JPH10121282A - 水電解用固体高分子電解質およびその製造法 - Google Patents

水電解用固体高分子電解質およびその製造法

Info

Publication number
JPH10121282A
JPH10121282A JP8272444A JP27244496A JPH10121282A JP H10121282 A JPH10121282 A JP H10121282A JP 8272444 A JP8272444 A JP 8272444A JP 27244496 A JP27244496 A JP 27244496A JP H10121282 A JPH10121282 A JP H10121282A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid polymer
polymer electrolyte
polyelectrolyte
water
electrolysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8272444A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyuki Takano
勝之 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Energy Corp filed Critical Japan Energy Corp
Priority to JP8272444A priority Critical patent/JPH10121282A/ja
Publication of JPH10121282A publication Critical patent/JPH10121282A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温での機械的特性に優れた水電解用固体高
分子電解質を提供する。 【解決手段】 固体高分子電解質に重合可能な基を有す
る化合物を含浸させた後、温度170〜240℃で重合
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水電解用固体高分
子電解質およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素系固体高分子電解質を利用して水
電解を行うことはすでに知られている。これは、固体高
分子電解質としてスルホン酸基を含むフッ素系樹脂膜
(たとえばデュポン社製ナフィオン膜)を用いてその両
面に電極を接合したものを基本ユニットとする電解槽を
使用するものである。図1は、そのユニットの構成とそ
れを用いた水電解の原理を説明する模式図である。図1
に示すように電極間に電圧を印加して陽極室側に水を供
給すると、陽極側で酸素ガスとH+が発生し、H+はスル
ホン酸基を介して膜を通過し陰極で電子を得て水素ガス
となる。このように固体高分子電解質を利用した水電解
法は、基本的な構成が単純であり、装置全体構成を簡易
化できる点において有利である。又、水電解の理論分解
電圧は、高温程低下するから、水電解は高温で行ない槽
電圧を低くしてエネルギー効率を高めることが有利とな
る。
【0003】しかしながら、高温電解を行うと、膜のガ
ス透過性、含水率が増大し、また膜材料が劣化するなど
の問題が生じる。このため使用される固体高分子電解質
には高温電解に耐える耐熱性、化学的安定性に優れ、か
つ機械的特性にも優れた材料が要求されている。
【0004】膜の強度を補強することに関連して、イオ
ン交換膜に重合性モノマーを含浸させて重合させること
は公知である(特開昭58−45233号)。しかし、
この方法はアルカリ金属塩の電解におけるフッ素系イオ
ン交換膜の電流効率など電気化学的性質の向上を主眼と
するもので、しかもそのための重合温度は80°程度で
あり、この方法を適用しても高温水電解の要球性能を十
分に満たした固体高分子電解質は得ることはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした実
情の下に高温での機械的特性に優れ水電解に耐える固体
高分子電解質を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、固体高分子電解質に重合可能な基を有する化合
物を含浸させ、特定の温度にて重合させることにより、
水電解時の槽電圧を上げないで固体高分子電解質の機械
的特性を劣化する含水率を低くすることができ、また強
度の尺度となる動的粘弾性によって測定される転移点を
上昇させて、クリープ変形による歪量の小さい固体高分
子電解質が得られることを見出し、本発明に至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1)固体高分子電
解質に重合可能な基を有する化合物を含浸された後、温
度170〜240℃で重合させてなる水電解用固体高分
子電解質、(2)固体高分子電解質に重合可能な基を有
する化合物を含浸させた後、温度170〜240℃で重
合させることを特徴とする水電解用固体高分子電解質の
製造法、に関する。
【0008】本発明に使用する固体高分子電解質として
は、例えばポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、
あるいはポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂な
どにスルホン酸基、クロロスルホン酸基、トリメチルア
ミンなどのイオン交換性官能基を導入した高分子などが
あるが、フッ素樹脂系が好ましい。これは、例えば「N
afion」としてデュポン社から市販されており、以
下に示すようにスルホン酸基を含有する化学構造単位を
有する化合物である。
【0009】
【化1】
【0010】また、上記高分子固体電解質に含浸させる
重合性化合物としては、脂肪族、芳香族系の化合物で重
合性二重結合を有する基を1ケ所以上結合している単量
体が用いられる。例えばスチレン、ジビニルベンゼン、
(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステル
類、ジアクリレート及びトリアクリレート等の多官能
(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロキシエチル
イソシアヌレート類、アクリルアミド類、酢酸ビニル、
アクリロニトリル等が用いられる。
【0011】上記固体高分子電解質に単量体を含浸させ
る方法は、常温、加温下あるいは常圧、加圧下で適宜実
施すればよい。又、固体高分子電解質を膨潤しやすい適
当な溶媒に単量体を溶解してこれに固体高分子電解質を
浸漬して含浸させた後、溶媒を乾燥させてもよい。溶媒
は例えばノルマルブタノール、イソプロピルアルコー
ル、2−エチルヘキサール、水、アセトニトリル、ブチ
ルセルソルブ等が用いられる。次に単量体を含浸させた
化合物を熱により重合させることによって本発明の固体
高分子電解質とすることができる。重合温度は170〜
240℃で好ましくは180〜230℃である。重合温
度が170℃より低い場合、転移点は逆に含浸前より低
下し、240℃より高い場合、転移点はより上昇するも
のの固体高分子電解質のイオン交換基の分解が起こり、
槽電圧が上昇する。
【0012】この場合、ラジカル重合開始剤を単量体と
ともに用いてもよい。ラジカル重合開始剤は、例えばベ
ンゾイルパーオキサイド、アゾビスブチロニトリル、t
ert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジクミル
パーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド、
tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピ
ルベンゼンハイドロパーオキサイド等が用いられる。
【0013】以上のようにして得られた本発明の水電解
用固体高分子電解質は、高温での水電解に好適であり、
例えば80〜150℃の水電解に十分に耐性を有する。
以下の実施例において本発明について具体的に説明する
が、以下の実施例によって本発明は何ら拘束されるもの
ではない。
【0014】実施例1 ジビニルベンゼン(DVB)10重量部、ターシャリー
ブチルパーオキシベンゾエート(TBPB)10重量部
を、溶媒としてノルマルブタノール(nBuOH)80
重量部に溶解し、この溶液に150℃で1時間乾燥した
Nafion117膜を60℃で0.5時間浸漬する。
膜を取り出し、その膜を60℃で0.5時間溶媒を乾燥
させた後、200℃で1時間重合させる。重合後膜は4
N塩酸水溶液で1時間煮沸し、その後純水中1時間煮沸
を行なう。
【0015】実施例2〜8 単量体、過酸化物および溶媒を表に示す化合物に変更し
た溶液を作製し、Nafion117膜を浸漬し、同じ
く表に示す条件で実施例1と同一の方法で膜の作製を行
った。なお、表においてTEAIはトリス(アクリロキ
シエチル)イソシアヌレートを、TEPEはtert−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを、IP
Aはイソプロピルアルコールを表わす。
【0016】比較例1および比較例2 比較例1は反応温度を150℃とし比較例2は反応温度
を250℃とした以外は実施例1と同一である。
【0017】試験方法 以下に示す方法で作製した膜の特性測定を行なった。 転移点;測定装置として東洋精機製レオロギラフソリッ
ドSを用い、周波数10Hz、昇温速度5℃/min、
サンプルサイズ10×21mmの条件で動的粘弾性測定
を行った。観察されるTanθの頂点の温度を転移点と
した。
【0018】含水率;温度140℃(オートクレーブ
中)の水中で1時間処理した膜の重量(W1g)を測定し
た後、150℃で1時間乾燥し再び重量(W2g)を測定
する。下の式により含水率を求めた。
【0019】
【数1】
【0020】クリープ歪量;クリープ試験器として
(株)オリエンテック製6本掛クリープ試験機CP6−
L−250を用い、サンプルの形状をつかみ間隔40m
m、平行部分幅6mmのダンベル型とし、温度80℃
(湿度の調整は行わず)、引張り荷重43.8kg/c
2の条件でクリープ歪量の測定を行った。もとのサン
プルの長さに対する20時間後の伸びの割合(%)をク
リープ歪量とした。
【0021】槽電圧;作製した膜を面積0.78cm2
の円盤状に切出し、これをIrO2を塗布した陽極と、
Pt黒を塗布した陰極にはさみ、これを水の入ったビー
カーに浸漬し、電流密度3A/cm2、温度80℃で水
電解を行った。そのときに示された電圧を槽電圧とし
た。
【0022】
【表1】
【0023】表1は反応温度を変更した場合の特性の変
化を表しており、Nafion単独に比べ、実施例1〜
3では含水率の低下および転移点の上昇がみられるが、
反応温度150℃の比較例1では転移点が低下し、反応
温度250℃の比較例2では槽電圧が大きく上昇してい
る。とくに実施例2はモノマー量を実施例1より増加さ
せた場合であるが、槽電圧が0.2V上昇したが、より
転移点が上昇していた。
【0024】
【表2】
【0025】表2の実施例4および比較例5は実施例1
のモノマーの種類を変更した場合、実施例6は過酸化物
の種類を変更した場合、実施例7は溶媒を変更した場合
である。いずれの場合もNafion単独に比べ、含水
率の低下および転移点の上昇がみられる。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明にしたがって、固体
高分子電解質に重合可能な基を有する化合物を含浸させ
た後重合させることにより、水電解時の槽電圧を上げな
いで固体高分子電解質単独に比較し、固体高分子電解質
の機械的特性を劣化する含水率を低下し、転移点を上昇
させ、クリープ歪量が小さい固体高分子電解質を得るこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子電解質を利用した水電解の原理図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質に重合可能な基を有す
    る化合物を含浸された後、温度170〜240℃で重合
    させてなる水電解用固体高分子電解質。
  2. 【請求項2】 固体高分子電解質がフッ素樹脂系固体高
    分子電解質である請求項1記載の水電解用固体高分子電
    解質。
  3. 【請求項3】 固体高分子電解質に重合可能な基を有す
    る化合物を含浸させた後、温度170〜240℃で重合
    させることを特徴とする水電解用固体高分子電解質の製
    造法。
  4. 【請求項4】 固体高分子電解質がフッ素樹脂系固体高
    分子高電解質である請求項3記載の水電解用固体高分子
    電解質の製造法。
JP8272444A 1996-10-15 1996-10-15 水電解用固体高分子電解質およびその製造法 Pending JPH10121282A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8272444A JPH10121282A (ja) 1996-10-15 1996-10-15 水電解用固体高分子電解質およびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8272444A JPH10121282A (ja) 1996-10-15 1996-10-15 水電解用固体高分子電解質およびその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10121282A true JPH10121282A (ja) 1998-05-12

Family

ID=17514007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8272444A Pending JPH10121282A (ja) 1996-10-15 1996-10-15 水電解用固体高分子電解質およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10121282A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015030913A (ja) * 2013-08-07 2015-02-16 トヨタ自動車株式会社 金属皮膜の成膜装置および成膜方法
US9840786B2 (en) 2013-08-07 2017-12-12 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Film deposition device of metal film and film deposition method

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015030913A (ja) * 2013-08-07 2015-02-16 トヨタ自動車株式会社 金属皮膜の成膜装置および成膜方法
US9840786B2 (en) 2013-08-07 2017-12-12 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Film deposition device of metal film and film deposition method
US10920331B2 (en) 2013-08-07 2021-02-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Film deposition device of metal film and metal film deposition method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2110464B1 (en) Ion-exchange membrane for alkali chloride electrolysis
US7910236B2 (en) Electrolyte material, electrolyte membrane and membrane-electrolyte assembly for polymer electrolyte fuel cells
JP5137174B2 (ja) シラン架橋構造を付与した燃料電池用高分子電解質膜の製造方法
JP2002334707A (ja) 多孔質の親水性膜
TW200524980A (en) Resins containing ionic or ionizable groups with small domain sizes and improved conductivity
JP4532812B2 (ja) 架橋フッ素樹脂基材からなる燃料電池用電解質膜
JP2009193825A (ja) 複合電解質膜及びその製造方法
JP2006344552A (ja) 架橋型電解質膜及びその製造方法
JP3739713B2 (ja) 優れた耐酸化性と広範囲なイオン交換量を有するフッ素系高分子イオン交換膜の製造方法
JP4953113B2 (ja) 優れた耐酸化性と高いイオン交換容量を有するフッ素系高分子イオン交換膜及びその製造方法
JPWO2005076396A1 (ja) 電解質膜および当該電解質膜を用いた燃料電池
JP3972125B2 (ja) 含フッ素系高分子イオン交換膜からなる燃料電池用電解質膜
KR20090102765A (ko) 전해질막
JP4247571B2 (ja) 電解質膜および当該電解質膜を用いた燃料電池
JP3932338B2 (ja) フッ素系高分子イオン交換膜からなる燃料電池用電解質膜
JP2002348389A (ja) 広いイオン交換容量を有するフッ素系高分子イオン交換膜及びその製造方法
JP4429851B2 (ja) 耐久性に優れた電解質膜
JP4219656B2 (ja) 燃料電池用電解質膜
JP4822389B2 (ja) 耐酸化性の優れた電解質膜
JPH10121282A (ja) 水電解用固体高分子電解質およびその製造法
JP2004010744A (ja) 大きなイオン交換容量と優れた耐酸化性を有するフッ素系高分子共重合体及びその製造方法
WO2017170055A1 (ja) ペルフルオロブロックポリマー、液状組成物、固体高分子電解質膜、および固体高分子形燃料電池用膜電極接合体
JP2004300360A (ja) グラフト高分子イオン交換膜からなる燃料電池用電解質膜の製造方法
JP4645794B2 (ja) 固体高分子電解質膜及び燃料電池
JP2006307051A (ja) 固体高分子電解質膜及びその製造方法、並びに燃料電池