JPH10127185A - 果実袋用不織布及びその不織布からなる果実袋 - Google Patents

果実袋用不織布及びその不織布からなる果実袋

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JPH10127185A
JPH10127185A JP8288093A JP28809396A JPH10127185A JP H10127185 A JPH10127185 A JP H10127185A JP 8288093 A JP8288093 A JP 8288093A JP 28809396 A JP28809396 A JP 28809396A JP H10127185 A JPH10127185 A JP H10127185A
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Japan
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fiber
nonwoven fabric
woven fabric
thermoplastic resin
fruit
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JP8288093A
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Takashi Nogi
崇志 野木
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】通気性、透光性に優れ、虫、鳥および直射日光
から果実を保護し、柔軟性に優れた果実袋を提供する。 【解決手段】単糸繊度1デニール未満の割繊極細繊維を
含む不織布からなる果実袋であって、不織布の透光性が
50〜90%で、通気度が100cc/cm2 /秒以上
であることを特徴とする果実袋。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、果実を虫、鳥およ
び直射日光から保護する果実袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】果実を虫、鳥および直射日光から保護す
る袋として、従来は紙を素材とする袋が多く使用されて
いる。紙を素材とする袋としては、防水性に乏しいため
に撥水加工を施したものや、防虫加工を施した袋等が実
用化されている。
【0003】しかし、紙を素材とした袋では、通気性及
び透光性が不十分であるという問題があった。すなわ
ち、通気性が不十分であるために、袋内が高温になりす
ぎて高温障害やムレによる生育不良が起こったり、また
遮光性が強く透光性が不十分であるために果実の色付き
不良が発生する場合があり、改良が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題を解決するもので、通気性、透光性及び柔軟性に優
れる果実袋用不織布及びその不織布からなる果実袋を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達したもの
である。すなわち、本発明は、繊維形成性熱可塑性樹脂
Aと該熱可塑性樹脂Aに対し非相溶性である繊維形成性
熱可塑性樹脂Bとからなる分割型二成分系複合長繊維
と、該分割型二成分系複合長繊維の分割により発現した
該熱可塑性樹脂A及び/又はBからなる単糸繊度1デニ
ール未満の割繊極細繊維とで構成された不織布であっ
て、不織布の透光性が50〜90%で、通気度が100
cc/cm2/秒以上であることを特徴とする果実袋用
不織布及びその不織布からなる果実袋を要旨とするもの
である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明に使用する分割型二成分系複合長繊維につ
いて説明する。該分割型二成分系複合長繊維は、繊維形
成性熱可塑性樹脂Aと、該熱可塑性樹脂Aに対し非相溶
性の繊維形成性熱可塑性樹脂Bとからなるものである。
該熱可塑性樹脂Aと該熱可塑性樹脂Bとが互いに非相溶
性であるのは、単糸に衝撃を与えたときに分割しやすい
ようにするためである。
【0007】分割型二成分系複合長繊維の単糸繊度は、
特に限定されないが1〜12デニールであることが好ま
しい。単糸繊度が1デニール未満になると、溶融紡糸す
る際の紡糸口金の単孔当たりの吐出量が低下し、生産量
が低下する傾向にあり、また、生産量を向上させるため
に、紡糸口金の孔数を増加させると、紡糸工程が不安定
になる。一方、単糸繊度が12デニールを超えると、溶
融紡糸された糸条の冷却やエアーサッカーによる引き取
りが困難となる傾向にあり、また、糸条の冷却を促進さ
せるため、紡糸口金の孔数を減らすと、生産量が低下す
る。また、分割型二成分系複合長繊維を分割割繊した際
に、十分に割繊されなかった場合、繊度の大きい分割型
二成分系複合長繊維が存在することにより、得られた不
織布に粗硬感が発生し、本発明が目的とする柔軟性に優
れた不織布とならないため好ましくない。
【0008】分割型二成分系複合長繊維は、後の分割割
繊処理により、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの境
界で分割され、熱可塑性樹脂Aからなる割繊極細繊維及
び/又は熱可塑性樹脂Bからなる割繊極細繊維が発現す
る。本発明の果実袋用不織布は、単糸繊度が1デニール
未満の割繊フイラメントを含むものであり、好ましくは
0.5デニール以下である。割繊極細繊維の単糸繊度が
1デニール以上であると、得られた不織布は柔軟性に劣
り粗硬感が発生するため、本発明の目的より好ましくな
い。単糸繊度の下限は特に限定されないが、0.1デニ
ール未満であると、現実的に紡糸が困難となり分割型二
成分系複合連続単糸が安価で合理的に得られにくい。
【0009】分割型二成分系複合長繊維の具体例として
は、図1〜図5に示した如き横断面を持つものが好まし
い。これらは、熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bの両
成分が共に繊維の表面に露出しており、かつ繊維の断面
内において、一方の成分が他方の成分により分割割繊可
能な形に仕切られているものである。
【0010】本発明において、分割型二成分系複合長繊
維を構成する熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの組み
合わせとしては、ポリオレフイン/ポリアミド、ポリオ
レフイン/ポリエステル、ポリアミド/ポリエステル等
が挙げられるが、これらは代表例であって他の各種、任
意の組合せを適宜採用してよい。
【0011】本発明に使用しうる繊維形成性ポリオレフ
イン系重合体の例としては、炭素原子数が2〜18の脂
肪族α−モノオレフイン、例えばエチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセン、1−
オクタデセンのホモポリオレフイン又は共重合ポリオレ
フインがある。脂肪族α−モノオレフインは他のオレフ
イン及び又は少量(重合体重量の約10重量%まで)の
他のエチレン系不飽和モノマ−、例えばブタジエン、イ
ソプレン、1,3−ペンタジエン、スチレン、α−メチ
ルスチレンの如き類似のエチレン系不飽和モノマーと共
重合されていてもよい。特にポリエチレンの場合、重合
体重量の約10重量%までのプロピレン、1−ブテン、
1−ヘキセン、1−オクテン又は類似の高級α−オレフ
インと共重合させたものが好ましい。
【0012】本発明に使用しうる繊維形成性ポリアミド
系重合体の例としては、ナイロン−4、ナイロン−4
6、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−61
0、ナイロン−11、ナイロン−12やポリメタキシレ
ンアジパミド(MXD−6)、ポリパラキシレンデカン
アミド(PXD−12)、ポリビスシクロヘキシルメタ
ンデカンアミド(PCM−12)又はこれらのモノマー
を構成単位とする共重合ポリアミドがある。
【0013】本発明に使用しうる繊維形成性ポリエステ
ル系重合体の例としては、酸成分としてテレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸等の芳香族ジカルボン酸、もしくはアジピン酸、セ
バシン酸などの脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステ
ル類と、アルコール成分としてエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル等のジオール化合物とから合成されるホモポリエステ
ルないしは共重合ポリエステルであり、上記ポリエステ
ルにパラオキシ安息香酸、5−ナトリウムスルフオイソ
フタール酸、ポリアルキレングリコール、ビスフエノー
ルA等が添加あるいは共重合されていてもよい。
【0014】その他の繊維形成性熱可塑性樹脂の例とし
ては、例えばビニル系重合体が用いられ、具体的にはポ
リビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸
エステル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、又はこれらの共重合体が用い
られる。また、ポリフエニレン系重合体またはその共重
合体を使用することもできる。
【0015】なお、繊維形成性熱可塑性樹脂A、繊維形
成性熱可塑性樹脂Bには、本発明の目的を達成しうる範
囲内で、艶消し剤、顔料、防炎剤、消臭剤、帯電防止
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の任意の添加物が添加
されていてもよい。
【0016】本発明の分割型二成分系複合長繊維からな
る不織布は、例えば以下の如き方法で製造される。即
ち、従来公知の溶融複合紡糸法で紡糸され、横吹付や環
状吹付等の従来公知の冷却装置を用いて吹付風により冷
却された後、一般的にスパンボンド法で使用される吸引
装置等を用いて、目標繊度となるように牽引細化されて
引き取られる。牽引速度は2000m/分以上、特に3
000m/分以上が好適である。このように紡糸された
分割型二成分系複合長繊維は、一般的には、コロナ放
電、又は、摩擦により帯電せしめ、開繊させた後、スク
リーンからなるコンベアーの如き移動堆積装置上に開繊
集積させて長繊維ウエブを得ることができる。
【0017】次に、該長繊維ウエブに部分熱圧接を施し
て、繊維間の固定を行う。また、長繊維ウエブが部分熱
圧接されていることにより、後の分割割繊処理の際、分
割割繊が行われやすい。
【0018】本発明で行われる部分的熱圧接とは、例え
ば表面に彫刻模様が刻印された金属ロールすなわちエン
ボスロールと、加熱され表面が平滑な金属ロールとの間
に、長繊維ウエブを通すことによって、いわゆる熱エン
ボスロールを用いて、また超音波融着機を用いて、前記
彫刻模様に当接する長繊維ウエブ同士を熱的に圧着せし
めることをいう。
【0019】個々の熱圧着形状は、丸形、楕円形、菱
形、三角形、T形、井型等任意の形状を適宜選択すれば
よい。個々の熱圧着部の面積は、0.1〜1.0mm2
の範囲で、その密度すなわち圧接点密度が4〜80点/
cm2 のものであるのがよい。また、長繊維ウエブの全
表面積に対する全圧接領域の面積の比すなわち圧接面積
率は5〜30%が好ましく、さらには5〜20%が好ま
しい。
【0020】部分熱圧接処理における熱圧接温度(エン
ボスロール温度)は、繊維形成性熱可塑性樹脂A、Bの
どちらか融点の低い樹脂の融点以下の温度、好ましくは
繊維形成性低融点重合体の融点より10〜20℃低い温
度とする。熱圧接温度が、前記融点を超えると、圧接部
分以外の部分すなわち非圧接部分にも樹脂が流れ込み、
後に行う分割型二成分系複合長繊維の分割割繊処理の妨
げとなると同時に、エンボスロールに長繊維ウエブが巻
きつき操業性が悪くなることから好ましくない。
【0021】次に、不織布を構成する分割型二成分系複
合長繊維を形成する二成分を分割割繊させて、割繊極細
繊維を少なくとも一部発現させる。この分割割繊の方法
として、不織布を液体中あるいは機械的な揉み加工(座
屈処理)にて分割割繊する方法、不織布に高圧液体流処
理を施し衝撃を与えて分割割繊する方法が適用される。
【0022】液体中あるいは機械的な揉み加工(座屈処
理)にて分割割繊する方法としては、例えば、マイクロ
クレーパーすなわち一対のロールを通じて不織布を押し
込み式クリンパー内へ押し込み、揉み加工により分割割
繊する方法、不織布を一対のギアロールに通して座屈さ
せることにより分割割繊する方法、不織布を複数のガイ
ド間に通し擦過屈曲させて分割割繊する方法、不織布を
液体中に浸漬して液流により分割割繊する方法等が挙げ
られる。
【0023】高圧液体流処理を施し衝撃を与えて分割割
繊する方法とは、水を噴射孔から高圧力で噴射させて得
られる水流(高圧液体流)により不織布を構成する長繊
維を分割割繊することをいう。
【0024】本発明の果実袋用不織布の割繊率は、50
%以上であることが好ましく、より好ましくは65%以
上、さらに好ましくは80%以上である。割繊率が高け
れば高いほど、分割型二成分系複合長繊維より発現する
割繊極細繊維すなわちくさび状や薄片等の異形断面や繊
度の極めて小さい繊維が不織布に占める割合が大きくな
るため、より柔軟性に優れた不織布が得られることとな
る。一方、割繊率が50%未満であると、柔軟性には劣
る傾向にある。割繊率100%の不織布は、分割型二成
分系複合長繊維がすべて分割割繊されて割繊極細繊維の
みが構成繊維となった不織布であり、割繊率100%の
不織布も本発明の実施態様のひとつである。
【0025】ここで割繊率とは、次の方法により求めら
れる。すなわち,不織布の任意の10個所を選び、その
断面を100倍に拡大して断面写真を撮影し,1枚の断
面写真からランダムに30本のフイラメントを選び、下
記式により割繊率を求める。同様の操作を10枚の断面
写真について行い、得られた値の平均値をその不織布の
割繊率とする。 割繊率(%)=(30/X)×100
上式において、Xは完全に割繊されたと仮定したときの
繊維形成性熱可塑性樹脂Aからなるフイラメントと繊維
形成性熱可塑性樹脂Bからなるフイラメントの全フイラ
メントの総数を表わす。
【0026】本発明の果実袋用不織布の透光性は50〜
90%であることが重要であり、好ましくは70〜90
%である。透光性が50%未満となると、果実の色付き
が悪くなり好ましくなく、90%を超えると、直射日光
により果実が日焼けするので好ましくない。
【0027】また、本発明の果実袋用不織布の通気度
は、100cc/cm2 /秒以上であり、好ましくは2
00cc/cm2 /秒以上である。不織布の通気度が1
00cc/cm2 /秒未満であると、果実袋内の通気性
が劣るために、袋内が高温になりすぎて高温障害やムレ
による生育不良が起こる傾向にあるので好ましくない。
【0028】不織布の単位面積当たりの重量(目付)
は、5〜100g/m2 であればよく、本発明の目的が
達する範囲であれば、特に限定されるものではない。好
ましくは10〜70g/m2 である。5g/m2 未満で
あると不織布の地合が悪く、また機械的強度が劣るた
め、果実袋として使用するには問題があり、一方、10
0g/m2 を超えると透光性、通気性に劣る傾向にある
ので好ましくない。
【0029】本発明の果実袋用不織布のトータルハンド
は、100g以下であることが好ましく、より好ましく
は80g以下である。トータルハンドは、不織布の柔軟
性を示す指標であり、この値が小さい程、不織布の柔軟
性は優れることとなるので、果実袋として用いた際に、
果実袋に対してソフトに触れるため、熟した果実を傷つ
ける恐れがない。不織布のトータルハンドが、100g
を超えると、不織布は粗硬性を有する傾向にあるので、
このような不織布からなる袋はゴワゴワするため、袋を
果実に被せたり取り外す際の使い勝手に劣り、熟した果
実を傷つける傾向にある。なお、このトータルハンド
は、割繊極細繊維の単糸繊度や断面形状、不織布の割繊
率、目付、部分熱圧接条件等を適宜選定することにより
制御することができる。
【0030】また、不織布には、必要に応じて撥水剤、
防虫剤等の薬剤および澱粉、ポリアクリロニトリル、ポ
リビニルアルコール等の樹脂を付与してもよい。
【0031】本発明の果実袋は、前述した不織布を用い
て次の方法により得ることができる。例えば2枚の不織
布を重ね合わせて3辺の端部同士を貼り合わせる方法、
1枚の不織布を2つ折りにして2辺の端部同士を貼り合
わせることで不織布を袋状とすることができる。貼り合
わせる手段として、熱カレンダーロール・超音波融着機
・ヒートシール機等を用いた接着方式や糸による縫合等
のステッチ加工方式、接着剤で接着固定する方法等が挙
げられ、不織布の素材等を考慮し適宜選択すればよい。
【0032】また、2枚の不織布を重ね合わせて本発明
の果実袋を得る際には、目的に応じて通気性、透光性の
異なるもの同士を重ねあわせてもよい。例えば、果実の
袋を被せる際に、日に当たる側は直射日光を避ける目的
で透光性が高すぎない不織布を選び、片面はムレ防止の
目的で通気性の高い不織布を選び、2枚の不織布を重ね
て本発明の果実袋を得ることもできる。このとき要望に
応じて、1枚を前述した極細割繊繊維を有する不織布を
用い、もう1枚として素材の異なる不織布や、織物、編
物等の布帛、紙等を用いて果実袋としてもよい。
【0033】また、極細割繊繊維を有する不織布の機械
的強度を上げるために、本発明の目的すなわち通気性、
透光性、柔軟性等を達成しうる範囲内で補強材と複合し
てもよい。補強材としては、例えば、低目付の不織布、
粗いネット、粗い織物、粗い寒冷紗等の布帛や合成繊維
モノフィラメント、金属繊維モノフィラメント等が挙げ
られる。これらの補強材と前述した本発明の極細割繊繊
維を有する不織布とを熱融着、接着剤、縫合、高圧液体
流処理、ニードルパンチ等の手段を用いて複合した複合
不織布も本発明の実施態様であることはいうまでもな
い。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定させる
ものではない。以下の実施例において、各物性値は、次
のようにして求めた。
【0035】(1)重合体の融点(℃):示差走査型熱
量計(パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用い
て、昇温速度20℃/分で測定した融解吸熱ピークの極
値を与える温度を融点とした。
【0036】(2)ポリエステルの固有粘度:フエノー
ルと四塩化エタンとの等重量比の混合溶媒100mlに
試料0.5gを溶解し常法により測定した。
【0037】(3)ポリエチレンのメルトインデックス
(g/10分):ASTM D 1238(E)法 (4)単糸繊度(デニール):吸引装置により索引細化
した繊維について、電子顕微鏡を用いて、密度補正を行
い求めた。
【0038】(5)目付(g/m2 ):標準状態の試料
から試料片(縦10cm×横10cm)10点を作成
し、平衡水平に至らしめた後、各試料片の重量を秤量
し、得られた値の平均値を単位面積当たりに換算し目付
とした。
【0039】(6)トータルハンド〔柔軟性〕(g):
JIS L 1096に記載のハンドルオメータ法に準
じ、スリット幅10mmで測定した。
【0040】(7)通気度(cc/cm2 /秒):JI
S L 1096に記載のフラジール法に準じて測定し
た。
【0041】(8)透光性(%):JIS L 105
5に記載の照度計法に準じて測定した。
【0042】実施例1 繊維形成性熱可塑性樹脂Aとして高密度ポリエチレン
(融点128℃、メルトインデックス25g/10
分)、繊維形成性熱可塑性樹脂Bとしてポリエチレンテ
レフタレート(融点258℃、固有粘度0.70)を用
い、糸断面が図1に示す形態で全分割数が12個になる
複合紡糸口金を用いて複合紡糸を行った。紡出糸条を冷
却装置で冷却し、吸引装置にて索引細化後、開繊装置で
開繊させて移動するネット上に分割型二成分系複合長繊
維を堆積させ、一対のエンボスロールとフラットロール
とからなる熱圧接装置を用いて部分熱圧接を施し、単糸
繊度3デニール、目付15g/m2 の長繊維不織布とし
た後、座屈加工機(マイクレックス社製、マイクロクレ
ーパー)により高密度ポリエチレン樹脂とポリエチレン
テレフタレート樹脂との分割割繊処理を施した。割繊処
理後の長繊維不織布を顕微鏡にて観察したところ、割繊
率は70%であり、高密度ポリエチレン樹脂およびポリ
エチレンテレフタレート樹脂からなる割繊極細繊維の繊
度は各々0.25デニールであった。
【0043】実施例2 実施例1において、長繊維不織布の目付を30g/m2
とした以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を得
た。
【0044】実施例3 実施例1において、長繊維不織布の目付を50g/m2
とした以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を得
た。
【0045】得られた実施例1〜3の長繊維不織布を用
い、熱融着製袋機により33cm×25cmの大きさの
果実袋を得た。得られた実施例1〜3の果実袋及び比較
例として紙製の袋を用い、また袋なしの状態で、ぶどう
100房の果実生育状況を観察した。
【0046】実施例1〜3の長繊維不織布の物性、果実
生育状況また作業性もあわせて評価した結果を表1に示
した。
【0047】
【表1】
【0048】表1からも明らかなように、実施例1〜3
の本発明の果実袋は本発明の構成要件である通気性及び
透光性を満足する不織布で構成されるため、これらの果
実袋を用いた生育試験では、ぶどう100房のうち約9
割の果実は成育、色付き共に良好なものが得られた。
【0049】また、実施例1〜3の本発明の果実袋は、
割繊極細繊維を有する不織布からなるため、柔軟性に優
れるので、袋を果実に被せたり外したりする際の作業性
に優れ、また、熟した果実を傷つけることのない果実袋
であった。
【0050】一方、紙製の袋を用いたものは、特に通気
性が不十分であったため袋内がムレやすく、ぶどう10
0房のうち2割以上の果実が成育不良となった。また、
実施例1〜3に比べると透光性が低いため果実の色付き
にやや劣るものであった。また、紙製であるため袋を果
実に被せたり、外したりする際に、使い勝手が悪く作業
性に劣るものであった。
【0051】また、袋なしのものは、直射日光が当たる
ため果実は日焼けにより色が悪く、虫食いや鳥についば
まれたものがたくさんあった。
【0052】
【発明の効果】本発明の果実袋用不織布の構成繊維とし
て、くさび状や薄片等の異形断面や繊度の極めて小さい
繊維を有するので、不織布自体が柔軟性に冨んでいるた
め、その不織布からなる本発明の果実袋は、十分な柔軟
性を持つことから取扱いやすく、表面が柔らかく傷つき
やすい果実を対象とする場合も作業性を損ねることな
く、被覆することができる。
【0053】また、本発明の果実袋は、通気性、透光性
に優れており、虫、鳥および直射日光から果実をよく保
護するので、果実の良好な生育を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の不織布の構成繊維である分割型二成
分系複合長繊維の横断面の一実施模式図である。
【図2】 本発明の不織布の構成繊維である分割型二成
分系複合長繊維の横断面の一実施模式図である。
【図3】 本発明の不織布の構成繊維である分割型二成
分系複合長繊維の横断面の一実施模式図である。
【図4】 本発明の不織布の構成繊維である分割型二成
分系複合長繊維の横断面の一実施模式図である。
【図5】 本発明の不織布の構成繊維である分割型二成
分系複合長繊維の横断面の一実施模式図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維形成性熱可塑性樹脂Aと該熱可塑性
    樹脂Aに対し非相溶性である繊維形成性熱可塑性樹脂B
    とからなる分割型二成分系複合長繊維と、該分割型二成
    分系複合長繊維の分割により発現した該熱可塑性樹脂A
    及び/又はBからなる単糸繊度1デニール未満の割繊極
    細繊維とで構成された不織布であって、不織布の透光性
    が50〜90%で、通気度が100cc/cm2 /秒以
    上であることを特徴とする果実袋用不織布。
  2. 【請求項2】 不織布を構成する分割型二成分系複合長
    繊維の割繊率が50%以上であることを特徴とする請求
    項1記載の果実袋用不織布。
  3. 【請求項3】 不織布のトータルハンドが100g以下
    であることを特徴とする請求項1または2記載の果実袋
    用不織布。
  4. 【請求項4】 少なくとも請求項1〜3いずれかに記載
    の不織布を用いてなる果実袋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000303337A (ja) * 1999-03-01 2000-10-31 Carl Freudenberg:Fa 熱結合性糸又は繊維から作られた不織布
WO2004028241A1 (ja) * 2002-09-26 2004-04-08 Nidaiki Co., Ltd. 農産物保護用袋
EP4108820A1 (en) * 2021-06-21 2022-12-28 Carl Freudenberg KG Food bag from nonwoven made from multicomponent filaments

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