JPH10120612A - アシル基置換芳香族化合物製造用触媒およびアシル基置換芳香族化合物の製造方法 - Google Patents

アシル基置換芳香族化合物製造用触媒およびアシル基置換芳香族化合物の製造方法

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JPH10120612A
JPH10120612A JP27575596A JP27575596A JPH10120612A JP H10120612 A JPH10120612 A JP H10120612A JP 27575596 A JP27575596 A JP 27575596A JP 27575596 A JP27575596 A JP 27575596A JP H10120612 A JPH10120612 A JP H10120612A
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catalyst
aromatic compound
zeolite
substituted aromatic
reaction
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JP27575596A
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Masao Morimoto
正雄 森本
Masahiro Inohara
雅博 井ノ原
Yoichi Mori
与一 森
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/45Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by condensation
    • C07C45/46Friedel-Crafts reactions

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のアシル基置換芳香族ケトンの製造方法
では、フリーデル・クラフツ触媒が用いられるが、この
触媒は、一般に化学量論以上必要であり、反応後、アシ
ル化合物を単離する際、加水分解により塩酸をはじめと
する多量の廃棄物が発生するなど、多くの操作上および
環境上の解決すべき問題を抱えている。また、その代替
法と考えられるゼオライトを用いたアシル化反応では、
アシル化剤の選択性が低く、工業化には問題がある。 【解決手段】 芳香族化合物とカルボン酸またはその誘
導体を、シラン合物で処理したゼオライトの存在下で反
応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族化合物とカ
ルボン酸またはその誘導体を、シラン化合物で処理した
ゼオライトを含む触媒の存在下で反応させて、アシル基
置換芳香族化合物を製造する触媒および製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のアシル基置換芳香族化合物の製造
方法としては、一般的に触媒として塩化アルミニウム、
塩化鉄または三フッ化ホウ素などのルイス酸、またはフ
ッ化水素酸などのプロトン酸を用い、芳香族化合物とカ
ルボン酸クロリドあるいはカルボン酸無水物などとフリ
ーデル・クラフツ型アシル化反応を行わせる方法が知ら
れている。これらの触媒は、一般的には化学量論以上必
要とされ、工業的に実施される場合、装置に対する腐食
性が高いという問題および反応後、アシル化合物を単離
する際、加水分解により塩酸をはじめとする多量の廃棄
物が発生するなど、多くの操作上および環境上の解決す
べき問題をかかえていることは十分知られている。
【0003】それゆえ、これらの触媒におき代わる、非
腐食性の高価でない固体酸触媒を見いだすことは長い間
の研究目的であった。この目的を達成するために種々の
型のゼオライト触媒が提案されてきた。
【0004】特に通常、フリーデル・クラフツ型反応が
起こり易い芳香族エーテル化合物およびフェノール化合
物のアシル化に関する方法が数多く開示されている(米
国特許4,668,826号、米国特許4,652,683
号、欧州特許334,096号、特開平1−29924
6号公報、特開平4−235941号公報、特開平5−
37975号公報 、特開平4−221336号公報な
ど)。
【0005】また、芳香族エーテル化合物やフェノール
化合物よりアシル化反応性の低い芳香族炭化水素のアシ
ル化反応についても、欧州特許239,383号、特開
平4−279545号公報、仏国特許2592039
号、特開平4−221336号公報、特開昭63−20
3642号公報に開示されている。
【0006】一方、ゼオライトのシラン化合物による処
理に関しては既に知られている。具体的には、ジメチル
シランのようなアルキルシラン化合物、およびフェニル
メチルシロキサンのようなシロキサン化合物による処理
は特公平4−54620号公報に、ジシランによる処理
はZeolites,10,137(1990)に、また、テトラメトキシシ
ランのようなシリケート化合物による処理は触媒,25,37
1(1983)およびJ.Phys.Chem.,90,6233(1986)に記載され
ている。以上の処理方法は主にゼオライトの細孔径を制
御することを目的としており、処理触媒はp−ジアルキ
ル置換ベンゼンの選択的製造用触媒として、あるいはパ
ラフィン異性体の選択的クラッキング触媒として有効で
あることが示されている。その他、四塩化ケイ素による
処理はStud.Surf.Sci.Catal.,5,203(1980)、Zeolites,
3,5(1983)およびZeolites,6,107(1986)に記載されてお
り、外表面酸点の除去や高シリカゼオライトの合成が主
な目的であり、処理触媒は疎水性吸着剤、あるいは芳香
族化合物の選択的アルキル化触媒として有効であること
が示されている。
【0007】これら公知例において、選択性の増大を目
的としたシラン合物によるゼオライトの処理は、ゼオラ
イト細孔外表面上にシリカネットワークを形成させて細
孔径を制御することが重要であり、形状選択性を増大さ
せる場合に限定される。つまり、アルキル置換ベンゼン
ではo−あるいはm−置換化合物に比べp−置換化合物
への選択性の増大を、また、パラフィン類では側鎖を有
する化合物に比べ直鎖化合物に対する選択性の増大を目
的としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ゼオライト触媒をアシ
ル化反応に用いた場合、非腐食性であることは認められ
た利点であるにもかかわらず、活性は、まだ十分ではな
い。しかも、ゼオライトを含む触媒を芳香族化合物のア
シル化反応に用いた場合、生成物であるアシル基置換芳
香族化合物は反応性が高く、生成物同士がアルドール縮
合を起こして消費され、反応に用いたカルボン酸または
その誘導体のアシル化選択性が低くなるという問題点が
存在する。コスト面からカルボン酸またはその誘導体の
アシル化選択性を向上させることは不可欠であり、実用
的なアシル基置換芳香族化合物の製造法の創出が強く望
まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、課題を解
決すべく鋭意検討を行った結果、シラン化合物で処理し
たゼオライト触媒を用いると、意外にもアシル化反応に
用いたカルボン酸またはその誘導体のアシル化選択性が
増大することを見いだし、本発明に至った。
【0010】つまり、シラン化合物で処理したゼオライ
ト触媒を用いることにより、アシル基置換芳香族化合物
の副反応が抑制されたことを表し、さらにアルキル置換
芳香族化合物の場合には、形状選択性の増大により、p
−置換芳香族化合物などの分子径の小さい化合物に対す
る選択性が増大することを意味している。
【0011】すなわち、本発明は、芳香族化合物と、カ
ルボン酸またはその誘導体を反応させてアシル基置換芳
香族化合物を製造するに際し、シラン化合物で処理した
ゼオライトを含む触媒の存在下で反応せしめることを特
徴とする、アシル基置換芳香族化合物の製造方法であ
る。
【0012】本発明でいうアシル基置換芳香族化合物と
は、芳香環に直結したカルボニル基を有する芳香族化合
物なら本質的にいずれのものでもよい。具体的には次の
化合物が挙げられる。アセトフェノン、プロピオフェノ
ン、ブチロフェノン、イソブチロフェノン、バレロフェ
ノン、ヘキサノフェノン、2,2−ジメチルプロピオフ
ェノン、p−メチルアセトフェノン、m−メチルアセト
フェノン、o−メチルアセトフェノン、p−メチルプロ
ピオフェノン、m−メチルプロピオフェノン、o−メチ
ルプロピオフェノン、p−エチルプロピオフェノン、m
−エチルプロピオフェノン、o−エチルプロピオフェノ
ン、p−ブチルアセトフェノン、p−イソブチルアセト
フェノン、p−t−ブチルアセトフェノン、2’,4’
−ジメチルアセトフェノン、3’,4’−ジメチルアセ
トフェノン、2’,4’,6’−トリメチルアセトフェ
ノン、2−フルオロアセトフェノン、2−クロロアセト
フェノン、2−ブロモアセトフェノン、2−フルオロプ
ロピオフェノン、3−フルオロプロピオフェノン、2−
クロロプロピオフェノン、3−クロロプロピオフェノ
ン、2−ブロモプロピオフェノン、3−ブロモプロピオ
フェノン、2−ブロモイソブチロフェノン、2,2−ジ
クロロアセトフェノン、p−t−ブチル−4−クロロブ
チロフェノン、フェニルビニルケトン、ベンゾフェノ
ン、アントラキノン、p−メチルベンゾフェノン、m−
メチルベンゾフェノン、o−メチルベンゾフェノン、p
−エチルベンゾフェノン、m−エチルベンゾフェノン、
o−エチルベンゾフェノン、2,5−ジメチルベンゾフ
ェノン、2,4−ジメチルベンゾフェノン、3,4−ジ
メチルベンゾフェノン、p−フルオロアセトフェノン、
m−フルオロアセトフェノン、o−フルオロアセトフェ
ノン、p−フルオロプロピオフェノン、m−フルオロプ
ロピオフェノン、o−フルオロプロピオフェノン、p−
ブロモアセトフェノン、m−ブロモアセトフェノン、o
−ブロモアセトフェノン、p−クロロアセトフェノン、
m−クロロアセトフェノン、o−クロロアセトフェノ
ン、p−クロロプロピオフェノン、o−クロロプロピオ
フェノン、m−クロロプロピオフェノン、p−ブロモプ
ロピオフェノン、o−ブロモプロピオフェノン、m−ブ
ロモプロピオフェノン、p−ヨードアセトフェノン、
2,2’,4’−トリクロロアセトフェノン、2’,
4’−ジクロロアセトフェノン、2’,4’−ジクロロ
ブチロフェノン、2’,4’−ジクロロバレロフェノ
ン、p−ブロモベンゾフェノン、o−クロロベンゾフェ
ノン、m−クロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフ
ェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、m−ト
リフルオロメチルアセトフェノン、p−ヒドロキシアセ
トフェノン、m−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒド
ロキシアセトフェノン、p−ヒドロキシプロピオフェノ
ン、m−ヒドロキシプロピオフェノン、o−ヒドロキシ
プロピオフェノン、p−ヒドロキシバレロフェノン、
2’,4’−ジヒドロキシアセトフェノン、2’,5’
−ジヒドロキシアセトフェノン、2’,6’−ジヒドロ
キシアセトフェノン、3’,5’−ジヒドロキシアセト
フェノン、2’,4’−ジヒドロキシプロピオフェノ
ン、2’,5’−ジヒドロキシプロピオフェノン、o−
ヒドロキシベンゾフェノン、p−ヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾ
フェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェ
ノン、5’−ブロモ−2’−ヒドロキシアセトフェノ
ン、5’−クロロ−2’−ヒドロキシアセトフェノン、
5’−フルオロ−2’−ヒドロキシアセトフェノン、2
−クロロ−3’,4’−ジヒドロキシアセトフェノン、
pーメトキシアセトフェノン、m−メトキシアセトフェ
ノン、o−メトキシアセトフェノン、2−メトキシアセ
トフェノン、p−エトキシアセトフェノン、2’,2’
−ジエトキシアセトフェノン、2’,4’−ジメトキシ
アセトフェノン、2’,5’−ジメトキシアセトフェノ
ン、2’,6’−ジメトキシアセトフェノン、3’,
4’−ジメトキシアセトフェノン、3’,5’−ジメト
キシアセトフェノン、2−ブロモ−p−メトキシアセト
フェノン、2−ブロモ−m−メトキシアセトフェノン、
2−ブロモ−o−メトキシアセトフェノン、2−クロロ
−p−メトキシアセトフェノン、2−クロロ−m−メト
キシアセトフェノン、2−クロロ−o−メトキシアセト
フェノン、2−フルオロ−p−メトキシアセトフェノ
ン、2−フルオロ−m−メトキシアセトフェノン、2−
フルオロ−o−メトキシアセトフェノン、2’−フルオ
ロ−4’−メトキシアセトフェノン、3’−フルオロ−
4’−メトキシアセトフェノン、2’−ヒドロキシ−
5’−メチルアセトフェノン、4’−ヒドロキシ−2’
−メチルアセトフェノン、4’−ヒドロキシ−3’−メ
チルアセトフェノン、2’,4’−ジヒドロキシ−3’
−メチルアセトフェノン、2’−ヒドロキシ−4’−メ
トキシアセトフェノン、2’−ヒドロキシ−5’−メト
キシアセトフェノン、2’−ヒドロキシ−6’−メトキ
シアセトフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、2
−ブロモ−2’,4’−ジメトキシアセトフェノン、2
−ブロモ−2’,5’−ジメトキシアセトフェノン、4
−クロロブチロフェノン、4−クロロ−4’−ヒドロキ
シブチロフェノン、2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジ
メチルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロピオフェノン、2’,4’−ジヒドロキシ−3’−メ
チルプロピオフェノン、3’,5’−ジメトキシ−4’
−ヒドロキシアセトフェノン、p−ブロモバレロフェノ
ン、2’,4’−ジヒドロキシ−3’−メチルブチロフ
ェノン、4−メトキシベンゾフェノン、p−フェノキシ
アセトフェノン、2’,4’−ジメトキシ−3’−メチ
ルアセトフェノン、1’−アセトナフトン、2’−アセ
トナフトン、1’−ヒドロキシ−2’−アセトナフト
ン、2’−ヒドロキシ−1’−アセトナフトン、2−ブ
ロモ−2’−アセトナフトン、2’,4’−ジメトキシ
−3’−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−
4’−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−メチルプロピ
オフェノン、4−クロロ−4’−ヒドロキシベンゾフェ
ノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2
−アミノ−2’,5−ジクロロベンゾフェノン、2−フ
ルオロベンゾフェノン、4−フルオロベンゾフェノン、
4−フルオロ−4’−ヒドロキシベンゾフェノン、2−
アミノ−5−クロロベンゾフェノン、6’−メチル−
2’−アセトナフトン、6’−メトキシ−2’−アセト
ナフトン、5−クロロ−2−ヒドロキシ−4−メチルベ
ンゾフェノン、5−クロロ−2−(メチルアミノ)ベン
ゾフェノン、4−アセチルビフェニル、ベンジル−4−
ヒドロキシフェニルケトン、2−ヒドロキシ−5−メチ
ルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−(フェニルスルホニル)アセトフェノ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、6’−メトキシ−2’−プロピオノナフトン、
2’−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオフェノン、
4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒ
ドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−
フェニルブチロフェノン、4’−ベンゾイルオキシ−
2’−ヒドロキシ−3’−メチルアセトフェノン、2,
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−モ
ルホリノベンゾフェノン、t−ブチル−4−フェノキシ
フェニルケトン、4’−ベンジルオキシ−2’−ヒドロ
キシ−3’−メチルプロピオフェノン、4’−ベンジル
オキシ−2’−メトキシ−3’−メチルアセトフェノ
ン、4−ベンゾイルビフェニル、1−(2−ナフチル)
−3−フェニル−2−プロペン−1−オン、4−(p−
トリイルチオ)ベンゾフェノン、1−インダノン、2−
メチル−1−インダノン、3−メチル−1−インダノ
ン、4−メトキシ−1−インダノン、5−メトキシ−1
−インダノン、6−メトキシ−1−インダノン、4−ヒ
ドロキシ−1−インダノン、α−テトラロン、5−ヒド
ロキシ−1−テトラロン、1−ベンゾスベロンなど。
【0013】本発明で使用される芳香族化合物は、特に
制限はないが、好ましくは芳香族炭化水素、芳香族エー
テル化合物、フェノール化合物である。さらに好ましく
はアルキル基を有しない芳香族化合物である。
【0014】芳香族化合物の代表的な例は次の通りであ
り、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−プロピ
ルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼ
ン、イソブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、n−ア
ミルベンゼン、2−アミルベンゼン、3−アミルベンゼ
ン、イソアミルベンゼン、t−アミルベンゼン、o−キ
シレン、m−キシレン、p−キシレン、o−エチルトル
エン、m−エチルトルエン、p−エチルトルエン、o−
ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチ
ルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,
2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチル
ベンゼン、ナフタレン、α−メチルナフタレン、β−メ
チルナフタレン、ビフェニル、スチレンなどの芳香族炭
化水素、フルオロベンゼン、クロロベンゼン、ブロモベ
ンゼン、クロロメチルベンゼン、o−ジクロロベンゼ
ン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼンなど
の芳香族ハロゲン化物、フェノール、o−クレゾール、
m−クレゾール、p−クレゾール、o−クロロフェノー
ル、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、カ
テコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロー
ルなどのフェノール化合物、アニソール、ビフェニルエ
ーテル、バニリンなどの芳香族エーテル化合物を例示で
きる。この中でも特に、ベンゼン、ナフタレンが好まし
い。
【0015】本発明で用いるカルボン酸またはその誘導
体としては脂肪族カルボン酸またはその誘導体が好まし
く使用でき、誘導体としてはカルボン酸ハライド、カル
ボン酸エステルまたはカルボン酸無水物が好ましく使用
できる。具体的な例は次の通りである。酢酸、酢酸クロ
リド、酢酸ブロミド、無水酢酸、酢酸メチル、プロピオ
ン酸、プロピオン酸クロリド、プロピオン酸ブロミド、
無水プロピオン酸、プロピオン酸メチル、n−酪酸、n
−酪酸クロリド、n−酪酸ブロミド、無水n−酪酸、n
−酪酸メチル、イソ酪酸、イソ酪酸クロリド、イソ酪酸
ブロミド、無水イソ酪酸、イソ酪酸メチル、クロロ酢
酸、クロロ酢酸クロリド、ジクロロ酢酸、ジクロロ酢酸
クロリド、アクリル酸、アクリル酸クロリド、メタクリ
ル酸、メタクリル酸クロリド、フェニル酢酸クロリド、
無水マロン酸、無水こはく酸、安息香酸、安息香酸クロ
リド、無水安息香酸、p−エチル安息香酸、m−エチル
安息香酸、o−エチル安息香酸、p−クロロ安息香酸、
p−トルイル酸、m−トルイル酸、o−トルイル酸など
を例示できる。特に好ましく使用できるのは酢酸などの
カルボン酸であり、誘導体として好ましく使用できるの
は、酢酸クロリドのようなカルボン酸クロリドである。
【0016】本発明で使用される触媒であるゼオライト
は、いずれの構造のものでもよいが、好ましくは、ベー
タ型、ペンタシル型、ホージャサイト型およびモルデナ
イト型であり、さらに好ましくはベータ型ゼオライトで
ある。
【0017】本発明で使用されるゼオライトは、合成し
たものを用いてもよいし、また市販のものを用いてもよ
い。ベータ型ゼオライトの合成法は例えば米国特許3,
308,069号に、ペンタシル型ゼオライトの合成法
は例えば米国特許3,702,886号、米国特許4,
511,547号に、モルデナイト型ゼオライトの合成
法は例えば特公昭47−46677号公報に、ホージャ
サイト型ゼオライトの合成法は例えば特公昭38−58
06号公報などに開示されている。
【0018】ゼオライト中のカチオンは、イオン交換に
より容易に交換できる。カチオンのイオン交換法は結晶
性アルミノシリケートの製造に関する知識を有する当業
者には広く知られており、通常はゼオライトに加えよう
とする1種または2種以上のカチオンの可溶性塩の水溶
液にそのゼオライトを接触させることによって実施され
得る。この接触は必要に応じて数回繰り返して行っても
よい。特に、酸型ゼオライトを調製する場合には、アン
モニウムイオンを含む水溶液を用いたイオン交換により
アンモニウム型に変換した後、焼成することで得られ
る。
【0019】さらに、本発明において用いられる触媒
は、ゼオライトをそのまま用いてもよいし、成型体とし
て用いてもよい。成型法は、特に制限されるものではな
く、押出法、圧縮法など公知の方法が適用できる。成型
の際に必要ならば、シリカ、アルミナ、シリカアルミ
ナ、マグネシアあるいは粘土鉱物などのバインダーを用
いてもよい。
【0020】また、本発明で使用される処理剤であるシ
ラン化合物は、ケイ素を含んでいれば本質的にどのよう
な構造のものでも構わないが、好ましくは、次の2通り
のいずれかの構造を有する化合物である。一つは、R1 n
Si(0R24-n(R1、R2はそれぞれアルキル基、ア
ルケニル基またはアリール基であり、R1とR2は同一で
あっても異なっていても良い。nは0以上3以下の整数
を表す)で表される構造であり、具体的には、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキ
シシラン、テトラブトキシシラン、テトラペントキシシ
ラン、テトラアリロキシシラン、テトラフェノキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリエトキシ
シラン、プロピルトリエトキシシシラン、ブチルトリエ
トキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、p−メチルフェニルトリ
エトキシシラン、m−メチルフェニルトリエトキシシラ
ン、o−メチルフェニルトリエトキシシラン、p−エチ
ルフェニルエトキシシラン、ナフチルトリエトキシシラ
ン、p−ビフェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジ
エトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチル
エチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、
トリエチルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラ
ンなどが挙げられ、好ましくは、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキ
シシランまたはビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシランなどが挙げられる。
【0021】また、もう一つは、SiQ1234(Q
1、Q2、Q3はそれぞれアルキル基、アルケニル基、ア
リール基、水素またはハロゲン基であり、各々は同一で
あっても異なっていても良い。Q4は水素またはハロゲ
ン基である。)で表せる構造あり、具体的には、トリメ
チルシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルブロ
モシラン、トリメチルフルオロシラン、トリメチルヨー
ドシラン、トリエチルシラン、トリエチルクロロシラ
ン、トリエチルブロモシラン、トリエチルフルオロシラ
ン、トリエチルヨードシラン、トリn−プロピルシラ
ン、トリn−プロピルクロロシラン、トリイソプロピル
シラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリn−ブチ
ルシラン、トリn−ブチルクロロシラン、トリイソブチ
ルシラン、トリイソブチルクロロシラン、トリt−ブチ
ルシラン、トリt−ブチルクロロシラン、トリフェニル
シラン、トリフェニルクロロシラン、トリ−1−ナフチ
ルシラン、トリ−1−ナフチルクロロシラン、トリ−2
−ナフチルシラン、トリ−2−ナフチルクロロシラン、
トリビニルシラン、トリビニルクロロシラン、トリアリ
ルシラン、トリアリルクロロシラン、トリシクロヘキシ
ルシラン、トリシクロヘキシルクロロシラン、ジメチル
シクロヘキシルシラン、メチルジシクロヘキシルシラ
ン、シクロペンチルジメチルシラン、シクロペンチルジ
クロロシラン、ジメチルシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、ジメチルクロロシラン、ジフェニルシラン、ジフェ
ニルジクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルクロロシラン、メチルエチ
ルシラン、メチルエチルクロロシラン、メチルエチルジ
クロロシラン、メチルフェニルシラン、メチルフェニル
クロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、メチル
ビニルシラン、メチルビニルクロロシラン、メチルビニ
ルジクロロシラン、メチルシラン、メチルクロロシラ
ン、メチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、
(シクロヘキシルメチル)ジクロロシラン、フェニルジ
クロロシラン、ビニルジクロロシラン、シラン、テトラ
クロロシラン、テトラフルオロシラン、1,1,2,2-テトラ
メチルジシラン、ヘキサクロロジシロキサン、1,1,3,3-
テトラメチルジシロキサンなどが挙げられ、好ましく
は、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリメチル
クロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリn−プロ
ピルシランまたはトリイソプロピルシランのようなQ1
=Q2=Q3のものが挙げられる。
【0022】本発明のゼオライト触媒はシリカを担持す
ることが重要であり、処理条件は液相であっても気相で
あっても構わない。つまり、シリケート化合物の溶液、
好ましくはアルコール溶液に含浸および/または混練す
るか、もしくはシラン化合物の蒸気に接触させることに
より得られる。
【0023】この際の処理温度は特に限定されないが、
液相の場合、操作の容易さから室温付近から100℃が
好ましく、気相の場合、シラン化合物の蒸気圧が1〜3
00mmHgとなるような温度が好ましい。
【0024】液相の場合、シラン化合物の溶液、または
シラン化合物そのものに触媒を含浸させて処理を行う。
【0025】シラン化合物の処理剤溶液の使用量は、ゼ
オライトを含浸できる量が有れば、本質的にいくらでも
構わないが、好ましくは、ゼオライトの絶乾重量に対し
て固液比で0.1〜10であり、特に好ましくは0.5
〜5である。この場合、処理を施す時間は、ゼオライト
と処理剤溶液が瞬間的にでも接触すればよく、それ以降
接触させた状態でどれだけ放置しても構わないが、好ま
しくは1時間〜1週間であり、さらに好ましくは1時間
〜12時間である。
【0026】一方、気相の場合、シラン化合物蒸気はそ
のまま触媒と接触させてもよいが、好ましくは窒素など
の不活性ガスにより0.1〜50vol%に、特に好ま
しくは1〜20vol%に薄めて触媒と接触させるのが
よい。処理時間は処理温度におけるシラン化合物の蒸気
圧と蒸着させたい量により決定される。
【0027】本発明の触媒をアシル基置換芳香族化合物
の製造に用いる場合は、ゼオライトにシラン処理を施す
時期は、特に限定されず、アンモニウム型にイオン交換
する前でも後でも良く、また酸型に変換した後でも良
い。
【0028】また、本発明で用いるゼオライトは、必要
に応じて、2種以上のゼオライトを混合して用いてもよ
い。
【0029】ゼオライト触媒の使用量は、反応方法によ
って異なるが、回分操作あるいは半回分操作などでは反
応させるべき有機反応物の全量に対して0.1〜100
重量%、好ましくは1〜50重量%で、また連続操作ま
たは断続操作では、触媒重量当たりの反応させるべき有
機反応物の、時間当たりの供給重量比として、0.1〜
30h-1の比、好ましくは0.1〜5h-1の比で、一般
的に使用される。
【0030】本発明で使用される芳香族または脂肪族カ
ルボン酸、またはそれらの誘導体であるカルボン酸ハラ
イド、エステル、カルボン酸無水物などであり、好まし
くは脂肪族カルボン酸、またはその誘導体である。
【0031】アシル化反応は、一般に、反応物だけで行
われるが、もちろん溶媒を用いることも可能である。適
当な溶媒としては、反応条件下に用いるゼオライトおよ
びアシル化剤に対して不活性なもの、例えば、シクロヘ
キサン、石油エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ニトロベンゼンおよび二硫化炭素などが挙げ
られる。溶媒の使用量は、通常、反応させるべき有機反
応物の全量に対して1〜10倍量使用される。
【0032】本反応は気相反応、液相反応いずれでも良
いが、好ましくは液相反応である。本発明において使用
される温度は、通常20〜500℃、好ましくは20〜
350℃である。このとき、反応時間は、回分操作ある
いは半回分操作などでは、通常0.1〜24時間、好ま
しくは0.5〜10時間である。また連続操作または断
続操作では、空間速度(WHSV=時間当たりの重量空
間速度)として、0.1〜30h-1、好ましくは0.1
〜5h-1の範囲である。
【0033】本発明のアシル基置換芳香族化合物の製造
方法は反応系内に水素が存在していても良い。詳しい条
件は特願平8−92204に記載されているが、水素が
存在する場合、その存在量は芳香族化合物とアシル化剤
を含む供給原料に対して、1×10-3mol/mol以上が好
ましい。より好ましくは1×10-2mol/mol以上であ
る。あまり多すぎると経済性の面で不利となるので上限
は反応性と経済性のバランスで決まる。
【0034】また、水素を存在させて反応する場合、水
素共存効果を高めるために、触媒に水素活性化能を有す
る金属を担持しても良い。水素活性化能を有する金属と
は例えば、金、白金、パラジウム、レニウム、ロジウ
ム、ルテニウム、銀、コバルト、ニッケル、タングステ
ン、鉄、クロムなどが挙げられるが、この限りではな
い。
【0035】反応終了後は、反応混合物から生成したア
シル基置換芳香族化合物は通常の蒸留法、晶析法あるい
はクロマトグラフィー法などによって分離、精製するこ
とができる。また、未反応原料が回収されるとき、再び
アシル化反応に使用することもできる。
【0036】
【実施例】以下に本発明の実施例をもって説明するが、
本発明はこれに規定されるものではない。また、実施例
中で触媒処理に用いたテトラエトキシシランはキシダ化
学製、テトラブトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、トリイソプロピルシ
ランは東京化成製、トリフェニルエトキシシランは信越
化学製、トリメチルクロロシランはチッソ製の特級試薬
を用い、アシル化反応に用いたベンゼン、プロピオン酸
はNacalai Tesque製の特級試薬をそのまま用いた。
【0037】(触媒調製) 触媒1 まず、PQコーポレーション製CP−806
β25(SiO2/Al2O3モル比25)のNa型ベータ型ゼオ
ライト粉末を室温から350℃まで昇温し、さらに55
0℃まで50℃刻みに1時間おきに昇温して、最後に5
50℃で3時間保持することにより焼成した。これを打
錠成型した後、破砕し、粒径0.7〜1.4mmに整粒
し、500℃で3時間焼成した。この触媒を固液比3で
85℃の10重量%塩化アンモニウム水溶液に約1時間
浸した。その後、その触媒を100gのイオン交換水の
中に入れ、30分間、85℃中に保つ、という一連の操
作を7回繰り返した。続いてこの触媒を120℃で一晩
乾燥した後、500℃で3時間焼成し、酸型ゼオライト
とした。
【0038】触媒2 PQコーポレーション製CP−
806β25(SiO2/Al2O3モル比25)のNa型ベータ
型ゼオライト粉末を室温から350℃まで昇温し、さら
に550℃まで50℃刻みに1時間おきに昇温して、最
後に550℃で3時間保持することにより焼成した。こ
れを打錠成型した後、破砕し、粒径0.7〜1.4mm
に整粒し、500℃で3時間焼成した。続いてこの触媒
10gを窒素雰囲気下で8.9wt%テトラエトキシシ
ランのエタノール溶液20gに含浸させ、1時間おきに
軽く振りながら室温で3時間放置した。その後、エタノ
ールで洗浄し、120℃で一晩乾燥した。次にこの触媒
を固液比3で85℃の10重量%塩化アンモニウム水溶
液に約1時間浸した。その後、その触媒を100gの精
製水の中に入れ、30分間、85℃中に保ち、水洗す
る、という操作を7回繰り返した。続いてこの触媒を1
20℃で一晩乾燥した後、500℃で3時間焼成し、テ
トラエトキシシラン液相処理触媒を調製した。
【0039】触媒3 触媒2の調製法において、テト
ラエトキシシランのエタノール溶液を8.9wt%テト
ラn−ブトキシシランのn−ブタノール溶液に変える以
外、同様の方法でテトラブトキシシラン処理触媒を調製
した。
【0040】触媒4 触媒2の調製法において、テト
ラエトキシシランのエタノール溶液をフェニルトリエト
キシシランのエタノール溶液に変える以外、同様の方法
でフェニルトリエトキシシラン液相処理触媒を調製し
た。
【0041】触媒5 図1に示すように、9.0gの
触媒1を内径26mmの石英反応管に、約80mlのテ
トラエトキシシランを200mlの3つ口フラスコに入
れて6.78l/hの窒素ガスを窒素ライン1より20
分間フラスコ内のフェニルトリエトキシシランに吹き込
み、石英反応管へフェニルトリエトキシシランの蒸気を
送り込んだ。ただし、この処理の間、フラスコ内の温度
は133℃、触媒層内の温度は240℃に保ち、窒素ラ
イン2は閉止していた。こうしてテトラエトキシシラン
気相処理触媒を調製した。
【0042】触媒6 触媒2の調製法において、8.
9wt%テトラエトキシシランのエタノール溶液を5.
0wt%トリフェニルエトキシシランのベンゼン溶液に
変える以外、同様の方法でトリフェニルエトキシシラン
処理触媒を調製した。
【0043】触媒7 触媒2の調製法において、8.
9wt%テトラエトキシシランのエタノール溶液を5.
0wt%ビニルトリエトキシシランのエタノール溶液に
変える以外、同様の方法でビニルトリエトキシシラン処
理触媒を調製した。
【0044】触媒8 PQコーポレーション製のSiO2
/Al2O3モル比25のNa型ベータ型ゼオライト粉末を室
温から350℃まで昇温し、さらに550℃まで50℃
刻みに1時間おきに昇温して、最後に550℃で3時間
保持することにより焼成した。これを打錠成型した後、
破砕し、粒径0.7〜1.4mmに整粒し、500℃で
3時間焼成した。続いてこの触媒10gを窒素雰囲気下
でトリイソプロピルシラン20gに含浸させ、1時間お
きに軽く振りながら室温で3時間放置した。その後、エ
ーテルで洗浄し、120℃で一晩乾燥した。次にこの触
媒を固液比3で85℃の10重量%塩化アンモニウム水
溶液に約1時間浸した。その後、その触媒を100gの
精製水の中に入れ、30分間、85℃中に保ち、水洗す
る、という操作を7回繰り返した。続いてこの触媒を1
20℃で一晩乾燥した後、500℃で3時間焼成しトリ
イソプロピルシラン液相処理触媒を調製した。
【0045】触媒9 図1に示すように、9.0gの
触媒1を内径26mmの石英反応管に入れ、約80ml
のトリイソプロピルシランを200mlの3つ口フラス
コに入れた。続いて窒素ライン1から4.44l/hの
窒素ガスを1時間フラスコ内のトリイソプロピルシラン
に吹き込んだ。また、窒素ライン2から蒸気の出口に
2.00l/hの窒素ガスを流した。ただし、この処理
の間、フラスコ内の温度は66℃、触媒層内の温度は1
80℃に保った。こうしてトリイソプロピルシラン気液
相処理触媒を調製した。
【0046】触媒10 触媒8の調製法において、ト
リイソプロピルシランをトリメチルクロロシランに変え
る以外、同様の方法でトリメチルクロロシラン処理触媒
を調製した。
【0047】(触媒活性評価) 実施例1 テトラエトキシシラン処理触媒(触媒2)5.22gを
外径3/8インチ、肉厚1.2mmのステンレスパイプ
に詰め、そこにベンゼンとプロピオン酸の4:1(モル
比)混合液を、WHSV=1.8h-1で送液し、固定床
流通反応を行った。この反応系内に水素ガスを供給原料
に対して0.18mol/molの割合で供給した。系
内の圧力は、8.8MPaに保ち、反応温度は270℃
とした。反応生成物であるプロピオフェノン生成量はガ
スクロマトグラフィーにより分析し、供給原料中のプロ
ピオン酸を基準とした収率で算出した。その結果を表1
に示す。ただし、表中の収率とは反応12時間後のプロ
ピオフェノンのモル収率を表し、選択率とは反応12時
間後の(プロピオフェノンモル収率/プロピオン酸のモ
ル消費量)×100の値である。本発明の実施例におけ
る主な副生物は、ジメチルインダン、メチルテトラリ
ン、ジフェニルメタン、安息香酸などであり、選択性の
増大はこれら副生物の減少を意味している。。
【0048】実施例2 実施例1において、テトラエトキシシラン処理触媒(触
媒2)をテトラブトキシシラン処理触媒(触媒3)に変
える以外は実施例1と同じ方法で反応を行った。その結
果を表1に示す。
【0049】実施例3 実施例1において、テトラエトキシシラン処理触媒(触
媒2)をフェニルトリエトキシシラン液相処理触媒(触
媒4)に変える以外は実施例1と同じ方法で反応を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0050】実施例4 実施例1において、テトラエトキシシラン処理触媒(触
媒2)をフェニルトリエトキシシラン気相処理触媒(触
媒5)に変える以外は実施例1と同じ方法で反応を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0051】実施例5 実施例1において、テトラエトキシシラン処理触媒(触
媒2)をトリフェニルエトキシシラン処理触媒(触媒
6)に変える以外は実施例1と同じ方法で反応を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0052】実施例6 実施例1において、テトラエトキシシラン処理触媒(触
媒2)をビニ トリエトキシシラン処理触媒(触媒7)
に変える以外は実施例1と同じ方法で反応を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0053】実施例7 実施例1において、テトラエトキシシラン処理触媒(触
媒2)をトリイソプロピルシラン液相処理触媒(触媒
8)に変える以外は実施例1と同じ方法で反応を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0054】実施例8 実施例1において、テトラエトキシシラン処理触媒(触
媒2)をトリイソプロピルシラン気相処理触媒(触媒
9)に変える以外は実施例1と同じ方法で反応を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0055】実施例9 実施例1において、テトラエトキシシラン処理触媒(触
媒2)をトリメチルクロロシラン処理触媒(触媒10)
に変える以外は実施例1と同じ方法で反応を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0056】比較例 実施例1において、テトラエトキシシラン処理触媒(触
媒2)を酸型ゼオライト(触媒1)に変える以外は実施
例1と同じ方法で反応を行ったその結果を表1に示す。
【表1】
【0057】以上の結果から、アシル基置換芳香族化合
物を製造するに際しシラン化合物で処理したゼオライト
を含有する触媒を用いるとカルボン酸またはその誘導体
のアシル化選択性が増大することが分かった。
【0058】
【発明の効果】シラン化合物で処理したゼオライト触媒
を用いることにより、カルボン酸またはその誘導体のア
シル化選択性の増大が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における触媒5および触媒9
を調製する際に用いた装置の概略図である。
【符号の説明】
1:温度計 2:シラン化合物 3:リボンヒーター 4:温度調節器 5:触媒 6:石英砂 7:石英反応管 8:温度記録計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シラン化合物で処理したゼオライトを含
    有することを特徴とするアシル基置換芳香族化合物製造
    用触媒。
  2. 【請求項 2】 シラン化合物が、R1 nSi(OR2
    4-n(R1、R2はそれぞれアルキル基、アルケニル基ま
    たはアリール基であり、R1とR2は同一であっても異な
    っていても良い。nは0以上3以下の整数を表す。)で
    表されることを特徴とする、請求項1記載のアシル基置
    換芳香族化合物製造用触媒。
  3. 【請求項3】 シラン化合物が、SiQ1234(Q
    1、Q2、Q3はそれぞれアルキル基、アルケニル基、ア
    リール基、水素またはハロゲン基であり、各々は同一で
    あっても異なっていても良い。Q4は、水素またはハロ
    ゲン基である。)で表されることを特徴とする、請求項
    1記載のアシル基置換芳香族化合物製造用触媒。
  4. 【請求項4】 Q1=Q2=Q3であることを特徴とす
    る、請求項3記載のアシル基置換芳香族化合物製造用触
    媒。
  5. 【請求項5】 ゼオライトが、ベータ型、ペンタシル
    型、モルデナイト型およびホージャサイト型から選ばれ
    る構造を有していることを特徴とする、請求項1〜4の
    いずれか1項記載のアシル基置換芳香族化合物製造用触
    媒。
  6. 【請求項6】 芳香族化合物と、カルボン酸またはその
    誘導体を請求項1〜5のいずれか1項記載の触媒と接触
    させることを特徴とする、アシル基置換芳香族化合物の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 液相で反応を行うことを特徴とする、請
    求項6記載のアシル基置換芳香族化合物の製造方法。
JP27575596A 1996-10-18 1996-10-18 アシル基置換芳香族化合物製造用触媒およびアシル基置換芳香族化合物の製造方法 Pending JPH10120612A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006048545A1 (fr) * 2004-11-02 2006-05-11 Shasun Pharma Solutions Limited Procede d'acylation d'un compose aromatique.

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