JPH10130962A - 無機繊維及びその製造方法 - Google Patents

無機繊維及びその製造方法

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JPH10130962A
JPH10130962A JP8279178A JP27917896A JPH10130962A JP H10130962 A JPH10130962 A JP H10130962A JP 8279178 A JP8279178 A JP 8279178A JP 27917896 A JP27917896 A JP 27917896A JP H10130962 A JPH10130962 A JP H10130962A
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JP
Japan
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fiber
titanium
inorganic fiber
nitrogen
silicon
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JP8279178A
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English (en)
Inventor
Masaki Shibuya
昌樹 渋谷
Yasuhiro Shioji
泰広 塩路
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面に界面制御層を有し、セラミックスマトリ
ックスの強化繊維として好適な炭化ケイ素系繊維を提供
する。 【解決手段】内層部及び表層部からなる、チタン及び酸
素を含有する炭化ケイ素系繊維であり、表層部に窒素が
含有されており、かつチタン及び窒素の割合が表面に向
けて連続的に増大している無機繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面にマトリック
スとの結合力を適性に制御するための界面制御層を有
し、特にセラミック複合材料の強化繊維として好適に使
用することのできる、無機繊維及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特公昭60−1405号公報及び同60
−20485号公報には、ポリチタノカルボシラン又は
ポリジルコノカルボシランを紡糸し、紡糸繊維を不融化
し、ついで不融化繊維を焼成することによって、ケイ
素、炭素、チタン又はジルコニウム、及び酸素からなる
無機繊維を製造する方法が開示されている。
【0003】特公平5−5785号公報には、ポリチタ
ノカルボシラン又はポリジルコノカルボシランを紡糸
し、紡糸繊維を不融化し、不融化繊維をアンモニア気流
中で800〜1650℃の範囲の温度で焼成することに
より、ケイ素、窒素、チタン又はジルコニウム、及び酸
素からなる無機繊維を調製する方法が開示されている。
また、特開平8−35122号公報には、不融化したカ
ルボシラン繊維をアンモニアなどの窒素雰囲気中で窒化
させ、ついで不活性雰囲気中でセラミック化することに
よって、窒化ケイ素繊維を製造する方法が開示されてい
る。
【0004】特開平4−370222号公報には、ケイ
素、炭素、チタン又はジルコニウム、及び酸素からなる
内層部及び表層部で構成され、表層部内で、炭素の割合
が繊維表面に向かって連続的に増大している、無機繊維
が開示されている。そして、この公報には、表層部にお
ける傾斜した炭素の組成分布が無機繊維に、各種マトリ
ックスとの優れた結合力を付与すると記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の特公昭60−1
405号公報及び同60−20485号公報に記載の方
法で得られる無機繊維は、耐熱性及び力学的特性に優れ
ているため、複合材料の強化繊維として使用されうる。
しかし、過酷な環境下での複合材料の使用に耐えるため
には、これらの無機繊維にマトリックスに応じた表面処
理を施して、界面制御層を形成するのが通常である。
【0006】上記の特公平5−5785号公報及び特開
平8−35122号公報に記載の方法で得られる繊維
は、炭化ケイ素繊維の全体が窒化された窒化ケイ素繊維
であり、これらの公報には界面制御層についての言及は
まったくない。
【0007】特開平4−370222号公報の記載の繊
維においては、繊維表面では主として炭素からなる界面
制御層が形成されている。例えば、この繊維から得られ
るセラミックス複合材料が空気中で比較的高い温度で使
用されるときには、界面制御層が酸化を受けて劣化し、
結果的に、複合材料の力学的特性が低下するという解決
すべき問題点を有している。このような問題は、この複
合材料の表面全体に耐酸化性の被覆を施すことにより解
消することができるが、強化繊維自体が耐酸化性に富む
界面制御層を有していることが好ましい。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記要望を満足
させる無機繊維及びその製造方法を提供する。本発明に
よれば、ケイ素、炭素、チタン、及び酸素からなる内層
部と、ケイ素、炭素、チタン、窒素、及び酸素からなる
表層部とから構成され、表面から500nm以下の領域
内に形成される表層部において、チタン及び窒素の割合
が繊維表面に向かって連続的に増大する傾斜した組成分
布を有する無機繊維が提供される。さらに、本発明によ
れば、ケイ素、炭素、チタン、及び酸素からなる前駆無
機繊維を、窒素含有化合物の雰囲気中1000℃以上で
加熱処理する、無機繊維の製造方法が提供される。
【0009】本発明の無機繊維についてまず説明する。
本発明の無機繊維は内層部と表層部とから構成されてお
り、繊維径は通常5〜20μmである。表層部は繊維表
面から繊維軸中心に向かって500nm以下の領域に形
成されている。表層部が上記範囲より深い領域に形成さ
れると、内層部の割合が相対的に低減する結果、無機繊
維の機械的特性が低下するようになる。
【0010】内層部の構成元素の割合は、通常、ケイ
素:40〜60重量%、炭素:20〜40重量%、チタ
ン:0.1〜10重量%、及び酸素:2〜30重量%で
ある。他方、表層部の構成元素の割合は、通常、ケイ
素:30〜60重量%、炭素:15〜35重量%、チタ
ン:2〜30重量%、窒素:5〜20重量%、及び酸
素:2〜30重量%である。
【0011】本発明の無機繊維の表層部においては、例
えば図1に示されるように、チタン及び窒素の割合が連
続的に増大している。これに対して、ケイ素及び炭素の
割合は相対的に減少している。酸素の割合も僅かに増大
する傾向を示す。表層部にけるチタン及び窒素の割合の
増は、表層部において、窒化チタンが形成されているこ
とを示唆している。図1は後述する実施例1で得られた
無機繊維の繊維表面からの深さ(nm)と構成元素の割
合(重量%)との関係を示しており、窒素及びチタンの
割合が繊維表面から約200nmの地点から繊維表面に
向けて漸増していることが理解される。この表層部が界
面制御層として作用し、無機繊維に、各種マトリック
ス、特にセラミックマトリックスとの適性な結合力を付
与する。
【0012】本発明の無機繊維は、表層部に窒化チタン
と推定される界面制御層が形成されているために、高温
の空気中での耐熱性に優れている。また、上記の表層部
は傾斜組成となっているために、熱膨張係数の差異によ
る剥離が生じることがなく、例えば、セラミックスの強
化繊維として使用した場合、耐ヒ−トサイクル性の良好
な複合材料を与えることができる。
【0013】つぎに、本発明の無機繊維の製造方法を説
明する。本発明の製造方法において使用されるケイ素、
炭素、チタン及び酸素からなる前駆無機繊維は、例え
ば、前述した特公昭60−1405号公報に記載の方法
に従って調製することができる。その製造方法の一例を
つぎに示す。
【0014】ポリシランとフェニル基含有ポリボロシロ
キサンとの反応によって得られるポリカルボシランにチ
タンのアルコキシド、アセチルアセトキシ化合物、カル
ボニル化合物、及びシクロペンタジエニル化合物から選
択される化合物の1種類以上を添加し、不活性ガス中で
加熱反応させて金属含有有機ケイ素重合体を調製する。
加熱温度は通常250〜350℃、加熱時間は一般に1
〜10時間である。この金属含有有機ケイ素重合体を紡
糸し、紡糸繊維を酸素含有雰囲気中での加熱、あるいは
電子線又はγ線の照射により不融化し、不融化繊維を8
00〜1400℃の範囲の温度に加熱して、前駆無機繊
維を得る。このような前駆無機繊維の一例が、宇部興産
株式会社製のチラノ繊維(登録商標)である。
【0015】この前駆無機繊維を、窒素含有化合物の雰
囲気中で加熱処理することによって、本発明の無機繊維
が調製される。窒素含有化合物の具体例としては、アン
モニア、アミン化合物を挙げることができるが、工業的
にはアンモニアを使用することが便利である。加熱処理
温度は1000℃以上である。処理温度が1000℃よ
り低いと、表層部が殆ど形成されない。処理温度の上限
については特別の制限はないが、過度に高いと、得られ
る無機繊維の力学的特性が低下するようになるので、一
般に上限は1600℃である。また、加熱処理温度は通
常1〜5時間である。
【0016】本発明の製造方法は、前記した特公平5−
5785号公報あるいは特開平8−35122号公報に
記載の製法とは異なっている。これら公知の方法におい
ては、無機化が進行していない不融化繊維をアンモニア
のような窒素含有化合物の雰囲気中で加熱処理している
ために、不融化繊維の中心部まで窒素含有化合物が入り
込み、全体が窒化ケイ素からなる無機繊維が得られる。
これに対して、本発明の製造方法においては、窒素含有
化合物の雰囲気中で加熱処理される繊維が、不融化繊維
ではなく、予め加熱焼成されて無機化が進行した前駆無
機繊維であるため、表面部のみに窒素を含有し、内部は
炭化ケイ素を主体とする無機繊維が得られる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を示す。以下において、特別の
言及がない限り、「部」及び「%」は、それぞれ、「重
量部」及び「重量%」を示す。
【0018】実施例1 宇部興産株式会社製のチラノ繊維(登録商標)(平均フ
ィラメント径11μm、1600フィラメント/束、引
張強度330kg/mm2 )を、管状電気炉に挿入し、
炉内をアンモニアガスで置換した。この後、炉内にアン
モニアガスを流しながら400℃/時間の昇温速度で1
400℃まで昇温し、同温度で3時間保持した後、電気
炉を放冷して、得られた無機繊維を取り出した。
【0019】この無機繊維の表面から繊維軸方向の組成
分布を、日本電子株式会社製の走査型オ−ジェ電子分光
装置JAMP−30を用いて分析した。分析結果を示す
図1から分かるように、無機繊維は内層部と繊維表面か
ら約200nmの地点から形成される表層部とから構成
されていた。内層部の組成は、ケイ素:54%、炭素:
32%、チタン:2%、及び酸素:12%であり、原料
繊維の組成と同一であった。
【0020】この無機繊維の表層部においては、上記の
繊維表面から約200nmの地点から繊維表面に向けて
窒素の割合が漸増し、また、同50nmの地点からチタ
ンの割合が漸増しており、他方、ケイ素及び炭素は割合
が漸減していた。この無機繊維の引張強度は315kg
/mm2 であった。
【0021】参考例1 ナトリウム400gを含有する無水キシレン20リット
ルに、窒素ガス気流下にキシレンを加熱還流させなが
ら、ジメチルジクロロシラン1リットルを滴下し、引き
続き10時間加熱還流し沈澱物を生成させた。この沈澱
をろ過し、メタノ−ル、ついで水で洗浄して、白色のポ
リジメチルシラン420gを得た。これとは別に、ジフ
ェニルジクロロシラン750g及びホウ酸124gを窒
素ガス雰囲気下にn−ブチルエ−テル中、100〜12
0℃で加熱し、生成した白色樹脂状物をさらに真空中4
00℃で1時間加熱することによって、フェニル基含有
ポリボロシロキサン530gを得た。
【0022】上記のポリジメチルシラン100部に上記
のフェニル基含有ポリボロシロキサン10部を添加し、
窒素ガス雰囲気中、350℃で熱縮合して、カルボシラ
ン単位とシロキサン単位との比が100:0.93であ
る有機ケイ素重合体部72部を得た。この有機ケイ素重
合体100部のキシレン溶液にチタンテトラブトキシド
10.5部を加え、窒素ガス気流下に320℃で橋架反
応させるとによって、カルボシラン単位とチタノキサン
単位との比が10:1のポリチタノカルボシランを得
た。
【0023】参考例2 実施例1で得られた無機繊維の三次元織物[糸密度(束
/25mm):X方向15、Y方向15、Z方向1
2)]を、参考例1で得られたポリチタノカルボシラン
の50%キシレン溶液に浸漬後、真空容器内で20to
rrに減圧し15分間保持することにより、三次元織物
内にポリチタノカルボシランを含浸した。その後、空気
中60℃で10時間保持しキシレンを乾燥除去し、窒素
気流中1200℃で加熱焼成した。上記の含浸、乾燥及
び焼成を8回繰り返すことにより、無機繊維強化セラミ
ック複合材料を得た。得られた複合材料の室温引張強度
は50kg/mm2 であり、空気中1000℃及び12
00℃での引張強度は、それぞれ、50kg/mm2
び37kg/mm2 であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた無機繊維の組成分析結果を
示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケイ素、炭素、チタン、及び酸素からなる
    内層部と、ケイ素、炭素、チタン、窒素、及び酸素から
    なる表層部とから構成され、表面から500nm以下の
    領域内に形成される表層部において、チタン及び窒素の
    割合が繊維表面に向かって連続的に増大する傾斜した組
    成分布を有する無機繊維。
  2. 【請求項2】ケイ素、炭素、チタン、及び酸素からなる
    前駆無機繊維を、窒素含有化合物の雰囲気中1000℃
    以上で加熱処理することを特徴とする無機繊維の製造方
    法。
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