JPH10115608A - 検知剤 - Google Patents

検知剤

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JPH10115608A
JPH10115608A JP9173997A JP9173997A JPH10115608A JP H10115608 A JPH10115608 A JP H10115608A JP 9173997 A JP9173997 A JP 9173997A JP 9173997 A JP9173997 A JP 9173997A JP H10115608 A JPH10115608 A JP H10115608A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素、窒素、アルゴン、ヘリウム等に含まれ
るハロゲンガスおよび酸性ガスを乾燥状態で高感度に検
出できる検知剤を開発する。 【解決手段】 遷移金属の水酸化物とコンゴーレッドを
変色成分として検知剤を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲンガスおよび
酸性ガスの検知剤に関し、さらに詳細には、窒素、水
素、アルゴン、ヘリウムなどのガス中に含まれるフッ
素、塩素、臭素、フッ化水素、六フッ化タングステン、
四フッ化珪素、三フッ化硼素、塩化水素、四塩化珪素、
三塩化硼素、フッ化塩素、三フッ化塩素等のハロゲンガ
スおよび酸性ガスの検知剤に関する。
【0002】近年、半導体工業やオプトエレクトロニク
ス工業の発展に伴い各種のハロゲンガスおよび酸性ガス
が使用されているとともに、その使用量が増加してい
る。これらのハロゲンガスおよび酸性ガスはシリコン半
導体や化合物半導体製造工程などにおいて、結晶性シリ
コン、アモルファスシリコンあるいは酸化シリコン膜の
膜成長用ガス、あるいは、エッチング用ガスとして不可
欠な物質である。
【0003】しかし、これらのガスはいずれも極めて毒
性が高く、特に毒性の高い塩素やフッ素の時間加重平均
許容濃度は1ppmとされている。従って、これらのガ
スの取り扱いに際しては絶えず作業環境の測定を行わな
くてはならず、万一これらのガスが漏れた場合には的確
に検知し、危害を生じないような処置を講ずる必要があ
る。また、半導体製造プロセス等から排出されるガスに
はこれらのハロゲンガスおよび酸性ガスが含有されてい
るため、除害装置等を用いて浄化した後、外部に放出す
る際には、これらのハロゲンガスおよび酸性ガスの有無
を確認する必要がある。
【0004】
【従来の技術】従来、ハロゲンガスの検知方法として
は、オルトトリジン法を利用したもの、ハロゲンガ
スの脱色作用を利用したものなどがある。また、酸性ガ
スの検知方法としては、変色成分にpH指示薬を用い
たもの、酸性ガスと水からハロゲン化水素を生成さ
せ、そのpH変化を利用したものなどがある。これらの
検知方法を利用した検知剤をガラス管や容器に充填して
検知管や検知器として構成し、被測定ガスと接触させ
て、検知剤が変色することを利用したものが多数知られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オル
トトリジン法を利用したもの、ハロゲンガスの脱色作
用を利用したもの、あるいは酸性ガスと水からハロゲ
ン化水素を生成させ、そのpH変化を利用したものでは
いずれも湿式あるいは湿度の高い反応条件が必要であ
り、ガス中のハロゲンガスあるいは酸性ガスの検出には
加湿を要すること、および応答性が遅い点などの不都合
があり、乾燥条件下では実際上使用できないという問題
点があった。一方、変色成分にpH指示薬を用いたも
のでは、乾式法で行うことができるものの、何れもその
変色の差が小さく、高感度で検出できないほか、検知成
分が乾燥するとさらに感度が低下する等の不都合があっ
た。 これらのことから、ハロゲンガスおよび酸性ガス
に対して、乾燥条件下でも、高感度で検出しうるととも
に、長期間にわたり安定した検出能を有する検知剤の開
発が強く望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの問
題点を解決し、希薄なハロゲンガスおよび酸性ガスに対
しても高感度で、かつ迅速に変色する検知剤を得るべく
検討を重ねた結果、変色成分として遷移金属の水酸化物
とコンゴーレッドを組み合わせることにより優れた検知
剤を得ることができることを見いだし、本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、遷移金属の水酸化物とコンゴ
ーレッドを変色成分とした、ハロゲンガスおよび酸性ガ
スから選ばれる少なくとも一種を含有するガスの検知剤
である。
【0007】
【発明の実施の態様】本発明の検知剤は、窒素、水素、
アルゴン、およびヘリウムなどに含まれるハロゲンガス
および酸性ガスから選ばれる少なくとも一種を含むガス
の検知に適用することができる。本発明におけるハロゲ
ンガスとはフッ素、塩素または臭素である。また酸性ガ
スとは、そのもの自体酸性を有するほか、水と接触して
加水分解により酸性を示すものをいい、具体的にはフッ
化水素、六フッ化タングステン、四フッ化珪素、三フッ
化硼素、塩化水素、四塩化珪素、三塩化硼素、フッ化塩
素、三フッ化塩素などである。
【0008】本発明の検知剤は、遷移金属の水酸化物と
pH指示薬コンゴーレッドとの混合物を変色成分とし
た、ハロゲンガスと酸性ガスの検知剤であり、ハロゲン
ガスおよびフッ化塩素、三フッ化塩素など一部の酸性ガ
スと接触することにより柿色〜紅色から黒色に変色し、
フッ化塩素、三フッ化塩素を除く他の酸性ガスと接触す
ることにより柿色〜紅色から青色〜紺色へと鋭敏に変色
する。
【0009】本発明において検知剤の変色成分の一成分
として遷移金属の水酸化物が用いられる。遷移金属とし
てはニッケル(II)、コバルト(II)又はマンガン(I
I)等が挙げられ、その水酸化物は水酸化ニッケル(N
i(OH)2 )、水酸化コバルト(Co(OH)2 )、
水酸化マンガン(Mn(OH)2 )であり、これらの水
酸化物の1種を用いてもよく、また2種以上を併用して
用いてもよい。水酸化ニッケル(II)は淡緑色の結晶で
あり、硝酸ニッケル(II)等の水溶液に水酸化カリウム
溶液を加えることによって調製することもできるが、市
販品があり、それらを用いることもできる。水酸化ニッ
ケル(II)に少量の水酸化ニッケル(I)および水酸化ニ
ッケル(III)を含有する場合があるが、水酸化ニッケル
(II)の色調を著しく損なうものでなければ、本発明の
検知剤に用いることができる。
【0010】水酸化コバルト(II)は淡青色またはバラ
色の結晶であり、水酸化カリウム水溶液に硝酸コバルト
(II)溶液を加えることによって調製することができ
る。水酸化コバルト(II)は空気中で比較的容易に酸化
されて緑色から暗緑色に変色することから、不活性気体
中で取り扱うことが好ましい。
【0011】水酸化マンガン(II)は白色結晶であり、
水酸化カリウム水溶液に硝酸マンガン(II)溶液を加え
ることによって調製することができる。水酸化マンガン
(II)は空気中で比較的容易に酸化されて褐色に変色す
ることから、不活性気体中で取り扱うことが好ましい。
本発明の一方の変色成分であるコンゴーレッドはpH指
示薬として広く用いられているものであり、市販品があ
ることから、それを用いると好都合である。
【0012】本発明において、変色成分である遷移金属
の水酸化物とコンゴーレッドとの混合物を粉末状のま
ま、またはペレット状などに成型して検知剤としてもよ
く、または無機担体などに担持させて検知剤とすること
もできる。遷移金属の水酸化物とコンゴーレッドとの混
合物を粉末状のまま、又はペレット状などに成型して検
知剤として用いる場合の混合割合は、コンゴーレットの
割合が少ない場合は変色感度が得られず、また多すぎる
場合は変色が不明瞭となることから重量比(水酸化物:
コンゴーレッド)で通常は1:0.01〜0.0000
1、好ましくは1:0.005〜0.0001である。
これらの混合物を通常の乾式あるいは湿式の成型方法に
よってペレット状、あるいは粒状などに成型して用いる
ことができる。また成型の際に、成型を容易にするため
に、遷移金属の水酸化物およびコンゴーレッドに不活性
な少量の滑剤、成形剤を用いることもできる。
【0013】変色成分である遷移金属の水酸化物とコン
ゴーレッドとの混合物を担体に担持させて用いることも
できる。特に水酸化コバルトは安定的に取扱いにくいこ
とから、担体に担持させて用いることが好ましい。遷移
金属の水酸化物とコンゴーレッドの混合物を無機担体に
担持させる場合の担体としては、広い範囲から選択する
ことができるが、例えばシリカゲル、シリカアルミナ、
アルミナ、ジルコニア、チタニアなどの触媒担体、中で
も白色ないしは無色のものが好適に使用され、これらの
内でもシリカゲルが特に好ましい。シリカゲルとして
は、乾燥剤用として一般に市販されているものは450
〜800m2 /g程度の比表面積を有するものであり、
これらを用いてもよいが本発明の目的をより高度に達成
するためには水熱合成法などで得られる比表面積50〜
400m2 /gの範囲のものが好ましい。比表面積が小
さくなりすぎると変色速度が小さくなることがある。
【0014】担体を用いる場合の変色成分の担持方法と
しては、例えば変色成分を水や各種の有機溶媒などに溶
解またはけん濁させた液に担体を浸漬させてもよく、も
しくは担体をかき混ぜながら変色成分の溶液あるいはけ
ん濁液を担体表面に散布して担持させてもよい。
【0015】無機担体に対する遷移金属の水酸化物とコ
ンゴーレッドの担持量は重量比(無機担体:水酸化物:
コンゴーレッド)で通常は1:0.15〜0.000
1:0.1〜0.00001、好ましくは1:0.05
〜0.005:0.01〜0.0001である。無機担
体に対する遷移金属水酸化物の担持量が上記範囲よりも
少ない場合は感度が得られず、また多すぎる場合、遷移
金属の種類によっては(コバルトの場合)変色前後の色
の変化が判別しにくくなる。また、無機担体に対するコ
ンゴーレッドの担持量が上記範囲よりも少ない場合には
感度が得られず、また多すぎる場合には変色前後の色の
変化が判別しにくくなる。検知剤調製時における遷移金
属水酸化物の酸化を防止するため、担持操作および乾燥
は、窒素雰囲気中で行うことが好ましい。また、得られ
た検知剤は酸素との接触をさけて保存することが好まし
い。
【0016】検知剤と接触させるガスの速度に特に制限
はないが、半導体製造プロセスの装置内や排ガス処理装
置内では、通常、空筒基準線速度で0.01〜100c
m/sec程度とされる。ただし、これらの装置のパー
ジの時などでは100cm/secを越える線速度とな
る場合がある。通常、空筒基準線速度が上記範囲より低
い場合は変色が遅くなり、高い場合は圧力損失が大きく
なるおそれがある。接触時のガスの温度は通常は−20
〜100℃、また、圧力は0.001〜20kg/cm
2 abs程度である。
【0017】本発明の検知剤は固体であり、通常はガラ
ス製の検知管や透明プラスチック製などの透明な容器ま
たはガスの浄化筒などに設けられた透明な覗き窓部に充
填して使用され、ガス中に含有されるハロゲンおよび酸
性ガスの存在を検知剤の変色により知ることができる。
また、本発明の検知剤を浄化剤などとともに使用する場
合には浄化筒内の浄化剤の層の下流側または複数の浄化
剤層の間に充填したり、検知剤を充填した検知筒を浄化
筒の後ろに接続した形態などで使用される。
【0018】このように本発明の検知剤を用いることに
よって、検知剤がハロゲンガスおよびフッ化塩素、三フ
ッ化塩素など一部の酸性ガスに接触することにより柿色
〜紅色から黒色に鋭敏に変色し、検知剤がフッ化塩素、
三フッ化塩素を除く他の酸性ガスに接触した場合には柿
色〜紅色から青色〜紺色に鋭敏に変色することにより容
易に検知することができる。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1〜9 (検知剤の調製1)粒の大きさが5〜10mesh、比
表面積325m2 /g、細孔容積0.99ml/g、充
填密度0.420g/mlの粒状シリカゲル(富士シリ
シア化学(株)製、キャリアクト−10)100gに、
硝酸コバルト6水和物5.0gを水153mlに溶解し
た溶液を含浸させた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液
50mlを加えてかき混ぜたのち、ロータリーエバポレ
ーターで50℃の温度で減圧乾燥させた。これにコンゴ
ーレッド0.1gを水100mlに溶解した溶液を加え
てかき混ぜ、再びロータリーエバポレーターで完全に減
圧乾燥させて検知剤を調製した。
【0020】(検知能力の測定1)この検知剤2.0g
を内径19mmのガラス管に充填したものを多数作製
し、これに10ppmおよび1ppmの塩素、50pp
mおよび5ppmの塩化水素、10ppmの臭素、10
ppmのフッ素、50ppmの三塩化ほう素、50pp
mの六フッ化タングステン、10ppmの三フッ化塩素
を含有する窒素ガスをそれぞれ空筒基準線速度5.9c
m/secで接触させ、変色し始めるまでの時間を測定
した。結果を表1に示す。
【0021】
【表1】 表 1 実施例 検知対象ガス 変色開始までの時間 ガス種 濃度 (ppm) (min) 1 塩素 10 <1 2 塩素 1 35 3 塩化水素 50 <1 4 塩化水素 5 28 5 臭素 10 <0.5 6 フッ素 10 <1 7 三塩化ほう素 50 <1 8 六フッ化タングステン 50 <1 9 三フッ化塩素 10 <1
【0022】実施例10、11 (検知剤の調製2)実施例1と同様の粒状シリカゲル1
00gに、硫酸ニッケル6水和物20.0gを水153
mlに溶解した溶液を含浸させた後、1Nの水酸化ナト
リウム水溶液250mlを加えかき混ぜた。次に時々か
き混ぜながら12時間放置して反応させた後上澄みを捨
て、ロータリーエバポレーターで50℃の温度で減圧乾
燥させた。これにコンゴーレッド0.02gを水100
mlに溶解した溶液を加え、再びロータリーエバポレー
ターで完全に乾燥させて検知剤を調製した。
【0023】(検知能力の測定2)この検知剤2.0g
を実施例1と同様にガラス管に充填し、これに10pp
mの塩素、50ppmの塩化水素を含有する窒素ガスを
それぞれ空筒基準線速度5.9cm/secで接触さ
せ、変色し始めるまでの時間を測定した。結果を表2に
示す。
【0024】
【表2】 表 2 実施例 検知対象ガス 変色開始までの時間 ガス種 濃度 (ppm) (min) 10 塩素 10 <1 11 塩化水素 50 <1
【0025】実施例12、13 (検知剤の調製3)実施例1と同様の粒状シリカゲル1
00gに、硫酸マンガン4〜5水和物20.0gを水1
53mlに溶解した溶液を含浸させた後、1Nの水酸化
ナトリウム水溶液250mlを加えてかき混ぜた。次に
時々かき混ぜながら12時間放置して反応させた後上澄
みを捨て、ロータリーエバポレーターで50℃の温度で
減圧乾燥させた。これにコンゴーレッド0.02gを水
100mlに溶解した溶液を加え、再びロータリーエバ
ポレーターで完全に乾燥させて検知剤を調製した。
【0026】(検知能力の測定3)この検知剤2.0g
を実施例1と同様にガラス管に充填し、これに10pp
mの塩素、50ppmの塩化水素を含有する窒素ガスを
それぞれ空筒基準線速度5.9cm/secで通して接
触させ、変色し始めるまでの時間を測定した。結果を表
3に示す。
【0027】
【表3】 表 3 実施例 検知対象ガス 変色開始までの時間 ガス種 濃度 (ppm) (min) 12 塩素 10 <1 13 塩化水素 50 <1
【0028】実施例14、15 (検知剤の調製4)粒の大きさが8〜16mesh、比
表面積210m2 /g、細孔容積0.99g、平均細孔
径100Å、充填密度0.68g/mlの活性アルミナ
(水沢化学工業(株)製、Neobeads GB8〜16)150
g、硝酸コバルト6水和物5.0gを水153mlに溶
解した溶液を含浸させた後、1Nの水酸化ナトリウム水
溶液50mlを加えてかき混ぜた。次に時々かき混ぜな
がら12時間放置して反応させた後上澄みを捨て、ロー
タリーエバポレーターで50℃の温度で減圧乾燥させ
た。これにコンゴーレッド0.1gを水100mlに溶
解した溶液を加え、再びロータリーエバポレーターで完
全に乾燥させて検知剤を調製した。
【0029】(検知能力の測定4)この検知剤2.0g
を実施例1と同様にガラス管に充填し、これに10pp
mの塩素、50ppmの塩化水素を含有する窒素ガスを
それぞれ空筒基準線速度5.9cm/secで通して接
触させ、変色し始めるまでの時間を測定した。結果を表
4に示す。
【0030】
【表4】 表 4 実施例 検知対象ガス 変色開始までの時間 ガス種 濃度 (ppm) (min) 14 塩素 10 5 15 塩化水素 50 <1
【0031】実施例16、17 (検知剤の調製5)水酸化ニッケル1.5水和物100
gに、コンゴーレッド0.04gを水22gに溶かした
溶液を加え、更に1Nの水酸化ナトリウム水溶液2ml
を加え、そのペーストを型に入れ、窒素ガス雰囲気下5
0℃で乾燥させたのち、それを6〜10meshに砕い
て検知剤を調製した。
【0032】(検知能力の測定5)この検知剤2.0g
を実施例1と同様にガラス管に充填し、これに10pp
mの塩素、50ppmの塩化水素を含有する窒素ガスを
それぞれ空筒基準線速度5.9cm/secで通して接
触させ、変色し始めるまでの時間を測定した。結果を表
4に示す。
【0033】
【表5】 表 5 実施例 検知対象ガス 変色開始までの時間 ガス種 濃度 (ppm) (min) 16 塩素 10 9 17 塩化水素 50 <1
【0034】実施例18 (窒素ガスによる影響の確認)次に、実施例1で使用し
た検知剤2.0gを内径19mmのガラス管に充填し、
これに100%の窒素ガスを空筒基準線速度6.4cm
/secで通して接触させ、変化の有無を観察した。そ
の結果、7200分経過後も変色は認められなかった。
【0035】実施例19、20 (検知能力の測定6)実施例18で使用した検知剤に1
0ppmの塩素、50ppmの塩化水素を含有する窒素
ガスをそれぞれ線速度5.9cm/secで通して接触
させ、変色し始めるまでの時間を測定した。結果を表6
に示す。
【0036】
【表6】 表 6 実施例 検知対象ガス 変色開始までの時間 ガス種 濃度 (ppm) (min) 19 塩素 10 <1 20 塩化水素 50 <1
【0037】実施例21〜24 (検知剤能力の測定7)実施例1〜9で用いたものと同
種類の検知剤2.0gを内径19mmのガラス管に充填
し、これに弗化水素、四弗化珪素、三弗化硼素、四塩化
珪素を50ppm含む窒素ガスをそれぞれ線速5.9c
m/secで通して接触させ、変色しはじめるまでの時
間を測定した。結果を表7に示す。
【0038】
【表7】 表 7 実施例 検知対象ガス 変色開始までの時間 ガス種 濃度 (ppm) (min) 21 弗化水素 50 <1 22 四弗化珪素 50 <1 23 三弗化硼素 50 <1 24 四塩化珪素 50 <1
【0039】実施例25、26 (検知剤の調製6)担体として、8〜16mesh、比
表面積210m2 /g、細孔容積0.99ml/g、充
填密度0.68g/mlの活性アルミナ(水澤化学
(株)NeobeadsGB8 〜16)150gを用い、これに硝酸
コバルト6水和物5.0gを水153mlに溶解した溶
液を含浸させた。次に、これに1Nの水酸化ナトリウム
を50ml加えてかき混ぜた。次いで時々かき混ぜなが
ら12時間放置して反応させた後上澄みを捨て、ロータ
リーエバポレーターで50℃の温度で余分な水分を減圧
乾燥させた。さらに、コンゴーレット0.1gを水10
0mlに溶解した溶液を加え、再びロータリーエバポレ
ーターで完全に乾燥させて検知剤を調製した。
【0040】(検知剤能力の測定8)この検知剤2.0
gを実施例1と同様にガラス管に充填し、これに10p
pmの塩素、50ppmの塩化水素を含む窒素ガスを通
気して変色しはじめる迄の時間を測定した。結果を表8
に示す。
【0041】実施例27、28 (検知剤の調製7)担体として、直径5mmの球状、比
表面積39m2 /g、細孔容積0.33ml/g、のチ
タニア(日産ガードラー(株)製、CS-300-46 )150
gを用いたほかは、実施例25、26と同様にして検知
剤を調製した。 (検知剤能力の測定9)この検知剤について実施例2
5、26と同様の方法で,塩素、塩化水素を含む窒素ガ
スについて変色しはじめる迄の時間を測定した。結果を
表8に示す。
【0042】実施例29、30 (検知剤の調製8)担体として、直径2〜3mm、長さ
約5mm、比表面積90m2 /g、細孔容積0.31m
l/g、のジルコニア(ノートン社製、XZ−1605
2)150gを用いたほかは、実施例25、26と同様
にして検知剤を調製した。 (検知剤能力の測定10)この検知剤について実施例2
5、26と同様の方法で、塩素、塩化水素を含む窒素ガ
スについて変色しはじめる迄の時間を測定した。結果を
表8に示す。
【0043】実施例31、32 (検知剤の調製9)担体として、直径5mmの球状、比
表面積80m2 /g、のシリカアルミナ(ノートン社
製、SA377 )150gを用いたほかは、実施例25、2
6と同様にして検知剤を調製した。 (検知剤能力の測定11)この検知剤について実施例2
5,26と同様の方法で、塩素、塩化水素を含む窒素ガ
スについて変色しはじめる迄の時間を測定した。結果を
表8に示す。
【0044】
【表8】 表 8 実施例 担体の種類 検知対象ガス 変色開始までの ガス種 濃度 時間 (ppm) (min) 25 活性アルミナ 塩素 10 5 26 活性アルミナ 塩化水素 50 <1 27 チタニア 塩素 10 5 28 チタニア 塩化水素 50 <1 29 ジルコニア 塩素 10 6 30 ジルコニア 塩化水素 50 <1 31 シリカアルミナ 塩素 10 5 32 シリカアルミナ 塩化水素 50 <1
【0045】比較例1 (検知剤の調製10)実施例1で用いたものと同じ粒状
のシリカゲル100gに、コンゴーレッド0.1gを水
200mlに溶解した溶液を加え、ロータリーエバポレ
ーターで50℃の温度で余分な水を減圧乾燥させて検知
剤を調製した。 (検知剤能力の測定12)この検知剤2.0gを実施例
1と同様にガラス管に充填し、これに10ppmの塩素
を含む窒素ガスをそれぞれ線速5.9cm/secで通
気して接触させ、変色しはじめるまでの時間を測定し
た。結果を表9に示したが、通気後1分以内に検知剤が
脱色してしまった。
【0046】
【表9】 表 9 比較例 変色成分 検知対象ガス 変色開始までの ガス種 濃度 時間 (ppm) (min) 1 コンゴーレッド 塩素 10 脱色
【0047】
【発明の効果】本発明の検知剤は以下のような優れた特
長を有している。 ハロゲンガスおよび酸性ガスの検知に水分を必要とし
ないため、測定対象ガスおよび検知剤の水分量に関係な
く、常に高感度で検知することができる。 検知剤がハロゲンガスまたは酸性ガスと接触すると明
るい色から暗い色に変色するため、変色差が大きく極め
て容易に、かつ高感度で検知することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遷移金属の水酸化物とコンゴーレッドを
    変色成分とした、ハロゲンガスおよび酸性ガスから選ば
    れる少なくとも一種を含有するガスの検知剤。
  2. 【請求項2】 遷移金属がニッケル(II)、コバルト
    (II)およびマンガン(II)から選ばれる少なくとも1
    種である請求項1に記載の検知剤。
  3. 【請求項3】 ハロゲンガスがフッ素、塩素または臭素
    であり、酸性ガスがフッ化水素、六フッ化タングステ
    ン、四フッ化珪素、三フッ化硼素、塩化水素、四塩化珪
    素、三塩化硼素、フッ化塩素または三フッ化塩素である
    請求項1に記載の検知剤。
  4. 【請求項4】 遷移金属がコバルト(II)である場合に
    おいて、水酸化コバルト(II)とコンゴーレッドが無機
    担体に担持されたものであり、その担持重量比(無機担
    体:遷移金属の水酸化物:コンゴーレッド)が1:0.
    15〜0.0001:0.1〜0.00001である請
    求項1に記載の検知剤。
  5. 【請求項5】 無機担体がシリカゲル、シリカアルミ
    ナ、チタニア、アルミナおよびジルコニアから選ばれる
    少なくとも1種である請求項4に記載の検知剤。
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