JPH10130842A - 耐チッピング性のすぐれた表面被覆サーメット製切削工具 - Google Patents

耐チッピング性のすぐれた表面被覆サーメット製切削工具

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JPH10130842A
JPH10130842A JP28070996A JP28070996A JPH10130842A JP H10130842 A JPH10130842 A JP H10130842A JP 28070996 A JP28070996 A JP 28070996A JP 28070996 A JP28070996 A JP 28070996A JP H10130842 A JPH10130842 A JP H10130842A
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cutting
cutting tool
oxide layer
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JP28070996A
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Kenichi Unami
健一 宇納
Akira Osada
晃 長田
Toshiaki Ueda
稔晃 植田
斉 ▲功▼刀
Hitoshi Kunugi
Takeki Hamaguchi
雄樹 濱口
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐チッピング性のすぐれた表面被覆サーメッ
ト製切削工具を提供する。 【解決手段】 WC基超硬合金基体またはTiCN基サ
ーメット基体の表面に、TiC層、TiN層、TiCN
層、TiO2 層、TiCO層、TiNO層、およびTi
CNO層からなるTi化合物層のうちの1種または2種
以上と、Al2 3 層で構成した硬質被覆層を3〜20
μmの平均層厚で化学蒸着および/または物理蒸着して
なる表面被覆サーメット製切削工具において、前記Al
23 層を構成するAl23 に、重量%で、Ti:1
〜15%、Cl:0.005〜0.1%、およびN:
0.001〜0.1%、を含有させると共に、これを非
晶質組織としたAl−O系非晶質層と、同じくTi:1
〜15%、Cl:0.005〜0.1%、およびN:
0.001〜0.1%、を含有させると共に、これを結
晶組織としたAl−O系結晶層との交互2層以上からな
るAl−O系交互積層を、前記Al23 層に代わって
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、硬質被覆層を構
成する酸化アルミニウム(以下、Al23 で示す)層
の改良に係り、これを厚膜化してもその層厚が均一化す
ると共に、靭性低下がなく、かつすぐれた層間密着性を
有し、したがって例えば鋼や鋳鉄などの連続切削は勿論
のこと、特に断続切削に用いた場合にも切刃にチッピン
グ(微小欠け)などの発生なく、長期に亘ってすぐれた
切削性能を発揮する表面被覆サーメット製切削工具(以
下、被覆サーメット工具という)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化タングステン基超硬合金基体
または炭窒化チタン基サーメット基体(以下、これら両
者を総称してサーメット基体と云う)の表面に、Tiの
炭化物(以下、TiCで示す)層、窒化物(以下、同じ
くTiNで示す)層、炭窒化物(以下、TiCNで示
す)層、酸化物(以下、TiO2 で示す)層、炭酸化物
(以下、TiCOで示す)層、窒酸化物(以下、TiN
Oで示す)層、および炭窒酸化物(以下、TiCNOで
示す)層からなるTi化合物層のうちの1種または2種
以上と、Al23 層とで構成された硬質被覆層を3〜
20μmの平均層厚で化学蒸着および/または物理蒸着
してなる被覆サーメット工具が知られている。また、特
に上記被覆サーメット工具の硬質被覆層を構成するAl
23 層が、反応ガスとして、容量%で 三塩化アルミニウム(以下、AlCl3 で示す):1〜
20%、 二酸化炭素(以下、CO2 で示す):0.5〜30%、 [必要に応じて一酸化炭素(CO)または塩化水素(H
Cl):1〜30%]、 水素:残り、 からなる組成を有する水素系反応ガスを用い、 反応温度:950〜1100℃、 雰囲気圧力:20〜200torr、 の条件で形成されることも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
のFA化はめざましく、かつ省力化に対する要求も強
く、これに伴い、被覆サーメット工具には使用寿命のさ
らなる延命化が求められ、これに対応する手段として、
これを構成する硬質被覆層のうち、特に耐酸化性と熱的
安定性にすぐれ、さらに高硬度を有するAl23 層の
厚膜化が広く検討されているが、前記Al23 層は、
これを厚くすると、上記の従来Al23 層形成手段で
は層厚が局部的に不均一になり、切刃の逃げ面、すくい
面、および前記逃げ面とすくい面の交わるエッジ部の間
には層厚に著しいバラツキが発生するようになり、さら
に厚膜化によるAl23 層自体の靭性低下、並びに硬
質被覆層を構成する他のTi化合物層との層間密着性不
足と相まって、これを、例えば鋼や鋳鉄などの断続切削
に用いた場合に切刃にチッピングが発生し易く、これが
原因で比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、被覆サーメット工具の硬質被覆
層を構成するAl23 層に着目し、厚膜化した場合の
層厚の局部的バラツキの減少と靭性低下の抑制、さらに
他の構成層であるTi化合物層に対する層間密着性の向
上を図るべく研究を行った結果、化学蒸着法および/ま
たは物理蒸着法にて、反応ガスとして、上記の従来水素
系反応ガスに代って、容量%で、基本的に、 AlCl3 :1〜10%、 水素(以下、H2 で示す):1〜5%、 窒素酸化物(以下、NOで示す):16〜30%、 四塩化チタン(以下、TiCl4 で示す):0.05〜
0.7%、 不活性ガス:残り、 からなる組成を有する不活性ガス系反応ガスを用い、反
応温度および雰囲気圧力は以下の条件、すなわち、 反応温度:700〜1100℃、 雰囲気圧力:20〜200torr、 の条件で層形成を行うと、形成された層は、従来の硬質
被覆層のAl23 層を構成するAl23 がTi、C
l、およびNを含有した組成、すなわち主体がAlと酸
素(O)からなり、これにTi、Cl、およびNが含有
した組成をもつようになり、このうちのTiおよびCl
の含有割合を、主に上記不活性ガス系反応ガスの組成お
よび反応雰囲気を調整することにより、重量%で、T
i:1〜15%およびCl:0.005〜0.1%とな
るようにすると、この結果のTiおよびClを含有する
Al−O系層は、これを厚膜化しても、その層厚に局部
的バラツキが著しく少なくなり、切刃の逃げ面、すくい
面、および前記逃げ面とすくい面の交わるエッジ部の層
厚が相互に均一化するようになり、加えてNの含有割合
を同じく0.001〜0.1%となるように調整する
と、Tiとの共存で硬質被覆層を構成するTi化合物層
との層間密着性が著しく向上し、さらに前記Al−O系
層の形成に際して、上記層形成条件のうちの反応温度
を、高温側の900〜1100℃にすると結晶組織とな
り、一方低温側の700〜900℃にすると非晶質組織
をもつようになり、このようなAl−O系結晶層とAl
−O系非晶質層の交互2層以上の積層からなるAl−O
系交互積層で構成すると、これが厚膜化しても靭性低下
が著しく抑制され、したがって、このAl−O系交互積
層と前記Ti化合物層とで構成された硬質被覆層をサー
メット基体表面に形成してなる被覆サーメット工具は、
前記Al−O系交互積層がAl2 3 層と同等の性質を
有するので、すぐれた耐酸化性と熱的安定性、および高
硬度を具備するようになることと相まって、例えば鋼や
鋳鉄などの連続切削は勿論のこと、断続切削に用いた場
合にも切刃にチッピングなどの発生なく、長期に亘って
すぐれた切削性能を示すという研究結果を得たのであ
る。
【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、サーメット基体の表面に、TiC
層、TiN層、TiCN層、TiO2 層、TiCO層、
TiNO層、およびTiCNO層からなるTi化合物層
のうちの1種または2種以上と、Al2 3 層とで構成
された硬質被覆層を3〜20μmの平均層厚で形成して
なる被覆サーメット工具において、前記Al23 層を
構成するAl23 に、重量%で、 Ti:1〜15%、 Cl:0.005〜0.1%、 N:0.001〜0.1%、 を含有させると共に、これを非晶質組織としたAl−O
系非晶質層と、同じく、 Ti:1〜15%、 Cl:0.005〜0.1%、 N:0.001〜0.1%、 を含有させると共に、これを結晶組織としたAl−O系
結晶層との交互2層以上の積層からなるAl−O系交互
積層を、前記Al23 層に代わって形成することによ
り、特に厚膜化した場合の層厚の均一化および靭性低下
の抑制、さらに層間密着性向上をはかり、これによって
切刃の耐チッピング性を向上せしめた被覆サーメット工
具に特徴を有するものである。
【0006】なお、この発明の被覆サーメット工具の硬
質被覆層を構成するAl−O系交互積層におけるTiお
よびClは、上記の通り、これら両成分が共存して層厚
の均一化に作用するものであり、したがって、これら両
成分のうちのTiの含有量が1%未満でも、またClの
含有量が0.005%未満でも前記作用に所望の効果が
得られず、一方これら両成分のうちのいずれかの含有量
でもTi:15%およびCl:0.1%を越えると、A
23 層と同等の特性を有するAl−O系交互積層の
もつ特性が損なわれるようになるものであり、これらの
結果から、その含有量を、それぞれTi:1〜15%、
Cl:0.005〜0.1%と定めた。また、同じくN
成分には、上記の通りAl−O系交互積層の上記Ti化
合物層に対する層間密着性をTiとの共存下で向上させ
る作用があり、したがってその含有量が0.001%未
満では、所望の層間密着性向上効果が得られず、一方そ
の含有量が0.1%を越えるとAl−O系交互積層のも
つ特性が損なわれるようになることから、その含有量を
0.001〜0.1%と定めた。さらに、硬質被覆層の
平均層厚を3〜20μmとしたのは、その層厚が3μm
未満では所望のすぐれた耐摩耗性を確保することができ
ず、一方その層厚が20μmを越えると、切刃の耐チッ
ピング性が低下するようになるという理由からである。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の被覆サーメッ
ト工具を実施例により具体的に説明する。原料粉末とし
て、平均粒径:2.8μmを有する中粒WC粉末、同
4.9μmの粗粒WC粉末、同1.5μmの(Ti0.3
0.7 )C粉末、同1.2μmの(Ti0. 40.6 )C
N粉末、同1.2μmの(Ta0.9 Nb0.1 )C粉末、
同1.3μmの(Ti0.6 0.3 Mo0.1 )CN粉末、
同1.5μmのTiCN粉末,同1.5μmのTaC粉
末、同1.5μmのNbC粉末、同1.5μmのMo 2
C粉末、同2.0μmのNi粉末、および同1.1μm
のCo粉末を用意し、これら原料粉末を表1に示される
配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、
乾燥した後、ISO・CNMG120408(超硬基体
A〜Dおよびサーメット基体F、G用)および同SEE
N42AFTN1(超硬基体E用)に定める形状の圧粉
体にプレス成形し、この圧粉体を同じく表1に示される
条件で真空焼結することにより超硬基体A〜Eおよびサ
ーメット基体F、Gをそれぞれ製造した。さらに、上記
超硬基体Bに対して、100torrのCH4 ガス雰囲
気中、温度:1400℃に1時間保持後、徐冷の滲炭処
理を施し、処理後、超硬基体表面に付着するカーボンと
Coを酸およびバレル研磨で除去することにより、表面
から11μmの位置で最大Co含有量:15.9重量
%、深さ:42μmのCo富化帯域を基体表面部に形成
した。また、上記超硬基体AおよびDには、焼結したま
まで、表面部に表面から17μmの位置で最大Co含有
量:9.1重量%、深さ:23μmのCo富化帯域が形
成されており、残りの超硬基体CおよびEには、前記C
o富化帯域の形成がなく、全体的に均質な組織をもつも
のであった。なお、表1には、上記超硬基体A〜Eおよ
びサーメット基体F、Gの内部硬さ(ロックウエル硬さ
Aスケール)をそれぞれ示した。
【0008】ついで、これらの超硬基体A〜Eおよびサ
ーメット基体F、Gの表面に、ホーニングを施した状態
で、通常の化学蒸着装置を用い、表2(表中のl−Ti
CNは特開平6−8010号公報に記載される縦長成長
結晶組織をもつものであり、また同p−TiCNは通常
の粒状結晶組織をもつものである)および表3、4に示
される条件にて、表5、6に示される組成および目標層
厚(切刃の逃げ面での層厚)の硬質被覆層を形成するこ
とにより本発明被覆サーメット工具1〜19および従来
被覆サーメット工具1〜12をそれぞれ製造した。この
結果得られた各種の被覆サーメット工具の硬質被覆層を
構成するAl−O系非晶質層およびAl−O系結晶層、
さらにAl2 3 層(これらの層の同定は、それぞれの
被覆サーメット工具における切刃の逃げ面のX線回析パ
ターンを観察して行った)について、切刃の逃げ面とす
くい面の交わるエッジ部の最大層厚を測定し、さらに前
記エッジ部からそれぞれ1mm内側の箇所の逃げ面とすく
い面における層厚を測定した。この測定結果を表7、8
に示した。なお、硬質被覆層を構成するAl−O系非晶
質層およびAl−O系結晶層、並びにAl2 3 層以外
のTi化合物層の層厚には、いずれも局部的バラツキが
ほとんどなく、目標層厚とほぼ同じ値を示すものであっ
た。
【0009】さらに、いずれも切刃の耐チッピング性を
評価する目的で、上記本発明被覆サーメット工具1〜8
および従来被覆サーメット工具1〜4については、 被削材:JIS・SCM440の丸棒、 切削速度:400m/min.、 切込み:1.5mm、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:15分、 の条件での合金鋼の乾式連続切削試験、並びに、 被削材:JIS・SCM440の長さ方向等間隔4本縦
溝入り丸棒、 切削速度:130m/min.、 切込み:1.5mm.、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:15分、 の条件での合金鋼の乾式断続切削試験を行い、いずれの
切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
【0010】また、同じく本発明被覆サーメット工具9
〜11および従来被覆サーメット工具5、6について
は、 被削材:JIS・SCr420の丸棒、 切削速度:350m/min.、 切込み:1.5mm.、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:10分、 の条件での合金鋼の乾式連続切削試験、並びに、 被削材:JIS・SCr420の長さ方向等間隔4本縦
溝入り丸棒、 切削速度:180m/min.、 切込み:1.5mm.、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:10分、 の条件での合金鋼の乾式断続切削試験を行い、いずれの
切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
【0011】同じく本発明被覆サーメット工具12〜1
4および従来被覆サーメット工具7〜9については、 被削材:JIS・FCD450の丸棒、 切削速度:300m/min.、 切込み:1.5mm.、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:20分、 の条件でのダクタイル鋳鉄の乾式連続切削試験、並び
に、 被削材:JIS・FCD450の長さ方向等間隔4本縦
溝入り丸棒、 切削速度:150m/min.、 切込み:1.5mm.、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:15分、 の条件でのダクタイル鋳鉄の乾式断続切削試験を行い、
いずれの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
【0012】同じく本発明被覆サーメット工具15〜1
7および従来被覆サーメット工具10については、 被削材:幅100mm×長さ500mmの寸法をもった
JIS・SNCM439の角材、 使用条件:直径125mmのカッターに単刃取り付け、 回転数:637r.p.m.、 切削速度:250m/min.、 切込み:2mm.、 送り:0.2mm/刃、 切削時間:4パス(1パスの切削時間:5.3分)、 の条件で合金鋼の乾式フライス切削(断続切削)試験を
行い、切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
【0013】同じく本発明被覆サーメット工具18、1
9および従来被覆サーメット工具11、12について
は、 被削材:JIS・S45Cの丸棒、 切削速度:350m/min.、 切込み:1mm.、 送り:0.25mm/rev.、 切削時間:20分、 の条件での炭素鋼の乾式連続切削試験、並びに、 被削材:JIS・S45Cの長さ方向等間隔4本縦溝入
り丸棒、 切削速度:200m/min.、 切込み:1mm.、 送り:0.25mm/rev.、 切削時間:20分、 の条件での炭素鋼の乾式断続切削試験を行い、いずれの
切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
【表6】
【0020】
【表7】
【0021】
【表8】
【0022】
【発明の効果】表7、8に示される結果から、硬質被覆
層として、いずれも不活性ガス系反応ガスを用いて、T
i、Cl、およびNを含有するAl−O系交互積層を形
成してなる本発明被覆サーメット工具1〜19は、前記
Al−O系交互積層の層厚に、これを厚膜化しても局部
的バラツキがきわめて少なく、切刃の逃げ面、すくい
面、および逃げ面とすくい面の交わるエッジ部の層厚が
均一化しているのに対して、硬質被覆層として水素系反
応ガスを用いてAl2 3 層を形成してなる従来被覆サ
ーメット工具1〜12においては、逃げ面、すくい面、
およびエッジ部における層厚のバラツキが著しく、この
結果として本発明被覆サーメット工具1〜19は、前記
Al−O系交互積層がAl−O系非晶質層とAl−O系
結晶層で構成されることによってすぐれた靭性をもち、
かつこれが硬質被覆層を構成するTi化合物層に対して
すぐれた密着性を示すと共に、Al2 3 層と同等のす
ぐれた耐酸化性と熱的安定性、および高硬度を有するこ
とと相まって、鋼および鋳鉄の連続切削ですぐれた耐摩
耗性を示すほか、特に断続切削で、従来被覆サーメット
工具1〜12に比して一段とすぐれた耐チッピング性を
示すことが明らかである。上述のように、この発明の被
覆サーメット工具は、これの硬質被覆層を構成するAl
−O系交互積層に、これを厚膜化しても、局部的バラツ
キがきわめて少なく、かつ靭性低下がなく、さらにTi
化合物層に対する層間密着性にもすぐれていることか
ら、前記Al−O系交互積層がAl2 3 層と同等の性
質を有することと相まって、例えば鋼や鋳鉄などの連続
切削は勿論のこと、特に断続切削においてすぐれた耐チ
ッピング性を示し、長期に亘ってすぐれた切削性能を発
揮するので、切削加工のFA化および省力化に満足に対
応することができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲功▼刀 斉 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内 (72)発明者 濱口 雄樹 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化タングステン基超硬合金基体または
    炭窒化チタン基サーメット基体の表面に、Tiの炭化物
    層、窒化物層、炭窒化物層、酸化物層、炭酸化物層、窒
    酸化物層、および炭窒酸化物層からなるTi化合物層の
    うちの1種または2種以上と、酸化アルミニウム層とで
    構成された硬質被覆層を3〜20μmの平均層厚で化学
    蒸着および/または物理蒸着してなる表面被覆サーメッ
    ト製切削工具において、前記酸化アルミニウム層を構成
    する酸化アルミニウムに、重量%で、 Ti:1〜15%、 Cl:0.005〜0.1%、 N:0.001〜0.1%、 を含有させると共に、これを非晶質組織としたAl−O
    系非晶質層と、同じく、 Ti:1〜15%、 Cl:0.005〜0.1%、 N:0.001〜0.1%、 を含有させると共に、これを結晶組織としたAl−O系
    結晶層との交互2層以上の積層からなるAl−O系交互
    積層を、前記酸化アルミニウム層に代わって形成したこ
    とを特徴とする耐チッピング性のすぐれた表面被覆サー
    メット製切削工具。
JP28070996A 1996-10-23 1996-10-23 耐チッピング性のすぐれた表面被覆サーメット製切削工具 Withdrawn JPH10130842A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008168364A (ja) * 2007-01-09 2008-07-24 Sumitomo Electric Ind Ltd 表面被覆切削工具
JPWO2008041402A1 (ja) * 2006-10-02 2010-02-04 住友電気工業株式会社 表面被覆切削工具

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