JPH10128A - 椅 子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来一般に使用されている椅子は、座部
が床面に対して平行もしくは少し後傾した状態で固定さ
れている。このような椅子を長時間使用すると、使用者
の腰部や腹部に負担がかかるなどの課題がある。 【解決手段】 肘掛け部に、揺動子受台と少なくとも２
つの回転体からなる揺動子を具備し、かつこの揺動子が
座部と連結された構造を有する。 【効果】 座部の揺動可能範囲内において、任意に
座部角度を選択し固定して使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、座部が自由に前傾
あるいは後傾できる椅子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の椅子の多くは、座部が床面に対し
て平行もしくは少し後傾した状態で固定されている。ま
た、座部が床面に対して平行から前傾、あるいは平行か
ら後傾できる椅子もあるが、構造が複雑で価格的にも高
価である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】家庭やオフィスで一般
に使用されている座部が床面に対して平行もしくは少し
後傾した状態で固定されている椅子を長時間使用する
と、使用者の腰部や腹部に負担がかかり疲れやすい。そ
こで、多少は座った姿勢が変えられるように、背もたれ
部がスプリング等の利用によって後傾できるように作ら
れたものもあるが、その後傾位置を固定することはでき
ず、スプリング等の反発力によって使用者の腰部や腹部
に負担がかかるという問題がある。また、高価な椅子も
しくは特殊用途の椅子において、座部が前方あるいは後
方に傾くようになっているものもあるが、前傾か後傾の
いずれか一方に重点が置かれて設計製作されており、一
台の椅子で座部の角度を前傾から後傾にいたるまでの広
角度にわたって任意に選択して使用することはできな
い。

【０００４】本発明は上記事情を背景としてなされたも
のであり、椅子の座部が従来の椅子の座部の動きと異な
る種類の動き、すなわち振り子の動きに類似した動きが
自由にできるようにして使用者の腰部や腹部にかかる負
担を軽減し、また、座部の揺動可能範囲内において任意
に座部角度を選択し固定して使用することができる椅子
を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる実状に鑑み本発明
者が鋭意研究を行った結果、床部に安定して据え置かれ
る椅子の台部に、座部を肘掛け部に設けられた揺動発生
装置を介して揺動自在に取り付け、かつ脚部に設けた揺
動固定用操作レバーを操作することにより、座部が揺動
可能範囲内において自由に前傾あるいは後傾できること
を見い出し本発明を完成した。すなわち、上記課題を解
決するために、本発明のうち第１の発明の椅子は、少な
くとも２つの回転体（３）と回転体固定具（４）からな
る揺動子（２）と揺動子受台（６）とからなる揺動発生
装置（１）を脚部（８）の上端に具備し、かつ、この揺
動子（２）が座部（９）と連結された構造を有すること
を特徴とする。

【０００６】第２の発明の椅子は、前記揺動子受台
（６）の揺動面の曲率半径が、５〜２０ｃｍであること
を特徴とする。

【０００７】第３の発明の椅子は、前記揺動固定用操作
レバー（１１）を操作することによって、座部（９）を
床面に対して平行並びに任意の前傾あるいは後傾角度に
固定できることを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の一形態を
添付図面に基づいて説明するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。 （イ）少なくとも２つの回転体（３）を回転体固定具
（４）で固定し、さらにこの回転体固定具（４）に座部
との連結板（５）を固定した揺動子（２）の構造とす
る。 （ロ）この揺動子（２）を、曲率半径１３ｃｍを有する
揺動子受台（６）に組み込んだ揺動発生装置（１）の構
造とする。 （ハ）この揺動発生装置（１）を脚部（８）の上端に設
置し、座部との連結板（５）と座部（９）を連結する。 （ニ）脚部（８）に取り付けられた揺動固定用操作レバ
ー（１１）と、座部との連結板（５）に固定された揺動
固定側板（１２）と、脚部（８）に揺動固定側板（１
２）と対向して取り付けられた揺動固定側圧受け止め具
（１３）からなる座部揺動固定装置を設ける。

【０００９】本発明は以上のような構造である。使用に
あたっては、まず揺動固定用操作レバー（１１）を操作
することによって座部（９）を床部に対して平行に固定
しておく。ここで、座部を固定する機構を詳述する。揺
動固定用操作レバー（１１）を時計回りに４５゜〜９０
゜回転させると、揺動固定用操作レバー（１１）が揺動
固定側板（１２）を圧し、座部（９）全体を１０〜２０
ｍｍ押す。その結果、もう一方の座部との連結板（５）
に固定された揺動固定側板（１２）がそれと対向して取
り付けられた揺動固定側圧受け止め具（１３）に押し付
けられる。この揺動固定側板（１２）と揺動固定側圧受
け止め具（１３）の摩擦力で座部（９）が固定される。
この固定された状態で、揺動固定用操作レバー（１１）
を逆時計回りに４５゜〜９０゜回転させると、揺動固定
用操作レバー（１１）が揺動固定側板（１２）を圧して
いた力を解き、その結果、座部（９）と揺動固定側板
（１２）と対向して取り付けられた揺動固定側圧受け止
め具（１３）が離れ、座部（９）は自由な揺動運動が可
能となる。次に、腰掛けた後に揺動固定用操作レバー
（１１）を操作し座部（９）の固定を解除する。固定を
解除された座部（９）は、使用者が座部（９）にかかる
体重の重心を後方に移動させれば後方に、前方に移動さ
せれば前方に自由に傾く。座部（９）の自由な動きを停
止させ固定して使用したいときは、揺動固定用操作レバ
ー（１１）の操作によって所望する位置で座部（９）を
固定できる。

【００１０】

【発明の効果】本発明は従来の椅子と異なり座部が自由
に前傾あるいは後傾できるため、長時間の使用による疲
れを軽くするという人に優しい効果がある。特に、設計
業務や勉学等で製図板や机に向かっての前傾姿勢での長
時間の使用においては、座部角度を腰部や腹部への負担
が最も少ない角度で使用できるという効果がある。さら
に、構造が比較的簡単であるため、製造コストも低くな
り安価な椅子を提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の揺動発生装置の概略正面図である。

【図２】本発明の揺動発生装置の概略断面図である。

【図３】本発明の椅子の概略側面図である。

【図４】本発明の椅子の概略正面図である。

【符号の説明】

１ 揺動発生装置 ２ 揺動子 ３ 回転体 ４ 回転体固定具 ５ 座部との連結板 ６ 揺動子受台 ７ 台部 ８ 脚部 ９ 座部 １０ 肘掛け部 １１ 揺動固定用操作レバー １２ 揺動固定側板 １３ 揺動固定側圧受け止め具

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも２つの回転体（３）と回転体固
   定具（４）からなる揺動子（２）と揺動子受台（６）と
   からなる揺動発生装置（１）を脚部（８）の上端に具備
   し、かつ、この揺動子（２）が座部（９）と連結された
   構造を有することを特徴とする椅子
2. 【請求項２】前記揺動子受台（６）の揺動面の曲率半径
   が、５〜２０ｃｍであることを特徴とする請求項１に記
   載の椅子
3. 【請求項３】揺動固定用操作レバー（１１）を操作する
   ことによって、座部（９）を床面に対して平行並びに任
   意の前傾あるいは後傾角度に固定できることを特徴とす
   る請求項１及び２に記載の椅子