JPH10119042A - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂の製造方法

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JPH10119042A
JPH10119042A JP30111596A JP30111596A JPH10119042A JP H10119042 A JPH10119042 A JP H10119042A JP 30111596 A JP30111596 A JP 30111596A JP 30111596 A JP30111596 A JP 30111596A JP H10119042 A JPH10119042 A JP H10119042A
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monomer
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浩司 三宅
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佳宏 本野
Nobuyuki Harada
信幸 原田
Akito Yano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部に気泡を含有した含水ゲルを解砕して、
多孔質な吸水性樹脂を得る際に、内部にできるだけ多く
の気泡を含有した吸水性樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 アクリル酸塩系単量体等のエチレン性不
飽和単量体を架橋剤の存在下で気泡を含有するように水
溶液重合して得られる含水ゲルを、含水ゲルが含有する
気泡が20%以上保持されるように、固定刃と回転刃と
により剪断によって、解砕して得られる吸水性樹脂の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、紙オムツ
や失禁パット等の衛生材料、土壌用保水材、食品鮮度保
持材、農園芸用保水材等の各種用途に好適に用いられる
吸水性樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、紙オムツや生理用ナプキン、失禁
パット等の衛生材料には、その構成材料として、排出さ
れた尿や血液等の体液を吸収させて保持することにより
上記体液に起因する衣料等の汚染を防止することを目的
として、粒子状の吸水性樹脂が幅広く利用されている。
さらに、最近では、上記衛生材料の薄型化や高性能化の
ため、上記衛生材料からパルプ等の繊維基材を減らすと
共に、吸水性樹脂の量を増加させる傾向にあり、吸水性
樹脂の吸水性能の更なる向上が要求されている。
【0003】そこで、上記の要求に対応するため、吸水
性樹脂の吸水性能、特に、吸水倍率や吸水速度を改善す
る方法として、例えば、吸水性樹脂における表面積を大
きくする方法が知られている。ただし、表面積を大きく
するために、粒子径を単に小さくするだけでは、粒子状
の吸水性樹脂における通液性が低下するという問題を生
じている。
【0004】このため、粒子径を小さくせずに表面積を
大きくする方法として、従来、重合時や架橋時に発泡剤
を用い、吸水性樹脂の粒子内に気泡を含有させて、上記
吸水性樹脂を多孔質な粒子とする方法(例えば、特開平
5−237378号公報、特開平7−185331号公
報、国際公開WO95/02002号公報)が提案され
ている。
【0005】このような、吸水性樹脂を製造する方法と
しては、エチレン性不飽和単量体を架橋剤および発泡剤
の存在下で重合し、さらに、得られた気泡を含有する含
水ゲルを、乾燥効率を高めるために、まず、粗く解砕し
た後、乾燥および粉砕して粒子状の多孔質な吸水性樹脂
を得ることが考えられた。上記含水ゲルの解砕方法とし
ては、ミートチョッパー等のスクリュー型押出機により
解砕する方法、ハサミ等で解砕する方法、あるいはニー
ダー中で含水ゲルを重合しながら解砕する方法等が考え
られた。
【0006】特公平3−2042号公報には、水溶性重
合体ゲルを解砕する方法として、2つのローラー型カッ
ターをそれぞれ回転させ、上記水溶性重合体ゲルを上記
各ローラー型カッター間に噛み込んで切断して、解砕す
る方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のミートチョッパーまたはニーダーにより解砕する方
法では、含水ゲルがミートチョッパー等によって練り込
まれながら解砕される。その結果、内部に気泡を含有す
る含水ゲルをミートチョッパー等により解砕すると、気
泡が練り潰されて著しく減少してしまい、得られた吸水
性樹脂の表面積が低下することから、吸水性樹脂は、そ
の吸水速度が遅くなり、したがって吸水特性の劣ったも
のになるという問題点を有している。
【0008】また、上記従来のハサミによる解砕方法で
は、含水ゲルに含有されている気泡が練り潰されること
はなく、得られる吸水性樹脂の吸水特性は良好なもの
の、生産性が低く、吸水性樹脂の工業生産は不可能に近
いという問題点を有している。
【0009】さらに、上記従来公報に記載の解砕方法で
は、気泡を含有する重合ゲルについて何ら考慮していな
いため、2つのローラー型カッター間に重合ゲルを噛み
込ませて切断して解砕し、更にダイスから解砕後の重合
ゲルを押し出すため、気泡が押しつぶされて、上記気泡
が著しく減少する。このため、上記従来公報に記載の手
法により得られた吸水性樹脂は、気泡が著しく減少した
ものしか得られず、表面積が小さくなるので、吸水特性
が劣ったものになるという問題点を有している。それゆ
え、従来より、気泡を含有する含水ゲルを解砕した後も
気泡保持率が高く、かつ、工業生産が可能である生産性
が高い、多孔質な吸水性樹脂の製造方法が嘱望されてい
る。
【0010】本発明は、上記従来の各問題点に鑑みなさ
れたものであり、その目的は、内部に気泡を含有した含
水ゲルを解砕して吸水性樹脂を製造する際に、内部にで
きるだけ多くの気泡を保持し、吸水特性に優れた吸水性
樹脂の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく、吸水性樹脂の製造方法につい
て鋭意検討した。その結果、気泡を含有する含水ゲルを
解砕する時、該含水ゲルが含有する気泡が20%以上保
持される方法を見い出して、本発明を完成させるに至っ
た。
【0012】即ち、請求項1記載の発明の吸水性樹脂の
製造方法は、上記の課題を解決するために、エチレン性
不飽和単量体を架橋剤の存在下で気泡を含有するように
重合して得られる含水ゲルを、固定刃と回転刃とによる
含水ゲルの剪断によって解砕することを特徴としてい
る。
【0013】請求項2記載の発明の吸水性樹脂の製造方
法は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の吸
水性樹脂の製造方法において、解砕は、垂直な回転軸を
有する回転刃による遠心力により、含水ゲルが固定刃と
回転刃との間に押し出されて行われることを特徴として
いる。
【0014】上記の方法によれば、解砕は、内部に気泡
を含む含水ゲルの固定刃と回転刃とによる剪断によって
行われることにより、含水ゲルの気泡が押しつぶされる
ことを抑制しながら上記含水ゲルを解砕することができ
る。それゆえ、上記方法では、固定刃と回転刃との剪断
により、含水ゲルを連続的に解砕できるので、気泡の減
少が抑制されて、気泡による多孔質な吸水性樹脂が安定
に、かつ、簡便に得られ、無加圧下での吸水倍率、吸水
速度および加圧下における吸水倍率等の吸水特性に優れ
た吸水性樹脂を大量かつ簡単に工業的に得ることができ
る。
【0015】請求項3記載の発明の吸水性樹脂の製造方
法は、上記の課題を解決するために、エチレン性不飽和
単量体を架橋剤の存在下で気泡を含有するように重合し
て得られる含水ゲルを、上記気泡の減少が抑制されるよ
うに解砕することを特徴としている。
【0016】上記の方法によれば、内部に気泡を含む含
水ゲルを上記気泡の減少が抑制されるように解砕するこ
とで、内部の気泡を練り潰すことを抑制しながら解砕す
ることができる。それゆえ、上記方法では、気泡の減少
が抑制されて、気泡による多孔質な吸水性樹脂が安定に
得られるので、無加圧下での吸水倍率、吸水速度および
加圧下における吸水倍率等の吸水特性に優れた吸水性樹
脂を得ることができる。
【0017】また、請求項4記載の発明の吸水性樹脂の
製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項3記
載の吸水性樹脂の製造方法において、解砕後の含水ゲル
は、気泡が20%以上保持されることを特徴としてい
る。
【0018】上記の方法によれば、内部に気泡を含む含
水ゲルを解砕したときに、含水ゲルが含有する気泡を2
0%以上保持することにより、得られた吸水性樹脂の多
孔質をより保持できて、無加圧下での吸水倍率、吸水速
度および加圧下における吸水倍率等の吸水特性により一
層優れた吸水性樹脂を得ることができる。
【0019】請求項5記載の発明の吸水性樹脂の製造方
法は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし4
の何れか一つに記載の吸水性樹脂の製造方法において、
含水ゲルは、エチレン性不飽和単量体および架橋剤を含
む水溶液に不活性ガスの気泡を分散させた状態で上記エ
チレン性不飽和単量体および架橋剤を重合して得られる
ことを特徴としている。
【0020】上記の方法によれば、不活性ガスが重合反
応に対し、何ら悪影響を及ぼさないことから、内部に気
泡を多数有する多孔質な含水ゲルが安定して得られるの
で、上記吸水特性に優れた吸水性樹脂を安定に得ること
ができる。
【0021】請求項6記載の発明の吸水性樹脂の製造方
法は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし5
の何れか一つに記載の吸水性樹脂の製造方法において、
さらに、含水ゲルを解砕して得られた粒子状物の表面近
傍を二次架橋することを特徴としている。
【0022】上記の方法によれば、二次架橋によって、
吸水性樹脂の加圧下における吸水倍率がより一層向上し
た、また、水性液体に接触したときに該水性液体に溶出
する成分、即ち、いわゆる水可溶性成分の量を、二次架
橋により低減した吸水性樹脂を得ることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
本発明にかかる吸水性樹脂の製造方法は、エチレン性不
飽和単量体を含む単量体成分を架橋剤の存在下で気泡を
含有するように重合して得られる含水ゲルを、上記の気
泡の減少が抑制されるように解砕され、気泡が20%以
上保持される吸水性樹脂の製造方法である。
【0024】本発明において原料として用いられるエチ
レン性不飽和単量体(以下、単量体と称する)は、水溶
性を有している。単量体としては、具体的には、例え
ば、(メタ)アクリル酸、β−アクリロイルオキシプロ
ピオン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、ク
ロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、ルビン酸、2−(メ
タ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アク
リロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルホ
スホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルリン
酸等の酸基含有単量体、およびこれらのアルカリ金属塩
やアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアミ
ン塩;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アク
リレート類およびこれらの四級化物(例えば、アルキル
ハイドライドとの反応物、ジアルキル硫酸との反応物
等;ジアルキルアミノヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート類およびこれらの四級化物;N−アルキルビニ
ルピリジニウムハライド;ヒドロキシメチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリル
アミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N
−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアミド;2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート;ビニルピリジン、N−ビニルピ
リジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペ
リジン;N−ビニルアセトアミド;酢酸ビニル;メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等
のアルキル(メタ)アクリレート類;等が挙げられる。
これら単量体は、一種類のみを用いてもよく、また、二
種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0025】上記例示の単量体のうち、アクリル酸塩系
単量体を主成分として含むエチレン性不飽和単量体が、
得られる含水ゲルの吸水特性や安全性がより一層向上す
るので好ましい。ここで、アクリル酸塩系単量体とは、
アクリル酸、および/またはアクリル酸の水溶性塩類を
示す。また、アクリル酸の水溶性塩類とは、中和率が3
0モル%〜100モル%の範囲内、好ましくは50モル
%〜99モル%の範囲内であるアクリル酸のアルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ヒドロキ
シアンモニウム塩、アミン塩、アルキルアミン塩を示
す。上記例示の水溶性塩類のうち、ナトリウム塩および
カリウム塩がさらに好ましい。これらアクリル酸塩系単
量体は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用
してもよい。尚、吸水性樹脂の平均分子量(重合度)
は、特に限定されるものではない。
【0026】また、単量体成分は、得られる含水ゲルの
親水性を実質的に阻害しない程度に、単量体と共重合可
能な他の単量体(以下、共重合体と称する)とを含んで
いてもよい。上記の共重合体としては、具体的には、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)
アクリル酸エステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等の疎水性単量体;等が挙げられる。これら共重合体
は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合
して用いてもよい。
【0027】上記の単量体成分を、水性溶媒を用いて重
合反応させることにより、本発明にかかる含水ゲルが得
られる。上記重合反応における重合開始時には、例えば
重合開始剤、あるいは、放射線や電子線、紫外線、電磁
線等の活性化エネルギー線等を用いることができる。上
記の重合開始剤としては、具体的には、例えば、過硫酸
ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過
酸化水素等の無機過酸化物;t−ブチルハイドロパーオ
キサイド、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキ
サイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(N,
N’−ジメチレンイソブチルアミジン)またはその塩、
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)
またはその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)またはその塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ
吉草酸等のアゾ化合物;等のラジカル重合開始剤が挙げ
られる。これら重合開始剤は、単独で用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。また、重合開始剤と
して過酸化物を用いる場合には、例えば、亜硫酸塩、重
亜硫酸塩、L−アスコルビン酸等の還元剤を併用して酸
化還元(レドックス)重合を行ってもよい。
【0028】本発明において上記単量体を重合させる際
に用いられる架橋剤としては、例えば、分子内にビニル
基を複数有する化合物;分子内にカルボキシル基やスル
ホン酸基と反応することのできる官能基を複数有する化
合物;等が挙げられる。これら架橋剤は、単独で用いて
もよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0029】分子内にビニル基を複数有する化合物とし
ては、具体的には、例えば、N,N’−メチレンビス
(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリ
レート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチ
レンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、N,N−ジアリルアクリルアミド、
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ジア
リルオキシ酢酸、N−メチル−N−ビニルアクリルアミ
ド、ビス(N−ビニルカルボン酸アミド)、テトラアリ
ロキシエタン等のポリ(メタ)アリロキシアルカン等が
挙げられる。
【0030】分子内にカルボキシル基やスルホン酸基と
反応することのできる官能基を複数有する化合物として
は、(ポリ)エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、
ポリプロピレングリコール、(ポリ)グリセリン、2−
ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シ
クロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピ
レン、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合
体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アル
コール化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエー
テル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、(ポ
リ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリ
シドール等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリア
ミドポリアミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化
合物、並びに、それら多価アミンとハロエポキシ化合物
との縮合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化
合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキ
サゾリン化合物;γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等の
シランカップリング剤;1,3−ジオキソラン−2−オ
ン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒ
ドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−
ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジ
オキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン
等のアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒドリ
ン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリ
ン等のハロエポキシ化合物;亜鉛、カルシウム、マグネ
シウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の多価金属
の水酸化物あるいは塩化物等が挙げられる。
【0031】上記の架橋剤の使用量としては、特に限定
されるものではないが、0.0001モル%(対モノマ
ー)〜10モル%の範囲内であることが好ましく、0.
001モル%〜1モル%の範囲内であることがより好ま
しい。
【0032】単量体を架橋剤の存在下で重合させる際に
は、得られる吸水性樹脂の吸水特性を向上させると共
に、含水ゲルに気泡を含有させるための発泡剤による発
泡を効率的に行うために、上記単量体および架橋剤を水
溶液とすることが好ましい。つまり、水を溶媒として用
いることが好ましい。該水溶液(以下、単量体水溶液と
称する)中の単量体の濃度は、20重量%〜60重量%
の範囲内がより好ましい。単量体の濃度が20重量%未
満の場合には、得られる吸水性樹脂の水可溶性成分量が
増加するおそれがあると共に、発泡剤による発泡が不充
分となり吸水速度を向上させることができなくなるおそ
れがある。一方、単量体の濃度が60重量%を越える場
合には、反応温度、並びに、発泡剤による発泡を制御す
ることが困難となるおそれがある。
【0033】また、単量体水溶液の溶媒として、水と、
水に可溶な有機溶媒とを併用することもできる。該有機
溶媒としては、具体的には、例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、アセトン、ジメチルスルホキシ
ド、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリ
ン、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレン
グリコール、アルキレンカーボネート等が挙げられる。
これら有機溶媒は、単独で用いてもよく、また、二種類
以上を併用してもよい。
【0034】本発明において上記単量体を重合して得ら
れる含水ゲルは、内部に気泡を含有していることが必要
である。内部に気泡を含有させる方法としては、特に限
定されるものではなく、例えば、発泡剤の存在下で上記
単量体水溶液を重合することにより得られる。また、上
記発泡剤は単量体水溶液を重合する前に単量体水溶液に
添加してもよいし、重合途中に単量体水溶液に添加して
もよい。さらに、単量体水溶液の重合後、得られた含水
ゲルに添加してもよい。
【0035】上記発泡剤は、上記単量体水溶液に分散あ
るいは溶解するものを使用することができ、単量体水溶
液に分散あるいは溶解する揮発性の有機溶媒、水および
有機溶媒に難溶性の常温で固体の化合物、炭酸塩、ドラ
イアイス等が挙げられる。該発泡剤としては、具体的に
は、例えば、n−ペンタン、2−メチルブタン、2,2
−ジメチルプロパン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、
置換されたベンゼン、クロロメタン、クロロエタン、ク
ロロフルオロメタン、1,1,2−トリクロロトリフル
オロエタン、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、アセトン、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブ
チロニトリル、バリウムアゾジカルボキシレート、ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビ
ス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)、パラトルエン
スルホニルヒドラジッド、ジアゾアミノベンゼン、N,
N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミ
ド、ニトロウレア、アセトン−p−トルエンスルホニル
ヒドラゾン、p−トルエンスルホニルアジド、2,4−
トルエンジスルホニルヒドラジド、p−メチルウレタン
ベンゼンスルホニルヒドラジド、トリニトロソトリメチ
レントリアミン、p−トルエンスルホニルセミカルバジ
ド、オキザリルヒドラジド、ニトログアニジン、ヒドラ
ゾジカルボンアミド、トリヒドラジノトリアミン、アゾ
ビスフォルムアミド、ベンゼンスルフォニルヒドラジ
ド、ベンゼン−1,3−ジスルフォニルヒドラジド、ジ
フェニルスルフォン−3,3’−ジスルフォニルヒドラ
ジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒ
ドラジド)、スルフォンヒドラジド、マロン酸およびそ
の塩、カルバミン酸およびその塩、等の有機化合物;重
炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウ
ム、亜硝酸アンモニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭
酸カルシウム等の炭酸塩、等の無機化合物;一般式
(1)
【0036】
【化1】 (式中、X1 、X2 は、それぞれ独立して、炭素数1〜
4のアルキレン基を表し、R1 、R2 、R3 、R4 、R
5 、R6 は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、アリール基、アリル基、またはベンジ
ル基を表す)または一般式(2)
【0037】
【化2】 (式中、X3 、X4 は、それぞれ独立して、炭素数1〜
4のアルキレン基を表し、X5 、X6 は、それぞれ独立
して、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R7 、R8
は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4の
アルキル基を表す)で表される、アミノ基含有アゾ化合
物のアクリル酸塩;等が挙げられる。これら発泡剤は、
単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよ
い。炭酸ナトリウム等の炭酸塩を用いる場合、界面活性
剤や分散剤を用いることが好ましい。界面活性剤や分散
剤を用いることで、得られる含水ゲルの気泡の平均気泡
径が大きくなり過ぎて、吸収速度が遅くなることを防ぐ
ことができる。
【0038】上記例示の発泡剤のうち、アミノ基含有ア
ゾ化合物のアクリル酸塩がより好ましい。アミノ基含有
アゾ化合物のアクリル酸塩は、界面活性剤や水溶性高分
子等の分散安定剤を用いなくても、或いは、単量体水溶
液を攪拌しなくても、その平均粒子径を所定の値に維持
したまま、該単量体水溶液中に静置状態で均一に分散さ
せることができ、沈降や浮遊、分離を引き起こすことは
ない。そして、アミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸塩
は、アクリル酸塩系単量体に対する分散性に特に優れて
いる。
【0039】上記一般式(1)または一般式(2)で表
されるアミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸塩として
は、具体的には、例えば、2,2’−アゾビス(2−メ
チル−N−フェニルプロピオンアミジン)二アクリル酸
塩、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)
−2−メチル−プロピオンアミジン]二アクリル酸塩、
2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロキシフェニル)
−2−メチルプロピオンアミジン]二アクリル酸塩、
2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチ
ル)−プロピオンアミジン]二アクリル酸塩、2,2’
−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロ
ピオンアミジン]二アクリル酸塩、2,2’−アゾビス
(2−メチルプロピオンアミジン)二アクリル酸塩、
2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−
2−メチル−プロピオンアミジン]二アクリル酸塩、
2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン]二アクリル酸塩、2,2’
−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロ
パン]二アクリル酸塩、2,2’−アゾビス−[2−
(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジア
ゼピン−2−イル)プロパン]二アクリル酸塩、2,
2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロ
ピリミジン−2−イル)プロパン]二アクリル酸塩、
2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,
5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパ
ン]二アクリル酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−
(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イ
ル]プロパン}二アクリル酸塩等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。
【0040】尚、アミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸
塩は、例えば単量体水溶液中で析出させた後、ろ過等の
方法を用いることにより、単離することができる。ま
た、アミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸塩を単量体水
溶液中で析出させる際には、該単量体水溶液に、必要に
応じて、冷却等を行ってもよい。
【0041】上記の発泡剤は、予め調製したものを単量
体水溶液に添加して使用してもよく、また、該発泡剤の
前駆体(以下、発泡剤前駆体と称する)を単量体水溶液
に溶解した後、必要に応じて、該単量体水溶液に炭酸ガ
スやアクリル酸塩を添加することにより、単量体水溶液
中で調製することもできる。つまり、発泡剤前駆体と、
炭酸ガスやアクリル酸塩とを単量体水溶液中で反応させ
ることにより、発泡剤を析出させることもできる。該ア
クリル酸塩としてはアクリル酸ナトリウムが好適であ
る。また、単量体がアクリル酸塩系単量体である場合に
は、該単量体をアクリル酸塩として作用させることがで
きる。
【0042】上記アミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸
塩は、発泡剤としての機能と、ラジカル重合開始剤とし
ての機能とを備えている。そして、該アミノ基含有アゾ
化合物のアクリル酸塩の存在下に単量体を重合させるこ
とにより、水可溶性成分量並びに残存単量体量がさらに
一層低減された吸水性樹脂を得ることができる。つま
り、アミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸塩を用いるこ
とにより、水可溶性成分量が20重量%以下であり、か
つ、残存単量体量が1,000ppm以下に低減された
吸水性樹脂を得ることができる。
【0043】単量体に対する上記発泡剤の使用量は、単
量体および発泡剤の組み合わせ等に応じて設定すればよ
く、特に限定されるものではないが、単量体100重量
部に対して0.001重量部〜10重量部の範囲内がよ
り好ましい。発泡剤の使用量が上記の範囲外である場合
には、得られる吸水性樹脂の吸水特性が不充分となるお
それがある。
【0044】また、単量体水溶液中において重合時に分
散状態で存在する発泡剤の平均粒子径は、1μm〜50
0μmの範囲内が好ましい。発泡剤の平均粒子径を上記
の範囲内に設定することにより、吸水性樹脂の平均孔径
を10μm〜1,000μmの範囲内に調整することが
でき、該吸水性樹脂の吸水特性(例えば、水性液体の拡
散性や吸水速度等)を向上させることができる。つま
り、発泡剤の平均粒子径を設定することにより、吸水性
樹脂の平均孔径を所望の範囲内に設定することができ
る。
【0045】発泡剤の平均粒子径が1μmよりも小さい
場合、発泡が不充分となり、吸水性樹脂の平均孔径を所
望の範囲内に調整することができないので好ましくな
い。一方、発泡剤の平均粒子径が500μmよりも大き
い場合には、吸水性樹脂の平均孔径を所望の範囲内に調
整することができない。また、得られる吸水性樹脂のゲ
ル強度が低下すると共に、水可溶性成分量が増加するの
で好ましくない。尚、単量体水溶液中における発泡剤の
平均粒子径は、レーザー式粒度分布計を用いることによ
って容易に測定することができる。
【0046】上記発泡剤が無機化合物である場合の発泡
剤前駆体としては、具体的には、例えば、酸化カルシウ
ムや酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0047】上記発泡剤がアミノ基含有アゾ化合物のア
クリル酸塩である場合の発泡剤前駆体は、アミノ基含有
アゾ化合物の塩酸塩であり、具体的には、例えば、2,
2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオン
アミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(4−
クロロフェニル)−2−メチル−プロピオンアミジン]
二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロキシ
フェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]二塩酸
塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニル
メチル)−プロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−
アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピ
オンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メ
チルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビ
ス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル−プロ
ピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−
(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダ
ゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−ア
ゾビス−[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H
−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]二塩酸
塩、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テト
ラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、
2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,
5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパ
ン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−
ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プ
ロパン}二塩酸塩等が挙げられる。これらアミノ基含有
アゾ化合物の塩酸塩は、熱分解型アゾ系重合開始剤であ
る。
【0048】アミノ基含有アゾ化合物の塩酸塩とアクリ
ル酸塩とを反応させてアミノ基含有アゾ化合物のアクリ
ル酸塩を調製する際の条件は、特に限定されるものでは
ないが、以下の条件が好ましい。そして、これら条件を
任意に設定して、アミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸
塩の分散時における粒子径を適宜調節することにより、
得られる吸水性樹脂の孔径を所望の大きさに調節すれば
よい。
【0049】即ち、調製温度は、−10℃〜50℃が好
ましく、0℃〜40℃がより好ましい。また、アクリル
酸塩は、アクリル酸アルカリ金属塩がより好ましく、ア
クリル酸ナトリウムがさらに好ましい。該アクリル酸塩
の中和率は、50モル%以上が好ましく、70モル%以
上がより好ましい。そして、単量体水溶液中におけるア
クリル酸塩の濃度は、20重量%〜飽和濃度の範囲内が
好ましく、25重量%〜飽和濃度の範囲内がより好まし
い。
【0050】また、アミノ基含有アゾ化合物のアクリル
酸塩を調製する際には、単量体水溶液を攪拌することが
好ましい。そして、単量体水溶液を好ましくは10rp
m以上、より好ましくは20rpm〜10,000rp
mの範囲内で攪拌することにより、ほぼ均一な粒子径を
有するアミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸塩を短時間
で調製することができる。尚、調製されたアミノ基含有
アゾ化合物のアクリル酸塩は、単量体の重合にそのまま
用いればよく、一旦単離する必要はない。
【0051】アミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸塩を
単量体水溶液中で調製する方法、つまり、単量体水溶液
に該アミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸塩を分散させ
る方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。即
ち、中和率が100%のアクリル酸塩にアミノ基含有ア
ゾ化合物の塩酸塩を添加してアミノ基含有アゾ化合物の
アクリル酸塩を調製した後、該アクリル酸塩に未中和の
アクリル酸等の単量体、架橋剤、および、必要に応じて
溶媒を混合して、単量体水溶液を得る方法;予め調製さ
れた単量体水溶液に、アミノ基含有アゾ化合物の塩酸
塩、および、必要に応じてアクリル酸塩を添加して、ア
ミノ基含有アゾ化合物のアクリル酸塩が分散した単量体
水溶液を調製する方法等が挙げられる。これら方法のう
ち、後者の方法が、アミノ基含有アゾ化合物のアクリル
酸塩をより効率的に得ることができ、かつ、その粒子径
がより均一となるので好ましい。尚、アミノ基含有アゾ
化合物のアクリル酸塩を調製した後、単量体水溶液に水
等の溶媒を添加することにより、該単量体水溶液中の単
量体を所望の濃度に調節してもよい。
【0052】内部に気泡を含有する含水ゲルは、上記単
量体水溶液に窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、
空気等の、重合反応に対し不活性となる不活性ガスの気
体を分散させた状態で該単量体を重合することにより得
ることもできる。分散した不活性ガスの気体は、単量体
の重合を阻害する恐れがないので、吸水性能に優れた吸
水性樹脂を得ることができる。また、後述する界面活性
剤等を併用することにより、内部に分散した気泡の大き
さや分布を調整することが容易で、所望の吸水性樹脂を
得ることができる。
【0053】不活性ガスの気泡を単量体水溶液中に分散
させる方法としては、上記単量体水溶液中に不活性ガス
を導入する方法、単量体水溶液を高速で強く攪拌する方
法、発泡剤を予め添加する方法等が挙げられる。また、
これらの方法を組み合わせて、不活性ガスの気泡を単量
体水溶液中に分散させてもよい。上記高速で強く攪拌す
る方法としては、スターラーおよび攪拌羽により強攪拌
する方法、高速ホモジナイザーおよび超音波ホモジナイ
ザーにより強攪拌する方法等が挙げられる。
【0054】上記不活性ガスの気泡が分散した単量体水
溶液の体積は、非分散状態の単量体水溶液の体積に対し
て1.02倍以上であることが好ましく、1.08倍以
上であることがより好ましく、1.11倍以上であるこ
とがさらに好ましく、1.2倍以上であることが特に好
ましい。
【0055】従来より行われてきた攪拌下における重合
反応操作においても、単量体水溶液に気泡が混入するこ
ともあり得るが、発明者らの確認によれば、通常の操作
で気泡が混入しても、それによる体積変化は1.01倍
にも満たない。不活性ガスの気泡が分散した単量体水溶
液の体積が非分散状態の単量体水溶液の体積に対して
1.02倍以上の体積変化を示すのは、上記方法により
意図的に含水ゲルに気泡を含有させた結果であり、これ
により、吸水性能のより一層向上した吸水性樹脂を得る
ことができる。尚、単量体水溶液に不活性ガスの気泡が
分散した状態は、単量体水溶液の透明性が低下すること
により、容易に目視で確認できる。さらに、単量体水溶
液の体積変化は、反応容器中の喫水線の高さだけの変化
により現れるので、体積変化は容易に確認できる。
【0056】上記不活性ガスからなる気泡を単量体水溶
液に分散させる際には、界面活性剤を併用することが好
ましい。界面活性剤を併用することにより、上記該気泡
を安定に分散させることができる。また、気泡の気泡径
および気泡の分布は、上記界面活性剤によって、より容
易に制御することが可能である。
【0057】上記の界面活性剤としては、アニオン系界
面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性
剤、および、両性イオン界面活性剤等が挙げられる。ア
ニオン系界面活性剤としては、具体的には、例えば、混
合脂肪酸ナトリウム石鹸、半硬化牛脂肪酸ナトリウム石
鹸、ステアリン酸ナトリウム石鹸、オレイン酸カリウム
石鹸、オレイン酸ナトリウム石鹸、ヒマシ油カリウム石
鹸等の脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫
酸アンモニウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、ラウ
リル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステ
ル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアル
キルベンゼンスルホン酸塩;アルキルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩;
ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスル
ホコハク酸塩;アルキルジフェニルエーテルジスルホン
酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホ
ン酸塩;アルキルリン酸カリウム等のアルキルリン酸
塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタ
ノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキル
(またはアルキルアリル)硫酸エステル塩;特殊反応型
アニオン界面活性剤;特殊カルボン酸型界面活性剤;β
−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム
塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウ
ム塩等のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;特殊
ポリカルボン酸型高分子界面活性剤;ポリオキシエチレ
ンアルキルリン酸エステル等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。
【0058】ノニオン系界面活性剤としては、具体的に
は、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエー
テル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等の
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンア
ルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレン誘導体;
ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテー
ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステ
アレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリ
オレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタン
ジステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソ
ルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタント
リオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビ
ット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステ
ル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノ
オレエート、自己乳化型グリロセールモノステアレート
等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコー
ルモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステア
レート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリ
エチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカ
ノールアミド等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。
【0059】カチオン系界面活性剤および両面界面活性
剤としては、具体的には、例えば、ココナットアミンア
セテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルア
ミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、
ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチル
トリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメ
チルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチ
ルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩;
ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカル
ボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン等のアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキ
サイド等のアミンオキサイド;等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。
【0060】さらに、界面活性剤としては、フッ素系界
面活性剤がある。フッ素系界面活性剤を用いることによ
り、単量体水溶液中に不活性ガスの気泡を長時間安定に
分散させることができる。また、気泡の量、気泡の気泡
径の制御も容易である。そして、得られる吸水性樹脂は
発泡体で、多孔質なものとなり、吸水速度の速いものと
なる。本発明において使用されるフッ素系界面活性剤と
しては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々
のものがあるが、例えば、一般の界面活性剤の親油基の
水素をフッ素に置換してパーフルオロアルキル基とした
ものであり、界面活性が格段に強くなっているものが好
適である。
【0061】フッ素系界面活性剤の親水基を変えると、
アニオン型、ノニオン型、カチオン型および両性型の4
種類があるが、疏水基の場合、同じ構造のフルオロカー
ボン鎖を用いることが多い。また、疏水基である炭素鎖
は直鎖であっても分枝状であってもよい。上記フッ素系
界面活性剤としては、具体的には、例えば、フルオロア
ルキル(C2 〜C10)カルボン酸、N−パーフルオロオ
クチルスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−〔フ
ルオロアルキル(C6 〜C11)オキシ〕−1−アルキル
(C3 〜C4 )スルホン酸ナトリウム、3−〔ω−フル
オロアルカノイル(C6 〜C8 )−N−エチルアミノ〕
−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−〔3−(パ
ーフルオロオクチルスルホンアミド)プロピル〕−N,
N’−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウム
ベタイン、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン
酸、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7 〜C13)、
パーフルオロオクチルスルホン酸ジエタノールアミド、
パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸塩(L
i、K、Na)、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシ
エチル)パーフルオロオクチルスルホンアミド、パーフ
ルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピル
トリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C
6 〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩(K)、
リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N
−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキル
(C6 〜C16)エチルリン酸エステル、パーフルオロア
ルキル第四級アンモニウムヨウ化物(商品名;フロラー
ドFC−135、住友スリーエム株式会社製、カチオン
性フッ素系界面活性剤)、パーフルオロアルキルアルコ
キシレート(商品名;フロラードFC−171、住友ス
リーエム株式会社製、ノニオン性フッ素系界面活性
剤)、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウム塩(商
品名;フロラードFC−95およびフロラードFC−9
8、住友スリーエム株式会社製、アニオン性フッ素系界
面活性剤)等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。これら界面活性剤は、単独で用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。
【0062】これらの界面活性剤の使用量は、水溶性不
飽和単量体および水溶性架橋性単量体の合計量100重
量部当たり0.0001重量部〜10重量部の範囲内で
あることが好ましく、0.0003重量部〜5重量部の
範囲内であることがより好ましい。界面活性剤の使用量
が0.0001重量部よりも小さい場合、吸水速度をよ
り充分に向上させることができない場合があるので好ま
しくない。一方、10重量部を超えると、その添加量に
見合っただけの効果がでなくなることがあり、非経済的
であるので好ましくない。
【0063】従来から、水溶液重合において界面活性剤
を用いることは公知であるが、このような公知技術では
吸水速度が全く改善されない。
【0064】単量体成分を重合する重合方法は、特に限
定されるものではなく、バルク重合、沈澱重合、水溶液
重合または逆相懸濁重合等の従来公知の種々の重合方法
を採用することができるが、得られる吸水性樹脂の吸水
特性を向上させると共に、重合の制御の容易さから、単
量体成分を水溶液として、水溶液重合または逆相懸濁重
合を行う方が好ましい。
【0065】上記の水溶液重合法としては、駆動ベルト
上で薄膜状に重合する薄膜重合;所定の型枠の中に単量
体成分の水溶液を入れて重合させる方法;所定の形状を
有する攪拌翼を備えたニーダー等の混合機を重合装置と
して用いて単量体成分の水溶液を重合させると共に、生
成する含水ゲルを該攪拌翼の剪断力で細分化する重合方
法;等が挙げられる。
【0066】これら重合方法のうち、後者の重合方法
が、重合反応が終了した時点で粒子状の含水ゲルが得ら
れるのでより好ましい。また、重合反応中に単量体を攪
拌することなく、静置して重合させる方が好ましい。さ
らに、上記のエチレン性不飽和の単量体を水溶液重合さ
せる際には、連続式重合、または回分重合のいずれかの
方式を採用してもよく、また、常圧、減圧、加圧の何れ
の圧力下で実施してもよい。尚、重合反応は、窒素、ヘ
リウム、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガスの気流下
で行うことが好ましい。
【0067】また、上記の逆相懸濁重合法としては、例
えば、単量体成分の水溶液を分散剤の存在下で疎水性有
機溶媒に懸濁させて重合させる方法等が挙げられる。逆
相懸濁重合法を採用することにより、重合反応が終了し
た時点で球状(粒子状)の含水ゲルが得られる。
【0068】含水ゲルを解砕する方法としては、筒状の
解砕室内に、固定刃と、回転する回転刃とを備えた回転
式解砕機を使用して固定刃と回転刃との剪断によって解
砕を行うことが挙げられる。上記回転式解砕機では、回
転刃は、その刃が垂直方向に延びて、固定刃の刃に対し
実質的に平行となっており、また、回転刃の回転軸も垂
直となっている。上記回転式解砕機では、固定刃は解砕
室内の内壁に周方向に沿って1〜4本設けられている一
方、回転刃は回転軸から互いに等間隔で、径方向外向き
に延びるように、2〜5本設けられている。
【0069】上記回転式解砕機では、各回転刃の間に投
入された含水ゲルは、回転する回転刃による遠心力によ
り、含水ゲルが自重で、回転刃の径方向外向きに固定刃
と回転刃との間に押し出される。このように押し出され
た含水ゲルは固定刃と回転刃との剪断により切断されて
解砕される。これにより、上記回転式解砕機では、遠心
力によって、含水ゲル全体に対し、ほぼ均一に力が加え
られて、径方向外向きに移動するため、従来のように、
押圧されたり、押し出されたりするときに、気泡が押し
潰されることが軽減される。このことから、含水ゲル中
に含まれる気泡の減少を抑制しながら、すなわち、解砕
後の含水ゲルにおける気泡が20%以上保持されるよう
に上記含水ゲルを解砕することができる。また、上記含
水ゲルは、架橋構造を有しているので、従来における水
溶性重合ゲルより大きな所定の硬度や粘度を有してお
り、回転式解砕機内や、固定刃および回転刃に付着する
ことが防止されるため、回転式解砕機により容易に解砕
されるものとなる。
【0070】解砕時間、すなわち含水ゲルが回転式解砕
機に滞留する滞留時間は、含水ゲルの投入量、固定刃お
よび回転刃の刃の大きさ、回転刃の回転速度、または解
砕後の含水ゲルの大きさにより適宜設定できるが、1秒
間以上3分間未満が好ましく、5秒間以上1分間未満が
より好ましい。解砕時間が1秒間より短い場合、含水ゲ
ルの解砕は不十分なものとなり好ましくない。また、解
砕時間が3分間以上である場合、含水ゲルが内部に有す
る気泡が練り潰されたり、解砕後の含水ゲルが細かくな
り過ぎるので好ましくない。
【0071】解砕後の含水ゲルの粒子径の大きさは、そ
の内部まで乾燥工程によって十分に乾燥できる程度であ
ればよく、0.1mm〜30mmの範囲内が好ましく、
1mm〜15mmの範囲内がより好ましい。解砕後の含
水ゲルの粒子径の大きさが0.1mmよりも小さい場
合、吸水性樹脂を乾燥中に目詰まりが起こりやすく、乾
燥効率が低下し、また、内部の気泡が潰れてしまうので
好ましくない。一方、解砕後の含水ゲルの粒子径の大き
さが30mmよりも大きい場合、吸水性樹脂を内部まで
十分に乾燥させることが困難となるので、好ましくな
い。尚、水溶液重合法により得られる含水ゲルが塊状で
ある場合には、該含水ゲルを所定の粒子径を有する粒子
状に解砕することがより好ましい。
【0072】解砕された含水ゲルは、回転式解砕機のロ
ストルから排出される。ロストルの口径は、一般に1m
m〜50mmの範囲内であるので、解砕された含水ゲル
は、架橋により、粘着性が低下していて減圧下で吸引す
ることにより、該含水ゲルをロストルに詰まることなく
排出することができる。
【0073】また、このような回転式解砕機を用いて含
水ゲルを解砕することにより、従来のミートチョッパー
のような押圧やスクリューにより含水ゲルを移動させる
ことがなく、遠心力により固定刃と回転刃との間に含水
ゲルが移動するため、押圧や混錬による含水ゲルの気泡
の減少が抑制される。また、固定刃と回転する回転刃と
の間にはさまれた含水ゲルが、固定刃と回転刃とによる
剪断により切断されるため、含水ゲルの全体に対する押
圧力を低減できて、押圧により気泡が押しつぶされるこ
とが軽減できる。これにより、含水ゲルが内部に含有す
る気泡が20%以上保持されるので、得られる吸水性樹
脂の吸水特性は、より一層向上したものとなる。
【0074】また、従来、ミートチョッパー等のスクリ
ュー型押出機;(機械)加圧ニーダー、インターナショ
ナルミキサー、バンバリーミキサー等のニーダー等によ
り、例えば含水ゲルを解砕した場合と比べて、ハサミ等
の手作業でしか実現できなかった気泡保持率の高い多孔
質な吸水性樹脂を得ることができる。
【0075】本願発明の方法では、固定刃と回転刃とを
用いて、含水ゲルを連続的に効率よく解砕できるため、
従来のようにハサミを用い、手で解砕した場合と比べ
て、解砕効率をより向上でき、生産性を改善することが
可能となる。
【0076】さらに、表面架橋剤を添加することによ
り、吸水性樹脂に二次架橋(表面架橋)を導入してもよ
い。上記の表面架橋剤は、複数の反応性基を有し、吸水
性樹脂が有するカルボキシル基等の官能基と反応する化
合物であればよく、一般に該用途に用いられる公知の表
面架橋剤を採用することができる。
【0077】上記の表面架橋剤としては、具体的には、
例えば、(ポリ)エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、(ポリ)プロピレングリコール、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロ
パンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−
トリメチル−1,3−ペンタンジオール、(ポリ)グリ
セリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、
1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリ
オキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレン
・ブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビト
ール、ポリビニルアルコール、グルコース、マンニッ
ト、ショ糖、ブドウ糖等の多価アルコール;エチレング
リコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジル
エーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポ
リグリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル等の多価エポキ
シ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン等の多
価アミン化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネー
ト化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価
オキサゾリン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オ
ン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒ
ドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、
1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−
ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジ
オキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン
等のアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒドリ
ン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリ
ン等のハロエポキシ化合物;亜鉛、カルシウム、マグネ
シウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の多価金属
の水酸化物や塩化物等の多価金属化合物;等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。これら表面架橋剤
は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合
して用いてもよい。
【0078】表面架橋剤を用いて吸水性樹脂に表面架橋
を導入することにより、吸水性樹脂の加圧下における吸
水倍率がより一層向上する。また、水性液体に接触した
ときに該水性液体に溶出する成分、即ち、いわゆる水可
溶性成分の量を低減することができる。尚、表面架橋剤
の使用量、処理温度、および処理時間は、吸水性樹脂、
および用いる表面架橋剤の種類や組み合わせ、所望する
表面架橋の度合い等に応じて適宜設定すればよく、特に
限定されるものではない。
【0079】本発明の吸水性樹脂の製造方法は、以上の
ように、含水ゲルが内部に有する気泡を練り潰すことな
く解砕することができる。さらに、解砕後の含水ゲル
は、その内部に気泡が保持されているので、吸水倍率、
吸水速度および加圧下における吸水倍率等の吸水特性に
優れると共に、水可溶性成分量や残存単量体量が低減さ
れた多孔質で粒状の吸水性樹脂を大量かつ簡単に工業的
に得ることができる。
【0080】本発明の製造方法により得られた吸水性樹
脂は、例えば、紙オムツや生理用ナプキン、タンポン、
失禁パット、創傷保護材、創傷治癒材等の衛生材料;ペ
ット用の尿等の吸収物品;建材や土壌用保水材、止水
材、パッキング材、ゲル水嚢等の土木建築用資材;食品
鮮度保持材、食品用ドリップ吸収材、保冷材等の食品用
物品;油水分離材、結露吸水シート、凝固材等の各種産
業用物品;農園芸用保水材等の農園芸用物品;等の各種
用途に好適に用いることができる。
【0081】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。尚、吸水性樹脂の諸性能は、
以下の方法で測定した。また、実施例および比較例に記
載の「部」は、「重量部」を示す。
【0082】(a)無加圧下での吸水倍率 吸水性樹脂約0.2gを正確に秤量し、5cm四方の不
織布のティーバッグの中に入れ、ヒートシールにより封
入した。このティーバッグを、人工尿中に室温で浸漬し
た。1時間後にティーバッグを引き上げ、遠心分離機を
用いて1300rpmで3分間液切りを行った後、上記
ティーバッグの重量W1 (g)を測定した。別途、同様
の操作をティーバッグに吸水性樹脂を封入しないで行
い、そのときのティーバッグの重量W0 (g)をブラン
クとして求めた。吸水倍率は次式
【0083】
【数1】 に基づいて算出した。
【0084】上記の人工尿の組成およびそれらの配合量
は、以下の通りである。
【0085】 人工尿の組成 各組成の配合量 硫酸ナトリウム 0.200% 塩化カリウム 0.200% 塩化マグネシウム6水和物 0.050% 塩化カルシウム2水和物 0.025% リン酸2水素アンモニウム 0.035% リン酸水素2アンモニウム 0.015% 脱イオン水 99.475% (b)吸水性樹脂の水可溶性成分量 吸水性樹脂0.5gを1,000mlの脱イオン水中に
分散させ、16時間攪拌した後、ろ紙でろ過した。そし
て、得られたろ液をコロイド滴定することにより、水可
溶性成分量(%)を求めた。
【0086】(c)吸水性樹脂の残存単量体量 容量200mlのビーカーに脱イオン水100mlを入
れた後、吸水性樹脂1.0gを攪拌しながら加えること
により、該脱イオン水を全てゲル化させた。1時間後、
得られたゲルにリン酸水溶液5mlを添加することによ
り、ゲルを収縮させた。収縮したゲルを攪拌しながらろ
紙でろ過し、ろ液、つまり、収縮によって生じた水を、
高速液体クロマトグラフィーを用いて分析した。
【0087】一方、濃度が既知の単量体水溶液を標準液
として、同様に分析し、検量線を得た。そして、この検
量線を外部標準に設定し、ろ液の希釈倍率を考慮して、
吸水性樹脂の残存単量体量(ppm)を求めた。尚、こ
の残存単量体量は、吸水性樹脂の固形分に対する換算値
である。
【0088】(d)吸水速度 内径50mm、高さ70mmの有底円筒型のポリプロピ
レン製カップに、吸水性樹脂1.0gを入れた。次に、
該カップに生理食塩水28gを注いで、該吸水性樹脂に
上記生理食塩水を均一に吸収させた。そして、生理食塩
水を注いだ時点から、生理食塩水が全てゲル化し、該生
理食塩水が吸水性樹脂に全て吸収されて見えなくなる状
態になるまでの時間を測定した。該測定を3回繰り返
し、これらの平均値を吸水速度(秒)とした。
【0089】(e)吸水性樹脂の加圧下の吸水倍率 先ず、加圧下の吸水倍率の測定に用いる測定装置につい
て、図4を参照しながら、以下に簡単に説明する。
【0090】図4に示すように、測定装置は、天秤1
と、この天秤1上に載置された所定容量の容器2と、外
気吸入パイプ3と、シリコーン樹脂からなる導管4と、
ガラスフィルタ6と、このガラスフィルタ6上に載置さ
れた測定部5とからなっている。上記の容器2は、その
頂部に開口部2aを、その側面部に開口部2bをそれぞ
れ有しており、開口部2aに外気吸入パイプ3が嵌入さ
れる一方、開口部2bに導管4が取り付けられている。
【0091】また、容器2には、所定量の人工尿12が
入っている。外気吸入パイプ3の下端部は、人工尿12
中に没している。外気吸入パイプ3は、容器2内の圧力
をほぼ大気圧に保つために設けられている。上記のガラ
スフィルタ6は、直径55mmに形成されている。そし
て、容器2およびガラスフィルタ6は、導管4によって
互いに連通している。また、ガラスフィルタ6は、容器
2に対する位置および高さが固定されている。
【0092】上記の測定部5は、ろ紙7と、支持円筒9
と、この支持円筒9の底部に貼着された金網10と、重
り11とを有している。そして、測定部5は、ガラスフ
ィルタ6上に、ろ紙7、支持円筒9(つまり金網10)
がこの順に載置されると共に、支持円筒9内部、即ち、
金網10上に重り11が載置されてなっている。金網1
0は、ステンレスからなり、400メッシュ(目の大き
さ38μm)に形成されている。そして、測定時には、
金網10上に、所定量および所定粒子径の吸水性樹脂1
5が均一に撒布されるようになっている。また、金網1
0の上面、つまり、金網10と吸水性樹脂15との接触
面の高さは、外気吸入パイプ3の下端面3aの高さと等
しくなるように設定されている。重り11は、金網1
0、即ち、吸水性樹脂15に対して、50g/cm2
荷重を均一に加えることができるように、その重量が調
整されている。
【0093】上記構成の測定装置を用いて加圧下の吸水
倍率を測定した。測定方法について以下に説明する。
【0094】先ず、容器2に所定量の人工尿12を入れ
る;容器2に外気吸入パイプ3を嵌入する;等の所定の
準備動作を行った。次いで、ガラスフィルタ6上にろ紙
7を載置した。また、この載置動作に並行して、支持円
筒9内部、即ち、金網10上に、0.9gの吸水性樹脂
15を均一に撒布し、この吸水性樹脂15上に重り11
を載置した。
【0095】次いで、ろ紙7上に、金網10、つまり、
吸水性樹脂15および重り11を載置した上記支持円筒
9を、その中心部がガラスフィルタ6の中心部に一致す
るように載置した。
【0096】そして、ろ紙7上に支持円筒9を載置した
時点から、60分間にわたって経時的に該吸水性樹脂1
5が吸収した人工尿12の重量W2 (g)を、天秤1を
用いて測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂15を
用いないで行い、そのときの重量、つまり、吸水性樹脂
15以外の例えばろ紙7等が吸収した人工尿12の重量
を、天秤1を用いて測定し、ブランク重量W3 (g)と
した。そして、これら重量W2 ・W3 から、次式、 加圧下の吸水倍率(g/g)=(重量W2(g)−重量W3(g))
/吸水性樹脂の重量(g) に従って加圧下の吸水倍率(g/g)を算出した。
【0097】(f)吸水性樹脂の粒子の面積、細孔の面
積、細孔面積率および保持率 先ず、含水ゲルをハサミ、回転式解砕機およびミートチ
ョッパーにより解砕した。それぞれの解砕方法で得られ
た解砕後の含水ゲルを乾燥し、粉砕して得られたそれぞ
れの吸水性樹脂における粒子の電子顕微鏡(SEM)写
真撮影を25倍の拡大倍率で行なった。次いで、それぞ
れに得られた吸水性樹脂の粒子および細孔が楕円である
とみなして、上記SEM写真中の粒子および粒子表面の
細孔の、長径および短径をノギスにより測定した。そし
て次式、 粒子面積(μm2 )=π/4(粒子の長径/写真の倍
率)×(粒子の短径/写真の倍率) 細孔面積(μm2 )=π/4(細孔の長径/写真の倍
率)×(細孔の短径/写真の倍率) 細孔面積率(%)=Σ(粒子表面の細孔面積)/Σ(粒
子面積)×100 保持率(%)=(細孔面積率)/(ハサミで解砕したと
きの細孔面積率)×100 に従って吸水性樹脂の粒子の面積、細孔の面積、細孔面
積率および保持率を算出した。
【0098】〔実施例1〕アクリル酸83.2部、37
重量%アクリル酸ナトリウム水溶液1662.8部、ポ
リエチレングリコールジアクリレート(平均エチレンオ
キサイド(EO)付加モル数8)5.5部および脱イオ
ン水654.5部を混合することにより、アクリル酸の
中和率が85%であり、かつ単量体濃度が30重量%で
ある単量体水溶液を調整した。
【0099】上記単量体水溶液を温度24℃に保ちなが
ら、液中に窒素ガスを吹き込むことにより、単量体水溶
液中の溶存酸素を追い出した。次いで、10重量%の
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)
二塩酸塩水溶液77部を、単量体水溶液に攪拌しながら
添加した。
【0100】攪拌を開始してから3分後、2,2’−ア
ゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩を加
えた単量体水溶液は白濁し、平均粒子径約9μmの白色
の微粒子状固体が生成した。上記該微粒子状固体は、発
泡剤としての2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオ
ンアミジン)二アクリル酸塩であった。
【0101】さらに、攪拌を開始してから5分後、窒素
雰囲気下で攪拌しながらラジカル重合開始剤としての1
0重量%過硫酸ナトリウム水溶液10.8部および1重
量%L−アスコルビン酸水溶液0.5部を上記該単量体
水溶液に添加した。そして、上記該水溶液を十分に攪拌
した後、静置した。
【0102】10重量%過硫酸ナトリウム水溶液および
1重量%L−アスコルビン酸水溶液を添加してから3分
後に重合反応が始まった。重合反応は湯浴中で行い、上
記該水溶液の温度上昇に湯浴の温度を追随させながら行
なった。10重量%過硫酸ナトリウム水溶液を添加して
から26分後、過硫酸ナトリウム水溶液を添加した上記
該水溶液の温度は97℃に達した。その後、温度を70
℃〜90℃の範囲内に保ちながら、さらに20分間上記
該水溶液を静置してアクリル酸塩系単量体の重合反応を
完了させた。これにより、多孔質の架橋重合体である気
泡を有する含水ゲルを得た。
【0103】次いで、上記含水ゲルを前述の回転式解砕
機により連続的に解砕した。解砕中の回転式解砕機にお
ける含水ゲルの平均滞留時間、つまり解砕時間は、約
0.25分間であった。解砕後の含水ゲルの大きさは、
その粒子径が約1mm〜15mmの範囲内であった。
【0104】解砕後の含水ゲルを循環式熱風乾燥機で1
60℃、1時間乾燥した。ついで、乾燥後の含水ゲルを
ロールミルで粉砕し、さらにJIS規格の標準篩いによ
り、メッシュの大きさが850μmの篩いを通過し、1
50μmの篩い上に残る粒子径を有する本発明の吸水性
樹脂(1)を得た。得られた本発明の吸水性樹脂(1)
の諸性能を測定した結果を表1に記載した。
【0105】さらに、上記吸水性樹脂(1)のSEM写
真撮影を25倍の倍率で行い、粒子および粒子表面の細
孔の長径および短径をノギスで測定することにより、吸
水性樹脂の粒子の面積、細孔の面積、細孔面積率および
保持率を算出した。上記吸水性樹脂(1)のSEM写真
を図1に、計算結果を表2に示す。
【0106】〔比較例1〕先ず、気泡を有する含水ゲル
を製造した。即ち、実施例1の操作および反応と同様の
操作および反応を行うことにより、気泡を有する含水ゲ
ルを得た。さらに、この含水ゲルを口径が8mmのロス
トルを有するミートチョッパーを用いて解砕した他は実
施例1と同様の操作を行って、比較用の吸水性樹脂
(1)を得た。解砕には、約5分間を要した。得られた
比較用の吸水性樹脂(1)の諸性能を測定した結果を表
1に記載した。
【0107】さらに、上記比較用の吸水性樹脂(1)の
SEM写真撮影を25倍の倍率で行い、粒子および粒子
表面の細孔の長径および短径をノギスで測定することに
より、比較用の吸水性樹脂(1)の粒子の面積、細孔の
面積、細孔面積率および保持率を算出した。上記比較用
の吸水性樹脂(1)のSEM写真を図2に、計算結果を
表2に示す。
【0108】〔比較例2〕先ず、気泡を有する含水ゲル
を製造した。即ち、実施例1の操作および反応と同様の
操作および反応を行うことにより、気泡を有する含水ゲ
ルを得た。さらに、この含水ゲルをハサミで粒子径が約
1mm〜5mmの範囲内になるように手で細断して解砕
した他は実施例1と同様の操作を行って、比較用の吸水
性樹脂(2)を得た。解砕には、約30分間を要した。
得られた比較用の吸水性樹脂(2)の諸性能を測定した
結果を表1に記載した。
【0109】さらに、上記比較用の吸水性樹脂(2)の
SEM写真撮影を25倍の倍率で行い、粒子および粒子
表面の細孔の長径および短径をノギスで測定することに
より、上記比較用の吸水性樹脂(2)の粒子の面積、細
孔の面積、細孔面積率および保持率を算出した。上記比
較用の吸水性樹脂(2)のSEM写真を図3に、計算結
果を表2に示す。
【0110】〔実施例2〕アクリル酸27部、37重量
%アクリル酸ナトリウム水溶液285部、ポリエチレン
グリコールジアクリレート(平均EO付加モル数8)
1.1部、および脱イオン水117.6部を混合するこ
とにより単量体水溶液を調整した。単量体水溶液はアク
リル酸の中和率が75%であり、かつ単量体濃度が31
重量%の水溶液である。
【0111】上記単量体水溶液を16℃に保ちながら、
液中に窒素ガスを吹き込むことにより、単量体水溶液中
の溶存酸素を除去した。次いで、攪拌しながら親水親油
バランス(Hydrophile-lypophile balance:HLB)が1
4.9の界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタ
ンモノステアレートの1重量%水溶液8.9部を添加し
た。
【0112】次いで、窒素雰囲気下で攪拌しながらラジ
カル重合開始剤としての10重量%過硫酸ナトリウム水
溶液2.1部および1重量%L−アスコルビン酸水溶液
0.1部を上記該単量体水溶液に添加した。そして、上
記該水溶液を十分に攪拌した後、静置した。
【0113】10重量%過硫酸ナトリウム水溶液および
1重量%L−アスコルビン酸水溶液を添加してから4分
後、単量体水溶液が白濁し始め、重合反応を開始したの
で、微粉末の炭酸ナトリウム1.8部を添加した。重合
反応は湯浴中で行い、上記該水溶液の温度上昇に湯浴の
温度を追随させながら行なった。10重量%過硫酸ナト
リウムを上記該水溶液に添加してから37分後、上記該
水溶液の温度は約93℃に達した。
【0114】その後、温度を70℃〜90℃の範囲内に
保ちながら、さらに20分間単量体水溶液を静置してア
クリル酸塩系単量体の重合反応を完了させた。これによ
り、多孔質の架橋重合体である気泡を有する含水ゲルを
得た。
【0115】さらに、上記該含水ゲルを前述の回転式解
砕機により連続的に解砕した。解砕中の回転式解砕機に
おける含水ゲルの平均滞留時間、つまり解砕時間は、約
0.16分間であった。解砕後の含水ゲルの大きさは、
その粒子径が約2mm〜15mmの範囲内であった。
【0116】解砕後の含水ゲルを循環式熱風乾燥機で1
60℃、1時間乾燥した。ついで、乾燥後の含水ゲルを
ロールミルで粉砕し、さらにJIS規格の標準篩いによ
り、メッシュの大きさが850μmの篩いを通過し、1
50μmの篩い上に残る粒子径を有する本発明の吸水性
樹脂(2)を得た。得られた本発明の吸水性樹脂(2)
の諸性能を測定した結果を表1に記載した。
【0117】〔比較例3〕先ず、気泡を内部に有する含
水ゲルを製造した。即ち、実施例2の操作および反応と
同様の操作および反応を行うことにより、気泡を有する
含水ゲルを得た。さらに、この含水ゲルを口径が8mm
のロストルを有するミートチョッパーを用いて解砕した
他は実施例2と同様の操作を行って、比較用の吸水性樹
脂(3)を得た。解砕には、約4分間を要した。得られ
た比較用の吸水性樹脂(3)の諸性能を測定した結果を
表1に記載した。
【0118】〔比較例4〕先ず、気泡を内部に有する含
水ゲルを製造した。即ち、実施例2の操作および反応と
同様の操作および反応を行うことにより、気泡を有する
含水ゲルを得た。さらに、この含水ゲルをハサミで粒子
径が約1mm〜5mmの範囲内になるように手で細断し
て解砕した他は実施例1と同様の操作を行って、比較用
の吸水性樹脂(4)を得た。解砕には、約30分間を要
した。得られた比較用の吸水性樹脂(4)の諸性能を測
定した結果を表1に記載した。
【0119】〔実施例3〕先ず、実施例1で得られた本
発明の吸水性樹脂(1)に対して、二次架橋処理を施し
た。すなわち、二次架橋処理用の処理液は、エチレング
リコールジグリシジルエーテル0.05部、乳酸0.5
部、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート
0.02部、イソプロピルアルコール0.75部および
水3部を混合することにより調整した。
【0120】次いで、実施例1で得られた本発明の吸水
性樹脂(1)100部と上記該処理液とを混合し、得ら
れた混合物を195℃で30分間加熱処理し、本発明の
吸水性樹脂(3)を得た。得られた本発明の吸水性樹脂
(3)の諸性能を測定した結果を表1に記載した。
【0121】〔実施例4〕先ず、実施例2で得られた本
発明の吸水性樹脂(2)に対して、二次架橋処理を施し
た。すなわち、二次架橋処理用の処理液は、グリセリン
1部、エチルアルコール1.75部および水3部を混合
することにより調整した。
【0122】次いで、実施例2で得られた本発明の吸水
性樹脂(2)100部と上記該処理液とを混合し、得ら
れた混合物を195℃で30分間加熱処理し、本発明の
吸水性樹脂(4)を得た。得られた本発明の吸水性樹脂
(4)の諸性能を測定した結果を表1に記載した。
【0123】〔実施例5〕アクリル酸27.0部、37
重量%アクリル酸ナトリウム水溶液285.0部、ポリ
エチレングリコールジアクリレート(平均EO付加モル
数8)1.1部、フッ素系カチオン性界面活性剤(商品
名;フロラードFC−135、住友スリーエム株式会社
製)0.013部および脱イオン水117.6部を混合
することにより、単量体水溶液を調整した。
【0124】上記単量体水溶液を高速ホモディスパによ
り高速(3,000rpm)で強攪拌しながら、液中に
窒素ガスを吹き込むことにより、単量体水溶液中の溶存
酸素を追い出し、単量体水溶液中に窒素からなる気泡を
分散させた。単量体水溶液中に窒素ガスが均一に分散
し、その体積が1.25倍になった時点で、高速強攪拌
下にて、10重量%過硫酸ナトリウム水溶液2.1部お
よび10重量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2.1部添
加し、直ちに重合反応を開始させ、単量体水溶液中に気
泡が分散した状態で、温度25℃〜75℃の範囲内に
し、2時間静置重合した。これにより、内部に気泡の分
散した含水ゲルを得た。
【0125】次いで、上記含水ゲルを前述の回転式解砕
機により連続的に解砕した。解砕中の回転式解砕機にお
ける含水ゲルの平均滞留時間、すなわち解砕時間は、約
0.16分間であった。解砕後の含水ゲルの大きさは、
その粒子径が約2mm〜15mmの範囲内であった。
【0126】解砕後の含水ゲルを循環式熱風乾燥機で1
60℃、1時間乾燥した。次いで、乾燥後の含水ゲルを
ロールミルで粉砕し、さらにJIS規格の標準篩いによ
り、メッシュの大きさが850μmの篩いを通過し、1
50μmの篩い上に残る粒子径を有する本発明の吸水性
樹脂(5)を得た。得られた本発明の吸水性樹脂(5)
の諸性能を測定した結果を表1に記載した。
【0127】〔比較例5〕先ず、気泡を内部に有する含
水ゲルを製造した。即ち、実施例5の操作および反応と
同様の操作および反応を行うことにより、気泡を有する
含水ゲルを得た。さらに、この含水ゲルを口径が8mm
のロストルを有するミートチョッパーを用いて解砕した
他は実施例5と同様の操作を行って、比較用の吸水性樹
脂(5)を得た。解砕には、約5分間を要した。得られ
た比較用の吸水性樹脂(5)の諸性能を測定した結果を
表1に記載した。
【0128】〔比較例6〕先ず、気泡を内部に有する含
水ゲルを製造した。即ち、実施例5の操作および反応と
同様の操作および反応を行うことにより、気泡を有する
含水ゲルを得た。さらに、この含水ゲルを口径が8mm
のロストルを有するミートチョッパーを用いて解砕した
他は実施例5と同様の操作を行って、比較用の吸水性樹
脂(6)を得た。解砕には、約30分間を要した。得ら
れた比較用の吸水性樹脂(6)の諸性能を測定した結果
を表1に記載した。
【0129】
【表1】
【0130】
【表2】 表1に記載された上記実施例1〜5の結果から明らかな
ように、本発明にかかる製造方法によって得られた吸水
性樹脂は、気泡を十分に保持していることにより、無加
圧下での吸水倍率、吸水速度および加圧下における吸水
倍率等の吸水特性に優れると共に、水可溶性成分量や残
存単量体量が低減されていることがわかる。また、本願
発明では、上記実施例1〜5と比較例2および4との比
較から、解砕時間の大幅な低減と解砕操作の簡便化が図
れて、工業的な生産が可能であることがわかる。
【0131】
【発明の効果】本発明の請求項1の吸水性樹脂の製造方
法は、以上のように、解砕は、固定刃と回転刃とによる
含水ゲルの剪断によって解砕する方法である。
【0132】それゆえ、上記方法では、剪断によって含
水ゲルが解砕されるため、従来のように解砕時に気泡が
押し潰されることが抑制される。また、上記方法では、
含水ゲルを連続的に解砕できるので、気泡の減少を抑制
しながら、解砕効率を向上でき、生産性を改善できる。
この結果、上記方法では、吸水倍率、吸水速度および加
圧下における吸水倍率等の吸水特性に優れると共に、水
可溶性成分量や残存単量体量が低減された吸水性樹脂を
大量かつ簡単に、工業的に得ることができるという効果
を奏する。
【0133】本発明の請求項2記載の吸水性樹脂の製造
方法は、以上のように、解砕は、垂直な回転軸を有する
回転刃による遠心力により、含水ゲルが固定刃と回転刃
との間に押し出されて行われる方法である。
【0134】これにより、上記方法では、解砕は、内部
に気泡を含む含水ゲルが遠心力により移動して、固定刃
と回転刃とにより剪断されて行われるので、従来のよう
に押圧や、スクリューによる押圧による移動と比べて含
水ゲルに対し、均一に移動方向への力が加わるため、含
水ゲルにおける気泡が押しつぶされることを抑制しなが
ら剪断によって解砕することができる。それゆえ、上記
方法では、気泡の減少が抑制されて、気泡による多孔質
な吸水性樹脂が安定に、かつ、簡便に得られるので、無
加圧下での吸水倍率、吸水速度および加圧下における吸
水倍率等の吸水特性に優れた吸水性樹脂を大量かつ簡単
に工業的に得ることができるという効果を奏する。
【0135】本発明の請求項3および4記載の吸水性樹
脂の製造方法は、以上のように、エチレン性不飽和単量
体を架橋剤の存在下で気泡を含有するように重合して得
られる含水ゲルを、上記気泡の減少が抑制、例えば上記
気泡が20%以上保持されるように解砕する方法であ
る。
【0136】これにより、上記方法では、含水ゲルが内
部に有する気泡の減少が抑制されるように解砕すること
で、内部の気泡を練り潰すことを抑制しながら解砕する
ことができる。それゆえ、解砕後の含水ゲルは、その内
部に気泡を保持されているので、無加圧下での吸水倍
率、吸水速度および加圧下における吸水倍率等の吸水特
性に優れると共に、水可溶性成分量や残存単量体量が低
減された吸水性樹脂を安定に得ることができるという効
果を奏する。
【0137】本発明の請求項5記載の吸水性樹脂の製造
方法は、以上のように、含水ゲルは、エチレン性不飽和
単量体および架橋剤を含む水溶液に不活性ガスの気泡を
分散させた状態で上記エチレン性不飽和単量体および架
橋剤を重合して得られる方法である。
【0138】これにより、上記方法では、不活性ガスが
重合反応を阻害しないので、内部に気泡を有する多孔質
な含水ゲルが安定に得られ、無加圧下での吸水倍率、吸
水速度および加圧下における吸水倍率等の吸水特性に優
れた吸水性樹脂を安定に得ることができるという効果を
奏する。
【0139】本発明の請求項6記載の吸水性樹脂の製造
方法は、以上のように、さらに、含水ゲルを解砕して得
られた粒子状物の表面近傍を二次架橋する方法である。
【0140】これにより、上記方法では、二次架橋によ
って、吸水性樹脂の加圧下における吸水倍率がより一層
向上し、また、水性液体に接触したときに該水性液体に
溶出する成分、すなわち、水の可溶性成分の量、および
残存単量体量を二次架橋により低減した吸水性樹脂が得
られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸水性樹脂の製造方法における、実施
例1に記載の吸水性樹脂の粒子構造を電子顕微鏡写真
(25倍)によって示す図面代用写真である。
【図2】上記製造方法の各実施例に対する、比較例1に
記載の比較用吸水性樹脂の粒子構造を電子顕微鏡写真
(25倍)によって示す図面代用写真である。
【図3】上記製造方法の各実施例に対する、比較例2に
記載の比較用吸水性樹脂の粒子構造を電子顕微鏡写真
(25倍)によって示す図面代用写真である。
【図4】上記製造方法における、吸水性樹脂の加圧下で
の吸水倍率の測定に用いる測定装置の概略の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 天秤 2 容器 3 外気吸入パイプ 4 導管 5 測定部 6 ガラスフィルタ 7 ろ紙 9 支持円筒 10 金網 11 重り 12 人工尿 15 吸水性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 昭人 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン性不飽和単量体を架橋剤の存在下
    で気泡を含有するように重合して得られる含水ゲルを、
    固定刃と回転刃とによる含水ゲルの剪断によって解砕す
    ることを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】解砕は、垂直な回転軸を有する回転刃によ
    る遠心力により、含水ゲルが固定刃と回転刃との間に押
    し出されて行われることを特徴とする請求項1記載の吸
    水性樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】エチレン性不飽和単量体を架橋剤の存在下
    で気泡を含有するように重合して得られる含水ゲルを、
    上記気泡の減少が抑制されるように解砕することを特徴
    とする吸水性樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】解砕後の含水ゲルは、気泡が20%以上保
    持されることを特徴とする請求項3記載の吸水性樹脂の
    製造方法。
  5. 【請求項5】含水ゲルは、エチレン性不飽和単量体およ
    び架橋剤を含む水溶液に不活性ガスの気泡を分散させた
    状態で上記エチレン性不飽和単量体および架橋剤を重合
    して得られることを特徴とする請求項1ないし4の何れ
    か一つに記載の吸水性樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】さらに、含水ゲルを解砕して得られた粒子
    状物の表面近傍を二次架橋することを特徴とする請求項
    1ないし5の何れか一つに記載の吸水性樹脂の製造方
    法。
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