JPH10119281A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

液体吐出ヘッド

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JPH10119281A
JPH10119281A JP28040896A JP28040896A JPH10119281A JP H10119281 A JPH10119281 A JP H10119281A JP 28040896 A JP28040896 A JP 28040896A JP 28040896 A JP28040896 A JP 28040896A JP H10119281 A JPH10119281 A JP H10119281A
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liquid
light
ink
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JP28040896A
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Asao Saito
朝雄 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度のインク残量検知手段を有する液体吐
出ヘッドの提供を目的とする。 【解決手段】 液体吐出ヘッドは、液体に吐出のための
エネルギを付与する吐出エネルギ発生手段を有する液流
路9aと、液流路9aへ液体を供給するための液体供給
経路5とを含む。液体供給経路5は、少なくとも一部に
透明部分を有するものであり、この透明部分には液体供
給経路5を介して光供給手段10と該光供給手段10か
らの光を受光する受光手段12とを含む光路11が形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体吐出ヘッドに
関し、より詳しく言えばヘッドより吐出される液体の残
量を検知するための手段を有する液体吐出ヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図13は、従来の液体吐出ヘッドとして
のインクジェットヘッドの一例におけるインク中のリー
ク電流測定によるインク残量を検知する手段を示す概略
断面図である。
【0003】電気熱変換素子(図示略)が形成された基
板1はアルミニウムあるいはステンレスなどの金属から
なる基台2の上に接着される。電気熱変換素子はワイヤ
ーボンディングによりプリント基板3に電気的に接続さ
れ、外部から電気熱変換素子を駆動するための駆動波形
が外部より供給される。インク供給路5を介してインク
タンク6より供給されるインクは、電気熱変換素子の駆
動によりインク流路部材4に形成されたインク流路9
a、吐出口(図示略)を介して吐出される。
【0004】インクはインクタンク6内に設けられたウ
レタンなどの吸収体7の微細な毛管に充填される。ここ
で吸収体7に充填されたインク量を検知するために一対
の電極21aを含むインク残量検知手段21が設けられ
ている。このインク残量検知手段21によれば、電極2
1aの両端に定電流を流して電極間の抵抗測定を行うこ
とにより、インク残量が多い場合は電極21a間のリー
ク電流量が大きくなり抵抗値が少なく計測される。反対
にインク残量が少ない場合は電極間のリーク電流は少な
くなり、抵抗値は数キロからメガオームに達する。図1
4にこのときのリーク電流とインク残量の関係の一例を
示す。
【0005】一方、図15は従来例として光検知を利用
したインク残量検知手段を有するインクジェットヘッド
の一例を示す概略断面図である。
【0006】この従来例では、インクタンク6の壁部の
一部に透明部分(窓)22を設け、窓22を介してイン
ク面が外部より観察可能である。フォトインターラプタ
ー23により発光素子からの光をインク面に入射させ、
インクが残っている場合はインク界面で入射光が反射す
るが、インクが空の状態ではインク界面では入射光の反
射が起こらず、フォトインターラプター23への入力が
ないことから、このような反射の有無をフォトインター
ラプターにより検知することによりインクの残量検知を
行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13
のようなインク残量検知を行った場合はインク残量に誤
差が生じやすく、本来はインクが空になる直前に空検知
をすべきところ、まだ残量が多い状態で空検知とされて
しまうこともあった。これはインクの残量に対応したイ
ンク抵抗特性がインク量が少なくなるにつれ飽和してし
まうことと、空検知を確実にしようとするためインク有
り無しの検知レベルにマージンを持たせた設定をせざる
を得ないためである。
【0008】また図14のような光検知を利用した場合
はインクが残っているときは常に都度22にインク面が
存在せねばならず、そのため、ヘッドの姿勢と窓22の
関係で限定されてしまうことになり、ヘッドを応用する
場合に大きな制限要因となってしまう。また、インクタ
ンク6に窓22を設けたり、あるいは図では省略してい
るがインク面を実現するための余分なタンク構造部材
(例えば、液体吐出装置に装着された際に、鉛直方向に
延在するようにインクタンクに設けられた液面ゲージが
必要であった。
【0009】本発明は、上述したように、インク検知の
精度不足、余分な構造部材、部品の追加といった問題に
対応し高精度のインク残量検知を行える液体吐出ヘッド
の提供を目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は液体を吐出するための吐出口に連通し、か
つ、液体に吐出のためのエネルギを付与する吐出エネル
ギ発生手段を有する液流路と、該液流路へ液体を供給す
るための液体供給経路とを含む液体吐出ヘッドであっ
て、前記液体供給経路は、少なくとも一部に透明部分を
有するものであり、該透明部分には前記液体供給経路を
介して光供給手段と該光供給手段からの光を受光する受
光手段とを含む光路が形成されていることを特徴とす
る。
【0011】本発明においては、液体供給経路に液体残
量を光学的に検知するための光路を有するので、液体容
器内の残量があるにもかかわらず、残量なしの検知をす
ることがなく、精度よく液体残量の検知を簡単に行うこ
とができる。
【0012】また、本発明において前記光供給手段は発
光素子であってもよく、前記光供給手段は、外部からの
光を前記受光手段に供給する光反射手段であってもよ
い。前者では、自ら発光するのでヘッド外部に発光体を
備える必要がない。後者では、ヘッド外部に発光体を備
える必要があるが、ヘッド内に発光体を備える必要がな
いので、その分、ヘッドのコストを抑制することができ
る。
【0013】さらに、本発明において前記受光手段は前
記光供給手段からの光が前記液体供給経路内の液体によ
り遮断されている場合に前記液流路内へ液体が供給され
ていることを判定する受光素子であってもよく、前記受
光手段は、前記光供給手段からの光を外部の遮光判定手
段に供給する光反射光手段であってもよい。前者では、
ヘッド外部に依存せず、光路における遮光の有無を判定
することができる。後者では、ヘッド外部に受光素子を
備える必要があるが、ヘッド内に受光素子を備える必要
がないので、その分、ヘッドのコストを抑制することが
できる。
【0014】また、本発明において前記液体供給経路の
透明部分には、その外側に遮光部が設けられてもよい。
この場合、遮光部により光路への外部からの迷光を遮断
すると共に、光路外部への光の散乱による光量の減衰を
防止することができるので、液体残量の検知を精度よく
行うことができる。
【0015】さらに、本発明において前記遮光部は、前
記透明部分の外側への封止材料の充填により形成されて
もよい。この場合、光路近傍の液体封止を兼ねて遮光を
行うことができる。なお、封止材料としてはシリコン
系、ウレタン系のものを用いることができる。
【0016】また、本発明において前記光供給手段と前
記受光手段は、前記液体供給経路ごとに対応して設けら
れてもよい。この場合、各液体供給経路ごとに液体残量
の検知を精度よく行うことができる。
【0017】さらに、本発明において前記光路は1つの
光供給手段から分岐し、前記液体供給経路ごとに対応し
て設けられた複数の受光手段に達していてもよい。この
場合、光供給手段の形成を最少限に抑えることができ、
製造コストを削減することができる。
【0018】また、本発明において前記光路は、前記光
供給手段に対向し、かつ、該光供給手段に向けて凸形状
である端面を有してもよく、前記光路は、前記受光手段
に対向し、かつ、該受光手段に向けて凸形状である端面
を有してもよい。いずれの場合においても、凸形状によ
り光を集光できるので、伝達すべき光の光量減衰を回避
することができる。
【0019】さらに、本発明において前記吐出エネルギ
発生手段は前記液体に膜沸騰を生じさせる電気熱変換素
子であってもよい。
【0020】また、本発明において前記液体供給手段
は、複数の液流路に連通する共通液室を介して前記複数
の液流路に連通していてもよい。
【0021】さらに、本発明において前記液体はインク
であってもよい。
【0022】また、本発明は、液体吐出ユニットであっ
て、上記液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドの前記液
体供給経路を介して供給する液体を収容する液体容器と
を含むことを特徴とする。
【0023】さらに、本発明は、液体吐出装置であっ
て、上記液体吐出ユニットを装着するための手段を有す
ることを特徴とする。
【0024】以上要するに、本発明によれば、インク流
路を形成する部材を透明にするとともにインク残量を検
知するための光路を形成し、光路をあいだに隔ててイン
ク供給路を配置し、インクが供給路に充填されていると
きはインクにより光路が遮断されるため受光素子による
発光素子からの入射光の検知がなされない。インクが消
費されインク供給路が空になった場合は光路が遮断され
ず受光素子による発光素子からの入射光の検知が行われ
る。このような入射光の検知の有無によりインクの残量
検知をより高精度かつ簡単に行うことが可能となった。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0026】(実施形態1)図1(a)〜(c)は本発
明の第1の実施の形態を示す図であって、(a)は液体
容器としてのインクタンクを装着した液体吐出ヘッド
(以下、単にヘッドという)の全体を示す概略断面図で
あり、(b)は(a)の要部を示す拡大断面図であり、
(c)は(b)の矢印c方向から視た概略断面図であ
る。図2は図1(a)〜(c)に示したヘッドの要部で
ある光路を示す等価回路である。図3(a)および
(b)は図1および2に示したヘッドにおける液流路を
有する基板と光供給手段としての発光素子を有するプリ
ント基板との関係を示す図であって、(a)は概略平面
図であり、(b)は(a)のb−b線に沿う概略断面図
である。
【0027】本実施形態では、図1〜3に示すように、
吐出エネルギ発生手段としての電気熱変換素子(図示
略)が形成された基板1がアルミニウムあるいはステン
レスなどの金属からなる基台2の上に接着される。電気
熱変換素子はワイヤーボンディングによりプリント基板
3の端子に電気的に接続され、外部から電気熱変換素子
を駆動するための駆動波形が外部より供給される。外部
から駆動波形が電気熱変換素子に印加されることにより
電気熱変換素子が駆動されると、インクタンク6よりイ
ンク供給路5を介して供給されるインクはインク流路部
材4に形成されたインク流路9a、吐出口(図示略)を
介して吐出される。
【0028】インクはインクタンク6内に設けられたウ
レタンなどの吸収体7の微細な毛管に充填される。イン
クの保持方法については吸収体の利用に限定することは
ない。図3(a)及び(b)に示すように、プリント基
板3上にはインク残量検知を行うための発光素子10が
ダイボンディングされ、図に示していないがワイヤーボ
ンディングにより発光素子10とプリント基板3上の配
線パターンが電気的に接続される。またインク流路部材
4が基板1上に配置されるが、このインク流路部材4は
射出成型により成型されたものである。このインク流路
部材4は図示していないがバネにより基板1に密着、固
定されている。
【0029】ここで、インク供給路5の材料としては透
明なポリサルフォンなどの樹脂を用いるが、インク供給
路5には、発光素子10からの出力光を通す光路11も
併せて形成されている。光路11はインク供給路5を介
して二分割されており、この間をインクタンク6より供
給されたインクが流通する。発光素子10より射出され
た出力光は光路11を通って受光素子12に入射され
る。またインク供給路5の外側には図示されていない
が、シリコン系あるいはウレタン系の封止材が充填され
ている。この充填部材により外部から光路11への入射
光を防ぐと共に、光路11から外部へ発光素子10から
の光が漏れて光量が減衰することを防止している。
【0030】ここで、インクがインクタンク6より供給
されているときはインクにより光路11はインクにより
遮断され受光素子12への入射光は周囲からの散乱光の
みとなり受光素子12の出力は微少である。しかし、イ
ンクが消費されインクタンクが空となった状態では光路
11はインクによる遮断がなされず、受光素子12への
入射光量は遮断された場合に比較して多く、従って受光
素子12の出力も大きくなる。
【0031】図1(b)に発光素子10、光路11、受
光素子12の部分の断面図を拡大して図示する。ここで
受光素子12はインク流路部材4上に配置され、図示し
ない接続用端子を介してプリント基板3上の配線パター
ンへと電気的に接続される。また図1(c)にはインク
供給路5の背面から発光素子10および光路11を視た
図を示す。図2には発光素子10および受光素子12の
等価回路を示す。ここではフォトダイオード、フォトト
ランジスターを用いた例を示したが、他の受光素子を用
いることも可能なのは言うまでもない。
【0032】本実施形態では、図3(a)に示すよう
に、1つの発光素子10を、複数のインク流路9aに連
通するインク液室(共通液室ともいう)9bに連通する
インク供給路5を介して1つの受光素子12に対応させ
ている。従って、インク供給路5内のインクの有無を判
定することにより、インク残量を精度よく検知すること
ができる。
【0033】(実施形態2)図4は本発明の第2の実施
の形態を示す図であって、インク供給路5の背面から発
光素子10および光路11を視た概略断面図である。図
5は図4に示した発光素子10等の等価回路である。図
6は本実施形態における液流路を有する基板と発光素子
を有するプリント基板との関係を示す概略平面図であ
り、図6のb−b線に沿う断面は先の図3(b)と同様
である。
【0034】本実施形態における構成要素のうち、先の
実施形態における構成要素と共通するものについては、
同一符号を付し、その部分の説明を省略する(以下、他
の実施形態で同じ)。
【0035】本実施形態の特徴は、イエロー,マゼン
タ,シアン,ブラックの四色のインクを収容するインク
タンクからインクを供給する色別のインク供給路5にそ
れぞれインク残量検知用の光路11を設けた点にある。
色別のインク供給路5はインク流路部材4内のインク液
室を介して複数の液流路に連通している。光路11に
は、それぞれ図5に示したように一対の発光素子10と
受光素子12が配されている。
【0036】本実施形態は、インクの色別によって消費
量が異なることに着眼してなされたもので、残量の少な
くなったインクのインクのみを交換できる利点がある。
【0037】(実施形態3)図7は本発明の第3の実施
の形態を示す図であって、インク供給路5の背面から発
光素子10および4つに分岐した光路11を視た概略断
面図である。図8は図7に示した発光素子10等の等価
回路である。
【0038】本実施形態の特徴は、先の実施形態2と同
様に色別に4つのインク供給経路5を設け、それぞれイ
ンク残量用の光路11を設けている他に、これら光路1
1が1つの発光素子10から分岐している点にある。従
って、発光素子10の減数分だけ製造コストの削減を図
れる利点がある。
【0039】(実施形態4)図9(a)および(b)は
本発明の第4の実施の形態を示す図であって、(a)は
ヘッドの要部を示す拡大断面図であり、(b)は(a)
の矢印b方向から視た概略断面図である。
【0040】本実施形態の特徴は、発光素子10及び受
光素子12に対向する光路11の面を球面とし、発光素
子10からの出力光及び受光素子12への入射光を集光
することにより光量の減衰を回避し、検知感度を向上さ
せている点にある。
【0041】上記各実施形態では、光供給手段として発
光素子10を用い、受光手段として受光素子12を用い
たが、両手段とも単に光を伝送するだけの光反射手段で
あってもよい。この場合、発光素子、受光素子を液体吐
出ヘッドではなく、液体吐出装置側に設けておくことが
でき、ヘッドの製造コストを低減させることができる。
【0042】次に、図10乃至図12を用いて、本発明
が実施もしくは適用される好適なインクジェットユニッ
トIJU、インクジェットヘッドIJH、インクジェッ
トカートリッジIJC、インクジェット記録装置本体I
JRAの説明図である。以下これらの図面を用いて各部
構成の説明を行う。
【0043】本例でのインクジェットカートリッジIJ
Cは、図11の斜視図でわかるように、液体吐出ユニッ
トとしてのインクジェットヘッドユニットとインクタン
クとが一体化されたものであり、インクの収納割合が大
きくなっているものである。このインクジェットカート
リッジIJCは、インクジェット記録装置本体IJRA
に載置されているキャリッジの位置決め手段及び電気的
接点とによって固定支持されると共に、該キャリッジに
対して着脱可能なディスポーザブルタイプである。
【0044】インクジェットユニットIJUは、電気信
号に応じて膜沸騰をインクに対して生じせしめるための
熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いて記録を行
うバブルジェット方式のユニットである。
【0045】図10において、100はSi基板上に複
数の列状に配された電気熱変換体(吐出ヒータ)と、こ
れに電力を供給するA1等の電気配線とが成膜技術によ
り形成されて成るヒータボード(第1の基体)である。
200はヒータボード100に対する配線基板である。
【0046】1300は複数のインク流路を夫々区分す
るための隔壁(溝)や各インク流路(液流路)へインク
を与えるためにインクを収納するための共通液室等を設
けた溝付天板で、各インク流路に対応した吐出口を複数
有するオリフィスプレート400を一体成型したもので
ある。これらの一体成型材料としてはポリサルフォン樹
脂が好ましいが、他の成型用樹脂材料でも良い。
【0047】300は配線基板200の裏面を平面で支
持する例えば金属製の支持体で、インクジェットユニッ
トの底板となる。500は押圧部材である押えばねであ
り、M字形状でそのM字の中央で共通液室を軽圧で押圧
すると共に前だれ部501で液路の一部、好ましくは吐
出口近傍の領域を線圧で集中押圧する。ヒータボード1
00および天板1300を押えばねの足部が支持体30
0の穴3121を通って支持体300の裏面側に係合す
ることでこれらを挟み込んだ状態で両者を係合させるこ
とにより、押えばね500とその前だれ部501の集中
付勢力によってヒータボード100と天板1300とを
圧着固定されている。
【0048】インクタンクは、カートリッジ本体100
0と、インク吸収体900とインク吸収体900をカー
トリッジ本体1000の上記ユニットIJU取付面とは
反対側の側面から挿入した後、これを封止する蓋部材1
100とで構成されている。1200はユニットIJU
に対してインクを供給するための供給口である。140
1はカートリッジ内部を大気に連通するために蓋部材に
設けられた大気連通口である。
【0049】尚、本実施例においては天板1300は耐
インク性に優れたポリサルフォン、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリプロピレンなど
の樹脂を用い、ポリフィスプレート部400と共に金型
内で一体に同時成型してある。
【0050】上述のように一体成型部品は、インク供給
材料600、天板・オリフィスプレート一体、インクタ
ンク本体1000としたので組立て精度が高水準になる
ばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて有効であ
る。又部品点数の個数は従来に比較して減少できている
ので、優れた所望特性を確実に発揮できる。
【0051】図12は本発明が適用されるインクジェッ
ト記録装置IJRAの概観図で、駆動モータ5013の
正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011,5009
を介して回転するリードスクリュー5005のら線溝5
004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図
示)を有し、矢印a,b方向に往復移動させる。500
2は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわたって紙
をプラテン5000に対して押圧する。5007,50
08はフォトカプラでキャリッジのレバー5006のこ
の域での存在を確認してモータ5013の回転方向切換
等を行うためのホームポジション検知手段である。50
16は記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材5
022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を
吸引する吸引手段でキャップ内開口5023を介して記
録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブ
レードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可
能にする部材であり、本体支持板5018にこれらは支
持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリ
ーニングブレードが本例に適用できることはいうまでも
ない。又、5012は、吸引回復の吸引を開始するため
のレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動
に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切
換等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0052】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきた
ときにリードスクリュー5005の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれ
ば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は
単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にと
って好ましい構成例を示している。
【0053】尚、本装置にはインク吐出圧発生素子を駆
動するための駆動信号供給手段を有している。
【0054】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0055】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0056】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0057】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0058】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0059】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0060】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0061】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0062】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
透明なインク供給部材を利用して光路を形成し、発光素
子及び受光素子を用いて、供給管内のインクによる入射
光の遮断の有無を検知することによりインクの残量検知
をより高精度かつ簡単に行うと共に、ヘッド姿勢に依存
しないインク残量検知を行うことが可能なヘッドを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の液体吐出ヘッドの第
1の実施の形態を示し、(a)はヘッドの全体構成を示
す断面図であり、(b)は(a)の要部を示す拡大断面
図であり、(c)は(b)の矢印c方向から視た断面図
である。
【図2】図1(a)〜(c)に示したヘッドの要部とし
ての光路を示す等価回路図である。
【図3】(a)および(b)は図1および図2に示した
ヘッドにおける基板の配置関係を示し、(a)は平面図
であり、(b)は(a)のb−b線に沿う断面図であ
る。
【図4】本発明の液体吐出ヘッドの第2の実施の形態の
要部を示す断面図である。
【図5】図4に示した要素の等価回路図である。
【図6】図4および5に示したヘッドにおける基板の配
置関係を示す平面図である。
【図7】本発明の液体吐出ヘッドの第3の実施の形態の
要部を示す断面図である。
【図8】図7に示した要素の等価回路図である。
【図9】(a)および(b)は本発明の液体吐出ヘッド
の第4の実施の形態を示し、(a)は要部を示す断面図
であり、(b)は(a)の矢印b方向から視た断面図で
ある。
【図10】本発明の液体吐出ヘッドを含むユニットを示
す分解斜視図である。
【図11】図10に示したユニットを組立完成させた概
略斜視図である。
【図12】本発明の液体吐出ヘッドの装置が可能な液体
吐出装置を示す概略斜視図である。
【図13】従来の液体吐出ヘッドの一例を示す断面図で
ある。
【図14】従来の液体吐出ヘッドにおけるインク残量と
リーク電流との関係を示すグラフである。
【図15】従来の液体吐出ヘッドの他の例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 基台 3 プリント基板 4 インク流路部材 5 インク供給路 6 インクタンク 7 吸収体 9a インク流路(液流路) 9b インク液室(共通液室) 10 発光素子(光供給手段) 11 光路 12 受光素子(受光手段)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出するための吐出口に連通し、
    かつ、液体に吐出のためのエネルギを付与する吐出エネ
    ルギ発生手段を有する液流路と、該液流路へ液体を供給
    するための液体供給経路とを含む液体吐出ヘッドであっ
    て、 前記液体供給経路は、少なくとも一部に透明部分を有す
    るものであり、該透明部分には前記液体供給経路を介し
    て光供給手段と該光供給手段からの光を受光する受光手
    段とを含む光路が形成されていることを特徴とする液体
    吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記光供給手段は発光素子であることを
    特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記受光手段は前記光供給手段からの光
    が前記液体供給経路内の液体により遮断されている場合
    に前記液流路内へ液体が供給されていることを判定する
    受光素子であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の液体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記液体供給経路の透明部分には、その
    外側に遮光部が設けられていることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかの項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記遮光部は、前記透明部分の外側への
    封止材料の充填により形成されていることを特徴とする
    請求項4記載の液体吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記光供給手段と前記受光手段は、前記
    液体供給経路ごとに対応して設けられていることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の液体吐出ヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】 前記光路は1つの光供給手段から分岐
    し、前記液体供給経路ごとに対応して設けられた複数の
    受光手段に達していることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかの項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記光路は、前記光供給手段に対向し、
    かつ、該光供給手段に向けて凸形状である端面を有する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかの項に記載の
    液体吐出ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記光路は、前記受光手段に対向し、か
    つ、該受光手段に向けて凸形状である端面を有すること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の液体
    吐出ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記光供給手段は、外部からの光を前
    記受光手段に供給する光反射手段であることを特徴とす
    る請求項1〜9のいずれの項に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記受光手段は、前記光供給手段から
    の光を外部の遮光判定手段に供給する光反射光手段であ
    ることを特徴とする請求項1〜10のいずれかの項に記
    載の液体吐出ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記吐出エネルギ発生手段は前記液体
    に膜沸騰を生じさせる電気熱変換素子であることを特徴
    とする請求項1〜11のいずれかの項に記載の液体吐出
    ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記液体供給手段は、複数の液流路に
    連通する共通液室を介して前記複数の液流路に連通して
    いることを特徴とする請求項1〜12のいずれかの項に
    記載の液体吐出ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記液体はインクであることを特徴と
    する請求項1〜13のいずれかの項に記載の液体吐出ヘ
    ッド。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかの項に記載
    の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドの前記液体供給
    経路を介して供給する液体を収容する液体容器とを含む
    ことを特徴とする液体吐出ユニット。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の液体吐出ユニットを
    装着するための手段を有することを特徴とする液体吐出
    装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015134433A (ja) * 2014-01-16 2015-07-27 株式会社キーエンス カートリッジ式インクジェット記録装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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