JPH10114930A - 円環組立ブロック体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、魚礁、防舷材、ケーソン内の充填
材等に使用し得る円環組立ブロック体に関する。 【解決手段】 本発明は、円環体を縦横に組合わせて、
任意の形状としたことを特徴とする円環組立ブロック
体。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、防波堤、護岸の壁
面および底面における生物棲息的魚礁、防舷材、係留
具、スリットケーソン内の充填材、海底、河川の洗掘防
止、水の減勢物体等に使用し得る円環組立ブロッック体
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、消波機能を有する基材として消波
ブロックがあり、その良好な噛み合わせ性や安定性、高
い強度、製造の容易性、施工の容易性等の種々の優れた
特性によって、護岸、防波堤、消波堤、離岸堤、根固め
前面等に広範囲に利用されている。近年、大水深におけ
る直立構造の護岸や、岸壁等の水域構築物の形成に当た
っては、直立状態に次々積み重ねて構築することのでき
る直立型の消波用ブロックや、コンクリート等の材料か
ら枠体形状につくられたケーソンが、通常広く用いられ
ており、近年色々な形式の直立型消波ブロックおよびス
リットケーソンが開発されて利用されるようになってい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は簡単な構造体
で前記したような防波堤、護岸等における魚礁、防舷
材、係留具、スリットケーソン内の充填材等の種々の用
途に使用し得る構造体について検討を重ねた結果本発明
を完成するに至った。

【０００４】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、円
環体を縦横に組合せたことを特徴とする円環組立ブロッ
ク体に関する。

【０００５】

【発明の実施の形態】次に本発明を添付図面に従い説明
するが、本発明は以下の説明のみに限定されるものでは
ない。図１は円環体として、廃タイヤを用いて構成した
円環組立ブロック体の斜視図である。まず廃タイヤ１の
両端に、廃タイヤ１の中空部を介して廃タイヤ２および
廃タイヤ３を一体に設ける。すなわち、廃タイヤ２の中
空部４および廃タイヤ３の中空部５を廃タイヤ１の中空
部を介して、例えばロープ等の緊縮具６を通して結束す
ることによって円環組立ブロック体が得られる。

【０００６】また他の態様として図２に示すような組立
も可能である。すなわち廃タイヤ７および廃タイヤ８を
並列にし（図面では横向き）、前記廃タイヤ７および８
の一方（図面においては右側）に廃タイヤ９、１０、１
１を縦向きにして並列し、さらに廃タイヤ１１に隣接し
て廃タイヤ１２、１３を横にして並列する。このように
組合せた廃タイヤ７、８の中空部１４と廃タイヤ１２、
１３の中空部１５に廃タイヤ９、１０、１１の中空部
（図示せず）を介して緊縮具を通して結束する。また廃
タイヤ７、８の他方（図面においては左側）に廃タイヤ
１６、１７を縦向きにして並列し、さらに廃タイヤ１７
に隣接して廃タイヤ１８、１９を横向きにし並列し、廃
タイヤ７の中空部１４と廃タイヤ１８、１９の中空部２
０とを廃タイヤ１６、１７の中空部（図示せず）を介し
てロープ等の緊縮具で結束する。このようにして図２に
示すような円環組立ブロック体が構成される。

【０００７】さらに他の態様として図３に示すように、
廃タイヤ２１の前後に廃タイヤ２２、２３を直交するよ
うに組合わせ廃タイヤ２２と廃タイヤ２３とを廃タイヤ
２１を介して緊縮具によって結束する。また廃タイヤ２
１の一方（図面においは右側）に、該廃タイヤ２１と直
交するように廃タイヤ２４を組合わせ、さらに廃タイヤ
２４の他方にさらに廃タイヤ２５を直交するように組合
わせる。そして廃タイヤ２１と廃タイヤ２５とを廃タイ
ヤ２４を介して組合わせた状態で廃タイヤ２１と廃タイ
ヤ２５の中空部に緊縮具を通して結束する。また廃タイ
ヤ２１の他方（図面では左側）に該廃タイヤ２１と直交
するように廃タイヤ２６を組合わせる。そしてこの廃タ
イヤ２６にさらに直行するように廃タイヤ２７を組合わ
せる。次に廃タイヤ２１と廃タイヤ２７の中空部に緊縮
具を通して結束する。このようにして図３に示される円
環組立ブロック体が構成される。

【０００８】本発明に使用する円環体としては廃タイ
ヤ、ゴム、合成樹脂、鉄等で製作された断面形状が円
形、三角形、四角形、五角形、六角形等の素材から円環
体であれば、いずれのものでも使用し得る。また、円環
体の大きさも使用目的に合わせて種々の大きさのものが
使用できる。なかでも特に、廃タイヤが円環体として好
適である。廃タイヤは色々の大きさのものがあり、強度
的にも優れ、かつ産業廃棄物として問題とされていた廃
タイヤを有効に利用し得るので極めて有利である。

【０００９】本発明において円環体を結束するために使
用される緊縮具としてはチェーンワイヤー、幅広ベルト
（例えばベルトコンベア素材）等が使用できる。

【００１０】本発明の円環組立ブロック体を構成するた
めの円環体の組合せ形態としては前記した図１および図
２に示した以外にも種々の組合せができる。例えば図２
に示したように同一方向に複数の円環体を並列して設け
ることができ、また異径の円環体を各々組合せて使用す
ることもできる。

【００１１】本発明に係る円環組立ブロック体は、前記
したように護岸、防波堤、離岸堤、根固め材、魚礁等と
して使用できるほか、図４に示すような構造とすること
によって、直立型魚礁、水域標示ブイ係留、小型船舶係
留、スダレ状消波壁等に使用でき、かつこれらにオイル
フェンスを付設することによって、緊急時におけるオイ
ルフェンスの設置ができる利点がある。すなわち図４に
示したブイは、円環組立ブロック体の下部にアンカーチ
ェーン等の係留具２８を設け、その一端を、アンカー２
９に固定すると共に、上部にフロート３０を付設したも
のである。このフロート３０は、図示したようにシート
体３１に半割状のフロートを、該シート体３１の両面に
付設した場合を例示したが、それ以外に球形、その他種
々の形態のものが使用できる。

【０００１２】

【発明の効果】本発明は特に廃タイヤを用いることによ
って従来産業廃棄物として問題にされていた物の有効利
用を計ることができ、さらに製作された円環組立ブロッ
ク体は、例えば防波堤、護岸等における魚礁、防舷材、
係留具、スリットケーソン内の充填材等種々の目的に好
適に使用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の円環組立ブロック体の斜視図。

【図２】 本発明の他の態様を示す円環組立ブロック体
の斜視図。

【図３】 本発明の他の態様を示す円環組立ブロック体
の斜視図。

【図４】 本発明の円環ブロック体を使用したブイを示
す。

【符号の説明】

１．廃タイヤ ４．中空部 ６．緊縮具

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円環体を縦横に組合せて、任意の形状と
   したことを特徴とする円環組立ブロック体。
2. 【請求項２】 円環体が弾性体である請求項１記載の円
   環組立ブロック体。
3. 【請求項３】 円環体がタイヤである請求項１または２
   記載の円環組立ブロック体。
4. 【請求項４】 円環体を複数個並列してなる請求項１乃
   至３記載の円環組立ブロック体。
5. 【請求項５】 円環組立ブロック体の下部に、係留具を
   設け、その一端をアンカーに固定し、かつ上部にフロー
   トを付設したことを特徴とするブイ。