JPH10128086A - 膜処理システムの異常検知方法および制御方法 - Google Patents
膜処理システムの異常検知方法および制御方法Info
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- JPH10128086A JPH10128086A JP29359296A JP29359296A JPH10128086A JP H10128086 A JPH10128086 A JP H10128086A JP 29359296 A JP29359296 A JP 29359296A JP 29359296 A JP29359296 A JP 29359296A JP H10128086 A JPH10128086 A JP H10128086A
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Abstract
破断や亀裂と、複合処理装置の不具合とに起因する処理
水の微粒子濃度、濁度、水の色度上昇の異常検知方法
と、異常検知時の膜処理システムの制御方法を提供す
る。 【解決手段】異常検知は、1)微粒子カウンタと濁度計を
組み合わせた拡張された微粒子濃度、濁度の測定と、2)
色度計での色度測定とで行い、それぞれの所定の設定値
を越えたときに警報信号を出力する。また異常検知信号
が出力された時の膜処理システムの制御は、1)異常があ
った膜モジュールの電磁弁を閉じて処理系から切り離す
方法と、2)異常があった膜モジュールの電磁弁を閉じ、
膜モジュールに原水を供給するポンプの出力を低減する
方法と、3)異常のあった膜モジュールの電磁弁を閉じ、
予備モジュールの稼働を開始する方法とで行なう。
Description
知方法および制御方法に関する。
いて水質監視制御を行っている。中でも処理水濁度の測
定は、計測器によって容易に水処理プロセスの異常検知
を行うことが可能であり、数ある水質監視項目の中でも
最も重要な類に属する。水処理プロセスでは、従来の沈
殿池や急速ろ過池などを使用した砂ろ過法に代わって、
最近普及しはじめている方法として膜処理法がある。こ
の方法を膜処理システムの中心となる装置は、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、酢酸セルローズなどの有機膜や
セラミック膜などの材質から成り、膜の中に多数の微細
な孔があいている精密ろ過膜(MF膜)や限外ろ過膜
(UF膜)などを使用して構成した膜モジュールで、原
水を前処理設備で粗大な固形物などを除去した後に、こ
の膜モジュールを通すことによって、一定の大きさ以上
の懸濁質や細菌、コロイド成分などの不純物を除去し
て、水の浄化を行なうものである。
一定以上の大きさの懸濁質や細菌はほぼ100%除去で
きる、2)凝集剤の使用を低減あるいは不要にできる、
3)設備用地面積を大幅に低減できる、4)自動運転で
維持管理が容易でシステムの安定性が高い、ことなどで
ある。一方短所は、1)色、臭い、味などに関与する溶
解性成分は完全に除去できない、2)逆洗などの物理的
な洗浄で膜の元のろ過性能が出なくなった場合には、薬
品洗浄や膜の交換が必要になる、ことなどで、実用上は
定期点検や複合処理によりこの短所を補っている。
プでケーシング内に原水を圧入するケーシング収納方式
と、膜モジュールをそのまま水槽に浸漬し、ポンプや水
位差によって原水吸引する槽浸漬方式とがある。また、
これらの膜モジュールの通水方式としては、膜への供給
水の全量をろ過し、分離された懸濁質などを定期的に逆
洗などにより洗浄する、砂ろ過と同様の方法の全量ろ過
方式と、膜への供給水の膜面に対して平行に流し、懸濁
質などが膜面に付着することを防ぎながらろ過を行なう
クロスフローろ過方式とがある。これらの膜モジュール
の形状と通水方式にもそれぞれの特長があり、用途によ
り使い分けられている。
って処理水の測定が行われている。しかし、膜処理シス
テムでの処理水の濁度は通常0.1度以下であり、従来
の水処理プロセスである砂ろ過による処理水と比較して
濁度がかなり低い。そのために、光の試料中の平均的な
透過割合を測定する濁度計では原理的に低感度であり、
一部の膜の亀裂によるわずかな原水の処理水側への流出
の検知は困難である。
定する機能を持つ微粒子カウンタを処理水の水質監視に
用いる場合がある。微粒子カウンタは濁度計と比較して
感度がよく、処理水の異常を早期に発見できるが、微粒
子の個数濃度が増加すると数え落としによる誤差が生じ
るという問題がある。膜処理水の測定は膜が正常な領域
(微粒子計数可能)から異常な領域(濁度測定可能)ま
で広レンジにわたって定量的に測定できることが望まし
いが、微粒子計数と濁度測定どちらも可測範囲があり、
膜処理水の測定に適した広レンジにわたる測定はできな
い。
−080392号では、通常の微粒子カウントの機能に
加えて、数え落としが生じるまでに微粒子が含まれてい
る高濃度の処理水の測定は、変動解析による演算による
微粒子個数濃度の算出と、濁度の測定との機能を併せ持
った装置を考案し、広レンジにわたる測定を可能として
いる。
の異常検知には微粒子カウンタが適しており、膜処理シ
ステムの異常検知は微粒子の個数濃度のみをモニタして
おけば通常は問題がない。しかし、微粒子の個数が多い
場合には、微粒子による散乱光パルスが重なり合うため
にパルスカウントが不正確になって、微粒子カウンタの
測定値は実際の値より極端に小さくなる可能性がある。
そのために、処理水中への急激な濁質の流入などは検知
できない可能性がある。一方、濁度は微粒子の個数が少
ない場合には、濁度の測定値はほとんどゼロであり、異
常検知に対する感度が低い。したがって膜処理システム
の異常検知は、微粒子カウンタ、あるいは濁度のモニタ
の片方だけでは不十分である。
度成分の除去を完全には行えないために、膜処理システ
ムでは、凝集やオゾン、あるいは活性炭などのいわゆる
複合処理を行うことがある。このときに、膜処理プロセ
スに異常が起きて処理水の色度が上昇する場合や、複合
処理に異常が起きて原水水質の変化に複合処理が対応で
きず、色度成分の除去が充分でない場合がある。微粒子
カウンタや濁度計では処理水中の色度成分の測定は不可
能で、処理水色度の上昇は検知できない。また、色度の
上昇は微粒子個数濃度や濁度の上昇と必ずしも同時に起
きないために、特に複合処理のみに異常が起きたり、複
合処理の制御が原水水質の変化に対応できなかった場合
には、微粒子の個数濃度や濁度は上昇しないにもかかわ
らず処理水の色度は上昇することになる。
の厚さ1枚で処理前の原水と処理水が隔てられているだ
けであるので、従来の砂濾過と比較して、異常検知につ
いては十分に注意を払った高感度の方法を採用する必要
がある。また、複合処理を含めた水処理プロセスの異常
検知には、微粒子カウンタや濁度計だけでは不十分であ
る。
のものがあるが、主に数本から数十本の膜モジュールで
構成されている。浄水場などにおいて、膜処理システム
の異常検知を行なう場合に、一部の膜モジュールの異常
によって、システムの全体を停止させることは望ましく
ない。また、異常のある膜モジュール部分だけ適当な方
法で水の供給を止めた場合でも、通常は全体の膜モジュ
ールに対する異常のあった膜モジュールの本数の割合に
よるが、通常は加圧ポンプの特性から残りの正常な膜に
かかる圧力が高くなり、そのために膜破断が起きやすく
なったり、膜の目詰まりを促進してしまうという問題が
ある。
ルの異常を検知するだけでなく、安定した処理水の提供
を行うためには異常のある膜モジュールの数に応じた制
御を行なう必要がある。
裂発生や膜の破断という膜モジュールの異常の問題に対
しては次に述べる2つの方法により解決することとす
る。膜モジュールの異常検知の本発明での第1の方法と
しては、特願平08−080392号に記載の、膜処理
水について拡張された微粒子の粒径および個数濃度の測
定ができる微粒子カウンタならびに濁度の測定ができる
濁度計とから成る装置(以下にパーティクルセンサと記
載する)を使用して、膜処理水に光ビームを照射させ、
前記処理水中の微粒子による散乱光パルスの数、あるい
は光遮断パルスの数が設定値PL を越えた場合に警報信
号PS を出力する機能と、前記処理水中の微粒子による
散乱光量、あるいは透過光量から演算される濁度が設定
値DLを越えた場合に警報信号DS を出力する機能を合
わせて持たせることとする。そして、膜処理水をモニタ
し、もし膜に破断や亀裂などの異常が起きたことで、膜
処理水中に微粒子が流入したとき、前記装置からの警報
信号PS と警報信号DSのうち、少なくとも一つの信号
が水質監視制御システムに対して出力された場合には、
膜処理プロセスに異常があったと判断することとする。
この方法により、膜の僅かな亀裂等の異常、つまり処理
水の濁度はゼロであるが微粒子カウントは可能な領域か
ら、膜の著しい破断による処理水中への急激な濁質の流
入、つまり微粒子カウントはできないが濁度の測定は可
能である領域まで確実な膜異常検知ができるようにな
る。
ては、膜処理水について拡張された微粒子の粒径および
個数濃度の測定ができる微粒子カウンタを使用して、第
1の方法と同様に、膜処理水に光ビームを照射させ、前
記処理水中の微粒子による散乱光パルスの数、あるいは
光遮断パルスの数が設定値PL を越えた場合に警報信号
PS を出力する機能と、前記光ビームの散乱光量の設定
時間内における平均値が所定のしきい値ML を越えた場
合、あるいは前記光ビームの透過光量の設定時間内にお
ける平均値が所定のしきい値mL を下回った場合にも警
報信号MS を出力する機能を合わせ持たせることとす
る。ここで、警報信号PS は微粒子カウンタが計数可能
な微粒子数の少ない領域での正常値の管理限界PL に、
また警報信号MS は微粒子数が多くなってパルスの重な
りが生じる領域での正常値の管理限界ML やmL に対応
する。そして、膜処理水をモニタし、もし膜に破断や亀
裂などの異常が起きたことで、膜処理水中に微粒子が流
入したとき、前記装置からの警報信号PS と警報信号M
S のうち、少なくとも一つの信号が水質監視制御システ
ムに対して出力された場合には、膜処理プロセスに異常
があったと判断することとする。この方法により、第1
の方法と同様確実な膜の異常検知ができるようになる。
また、第1の方法と比較して濁度の測定を行わない分だ
け、コストは抑えられるという特徴がある。
を検知できないという問題に対しては、色度計を膜処
理、あるいは複合処理の後段に設置する方法により解決
することとする。色度計により処理水をモニタし、膜に
異常が起きたために前記処理水の色度が上昇した場合
や、凝集、オゾン、あるいは活性炭などのいわゆる複合
処理を膜処理と合わせて行う際、前記複合処理に異常が
起きたり、複合処理が原水水質の変化に対応できず、色
度成分の除去が充分に行われなかったことが原因して、
前記処理水中の色度が設定値CL を越えた場合に警報信
号CS を出力する。さらに、この色度の測定を上記の膜
モジュールの異常検知の第1あるいは第2の方法と組み
合わせることにより、複合処理を含めた膜処理システム
全体の異常検知をより確実に行うことができるようにな
る。
合の膜処理システムとしての運転制御の問題に関しては
次の方法により解決することとする。異常検知の第1ま
たは第2の方法で記載の異常検知方法を実現できる装置
のいずれか一方を、膜モジュール毎や膜モジュールが数
本から数十本単位にまとまった膜処理システム毎に設置
し、さらに場合によっては色度による異常検知方法を実
現できる装置を、膜モジュール毎や膜処理システム毎、
あるいは複合処理の後段に設置し、異常が検知されたと
きに出力される警報信号PS またはDS またはCS によ
り、異常があった前記膜モジュール、あるいは前記膜処
理システムに接続されている電磁弁を自動的に閉じ、異
常検知された水が処理水側に流出するのを防ぎ、残りの
正常な膜モジュールで膜処理を行う。
ールの数が多くなると、電磁弁を閉じることにより正常
な膜モジュールへの負荷が増えるという問題が新たに生
じる。このために、もし前記装置からの信号が水質監視
制御システムに向けて出力され、膜異常などの警報信号
PS またはDS またはCS が出力された場合には、前記
水質監視制御システムから異常のあった前記膜モジュー
ル、あるいは前記膜処理システムに接続されている電磁
弁を自動的に閉じ、残りの正常な膜モジュールあるいは
膜処理システムによって、引き続き膜処理を行い、前記
異常のあった膜モジュール、あるいは前記膜処理システ
ムの量に応じて、水質監視制御システムにてポンプの出
力をコントロールすることとする。この方法によって、
電磁弁を閉じることにより、正常な膜モジュールに規定
されている耐圧以上の圧力がかかるのを防ぐ、または正
常な膜モジュールにかかる圧力が膜処理の最適条件から
外れるのを防ぐことができる。
もし、前記装置からの信号が水質監視制御システムに向
けて出力され、膜異常などの警報信号PS またはDS ま
たはCS が出力された場合には、前記水質監視制御シス
テムから異常のあった前記膜モジュール、あるいは前記
膜処理システムに接続されている電磁弁を自動的に閉
じ、前記異常のあった膜モジュール、あるいは前記膜処
理システムの量に応じて、予備モジュールへの通水、あ
るいは予備膜処理システムの稼動を開始することとす
る。この方法によって、電磁弁を閉じたことにより正常
な膜モジュールに規定の耐圧以上の圧力がかかるのを防
ぐばかりでなく、正常時の膜処理水量を維持することが
できる。
いは第2の方法により、膜の僅かな亀裂等の異常、つま
り処理水の濁度はゼロであるが微粒子カウントは可能な
領域から、膜の著しい破断による処理水中への急激な濁
質の流入、つまり微粒子カウントはできないが濁度の測
定は可能である領域まで確実な膜異常検知が出来るよう
になり、また、色度計で処理水をモニタする方法によっ
て、膜や複合処理の異常による処理水の色度上昇を検知
できるようになる。これら膜モジュールの異常検知の第
1あるいは第2の方法と色度の検知とを組み合わせるこ
とによって、複合処理を含めた膜処理システム全体の異
常検知をより確実に行うことができるようになる。
膜処理システムの制御方法については、異常のあった膜
モジュールや膜処理システムに各々接続されている電磁
弁を閉じることにより、残りの正常な膜モジュールある
いは膜処理システムで運転を継続することができる。ま
た、水質監視制御システムで異常な膜モジュールあるい
は膜処理システムの量に応じてポンプの出力をコントロ
ールすれば、正常な膜モジュールに規定されている耐圧
以上の圧力がかかるのを防ぐことができる。さらに、前
記異常のあった膜モジュール、あるいは前記膜処理シス
テムの量に応じて、予備モジュールへの通水、あるいは
予備膜処理システムの稼動を行うことによって、正常な
膜モジュールに規定されている耐圧以上の圧力がかかる
のを防ぐばかりでなく、正常時の膜処理水量を維持する
ことができる。
が検知された場合の膜モジュールや膜処理システムの制
御とについて、次に4つの実施例を説明する。 〔実施例1〕図1と図2には、請求項1に記載した膜モ
ジュールの異常検知の第1の方法の実施例を示す。
前記処理水中の微粒子による散乱光パルスの数、あるい
は光遮断パルスの数が設定値を越えた場合に警報信号P
S を出力する機能と、前記処理水中の微粒子による散乱
光量、あるいは透過光量から演算される濁度が設定値を
越えた場合にも警報信号DS を出力する機能を合わせ持
った装置によって、膜処理水を測定した時のデータであ
る。時刻to1において膜にわずかな亀裂が生じ、その亀
裂が進行していくと共に、膜処理水の微粒子個数濃度P
1 と濁度D1 が増加している。ここでは、時刻tp1にお
いて微粒子個数濃度が設定値PL を越えたところで、微
粒子カウンタの異常判断による警報信号PS が出力され
ているが、この時刻では濁度の顕著な上昇は見られない
ので濁度計測の機能による警報信号は出力されない。濁
度は設定値DL を越える時刻tD1において、はじめて濁
度の警報信号DS が出力されている。この例のように膜
のわずかな亀裂による処理水の異常を検知するには、微
粒子個数濃度をモニタすることの方が有効である。
しい破断が膜に生じ、一気に処理水側へ微粒子が流出し
た場合には、前記装置にて微粒子を正確に数えることが
できず、微粒子個数濃度P2 の測定値は実際の値より小
さくなってしまうので、この図のように場合によっては
警報信号PS を出力できないこともある。一方、濁度D
2 は時刻tD2で設定値DL を越え、警報信号DS を出力
する。上記のように膜が著しく破断して、急激な処理水
側への微粒子の流出があった場合には、微粒子個数濃度
をモニタしているだけでは、異常を検知できない可能性
があり、この場合濁度のモニタが有効である。
と濁度の測定を行える装置を用いているが、請求項2に
記載したような膜モジュールの異常検知の第2の方法で
も同様の効果を得ることができる。第2の方法では、膜
処理水中の微粒子による散乱光パルスの数、あるいは光
遮断パルスの数が設定値PL を越えた場合に警報信号P
S を出力する機能と、前記光ビームの散乱光量の設定時
間内における平均値が所定のしきい値ML を越えた場
合、あるいは前記光ビームの透過光量の設定時間内にお
ける平均値が所定のしきい値mL を下回った場合にも警
報信号MS を出力する機能を合わせ持った装置を用い
る。この場合、第1の方法での実施例で示した濁度計に
よる濁度の代わりに、微粒子カウンタによる散乱光量、
あるいは透過光量を光電変換した値の平均値を用いて、
その測定値が所定のしきい値を越えた場合、警報信号M
S を出力することになり、発明の効果は同じであるが、
濁度計と濁度の演算機能を設けない分だけ、コストは低
く抑えることが可能である。 〔実施例2〕図3から図5には、膜モジュールの異常検
知の方法に色度検知を付加した請求項4に記載した膜処
理システムでの異常検知の実施例を示す。
度が上昇しても膜によって膜の公称孔径以上の粒子は完
全に分離されるため、処理水質に大きな変化はないが、
膜による色度成分の除去は不完全なため、原水中の色度
成分の上昇は処理水質に影響を及ぼし、かつ膜の目詰ま
りの進行が濁度の上昇の効果と比較して早い。したがっ
て、色度成分の除去や微粒子を公称孔径以上の大きさに
成長させることを目的として、膜処理プロセスの前段で
凝集プロセスを行う場合がある。図3には凝集プロセス
4と膜処理プロセス1を組み合わせた膜処理システムを
示した簡単なフロー図であり、膜モジュールの異常検知
用のパーティクルセンサ2と色度計3を膜処理の後段に
設置してある。
ロセス1の上流側で測定した、原水の濁度DO4と色度C
O4の径時変化の様子を示した例である。ここでは、時刻
tSIにおいて原水の濁度が設定値DOLを越えたために凝
集剤の注入率Sを増加させ、時刻tSRにおいて原水の濁
度が設定値DOLを下回ったために色度CO4が低下するの
を待たずにて凝集剤の注入率Sを低下させている。
ロセス1の下流側で、上記の原水の測定と同時に測定し
た、処理水の微粒子個数濃度P5 と色度C5 の径時変化
の様子を示した例である。処理水側では微粒子個数濃度
P5 の増加は認められないが、処理水側の色度C5 は上
昇している。ここでは色度が設定値CL を越えた時刻t
C5で、色度計3から警報信号CS を出力することによ
り、凝集剤の注入率の制御が誤っていることを検知でき
ている。 〔実施例3〕図6と図7には、複数の膜モジュールの異
常検知の方法に色度検知を付加した請求項5に記載した
膜処理システムでの異常検知と制御の実施例を示す。
の下流側に請求項1あるいは請求項2記載の3組のパー
ティクルセンサ12a〜12cを設置した様子をあらわ
した全量ろ過方式の膜処理システムのフロー図である。
図7は、図6のパーティクルセンサで測定した微粒子濃
度P7 とP7Aとの径時変化の様子を示した例である。こ
の図に示すように正常な膜モジュールの処理水側の微粒
子濃度はP7 のように安定した値で推移している。ここ
で膜モジュール11aが時刻to7で破断した場合には、
パーティクルセンサ12aの微粒子個数濃度P7Aが時刻
tP7に設定値PL を越え、警報信号PS が水質監視制御
システムに対して出力される。水質監視システムはこの
警報信号PS を受けると同時に、図6に示す膜モジュー
ルの下流側の電磁弁16aを閉じ、図7のようにポンプ
の回転数Rを落とす。上記の電磁弁16aを閉じること
で、一部の膜モジュールに異常があっても、残りの正常
な膜モジュール11b〜11cによって運転は継続する
ことができ、ポンプの回転数を落とすことで電磁弁を閉
めていない残りの正常な膜モジュールへの圧力負荷を軽
減することができる。この効果は、膜に規定以上の圧力
負荷がかかることによる膜破断の危険性を低減し、安定
した処理水の提供を行うばかりでなく、膜の目詰まりの
促進を防ぐことができ、膜の薬品洗浄の周期を長くする
ことができる。
場合は、異常のあった膜モジュールのラインに接続され
ているすべての電磁弁を閉じ、ポンプの回転数は正常な
膜モジュールの数によって決定され、制御される。ま
た、電磁弁はエアーオペレイト弁でも上記と同様な効果
が得られ、ろ過方式はクロスフローろ過でも同様な効果
が得られる。 〔実施例4〕図8と図9には、複数の膜処理システムに
異常検知の方法を付加した請求項6に記載した大規模な
膜処理システムでの異常検知と制御の実施例を示す。
十本単位でまとまった3組の膜処理システム21a〜2
1cの下流側に請求項1あるいは請求項2記載の3組の
パーティクルセンサ22a〜22cを設置した様子をあ
らわした全量ろ過方式の膜処理システムのフロー図であ
る。ここで、膜処理システム21a、21bならびにポ
ンプ25a、25bは運転しており、電磁弁26a、2
6b、27a、27bは開けられているが、予備システ
ムである膜処理システム21c、ポンプ25cは運転し
ておらず、電磁弁26c、27cは閉じられている。
した微粒子濃度P7 とP7Aとの径時変化の様子を示した
例である。この図に示すように正常な膜処理システムの
処理水側の微粒子濃度はP9 のように安定した値で推移
している。ここで膜処理システム21aに異常があり、
時刻to9において微粒子個数濃度P9Aが設定値PL を越
えたとき、パーティクルセンサ22aの微粒子個数濃度
P9Aが時刻tP9に設定値PL を越え、警報信号PS が水
質監視制御システムに対して出力される。水質監視シス
テムはこの警報信号PS を受けると同時に、電磁弁26
a、27aを閉じ、ポンプ25aを停止することで、異
常のあった膜処理システムの運転を停止し、処理水の安
全を確保することができる。また同時に電磁弁27cを
開け、タイマTを起動し、ポンプまで膜供給水が到達す
るまでの既知の時間だけ待った後、時刻tN9にてポンプ
25cを起動し、電磁弁26cを開ける信号Nを発信し
て、予備モジュールへの通水を開始することで、異常の
あった膜処理システムの運転を停止しても、正常時の膜
処理水量を維持することとができる。
記と同様な効果が得られ、ろ過方式はクロスフローろ過
でも同様な効果が得られる。
やオゾン、活性炭などの複合処理をあわせた水処理シス
テムの異常検知方法と、膜の異常検知がなされた後の膜
処理の運転方法にかかわるものであり、本発明により確
実な異常検知が可能になり、また異常検知がなされた場
合には、異常な膜モジュールあるいは膜処理システムを
運転停止して処理系から切り離し、残った正常な膜モジ
ュールあるいは膜処理システムで運転を継続し、その
際、膜モジュールに規定以上の圧力がかからないように
ポンプの運転制御によってシステムをコントロールした
り、または予備システムの運転開始によって正常時の処
理水量を確保することを可能にできる。
度と濁度の経過と、警報信号P S と警報信号DS との関
係を示す図
個数濃度と濁度の経過と、警報信号PS と警報信号DS
との関係を示す図
た膜処理システムのフロー図
の関係を示す図
報信号CS との関係を示す図
度の経過と、警報信号PS とポンプの回転数との関係を
示す図
度の経過と、警報信号PS と予備システム用タイマーと
稼動命令信号との関係を示す図
Claims (6)
- 【請求項1】膜処理水の微粒子の粒径および個数濃度な
らびに濁度の測定を利用した膜処理システムの異常検知
方法であって、 膜処理水に光ビームを照射させ、前記処理水中の微粒子
による散乱光パルスの数、あるいは光遮断パルスの数が
設定値PL を越えた場合に警報信号PS を出力する機能
と、前記処理水中の微粒子による散乱光量、あるいは透
過光量から演算される濁度が設定値DL を越えた場合に
も警報信号DS を出力する機能を合わせ持った装置によ
って、膜処理水をモニタし、膜に破断や亀裂などの異常
が起きたことで、膜処理水中に微粒子が流入したとき、
前記装置からの警報信号PS と警報信号DS のうち、少
なくとも一つの信号が水質監視制御システムに対して出
力された場合には、膜処理プロセスに異常があったと判
断することを特徴とする膜処理システムの異常検知方
法。 - 【請求項2】膜処理水の微粒子の粒径および個数濃度の
測定を利用した膜処理システムの異常検知方法であっ
て、 膜処理水に光ビームを照射させ、前記処理水中の微粒子
による散乱光パルスの数、あるいは光遮断パルスの数が
設定値PL を越えた場合に警報信号PS を出力する機能
と、前記光ビームの散乱光量の設定時間内における平均
値が所定のしきい値ML を越えた場合、あるいは前記光
ビームの透過光量の設定時間内における平均値が所定の
しきい値mL を下回った場合にも警報信号MS を出力す
る機能を合わせ持った装置によって、膜処理水をモニタ
し、膜に破断や亀裂などの異常が起きたことで、膜処理
水中に微粒子が流入したとき、前記装置からの警報信号
P S と警報信号MS のうち、少なくとも一つの信号が水
質監視制御システムに対して出力された場合には、膜処
理プロセスに異常があったと判断することを特徴とする
膜処理システムの異常検知方法。 - 【請求項3】膜処理水の色度の測定を利用した膜処理シ
ステムの異常検知方法であって、 色度計により処理水をモニタし、膜に異常が起きたため
に前記処理水の色度が上昇した場合や、凝集、オゾン、
あるいは活性炭などのいわゆる複合処理を膜処理と合わ
せて行う際、前記複合処理に異常が起きたり、複合処理
が原水水質の変化に対応できず、色度成分の除去が充分
に行われなかったことが原因して、前記処理水中の色度
が設定値CL を越えた場合に警報信号CS を出力するこ
とを特徴とする膜処理システムの異常検知方法。 - 【請求項4】膜処理水の微粒子の粒径および個数濃度な
らびに濁度の測定と、場合によっては色度の測定を付加
した膜処理システムの異常検知方法および制御方法であ
って、 請求項1あるいは請求項2記載の異常検知方法を実現で
きる装置のいずれか一方を、膜モジュール毎や膜モジュ
ールが数本から数十本単位にまとまった膜処理システム
毎に設置し、場合によっては請求項3記載の異常検知方
法を実現できる装置を、膜モジュール毎や膜処理システ
ム毎、あるいは複合処理の後段に設置し、異常が検知さ
れたときに出力される警報信号PS またはDS またはC
S により、異常があった前記膜モジュール、あるいは前
記膜処理システムに接続されている電磁弁を自動的に閉
じ、異常検知された水が処理水側に流出するのを防ぐこ
とを特徴とする膜処理システムの異常検知方法および制
御方法。 - 【請求項5】膜処理水の微粒子の粒径および個数濃度な
らびに濁度の測定、あるいは色度の測定を利用した膜処
理システムの異常検知方法および制御方法であって、 請求項1あるいは請求項2記載の異常検知方法を実現で
きる装置のいずれか一方を、膜モジュール毎、あるいは
膜モジュールが数本から数十本単位にまとまった膜処理
システム毎に設置し、場合によっては請求項3記載の異
常検知方法を実現できる装置を、膜モジュール毎や膜処
理システム毎、あるいは複合処理の後段に設置し、前記
装置からの信号が水質監視制御システムに向けて出力さ
れ、膜異常の警報信号PS またはDS またはCS が出力
された場合には、前記水質監視制御システムから異常の
あった前記膜モジュール、あるいは前記膜処理システム
に接続されている電磁弁を自動的に閉じ、残りの正常な
膜モジュールあるいは膜処理システムによって、引き続
き膜処理を行い、前記異常のあった膜モジュール、ある
いは前記膜処理システムの量に応じて、水質監視制御シ
ステムにてポンプの出力をコントロールし、電磁弁を閉
じることにより、正常な膜モジュールに規定されている
耐圧以上の圧力がかかるのを防ぐ、または正常な膜モジ
ュールにかかる圧力が膜処理の最適条件から外れるのを
防ぐことを特徴とする膜処理システムの異常検知方法お
よび制御方法。 - 【請求項6】膜処理水の微粒子の粒径および個数濃度な
らびに濁度の測定、あるいは色度の測定を利用した膜処
理システムの異常検知方法および制御方法であって、 請求項1あるいは請求項2記載の異常検知方法を実現で
きる装置のいずれか一方を、膜モジュール毎、あるいは
膜モジュールが数本から数十本単位にまとまった膜処理
システム毎に設置し、場合によっては請求項3記載の異
常検知方法を実現できる装置を、膜モジュール毎や膜処
理システム毎、あるいは複合処理の後段に設置し、前記
装置からの信号が水質監視制御システムに向けて出力さ
れ、膜異常の警報信号PS またはDS またはCS が出力
された場合には、前記水質監視制御システムから異常の
あった前記膜モジュール、あるいは前記膜処理システム
に接続されている電磁弁を自動的に閉じ、前記異常のあ
った膜モジュール、あるいは前記膜処理システムの量に
応じて、予備モジュールへの通水、あるいは予備膜処理
システムの稼動を行うことで、正常時の膜処理水量を維
持することを特徴とする膜処理システムの異常検知方法
および制御方法。
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