JPH10130898A - 方向性電磁鋼板の電解エッチング方法 - Google Patents

方向性電磁鋼板の電解エッチング方法

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JPH10130898A
JPH10130898A JP28656296A JP28656296A JPH10130898A JP H10130898 A JPH10130898 A JP H10130898A JP 28656296 A JP28656296 A JP 28656296A JP 28656296 A JP28656296 A JP 28656296A JP H10130898 A JPH10130898 A JP H10130898A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アークスポットの発生を防止した方向性電磁
鋼帯の電解エッチング方法を提供する。 【解決手段】 最終板厚まで冷間圧延されたSi:2.0 〜
4.0 wt%を含有する方向性電磁鋼帯の表面に電解エッチ
ングにより線状または点状の溝を形成する方向性電磁鋼
帯の直接通電方式の連続電解エッチング方法で、コンダ
クタロールとして、Raが0.1 μm 以上の表面粗度を有す
るコンダクタロールを用いアークスポットの発生を防止
する。また、鋼帯の溶接接合部を検知し、溶接接合部が
コンダクタロールに到達直前にエッチング電流の給電を
中断するとともに、前記鋼帯と前記コンダクタロールと
を離隔し、ついで、溶接接合部がコンダクタロールを通
過直後に鋼帯とコンダクタロールとを再接触させエッチ
ング電流の給電を再開する。また、コンダクタロール
は、弾性砥石を使用してドレッシングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変圧器その他の電
気機器の鉄芯として用いられる低鉄損方向性電磁鋼帯に
関し、とくに磁気特性向上のため鋼帯表面に線状または
点状の溝を形成する連続電解エッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼帯は主として変圧器の鉄芯
材料として用いられ、その磁気特性が良好であることが
要求される。とくに、鉄芯として使用される場合のエネ
ルギー損失すなわち鉄損が低いことが重要である。従来
は、Si含有量を高める、結晶方位を揃える等の冶金的方
法で鉄損の改善を図ってきた。しかし、冶金的な方法の
みでは大幅な鉄損の改善は期待できない。
【0003】近年、鉄損の大幅な低減を達成する手段と
して、例えば、特公昭57-2252 号公報に記載された仕上
焼鈍済の鋼板表面にレーザーを照射して、人為的に磁区
を細分化する方法がある。しかしながら、この方法で
は、鉄損低減に効果があるが、歪取り焼鈍によって鉄損
の劣化をきたすという欠点があり、歪取り焼鈍を必須と
する巻鉄芯用としては用いられていない。
【0004】歪取り焼鈍が可能な電磁鋼板の製造方法と
して、例えば特公昭62-54873号公報には、仕上焼鈍済み
鋼板にレーザーや機械的手段によって局所的に絶縁被膜
を除去したのち、被膜除去部に酸洗や機械的手段で線状
の溝を局所的に形成し、溝を充填するようにリン酸系の
張力付与被膜処理を施す低鉄損一方向性電磁鋼板の製造
方法が提案されている。しかし、この方法では、常に安
定して被膜を除去することが困難なため、安定した溝の
形成ができず、とくにナイフなどの機械的手段により地
鉄に直接溝を形成する場合には溝周辺にかえりを生じる
ため占積率の低下を招くという問題がある。
【0005】仕上焼鈍済み鋼板に溝を導入する場合に
は、溝導入により被膜が損傷するため、絶縁被膜の再塗
装を必要とする場合が多く、占積率の低下やコスト増加
を招くという問題があった。このような問題を解決する
手段として、最終冷延板に線状の溝を導入する方法、例
えば特開昭63-42332号公報には、フォトエッチングまた
はステンシルを用いた電解エッチング法が提案されてい
る。この方法によれば、絶縁被膜の再塗装という問題は
ないが、フォトエッチングでは、マスクを通しての紫外
光の露光状態や現像液中に浸漬した際の露光部の除去状
態をコイル全体に均一に保つことが困難である。また、
ステンシルを用いた電解エッチングでは、電解液のにじ
みにより常に一定な溝を導入することが困難であるとい
う点に問題を残していた。
【0006】また、特開平4-88121 号公報には、最終冷
間圧延後、鋼板表面に連続または非連続の線状の非塗布
部領域を残存させてエッチングレジストを印刷により塗
布し、焼付けしたのち、エッチング処理を施して鋼板表
面に線状溝を形成する低鉄損電磁鋼板の製造方法が提案
されている。エッチング処理は、化学的エッチングと電
解エッチングが知られているが、溝深さのコントロール
という点では電解エッチングが有利である。この方法に
よれば、絶縁被膜の再塗装という問題はないが、電解エ
ッチング時にアークスポットが多発するという問題が生
じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記した
アークスポットの発生を防止した方向性電磁鋼帯の電解
エッチング方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記したア
ークスポットの発生原因について鋭意検討した結果、Si
を2.0 〜4.0wt %含有する方向性珪素鋼帯は電気抵抗値
が高く、コンダクタロールと鋼帯を接触させコンダクタ
ロールから給電する電解エッチングでは、コンダクタ
ロールと鋼帯との接触により局所的な放電現象が生じ、
この局所的放電により鋼帯表面にアークスポットが発生
する、とくにこの局所的な放電現象は、連続処理のた
め形成される、先行鋼帯と後行鋼帯とを溶接接合した溶
接接合部とコンダクタロールとの接触時に発生しやすい
という知見を得た。
【0009】まず、本発明者が行った本発明の基礎とな
った実験結果について説明する。Siを2.5 wt%、3.0 wt
%および3.5wt %含有する3種類の方向性珪素鋼素材を
熱間圧延し、さらに冷間圧延により最終板厚0.18、0.2
1、および0.30mmの冷延鋼帯とした。ついで、この最終
冷延鋼帯の片面に線状の非塗布領域を残すようにレジス
トインキを塗布したのち電解エッチング処理し、線状溝
を導入した。電解エッチング後、鋼帯表面のアークスポ
ットの発生状況を調査した。電解エッチング処理は、図
4に示す電解エッチング装置で行った。
【0010】この電解エッチング装置は、鋼帯1をコン
ダクタロール12と接触させるとともに、非電導性のデフ
レクタロール11で方向を変更して電解浴14中に浸漬し、
バックアップロール8に巻掛けしながら、コンダクタロ
ール12と電極13の間で通電して電解エッチングする、ラ
ジアルセル方式の電解エッチング装置である。鋼帯1に
給電のために接触するコンダクタロール(ロール径:25
0mm φ)の初期表面粗度Raを0.01μm 〜10μm の範囲で
変化し、エッチング電流をコンダクタロール1本当たり
500 〜10000 Aの範囲で変化させ、電解エッチングを行
った。
【0011】その結果、図1に示すように、電解エッチ
ング後、鋼帯表面に発生するアークスポットは、コンダ
クタロールの表面粗度Raを0.1 μm 以上とすることによ
り防止できることを見いだした。これは、コンダクタロ
ールの表面粗度を粗面化することにより鋼帯との接触時
に電流が分配され、局部的な電流集中すなわち、放電現
象を抑制でき、アークスポットを防止できるものと考え
られる。
【0012】つぎに、溶接接合部の影響を調査するた
め、連続電解エッチング処理を行い、アークスポットの
発生状況を調査した。Siを3.0 wt%含有する方向性珪素
鋼素材を熱間圧延し、さらに冷間圧延により最終板厚0.
22mmの冷延鋼帯とし、この最終冷延鋼帯の片面に線状の
非塗布領域を残すようにレジストインキを塗布して電解
エッチング処理し、線状溝を導入した。この鋼帯には、
100mごとに重ね代2mmの溶接接合部が形成されている。
【0013】電解エッチングは、エッチング電流をコン
ダクタロール1本当たり5000Aとし、コンダクタロール
の初期表面粗度をRa:0.1 μm に調整して、常時、ナイ
ロン砥石でドレッシングを行いながら処理した。電解エ
ッチング後、鋼帯表面のアークスポットの発生状況を調
査した。その結果、図5に示すように、発生するアーク
スポットは溶接接合部のコンダクタール通過時に対応し
て多発しているという知見を得た。
【0014】本発明は、上記した知見をもとに構成され
たものである。すなわち、本発明は、最終板厚まで冷間
圧延されたSi:2.0 〜4.0 wt%を含有する方向性電磁鋼
帯の表面にエッチングマスクを選択的に形成してから、
該鋼帯をコンダクタロールに接触させて電解浴中に浸漬
し、ついで該コンダクタロールと電解浴中に浸漬した電
極の間で通電して電解エッチングして該鋼帯表面に線状
または点状の溝を形成する方向性電磁鋼帯の電解エッチ
ング方法において、前記コンダクタロールとして、Raが
0.1 μm 以上の表面粗度を有するコンダクタロールを用
いることを特徴とするアークスポットの発生を防止した
方向性電磁鋼帯の電解エッチング方法である。
【0015】また、本発明では、前記鋼帯が、先行する
鋼帯と後行する鋼帯を溶接により接合したものであり、
前記鋼帯の溶接接合部を検知し、該溶接接合部が前記コ
ンダクタロールに到達直前にエッチング電流の給電を中
断するとともに、前記鋼帯と前記コンダクタロールとを
離隔し、前記溶接接合部が前記コンダクタロールを通過
直後に前記鋼帯と前記コンダクタロールとを再接触させ
エッチング電流の給電を再開するのが好適である。
【0016】また、本発明では、前記コンダクタロール
は、弾性砥石を使用してドレッシングするのが好まし
い。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の方法を好適に実施できる
電解エッチング装置の1例を図4に示す。図4では、鋼
帯1(冷延板)の表面にグラビヤオフセット印刷による
エッチングマスク塗布装置2によりエッチングレジスト
を塗布し、乾燥焼付け装置3でエッチングマスクを焼付
けたのち、電解エッチング装置7で線状溝を導入する。
なお、エッチングマスクの形成、線状溝の導入に使用す
る装置は、図4に限定されるものではないことは言うま
でもない。
【0018】最終板厚に冷間圧延された方向性電磁鋼板
表面に、エッチングレジストを塗布し、乾燥焼付けして
エッチングマスクを選択的に形成する。エッチングレジ
ストの塗布は、例えば図4に示すように、バックアップ
ロール8に巻掛けしてグラビヤロール10とゴム転写ロー
ル9とにより行うのが好ましい。塗布されたエッチング
レジストは乾燥焼付け装置3中で乾燥焼付けする。
【0019】本発明においては、エッチングレジストの
塗布は、グラビヤオフセット印刷、オフセットロールを
用いないグラビヤ印刷、平版オフセット印刷およびスク
リーン印刷等の方法を利用することができる。コイルで
の連続印刷が容易なこと、安定した印刷面が得られるこ
と、レジスト厚みのコントロールが容易なこと等からグ
ラビヤオフセット印刷がもっとも好適である。
【0020】エッチングレジストとして使用するインキ
は、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系
樹脂のうちのいずれかの樹脂を主成分とするレジストイ
ンキが好適である。エッチングマスクを形成したのち、
電解エッチングを行う。電解エッチングは、NaCl水溶液
やKCl 水溶液等の電解浴中で行うのがよい。電解エッチ
ングは、図4に示すように、鋼帯1をコンダクタロール
12に接触させるとともに、非電導性のデフレクタロール
11で方向を変更して電解浴14中に浸漬し、バックアップ
ロール8に巻掛けしながら、コンダクタロール12と電極
13の間で通電して電解エッチングするラジアルセル方式
の電解エッチング装置7で行うのが好ましい。
【0021】本発明の電解エッチングでは、給電のため
鋼帯と接触するコンダクタロールに、Raが0.1 μm 以上
の表面粗度を有するコンダクタロールを用いる。表面粗
度Raが0.1 μm 未満では、電解エッチング後の鋼帯表面
にアークスポットが発生するため、コンダクタロールの
表面粗度をRaで0.1 μm 以上に限定した。
【0022】また、本発明では、前記コンダクタロール
は、ナイロン砥石等の弾性砥石を使用してドレッシング
するのが好ましい。コンダクタロール表面にはスラッジ
等の異物が付着するため、それら異物を除去する目的
で、図4に示すように、コンダクタロール12にはドレッ
シング装置15を付設するのが好ましい。ドレッシング装
置15では、砥石をコンダクタロールに押圧接触させて、
電解エッチングを施しながらコンダクタロールを研摩す
るが、この際コンダクタロールの表面粗度を減少させる
恐れがあり、砥石はナイロン砥石、ポリウレタン砥石等
の弾性砥石を使用するのが好ましい。
【0023】コンダクタロールのドレッシングに際して
は、例えば、図2に示すように、砥石によりコンダクタ
ロールの初期表面粗度が減少し、平滑な表面となること
が確認されている。砥石(#320 )として、ダイヤモン
ド砥石や接着砥石を使用した場合にはコンダクタロール
の初期表面粗度(Ra:5.0 μm ) の減少が著しいが、ナ
イロン砥石の場合にはその変化は少ない。このことか
ら、アークスポット発生防止の観点からはコンダクタロ
ールの初期粗度を減少させないナイロン砥石等の弾性砥
石が有効である。
【0024】連続して鋼帯を処理する場合には、先行す
る鋼帯と後行する鋼帯を溶接により接合した鋼帯を用い
る。しかし、この溶接接合部は、コンダクタロールと接
触する際に上記したようにアークスポットを発生させる
恐れがある。また、溶接接合部とコンダクタロールとの
接触によりコンダクタロール表面に疵が発生する。とく
に、溶接接合部の重ね代が100 〜200mm と長い場合に顕
著となる。この疵はまたアークスポットの発生原因とな
る。
【0025】このため、溶接接合部を検知する検知装置
16を備え、溶接接合部をトラッキングして、溶接接合部
がコンダクタロールに到達直前にエッチング電流の給電
を中断するとともに、鋼帯とコンダクタロールとを離隔
する。鋼帯とコンダクタロールとの離隔は、コンダクタ
ロールを検知装置からの信号で油圧シリンダー等で移動
させるコンダクタロール移動装置17によるのが好まし
い。鋼帯は、デフレクタロールにより支持されており、
走行に関してはとくに問題は生じない。
【0026】ついで、溶接接合部がコンダクタロールを
通過した直後に鋼帯とコンダクタロールとを再接触させ
エッチング電流の給電を再開する。これにより、溶接接
合部は、コンダクタロールに疵をつけずにコンダクタロ
ールを通過させることができ、図3に示すように、アー
クスポットの発生を防止できる。
【0027】エッチングにより導入される線状溝は、
幅:50〜300 μm 、深さ:10〜35μmとするのが好まし
い。また、線状溝の間隔は2〜10mmの範囲とするのが好
適である。なお、溝の形成は、鋼板の片面だけでも十分
であるが、両面に施しても効果を有することは言うまで
もない。
【0028】本発明において対象とする電磁鋼板は、Si
を2.0 〜4.0 wt%含有する電磁鋼板である。Siが2.0 wt
%未満では、鉄損が高く、また、4.0wt %を超えると圧
延が困難になるため、Si含有量を2.0 〜4.0 wt%に限定
した。その他、Cが0.01〜0.08wt%を含み、かつインヒ
ビターとしてMnSe、MnS 、AlN 、BN等の1種または2種
以上を少量含む組成である。なお、インヒビターとして
上記以外にSb、Sn、Cu、Bi等を含んでもよい。
【0029】上記好適成分組成に調整されたスラブに熱
間圧延を施し、その後必要に応じ熱延板焼鈍を行ったの
ち、1回または中間焼鈍をはさむ2回以上の冷間圧延に
より最終板厚とし、ついでエッチングマスクを鋼板表面
に形成し、エッチングにより線状溝を導入する。エッチ
ング後、エッチングマスクを除去して、脱炭焼鈍を施
し、さらに焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上焼鈍を行
う。仕上焼鈍後、焼鈍分離剤を除去し、必要に応じ上塗
りコーティング塗布を行い製品板とする。本発明が好適
に適用できる板厚は0.15〜0.35mmである。
【0030】
【実施例】
(実施例1) C:0.065wt %、Si:3.0wt %、Mn:0.070wt %、Se:
0.020wt %、Al:0.026wt %、およびN:0.0085wt%を
含み、残部Feおよび不可避的不純物の珪素鋼スラブを、
熱間圧延し、1050℃×2min の熱延板焼鈍後冷間圧延に
より、0.22mm厚の冷延鋼帯とした。この鋼帯表面に、図
4に示す装置で、エッチングマスクを選択的に形成し
た。エッチングレジストとして、エポキシ系樹脂を主成
分とするレジストインキを用いた。乾燥焼付け温度は20
0 ℃とした。なお、マスクの厚みは1μm であった。
【0031】この表面にエッチングマスクを形成した
後、図4に示す電解エッチング装置7で、電解浴14とし
て濃度300g/lのNaCl水溶液( 液温:50℃) を用い、電気
量300C/dm2の電解電流一定とした直接通電方式による
連続電解エッチングを施し、線状溝を導入した。電極−
鋼帯間の距離は10mmとした。導入した線状溝は、幅:15
0 μm 、深さ:15μm で、溝間隔:4mmとした。なお、
コンダクタロールの初期表面粗度はRa:5.0 μm とし
た。比較例として、初期表面粗度がRa:0.01μm のロー
ルも用いた。コンダクタロールと鋼帯の接触部には電解
液スプレーを十分に吹きつけた。また、コンダクタロー
ル表面はナイロン砥石(#320)を備えたドレッシング装置
15で常時研摩した。
【0032】電解エッチング後、アークスポット発生状
況を調査した、その結果、本発明範囲のコンダクタロー
ルの初期粗度がRa:5.0 μm の場合には、アークスポッ
トの発生は全く見られなかったが、初期粗度がRa:0.01
μm の本発明範囲を外れる場合には、アークスポットは
常時発生していた。 (実施例2) C:0.062wt %、Si:3.0wt %、Mn:0.065wt %、Se:
0.018wt %、Al:0.020wt %、およびN:0.0090wt%を
含み、残部Feおよび不可避的不純物の珪素鋼スラブを、
熱間圧延し、1050℃×2min の熱延板焼鈍後冷間圧延に
より、0.22mm厚の冷延鋼帯とした。これら冷延鋼帯を連
続して、電解エッチング処理を施すため、先行鋼帯と後
行鋼帯を重ね代2mmのナローラップ溶接接合を行い溶接
接合部を形成した。
【0033】この冷延鋼帯表面に、図4に示す装置で、
エッチングマスクを選択的に形成した。エッチングレジ
ストとして、ポリエチレン系樹脂を主成分とするレジス
トインキを用いた。乾燥焼付け温度は200 ℃とした。な
お、マスクの厚みは1μm であった。鋼帯表面にエッチ
ングマスクを形成した後、図4に示す電解エッチング装
置7で、電解浴14として濃度300g/lのNaCl水溶液(液
温:50℃)を用い、直接通電方式による連続電解エッチ
ングを施し、線状溝を導入した。電極−鋼帯間の距離は
10mmとした。導入した線状溝は、幅:100 μm 、深さ:
20μm で、溝間隔:3mmとした。なお、電解エッチング
に際し用いた電流は、コンダクタロール1本当たり5000
Aとした。なお、コンダクタロールの初期表面粗度はR
a:5.0 μm とし、コンダクタロールと鋼帯の接触部に
は電解液スプレーを十分に吹きつけた。また、コンダク
タロール表面はナイロン砥石(#320)を備えたドレッシン
グ装置15で常時研摩した。
【0034】電解エッチングに際しては、溶接接合部を
検知し、溶接接合部前後6m の範囲でエッチング電流の
給電を中断(電流値:0A)し、さらに溶接接合部前後
5mの範囲をコンダクタロールと鋼帯とをコンダクタロ
ール移動装置により離隔し、溶接接合部がコンダクタロ
ールを通過したのち再び鋼帯とコンダクタロールとを接
触させエッチング電流の給電を再開した。なお、溶接接
合部のコンダクタロール通過の際に、コンダクタロール
と鋼帯とを離隔しない場合についても比較例として実施
した。
【0035】このように処理したコイルについて、コン
ダクタロールの回転距離10万kmにおけるアークスポット
の発生状況、コンダクタロール表面疵発生状況につい
て、調査した。その結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1から、本発明例(No.1)では、コンダ
クタロール表面疵の発生もなく、またアークスポットの
発生もみられず、鋼帯の表面状況は良好であった。これ
にくらべ、比較例(No.2)は、溶接接合部起因のアーク
スポットおよびコンダクタロール表面疵が発生してい
た。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、方向性珪素鋼帯表面に
発生するアークスポットの発生を安定して防止でき、方
向性珪素鋼帯の品質が著しく向上するという効果を得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】アークスポットの発生とエッチング電流、コン
ダクタロール表面粗度の関係を示す図である。
【図2】コンダクタロール表面粗度の変化におよぼすド
レッシング砥石材質の影響を示す図である。
【図3】アークスポット個数とエッチング電流、溶接接
合部との関係を示すグラフである。
【図4】本発明に好適な装置列の1例を示す説明図であ
る。
【図5】アークスポット個数と溶接接合部との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 鋼帯 2 エッチングマスク塗布装置 3 乾燥焼付け装置 6 サポートロール 7 電解エッチング装置 8 バックアップロール 9 ゴム転写ロール 10 グラビヤロール 11 デフレクタロール 12 コンダクタロール 13 電極 14 電解浴 15 ドレッシング装置 16 検知装置 17 コンダクタロール移動装置 18 冷却スプレーノズル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終板厚まで冷間圧延されたSi:2.0 〜
    4.0 wt%を含有する方向性電磁鋼帯の表面にエッチング
    マスクを選択的に形成してから、該鋼帯をコンダクタロ
    ールに接触させて電解浴中に浸漬し、該コンダクタロー
    ルと電解浴中に浸漬した電極の間で通電して電解エッチ
    ングする電解エッチング処理を施して該鋼帯表面に線状
    または点状の溝を形成する方向性電磁鋼帯の電解エッチ
    ング方法において、前記コンダクタロールとして、Raが
    0.1 μm 以上の表面粗度を有するコンダクタロールを用
    いることを特徴とするアークスポットの発生を防止した
    方向性電磁鋼帯の電解エッチング方法。
  2. 【請求項2】 前記鋼帯が、先行する鋼帯と後行する鋼
    帯を溶接により接合したものであり、前記鋼帯の溶接接
    合部を検知し、該溶接接合部が前記コンダクタロールに
    到達直前にエッチング電流の給電を中断するとともに、
    前記鋼帯と前記コンダクタロールとを離隔し、前記溶接
    接合部が前記コンダクタロールを通過直後に前記鋼帯と
    前記コンダクタロールとを再接触させエッチング電流の
    給電を再開することを特徴とする請求項1記載の方向性
    電磁鋼帯の電解エッチング方法。
  3. 【請求項3】 前記コンダクタロールは、弾性砥石を使
    用してドレッシングしたものであることを特徴とする請
    求項1または2記載の方向性電磁鋼帯の電解エッチング
    方法。
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