JPH10125443A - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

内燃機関用スパークプラグ

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JPH10125443A
JPH10125443A JP29784996A JP29784996A JPH10125443A JP H10125443 A JPH10125443 A JP H10125443A JP 29784996 A JP29784996 A JP 29784996A JP 29784996 A JP29784996 A JP 29784996A JP H10125443 A JPH10125443 A JP H10125443A
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JP
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electrode
alloy
spark
spark plug
internal combustion
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JP29784996A
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English (en)
Inventor
Wataru Matsutani
渉 松谷
Junichi Kagawa
純一 加川
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火花ギャップを形成する中心電極及び外側電
極の熱伝導性を向上させて、上記電極の温度上昇を抑制
し、火花放電に伴う火花消耗を阻止する。 【解決手段】 火花ギャップ(8)を形成する中心電極
(5)及び外側電極(7)等の電極を、Ni基合金中に
W又はMoもしくはこれらを主成分とする合金の塊(粉
末又はウィスカー)(9)を分散させてなる電極母材か
ら構成することで、上記電極の熱伝導性が向上すること
となり、火花放電に伴って高温となった上記電極から確
実且つ効率よく外部に熱を伝導、放散させて、温度上昇
を抑制することができるので、火花放電に伴う火花消耗
を阻止、すなわち上記電極の耐火花消耗性を向上させる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関に装着
されるスパークプラグの中心電極及び外側電極等の電極
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関に装着されるスパークプ
ラグにおいては、中心電極及び外側電極等の電極におけ
る耐火花消耗性を向上させることを目的として、特に火
花放電により発生する大量の熱を効率よく外部へ伝導、
放散することができるようにする中心電極及び外側電極
には、Ni又はNi合金からなる電極母材に対して、こ
の電極母材中に、CuやAg等の良熱伝導性の芯材やそ
れ自体を内装又は包含する複合電極が一般的に使用され
ており、このNi又はNi合金からなる電極母材中に内
装又は包含するCuやAg等の良熱伝導性の芯材やそれ
自体からなる複合電極により、火花放電に伴って発生す
る大量の熱を受熱することによって高温となる絶縁体の
熱を中心電極から効率よく外部へ熱を伝導、放散させて
プラグの耐熱性を向上し、且つ高温となる中心電極及び
外側電極の温度上昇を抑制して火花放電を行う中心電極
及び外側電極の火花消耗を防止しているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のものの場合、すなわち中心電極及び外側電極等の電
極を、Ni又はNi合金からなる電極母材に対して、こ
のNi又はNi合金からなる電極母材中に、CuやAg
等の良熱伝導性の芯材やそれ自体を内装又は包含する複
合電極構造として、高温となる中心電極及び外側電極の
温度上昇を抑制して火花放電を行う中心電極及び外側電
極等の電極の火花消耗を防止しようとするものでは、確
かにNi合金のみの電極に比べて1.2〜1.5倍程度
の寿命(距離として、3〜4万km)の延長、すなわち
火花放電に伴う耐火花消耗性の向上が認められるものと
なるが、近年の内燃機関の高性能化と同時に必要とされ
る長期間にわたってのメンテナンスフリー化により、こ
の内燃機関に装着されるスパークプラグにおいても更な
る耐火花消耗性の向上、すなわち約10万km程度の寿
命が要求されるため、中心電極や外側電極の火花放電部
に耐火花消耗性に優れたPt等の貴金属又はその合金を
使用する白金プラグが実用化されているが、高価なPt
又はPt合金等の貴金属を使用することから、スパーク
プラグとしての製造コストは著しく上昇してしまう欠点
がある。
【0004】また、上述した従来のものと同様に、火花
放電に伴って発生する熱により高温となる中心電極等の
電極における熱伝導性を向上させることによって火花放
電に伴って生じる上記電極の消耗を抑制させるため、中
心電極を構成する母材(例えば、Cu或はCu合金)内
においてほぼ電極縦方向に沿って良熱伝導性であり、か
つ耐蝕性に優れる繊維複合材(Ni合金等)を配置さ
せ、且つこれが耐蝕性材料よりなる筒によって取囲まれ
るものとし、中心電極が受けた熱を効率よく外部へ伝
導、放散させてなるもの(特開昭52−59235号)
が提案されており、確かに上記中心電極を構成する母材
中に良熱伝導性であり、かつ耐蝕性に優れる繊維複合材
を配置することで、中心電極からの外部への熱伝導の向
上に著しく寄与するものとなるが、この良熱伝導性であ
り、かつ耐蝕性に優れた繊維複合材を、電極の縦方向に
均一に配置することは困難であり、またこの繊維複合材
の配置が偏ってしまうと電極の熱の伝導、放散が十分に
行われなくなり、電極の一部が高温となって火花放電に
伴う電極の火花消耗が発生、促進されてしまう恐れがあ
る。
【0005】そこで、この発明は上記従来の問題を改善
するものであり、中心電極及び外側電極等の電極の熱伝
導性を確実に、且つ効率的に向上させることで温度上昇
を抑制すると共に、火花放電に伴う電極の火花消耗を阻
止して、スパークプラグとしての長期間にわたるメンテ
ナンスフリー化を実現しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのために、火花放電を
行う火花ギャップを構成する中心電極及び外側電極等の
電極を、Ni基合金中にW(タングステン)又はMo
(モリブデン)もしくはこれらを主成分とする合金塊
(粉末又はウィスカー)を分散させた電極母材から形成
してなるものとし、更にこのNi基合金中にW(タング
ステン)又はMo(モリブデン)又はこれらを主成分と
する合金塊(粉末又はウィスカー)を分散させた電極母
材を、中心電極及び外側電極の両方、又は中心電極或は
外側電極のいずれか一方に使用してなるものである。
【0007】また、上記火花ギャップを構成する中心電
極及び外側電極を形成するNi基合金の電極母材におい
て、その電極母材のどのような断面においても、その断
面の断面積に対して上記W(タングステン)又はMo
(モリブデン)もしくはこれらを主成分とする合金塊
(粉末又はウィスカー)が占める面積を10%以上とす
るものである。
【0008】そして、上記火花ギャップを構成する中心
電極及び外側電極等の電極を、Ni合金よりなる被覆材
及びCu或はCu合金等の良熱伝導性金属よりなる芯材
からなる複合電極とし、この複合電極の火花放電部にお
いて、Ni基合金中にW(タングステン)又はMo(モ
リブデン)もしくはこれらを主成分とする合金塊(粉末
又はウィスカー)を分散させたチップ電極を設けてなる
ものである。
【0009】その上、上記Ni基合金中にW又はMoも
しくはこれらを主成分とする合金塊を分散した電極母材
において、その電極母材内部にCu或はCu合金等の良
熱伝導性金属よりなる芯材を封入した複合電極を中心電
極又は外側電極にしてなるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明を実施するにあたって、
火花放電を行う火花ギャップを構成する中心電極及び外
側電極等の電極の両方又はいずれか一方を、Ni基合金
中にW(タングステン)又はMo(モリブデン)もしく
はこれらを主成分とする合金塊(粉末又はウィスカー)
を分散させた電極母材から形成することで、この電極母
材中に分散、含有されることとなるW(タングステン)
又はMo(モリブデン)もしくはこれらを主成分とする
合金塊(粉末又はウィスカー)の熱伝導率が、Niの熱
伝導率(67.4w/m・k)に比べ、W(タングステ
ン)であれば128w/m・k、Mo(モリブデン)で
あれば104w/m/kと、Cu(銅)の371w/m
・k、Ag(銀)の389w/m・k程ではないにせよ
著しく大きくなるものであるから、中心電極又は外側電
極等の電極が高温となっても、上記電極中の熱を確実
に、かつ効率的に外部に伝導、放散して電極の温度上昇
を抑制することができる上、W(モリブデン)の融点は
3000℃以上、Mo(モリブデン)でも2600℃以
上であるため、電極における耐火花消耗性も著しく高く
なるから、長期間にわたる使用に対しても火花消耗が阻
止されてスパークプラグのメンテナンスフリー化を図る
ことができる。
【0011】また、中心電極及び外側電極を形成するN
i基合金の電極母材において、その電極母材のどのよう
な断面においても、その断面の断面積に対して上記W
(タングステン)又はMo(モリブデン)もしくはこれ
らを主成分とする合金塊(粉末又はウィスカー)が占め
る面積を10%以上とすることで、火花放電の発生に伴
って発生する熱を受けて高温となった電極中の熱を、W
(タングステン)又はMo(モリブデン)もしくはこれ
らを主成分とする合金塊(粉末又はウィスカー)を介し
て外部へ、より確実に、且つ効率的に伝導し、放散させ
て温度上昇を抑制し、耐火花消耗性を向上させることが
できるものである。
【0012】そして、中心電極及び外側電極等の電極
を、Ni合金よりなる被覆材及びCu或はCu合金等の
良熱伝導性金属よりなる芯材からなる複合電極とした上
で、この複合電極の火花放電部において設けられるチッ
プ電極を、Ni基合金中にW(タングステン)又はMo
(モリブデン)もしくはこれらを主成分とする合金塊
(粉末又はウィスカー)を分散させてなるものとして
も、同様に電極中の熱を確実に、且つ効率的に外部に伝
導し、放散させて温度上昇を抑制することができると共
に、上記電極の火花放電部でのチップ電極の耐火花消耗
性を十分に向上させることができるものとなる。
【0013】更に、中心電極又は外側電極を、Ni基合
金中にW又はMoもしくはこれらを主成分とする合金塊
を分散した電極母材の内部にCu又はCu合金等の良熱
伝導性金属よりなる芯材を封入した複合電極とすること
により、電極中の熱をより確実に、且つ効率的に外部に
伝導し、放散させて温度上昇を抑制することができるこ
とから、電極の耐火花消耗性をより向上させることがで
きる。
【0014】
【実施例】この発明を図に示す実施例により更に説明す
る。図1の(1)は、この発明の第1実施例である内燃
機関用スパークプラグであり、この実施例である内燃機
関用スパークプラグ(1)は、その軸孔(3)内の後端
において端子電極(4)を、その先端において突出する
ように中心電極(5)をガラスシール材(15)[導電
性ガラス(16)、抵抗体(17)]により保持してな
る絶縁体(2)と、この絶縁体(2)の軸孔(3)の先
端において突出するように保持される中心電極(5)の
先端に対向する位置に配設される外側電極(7)を有す
ると共に、中心電極(5)を保持する絶縁体(2)を一
体に固持してなる主体金具(6)から構成され、上記絶
縁体(2)に保持される中心電極(5)と、主体金具
(6)において中心電極(5)の先端に対向する位置に
配設される外側電極(7)との間に燃焼室内の混合気に
対して着火を行うべく火花放電を行う火花ギャップ
(8)を形成してなるものである。
【0015】そして、火花放電を行う火花ギャップ
(8)を構成する中心電極(5)及び外側電極(7)の
電極を、Ni基合金中にW(タングステン)又はMo
(モリブデン)もしくはこれらを主成分とする合金塊、
例えばW(タングステン)に対して添加する金属を10
wt%以内とする、W−Ta、W−Nb、W−Ta−N
b、W−Re、W−Si、W−Moの他、W−Cu、W
−Cu−NiやW−Si−Ni等[Moの場合でもW合
金と同様の物質よりなるものとする。]の合金塊(粉末
又はウィスカー)(9)を分散させた電極母材から形成
してなるものである。また、このNi基合金中にW又は
Moもしくはこれらを主成分とする合金塊(粉末又はウ
ィスカー)(9)を分散させた電極母材を、中心電極
(5)及び外側電極(7)の両方、又は中心電極(5)
或は外側電極(7)のいずれか一方に使用するものでも
よい。なお、Ni基合金とは、Ni−Si−Mn−Cr
系、Ni−Si−Mn−Cr−Al系、Ni−Cr−F
e(NCF600)系などスパークプラグ電極材として
公知のものである。
【0016】この発明の実施例である上記内燃機関用ス
パークプラグ(1)は以上の構成を具えるので、火花放
電を行う火花ギャップ(8)を構成する絶縁体(2)に
保持される中心電極(5)及び、主体金具(6)に配設
される外側電極(7)の電極の両方又はいずれか一方
を、Ni基合金中にW又はMoもしくはこれらを主成分
とする合金塊、例えばWに対して添加する金属を10w
t%以内とする、W−Ta、W−Nb、W−Ta−N
b、W−Re、W−Si、W−Moの他、W−Cu、W
−Cu−NiやW−Si−Ni等(Moの場合でもW合
金と同様の物質よりなるものとする。)の合金塊(粉末
又はウィスカー)(9)を分散させた電極母材から形成
することで、上記中心電極(5)及び外側電極(7)の
電極を形成する電極母材中に分散、含有されることとな
るW又はMoもしくはこれらを主成分とする上記合金塊
(粉末又はウィスカー)(9)の熱伝導率が、Niの熱
伝導率(67.4w/m・k)に比べ、Wであれば12
8w/m・k、Moであれば104w/m/kに比べて
著しく大きくなるから、燃焼室内で混合気の燃焼によっ
て発生する熱により中心電極(5)又は外側電極(7)
の電極が高温となっても、上記中心電極(5)又は外側
電極(7)中の熱を確実に、かつ効率的に外部に伝導、
放散することができ、中心電極(5)又は外側電極
(7)の急激な温度上昇を抑制するものとなる上、Wの
融点は3000℃以上、Moでも2600℃以上である
ため、耐火花消耗性も著しく高いものであるから、長期
間にわたる使用に対しても、上記中心電極(5)又は外
側電極(7)における火花消耗が阻止されてスパークプ
ラグの長期間にわたってのメンテナンスフリー化を図る
ことができる。
【0017】また、上記実施例である内燃機関用スパー
クプラグ(1)における火花ギャップ(8)を構成する
中心電極(5)及び外側電極(7)を形成するNi基合
金の電極母材において、その電極母材のどのような断面
においても、その断面の断面積に対して上記W又はMo
もしくはこれらを主成分とする合金塊、例えばWに対し
て添加する金属を10wt%以内とする、W−Ta、W
−Nb、W−Ta−Nb、W−Re、W−Si、W−M
oの他、W−Cu、W−Cu−NiやW−Si−Ni等
(Moの場合でもW合金と同様の物質よりなるものとす
る。)の合金塊(粉末又はウィスカー)(9)が占める
面積(図2斜線部分)を10%以上とするものとするこ
とで(図2参照)、火花放電に伴って発生する熱を受け
て高温となった中心電極(5)又は外側電極(7)の電
極中の熱を、W又はMoもしくはこれらを主成分とする
上記合金塊(粉末又はウィスカー)(9)を介して外部
により確実に、且つ効率的に伝導、放散し温度上昇を抑
制することができ、上記中心電極(5)又は外側電極
(7)における火花消耗を阻止して長期間の使用に対す
る上記電極の耐火花消耗性を向上させることができるも
のとなる。
【0018】そして、この発明の他の実施例を図3乃至
図5に示す。図3はこの発明の第2実施例の内燃機関用
スパークプラグ(20)であり、火花ギャップ(8)を
形成する中心電極(25)及び外側電極(27)の電極
を、Ni合金(Si1.5wt%、Mn2.0wt%、
Cr1.5wt%と残部Ni)よりなる被覆材(11)
及びCu或はCu合金等の良熱伝導性金属よりなる芯材
(12)を封入して押出し成形してなる複合電極(1
0)とし、この複合電極(10)の火花放電部において
設けられるチップ電極(14)を、Ni基合金中にW又
はMoもしくはこれらを主成分とする合金塊(粉末又は
ウィスカー)(9)を分散させたものとし、同様に火花
放電により高温となる中心電極(25)又は外側電極
(27)の火花放電部のチップ電極(14)中の熱を、
上記チップ電極(14)が設けられる中心電極(25)
又は外側電極(27)が、Ni合金よりなる被覆材(1
1)及びCu或はCu合金等の良熱伝導性金属よりなる
芯材(12)からなる複合電極(10)より構成される
ので、この中心電極25)等を構成する複合電極(1
0)を介して確実に、且つより効率的に外部に伝導し、
放散させて、特にチップ電極(14)の温度上昇を抑制
することができることで、上記中心電極(25)又は外
側電極(27)の火花放電部において設けられるチップ
電極(14)の耐火花消耗性を十分に向上させることが
できるものとなる。
【0019】図4は、この発明の第3実施例を示した内
燃機関用スパークプラグ(30)であり、このスパーク
プラグ(30)の中心電極(31)は、Ni基合金中に
W又はMoもしくはこれらを主成分とする合金塊(9)
を分散した外被材(32)の内部にCu、Cu合金等の
良熱伝導性金属の芯材(33)を配し、押出し成形によ
り封入した複合電極(34)である。一方中心電極(3
1)との間に火花ギャップ(8)を形成する外側電極
(7)は、上記図1の第1実施例と同じものであるNi
基合金中にW又はMoもしくはこれらを主成分とした合
金塊(9)を分散した電極母材を用いたものである。そ
して、特に中心電極(31)をNi基合金中にW又はM
oもしくはこれらを主成分とする合金塊(9)を分散し
た外被材(32)に良熱伝導性金属を封入した複合電極
(34)とすることにより、中心電極(31)の先端部
の熱をより効果的に放散させ、耐火花消耗性をより向上
させることができる。また、外側電極(7)は、中心電
極(31)と同様に外被材の内部にCu、Cu合金等の
良熱伝導性金属を封入したもので形成してもよく、これ
により外側電極(7)の耐火花消耗性をより向上させる
ことができる。
【0020】更に、図5はこの発明の第4実施例を示し
た内燃機関用スパークプラグ(40)であり、このスパ
ークプラグ(40)は、図4の実施例のスパークプラグ
(30)に絶縁体(2)の先端外周(2a)と対向する
補助電極(35)を設けたものであり、この補助電極
(35)は、Ni基合金中にW又はMoもしくはこれら
を主成分とする合金塊(9)を分散した電極母材とした
ものである。このスパークプラグ(40)は絶縁体
(2)の先端外周(2a)にカーボン等の導電性物質が
付着し、絶縁抵抗が低下した場合、補助電極(35)と
絶縁体(2)の先端外周(2a)との間の補助火花ギャ
ップ(8a)にセミ沿面放電するものであり、補助電極
(35)の耐火花消耗性を効果的に向上させることがで
きるものである。その上、図示を省略するが、この発明
は中心電極の先端外周との間に複数の外側電極を対設さ
せた通称、多極スパークプラグの中心電極、外側電極に
も適用することができるものである。
【0021】そこで、この発明の実施例である内燃機関
用スパークプラグ(1).(20).(30)におい
て、中心電極(5).(25).(31)又は外側電極
(7).(27)における熱伝導性を向上させて外部へ
の熱の伝導、放散を良好なものとすることで、火花放電
による火花消耗を阻止するという耐火花消耗性の向上を
確認するため実機に装着して耐火花消耗性に関する耐久
試験を行った。この耐久試験に供される内燃機関用スパ
ークプラグ(1).(20).(30)について、図6
において示すように、中心電極のみCuよりなる芯材入
Ni合金(Si1.5wt%−Mn2.0wt%−Cr
1.5wt%と残りNi)を有する複合電極(10)と
する従来例A、中心電極及び外側電極のいずれも複合電
極(10)とする従来例B、また中心電極及び外側電極
を複合電極(10)とすると共に、Pt−20wt%I
r合金よりなるチップ電極(直径1.0mm×厚さ0.
4mm)を両電極の火花放電部に設けてなる白金プラグ
の従来例Cに対して、中心電極(5)のみ従来例と同じ
複合電極(10)とすると共に、外側電極(7)にNi
基合金(Si1.5wt%−Mn2.0wt%−Cr
1.5wt%と残りNi)中に、粒径5〜600μmの
W粉末(9)を20面積%含有したこの発明の実施例
D、中心電極(5)と外側電極(7)の両方の電極を上
記Ni基合金中にW塊(9)を20面積%含有した実施
例E、また、中心電極(31)のみを上記Ni基合金中
にW塊(9)を20面積%含有した母材中にCu芯材を
封入した実施例F、更に中心電極(25)を従来と同じ
Ni合金中にCu芯材を封入した複合電極(10)の火
花放電部に、上記Ni基合金中にW塊(9)を20面積
%含有した直径2.0mm×厚さ0.4mmのチップ電
極(14)を電気抵抗溶接し、外側電極を従来と同じN
i合金材の火花放電部に上記チップ電極(14)を電気
抵抗溶接した実施例Gと、中心電極(25)と外側電極
(27)を図3のように、従来のNi合金の複合電極
(10)に上記チップ電極(14)を各々電気抵抗溶接
した実施例を用いて耐久試験をした。なお、試料の寸法
関係として中心電極の先端径は2.5mm、外側電極は
厚み1.5mm×幅2.8mm、火花ギャップ(8)は
0.9mmであり、試験は6気筒、DOHC、3000
ccのエンジンを用い、5000rpm×W.O.T
(約200km/h相当)の条件で火花ギャップ(8)
が1.3mmまで拡大したときをスパークプラグの寿命
と規定した。
【0022】その結果、この発明の実施例D〜Hのスパ
ークプラグはいずれも従来の比較例A及びBのスパーク
プラグよりも耐火花消耗性を向上することができ、特に
実施例E〜Hのスパークプラグは寿命が10万kmとな
り、比較例Cの白金プラグと同等の耐火花消耗性を有す
ることを認めた。なお、Ni基合金に分散させる金属と
しては上記W以外にMo又はW合金、Mo合金を用いて
も同様の効果を有するものである。
【0023】更に、図7に示すように、中心電極(5)
及び外側電極(7)のいずれもNi基合金中にWよりな
る塊(粉末又はウィスカー)を分散させてなるもの(実
施例Eに相当する構造)における、Wの含有率、すなわ
ち中心電極(5)等の断面(13)の断面積中において
Wの占める面積の面積比に対するスパークプラグの寿命
を測定したところ、Wの占める面積比が10%以上であ
る場合には、スパークプラグ(1)の寿命の延長が顕著
に認められ、この発明の効果が十分に確認された。
【0024】
【発明の効果】以上のとおり、火花ギャップを構成する
中心電極及び外側電極の両方、又は中心電極又は外側電
極のいずれか一方を、Ni合金基中にW(タングステ
ン)、Mo(モリブデン)又はこれらを主成分とする合
金の塊(粉末又はウィスカー)を分散させなる電極母材
からなるものとし、また上記電極の如何なる断面におい
てもその断面の断面積に占めるW等の面積を10%以上
とし、そして上記電極母材よりなるチップ電極を複合電
極の火花放電部に設けるものとすることで、火花放電に
伴って高温となる中心電極や外側電極あるいはチップ電
極の熱伝導性を向上させてこれら電極の温度上昇を抑制
し、火花放電による電極の火花消耗を阻止することがで
きることから、安価にしかも、白金プラグなどと同様に
内燃機関用スパークプラグとしての長期間にわたっての
メンテナンスフリー化を実現することができる優れた効
果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である内燃機関用スパー
クプラグ部分断面図である。
【図2】この発明の第1実施例である内燃機関用スパー
クプラグの中心電極の要部拡大断面図である。
【図3】この発明の第2実施例である内燃機関用スパー
クプラグの要部拡大断面図である。
【図4】この発明の第3実施例である内燃機関用スパー
クプラグの要部拡大断面図である。
【図5】この発明の第4実施例である内燃機関用スパー
クプラグの要部拡大断面図である。
【図6】この発明の実施例である内燃機関用スパークプ
ラグに対する耐久試験の結果を示した図である。
【図7】この発明の実施例である内燃機関用スパークプ
ラグにおけるWの含有率と寿命との関係を示した図であ
る。
【符号の説明】
1、20、30、40 内燃機関用スパークプラグ 2 絶縁体 3 軸孔 4 端子電極 5、25、31 中心電極 6 主体金具 7、27 外側電極 8 火花ギャップ 8a 補助火花ギャップ 9 W又はMoもしくはこれらを主成分とする合金塊
(粉末又はウィスカー) 10、34 複合電極 11、32 被覆材 12、33 芯材 14 チップ電極 35 補助電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火花放電を行う火花ギャップを構成する
    中心電極及び外側電極等の電極を、Ni基合金中にW又
    はMoもしくはこれらを主成分とする合金塊(粉末又は
    ウィスカー)を分散させた電極母材から形成してなる内
    燃機関用スパークプラグ。
  2. 【請求項2】 上記Ni基合金中にW又はMoもしくは
    これらを主成分とする合金塊(粉末又はウィスカー)を
    分散させた電極母材を、中心電極及び外側電極の両方、
    又は中心電極或は外側電極のいずれか一方にのみ使用し
    てなる請求項1記載の内燃機関用スパークプラグ。
  3. 【請求項3】 上記火花ギャップを構成する中心電極及
    び外側電極等の電極を形成するNi基合金の電極母材に
    おいて、その電極母材のどのような断面においても、そ
    の断面の断面積に対して上記W又はMoもしくはこれら
    を主成分とする合金塊(粉末又はウィスカー)が占める
    面積を10%以上としてなる請求項1又は2記載の内燃
    機関用スパークプラグ。
  4. 【請求項4】 上記火花ギャップを構成する中心電極及
    び外側電極等の電極を、Ni合金よりなる被覆材及びC
    u或はCu合金等の良熱伝導性金属よりなる芯材の複合
    電極とし、この複合電極の火花放電部において、Ni基
    合金中にW又はMoもしくはこれらを主成分とする合金
    塊(粉末又はウィスカー)を分散させたチップ電極を設
    けてなる請求項1、2又は3記載の内燃機関用スパーク
    プラグ。
  5. 【請求項5】 上記火花ギャップを構成する中心電極又
    は外側電極を、Ni基合金中にW又はMoもしくはこれ
    らを主成分とする合金塊を分散した電極母材内部に、C
    u或はCu合金等の良熱伝導性金属よりなる芯材を封入
    した複合電極としてなる請求項1、2又は3記載の内燃
    機関用スパークプラグ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007214136A (ja) * 2000-09-18 2007-08-23 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグ
JP2009230946A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグ

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JP2007214136A (ja) * 2000-09-18 2007-08-23 Ngk Spark Plug Co Ltd スパークプラグ
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