JPH0137905Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はホツチキスにおけるステープルカー
トリツジに関する。

（従来技術） 最近、新しいタイプのホツチキスとして、所定
数の真直状未成形ステープルを接着剤によつてシ
ート状に連結してなるステープル（以下シート状
ステープルという）をカートリツジ内に多段に積
層収納し、これをマガジンに取付けてカートリツ
ジの前壁下端に形成された排出口からシート状ス
テープルを順次外部に送り出し、さらに排出した
シート状ステープルを先端のシート状ステープル
材から順にコの字形に成形した後、被綴り材中に
打込むものが提案されている。上記方式のホツチ
キスにおいては、カートリツジからシート状ステ
ープルを排出するために、第６図に示すように、
マガジンにシート状ステープルＳの送り方向に移
動するように設けた送りベルト２１上にカートリ
ツジ２２をその底部開口部が位置するように取付
け、送りベルト２１を移動させることにより最下
段のシート状ステープルＳ１を送りベルト２１の
上面に接触させ、送りベルト２１とともにカート
リツジ２２の前壁２２ａの下端に形成された排出
口２３から排出する構成の送り装置が設けられて
いる。特にこのようにシート状ステープルを送り
ベルト２１で送り出す装置によれば、最下段のシ
ート状ステープルＳ１が排出口２３から排出され
きらないうちに、第２位のシート状ステープルＳ
２の後端部は支持を失つて送りベルト２１上に降
下するわけであるが、送りベルト２１は移動して
いるから、第２位のシート状ステープルＳ２の後
端部ｐはその送り力の作用を受け、前端部ｑはカ
ートリツジ２２の前壁２２ａの内側面に係合して
押圧される。このため、最下段のシート状ステー
プルＳ１がカートリツジ２２から完全に排出され
た後も第２位のシート状ステープルＳ２は降下す
ることなく同じ位置に停まつて送りが中断してし
まうことがあつた。

（考案の技術的課題） この考案は上記問題点を解消し、カートリツジ
内のシート状ステープルを常に円滑に排出するこ
とができるホツチキスにおけるシート状ステープ
ル送り装置を提案することをその技術的課題とす
る。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するために、この考案に係るホ
ツチキスにおけるステープルカートリツジは、所
定数の未成形ステープルをシート状に連結してな
るステープルを積層して収納する収納部の底部に
上記の最下段のシート状ステープルの下面両側を
支持する支持用リブを残して開口部を形成すると
ともに、上記収納部の前壁下端には上記シート状
ステープルの排出口を前記支持用リブ上面と該排
出口上面との間隔がシート状ステープル一枚の厚
さよりも大きくてシート状ステープル二枚の厚さ
よりも小さい程度に設け、且つ該排出口近傍の前
壁内面には、排出口に向かつて下り傾斜の傾斜面
をその高さがシート状ステープル一枚の厚さ以上
となるように設けたことを特徴とする。

（考案の作用、効果） 上述のように、この考案によれば、排出口が支
持リブ上面と該排出口上面との間隔がシート状ス
テープル一枚の厚さよりも大きくてシート状ステ
ープル二枚の厚さよりも小さい程度に設けられて
いるので、シート状ステープルは一枚ずつ順次に
排出される。また、カートリツジのシート状ステ
ープル収納部の排出口近傍の前壁内面には、排出
口に向かつてシート状ステープル一枚の厚さ以上
の高さを有する下り傾斜の傾斜面が設けられてい
るから、最下段のシート状ステープルが排出する
途中でその上の第２位のシート状ステープルの後
部が降下し、例えば従来の送り装置の送りベルト
等により後方から前方への力を受けて第２位のシ
ート状ステープルの前端部が傾斜面に係合して
も、該傾斜面に対しシート状ステープルは線状に
接触するにすぎない。この接触による摩擦抵抗は
小さいので、上記シート状ステープルは上記傾斜
面に沿つて排出口に案内される。したがつて、第
２位のシート状ステープルは最下段のシート状ス
テープルが完全に排出された後、その前後部が確
実に降下し、常に円滑に排出口から排出される。

（実施例） 以下、図面によりこの考案の実施の一例につい
て説明する。

第１図及び第２図において符号Ａはホツチキス
を示す。このホツチキスＡは、基台１上にマガジ
ン２を揺動自在に装着し、該マガジン２の後部に
シート状ステープル送り装置ａを設けるととも
に、マガジン２の前部には、シート状ステープル
成形・打込み装置ｂを設け、これらシート状ステ
ープル送り装置ａ及び成形・打込み装置ｂを上記
基台１に設けたモータ等の駆動源（図示せず）に
よつて駆動するものである。

シート状ステープル送り装置ａは、マガジン２
のカートリツジ取付部上に着脱自在に設けられる
シート状ステープルのカートリツジ３と該カート
リツジ３内のシート状ステープルＳを成形・打込
み装置ｂに向けて送り出す送り手段５とから構成
されている。

カートリツジ３は第３図及び第４図に示すよう
に、上部開口からシート状ステープルＳを多段に
積層収納できるステープル収納部６を有し、該収
納部６の前壁６ａの前部に案内手段７を形成し、
その下端に排出口８を形成するとともに、収納部
６の底部の前部には上記排出口８と連続する切欠
部９を形成し、後部には両側にステープル支持リ
ブ１０，１０をその間に中央開口部１１を形成し
てなるもので、上記排出口８の上面と案内手段７
の下面とは面一に形成されている。また、排出口
８近傍の前壁６ａの内面には、排出口８に向つて
下り傾斜の傾斜面１２が形成されている。そし
て、上記排出口８の高さ、つまり排出口８上面と
支持リブ１０，１０上面との間隔Ｈ１は、シート
状ステープルＳ一枚の厚さよりも大きく二枚の厚
さよりも小さい程度に形成されている。前壁６ａ
にの傾斜面２の高さＨ２はシート状ステプールＳ
一枚の厚さ以上に形成されている。したがつて、
上記収納部６内に収納されたシート状ステープル
Ｓのうち最下段のシート状ステープルＳ１は支持
リブ１０，１０面に支持され、且つその前端は収
納部前壁６ａの下端面（排出部８の上面）よりも
やや下方に位置し、最下段から第２位のシート状
ステープルＳ２の前端は前壁６ａの傾斜面１２に
対面している。

次に、ステープル送り手段５は、カートリツジ
３内のシート状ステープルＳを前方に送るもの
で、マガジン２のカートリツジ取付部の下部に設
けられたマグネツト５ａと、該マグネツト５ａの
前後部に設けられたプーリ１４，１４，１４ａに
張設され、その上面がカートリツジ３の支持リブ
１０，１０間の中央開口部１１に配される送りベ
ルト５ｂとから構成されている。プーリ１４ａは
基台１の駆動源に連係している。

カートリツジ３をマガジン２のカートリツジ取
付部に装着し、プーリ１４ａを駆動して送りベル
ト５ｂを作動させると、最下段のシート状ステー
プルＳ１はマグネツト５ａに強く吸引されて送り
ベルト５ｂと強い係合摩擦力が生じ、送りベルト
５ｂの移動に従つて移動してカートリツジ３の前
壁６ａ排出口８から送り出され、ステープル成
形・打込み装置ｂに供給される。このとき、排出
口８が支持リブ１０，１０の上面と該排出口８の
上面との間隔Ｈ１がシート状ステープルＳ一枚の
厚さよりも大きくてシート状ステープルＳ二枚の
厚さよりも小さい程度に設けられているので、シ
ート状ステープルＳは一枚ずつ順次に排出され
る。

ところで、最下段のシート状ステープルＳ１が
排出口８から排出される途中で、第２位のシート
状ステープルＳ２は第３図に示すようにその後部
が降下し、送りベルト５ｂにより後方からの力を
受けて傾斜面１２に係合しても、該傾斜面１２に
はシート状ステープルＳ２の前端角部が線状に接
触するにすぎず、接触による摩擦抵抗が小さいの
で、上記シート状ステープルＳ２は上記傾斜面１
２に沿つて排出口８に案内される。したがつて、
第２位のシート状ステープルＳ２は最下段のシー
ト状ステープルＳ１が完全に排出された後、確実
に降下する。なお、傾斜面１２の高さはシート状
ステープル一枚Ｓの厚さ以上の高さを有するか
ら、シート状ステープルＳの前端部は必ず傾斜面
１２に係合する。

排出口８から排出されたシート状ステープルＳ
は成形・打込み装置ｂに供給される。そして、ま
ず適宜の駆動手段に連係するホルダ１６に保持さ
れたフオーミングプレート１７とアンビル１９と
の間に移送され、第５図ａ，ｂに示すように、該
プレート１７によつてコの字形に成形される。同
時に、既に該フオーミングプレート１７によつて
成形済みの最前部のステープルはドライバプレー
ト１８により押し下げられて綴り台１ａ上の被綴
り材１５中に打込まれ、綴りが行なわれる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るホツチキスのカートリ
ツジを含むホツチキスの要部断面図、第２図はシ
ート状ステープル送り装置の要部分解斜視図、第
３図はカートリツジの断面とシート状ステープル
の送り説明図、第４図はカートリツジの斜視図、
第５図ａ，ｂはステープルの成形態様説明図装置
であり、第６図は従来のカートリツジによるシー
ト状ステープルの送り説明図である。 符号Ａ……ホツチキス、Ｓ……シート状ステー
プル、Ｓ１……最下段のシート状ステープル、Ｓ
２……第２位のシート状ステープル、１……基
台、２……マガジン、３……カートリツジ、５…
…送り手段、５ａ……マグネツト、５ｂ……ベル
ト、８……排出口、１０……支持リブ、１２……
傾斜面、１４……プーリ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定数の未成形ステープルをシート状に連結し
   てなるステープルを積層して収納する収納部の底
   部に上記の最下段のシート状ステープルの下面両
   側を支持する支持リブを残して開口部を形成する
   とともに、上記収納部の前壁下端には上記シート
   状ステープルの排出口を、前記支持リブ上面と該
   排出口上面との間隔がシート状ステープル一枚の
   厚さよりも大きくてシート状ステープル二枚の厚
   さよりも小さい程度に設け、且つ該排出口近傍の
   前壁内面には、排出口に向かつて下り傾斜の傾斜
   面をその高さがシート状ステープル一枚の厚さ以
   上となるように設けたことを特徴とするホツチキ
   スにおけるステープルカートリツジ。