JPH10121477A - 土層側壁の補強方法および遺跡見学用地下通路の構築方法 - Google Patents
土層側壁の補強方法および遺跡見学用地下通路の構築方法Info
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- JPH10121477A JPH10121477A JP28111496A JP28111496A JPH10121477A JP H10121477 A JPH10121477 A JP H10121477A JP 28111496 A JP28111496 A JP 28111496A JP 28111496 A JP28111496 A JP 28111496A JP H10121477 A JPH10121477 A JP H10121477A
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Abstract
どまったり、均一でなく、樹脂による土の補強効果が不
十分となっていた。 【解決手段】 側壁1aに出土品を露出させたトレンチ
1において、トレンチ1内に中詰土砂11を充填した
後、中詰土砂内に側壁1aの損傷防止および補強用の薬
液15を注入し、中詰土砂11を通じて前記側壁1aに
含浸させ、所要時間経過後に薬液除去し、次いで中詰土
砂15を取除いて側壁1aを復元させる。
Description
た壁面または法面などの土層側壁の補強方法、および、
土構築物遺跡を展示するための地下通路の構築方法に関
する。
構、遺跡の発掘が行われている。このうち特に大規模な
遺跡は、考古学的学術資産として大きな価値があるのみ
ならず、新たな観光資源としての利用価値もあるため、
当初工事計画を変更し、これらの保存、復元とともに、
一般に公開展示できるようにすることが行われるように
なってきた。
ている遺跡は、その地層に存在している出土品の地質年
代を推定する上で貴重な資料であり、見学者の通過でき
る地下通路の壁面に露出させ、出土品をそのままの状態
で展示することが望ましい。
と、壁面が受ける気候変動や、生物などの作用により、
いずれは壁面は崩壊するため、壁面の損傷防止および補
強のために予め薬液による保全処置を講ずる必要があ
る。
の手作業により薬液をじょうろ、噴霧器などで壁面に散
布して自然含浸させる方法や、注射器で注入含浸する方
法が採用されていたが、次のような問題があった。
者の勤務時間内に限られ、作業が断続的になるため、こ
の断続によって薬液含浸のために土中に一度形成された
通路毛管に空気が入り、以後においては薬液が含浸しに
くい状態となる。
掘削壁面に適用するには無理があり、噴霧器では含浸範
囲がごく表層にとどまり、内部深くまで及ばないものと
なっていた。
表面または掘削壁面に均一に含浸させることができず、
出土品周囲を囲んだ位置などに限定されていた。
層にとどまったり、均一でなく、薬液による土の補強効
果が不十分となり、乾湿の繰り返しによって含浸層がひ
び割れて剥がれたり、塩分の析出や、苔、虫などの繁殖
を防ぐことができないことが多く、その結果、短期間で
保存遺跡が損壊しやすいものとなっていた。
壁面または法面などの土層側壁を補強する場合にでも同
様に生ずる。
のであって、その目的は、作業員の作業時間によらず薬
液の含浸作業に十分な時間をかけられ、これによって均
一かつ含浸深さを十分なものとし堅牢な壁面を再生でき
るようにした、土層側壁の補強方法および遺跡見学用地
下通路の構築方法を提供するものである。
め、本発明のうち請求項1に記載の発明は、地盤を掘削
して得た壁面または法面などの側壁に、間隔をあけて型
枠を設置し、該型枠と前記側壁との間に砂などの粒状物
を充填した後、粒状物内に側壁の損傷防止および補強用
の薬液を注入し、粒状物を通じて前記側壁に含浸させ、
所要時間経過後に薬液除去し、次いで前記粒状物を取除
いて側壁を復元させることを特徴とするものである。し
たがって、この発明によれば、薬液注入後は、その静止
圧力および経過時間に応じて粒状物の隙間を伝って側壁
内に浸透し、十分な厚みの硬化体が形成されるので、地
盤を掘削して得た壁面または法面などの土層側壁を堅牢
なものとすることができる。
壁に出土品を露出させたトレンチにおいて、該トレンチ
内に砂などの粒状物を充填した後、粒状物内に側壁の損
傷防止および補強用の薬液を注入し、粒状物を通じて前
記側壁に含浸させ、所要時間経過後に薬液除去し、次い
で前記粒状物を取除いて側壁を復元させることを特徴と
するものである。したがって、この発明によれば、薬液
注入後は、その静止圧力および経過時間に応じて粒状物
の隙間を伝って側壁内に浸透し、十分な厚みの硬化体を
形成するので、堅牢な壁面を有する遺跡見学用地下通路
を構築することができる。
記粒状物充填の前に、前記側壁から所定距離離してトレ
ンチの長手方向に沿って前記コンクリート上にスペーサ
となるコンクリートブロックを設置するとともに、粒状
物を取除く工程でコンクリートブロックを撤去すること
を特徴とするものである。したがって、この発明によれ
ば、コンクリートブロックの体積分、薬液の注入容積を
減ずることができる。
記側壁に透水性シートを配置し、前記粒状物と側壁とを
隔離することを特徴とするものである。したがって、こ
の発明によれば、粒状物の取除き工程において、粒状物
と側壁とはシートによって隔離されているため、側壁に
対する粒状物の付着がなく、復元作業を容易に行うこと
ができる。
めトレンチの溝底部に、薬液の地下浸透防止と見学者通
路の床面を兼用するコンクリートを打設することを特徴
とするものである。したがって、この発明によれば、薬
液の地下浸透がなく、側壁側に有効に作用させることが
でき、注入ロスを減ずることができる。
求項4に記載の発明において、前記コンクリート上に薬
液の回収パイプを配管し、地表部に該パイプに接続した
循環用ポンプを設置し、該ポンプの駆動により薬液を循
環回収することを特徴とするものである。したがってこ
の発明によれば、薬剤回収をポンプの駆動制御により行
うことができる。
形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
地下通路の構築に適用した例による構築手順を示してい
る。まず、図1において、地盤Eを掘削して得たトレン
チ1の両側壁1aには、図示しない遺物が露出した状態
となっており、このうちの展示部位の両端部に止水壁2
を築造し、次いでトレンチ1の溝底部に床コンクリート
3を打設する。
は通路床面を構成するとともに、後述する薬液浸透時に
おいて薬液の下部地盤への浸透を防止するものである。
けて登り勾配の盛土4を施工し、地表部に連続させる。
この盛土4は将来の展示見学通路の階段となる場所であ
る。
方向中央において、床コンクリート3上にコンクリート
ブロック5を設置する。このコンクリートブロック5
は、薬液の注入量を減ずるためのスペーサを構成するも
ので、トレンチ1の側壁1aとの間で所定の隙間を設け
てトレンチ1の長さ方向に沿って設置され、またその高
さはトレンチ1のほぼ天端にまで至る高さに設定され
る。
ネット状の透水シート6をかぶせ、後述する中詰め土砂
との分離性を高めておくことが望ましい。
コンクリートブロック5と側壁1aとの間において床コ
ンクリート3上に多孔の回収パイプ7を設置する。この
回収パイプ7の一端は地表部の循環ポンプ8を介して薬
液回収タンク9に接続しておく。次いで複数の透水ドレ
ーン材10を設置した後、コンクリートブロック5と側
壁1aの隙間に中詰土砂11を天端近くまで投入し、隙
間を埋める。
天端中央部の上方に配管する。この多孔パイプ12は、
薬液供給用タンク13に供給用ポンプ14を介して接続
される。
4を駆動し、薬液供給用タンク13内に収容された薬液
15を多孔パイプ12を通じて中詰土砂11上に散布す
る。本発明で用いられる薬液15としては、地盤の補
強、乾燥収縮防止作用をもつポリエチレングリコールそ
の他の樹脂水溶液、アクリル、EVA、SBRなどのエ
マルジョンが一般に用いられる。
10および中詰土砂11の多孔質内部を伝って図4
(b)の矢印に示すように浸透し、順次床コンクリート
3とコンクリートブロック5の側面および側壁1aで囲
われた内部に溜り、飽和状態となると中詰土砂11の天
端以上に液位が上昇するが、側壁1aの内部に向けて順
次浸透するため、ポンプ13の停止後、液位は下降する
ので、液面センサなどの検出値に基づきポンプ13を駆
動制御する。
低下した場合には循環ポンプ8を駆動して下部の薬液を
回収タンク9内に回収するとともに、新たな薬液を散布
する。
ため、予めその土質に対応する浸透試験による最適浸透
時間まで連続的に実施できる。
て中詰土砂内に貯留する薬液15を回収タンク9内に回
収する。
11、ドレーン材10およびコンクリートブロック5、
回収パイプ7の除去作業を行う。この場合側壁1aを復
元しながらの作業であり、壁面の乾燥が不十分であると
この部分が崩壊する危険性があるので、中詰土砂11と
側壁1aの接合面を除外して除去作業を行い、最終的に
乾燥が確認された時点で、接合面に介在された透水シー
ト6を注意深くはがしながら、側壁1aの壁面を復元
し、最終乾燥まで放置する。
壁面の整形、および保存用の塗装処理などを行えば、遺
跡見学用地下通路を完成する。
ントなどで雨水の浸透を防止するとともに、完成後は見
学者用屋根などを設置し、トレンチ周縁を保護すること
が望ましい。
通路の構築を例にとって説明したが、地盤を掘削して得
た壁面または法面などの土層側壁を補強する方法にも同
様に適用することができる。
明にかかる土層側壁の補強方法および遺跡見学用地下通
路の構築方法にあっては、薬液注入後は、その静止圧力
および経過時間に応じて粒状物の隙間を伝って側壁内に
浸透し、十分な厚みの硬化体を形成するため、従来に比
べて薬液による土の補強効果が十分となり、乾湿の繰り
返しによって含浸層がひび割れて剥がれたり、塩分の析
出や、苔、虫などの繁殖を防止でき、安定した土層側壁
補強が行え、または安定した見学者用地下通路を構築で
きる。
した例の構築手順のうち最初の工程を示す半切欠断面斜
視図である。
ある。
である。
状態を示す側断面図である。(b)は(a)のA−A線
における横断面図である
Claims (6)
- 【請求項1】 地盤を掘削して得た壁面または法面など
の側壁に、間隔をあけて型枠を設置し、該型枠と前記側
壁との間に砂などの粒状物を充填した後、粒状物内に側
壁の損傷防止および補強用の薬液を注入し、粒状物を通
じて前記側壁に含浸させ、所要時間経過後に薬液除去
し、次いで前記粒状物を取除いて側壁を復元させること
を特徴とする土層側壁の補強方法。 - 【請求項2】 側壁に出土品を露出させたトレンチにお
いて、該トレンチ内に砂などの粒状物を充填した後、粒
状物内に側壁の損傷防止および補強用の薬液を注入し、
粒状物を通じて前記側壁に含浸させ、所要時間経過後に
薬液除去し、次いで前記粒状物を取除いて側壁を復元さ
せることを特徴とする遺跡見学用地下通路の構築方法。 - 【請求項3】 前記粒状物充填の前に、前記側壁から所
定距離離してトレンチの長手方向に沿って前記コンクリ
ート上にスペーサとなるコンクリートブロックを設置す
るとともに、粒状物を取除く工程でコンクリートブロッ
クを撤去することを特徴とする請求項1または2に記載
の土層側壁の補強方法または遺跡見学用地下通路の構築
方法。 - 【請求項4】 前記側壁に透水性シートを配置し、前記
粒状物と側壁とを隔離することを特徴とする請求項1な
いし3のいずれかに記載の土層側壁の補強方法または遺
跡見学用地下通路の構築方法。 - 【請求項5】 予めトレンチの溝底部に、薬液の地下浸
透防止と見学者通路の床面を兼用したコンクリートを打
設し、または不透水性の板若しくはシートを敷くことを
特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の土層側
壁の補強方法または遺跡見学用地下通路の構築方法。 - 【請求項6】 前記コンクリート上に薬液の回収用パイ
プを配管し、地表部に該パイプに接続した循環ポンプを
設置し、該ポンプの駆動により薬液を循環回収すること
を特徴とする請求項5に記載の土層側壁の補強方法また
は遺跡見学用地下通路の構築方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP28111496A JP3800690B2 (ja) | 1996-10-23 | 1996-10-23 | 土層側壁の補強方法および遺跡見学用地下通路の構築方法 |
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Publications (2)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106837382A (zh) * | 2016-12-20 | 2017-06-13 | 北京中煤矿山工程有限公司 | 一种地铁隧道围岩地面预注浆加固工艺 |
CN109487776A (zh) * | 2018-11-05 | 2019-03-19 | 厦门海石生态环境股份有限公司 | 一种用于矿区的生态修复结构及减少水土流失的修复方法 |
CN112295770A (zh) * | 2020-11-05 | 2021-02-02 | 万光超 | 一种建筑深基坑内壁加压式喷涂机及其使用方法 |
-
1996
- 1996-10-23 JP JP28111496A patent/JP3800690B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN106837382B (zh) * | 2016-12-20 | 2019-09-24 | 北京中煤矿山工程有限公司 | 一种地铁隧道围岩地面预注浆加固工艺 |
CN109487776A (zh) * | 2018-11-05 | 2019-03-19 | 厦门海石生态环境股份有限公司 | 一种用于矿区的生态修复结构及减少水土流失的修复方法 |
CN112295770A (zh) * | 2020-11-05 | 2021-02-02 | 万光超 | 一种建筑深基坑内壁加压式喷涂机及其使用方法 |
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