JPH10265851A - 低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH10265851A
JPH10265851A JP7558797A JP7558797A JPH10265851A JP H10265851 A JPH10265851 A JP H10265851A JP 7558797 A JP7558797 A JP 7558797A JP 7558797 A JP7558797 A JP 7558797A JP H10265851 A JPH10265851 A JP H10265851A
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mesh
steel sheet
etching
etching resist
annealing
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JP7558797A
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Masao Yasufuku
正雄 安福
Eiji Hina
英司 日名
Takeshi Tofuji
剛 東藤
Keiji Sato
圭司 佐藤
Natsuki Namura
夏樹 名村
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Kawasaki Steel Corp
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  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な溝を安定して形成し、コイル全体にわ
たって均一な磁気特性を有する低鉄損方向性電磁鋼板の
製造方法を提案する。 【解決手段】 Si:2.0 〜4.0 wt%を含有する方向性電
磁鋼冷延板に、エッチングレジストを、メッシュサイズ
(L)が100 〜200 メッシュ/inch 、メッシュ深さ
(D)が30〜60μm の範囲でかつメッシュサイズとメッ
シュ深さの関係が、−0.25L+90>D>−0.25L+75を
満足し、さらに非メッシュ部の幅を100 〜300μm とし
たグラビヤロールを用いたグラビヤオフセット印刷によ
り選択的に塗布したのち、エッチングレジスト塗布面を
上面とし、下面を搬送ロールで支持するとともに、下面
側からガスジェット方式により乾燥焼付けする。また、
前記ガスジェット方式に代えて、輻射加熱方式により乾
燥焼付けしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変圧器等の電気
機器の鉄芯として利用される低鉄損方向性電磁鋼板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は主として変圧器の鉄心
材料として用いられ、その磁気特性が良好であることが
要求される。とくに、鉄心として使用される場合のエネ
ルギー損失すなわち鉄損が低いことが重要である。そこ
で、種々の冶金的方法により鉄損の低減が試みられ、板
厚0.23mm以下の鋼板では、鉄損W17/50 (磁束密度1.7
T、50Hz)が0.9 W/kg以下のものが製造されるようにな
った。
【0003】しかしながら、これ以上の大幅な鉄損の改
善は、冶金的方法のみでは期待できない。そこで、近
年、鉄損の大幅な低減を達成する手段として、たとえ
ば、特公昭57-2252 号公報に記載された、仕上焼鈍済の
鋼板表面にレーザを照射して人為的に磁区を細分化する
方法がある。しかし、この方法では、鉄損低減に効果は
あるが、歪取り焼鈍によって鉄損劣化をきたすという欠
点があり、歪取り焼鈍を必須とする巻鉄心用としては用
いられていない。
【0004】歪取り焼鈍が可能な電磁鋼板の製造方法と
して、例えば、特公昭62-54873号公報には、仕上焼鈍済
み鋼板にレーザや機械的手段によって局所的に絶縁被膜
を除去したのち、被膜除去部に酸洗や機械的手段で線状
の溝を局所的に形成し、溝を充填するようにリン酸系の
張力付与被膜を施す低鉄損一方向性電磁鋼板の製造方法
が提案されている。しかし、この方法では、常に安定し
て被膜を除去することが困難なため、安定した溝の形成
ができず、とくにナイフなどの機械的手段により地鉄に
直接溝を形成する場合には溝周辺にかえりを生じるため
占積率の低下や、溝導入により被膜が損傷するため、絶
縁被膜の再塗装を必要とする場合が多くコスト増加を招
くという問題があった。
【0005】このような問題を解決する手段として、最
終冷延板に線状の溝を導入する方法、例えば特開昭63-4
2332号公報には、フォトエッチングまたはステンシルを
用いた電解エッチング法が提案されている。この方法に
よれば、絶縁被膜の再塗装という問題はないが、フォト
エッチングでは、マスクを通しての紫外光の露光状態や
現像液中に浸漬した際の露光部の除去状態をコイル全体
に均一に保つことが困難である。また、ステンシルを用
いた電解エッチングでは、電解液のにじみにより常に一
定な溝を導入することが困難であるという問題を残して
いた。
【0006】また、特開平4-88121 号公報には、最終冷
間圧延後、鋼板表面に連続または非連続の線状の非塗布
部領域を残存させてエッチングレジストを印刷により塗
布し、焼付けしたのち、エッチング処理を施して鋼板表
面に線状溝を形成する低鉄損電磁鋼板の製造方法が提案
されている。この方法によれば、絶縁被膜の再塗装とい
う問題はないが、得られた製品特性にばらつきがあるこ
とが問題として生じてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記した
問題を有利に解決し、均一な溝を安定して形成し、コイ
ル全体にわたって均一な磁気特性を有する低鉄損方向性
電磁鋼板の製造方法を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】最終冷延後鋼板表面にエ
ッチングレジストを塗布焼付けして、エッチングマスク
とし、電解エッチングにより溝を形成しても、均一な溝
ができない場合があり、本発明者らが詳細に検討した結
果、エッチングマスクの性状が溝の均一性に影響を与え
ていることが判明した。エッチングマスクに、部分的剥
離、パターンの潰れ、ピンホール、膜厚むら等が発生
し、そのため、磁気特性に大きな変動をもたらしていた
のである。
【0009】本発明者らは、上記したエッチングマスク
の欠陥は、エッチングレジストの塗布条件、乾燥条件に
起因することを見いだし、この発明を構成した。まず、
この発明の基礎となった実験結果について説明する。S
i:3.0 wt%を含有する方向性珪素鋼素材を熱間圧延
し、さらに冷間圧延により板厚0.18mmの最終冷延板とし
た。この最終冷延板にエポキシ系樹脂を主成分とするエ
ッチングレジストインキをグラビヤオフセット印刷によ
り、非塗布部が圧延方向に幅:200 μm 、間隔:4 mmで
線状に残存するように片面塗布した。この際、使用した
グラビヤロールのメッシュ構造を変化させて印刷した。
グラビヤロールのメッシュサイズを75〜225 メッシュ/i
nch とし、メッシュ深さを胴長方向で10〜80μm に変化
させた。また、線状の非塗布部を形成させるため、グラ
ビヤロールに幅を200 μm の、メッシュのない非メッシ
ュ部も形成した。なお、エッチングレジストの塗布は、
塗布速度:50 m/min、レジストインキ粘度:100cpsで行
った。その後、乾燥焼付けし、エッチングマスクの欠陥
状況を調査した。その結果を図1に示す。
【0010】図1から、エッチングマスクの欠陥は、グ
ラビヤロールのメッシュ構造に強く影響されていること
がわかる。すなわち、メッシュサイズ(L)が100 〜20
0 メッシュ/inch 、メッシュ深さ(D)が30〜60μm の
範囲でかつメッシュサイズとメッシュ深さの関係が次
(1)式 −0.25L+90>D>−0.25L+75 ……………(1) ここに、D:メッシュ深さ(μm ) L:メッシュサイズ(メッシュ/inch ) を満足するグラビヤロールを用いて塗布した場合に、エ
ッチングレジストの欠陥が発生しない。この範囲を外れ
ると、ピンホールや、塗布むらが発生する。
【0011】また、板厚0.18mmの最終冷延板に、エポキ
シ系樹脂を主成分とするエッチングレジストインキをグ
ラビヤオフセット印刷により片面塗布した。この際、使
用したグラビヤロールのメッシュ構造とくに非メッシュ
部の幅を変化させて印刷した。メッシュサイズを100 、
150 、200 メッシュ/inch とし、メッシュ深さを胴長方
向で32、42、57μmの3種として、それぞれ線状の非塗
布部を形成させるため、幅:50〜350 μmに連続的に変
化させたロール胴長方向に線状とした非メッシュ部を有
するグラビヤロールを作製し、使用した。なお、エッチ
ングレジストの塗布は、塗布速度:50m/min 、レジスト
インキ粘度:50〜150cpsで行った。その後、乾燥焼付け
し、エッチングマスクの欠陥状況を調査した。その結果
を図2に示す。
【0012】図2から、エッチングマスクのパターン潰
れは、非メッシュ部の幅が100 μm未満で発生すること
がわかる。本発明は上記した知見をもとに構成されたも
のである。すなわち、本発明は、Si:2.0 〜4.0 wt%を
含有する方向性電磁鋼板用スラブを熱間圧延し、1回ま
たは中間焼鈍をはさみ2回以上の冷間圧延により最終板
厚としたのち、鋼板表面にエッチングレジストを塗布し
乾燥焼付けしてエッチングマスクを選択的に形成したの
ち、電解エッチング処理を施して鋼板表面に線状または
点状の溝を形成し、しかるのちにエッチングマスクを除
去し、その後脱炭焼鈍、ついで最終仕上焼鈍を施す方向
性電磁鋼板の製造方法において、前記エッチングレジス
トの塗布が、メッシュサイズ(L)が100 〜200 メッシ
ュ/inch 、メッシュ深さ(D)が30〜60μmの範囲でか
つメッシュサイズとメッシュ深さの関係が次(1)式、
−0.25L+90>D>−0.25L+75(D:メッシュ深さ
(μm)、L:メッシュサイズ(メッシュ/inch ))を
満足し、さらに、軸方向とぼぼ平行に形成される線状ま
たは点状の、メッシュを形成しない非メッシュ部の幅を
100 〜300 μmの範囲としたグラビヤロールを用いるも
のであり、前記エッチングレジストの乾燥焼付けが、エ
ッチングレジスト塗布面を上面とし、エッチングレジス
ト非塗布面を下面として、下面を搬送ロールで支持する
とともに、下面側からガスジェット方式により乾燥焼付
けすることを特徴とする低鉄損方向性電磁鋼板の製造方
法である。
【0013】また、本発明では、前記ガスジェット方式
に代えて、輻射加熱方式により乾燥焼付けしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の方法を好適に実施できる
装置列の1例を図3に示す。鋼帯1(冷延板)の表面
(片面)に、グラビヤロール3、オフセットロール4と
バックアップロール5とからなるグラビヤオフセット印
刷によるエッチングマスク塗布装置6によりエッチング
レジストを塗布し、エッチングレジスト塗布面を上面と
し、ノズル8から鋼帯下面にガスジェットを吹きつける
ガスジェット方式の乾燥焼付け装置9でエッチングレジ
ストを乾燥焼付しエッチングマスクを形成する。その
後、鋼帯1をエッチング装置10に導き、バックアップロ
ール5に巻掛けして電解エッチングにより表面に線状溝
を導入する。なお、図3には、エッチング装置として電
解エッチング装置を、乾燥焼付装置としてガスジェット
を吹きつける方式の乾燥焼付装置を示しているが、使用
する装置は図3に限定されるものではないことは言うま
でもない。
【0015】本発明では、最終板厚に冷間圧延された方
向性電磁鋼板表面に、エッチングレジストを塗布し、乾
燥焼付けしてエッチングマスクを選択的に形成する。エ
ッチングレジストの塗布は、グラビヤロールに連続して
エッチングレジストインキを供給し、鋼帯表面に転写す
るグラビヤ印刷によっても、また、図3に示すようにバ
ックアップロール5に鋼帯を巻掛けし、鋼帯表面にグラ
ビヤロール3とオフセットロール4とによりグラビヤオ
フセット印刷によってもよい。しかし、版胴の摩耗が少
ないこと、レジスト厚みのコントロールが容易であるこ
と、安定した印刷面が得られることなどから、グラビヤ
オフセット印刷が好適である。
【0016】エッチングレジストインキは、鋼帯表面に
インキ非塗布部が圧延方向と直角方向に線状または点状
に残存するように塗布する。このとき、グラビヤオフセ
ット印刷に際し使用するグラビヤロールは、メッシュサ
イズ(L)が100 〜200 メッシュ/inch 、メッシュ深さ
(D)が30〜60μmの範囲でかつメッシュサイズとメッ
シュ深さの関係が次(1)式 −0.25L+90>D>−0.25L+75 ……………(1) ここに、D:メッシュ深さ(μm ) L:メッシュサイズ(メッシュ/inch ) を満足するように加工されたロールを使用する。
【0017】メッシュサイズが100 メッシュ/inch 未
満、メッシュ深さ(D)が30μm 未満およびD=−0.25
L+75以下では、エッチングマスクにピンホールが多発
し、また、メッシュサイズが200 メッシュ/inch 超え、
メッシュ深さ(D)が60μm 超えおよびD=−0.25L+
90以上では、エッチングマスクに膜厚むらが発生する。
さらに、本発明では、鋼帯圧延方向と直角方向に線状ま
たは点状にエッチングインキ非塗布部を形成するため
に、グラビヤロールに、軸方向とぼぼ平行に線状または
点状の、メッシュを形成しない非メッシュ部を形成す
る。本発明では、この非メッシュ部の幅を100 〜300 μ
m の範囲とする。非メッシュ部の幅が100 μm 未満で
は、エッチングマスクのパターン潰れが発生する。ま
た、非メッシュ部の幅が300 μm を超えると、鋼帯表面
に形成される溝の幅が大きくなりすぎ磁区細分化効果が
減少する。このため、非メッシュ部の幅は100 〜300 μ
m の範囲に限定する。
【0018】エッチングレジストとして使用するインキ
は、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系
樹脂のうちのいずれかの樹脂を主成分とするレジストイ
ンキが好適である。インキの粘度は80〜120cP が好適で
あるが、とくに限定する必要がない。エッチングレジス
トを塗布したのち、エッチングレジスト塗布面を上面と
し、エッチングレジスト非塗布面を下面として、下面を
搬送ロールで支持するとともに、下面側から熱風をノズ
ルにより吹きつけるガスジェット方式で乾燥焼付けす
る。
【0019】エッチングレジストが乾燥焼付けされ、固
化するまではエッチングレジスト塗布面と搬送ロールと
の接触を避けるため、塗布面を上面として、下面を搬送
ロールで支持し、鋼帯を搬送する。塗布面と搬送ロール
が接触すると、エッチングレジストが剥離し、エッチン
グレジストマスクのパターンが乱れるため、鋼板表面に
形成される溝形状が不良となり、磁気特性が劣化する。
【0020】また、エッチングレジスト塗布面に、直
接、熱風をジェット状に吹きつけると風圧により塗膜が
乱れ、膜厚が不均一となる。そのため、エッチングレジ
スト非塗布面に、ガスジェット方式により熱風をノズル
により吹きつけ、その熱で、エッチングレジストを乾燥
焼付けるのがよい。また、乾燥温度は250 ℃以下とする
のが膜の絶縁抵抗の観点から好ましい。
【0021】また、ガスジェット方式の代わりに、図4
に示すように、電熱板15等による輻射加熱方式を用いて
もよい。輻射加熱方式によれば、ガスジェット方式にく
らべ、加熱効率の点で劣るが設備的に簡便となる利点が
ある。エッチングマスクを形成したのち、エッチングを
行う。エッチングは、化学エッチング、電解エッチング
のいずれでもよい。
【0022】化学エッチングの場合には、FeCl3 、HN
O3、H2SO4 、H3PO4 等やそれらの混合液が好適に用いら
れる。電解エッチングの場合には、NaCl水溶液やKCl 水
溶液等の電解浴中で、電流密度1〜100 A/dm2の範囲で
行うのがよい。電流密度が低すぎるとエッチング効果が
得られず、高すぎるとエッチングマスクが損なわれるた
めである。
【0023】電解エッチングは、図3に示すように、鋼
帯1をバックアップロール5に巻掛けし、電解浴14中に
浸漬して、コンダクタロール11と電極13との間で通電し
て、電解エッチングする、ラジアルセル方式の電解エッ
チングとするのが好ましい。エッチング後、エッチング
マスクの除去法はとくに限定しないが、アルカリまたは
有機溶剤等が適している。
【0024】エッチングにより導入される線状溝は、深
さ:10〜35μm 、間隔:2 〜10mmとするのが好ましい。
なお、溝の形成は、鋼板の片面だけで十分であるが、両
面に施しても効果を有することは言うまでもない。本発
明において対象とする電磁鋼板は、Siを2.0 〜4.0 wt%
含有する電磁鋼板である。Siが2.0wt %未満では、鉄損
が高く、また、4.0 wt%を超えると冷間圧延が困難とな
るため、Si含有量は、2.0 〜4.0 wt%の範囲に限定し
た。その他、Cを0.01〜0.08wt%含み、かつインヒビタ
ーとしてMnSe、MnS 、AlN 、BN等の1種または2種以上
を少量含む組成である。なお、インヒビターとして上記
以外にSb、Sn、Cu、Bi等を含んでもよい。
【0025】上記好適組成に調整されたスラブに熱間圧
延を施し、その後必要に応じ熱延板焼鈍を行ったのち、
1回または中間処理をはさむ2回以上の冷間圧延により
最終板厚とする。本発明の方法では、好適板厚は0.15〜
0.35mmである。エッチングマスクを除去したのち、脱炭
焼鈍を施し、さらに焼鈍分離剤を塗布してから最終仕上
焼鈍を行う。仕上焼鈍後、焼鈍分離剤を除去し、必要に
応じ上塗りコーティング塗布を行い製品板とする。
【0026】
【実施例】C:0.065 wt%、Si:3.1wt %、Mn:0.070
wt%、Se:0.017 wt%、Al:0.025 wt%、およびN:0.
0085wt%、Sb:0.024 wt%を含み、残部Feおよび不可避
的不純物の珪素鋼スラブを熱間圧延し、1050℃×2min
の熱延板焼鈍後冷間圧延により、0.22mm厚の冷延板とし
た。この冷延板表面に、図3に示す装置で、表1に示す
メッシュサイズ、メッシュ深さおよび非メッシュ部幅を
変化したグラビヤロールでエッチングレジストを塗布
し、エッチングレジスト塗布面を上面とし、エッチング
レジスト非塗布面を下面として搬送ロールで下面を支持
しつつ、下面に熱風をノズルから吹きつけ乾燥焼付け
し、エッチングマスクを形成した。乾燥焼付け温度は20
0 ℃とした。なお、エッチングレジストはポリエチレン
系樹脂を主成分とするレジストインキを用いて行った。
エッチングレジストマスクの厚みは1.5 μm であった。
【0027】形成されたエッチングマスクの外観、膜厚
を調査し、その結果を表1に示す。鋼板表面にエッチン
グマスクを形成したのち、15%NaCl水溶液中で直接通電
方式による電解エッチングを施し、線状溝を導入した。
導入した線状溝は幅:130〜160 μm 、深さ:20μm 、
溝間隔:3mmとした。なお、電解エッチングに際し用い
た電流量は 300C/dm2であった。
【0028】このように処理したコイルについて、さら
に脱炭焼鈍を施しついで最終仕上焼鈍を行った。各製品
コイルについて、磁気特性を10ヶ所で測定した。鉄損の
平均値およびそのばらつき(σ)を表1に併記して示
す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から、実施例No. 1 のように、本発明
の範囲でエッチングレジストの塗布・乾燥を行えば、エ
ッチングマスクの欠陥発生がなく、磁気的特性も優れ、
そのばらつきも小さくなっている。これに対し、本発明
の範囲から外れる比較例No.2〜No.5は、エッチングマス
クに剥離、ピンホール、膜厚むら、パターン潰れが発生
して、磁気的特性が劣化し、そのばらつきも大きくなっ
ている。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、従来に比し、磁気特性
のばらつきの少ない低鉄損方向性電磁鋼板を工業的に安
定して製造することができ、しかも歪取り焼鈍による鉄
損の劣化がないため、積鉄心用、巻鉄心用ともに使用で
きるという効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】エッチングマスクの欠陥発生とグラビヤロール
のメッシュサイズ、メッシュ深さの関係を示す説明図で
ある。
【図2】エッチングマスクのパターン潰れの発生と、エ
ッチングインキ粘度、グラビヤロールの非メッシュ部幅
との関係を示す説明図である。
【図3】本発明に好適な装置列の一例を示す説明図であ
る。
【図4】本発明に好適な装置の一例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 鋼帯 2 デフレタロール 3 グラビヤロール 4 オフセットロール 5 バックアップロール 6 エッチングマスク塗布装置 7 搬送ロール 8 ノズル 9 乾燥焼付け装置 10 エッチング装置 11 コンダクタロール 13 電極 14 電解浴 15 電熱板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東藤 剛 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 佐藤 圭司 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 名村 夏樹 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:2.0 〜4.0 wt%を含有する方向性電
    磁鋼板用スラブを熱間圧延し、1回または中間焼鈍をは
    さみ2回以上の冷間圧延により最終板厚としたのち、鋼
    板表面にエッチングレジストを塗布し乾燥焼付けしてエ
    ッチングマスクを選択的に形成したのち、電解エッチン
    グ処理を施して鋼板表面に線状または点状の溝を形成
    し、しかるのちにエッチングマスクを除去し、その後脱
    炭焼鈍、ついで最終仕上焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製
    造方法において、 前記エッチングレジストの塗布が、メッシュサイズ
    (L)が100 〜200 メッシュ/inch 、メッシュ深さ
    (D)が30〜60μm の範囲でかつメッシュサイズとメッ
    シュ深さの関係が下記(1)式を満足し、さらに、軸方
    向とぼぼ平行に形成される線状または点状の、メッシュ
    を形成しない非メッシュ部の幅を100 〜300 μmの範囲
    としたグラビヤロールを用いるものであり、前記エッチ
    ングレジストの乾燥焼付けが、エッチングレジスト塗布
    面を上面とし、エッチングレジスト非塗布面を下面とし
    て、下面を搬送ロールで支持するとともに、下面側から
    ガスジェット方式により乾燥焼付けすることを特徴とす
    る低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法。 記 −0.25L+90>D>−0.25L+75 ……………(1) ここに、D:メッシュ深さ(μm ) L:メッシュサイズ(メッシュ/inch )
  2. 【請求項2】 前記ガスジェット方式に代えて、輻射加
    熱方式により乾燥焼付けすることを特徴とする請求項1
    記載の低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8734658B2 (en) 2010-06-25 2014-05-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Method for manufacturing grain-oriented electrical steel sheet

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8734658B2 (en) 2010-06-25 2014-05-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Method for manufacturing grain-oriented electrical steel sheet

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