧
力をかけ波長0.5μmの光線で測定したときの接触率
が40%以上であり、かつ動的走査吸液計による純水の
吸収曲線から求められる濡れ時間が15ミリ秒以下であ
り、かつ動的走査吸液計による純水の吸収曲線から求め
られる吸収係数が10ml/m2-1/2以上であること
が望ましい。
【0021】次に本発明の記録シートが適用される電気
凝固印刷について説明する。
【0022】前述の電気凝固印刷機において、電極間で
生成した凝固コロイドには25〜65%の水分が含まれ
ているが、その粘弾性は通常のオフセットインキに比べ
て硬くて脆い状態であり、この状態では記録シートへの
転写性は非常に低い。
【0023】本発明者らが検討した結果、記録シートに
凝固コロイド中の水分を吸収させることでこの転写性が
向上することがわかった。この理由は、含水率の変化に
よって凝固コロイドのタック性が向上すること、記録シ
ートと凝固コロイドの塗れ性が変化すること、および記
録シート表面が柔らかくなったこと等の要因が単独で、
もしくは複合して作用しているものと推測される。
【0024】この記録方式では、正の電極を兼ねる金属
面に接着した凝固コロイドを記録シートに転写するため
に、電極面に記録シートを接触させ、かつ記録シートの
背面からプレスロールにより加圧して転写する接触転写
方法がとられるが、記録シートと凝固コロイドとが接触
している時間は極めて短時間である。そしてこの短時間
の間に、凝固コロイドから記録シートへの水分の移動
と、正の電極から記録シートへの凝集コロイドの転写が
行われなければならない。したがって記録シートが凝固
コロイドから吸水するために許容される時間は非常に短
い。つまり、極短時間での水の吸収性能が上記課題を解
決するために非常に重要なファクターとなることがわか
る。
【0025】本発明者らは、鋭意検討の結果、記録シー
トと凝固コロイドが接触している時間は20ミリ秒以下
であること、記録シートが凝固コロイドから吸収しなけ
ればならない水分量は1色あたり最大1g/m2である
ことを解明した。
【0026】本発明の記録シートは、通常厚さ40μm
から300μmに至る広範囲の厚さのシート状材料であ
って、前記した特定の性能を持ったものであり、その材
料としては、紙、フィルム、合成紙、不織布などが含ま
れる。
【0027】ここで、「転写率」とは、直径1mmの凝
固コロイドの液滴を縦1cm、横1cm間隔で計100
個、10cm×10cmの正の電極上の正方形の中に配
置し、それらを記録シート上にNIP圧30kg/cm
で接触転写させたときの、記録シート上に転移した凝固
コロイド液滴の数である。
【0028】一般に、短時間での液体の動的吸収性を測
定するための試験方法としては、JAPAN TAPP
I NO.51−87(ブリストー法)が広く用いられ
る。しかしこの方法は、トレース長の計測の精度が高く
ないこと、測定に必要なサンプル量が大きいこと、吸収
曲線を出すまでに時間がかかることなど問題が多かっ
た。特に、計測精度の問題は重要であり、本発明者らが
種々検討したところでは、本課題の特性を判断するため
の実験機器としては不的確であると判断した。
【0029】本発明者らは、種々の測定機を検討した結
果、動的走査吸液計で測定したデータが最も信頼性のお
けるデータであると判断し、この機器での測定から算出
される吸収曲線を本発明における吸液性評価の標準とし
た。
【0030】ここで、該動的走査吸液計について説明す
る。該機器はレコードプレーヤーによく似た外観をして
おり、従来のブリストー法のドラムに代えてターンテー
ブルとし、また吸液供給ポットに代わりプレーヤーのピ
ックアップ状のアーム付液体供給ヘッドを持つ。ターン
テーブル上に記録シートはセットされ、ターンテーブル
の回転と同期してアームがスライドする。この動きによ
り供給ヘッドから記録シートに供給(吸液)される軌跡
はスパイラル状になる。また、吸液量は、供給ヘッドに
つながるメニスカスにより正確に自動測定される。ター
ンテーブルとアームの動作はコンピュータ制御されてお
り、一定のパターンに従い加速されるので、吸液量と記
録シートの移動速度から、1回の測定で接触時間約2ミ
リ秒から10秒までの範囲のデータが得られる。この明
細書で示されたデータは、協和精工株式会社で製造販売
している「KM350−D1」型動的走査吸液計を使用
して計測した値である。
【0031】動的走査吸液計により得られる吸液量と記
録シートの移動スピードのデータから吸液曲線が得られ
る。吸液曲線を図2を使って説明する。図2の縦軸は、
液体転移量であり、単位はml/m2である。吸液量
(ml)を、供給ヘッド内の液体が通過する管の断面積
(m2)で割った値が液体転移量となる。横軸は、接触
時間(s)の平方根で、単位はs-1/2である。供給ヘッ
ド内の液体が通過する管の直径(m)を記録シートの移
動スピード(m/s)で割った値が接触時間となる。
【0032】動的走査吸液計から得られるデータは図2
の様な形を取る。ここで、t0を濡れ時間、傾きKaを吸
収計数と呼ぶ。t0は、液体がシートに浸透しない状態
を保っている時間であり、グラフから読取った接触時間
の値を二乗して得られる。K aは、液体がシートに浸透
する速さに関する計数である。
【0033】本発明においては、加圧時の平滑度も重要
な要素である。記録シートが凝固コロイドと接触するの
は加圧された状態であり、この状態での平滑度が高い方
が凝固コロイドとの接触面積が大きくなる。接触面積が
大きいほうが、吸水能力が高いことはもちろん、凝固コ
ロイドとの接着力も大きくなるので、接着力が凝固コロ
イドと正の電極間の接着力を上まわる確率が高くなる。
【0034】本発明者らは、加圧時の平滑性を測定する
機器を種々検討したが、正反射型平滑度計が本発明に好
適に利用できることが判った。この機器は、チャップマ
ン型平滑度計と同様に光学的方法によって加圧時の平滑
度を測定する機器で、ガラス面とサンプル面を加圧接触
させ、ガラス側から特定角度の斜光を照射したときの正
反射光量からサンプルの加圧時の平滑度を測定する。こ
の場合の特定角度とは、ガラスと空気の界面の臨界角以
上で、かつガラスとサンプルの界面の臨界角以下の角度
のことで、この範囲の角度での正反射光量はガラス面と
サンプル面の接触率に反比例するので、この正反射光量
と接触率0%時の正反射量からガラス面とサンプル面の
接触率、つまりは加圧時のサンプルの平滑度が測定でき
る。
【0035】この測定原理はチャップマン型と同様であ
るが、チャップマン型は、測定波長についての考慮がな
されていない点で十分なものとはいえない。なぜなら
ば、サンプルがガラス面と接触しなくても、波長程度に
接近すると空気層を透過する現象が生じるためで、この
ことをチャップマン型は考慮していないが、正反射型平
滑度計は波長を選択できる特徴がある。本発明者らは、
0.5μmの波長を選択して数々のサンプルを使用し、
検討を進めた。
【0036】本発明者らは、動的走査吸液計および正反
射型平滑度計を用いた数々の実験の結果、文字の認識お
よび粗いモノクロ画像の判別ができれば良い程度の印刷
に用いる記録シートとしては、動的走査吸液計による純
水の吸収曲線から求められるぬれ時間が15ミリ秒以下
であればよいことを見出した。
【0037】濡れ時間が15ミリ秒以上かかる記録シー
トでは、プレスロールと正の電極との間に挟まれている
時間内に液体の吸収が起こらないか、または起こっても
十分な量ではないために、凝固コロイドの記録シートへ
の転写性は向上しない。
【0038】またモノクロの精細画像の印刷に用いる記
録シートとしては、動的走査吸液計による純水の吸収曲
線から求められるぬれ時間が15ミリ秒以下であり、か
つ動的走査吸液計による純水の吸収曲線から求められる
吸収係数が5ml/m2-1/ 2以上であることが望まし
い。
【0039】上記濡れ時間の条件を満たす記録シート
は、一般に凝固コロイドの転写率80%の条件を満たす
ので、文字の認識および粗いモノクロ画像の判別が印刷
に求められる品質の場合、記録シートの特性としてはこ
の条件だけで十分である。
【0040】文字の認識および粗いモノクロ画像の判別
ができれば良い程度の印刷の場合、凝固コロイドの転写
率は、80%以上であればよいが、モノクロの精細画像
およびフルカラー画像の印刷の場合、90%以上の転写
率でなければ最低品質を満たさない。
【0041】しかし、モノクロの精細画像が印刷に求め
られる品質の場合、上記の条件だけでは不十分である。
凝固コロイドの転写率を上げるためには、より速く大き
な吸水能力が必要となる。このため、記録シートの特性
には、濡れ時間の速さに加えて吸水スピードの速さが要
求される。純水の吸収曲線から求められる濡れ時間が1
5ミリ秒以下であり、かつ動的走査吸液計による純水の
吸収曲線から求められる吸収係数が5ml/m2-1/2
以上であれば、凝固コロイドの転写率は、90%を越え
る。
【0042】印刷に求められる品質がフルカラー画像の
場合、モノクロとは異なる条件が加わる。これは、記録
シートに転写された凝固コロイドの吸水能力が記録シー
トのそれに比べて劣るために、記録シート上で凝固コロ
イドが重なる場合、記録シートにより速く大きな吸水能
力と、それに加えて、記録シートと凝固コロイドの接着
力が大きくなるように、接触面積が大きくなることが求
められるからである。よって、ベタの1色目の上に乗る
2色目の転写率が90%を越えるための条件は、正反射
型平滑度計で40kg/cm2の圧力をかけ波長0.5
μmの光線で測定したときの接触率が40%以上であ
り、かつ動的走査吸液計による純水の吸収曲線から求め
られる濡れ時間が15ミリ秒以下であり、かつ動的走査
吸液計による純水の吸収曲線から求められる吸収係数が
10ml/m2-1/2以上であることとなる。
【0043】すなわちフルカラーの画像を要求する印刷
に用いる記録シートとしては、正反射型平滑度計で40
kg/cm2の圧力をかけて波長0.5μmの光線で測
定したときの接触率が40%以上であり、かつ動的走査
吸液計による純水の吸収曲線から求められる濡れ時間が
15ミリ秒以下であり、かつ動的走査吸液計による純水
の吸収曲線から求められる吸収係数が10ml/m2
-1/2以上であることが望ましい。
【0044】記録シートが基本的に吸水性を有する、た
とえば紙などの場合、その性能を向上させるために吸水
性の填料を内添すること等によって、上記条件を満たす
ことも可能である。しかし、吸水性を基本的に有しない
記録シート、たとえばフィルムに吸水性を付与するに
は、表面に塗工層を設けるのが一般的である。また、吸
水性を有する記録シートにおいても、表面に塗工層を設
けることは、印刷品質を上げるために非常に有効な手段
となる。特に、フルカラー画像を印刷する場合、表面の
光沢、白色度なども印刷品質として重要なファクターで
あるから、現在知られている印刷法においても、フルカ
ラー印刷は、塗工層を有する印刷紙に印刷するのが一般
的である。
【0045】本発明者らは、電気凝固印刷法によるフル
カラー画像に適する塗工層の検討をおこない、以下の知
見を得た。つまり、記録シートに要求される特性、すな
わち 1.正反射型平滑度計で40kg/cm2の圧力をかけ
波長0.5μmの光線で測定したときの接触率が40%
以上であること。
【0046】2.動的走査吸液計による純水の吸収曲線
から求められる濡れ時間が15ミリ秒以下であること。
【0047】3.動的走査吸液計による純水の吸収曲線
から求められる吸収係数が10ml/m2-1/2以上で
あること。を同時に満たす塗工層の条件を検討したとこ
ろ、以下のことが明らかになった。
【0048】1.塗工層内の総填料の平均比表面積がB
ET法で10m2/g以下、または総填料の平均吸油量
が40ml/100g以下では、フルカラー画像を印刷
するための上記条件を満たす記録シートとならず、2色
目以降の凝固コロイドの転写率が90%以下となるこ
と。
【0049】2.塗工層内の総バインダー量が総填料量
100重量部に対して10重量部以下では、塗工層の強
度が十分でなく、接触転写時の塗工層破壊等のトラブル
を引き起こし、60重量部以上では、2色目以降の凝固
コロイドの転写率が90%以下となること。
【0050】ここで、填料にはクレー、カオリン、軽質
炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、二酸化チタン、
合成非晶質シリカ、シリカゾル、コロイダルシリカ、サ
チンホワイト、珪藻土、珪酸アルミニウム、珪酸カルシ
ウム、アルミナゾル、コロイダルアルミナ、ベーマイ
ト、擬ベーマイト等の無機填料およびPP、PET、ア
クリル系樹脂等の有機填料を単独または混合して用いる
ことができるが、吸水能力の高さから、合成非晶質シリ
カ、シリカゾル、コロイダルシリカ、アルミナゾル、コ
ロイダルアルミナ、ベーマイト、擬ベーマイトがより好
ましく用いられる。
【0051】紙の場合には、上記填料を内添しても効果
がある。この場合にも、合成非晶質シリカ、シリカゾ
ル、コロイダルシリカ、アルミナゾル、コロイダルアル
ミナ、ベーマイト、擬ベーマイトがより好ましく用いら
れる。
【0052】また、基材シートがフィルムや色紙やエン
ボス紙の場合、基材の透明性、色、質感を生かすため
に、上記塗工層は透明性を有することが好ましい。吸水
性を有する塗工層がかつ透明性をも有するためには、該
塗工層の細孔径が可視光線の波長の半分以下であること
が条件となる。塗工層の細孔径は、主に填料の粒子径に
より決まるので、超微細な填料を用いることで吸水性と
透明性は両立できる。超微細填料として好適なのは、コ
ロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、ベーマイト、擬
ベーマイトなどである。
【0053】バインダーにはポリビニルアルコールおよ
びその変成物、デンプンおよびその変成物、カゼイン、
NR、SBR、NBR、アクリル系樹脂、ポリビニルピ
ロリデン等を単独または混合または共重合体として用い
ることができる。
【0054】本発明の記録シートに陽イオン性を示す物
質を含有させると、転写後の凝固コロイドの耐水性を上
げる効果を得られるので、印刷面に耐水性を要求される
場合は有効な手段である。
【0055】陽イオン性を示す物質としてはアルミナゾ
ル、コロイダルアルミナ、ベーマイト、擬ベーマイトな
どの無機粒子、アルミニウム、鉄、マンガン、マグネシ
ウム、カルシウム、などの金属の水溶性塩、ポリエチレ
ンイミン、ポリビニルピリジウムブロマイド、ジメチル
ジアリルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン
有機酸塩、カチオン性コロイダルシリカ、ポリアルキレ
ンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、
第4級アンモニウム塩型高分子電解質、ジアルカノール
アミノ変性アルキレングリコール誘導体、アクリルアミ
ド・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合
体、2級アミンとエピハロヒドリンとを反応させて得ら
れるカチオン性樹脂等があるが、本発明ではこれらの単
独あるいは混合物を適宜使用することができる。
【0056】ここで、上記陽イオン性を示す物質の使用
方法としては、シート表面へそのまま塗布することはも
ちろん、シート製造時に内添したり、塗工層を有する場
合には塗工層の塗料中に添加しても良く、印刷時に凝固
コロイドが接触するシート部になんらかの形で微量存在
していれば、効果がある。
【0057】塗工の場合は、エアーナイフコーター、グ
ラビアコーター、ブレードコーター、ロールコーター、
ゲートロールコーター、バーコーター等の公知の塗工方
式が適宜使用できる。
【0058】本発明の記録シートは、電気凝固印刷法を
利用した印刷機を用いて行われる印刷のためのあらゆる
種類の印刷・情報用紙、新聞巻取紙、工業用雑種紙など
に最適である。たとえば非塗工印刷用紙、微塗工印刷用
紙、塗工印刷用紙(コート紙、アート紙、キャストコー
ト紙など)などに最適である。さらにこの記録シート
は、電気凝固印刷法を利用した印刷機を用いて行われる
印刷のためのあらゆる形態の記録シート、たとえば雑
誌、ポスター、ダイレクトメール、広告物、各種出版
物、ビジネスフォーム用紙、新聞用紙、OCR用紙(光
学式情報認識用紙)、MICR用紙(磁気式情報記録用
紙)、ラベル用紙、地図用紙、隠蔽ハガキ用紙などの形
態をとり得る。
【0059】記録シートを構成する素材について具体例
を示すと、JIS P 3101に規定されている印刷
用紙(コーテッドペーパーを除く)は、前述のような、
動的走査吸液計による純水の吸収曲線から求められる濡
れ時間が15ミリ秒以下であるという本発明の要件を満
たすものであれば利用できる。また、両面の合計塗布量
2〜60g/m2の印刷用紙、微塗工紙、アート紙、コ
ート紙、キャストコート紙も、上記と同様の特性を有す
るものであれば適宜利用できる。
【0060】微塗工紙は、主としてサイズプレスやゲー
トロールによって塗料を塗布される塗布量12g/m2
以下の印刷用紙であり、前述の本発明の要件を満たすも
のであれば利用できる。
【0061】アート紙、コート紙は、クレーなどの鉱物
性顔料と接着剤とを混合して原紙に塗布し、乾燥後スー
パーカレンダーなどで光沢をつけた塗工紙で、本発明の
要件を満たすものであれば、特に限定されない。
【0062】キャストコート紙は、塗料が可塑性のある
間に鏡面光沢を持つ金属ドラムに圧着して乾燥させ強光
沢を出した塗工紙であり、本発明の要件を満たすもので
あれば利用できる。。
【0063】つぎに本発明の記録シートの用途について
説明する。ビジネスフォーム用紙には、メールフォーム
用紙(葉書用フォーム、封書用フォーム)、ラベルフォ
ーム用紙、振込票、帳票用紙などがある。これらの用紙
への印刷は、電子写真方式やインクジェット方式が主流
となりつつあるが、高生産性、高画質性、小ロット対
応、ページバリアブル性という点で、電気凝固印刷法
は、ビジネスフォーム用紙の印刷に最も適していると言
える。また、本発明のビジネスフォーム用紙には、印刷
用紙や情報用紙が適宜使用できる。
【0064】新聞の印刷は、高速化、カラー化、多品種
印刷などの要求などから、オフセット印刷方式が主流と
なってきているが、電気凝固印刷法は、これらの要求を
満たす印刷法と言える。なおかつ、小ロットにも対応で
きるので、電気凝固印刷法は、オフセット印刷には無い
有利性を備えている。本発明で用いられる新聞用紙の原
紙は、脱墨パルプ、グランドパルプ、サーモメカニカル
パルプ、クラフトパルプなどを、単独または任意の割合
で混合して、坪量41g/m2〜49g/m2に抄造した
ものである。必要に応じて、ホワイトカーボンやクレ
ー、シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、合
成樹脂、などの填料を適宜添加してもよい。また、ポリ
アクリルアミド系高分子やポリビニルアルコール系高分
子、デンプン、尿素−ホルマリン樹脂などの紙力増強剤
を適宜添加してもよい。また、歩留り向上剤やロジンサ
イズ剤、合成サイズ剤、耐水化剤、退色防止剤、紫外線
防止剤などを適宜添加してもよい。さらに、紙力増強や
印刷適性向上、ネッパリ防止、表面強度増強を目的とし
て、表面処理剤を適宜塗工してもよい。
【0065】ラベル用紙の印刷において、高速化の要
求、カラー化の要求、他品種、小ロットへの対応などか
ら、電気凝固印刷法は、従来の印刷法に比べて有利性を
備えている。本発明で使用されるラベル用紙は、原紙と
して紙またはフィルム、不織布を用いたものに、必要に
応じて耐水性や耐カール性、接着剤受理性などの特性を
持ち、かつ前述の本発明の要件を満たすものである。
【0066】地図用紙の印刷においても、高速化の要
求、カラー化の要求、他品種小ロットへの対応などか
ら、電気凝固印刷法は、従来の印刷法に比べて有利性を
備えている。本発明の地図用紙は、原紙として紙または
フィルム、不織布を用いたものに、必要に応じて寸法安
定性や表面強度、耐水性などの特性を持ち、かつ前述の
本発明の要件を満たすものである。
【0067】また光学式情報認識用紙には、OCR用
紙、OMR用紙、バーコード用紙等があり、さまざまな
規格に応じた多品種、小ロット化が要求されており、電
気凝固式印刷法はこれらの要求を満たすのに適してい
る。これらの光学式情報認識用紙の読取り性能は、PC
S(Print Contrast Signal)値で評価される。このP
CS値とは、紙の黒ベタ印刷部分と非印刷部分の反射率
の大小を判断する基準となるもので、次のように定義さ
れている。
【0068】PCS= (A−Cb)/A ここでAは、紙の白地の反射率であり、Cbは、紙に黒
ベタ印刷した部分の反射率である。一般に、黒色ベタ部
のPCS値が1に近いほど、優れた読取り性能を持つこ
とになり、0.5より小さいと、JIS B9551に
よる中印字程度以下の品質になり、値札等の使用には適
さない。本発明において、反射率の評価は、JIS P
8123に基づき、457nmの反射率を使用し測定し
た。 本発明で用いられる光学式情報認識用紙は、この
特性を満足し、かつ前述の本発明の要件を満たすもので
ある。
【0069】さらに磁気式情報認識用紙(MICR用
紙)においても、多品種、小ロット化の要求があり、電
気凝固式印刷方法は適したものである。これらの磁気式
情報認識用紙に要求される特性は、誤読防止のため、磁
気を帯びたゴミやチリや内添物質がないことである。本
発明の磁気式情報認識用紙は、これらの特性を満足し、
かつ前述の本発明の要件を満たすものである。
【0070】隠蔽ハガキ用紙とは、ハガキの文面をラベ
ル等で隠して隠蔽し、かつ該ラベルは一度剥がすと通常
の方法では再接着できないような工夫がなされている親
展タイプのハガキで、特に本発明における隠蔽ハガキ用
紙とは、金属ロール間を通すなどの圧力を掛けることに
よって接着現象が発生するコールドタイプの圧着性隠蔽
ラベルを示す。通常、これら隠蔽ハガキは、共通の文面
の印刷をする印刷機、宛名および個別情報の印字をする
プリンター、文面を隠すためのシーラーの3工程により
隠蔽ハガキとして完成するが、電気凝固法の高速版無し
印刷という特徴には、現在の印刷機とプリンターという
2工程を1工程に短縮できる利点がある。 コールドタ
イプの圧着性隠蔽ハガキ用紙は、圧力を掛けることによ
って接着性を発揮するという性格上、自着性を有するバ
インダーおよび、通常時には接着性を発揮させないため
のアンチブロッキング剤としての填料を含む塗工層を有
する。自着性を有するバインダーとしては、天然ゴム、
天然ゴムを基とするその変性物、およびNBR、SB
R、MBR、IRのような合成エラストマーなどを用い
ることができる。填料としては、クレー、カオリン、軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、二酸化チタ
ン、合成非晶質シリカ、シリカゾル、コロイダルシリ
カ、サチンホワイト、珪藻土、珪酸アルミニウム、アル
ミナゾル、コロイダルアルミナ、ベーマイト、擬ベーマ
イト等の無機填料およびでんぷん、PP、PET、アク
リル樹脂等の有機填料を単独または混合して用いること
ができるが、吸水能力の高さから合成非晶質シリカ、シ
リカゾル、コロイダルシリカ、アルミナゾル、コロイダ
ルアルミナ、ベーマイト、擬ベーマイトがより好ましく
用いられる。
【0071】以上のように電気凝固印刷法は、従来の印
刷法に匹敵する高生産性と高画質を、また従来の印刷法
では不可能な小ロット対応、ページバリアブル性をも併
せもつ優れた印刷方式であるといえる。以上にいくつか
の例を挙げたが、本発明の記録シートは、動的走査吸液
計による純水の吸収曲線から求められる濡れ時間が15
ミリ秒以下であれば、特にこれらの種類や用途に限定さ
れるものではない。
【0072】以下に本発明の実施例を示す。
【0073】
【実施例】
〔原紙Aの製造〕針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)
20重量部、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)80
重量部を500mlC.S.F.に叩解し、これに白土
10重量部、紙力増強剤(商品名「ポリストロン19
1」、荒川化学工業(株)製)0.3重量部、サイズ剤
(商品名「サイズパインE」、荒川化学工業(株)製)
0.3重量部、硫酸バンド2.0重量部を加えて調製し
た紙料を用いて長網抄紙機を使用して常法により坪量1
00g/m2の原紙Aを製造した。
【0074】〔原紙Bの製造〕NBKP20重量部、L
BKP80重量部を350mlC.S.F.に叩解し、
これに白土10重量部、紙力増強剤(同上)0.3重量
部、サイズ剤(同上)2.0重量部、硫酸バンド2.0
重量部を加えて調製した紙料を用いて長網抄紙機を使用
して常法により坪量100g/m2の原紙Bを製造し
た。
【0075】〔原紙Cの製造〕NBKP20重量部、L
BKP80重量部を500mlC.S.F.に叩解し、
これに合成非晶質シリカ(商品名「トクシールP」、徳
山曹達(株)製)20重量部、紙力増強剤(商品名「ポ
リストロン191」、荒川化学工業(株)製)0.3重
量部、サイズ剤(商品名「サイズパインE」、荒川化学
工業(株)製)0.3重量部、硫酸バンド2.0重量部
を加えて調製した紙料を用いて長網抄紙機を使用して常
法により坪量100g/m2の原紙Cを製造した。
【0076】(実施例1)原紙Aを、そのまま使用し
た。
【0077】(実施例2)原紙Cを、そのまま使用し
た。
【0078】(実施例3)上記原紙Bの表面に、水50
0部に合成非晶質シリカ(商品名「ファインシールX3
7B」、徳山曹達(株)製)100重量部とポリビニル
アルコール(商品名「クラレポバールPVA−11
0」、クラレ(株)製)20重量部を調液した塗工液
を、塗工量5g/m2となるようにエアーナイフコータ
ーを使用して塗工した。
【0079】(実施例4)上記原紙Bの表面に、水50
0重量部に合成非晶質シリカ(同上)100重量部とポ
リビニルアルコール(同上)60重量部を調液した塗工
液を、塗工量5g/m2となるようにブレードコーター
を使用して塗工した。
【0080】(実施例5)上記原紙Bの表面に、水50
0重量部に合成非晶質シリカ(同上)100重量部とポ
リビニルアルコール(同上)60重量部と硫酸アルミニ
ウム0.1部を調液した塗工液を、塗工量5g/m2
なるようにロールコーターを使用して塗工した。
【0081】(実施例6)上記原紙Aを製造するとき
に、水100重量部にジメチルジアリルアンモニウムク
ロライド(商品名「パス−H10」、日東紡(株)製)
1重量部を溶解した液体をサイズプレスパートにて塗布
した。
【0082】(実施例7)延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(東レ製)に、水450重量部にシリカゾ
ル(商品名「スノーテックス−OUP」、日産化学工業
(株)製)40重量部(固形分)とポリビニルアルコー
ル(同上)10重量部を分散した液を、塗工量5g/m
2となるようにエアーナイフコーターを使用して塗工し
た。
【0083】(実施例8)延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(同上)の表面に、水450重量部にアル
ミナゾル(商品名「アルミナゾルー100」、日産化学
工業(株)製)40重量部(固形分)とポリビニルアル
コール(同上)10重量部を分散した液を、塗工量5g
/m2となるようにエアーナイフコーターを使用して塗
工した。
【0084】(実施例9)延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(同上)の表面に、水450重量部にコロ
イダルシリカ(商品名「スノーテックス−O」、日産化
学工業(株)製)40重量部(固形分)とポリビニルア
ルコール(同上)10重量部を分散した液を、塗工量5
g/m2となるようにエアーナイフコーターを使用して
塗工した。
【0085】(実施例10)延伸ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(同上)の表面に、水450重量部に擬
ベーマイト(商品名「アルミナゾル−100」、日産化
学工業(株)製)40重量部(固形分)とポリビニルア
ルコール(同上)10重量部を分散した液を、塗工量5
g/m2となるようにエアーナイフコーターを使用して
塗工した。
【0086】(比較例1)原紙Bをそのまま使用した。
【0087】以上の実施例1〜10および比較例1にお
いて、使用されたサンプルの正反射型平滑度計による4
0kg/cm2加圧時の接触率、および動的操作吸液計
による濡れ時間、吸収係数を測定した。また各サンプル
について、ELCORSY社製電気凝固印刷機を使用し
て印刷を施したときの1色目の転写率と、1色目がベタ
印刷時の2色目の転写率を評価した。さらに各サンプル
の耐水性およびヘイズを測定した。これらの測定価結果
をまとめて表1に示す。
【0088】
【表1】 表1に示した結果から、下記のことがわかる。
【0089】1)実施例1と比較例1との対比から明ら
かなように、濡れ時間が15ミリ秒を越えると凝固コロ
イドの転写率が極端に悪くなる。
【0090】2)実施例1と実施例2から明らかなよう
に、濡れ時間が15ミリ秒以下の時、凝固コロイドの1
色目の転写率は80%以上であり、かつ吸収係数が5m
l/m2s-1/2以上であれば、転写率は90%以上とな
る。
【0091】3)実施例3から明らかなように、接触率
40%以上、かつ濡れ時間15ミリ秒以下かつ吸収係数
10ml/m2-1/2以上であるときには、2色目の転
写率は90%を越える性能が得られた。
【0092】4)実施例3〜4から明らかなように、塗
工層のバインダー量が10〜60重量部でかつ、塗工層
の填料の平均比表面積が10m2/g以上で、かつ填料
の平均吸油量が40ml/100g以上であるときに
は、2色目の転写率は90%を越える性能が得られた。
【0093】また、実施例4と5及び実施例1と6のサ
ンプルについては、印刷画像の耐水性も評価した。評価
は、それぞれのサンプルを水中に5分間浸漬後、印刷面
を指で擦ることで行った。
【0094】その結果、硫酸アルミニウムを塗工液に添
加した実施例5のサンプルは、硫酸アルミニウムを添加
していない実施例4のサンプルに比較して、水中浸漬後
の印刷面の強度の低下が少なく、ジメチルジアリルアン
モニウムクロライドをサイズプレスにて塗布した実施例
6のサンプルも、塗布していない実施例1のサンプルに
比較して同様の効果が得られた。つまり、陽イオン性を
示す物質の添加が、凝固コロイドの耐水性の向上に貢献
することがわかった。また、アルミナゾルまたは擬ベー
マイトを主成分とする塗工層を有する実施例8および1
0も、耐水試験の結果は良好であった。
【0095】実施例9、10は、ヘイズ9.5〜12.
0%の透明な記録シートとなった。
【0096】〔原紙Dの製造〕新聞脱墨古紙パルプ(D
IP)35重量部、サーモメカニカルパルプ(TMP)
30重量部、グランドパルプ(GP)20重量部、針葉
樹晒クラフトパルプ(NBKP)15部からなる原料パ
ルプをフリーネス200mlC.S.F.に混合叩解
し、これらのパルプスラリーを、ベルベフォーマー型抄
紙機を使用して、坪量43g/m2の新聞印刷用原紙を
製造した。
【0097】(実施例11)上記原紙Dの両面に、ポリ
ビニルアルコールの水溶液を、ゲートロールコーターを
使用して、塗工量で計0.5g/m2塗工した。
【0098】(実施例12)上記原紙Dの両面に、カチ
オン化でんぷんの水溶液を、ゲートロールコーターを使
用して、塗工量で計0.5g/m2塗工した。
【0099】(実施例13)上記原紙Dの両面に、水4
50重量部にアルミナゾル(商品名「アルミナゾルー1
00」、日産化学工業(株)製)40重量部(固形分)
とポリビニルアルコール(同上)10重量部を分散した
液を、塗工量で計0.5g/m2となるようにゲートロ
ールコーターを使用して塗工した。
【00100】(実施例14)上記原紙Dの両面に、水
450重量部にコロイダルシリカ(商品名「スノーテッ
クス−O」、日産化学工業(株)製)40重量部(固形
分)とポリビニルアルコール(同上)10重量部を分散
した液を、塗工量で計0.5g/m2となるようにゲー
トロールコーターを使用して塗工した。
【0101】(実施例15)DIP35重量部、TMP
30重量部、GP20重量部、NBKP15部からなる
原料パルプをフリーネス200mlC.S.F.に混合
叩解し、これに合成非晶質シリカ(商品名「トクシール
P」、徳山曹達(株)製)20重量部、紙力増強剤(商
品名「ポリストロン191」、荒川化学工業(株)製)
0.3重量部、サイズ剤(商品名「サイズパインE」、
荒川化学工業(株)製)0.3重量部、硫酸バンド2.
0重量部を加えて調製した紙料を用いてベルベフォーマ
ー型抄紙機を使用して、坪量43g/m2の新聞印刷用
紙を製造した。
【0102】〔原紙Eの製造〕針葉樹晒クラフトパルプ
(NBKP)25重量部、広葉樹晒クラフトパルプ(L
BKP)75重量部からなる原料パルプをフリーネス4
00mlC.S.F.に叩解し、内添用填料としてタル
クをパルプに対して8.5重量%、二酸化チタンを1.
5重量%添加し、ロジンサイズ剤をパルプに対して0.
6重量%、バンドを2重量%添加して紙料を調製し、長
網抄紙機を使用して坪量70g/m2の原紙Eを製造し
た。
【0103】(実施例16)上記原紙Eの表面に、水5
00部に合成非晶質シリカ(商品名「ファインシールX
37B」、徳山曹達(株)製)100重量部とポリビニ
ルアルコール(商品名「クラレポバールPVA−11
0」、クラレ(株)製)20重量部を調液した塗工液
を、塗工量5g/m2となるようにエアーナイフコータ
ーを使用して塗工した。
【0104】(実施例17)上記原紙Eの表面に、水4
50重量部にベーマイト(商品名「アルミナゾル−52
0」、日産化学工業(株)製)40重量部(固形分)と
ポリビニルアルコール(同上)10重量部を分散した液
を、塗工量5g/m2となるようにエアーナイフコータ
ーを使用して塗工した。
【0105】(実施例18)上記原紙Eの表面に、水4
50重量部にコロイダルシリカ(商品名「スノーテック
ス−O」、日産化学工業(株)製)40重量部(固形
分)とポリビニルアルコール(同上)10重量部を分散
した液を、塗工量5g/m2となるようにブレードコー
ターを使用して塗工した。
【0106】(実施例19)NBKP25重量部、LB
KP75重量部からなる原料パルプをフリーネス400
mlC.S.F.に叩解し、内添用填料として合成非晶
質シリカ(商品名「ファインシールX37B」、徳山曹
達(株)製)をパルプに対して4重量%、タルクを4.
5重量%、二酸化チタンを1.5重量%添加し、さらに
ロジンサイズ剤をパルプに対して0.6重量%、バンド
を2重量%添加して紙料を調製し、長網抄紙機を使用し
て坪量70g/m2のビジネスフォーム用紙を製造し
た。
【0107】(比較例2)原紙Eを、そのまま使用し
た。
【0108】以上の実施例11〜19および比較例2に
おいて、表1と同様にして得られた評価結果を表2に示
す。なお各サンプルは不透明であるため、ヘイズの測定
は省略された。
【0109】
【表2】 表2に示した結果から、実施例13〜15は、電気凝固
印刷に適用される新聞用紙としての性能を満足するし、
また実施例16〜19は、電気凝固印刷に使用されるビ
ジネスフォーム用紙として適していることがわかる。
【0110】〔原紙Fの製造〕NBKP35重量部、L
BKP65重量部からなる原料パルプをフリーネス40
0mlC.S.F.に叩解し、内添用填料として、カオ
リンをパルプに対して5.5重量%、二酸化チタンを
1.5重量%添加し、紙力増強剤として、酸化澱粉をパ
ルプに対して2.2重量%、PAM系紙力増強剤を1.
5重量%、ロジンサイズ剤を2.5重量%、バンドを
4.0重量%添加して紙料を調製し、長網式抄紙機を使
用して、坪量85g/m2の原紙Fを抄紙した。
【0111】(実施例20)上記原紙Fの表面に、水5
00部に合成非晶質シリカ(商品名「ファインシールX
37B」、徳山曹達(株)製)100重量部とポリビニ
ルアルコール(商品名「クラレポバールPVA−11
0」、クラレ(株)製)20重量部から調製した塗工液
を、塗工量5g/m2となるようにエアーナイフコータ
ーで塗工した。
【0112】(実施例21)上記原紙Fの表面に、水4
50重量部にベーマイト(商品名「アルミナゾル−52
0」、日産化学工業(株)製) 40重量部(固形分)
とポリビニルアルコール(同上)10重量部を分散した
液を塗工量5g/m2となるようにエアーナイフコータ
ーを使用して塗工した。
【0113】(実施例22)上記原紙Fの表面に、水4
50重量部にコロイダルシリカ(商品名「スノーテック
ス−O」、日産化学工業(株)製)40重量部(固形
分)とポリビニルアルコール(同上)10重量部を分散
した液を、塗工量5g/m2となるようにブレードコー
ターで塗工した。
【0114】(実施例23)NBKP35重量部、LB
KP65重量部からなる原料パルプをフリーネス400
mlC.S.F.に叩解 し内添用填料として合成非晶
質シリカ(商品名「ファインシールX−37B」、徳山
曹達(株)製)をパルプに対して4重量%、タルクを
4.5重量%、二酸化チタンを2重量%添加して紙料を
調製し、長網式抄紙機を使用して、坪量85g/m2
用紙を作製した。 (比較例3)原紙Fをそのまま使用した。
【0115】以上の実施例20〜23および比較例3に
おいて、表1と同様にして得られた評価結果を表3に示
す。なお各サンプルは不透明であるため、ヘイズの測定
は省略した。なお表3において、PCSは、ELCOR
SY社製電気凝固式印刷機を使用してインキ濃度1.7
0になるように黒ベタ印刷して測定した値で示す。
【0116】MICRの適性評価は、主として鉄分の混
入状況判断で行った。測定紙を、1m2の大きさにし、
これに希硝酸を均一に吹き付け、その後、黄血塩の希水
溶液を再度、均一に吹き付ける。このとき、紙中に鉄分
が含まれる場合、青緑色に発色したスポットが現れるこ
とで識別される。本試験では、測定紙1m2当たりに出
現した、大きさ0.07cm2以上の鉄分スポットの個
数により判断した。
【0117】
【表3】 表3に示した結果から、実施例20〜22は、電気凝固
式印刷に適用される光学式情報認識用紙としての性能を
満足するとともに、また磁気式情報認識用紙としての性
能も満足することがわかる。
【0118】〔原紙Gの製造〕NBKP70重量部、L
BKP30重量部を叩解し、これにポリアミド・エピク
ロルヒドリン樹脂系の湿潤紙力増強剤(商品名「エピノ
ックスP130」、ディックハーキュレス社製)を1重
量部、クレーを10重量部、ポリアクリルアマイド(商
品名「ポリマセット500L」、荒川化学工業(株)
製)を0.2重量部、ロジンサイズ剤(商品名「サイズ
パインE」、荒川化学工業(株)製)を0.5重量部、
硫酸バンドを3重量部加え定着し、550mlC.S.
F.で、長網多筒式抄紙機を用い坪量50g/m2に抄
造した。さらに、耐水性の顔料塗工層として、カオリン
(商品名「UW90」、エンゲルハード社製)60重量
部、炭酸カルシウム(商品名「TP121」、奥多摩工
業(株)製)40重量部、分散剤(商品名「アロン−T
40」、東亜合成(株)製)0.5重量部、SBRラテ
ックス(商品名「JSR0619」、日本合成ゴム
(株)製)18重量部、酸化澱粉(商品名「MS380
0」、日本食品化工(株)製)5重量部、耐水化剤(商
品名「エピノックスP9007Y」、ディックハーキュ
レス社製)1重量部よりなる塗料を基紙の表面にエアナ
イフコーターを使用して10g/m2塗工した。
【0119】(実施例24)上記原紙Gの表面に、水4
50重量部にベーマイト(商品名「アルミナゾル−52
0」、日産化学工業(株)製) 40重量部(固形分)
とポリビニルアルコール(同上)10重量部を分散した
液を塗工量5g/m2 となるようにエアーナイフコー
ターを使用して塗工した。
【0120】(実施例25)原紙Aの表面に、水500
重量部に合成非晶質シリカ100重量部(商品名「ファ
インシールX−37B」、徳山曹達(株)製)とでんぷ
ん粒(商品名「MS−4600」、日本食品加工(株)
製)50重量部、天然ゴム(商品名「O−4650」、
野村貿易(株))50重量部を調液した塗工液を、塗工
量7g/m2となるようにエアーナイフコーターを使用
して塗工した。
【0121】〔原紙Hの製造〕LBKP100重量部を
350mlC.S.Fに叩解し、これに重質炭酸カルシ
ュウム10重量部、カチオンデンプン1部、アルキルケ
テンダイマー(商品名「ハーコンW」ディックハーキュ
レス)0.1部 を加えて調製した紙料を用いて長網抄
紙機を使用して常法により坪量100g/m2の原紙H
を製造した。
【0122】〔コート紙Zの製造〕上記原紙Hの表面
に、水500重量部部に重質炭酸カルシュウム(商品名
「FMT90」、ファイマテック社製)300重量部、
軽質炭酸カルシュウム(商品名「ブリリアントB−1
5、白石工業(株)製)50重量部、カオリン(商品名
「UW90」、エンゲルハード社製)250重量部とス
チレンブタジエンラテックス(商品名「ポリラック75
0」、三井東圧化学(株)製)を36重量部と燐酸エス
テル化デンプン(商品名「MS−4600」、日本食品
化学(株)製)12重量部を加えた液を調製した塗工液
を、片面塗布量30g/m2になるように、ブレードコ
ーターを使用して両面塗工した。この塗工紙をスーパー
カレンダー処理して、ベック平滑度2000秒に平滑処
理したコート紙を得た。
【0123】(実施例26)上記コート紙Zの表面に、
水500重量部に合成非晶質シリカ(商品名「ファイン
シールX37B」、徳山曹達(株)製)100重量部と
ポリビニルアルコール(商品名「クラレポバールPVA
ー110」、クラレ(株)製)20部液を調製した塗工
液を、塗布量5g/m2になるようにロールコーターを
使用して塗工した。
【0124】(実施例27)上記コート紙Zの表面に、
水500重量部に合成非晶質シリカ(ファインシールX
37B)100重量部とポリビニルアルコール(クラレ
ポバールPVA−110)20重量部、ポリアリルアミ
ン塩酸塩(商品名「PAA−Hcl,日東紡績(株)
製)3部を調製した塗工液を、塗布量5g/m2になる
ようにロールコータ−を使用して塗工した。
【0125】(比較例4)上記コート紙Zを、そのまま
使用した。
【0126】〔コート紙Yの製造方法〕上記原紙Gの表
面に、水500重量部に合成非晶質シリカ(ファインシ
ールX37B)100重量部とポリビニルアルコール
(クラレポバールPVAー110)20重量部、ジメチ
ルジアリルアンモニュウムクロライド重合物(商品名
「パスH−10」、日東紡績(株)製)3重量部を調製
した塗工液を片面1g/m2になるように、ゲートロー
ルで両面塗工した。
【0127】(実施例28)上記コート紙Yをそのまま
使用した。
【0128】〔コート紙Xの製造〕上記原紙Gの表面
に、水500重量部にカオリン(商品名「UW90」、
エンゲルハード社製)400重量部、酸化チタン(商品
名「A−220」、石原産業(株)製)100重量部、
カゼイン(ニュージーランド産)30部、スチレンブタ
ジエンラテックス(商品名「ポリラック501」、三井
東圧化学(株)製)65部を調製した塗工液を、ロール
コーターで25g/m2塗工し、次いで90℃のキャス
トドラムに線圧20kg/cmの圧力で押しつけ、乾燥
後キャストドラムより剥がしキャストコート紙を製造し
た。
【0129】(実施例29)上記コート紙Xの表面に、
水450重量部にベーマイト(商品名「アルミナゾル−
520」、日産化学工業(株)製)40重量部とポリビ
ニルアルコール(クラレポバールPVA−110)10
重量部、さらにポリアリルアミン塩酸塩(商品名「PA
AーHcl」、日東紡績(株)製)3重量部を加え分散
して調製した液を、塗布量5g/m2となるようにエア
ーナイフコーターを使用して塗工した。
【0130】(比較例5)上記コート紙Xをそのまま使
用した以上の実施例24〜29および比較例4、5にお
いて、表1と同様にして得られた評価結果を表4に示
す。なお各サンプルは不透明であるため、ヘイズの測定
は省略した。
【0131】
【表4】 表4に示した結果から次のことがわかる。
【0132】1)実施例24のものは、電気凝固式印刷
に適用されるラベル用紙としての性能を満足する。
【0133】2)実施例25のものは、電気凝固式印刷
に適用される隠蔽ラベル用紙としての性能を満足する。
一方、接着力試験は次のようにして行った。実施例25
の塗工面に、レーザープリンターでテストパターンを印
字し、塗工面を内側に折ったものをサンプルとした。こ
のサンプルを20℃/65%RHにて調湿後、ドライシ
ーラーの圧力を50kg/cm2に調整して加圧接着し
た後、T型剥離による剥離強度の測定を行った。剥離強
度の測定には(株)東洋ボールドウィン製のテンシロン
を使用し、試験サンプルのサイズは25mm(幅)×1
00mm(長)、引っ張りスピードは300mm/mi
nとした。なお、接着力が200g以上/25mm幅で
は剥し難く、50g未満/25mm幅では輸送途中で剥
がれてしまう恐れがあるため、上下限をこの間に定め
た。実際に接着力は150g/25mm幅の規格値内
で、良好であった。また、剥離後の、内部のテストパタ
ーンは接着前と変化がなく、良好であった。
【0134】3)実施例26〜28のものは、電気凝固
式印刷に適用される塗工印刷用紙としての性能を満足す
る。
【0135】4)実施例29のものは、電気凝固式印刷
に適用されるキャストコート紙としての性能を満足す
る。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように本発明の記録シート
は、電気凝固印刷法を利用した印刷機を用いて、高画質
な画像を再現性良く印刷するのに好適であり、印刷を施
されるすべてのシート状物質、たとえば非塗工印刷用
紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙(コート紙、アート
紙、キャストコート紙など)、ビジネスフォーム用紙、
新聞、雑誌、ポスター、ダイレクトメール、広告物、各
種出版物、OCR用紙、MICR用紙、ラベル用紙、地
図用紙、隠蔽ハガキ用紙などの用途に有効に使用するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録シートが使用される電気凝固印刷
機の要部の構成を湿す断面図。
【図2】動的走査吸液計により得られる吸液量と記録シ
ートの移動スピードのデータから得られた吸液曲線を示
すグラフ。
【符号の説明】
1 正の電極 2 負の電極 3 コロイド噴射機 4 ワイパー 5 プレスロール 6 記録シート 7 クリーニング装置 8 腐食防止剤塗布装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 豊 静岡県駿東郡長泉町本宿501番地 特種製 紙株式会社内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動的走査吸液計による純水の吸収曲線か
    ら求められる濡れ時間が15ミリ秒以下である電気凝固
    印刷用の記録シート。
  2. 【請求項2】 動的走査吸液計による純水の吸収曲線か
    ら求められる濡れ時間が15ミリ秒以下、吸収係数が5
    ml/m2-1/2以上である電気凝固印刷用の記録シー
    ト。
  3. 【請求項3】 正反射型平滑度計で40kg/cm2
    圧力をかけ波長0.5μmの光線で測定したときの接触
    率が40%以上であり、かつ動的走査吸液計による純水
    の吸収曲線から求められる濡れ時間が15ミリ秒以下、
    吸収係数が10ml/m2-1/2以上である電気凝固印
    刷用の記録シート。
  4. 【請求項4】 合成非晶質シリカ、シリカゾル、コロイ
    ダルシリカ、アルミナゾル、コロイダルアルミナ、ベー
    マイト、および擬ベーマイトからなる群から選択された
    少なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の電気凝固印刷用の記録シー
    ト。
  5. 【請求項5】 印刷面が填料およびバインダーを主成分
    とする塗工層よりなり、前記バインダーの比率が填料1
    00重量部に対して10〜60重量部であり、かつ前記
    填料のBET法による比表面積が10m2/g以上であ
    り、かつ前記填料の吸油量が40ml/100g以上で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の電気凝固印刷用の記録シート。
  6. 【請求項6】 前記填料が、合成非晶質シリカ、シリカ
    ゾル、コロイダルシリカ、アルミナゾル、コロイダルア
    ルミナ、ベーマイト、および擬ベーマイトからなる群か
    ら選択された少なくとも1種類であることを特徴とする
    請求項5に記載の電気凝固印刷用の記録シート。
  7. 【請求項7】 前記塗工層が、コロイダルシリカ、コロ
    イダルアルミナ、ベーマイト、擬ベーマイトの内の少な
    くとも1種類を含有し、かつ前記塗工層が透明性を有す
    ることを特徴とする請求項5に記載の電気凝固印刷用の
    記録シート。
  8. 【請求項8】 陽イオン性を示す物質を含有することを
    特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気凝
    固印刷用の記録シート。
  9. 【請求項9】 前記陽イオン性を示す物質が、アルミナ
    ゾル、コロイダルアルミナ、ベーマイト、および擬ベー
    マイトからなる群から選択された少なくとも1種類であ
    ることを特徴とする請求項8に記載の電気凝固印刷用の
    記録シート。
  10. 【請求項10】 前記記録シートがビジネスフォーム用
    紙であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1
    項に記載の電気凝固印刷用の記録シート。
  11. 【請求項11】 前記記録シートが新聞用紙であること
    を特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電
    気凝固印刷用の記録シート。
  12. 【請求項12】 前記記録シートが光学式情報認識用紙
    であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項
    に記載の電気凝固印刷用の記録シート。
  13. 【請求項13】 前記記録シートが磁気式情報記録用紙
    であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項
    に記載の電気凝固印刷用の記録シート。
  14. 【請求項14】 前記記録シートがラベル用紙であるこ
    とを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    電気凝固印刷用の記録シート。
  15. 【請求項15】 前記記録シートが地図用紙であること
    を特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電
    気凝固印刷用の記録シート。
  16. 【請求項16】 前記記録シートがJIS P 310
    1に規定される印刷用紙であることを特徴とする、請求
    項1〜9のいずれか1項に記載の電気凝固印刷用の記録
    シート。
  17. 【請求項17】 前記記録シートが、両面の合計塗布量
    2〜60g/m2の塗工印刷用紙であることを特徴とす
    る、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気凝固印刷
    用の記録シート。
  18. 【請求項18】 前記記録シートがキャストコート紙で
    あることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に
    記載の電気凝固印刷用の記録シート。
  19. 【請求項19】 少なくとも1面が填料および自着性を
    有するバインダーを主成分とする塗工層で構成され、こ
    の塗工層の動的走査吸液計による純水の吸収曲線から求
    められる濡れ時間が15ミリ秒以下であることを特徴と
    する電気凝固印刷用の隠蔽ハガキ用紙。
  20. 【請求項20】 少なくとも1面が填料および自着性を
    有するバインダーを主成分とする塗工層で構成され、こ
    の塗工層の動的走査吸液計による純水の吸収曲線から求
    められる濡れ時間が15ミリ秒以下、吸収計数が5ml
    /m2-1/2以上であることを特徴とする電気凝固印刷
    用の隠蔽ハガキ用紙。
  21. 【請求項21】 少なくとも1面が填料および自着性を
    有するバインダーを主成分とする塗工層で構成され、こ
    の塗工層に正反射型平滑度計で40kg/cm2の圧力
    をかけ波長0.5μmの光線で測定したときの接触率が
    40%以上であり、動的走査吸液計による純水の吸収曲
    線から求められる塗工層の濡れ時間が15ミリ秒以下で
    あり、かつ吸収計数が5ml/m2-1/2以上であるこ
    とを特徴とする電気凝固印刷用の隠蔽ハガキ用紙。
  22. 【請求項22】 少なくとも1面が填料および自着性を
    有するバインダーを主成分とする塗工層で構成され、前
    記バインダーの比率が填料100重量部に対して20〜
    60重量部であり、前記填料のBET法による比表面積
    が10m2/g以上であり、かつ前記填料の吸油量が4
    0ml/100g以上であることを特徴とする請求項1
    9〜21に記載の電気凝固印刷用の隠蔽ハガキ用紙。
  23. 【請求項23】 前記填料が合成非晶質シリカ、シリカ
    ゾル、コロイダルシリカ、アルミナゾル、コロイダルア
    ルミナ、ベーマイト、および擬ベーマイトからなる群か
    ら選択された少なくとも1種類であることを特徴とする
    請求項22に記載の電気凝固用の隠蔽ハガキ用紙。
  24. 【請求項24】 前記自着性を有するバインダーが天然
    ゴム、天然ゴムを基とした変性物、NBR、SBR、I
    R、MBRからなる群から選択された少なくとも1種類
    であることを特徴とする請求項19〜23のいずれか1
    項に記載の電気凝固印刷用の隠蔽ハガキ用紙。
  25. 【請求項25】 陽イオンを示す物質を含有することを
    特徴とする請求項19〜24のいずれか1項に記載の電
    気凝固印刷用の隠蔽ハガキ用紙。
  26. 【請求項26】 前記陽イオンを示す物質が、アルミナ
    ゾル、コロイダルアルミナ、ベーマイト、擬ベーマイト
    からなる群から選択された少なくとも1種類であること
    を特徴とする請求項25に記載の電気凝固印刷用の隠蔽
    ハガキ用紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014198475A (ja) * 2014-06-23 2014-10-23 大日本印刷株式会社 くじ付郵便葉書

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6720041B2 (en) 1998-11-20 2004-04-13 Canon Kabushiki Kaisha Recording medium, and method for producing image using the same
JP2014198475A (ja) * 2014-06-23 2014-10-23 大日本印刷株式会社 くじ付郵便葉書

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