JPH10130355A - ウレタン負触媒とそれを用いた断熱発泡体の製造方法 - Google Patents

ウレタン負触媒とそれを用いた断熱発泡体の製造方法

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JPH10130355A
JPH10130355A JP8291585A JP29158596A JPH10130355A JP H10130355 A JPH10130355 A JP H10130355A JP 8291585 A JP8291585 A JP 8291585A JP 29158596 A JP29158596 A JP 29158596A JP H10130355 A JPH10130355 A JP H10130355A
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urethane
carbon dioxide
catalyst
foam
foaming
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JP8291585A
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Taku Hashida
卓 橋田
Masaaki Suzuki
正明 鈴木
Takayoshi Ueno
貴由 上野
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡内の二酸化炭素を固定化するウレタン断
熱発泡体の製造に際し、ウレタン反応速度の制御を可能
にし、箱体への充填性を改善するウレタン負触媒を提供
することを目的とする。 【解決手段】 水酸基を有し対アニオンがハロゲンイオ
ンである4級アンモニウム塩からなるウレタン負触媒。
エポキシ化合物などの添加剤を含むポリオールプレミッ
クスとイソシアネートを混合・発泡させて、二酸化炭素
と発泡剤を含む気泡を有するウレタン樹脂組成物を形成
させ、エポキシ化合物を二酸化炭素と反応させて固定化
し、気泡中の気体を実質的に発泡剤とする断熱発泡体の
製造方法において、混合・発泡工程に先だって、混合物
を注入する箱体内側表面にウレタン負触媒を塗布する
か、ポリオールプレミックス中にウレタン負触媒を含ま
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫、冷凍室、バス
タブ、冷凍車、鉄道コンテナ、パイプ断熱カバー、ショ
ーケース、自動販売機、温水器等に用いられるウレタン
断熱発泡体用の負触媒と、それを用いたウレタン断熱発
泡体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ウレタン原料を容器内へ注入して断熱発
泡体を形成する場合、ウレタン樹脂形成反応の速度は、
用いる触媒の量や種類、注入される容器の温度によって
調製されてきた。また、発泡時に発生した補助的な発泡
剤としての二酸化炭素を、エポキシ化合物との反応によ
り環状カーボネートとして固定することで、気泡中を実
質的にペンタン等の主発泡剤で満たす方法が提案されて
いる(特開平8−127666号公報)。この方法に従
い、熱伝導率の高い二酸化炭素を除くことにより、優れ
た断熱性が実現される。ここでは二酸化炭素固定化触媒
として、ウレタン触媒としての活性をも有するものが使
われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発泡後に気泡中の二酸
化炭素を固定して高い断熱性を実現するウレタン樹脂か
らなる断熱発泡体の製造法では、二酸化炭素の固定を早
めるためには多量の二酸化炭素固定化触媒を用いること
が好ましい。しかし、二酸化炭素固定化触媒には多くの
場合ウレタン触媒としての活性をも有するため、二酸化
炭素固定化触媒を増やすと、ウレタン反応が速くなりす
ぎる。この場合、断熱発泡体を形成したい容器内にウレ
タン原料を注入する際に、ウレタン原料が容器中に十分
に広がる前に樹脂化が進み、良好な充填が難しくなると
いう問題があった。
【0004】本発明は、ウレタン反応を調節することが
可能なウレタン負触媒を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、発泡後に二酸化炭素を固定する方式をと
る、ウレタン樹脂組成物からなる断熱発泡体の製造方法
にウレタン負触媒を適用することにより、優れた断熱性
を有する発泡体で容器内を充分満たすことができる断熱
発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のウレタン負触媒
は、水酸基を有し対アニオンがハロゲンイオンである4
級アンモニウム塩からなる。ここで、前記の水酸基を有
し対アニオンがハロゲンイオンである4級アンモニウム
塩は、ジエタノールアミンの4級アンモニウム塩である
ことが好ましい。
【0006】本発明の断熱発泡体の製造方法は、ポリオ
ール、ウレタン触媒、整泡剤、発泡剤、発泡時に二酸化
炭素を発生する補助発泡剤、二酸化炭素固定化触媒、お
よびエポキシ化合物を含有するポリオールプレミックス
とイソシアネートを混合して箱体内において発泡させ、
前記箱体内に二酸化炭素と前記発泡剤とを気体として含
む気泡を有するポリウレタン樹脂組成物を形成させる混
合・発泡工程と、前記二酸化炭素固定化触媒の作用によ
り前記エポキシ化合物を前記二酸化炭素と反応させて固
定化することにより、前記気泡中を実質的に前記発泡剤
で満たす工程とを有する断熱発泡体の製造方法であっ
て、前記混合・発泡工程に先だって、前記箱体内側表面
に上記のウレタン負触媒を塗布する工程を有することを
特徴とする。また、本発明の断熱発泡体の第二の製造方
法は、ポリオール、ウレタン触媒、整泡剤、発泡剤、発
泡時に二酸化炭素を発生する補助発泡剤、二酸化炭素固
定化触媒、およびエポキシ化合物を含有するポリオール
プレミックスとイソシアネートを混合して発泡させ、前
記二酸化炭素と前記発泡剤とを気体として含む気泡を有
するポリウレタン樹脂組成物を形成させる混合・発泡工
程と、前記二酸化炭素固定化触媒の作用により前記エポ
キシ化合物を前記二酸化炭素と反応させて固定化するこ
とにより、前記気泡中を実質的に前記発泡剤で満たす工
程とを有する断熱発泡体の製造方法であって、前記ポリ
オールプレミックスが上記のウレタン負触媒を含むこと
を特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】前述のように、発泡時に発生した
二酸化炭素と、あらかじめ原料中に混合しておいたエポ
キシ化合物とを、二酸化炭素固定化触媒の作用により反
応させて環状カーボネートとすることによって、熱伝導
率の高い二酸化炭素を除いて高い断熱性を実現するウレ
タン樹脂からなる断熱発泡体を得ることができる。この
製造方法は、ポリオールプレミックスとイソシアネート
を混合して発泡させる際に、通常のポリオールプレミッ
クスとして、新たに二酸化炭素固定化触媒と、エポキシ
化合物を加えたものを用いるのが特徴である。
【0008】この発泡の工程で気泡を有するウレタン樹
脂組成物が得られ、その気泡内は、発泡時に発生した二
酸化炭素と用いた発泡剤で満たされている。そして、引
き続き、前記の二酸化炭素固定化触媒の作用により、気
泡中の二酸化炭素がエポキシ化合物と反応して液状ある
いは固体の環状カーボネートとなり、気泡中を実質的に
発泡剤で満たすようにする工程が進行する。気体熱伝導
率が高い二酸化炭素が除かれるため、断熱発泡体の熱伝
導率は低くなり、高い断熱性が実現できる。また、発泡
時に発生して発泡を助ける二酸化炭素は、補助発泡剤と
してポリオールプレミックスに混合された水あるいは蟻
酸等の低級カルボン酸に起因するものである。
【0009】この場合、二酸化炭素の固定に用いられる
二酸化炭素固定化触媒としては、金属ハロゲン化物とオ
ニウム塩の組合せが有効である。金属ハロゲン化物とし
ては、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化銅、塩化
鉄、塩化コバルト、塩化マンガン、塩化クロム、臭化リ
チウム、塩化リチウムに加えて、ナトリウム、カリウム
のハロゲン化物も用いられる。オニウム塩としては、ア
ンモニウム塩、ピリジニウム塩、フォスフォニウム塩、
スルホニウム塩が用いられ、対アニオンは、フッ素以外
のハロゲンイオンが好ましく、中でもヨウ素、臭素が最
も好ましい。しかし、上述の提案されている製造方法で
は、亜鉛塩をはじめ、遷移金属塩の多くは、二酸化炭素
固定化触媒としてだけでなく、ウレタン反応の触媒とし
ても働くものが多い。そのため、二酸化炭素の固定速度
を早めるために、二酸化炭素固定化触媒を大量に用いる
と、ウレタン反応が速くなり過ぎるという問題があっ
た。
【0010】本発明者らは、この問題を解決すべく、鋭
意研究開発を進めた結果、水酸基を有し対アニオンがハ
ロゲンイオンである4級アンモニウム塩が、上記のウレ
タン断熱発泡体の製造方法におけるウレタン反応の調節
に適用可能なウレタン負触媒であることを見いだした。
また、従来ウレタン負触媒としては、塩酸、スルホン
酸、スルファミン酸、カルボン酸等の酸が用いられてき
たが、これらは上記の二酸化炭素を固定するウレタン断
熱発泡体の製造方法には適していないことも明らかとな
った。これは、以下の理由による。
【0011】すなわち、二酸化炭素を固定するウレタン
断熱発泡体の製造方法においては、通常、エポキシ化合
物と二酸化炭素固定化触媒は、ウレタン触媒や整泡剤、
発泡剤を含んだポリオールプレミックスに混合して保存
しておき、これをイソシアネートと混合し発泡させる。
ところが、ポリオールプレミックス中にウレタン負触媒
である塩酸やスルホン酸を混合しておくと、これらはウ
レタン触媒である3級アミンと塩を形成して、負触媒と
しての機能を失ってしまう。この場合、同時にウレタン
触媒の活性も失われるが、なお二酸化炭素固定化触媒の
作用でウレタン反応速度はなお速いレベルにあり、その
抑制が必要となる。また、塩酸、スルホン酸、スルファ
ミン酸のような強酸を用いると、エポキシ化合物が重合
して二酸化炭素の固定に使用できなくなる。カルボン酸
を用い場合、それ自身がイソシアネートと反応して二酸
化炭素を発生して、気泡中の二酸化炭素量の減少を遅ら
せることになる。
【0012】これに対し本発明のウレタン負触媒は、既
に4級アンモニウム塩となっているため、ポリオールプ
レミックス中に混合しておいても、ウレタン触媒である
3級アミンと塩を形成することはなく、負触媒としての
活性は維持される。従って、本発明のウレタン断熱発泡
体の製造方法では、本発明のウレタン負触媒を用いるこ
とにより、二酸化炭素固定化触媒によるウレタン活性を
抑制して、適度なウレタン反応速度が実現され、箱体へ
の注入成形も容易になる。
【0013】また、本発明の製造方法の他の形態は、や
はり二酸化炭素固定を行うウレタン断熱発泡体の製造方
法に適応されるものである。製造方法の特徴は、ウレタ
ン断熱発泡体を形成する箱体の内壁に、本発明のウレタ
ン負触媒である、水酸基を有する4級アンモニウム塩を
塗布しておくことである。箱体内壁から離れたところで
は、ウレタン反応速度は通常どおり進行し、発泡とウレ
タン樹脂の形成が進む。これに対し、箱体内壁の近傍で
は、ウレタン反応が抑制され樹脂化が遅れる。この結
果、注入されたウレタン原料の粘度が低い時間が長くな
り、ウレタン原料の流れがより良くなり、箱体内への充
填性が改善される。ウレタン負触媒を箱体内壁に塗布す
る方法としては、アルコール等の有機溶媒の溶液とし
て、スプレーで吹き付ける方法がある。この際、適当な
高分子を加えておくことで、本発明のウレタン負触媒を
分散した膜を箱体の内壁に形成することができ、ウレタ
ン負触媒の内壁への固定性が良くなる。
【0014】また、本発明のウレタン負触媒としては、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノ
アルコールとハロゲン化水素の塩あるいはハロゲン化ア
ルキルとから形成される4級アンモニウム塩がある。特
に、ジエタノールアミンと塩化水素等のハロゲン化水素
塩あるいはハロゲン化アルキルとから形成されるアンモ
ニウム塩が活性が高く好ましい。アミノアルコールとし
ては、N−シクロヘキシルヒドロキシルアミン、2−ア
ミノシクロヘキサノール、1−アミノメチル−1−シク
ロヘキサノール、メチルヒドロキシルアミン、N,N−
ジメチルヒドロキシルアミン、エタノールアミン、ジイ
ソプロパノールアミン、N−エチルジエタノールアミ
ン、N−ブチルジエタノールアミン、3−アミノ−1−
プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1−プロ
パンジオール、アミノプロパノール、2−アミノ−2−
メチル−1−プロパノ−ル、アミノブタノール等があ
る。ハロゲン化アルキルとしては、臭化ブチル、ヨウ化
ブチル、塩化ブチル、臭化プロピル、ヨウ化プロピル、
塩化プロピル、臭化エチル、ヨウ化エチル、塩化エチ
ル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化メチル、塩化ヘキ
シル、臭化ヘキシル、塩化へプチル、臭化へプチル、塩
化オクチル、臭化オクチル、塩化フェニルメチル、臭化
フェニルメチルがある。また、ヨウ化ヘプタフルオロプ
ロピル、ヨウ化トリフルオロメチル等のようにアルキル
部がフッ素化されたハロゲン化アルキルも用いることが
可能である。また、これらのウレタン負触媒は、上記の
ハロゲン化アルキルあるいはハロゲン化水素水溶液とア
ルカノールアミンを適当な溶媒中で混合することによっ
て容易に得られる。また、本発明で用いられる二酸化炭
素固定化触媒については、金属ハロゲン化物とオニウム
塩との組み合わせが用いられることは述べたが、金属ハ
ロゲン化物がオニウム塩との錯体を形成していることが
好ましい。これは、金属ハロゲン化物が上記錯体を形成
することで、二酸化炭素固定化触媒のウレタン活性が低
下するからである。ハロゲン化亜鉛とアンモニウム塩と
の錯体は、溶媒中で混合して溶媒を留去することで容易
に得られるため特に好適に用いることができる。
【0015】本発明の断熱発泡体の構成に用いられる発
泡剤は、二酸化炭素を発生する補助的な発泡剤と主たる
発泡剤として炭化水素系の化合物が用いられる。二酸化
炭素を発生する補助的な発泡剤には、水が好適に用いら
れるが、蟻酸等の低級カルボン酸も少量であれば用いる
ことができる。また、主たる発泡剤としては、環状炭化
水素のシクロペンタン(分子量70.14)、シクロヘ
キサン(分子量84.16)等が、地球環境への負荷が
小さく、熱伝導率も低いため好ましい。フッ素化炭化水
素、フッ化エーテル等のフッ化物も、もちろん用いるこ
とができる。また、上記のポリオール、イソシアネート
としては、一般の硬質ウレタン発泡に用いられる材料を
用いることができる。本発明の硬質発泡ウレタン樹脂組
成物では、発泡成形の後、独立気泡内が減圧化されるた
め、硬質の変形し難いウレタン樹脂を形成するポリオー
ル、イソシアネート等の原料を選択するのが好ましい。
【0016】ポリオ−ルについては、従来使われている
ポリエ−テル系ポリオ−ル、ポリエステル系ポリオ−ル
の他、硬度を得るためあるいは反応性を制御するため
に、多価アルコ−ルから合成される水酸基を多く分子内
に有するポリオ−ルが適している。本発明に用いられる
イソシアネートは、ジフェニルメタンジイソシアネート
系、トリレンジイソシアネート系、キシリレンジイソシ
アネート系、メタキシリレンジイソシアネート系、ヘキ
サメチレンジイソシアネート系、イソホロンジイソシア
ネート系、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート
系、ダイマー酸ジイソシアネート系等が適しており、こ
れらに難燃性を付与したイソシアネートが最も適してい
る。
【0017】本発明のウレタン断熱発泡体の製造に用い
るウレタン触媒としては、一般的処方用のアミン系ウレ
タン触媒が利用される。ただし、発泡後に気泡中の二酸
化炭素を固定するウレタン断熱発泡体の製造方法におい
ては、二酸化炭素固定化触媒が感温性で遅延性のウレタ
ン触媒として働く。従って、ウレタン触媒として、錫系
触媒、酸ブロック型の3級アミン触媒のような感温型で
遅延性の触媒を用いると、注入成形をする場合に泡化が
遅くなり好ましい充填が難しくなる。ただし、遅延型の
錫系触媒や酸ブロック型のアミン触媒に関しては、泡化
を早くする補助的な発泡剤としての蟻酸を組み合わせて
使うことで好適に用いることができる。本発明によっ
て、金属層含有剛体容器を金属製外箱と硬質樹脂製内箱
を組み合せて構成された、注入口を有する密閉性の冷蔵
庫用箱体で構成すれば、容易に電気冷蔵庫の断熱箱体と
して好適に用いることができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。具体的実
施例では、ウレタン触媒Aとしてアミン系触媒である花
王(株)製カオライザーNo.31、ウレタン触媒Bと
して錫系触媒である日東化成(株)製ネオスタンU−1
00、ウレタン触媒Cとしてアミン系触媒である花王
(株)製カオライザーNo.1を用いた。また、整泡剤
Aとして信越化学(株)製TY−19、ポリオ−ルAと
して水酸基価465mgKOH/gのポリエーテルポリ
オール、イソシアネ−トAとしてアミン当量133のイ
ソシアネ−トを用いた。さらに、エポキシ化合物Aとし
てフェニルグリシジルエ−テル、エポキシ化合物Bとし
て1−エポキシブタン、エポキシ化合物Cとして1−エ
ポキシヘキサンをそれぞれ用いた。また、二酸化炭素固
定化触媒としては、ハロゲン化亜鉛とテトラブチルアン
モニウム塩を組み合わせたものを用いた。ここでは、本
発明を説明するために上記のような代表的な材料を用い
たが、もちろん本発明は、ここにあげた材料だけに限定
されるものではない。
【0019】《実施例1》本実施例では、ウレタン負触
媒としてトリエタノールアミン塩酸塩、エポキシ化合物
としてフェニルグリシジルエーテルを用いた。また、発
泡剤としてシクロペンタン、発泡時に二酸化炭素を発生
する補助的な発泡剤として水を用いて、ウレタン樹脂か
らなる断熱発泡体を作製した。発泡に用いた材料の重量
比は以下の通りである。ポリオ−ルA/エポキシ化合物
A/ウレタン触媒A/ウレタン負触媒/二酸化炭素固定
化触媒/整泡剤A/シクロペンタン/水/イソシアネ−
トA=100/25/1.9/2/12/3/17/1
/120。二酸化炭素固定触媒としては、塩化亜鉛/テ
トラブチルアンモニウムブロマイド(モル比=1/4)
を用いたが、あらかじめ、これら2つの化合物をメタノ
ール中に溶解したあとメタノールを留去することで調製
した。まず、ポリオ−ルA、エポキシ化合物A、ウレタ
ン触媒A、ウレタン負触媒、二酸化炭素固定化触媒、整
泡剤A、シクロペンタン、および水を混合してポリオー
ルプレミックスとした。これを5時間放置したあと、ポ
リイソシアネ−トAと混合して、直方体の箱体に注入し
て発泡成形を行った。
【0020】比較例1として、実施例1のトリエタノー
ルアミン塩酸塩と水の代わりに、濃塩酸をポリオール1
00重量部に対し1重量部用いてウレタン断熱発泡体を
形成した。比較例2として、実施例1のトリエタノール
アミン塩酸塩の代わりのウレタン負触媒として、シクロ
ヘキシルスルファミン酸をポリオール100重量部に対
し0.1重量部用いてウレタン断熱発泡体を形成した。
比較例3として、ウレタン負触媒としてのトリエタノー
ルアミン塩酸塩の代わりに、トリエタノールアミン蟻酸
塩を用いてウレタン断熱発泡体を形成した。
【0021】箱体に注入する際、実施例1ではウレタン
負触媒の作用により、二酸化炭素固定化触媒のウレタン
活性が抑えられて良好な注入が可能であった。しかし、
比較例1、2、および3では、ウレタン形成反応が早す
ぎて箱体端部への十分な充填が行われなかった。これ
は、従来のウレタン負触媒である塩化水素、シクロヘキ
シルスルファミン酸では、これらがウレタン触媒である
アミンと塩を形成して、その負触媒としての活性を失う
ためと考えられる。また、比較例3では、同じ水酸基を
有するアミンの4級アンモニウム塩でも対アニオンがハ
ロゲンイオンでないために、ウレタン負触媒としての活
性がなかったと考えられる。なお、比較例1、2では、
ウレタン断熱発泡体中の二酸化炭素の固定も十分に進ま
ず、発泡後2週間の測定では、実施例1に比較して気泡
中の二酸化炭素量は5割以上多かった。これは、酸の作
用によりエポキシ化合物が重合あるいはイソシアネート
との反応で失われたためと考えられる。
【0022】《実施例2》本実施例では、ウレタン負触
媒としてジエタノールアミン塩酸塩、エポキシ化合物と
してフェニルグリシジルエーテルを用いた。また、発泡
剤としてシクロペンタン、発泡時に二酸化炭素を発生す
る補助的な発泡剤として水を用いて、ウレタン樹脂から
なる断熱発泡体を作製した。用いた材料は、実施例1の
ウレタン負触媒のトリエタノールアミン塩酸塩の代わり
に、ジエタノールアミン塩酸塩を用いた以外は同じであ
る。ジエタノールアミン塩酸塩は、ポリオール100重
量部に対し1重量部を用いた。他は実施例1と同様にし
てウレタン断熱発泡体を作成した。この時、ウレタン負
触媒を実施例1より少ない部数用いても、実施例1と同
様にウレタン反応が抑えられ良好な充填が可能であっ
た。
【0023】《実施例3》本実施例では、ウレタン負触
媒としてジエタノールアミンと臭化ブチルを混合して4
級化して得られるアンモニウム塩を用い、エポキシ化合
物として1−エポキシブタン用いた。また、ウレタン触
媒として錫系のウレタン触媒B、発泡剤としてシクロペ
ンタン、発泡時に二酸化炭素を発生する補助的な発泡剤
として水と蟻酸を用いて、ウレタン断熱発泡体を作製し
た。発泡に用いた材料の重量比は以下の通りである。ポ
リオ−ルA/エポキシ化合物B/ウレタン触媒B/ウレ
タン負触媒/二酸化炭素固定化触媒/整泡剤A/シクロ
ペンタン/水/蟻酸/イソシアネ−トA=100/8/
0.5/1.0/7/3/12/0.65/0.3/1
17。二酸化炭素固定触媒としては、ヨウ化亜鉛/テト
ラブチルアンモニウムブロマイド(モル比=1/2)を
用いた。この二酸化炭素固定化触媒は、ヨウ化亜鉛/テ
トラブチルアンモニウムブロマイドをメタノールに溶解
させたあと、メタノールを留去して調製した。
【0024】発泡成形は、まず、ポリオ−ルA、エポキ
シ化合物B、ウレタン触媒B、ウレタン負触媒、二酸化
炭素固定化触媒、整泡剤A、シクロペンタン、水、およ
び蟻酸を混合してポリオールプレミックスとした。これ
を5時間放置したあとにポリイソシアネ−トAと混合し
て、直方体の箱体に注入して発泡成形した。この時、実
施例1と同様にウレタン反応が抑えられ良好な充填が可
能であった。
【0025】《実施例4》本実施例では、エポキシ化合
物として1−エポキシヘキサン(エポキシ化合物C)用
いたことと、ウレタン触媒としてウレタン触媒Cを用い
たことを除いて、実施例3と同様にウレタン樹脂からな
る断熱発泡体を作製した。なお、エポキシ化合物Cは1
2重量部、ウレタン触媒Cは1.0重量部(いずれもポ
リオールA100重量部に対して)を用いた。発泡成形
は、実施例3と同様にエポキシ化合物と二酸化炭素固定
化触媒とウレタン触媒、ウレタン負触媒等を含むポリオ
ールプレミックスをつくった後、イソシアネートAと混
合し、箱体に注入し発泡させて、ウレタン樹脂からなる
断熱発泡体を作製した。このとき、やはり実施例3と同
様に箱体への良好な充填が可能であった。
【0026】《実施例5》本実施例では、ウレタン原料
を混合して容器に注入する際に、容器内部にウレタン負
触媒を塗布したものを用いた。容器に注入するウレタン
原料は実施例2と同じものを用いた。注入に用いた容器
は、直方体で、上部のふたの無いものを用いた。この上
部の開いた容器内壁には、あらかじめ、ジエタノールア
ミン塩酸塩/ポリビニルブチラール重量=1/100
(重量)のメチルエチルケトン溶液を用いて塗膜を形成
しておいた。比較例4として、実施例5と同じ上部の開
いた容器に、その内部にウレタン負触媒を塗布していな
いものを用いた他は実施例5と同様に容器内に注入を行
った。
【0027】直方体の容器にウレタン原料を混合注入し
た後、容器内に形成されたウレタン断熱発泡体の体積を
測定をすることで、充填性の目安とした。この体積が大
きい方が、箱体内での広がりが大きく充填性が良いこと
に対応する。測定の結果、前記体積は、実施例5の方が
比較例4に比較して3%大きかった。これは、ウレタン
樹脂が発泡と同時に進む際に、容器内壁に塗布されたウ
レタン負触媒の作用により、容器内壁近傍のウレタン樹
脂の形成が遅れて、その部分の粘度が高くなるのが遅れ
たために樹脂が流れよくなったためと考えられる。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明のウレタン負触媒
を、発泡後に気泡内の二酸化炭素を固定する方式の、ウ
レタン断熱発泡体の製造に適用することにより、ウレタ
ン反応速度の制御が可能になり、断熱発泡体へのウレタ
ン原料の箱体への注入と、形成されるウレタン断熱発泡
体の充填性が改善される。また、本発明のウレタン負触
媒をウレタン原料を注入する箱体内壁に塗布することに
より、ウレタン原料の流れが良くなり、箱体への充填性
が改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 101:00) C08L 75:04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基を有し対アニオンがハロゲンイオ
    ンである4級アンモニウム塩からなることを特徴とする
    ウレタン負触媒。
  2. 【請求項2】 前記4級アンモニウム塩がジエタノール
    アミンの4級アンモニウム塩である請求項1に記載のウ
    レタン負触媒。
  3. 【請求項3】 ポリオール、ウレタン触媒、整泡剤、発
    泡剤、発泡時に二酸化炭素を発生する補助発泡剤、二酸
    化炭素固定化触媒、およびエポキシ化合物を含有するポ
    リオールプレミックスとイソシアネートを混合して箱体
    内において発泡させ、前記箱体内に前記二酸化炭素と前
    記発泡剤とを気体として含む気泡を有するポリウレタン
    樹脂組成物を形成させる混合・発泡工程と、前記二酸化
    炭素固定化触媒の作用により前記エポキシ化合物を前記
    二酸化炭素と反応させて固定化することにより、前記気
    泡中を実質的に前記発泡剤で満たす工程とを有する断熱
    発泡体の製造方法であって、前記混合・発泡工程に先だ
    って、前記箱体内側表面に請求項1または2記載のウレ
    タン負触媒を塗布する工程を有することを特徴とする断
    熱発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリオール、ウレタン触媒、整泡剤、発
    泡剤、発泡時に二酸化炭素を発生する補助発泡剤、二酸
    化炭素固定化触媒、およびエポキシ化合物を含有するポ
    リオールプレミックスとイソシアネートを混合して発泡
    させ、前記二酸化炭素と前記発泡剤とを気体として含む
    気泡を有するポリウレタン樹脂組成物を形成させる混合
    ・発泡工程と、前記二酸化炭素固定化触媒の作用により
    前記エポキシ化合物を前記二酸化炭素と反応させて固定
    化することにより、前記気泡中を実質的に前記発泡剤で
    満たす工程とを有する断熱発泡体の製造方法であって、
    前記ポリオールプレミックスが請求項1または2記載の
    ウレタン負触媒を含むことを特徴とする断熱発泡体の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008035457A1 (fr) * 2006-09-21 2008-03-27 Mitsui Chemicals, Inc. Catalyseur de polymérisation pour matériau optique en polythiouréthane, composition polymérisable contenant le catalyseur, résine de polythiouréthane obtenue à partir de la composition et procédé de fabrication de la résine

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