JPH10125447A - 電気炉の温度制御装置 - Google Patents

電気炉の温度制御装置

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JPH10125447A
JPH10125447A JP29742796A JP29742796A JPH10125447A JP H10125447 A JPH10125447 A JP H10125447A JP 29742796 A JP29742796 A JP 29742796A JP 29742796 A JP29742796 A JP 29742796A JP H10125447 A JPH10125447 A JP H10125447A
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heater
electric furnace
temperature control
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JP29742796A
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Minoru Nakano
稔 中野
Masaaki Ueno
正昭 上野
Kazuo Tanaka
和夫 田中
Yukio Akita
幸男 秋田
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Kokusai Electric Corp
Original Assignee
Kokusai Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常状態の判定を一定の基準を基に自動的に
行える温度制御装置を提供し、作業者の監視負担を軽減
し、また、その判定を正確に行うことを目的とする。 【解決手段】 温度センサ2,3の検知出力をPID演
算してヒータ4の出力を決定し、この出力と対応した電
力をヒータ4に給電して炉1を加熱する電気炉の温度制
御装置であって、ワークへの熱処理が適正に行えるヒー
タ4の適正出力特性を予め記憶装置9に記憶させ、この
後の製造プロセスにおいては、PID演算により定まる
ヒータ出力と適正出力特性とを異常判定器8により比較
し、これらの出力が所定のずれを生じている場合を異常
と判定し、モニタ装置7のディスプレイ等に表示するよ
うに構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体製造に用
いられる拡散炉やCVD炉等の電気炉の温度制御装置、
詳しくは、ワークの熱処理が適正に行えるヒータへの出
力特性を予め記憶し、この出力特性に対してヒータの実
際の出力(実際に給電した電力)が所定値を超えたずれ
を生じた場合にディスプレイ等に異常を表示する温度制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造における拡散装置やCVD装
置にあっては、電気炉を用いてウェーハを加熱して拡散
や薄膜形成等の処理を行う。このようなCVD装置等に
あっては、図14に示すように、電気炉1の内外にそれ
ぞれ複数(4つ)の内部温度センサ2と外部温度センサ
3を設け、これら温度センサ2,3の検知出力に基づき
4つのヒータ4をそれぞれチャネルCH1,CH2、C
H3,CH4で給電して電気炉1内を加熱し、電気炉1
内のワークに熱処理を施している。
【0003】内部温度センサ2および外部温度センサ3
は、周知の熱電対等からなり、温度制御器5に接続す
る。ヒータ4は、サイリスタ(SCR)とトランスデュ
ーサを有する出力器6に接続され、この出力器6を介し
て給電される。出力器6は、温度制御器5に接続され、
温度制御器5が出力する駆動信号に応じた電力を各ヒー
タ4に給電する。
【0004】温度制御器5は、図15に示すように、外
部温度センサ3の出力信号と設定値を減算し(サミング
ポイント)、この減算された値をPID演算回路5aに
よりPID演算して給電すべき電力(電流)を決定し、
演算結果に応じた駆動信号を出力器6に出力する。ま
た、この温度制御器5にはディスプレイ等を有するモニ
タ装置7が接続し、このモニタ装置7が温度制御器5の
出力に基づき電気炉1内外の温度やヒータ4への給電電
力等を表示する。すなわち、温度制御器5は、式1,式
2,および式3に示すように、比例成分YP,YD,YI
を演算し、これらの和をPID出力(駆動信号)として
出力器6のサイリスタに出力し、また、この出力状態に
おけるヒータ4の出力として最高出力に対する%等で表
示している。
【0005】
【式1】
【式2】
【式3】
【0006】また、上述した温度制御器5においてカス
ケード制御を採用した場合、図16に示すように、内部
温度センサ2の出力と設定値を減算した値に対してPI
D演算回路5aによりPID演算を施し、この演算値と
外部温度センサ3の出力とを減算した値をさらにPID
演算回路5aによりPID演算してヒータ4に給電すべ
き電力を決定し、駆動信号を出力する。そして、上述し
た図15の温度制御器と同様に、この駆動信号を出力器
6に出力するとともに、モニタ装置7に出力してディス
プレイ等に表示する。なお、上記図14,15と同一の
部分には同一の番号を付している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た温度制御装置にあっては、ヒータ4への給電状態(出
力)、すなわち、温度制御器5が出力する駆動信号で表
されるヒータ4の出力をモニタ装置7に表示するにすぎ
ず、異常が発生しているか否かの判定はモニタ装置7を
監視する作業者が自己の経験に基づき行わなければなら
ず、作業者の監視負担が大きく、また、異常状態を正確
に判定することが困難で信頼性に劣るという問題があっ
た。この発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、異
常状態の判定を一定の基準を基に自動的に行える温度制
御装置を提供し、作業者の監視負担を軽減し、また、そ
の判定を正確に行うことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、炉の内部または外部の少なくとも一方
の温度を温度センサにより検出し、該温度センサの検知
出力に基づきヒータへの給電電力を演算して該演算され
た電力をヒータに供給し、該ヒータにより炉内部を加熱
して炉内部のワークに熱処理を施す電気炉の温度制御装
置において、前記ワークの熱処理が適正に行えるヒータ
の出力特性を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶さ
れた出力特性と前記ヒータの実際の出力とを比較して所
定の対応関係を充足しない場合に異常と判定する異常判
定手段と、該異常判定手段の判定結果に基づき異常を報
知する異常報知手段とを備える。
【0009】この発明の適用対象である電気炉は、拡散
装置やCVD装置等の半導体製造装置の電気炉で代表さ
れるが、他の用途の電気炉、例えば、金属の熱処理用の
電気炉にも適用することが可能である。温度センサは、
炉の内部の温度を検出する内部温度センサまたは炉の外
部の温度を検出する外部温度センサの少なくとも一方を
含み、周知の熱電対等から構成される。
【0010】ヒータは、抵抗発熱体で代表されるが、種
々の発熱体を用いることができ、また、加熱の方法も種
々選択することができる。このヒータは、炉の内部また
は外部の温度に基づき、あるいは、炉の内部と外部の双
方の温度に基づきPID制御され、後者の態様では制御
では炉の内外の温度差に基づき出力が制御される。
【0011】記憶手段は、周知のRAMやEPROM、
また、磁気フロッピィディスク等を用いることができ
る。この記憶手段に記憶される出力特性(以下、適正出
力特性と称する)は、ワークに適正な熱処理を施すこと
ができるヒータの出力特性であって、経験的に最良と判
断された特性、例えば、始業時に調整した特性等が採用
される。また、異常報知手段は、ディスプレイ等の視覚
的な手段、警告音等の発音用スピーカ等の音響(音声)
的な手段から構成される。
【0012】異常判定手段は、周知の温度コントローラ
や個々の半導体製造装置のマシンコンピュータ、あるい
は、専用に設けたコンピュータ等が用いられる。この異
常判定手段は、ヒータの出力を前述した図15,16の
温度制御器5が出力器6に出力する駆動信号、すなわ
ち、給電電力を基に検出し、この信号を記憶手段に記憶
された適正出力特性の値と比較する。この異常判定手段
は、ワークの熱処理の1サイクルについて、あるいは1
サイクル中の一部の範囲について、ヒータへの給電電力
が基準特性に合致しているか否か、換言すれば、ずれが
所定の範囲内にあるか否かを比較し、異常を判定する。
【0013】一例を挙げれば、この異常判定手段は、1
サイクル中で判定期間を定め、この判定期間内における
ヒータの出力の時間積分値(その出力特性曲線の描く面
積値、以下、出力合計と称する)と適正出力特性の出力
合計との偏差が所定値を超える場合、および/または、
判定期間内において所定のサンプリング周期で実際の出
力(電力、以下、瞬間出力と称する)を検出し、各サン
プリング時における瞬間出力と基準特性上の対応する時
刻の瞬間出力とを比較して偏差が所定値を超える場合を
異常状態と判定するように構成される。
【0014】この発明にかかる電気炉の温度制御装置
は、適正出力特性を予め記憶手段に入力して記憶させ、
半導体の製造時等の電気炉の運転時においては、ヒータ
の実際の出力と適正出力特性とを比較、例えば、PID
演算の結果として得られる給電すべき電力(この電力は
前述したサイリスタ等に出力される駆動信号等で表され
る)と適正出力特性により表される電力とを比較し、異
なる場合に異常が発生したと判定して異常を報知する。
このため、作業者によるモニタ装置の監視等が不要であ
り、作業者の負担を軽減でき、また、作業者の経験等に
よることなく一定の基準で異常を判定でき、高い信頼性
が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。図1から図12はこの発明の一
の実施の形態にかかる電気炉の温度制御装置を示し、図
1がブロック図、図2がメインルーチンのフローチャー
ト、図3,4,5がサブルーチンのフローチャート、図
6,7が作用を説明するためのグラフ、図8,9がデー
タの記憶構造を示す図、図10,11,12がディスプ
レイの表示画面を示す図である。なお、前述した図14
〜16等に示す従来の電気炉の温度制御装置と同一の部
分には同一の番号を付して一部の図示と説明を省略す
る。
【0016】この実施の形態は、図1に示すように、電
気炉1の内外に設けられた外部温度センサ3を温度制御
器5に接続し、この温度制御器5においてセンサ3の出
力と設定値を減算した後にPID演算回路5aによりP
ID演算して給電電力(目標給電電力)を決定する。そ
して、この目標給電電力と対応した駆動信号を出力器6
(図14参照)に出力し、出力器6によりヒータ4へ給
電する。
【0017】また、この実施の形態は、温度制御器5に
マイクロコンピュータ等からなる異常判定器8とRAM
等からなる記憶装置9を設け、異常判定器8に前述した
モニタ装置7を接続する。そして、記憶装置9には、製
造プロセスにおいてワークに適正な熱処理を施すことが
できる1サイクルの出力特性(適正出力特性)が異常判
定の判断基準として記憶され、また、異常判断の条件等
が記憶される。異常判定器8は、外部温度センサ3の出
力信号と各PID演算器5aの出力が入力し、後述する
ように、記憶装置9に記憶された適正出力特性と判断条
件を読み出してPID演算器5aの出力と比較し、判断
条件に合致するか否かにより異常の有無を判定し、電気
炉1の内外の温度やヒータ4への給電状況(出力)と併
せて判定結果である異常の有無をモニタ装置7に表示す
る。
【0018】なお、この実施の形態においては、適正出
力特性は、図6に示すように、CVD装置に用いられる
電気炉1において適正な膜圧を形成できるプロセス温度
T(同図b)と対応したヒータ4への給電特性(同図
a)であり、図8に示すようなテーブル形式で記憶装置
9に記憶される。また、判断条件は、適正出力に対して
異常と判定するための許容値の範囲、すなわち、適正出
力特性に対して異常と判定するための値域を示すもの
で、図9に示す表データテーブル形式で記憶装置9に記
憶される。なお、図6中のt0は製造プロセスの1サイ
クルの開始点であるボート下降時、t1はボート上昇
時,t2はウェハの炉内入庫完了時とガス注入時を示
し、ガス注入時t2から次のサイクルのボート上昇時t0
までの期間においてウェハの熱処理を行う。
【0019】そして、適正出力特性は、製造プロセスの
1サイクル中の所定期間の各時刻におけるヒータへの給
電電力(電流)および所定期間内におけるヒータへの給
電電力の累計(時間積分値)として、すなわち、所定の
周期でサンプリングされた複数の瞬間出力と出力合計と
して記憶される(前述の図8参照)。この適正出力特性
は、始業時等において、すなわち、製造プロセスの1回
目のサイクル等の実行時等に作成され、記憶装置9に予
め入力される。なお、上記適正出力特性記憶用の記憶装
置9はモニタ装置7に設けることも可能である。
【0020】この実施の形態にあっては、製造プロセス
の各サイクル毎に温度制御器5が全て(この実施の形態
では4つ)のヒータ4(CH1,2,3,4)のそれぞ
れについて図2,3,4,5のフローチャートに示す一
連の処理を所定の周期で実行し、異常の有無の判定と判
定結果に基づく異常の報知を行う。すなわち、先ず、電
源投入等により周知のイニシャライズを行い、このイニ
シャライズにおいて判定実行フラグFLGや異常発生フ
ラグAbnormal1,Abnormal2を0に設
定する等の初期化処理を行う。
【0021】そして、イニシャライズの後、図2に示す
ように、ステップ11で製造プロセスのサイクルにおけ
る現在時刻tが記録開始時刻tsに到達したか否かを判
定し、現在時刻tが記録開始時刻tsに達していればス
テップ12で現在時刻tが記録終了時刻tfに達してい
るか否かを判断し、また、現在時刻tが記録開始時刻t
sに達していなければ再度ステップ11からの処理を繰
り返す。すなわち、この実施の形態では、図7に示すよ
うに、1サイクル中の所定の期間τ(ts≦τ≦tf)を
判定期間として定め、この期間τ内の出力の異常の有無
を判定する。なお、この実施の形態は製造プロセスにお
けるサイクルの一部期間τ(ts≦τ≦tf)における出
力特性を判断するが、1サイクルの全期間の出力特性を
判断することも可能である。
【0022】ステップ12においては、現在時刻tが記
録終了時刻tfに達していないと判断されると、ステッ
プ13でフラグFLGが1か否かを判断する。そして、
ステップ13においては、フラグFLGが1でないと判
断されると(0であれば)、ステップ14で給電電力の
累計(出力合計)累計POWER SUM(以下、P・
Sと略記する)を0とした後ステップ15でフラグFL
Gを1に設定してステップ16に進み、フラグFLGが
1であると判断されるとステップ14,15の処理を行
うことなくステップ16に進む。そして、ステップ16
で現在の出力POWERを累計して出力合計P・Sを演
算する。
【0023】続くステップ17では、現在のサイクルが
製造プロセスの最初(1回目)であるか否か、換言すれ
ば、適正出力特性を作成するためのサイクルか否かを判
断する。そして、サイクルが1回目であれば、ステップ
18で現在の時刻tを記憶装置9に記録した後にステッ
プ19で現在の時刻tと関連させて(アドレスとして)
図8に示すようにデータテーブル形式で現在の出力PO
WERを異常判定基準となる瞬間適正出力R−POWE
Rとして記憶装置9に記憶し、ステップ20で後述する
比較処理1を行う。また、サイクルが1回目でなければ
ステップ18,19の記憶処理を行うことなくステップ
20の比較処理1を行う。
【0024】一方、前述したステップ12において現在
時刻tが記録終了時刻tfに達していると判断、すなわ
ち、検査期間τが満了したと判断されると、ステップ2
1でフラグFLGを0に設定した後、前述したステップ
17と同様にステップ22で現在のサイクルが1回目の
サイクルか否かを判断する。そして、サイクルが1回目
であればステップ23で適正出力合計R−P・S(図8
参照)として記憶装置9に記憶した後(図8参照)にス
テップ24で比較処理2を行い、また、サイクルが1回
目でなければステップ23の処理を行うことなくステッ
プ24の比較処理2を行う。
【0025】比較処理1は、図3に示すように、先ず、
ステップ31で現在の時間tと一致する記録時間が記憶
装置9に記憶されているか否かを判断し、現在の時間t
と一致する記録時間が記憶装置9に記憶されている場
合、その記録時間に対応した適正瞬間出力R−POWE
Rを読み出す。なお、再度繰り返すが、この適正瞬間出
力R−POWERは記録時間をアドレスとするテーブル
形式で記憶され(図8参照)、現在の時間をアドレスと
して読み出される。
【0026】次のステップ32では、適正瞬間出力R−
POWERと現在の瞬間出力POWERとの偏差の絶対
値DEV1を求める。そして、ステップ33において、
異常判定条件(図9参照)を読み出して偏差の絶対値D
EV1が設定許容A範囲にあるか否かを判定し、偏差の
絶対値DEV1が設定許容範囲Aになければステップ3
4で異常発生フラグAbnormal1を1に設定し、
また、偏差の絶対値DEV1が設定許容範囲Aにあれば
ステップ34の処理を行うことなくこの比較処理1のサ
ブルーチンを終了する。
【0027】また、比較処理2は、図4に示すように、
先ず、ステップ41で適正出力合計R−P・Sと今回の
サイクルの出力合計P・Sの偏差の絶対値DEV2を算
出する。そして、ステップ42において、異常判定条件
(図9参照)を読み出して偏差DEV2が所定の許容範
囲B内にあるか否かを判断し、偏差DEV2が所定の許
容範囲B内にない場合にのみ異常発生フラグAbnor
mal2を1を設定し、このサブルーチンを終了する。
【0028】続いて、図5に示すルーチンを実行して作
業者等に異常の発生を報知する。すなわち、ステップ5
1,52で異常発生フラグAbnormal1,Abn
ormal2のいずれかが1か否かを判定し、いずれか
の異常発生フラグAbnormal1,Abnorma
l2が1であれば、ステップ53,54でモニタ装置7
のディスプレイ等に異常の種類が判別できるように表示
する。
【0029】すなわち、図7aに示すように、適正出力
特性が実線、実際の製造プロセスの1サイクルにおける
出力特性が1点鎖線で示される場合を例に説明すれば、
実際の出力特性のサンプリング時(便宜上、4つのサン
プリングS1,S2,S3,S4を例示)において少なくと
も1のサンプリング時の瞬間出力と適正瞬間出力との偏
差δ1,δ2,δ3,δ4が設定値Aを超えていると、異常
発生フラグAbnormal1が1に設定される。そし
て、異常発生フラグAbnormal1が1に設定され
ることで、異常の発生が各ヒータ4別にモニタ装置7の
ディスプレイに図10に示すように全ての出力状況と併
せて異常箇所にアスタリスクマークを付した表形式で表
示される。このため、作業者は異常の発生を速やかに知
ることができ、不良の発生の防止の対策を速やかに採る
ことができる。なお、述べるまでもないが、上記図10
の異常の表示は例示であり、種々選択できる。
【0030】また、図7bに示すように、判定期間τ内
の適正出力合計R−P・S(斜線を付した領域W1の面
積)と実際の出力合計P・S(交差する斜線を付した領
域W2の面積と領域W1の面積との和)との差の絶対値が
所定値Bを超える場合も異常発生フラグAbnorma
l2が1に設定され、サイクルにおけるヒータ4の出力
累計が異常であることをモニタ装置7のディスプレイへ
の表示(図10参照)により作業者に報知する。このた
め、上述したように作業者は異常対策を迅速かつ速やか
に採ることができ、不良の発生を抑制できる。なお、異
常の報知はスピーカ等による警告音によることも可能で
ある。
【0031】そして、温度制御器5の記憶装置には実行
したサイクル全ての異常履歴が記憶され、この異常履歴
が作業者のキー操作等によりモニタ装置7のディスプレ
イに表示される。すなわち、瞬間出力の異常履歴は図1
1に示すような表形式で、また、出力合計の異常履歴は
図12に示すような表形式で記憶かつ表示される。した
がって、異常の発生原因の解明、例えば、電気炉自体に
起因するかボート等の付属機器に起因するかの判定も後
に容易に行うことができる。なお、述べるまでもない
が、異常発生の履歴のディスプレイへの表示は図11,
12に示す形式のみならず、前述した図7に示すグラフ
形式等の種々の形式を採用することができる。
【0032】図13はこの発明の他の実施の形態を示す
ブロック図である。この実施の形態は、前述した図16
と対応、すなわち、カスケード制御を行うものである。
この実施の形態にあっては、前述したように、内部温度
センサ2と外部温度センサ3との出力の差に応じてヒー
タ4の出力を制御する。そして、この形態にあっても、
前述した図2〜5のフローチャートに示す処理を行い異
常の有無を判定する。
【0033】なお、上述した各実施の形態では、ヒータ
の瞬間出力とこの瞬間出力を積算した出力合計の双方に
ついて適正瞬間出力および適正出力合計と対照して異常
の有無を判断するが、この発明は一方のみを基に異常の
有無を判断するように構成しても達成することができ、
また、炉1の内外の温度の変化(昇温特性)に対して前
述した出力と同様の処理、すなわち、基準となる適正特
性に対する比較処理を行って異常の発生の有無を判定す
ることも可能である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、この発明にかかる
電気炉の温度制御装置によれば、ワークの熱処理が適正
に行えるヒータの出力特性を予め記憶し、この記憶され
た適正出力特性とヒータの実際の出力特性とをコンピュ
ータ等により自動的に比較し、これらの特性が所定の対
応関係を充足しない場合にディスプレイへの表示や音声
により異常の発生を報知するため、作業者の監視負担を
軽減でき、また、異常の発生を作業者の経験等に依存す
ることなく高い信頼性をもって行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施の形態にかかる電気炉の温
度制御装置の要部を示すブロック図である。
【図2】同温度制御装置の制御処理のメインルーチンを
示すフローチャートである。
【図3】同制御処理のサブルーチンを示すフローチャー
トである。
【図4】同制御処理の他のサブルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図5】同制御処理のまた他のサブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図6】同温度制御装置においてワークに適正な熱処理
を行える特性を示し、aがヒータ出力特性を示す図、b
がプロセス温度の特性を示す図である。
【図7】同温度制御装置における異常判定の手法を説明
するグラフであり、aが瞬間出力の異常判定を、bが出
力合計の異常判定を表す。
【図8】同温度制御装置において異常判断の基準となる
適正出力特性を示すデータテーブルである。
【図9】同温度制御装置において異常判断の条件を示す
データテーブルである。
【図10】同温度制御装置において異常発生時にモニタ
装置のディスプレイに表示される画面を示す図である。
【図11】同温度制御装置においてモニタ装置のディス
プレイに表示される瞬間出力の異常履歴を示す図であ
る。
【図12】同温度制御装置において出力合計の異常履歴
を表示するモニタ装置のディスプレイ表示画面の図であ
る。
【図13】この発明の他の実施の形態にかかる電気炉の
温度制御装置の要部のブロック図である。
【図14】従来の電気炉の温度制御装置のブロック図で
ある。
【図15】同温度制御装置の要部の詳細を示すブロック
図である。
【図16】従来の電気炉の温度制御装置の要部のブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 電気炉 2 内部温度センサ 3 外部温度センサ 4 ヒータ 5 温度制御器 5a PID演算器 8 異常判定器 9 記憶装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋田 幸男 東京都中野区東中野三丁目14番20号 国際 電気株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉の内部または外部の少なくとも一方の
    温度を温度センサにより検出し、該温度センサの検知出
    力に基づきヒータへの給電電力を演算して該演算された
    電力をヒータに供給し、該ヒータにより炉内部を加熱し
    て炉内部のワークに熱処理を施す電気炉の温度制御装置
    において、 前記ワークの熱処理が適正に行えるヒータの出力特性を
    記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された出力特性
    と前記ヒータの実際の出力とを比較して所定の対応関係
    を充足しない場合に異常と判定する異常判定手段と、該
    異常判定手段の判定結果に基づき異常を報知する異常報
    知手段とを備えることを特徴とする電気炉の温度制御装
    置。
JP29742796A 1996-10-18 1996-10-18 電気炉の温度制御装置 Pending JPH10125447A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2017076273A (ja) * 2015-10-15 2017-04-20 ルネサスエレクトロニクス株式会社 監視方法および半導体装置の製造方法
JP2018078271A (ja) * 2016-10-31 2018-05-17 株式会社日立国際電気 基板処理装置、監視プログラム及び半導体装置の製造方法
JP2020084282A (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 東京エレクトロン株式会社 原料タンクの監視装置及び原料タンクの監視方法

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