JPH10116013A - 電子写真印刷装置の印刷開始位置制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】垂直印刷位置が前頁と次頁とでずれてしまうこ
となく、安定した垂直方向の印刷開始位置を保証するこ
とが可能な印刷開始位置制御方法を提供する。 【解決手段】用紙搬送前の状態においては、印刷開始位
置を決定する垂直同期信号として感光ドラムの回転に同
期した信号(ＤＶＳ信号)を用い、用紙搬送中の状態にお
いては、用紙送り量に同期した信号(ＳＮＳ信号)を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真印刷装置
の印刷開始位置制御方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真印刷装置の一形態として、長尺
状に連続した用紙上にトナー像を形成するものが知られ
ている。

【０００３】この種の電子写真印刷装置において、印刷
開始位置を決定する垂直同期信号としては、一般に感光
ドラムの回転に同期した信号（以下、「ＤＶＳ信号」と
称する。）が用いられている。ここで、ＤＶＳ信号の周
期は、感光ドラムが定速回転している時の感光ドラム円
周上の点が一定距離を回転する時間である。

【０００４】ＤＶＳ信号は常にコントローラに送信され
ており、このコントローラは、送信されてくるＤＶＳ信
号に同期して図３に示す様に時間Ｔ３２のタイミング内
で紙送り信号（以下、「ＣＰＦ信号」と称する。）を送
信してくる。これにより、電子写真印刷装置は連続紙の
紙送りを開始し、印刷頁の時間Ｔ３１だけ印刷を行う様
に制御される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術の様
にＤＶＳ信号のみに基づき制御した場合、感光ドラムに
対し用紙搬送方向下流側に設けられた定着装置を構成す
る加熱ロール径、加熱ロールの熱膨張あるいは用紙厚な
ど、メカニカルなばらつきの影響により、実際の用紙搬
送速度と印刷速度が異なってしまい、垂直印刷位置が前
頁と次頁とでずれてしまうという欠点があった。また、
前記ずれは記録材が連続紙であるため印刷量に比例して
累積されてしまうという欠点があった。

【０００６】従って、本発明の目的は、垂直印刷位置が
前頁と次頁とでずれてしまうことなく、安定した垂直方
向の印刷開始位置を保証することが可能な印刷開始位置
制御方法を提供することにある。

【０００７】

【課題を達成するための手段】上記目的は、所定の速度
で回転する感光ドラムと、該感光ドラムに対し用紙搬送
方向上流側に設けられた用紙搬送トラクタと、前記感光
ドラムに対し用紙搬送方向下流側に設けられ、互いに圧
接可能に支持された加熱ロールおよび加圧ロールからな
る定着装置とを有し、前記加熱ロールおよび加圧ロール
の圧接部にて長尺状に連続した用紙を挟持搬送しなが
ら、用紙上に転写されたトナー像を加熱、加圧して該ト
ナー像を用紙に定着させる電子写真印刷装置の印刷開始
位置制御方法において、用紙搬送前の状態においては、
印刷開始位置を決定する垂直同期信号として感光ドラム
の回転に同期した信号を用い、用紙搬送中の状態におい
ては、用紙送り量に同期した信号を用いることにより達
成される。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しながら説明する。図１は本発明の印刷開始位置制御
方法を適用したプリンタの概略構成図、図２は本発明の
制御シーケンスである。

【０００９】図１において、感光ドラム１は矢印方向に
回転可能に支持されている。感光ドラム１の回転に伴
い、感光ドラム１表面は帯電器２により所定電位に均一
に帯電され、続く露光装置３からの照射ビームを受けて
感光ドラム１には静電潜像が形成される。現像装置４の
現像領域に達した静電潜像にはトナーが供給され、静電
潜像はトナー像として可視化される。感光ドラム１表面
に形成されたトナー像は、転写器５による転写領域で用
紙６側に静電吸引され、用紙６上に転写される。

【００１０】用紙６は、長尺状に連続した、いわゆる連
続紙であり、その幅方向両縁部には用紙搬送方向に沿っ
て所定間隔で送り穴（図示せず）が形成されている。用
紙６の搬送は、プリンタ本体の用紙入口側に設けられた
用紙搬送トラクタ７と、プリンタ本体の用紙出口側に設
けられた一対の定着ロール８により行われる。上述の用
紙６に設けられた送り穴は、主として用紙搬送トラクタ
７による搬送のために用いられる。

【００１１】転写領域で用紙６上に転写されたトナー像
は、定着ロール８を構成する加熱ロール８ａおよび加圧
ロール８ｂ間で加熱、加圧作用を受けながら挟持搬送さ
れ、用紙６上に定着される。加圧ロール８ｂは、印刷動
作時は実線で示すように加熱ロール８ａと圧接状態をな
し、非印刷動作時は一点鎖線で示すように加熱ロール８
ａとの圧接状態から解放されるように構成されている。
定着ロール８から送り出された用紙６はプリンタ本体外
へ排出され、用紙折りたたみあるいは所定サイズへの裁
断等の後処理がなされる。

【００１２】一方、転写領域で用紙６に転写されずに、
感光ドラム１表面に残留してしまったトナーは、クリー
ナ９で感光ドラム１表面から除去される。以上の動作を
繰り返すことにより印刷動作が継続される。

【００１３】上記構成のプリンタにおいて印刷開始位置
制御は次の様にして行われる。印刷動作を開始するとス
テッピングモータ１１により感光ドラム１と現像装置４
は駆動される。回転が定速になると図示しない制御基板
内の発振器から生成されたＤＶＳ信号に同期して、時間
Ｔ３２のタイミング内でコントローラよりＣＰＦ信号が
送信され、感光ドラム１上にトナー像（図示せず）が形
成される。

【００１４】感光ドラム１上に形成されたトナー像が転
写領域に到達するタイミングＴ３４においてクラッチ１
０がオンされる。クラッチ１０がオンされると、加熱ロ
ール８ａが連結されて回転し、用紙６の搬送を開始す
る。

【００１５】用紙６が定着ロール８に搬送され始まると
用紙搬送トラクタ７が動作し、用紙搬送トラクタ７の回
転軸（図示せず）に取り付けられたエンコーダ１２が回
転を始める。このエンコーダ１２には１２個のスリット
が設けられている。スリットの有無によりセンサ１３が
検出したオン／オフ信号をエンコーダ信号（以下、「Ｓ
ＮＳ信号」と称する。）とする。

【００１６】用紙６の搬送が行われるタイミングである
クラッチ７のオン信号に同期して図示しない回路によ
り、垂直同期信号をＤＶＳ信号からＳＮＳ信号に切り替
える。ＤＶＳ信号の代わりにＳＮＳ信号を引き続きコン
トローラに垂直同期信号として送信することで、完全に
用紙６の搬送速度と印刷速度とを一致させることができ
る様になる。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、用紙搬送前の状態にお
いては、印刷開始位置を決定する垂直同期信号として感
光ドラムの回転に同期した信号（ＤＶＳ信号）を用い、
用紙搬送中の状態においては、用紙送り量に同期した信
号（ＳＮＳ信号）を用いるので、用紙搬送速度と印刷速
度とを一致させることができ、垂直印刷位置が前頁と次
頁とでずれてしまうことなく、安定した垂直方向の印刷
開始位置を保証することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の印刷開始位置制御方法を適用したプリ
ンタの概略構成図。

【図２】本発明の制御シーケンス。

【図３】従来技術における制御シーケンス。

【符号の説明】

１…感光ドラム、２…帯電器、３…露光装置、４…現像
装置、５…転写器、６…用紙、７…用紙搬送トラクタ、
８…定着ロール、９…クリーナ、１０…クラッチ、１１
…ステッピングモータ、１２…エンコーダ、１３…セン
サ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 嘉彦 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定の速度で回転する感光ドラムと、該感
   光ドラムに対し用紙搬送方向上流側に設けられた用紙搬
   送トラクタと、前記感光ドラムに対し用紙搬送方向下流
   側に設けられ、互いに圧接可能に支持された加熱ロール
   および加圧ロールからなる定着装置とを有し、前記加熱
   ロールおよび加圧ロールの圧接部にて長尺状に連続した
   用紙を挟持搬送しながら、用紙上に転写されたトナー像
   を加熱、加圧して該トナー像を用紙に定着させる電子写
   真印刷装置の印刷開始位置制御方法において、 用紙搬送前の状態においては、印刷開始位置を決定する
   垂直同期信号として感光ドラムの回転に同期した信号を
   用い、用紙搬送中の状態においては、用紙送り量に同期
   した信号を用いることを特徴とする電子写真印刷装置の
   印刷開始位置制御方法。
2. 【請求項２】前記用紙送り量に同期した信号が、前記用
   紙搬送トラクタの回転軸に設けられたエンコーダからの
   エンコーダ信号であることを特徴とする請求項１記載の
   電子写真印刷装置の印刷開始位置制御方法。
3. 【請求項３】前記エンコーダ信号を、前記感光ドラムの
   回転に同期した信号の整数倍の周期としたことを特徴と
   する請求項２記載の電子写真印刷装置の印刷開始位置制
   御方法。