JPH10118957A - 電動ホッチキスのステープル供給機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】シート状ステープルｓの詰まりを防止して送り
を確実にすることができる電動ホッチキスのステープル
供給機構の提供 【解決手段】シート状ステープルｓを積層収納したカー
トリッジ３を電動ホッチキスの本体１に装着し、本体１
に設けた送りベルト４を、上記カートリッジ３内の最下
段のシート状ステープルｓに接触させ、送りベルト４を
移動させることによりシート状ステープルｓを最下段の
ものから順次ステープルガイド１１に沿ってカートリッ
ジ３の前壁開口部から打ち出し部ｂに供給する電動ホッ
チキスのステープル供給機構において、最下段のシート
状ステープルｓの下面の後部分に対する送りベルト４の
摩擦力を前部分に対する摩擦力よりも小さくなるように
形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は電動ホッチキスにお
いてカートリッジ内に積層収納したもののうち最下段の
シート状ステープルを、その下面に当接させた送りベル
トで供給するステープル供給機構に関する。

【０００２】

【従来技術】この種のステープル供給機構としては、例
えば実公平３ー１８１４７号公報に示されたようなもの
が知られている。これは、同公報の第１図のように、真
直状の複数のステープルを連結してなるシート状ステー
プルを積層収納したカートリッジ３を電動ホッチキス本
体に装着し、電動ホッチキス本体に設けた送りベルト４
を、上記カートリッジ３内の最下段のシート状ステープ
ルｓに接触させ、送りベルト４を移動させることにより
シート状ステープルｓを最下段のものから順にカートリ
ッジ３の前壁開口部２から打ち出し部に供給するもので
ある。上記ステープル供給機構において、送りベルト４
の上面はシート状ステープルｓの下面に添ってどの部分
も同じ摩擦力が得られるように配置されているから、送
りベルト４が移動したとき、その摩擦力によってシート
状ステープルｓを送る送り力は、送りベルト４のどの部
分においても同じである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、送りの
際に図５のように最下段のシート状ステープルの後部の
みがまだカートリッジ内に残っている段階で、次位のシ
ート状ステープルが送りベルト上に降下してその後部ｐ
が接触すると、次位のシート状ステープルの後部には送
りベルトの送り力が働くから、次位のシート状ステープ
ルも前方に送られ、その結果、次位のシート状ステープ
ルが前のシート状ステープルの上に重なって送られてし
まう。こうなると、カートリッジとベルトガイド上の送
りベルトとの間の隙間はシート状ステープルの厚さの
１．５倍程度しかないので、２枚のシート状ステープル
は途中で詰まってしまい、送りベルトが空回りして送り
不良となってしまう欠点があった。

【０００４】本発明は上記欠点を解消し、特にシート状
ステープルの詰まりを防止して送りを確実にすることが
できる電動ホッチキスのステープル供給機構を提供する
ことをその課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明に係る電動ホッチキスのステープル供給機構
は、真直状の複数のステープルを連結してなるシート状
ステープルを積層収納したカートリッジを電動ホッチキ
スの本体に装着し、本体に設けた送りベルトを、上記カ
ートリッジ内の最下段のシート状ステープルに接触さ
せ、送りベルトを移動させることによりシート状ステー
プルを最下段のものから順次ステープルガイドに沿って
カートリッジの前壁開口部から打ち出し部に供給する電
動ホッチキスのステープル供給機構において、前記最下
段のシート状ステープルの下面の後部分に対する送りベ
ルトの摩擦力を前部分に対する摩擦力よりも小さくなる
ように形成したことを特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】図１は電動ホッチキスの要部の断
面図を示すもので、符号１は電動ホッチキス本体、３は
シート状ステープル供給用カートリッジを示す。

【０００７】カートリッジ３は真直状の複数のステープ
ルを連結してなるシート状ステープルｓを積層収納する
もので、底部は両側壁の下端から内側に屈曲した支持片
（図示せず）を残して開放され、また前壁下端にはシー
ト状ステープルｓの厚さの１．５倍程度の導出用開口部
２が形成されている。このため、最下段のシート状ステ
ープルｓの両側縁は上記支持片に支持されているととも
に、前端は導出用の開口部２に臨んでいる。

【０００８】上記カートリッジ３は電動ホッチキスの本
体１に着脱自在に設けられている。電動ホッチキスの本
体１には被綴り材５の綴り台を有するベース１ａと、ベ
ース１ａ上に配置されたマガジン１ｂとが設けられ、マ
ガジン１ｂには上記カートリッジ３の装着部ａが、装着
部ａの前方には打ち出し部ｂが設けられている。打ち出
し部ｂには前掲公報に示されたものと同様に、シート状
ステープルｓの前端のステープルをコ字状に折り曲げる
フォーミングプレート６と折り曲げられた成形ステープ
ルを綴り台に向けて打ち出すドライバプレート７とが上
下動自在に配置され、両プレート６、７は図示しない電
動モータとこれに連係した駆動機構とによって駆動され
るように構成されている。

【０００９】また、カートリッジ３の装着部ａから打ち
出し部ｂにわたってステープル供給機構が設けられてい
る。ステープル供給機構は前後に配置されたプーリー
８、９に送りベルト４を張設してなるもので、一方のプ
ーリー９は前記電動モータに連係している。上記供給機
構は図２に示されるようにユニット化されている。１０
は送りベルト４が撓まないようにするベルトガイドであ
り、１１はカートリッジ３内の最下段のシート状ステー
プルｓの移動を案内するステープルガイドである。

【００１０】送りベルト４は上記装着部ａに装着された
カートリッジ３の底部の開放部に臨み、内部の最下段の
シート状ステープルｓの下面に接触するように配置され
ているが、図３に示されるように、ベルトガイド１０の
後部にはカートリッジ３の後壁よりも前方位置で段差１
２が形成され、段差１２より後方の部分は少し低く形成
されている。同様に、後部プーリー９も前部プーリー８
より少し低い位置に配置されている。このため、送りベ
ルト４は段差１２の部分で斜めに下り傾斜して張られる
ことになる。したがって、最下段のシート状ステープル
ｓの下面の後部分ｐに対する送りベルト４の摩擦力は、
前部分に対する摩擦力よりも小さくなる。

【００１１】上記送り機構によれば、電動モータを作動
させてプーリー９を回転させることにより送りベルト４
を移動させると、その上面に接触した最下段のシート状
ステープルｓは送りベルト４との間の摩擦によって送り
力が生じ、シート状ステープルｓはステープルガイド１
１に沿って前方に移動し、カートリッジ３の開口部から
導出される。そして、上記シート状ステープルｓの送り
が進んでその後端がカートリッジ３内に残っていると
き、下から２層目の次位のシート状ステープルｓの後端
は下降して送りベルト４の上面に接触する。このため、
次位のシート状ステープルｓにも送り力が生じることに
なる。しかし、次位のシート状ステープルｓの後部分ｐ
に対応する送りベルト４の部分は、ベルトガイド１０の
段差１２によって低くなっているから、シート状ステー
プルｓと送りベルト４との間の摩擦は小さい。したがっ
て、シート状ステープルｓに対する送り力も弱いので、
次位のシート状ステープルｓが前のシート状ステープル
ｓの上に重なって送られることが防止され、前のシート
状ステープルｓが開口部から送り出された後に次位のシ
ート状ステープルｓが移動し始める。

【００１２】このようにしてシート状ステープルｓを最
下段のものから順次にステープルガイド１１に沿ってカ
ートリッジ３の前壁開口部から打ち出し部ｂに供給され
る。打ち出し部ｂにおいてはまず先端のステープルがコ
字状に折り曲げられた後、被綴り材５に向けて打ち出さ
れてクリンチされ、１段目の綴りが完了する。

【００１３】上述のように、ベルトガイド１０に段差１
２を設けることにより、カートリッジ３内の最下段のシ
ート状ステープルｓの下面の後部分に対する送りベルト
４の摩擦力が前部分に対する摩擦力よりも小さくなるよ
うに形成されているので、シート状ステープルｓの後部
に対する送り力も弱くなる。したがって、上記供給機構
によれば、２枚のシート状ステープルｓが重なり合って
送られたり、送りの途中で詰まったりすることがなく、
常に確実にシート状ステープルｓを供給することができ
る。

【００１４】なお、最下段のシート状ステープルｓの下
面の後部分に対する送りベルト４の摩擦力が前部分に対
する摩擦力よりも小さくするための構成は、上述のもの
に限定されない。例えば図４に示されるように、ベルト
ガイド１０の後端をカートリッジ３の中間よりもやや後
ろの部位で止め、その後ろの上述の段差１２部分に相当
する部位に中間プーリー１３を配置するような構成にし
てもよい。

【００１５】また、前部プーリー８と後部プーリー９と
を同じ高さとして段差１２を設けるだけの構成であって
も、次位のシート状するｓの後部分が送りベルト４に当
接してもその送りベルト４の下面にはベルトガイドがな
いため、後部分の摩擦力を前部分の摩擦力よりも小さく
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電動ホッチキスの概要説明図

【図２】上記ステープル機構のユニット部分の斜視図

【図３】上記電動ホッチキスのステープル供給機構の要
部の断面図

【図４】他のステープル機構の断面図

【図５】従来のステープル供給機構の要部の断面図

【符号の説明】

ｓ シート状ステープル １ 電動ホッチキス本体 ３ カートリッジ ４ 送りベルト １１ ステープルガイド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 真直状の複数のステープルを連結してな
   るシート状ステープルを積層収納したカートリッジを電
   動ホッチキスの本体に装着し、本体に設けた送りベルト
   を、上記カートリッジ内の最下段のシート状ステープル
   に接触させ、送りベルトを移動させることによりシート
   状ステープルを最下段のものから順次ステープルガイド
   に沿ってカートリッジの前壁開口部から打ち出し部に供
   給する電動ホッチキスのステープル供給機構において、 前記最下段のシート状ステープルの下面の後部分に対す
   る送りベルトの摩擦力を前部分に対する摩擦力よりも小
   さくなるように形成したことを特徴とする電動ホッチキ
   スのステープル供給機構。