JPH10113535A - 地熱発電設備の脱硫方法及び脱硫装置 - Google Patents

地熱発電設備の脱硫方法及び脱硫装置

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JPH10113535A
JPH10113535A JP8284689A JP28468996A JPH10113535A JP H10113535 A JPH10113535 A JP H10113535A JP 8284689 A JP8284689 A JP 8284689A JP 28468996 A JP28468996 A JP 28468996A JP H10113535 A JPH10113535 A JP H10113535A
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gas
combustion
exhaust gas
condensable gas
heat
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JP8284689A
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Haruo Kitamura
治男 北村
Atsushi Tatani
淳 多谷
Eiji Ochi
英次 越智
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地熱発電設備のタービンから排出され凝縮器
により分離された蒸気中の非凝縮ガスを燃焼させて処理
する地熱発電設備の脱硫方法において、燃焼工程での補
助燃料を不要とし、燃料代の節約、燃焼排ガスの減量等
を実現する。 【解決手段】 前記燃焼を行なう燃焼室21に対して複
数の蓄熱体22を設け、これら蓄熱体22のうちいずれ
か特定の蓄熱体22に燃焼排ガスを接触させて当該特定
の蓄熱体22を加熱すると同時に、他の蓄熱体22に燃
焼前の非凝縮ガスを接触させて非凝縮ガスを加熱する操
作を、順次蓄熱体22を切換えて連続的に実行すること
により、蓄熱体22を媒体として燃焼排ガスから回収し
た熱で非凝縮ガスを加熱しつつ燃焼工程を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地熱発電設備にお
いて発電に利用した後の排出蒸気から有害な硫化水素を
除去し、環境保全に貢献できる脱硫方法及び脱硫装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】地熱発電は、地球の内部に蓄えられてい
る高熱を利用して井戸より噴出させた地熱蒸気を、発電
用の蒸気タービンに導入しこれを駆動して発電するもの
で、水力、火力、原子力に次ぐエネルギー源として重要
視されている。ところで、通常地熱蒸気中には比較的多
量の二酸化炭素と少量の硫化水素が含有されているが、
従来の一般的な地熱発電設備では、タービンから出た排
出蒸気を凝縮器において冷却して凝縮水と非凝縮ガスに
分離し、凝縮水は還元井に戻すか或いは冷却水として再
利用し、前記硫化水素が含有される非凝縮ガスはそのま
ま大気中に放出していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、地熱蒸気中
に含有されていた硫化水素が前記非凝縮ガス中に含まれ
てそのまま大気に放出されてしまい、大気汚染の問題が
あった。そこで近年では、例えば特開昭60−2010
11号公報や特開昭64−8363号公報にみられるよ
うに、脱硫装置を備えて前記硫化水素を除去する構成が
提案されている。しかしながら、このような従来の脱硫
装置では、除去した硫黄分の処理や再利用について特に
考慮されておらず、脱硫副生物の処理作業の容易性や運
転コストの回収の面で実用性に乏しいものであった。
【0004】そこで出願人は、上記問題が解決できる以
下のような脱硫方法を提案している。すなわち、前記非
凝縮ガスを燃焼させて前記非凝縮ガスに含まれる硫化水
素を亜硫酸ガスとする燃焼工程と、この燃焼工程で前記
非凝縮ガスが燃焼してなる燃焼排ガスを、カルシウム化
合物,マグネシウム化合物及びナトリウム化合物のうち
の何れか一つ又は複数を吸収剤として含有する吸収剤ス
ラリに気液接触させるとともに、この吸収剤スラリに空
気を気液接触させることにより、前記亜硫酸ガスの吸収
と酸化及び中和を行わせて前記吸収剤スラリを硫酸塩ス
ラリとする吸収反応工程とよりなる方法である。
【0005】この方法では、前記吸収剤としてカルシウ
ム化合物を使用した場合、前記吸収反応工程では前記硫
酸塩スラリとして石膏スラリを生成することができ、こ
れを固液分離すれば工業上有用な石膏ケーキを容易に得
ることができる。また、前記吸収剤としてマグネシウム
化合物又はナトリウム化合物を使用した場合には、前記
吸収反応工程では前記硫酸塩スラリとして硫酸マグネシ
ウム又は硫酸ナトリウムを含有するスラリが生成され
る。これら硫酸マグネシウム及び硫酸ナトリウムは、無
害な物質であるとともに溶解度が高いため、上記硫酸塩
スラリ中の液分に含有されたかたちでそのまま廃棄処理
できる。例えば、放流してもよいし、地熱発電設備のい
わゆる還元井に戻して処理すれば、処理作業は極めて容
易になる。
【0006】しかしながら、上記脱硫方法或いはそのた
めの脱硫装置をより経済的に実用化するためには、以下
のようなさらに改善すべき問題点があることが発明者ら
の研究により判明した。 (1)非凝縮ガスの燃焼手段に一般的な燃焼炉を使用し
たのでは、補助燃料が必要になり、燃料代が嵩むばかり
か、燃焼排ガスの量が膨大になって、燃焼工程後の装置
容量が極めて大型化し運転コストも増大する。
【0007】すなわち、非凝縮ガス中の硫化水素の濃度
は、例えば数vol%のところもあれば10vol%以上のと
ころもあり、地熱井によって差があるが、特に硫化水素
の濃度が低い場合には、一般的な燃焼炉では補助燃料を
連続して投入しなければ燃焼が継続しない。このため、
燃焼炉には、非凝縮ガスとこれに含まれる硫化水素を燃
焼させるための空気に加えて、補助燃料とこれを燃焼さ
せるための空気を投入しなければならず、燃焼排ガスの
流量が定常的に膨大なものとなる。そして、燃焼排ガス
の流量が増えると、燃焼工程以降の排ガス流路を構成す
るダクトや亜硫酸ガスを吸収する脱硫搭等の全ての設備
が大型化するとともに、ガスを送給するファンやブロワ
等の運転コストも増大する。
【0008】(2)また、非凝縮ガスを低温で燃焼させ
ると、燃焼排ガス中のSO3の濃度が高くなり、燃焼工
程以降の装置設備の耐食性を向上させる等の特別な措置
が必要になり、設備コストの増大を招く。すなわち、硫
化水素を燃焼させると、下記反応式(1)に示す反応に
より主にSO2(亜硫酸ガス)が発生するのであるが、
この他に下記反応式(2)で示すSO3の生成反応も起
る。
【0009】
【化1】 H2S + 3/2O2 → SO2 +H2O (1) H2S + 2O2 → SO3 +H2O (2)
【0010】ここで、反応式(2)のSO3の生成反応
の割合は、後述する図4に示すように、燃焼温度が低温
であればあるほど増大し、燃焼排ガス中のSO3濃度が
増加する。そしてこのSO3は、通常の排ガス温度のよ
うな低温では腐食性の強い硫酸ミストとなるため、燃焼
工程以降のダクトや脱硫搭の構成部材をこれに耐えられ
るようなより高価な耐食性材料で構成するか、或いはダ
クト等の全体を高温に保ち硫酸ミストが生じないように
する必要がある。このため、SO3の発生量を最低限に
抑制することが重要である。
【0011】なお、硫化水素の濃度が高ければ、補助燃
料がなくまた一般的な燃焼炉であっても例えば600〜
700℃程度の低温で燃焼させることができるが、この
場合には、上述したようにSO3の発生量が多くなるた
め上記(2)の問題で経済的に不利になり、一方これを
解決するために燃焼温度を上げようとすれば、そのため
にはやはり補助燃料が必要となり上記(1)の問題で経
済的な実用性に劣ることになる。
【0012】そこで本発明は、地熱発電設備のタービン
から排出され凝縮器により分離された蒸気中の非凝縮ガ
スを燃焼させて処理する地熱発電設備の脱硫方法及び脱
硫装置であって、燃焼工程に関する上述の問題点が解消
され、経済的な面でさらに実用的な脱硫方法及び脱硫装
置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の地熱発電設備の脱硫方法は、地熱蒸
気により駆動される地熱発電設備のタービンから排出さ
れ凝縮器により分離された蒸気中の非凝縮ガスを燃焼さ
せて、前記非凝縮ガスに含まれる硫化水素を亜硫酸ガス
とする燃焼工程と、この燃焼工程で前記非凝縮ガスが燃
焼してなる燃焼排ガスを吸収剤スラリに気液接触させて
前記亜硫酸ガスを吸収する吸収工程とよりなる地熱発電
設備の脱硫方法において、前記燃焼を行なう燃焼室に対
して複数の蓄熱体を設け、これら蓄熱体のうちいずれか
特定の蓄熱体に前記燃焼排ガスを接触させて当該特定の
蓄熱体を加熱すると同時に、他の蓄熱体に燃焼前の前記
非凝縮ガスを接触させて前記非凝縮ガスを加熱する操作
を、順次蓄熱体を切換えて連続的に実行することによ
り、前記蓄熱体を媒体として前記燃焼排ガスから回収し
た熱で前記非凝縮ガスを加熱しつつ前記燃焼工程を行な
うことを特徴とする。
【0014】また、請求項2記載の地熱発電設備の脱硫
方法は、前記燃焼工程における非凝縮ガスの燃焼温度を
1000℃以上としたことを特徴とする。
【0015】また、請求項3記載の地熱発電設備の脱硫
装置は、地熱蒸気により駆動される地熱発電設備のター
ビンから排出され凝縮器により分離された蒸気中の非凝
縮ガスを燃焼手段で燃焼させて、前記非凝縮ガスに含ま
れる硫化水素を亜硫酸ガスとし、この燃焼手段で前記非
凝縮ガスが燃焼してなる燃焼排ガスを気液接触手段によ
り吸収剤スラリに気液接触させて前記亜硫酸ガスを吸収
する地熱発電設備の脱硫装置において、燃焼室と、この
燃焼室に並列状態に連通しそれぞれ蓄熱体が装填された
複数の熱交換流路とを備え、前記熱交換流路が前記燃焼
室に対する前記非凝縮ガスの導入路又は前記燃焼排ガス
の排出路として順次切換えられる構成とされた蓄熱式熱
交換燃焼炉を、前記燃焼手段として設けたことを特徴と
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を図面に基づいて説明する。図1は、本例の脱硫装置を
備えた地熱発電設備の構成例を示す図である。この地熱
発電設備は、井戸より噴出した地熱流体Aを地熱蒸気B
と熱水Cとに分離する気液分離器1と、地熱蒸気Bによ
り駆動されて発電機2を作動させるタービン3と、この
タービン3から排出された地熱蒸気Bをポンプ4より送
られた冷却水Dにより冷却して水分を凝縮させる凝縮器
5と、ポンプ6により抜き出された凝縮器5内の底部の
水を冷却し冷却水Dとして排出する冷却塔7と、凝縮器
5の上部から抽気ポンプ8により導出された非凝縮ガス
と蒸気とよりなるガスEを冷却し水分を凝縮させて除去
する冷却器9と、冷却器9を経由した非凝縮ガスFから
硫化水素を除去する脱硫装置10とを備える。
【0017】凝縮器5は、この場合冷却水Dを散水する
スプレイノズル5aを有するもので、タービン3から排
出された地熱蒸気Bがスプレイノズル5aから散水され
た冷却水Dと接触して凝縮し、その水分が冷却水Dとと
もに底部に溜まってポンプ6により導出される構成とな
っている。また冷却塔7は、ポンプ6により凝縮器5か
ら導出された水を散水するスプレイノズル7aと、この
水を外周より取込んだ外気と効率よく接触させて冷却す
るための充填材7bと、内部の空気を上部から上向きに
放出するとともに外気を取込む負圧を発生させるファン
7cとを有するものである。
【0018】抽気ポンプ8は、この場合例えば地熱蒸気
Bを利用したスチームエジェクタであるため、吐出され
るガスEには蒸気が含まれ、この蒸気を除去するために
冷却器9が設けられている。なお、この抽気ポンプ8を
電動式のポンプにより構成すれば、吐出されるガスEは
非凝縮ガスのみを含むガスとなるので、冷却器9を削除
することができるが、この場合にはこのポンプを運転さ
せるための電気代(運転コスト)がかかるので、運転コ
ストの面で本例の構成が有利である。また冷却器9は、
この場合ポンプ4より送られた冷却水Dの一部を冷却媒
体として利用した熱交換器であり、熱交換後の冷却水D
の一部はポンプ6により凝縮器5内の水分とともに冷却
塔7に送られて冷却される構成となっている。
【0019】なお、凝縮器5の底部に溜まった水の一部
を還元井を介して地中に戻すようにしてもよい。また、
凝縮器5の底部に溜まる水には蒸気Bに含有されていた
硫化水素の一部が溶け込み、放置すると相当な酸性とな
るため、凝縮器5や冷却塔7の材質保護のために凝縮器
5から導出された水に苛性ソーダ等のアルカリ剤を投入
するようにしてもよい。また、凝縮器5から非凝縮ガス
を含むガスEを導出する配管ライン上には、ミストを除
去するミスト分離器を設けてもよい。また、気液分離器
1により分離された熱水Cは、還元井を介して地中に戻
すようにすればよいが、地中に戻す前に熱回収して温水
プールや地域暖房等に利用することができる。
【0020】次に、脱硫装置10について説明する。脱
硫装置10は、非凝縮ガスFを空気Gと反応させて燃焼
させる燃焼炉11と、この燃焼炉11で非凝縮ガスFが
燃焼してなる燃焼ガスHを、吸収剤(カルシウム化合
物、マグネシウム化合物及びナトリウム化合物のうちの
何れか一つ又は複数)を含有する吸収剤スラリIと気液
接触させ、さらに当該スラリに空気Jを気液接触させて
酸化反応を進行させる吸収反応設備12と、この吸収反
応設備12により生成された硫酸塩スラリK(石膏、硫
酸マグネシウム又は硫酸ナトリウムを含有するスラリ)
を固液分離処理する固液分離設備13とを備える。
【0021】吸収反応設備12は、非凝縮ガスFが燃焼
してなる燃焼排ガスHを、例えば石灰石、水酸化マグネ
シウム又は水酸化ナトリウムのうちの何れか一つ又は複
数を吸収剤として含有する吸収剤スラリIに気液接触さ
せるとともに、この吸収剤スラリIに空気Jを気液接触
させることにより、燃焼排ガスH中の亜硫酸ガスの吸収
と酸化及び中和を行わせて吸収剤スラリIを硫酸塩スラ
リKとするものである。なお、亜硫酸ガスを除去されて
吸収反応設備12から導出された排ガスLは、冷却塔7
の上部に導かれてファン7cにより大気中に拡散され
る。
【0022】また、固液分離設備13は、硫酸塩スラリ
K中の固形分を遠心分離機又は真空式ベルトフィルタや
重力ろ過装置等により分離するもので、吸収剤としてカ
ルシウム化合物が使用された場合には、分離される固形
分は僅かに不純物を含有する高純度の石膏となり、また
吸収剤としてマグネシウム化合物又はナトリウム化合物
のみが使用された場合には、吸収剤中の不純物等よりな
る浮遊固形物のみが固形分として分離される。一方、固
形分を除去された排液Mは、吸収剤としてカルシウム化
合物のみが使用された場合には、石膏飽和の水となるた
め例えば吸収剤スラリを構成する水分として再利用さ
れ、また吸収剤としてマグネシウム化合物又はナトリウ
ム化合物のみが使用された場合には、無害な硫酸塩(M
gSO4又はNa2SO4)が溶解した廃液であるため、
そのまま放流等により廃棄される。
【0023】そして、燃焼炉11としては、図2に示す
ような蓄熱式熱交換燃焼炉が設けられており、以下この
燃焼炉を詳細に説明する。燃焼炉11は、図2に示すよ
うに、炉本体20とその付帯機器や配管ラインよりな
る。炉本体20は、燃焼室21と、この燃焼室21に並
列状態に連通しそれぞれセラミック製の蓄熱体22が装
填された三つの熱交換流路23a,23b,23cとを
備え、燃焼室21の上部にはバーナ24が設けられてい
る。ここでバーナ24は、始動時に補助燃料N(例え
ば、LPG)とこれを燃やす空気G1が供給され、始動
時のみ燃焼室21内において補助燃料Nを燃焼させるも
のである。なおこの炉本体20としては、具体的には、
例えば中外炉工業株式会社製のRTO蓄熱式脱臭装置
(型式RI−3)の燃焼炉が使用できる。
【0024】付帯機器や配管ラインとしては、非凝縮ガ
スFと空気Gを混合させる混合器31と、この混合器3
1により混合された処理ガスPがファン32により送り
込まれる導入ライン33と、パージガスQが送り込まれ
るパージライン34と、燃焼排ガスHを排気するための
排気ライン35と、燃焼室21から燃焼排ガスの一部を
抜き取るライン37と、このライン37により燃焼室2
1から分離された燃焼排ガスの一部を燃焼排ガスHに混
合する混合器36と、ライン37の途上に設けられ燃焼
室21から抜き取られる燃焼排ガスの一部から熱回収し
てボイラ給水Rを加熱し蒸気Sを発生させる廃熱ボイラ
38とが備えられている。また、導入ライン33,パー
ジライン34及び排気ライン35と、各熱交換流路23
a,23b,23cとの間には、開閉バルブ41a〜4
1c,42a〜42c,43a〜43cがそれぞれ設け
られている。
【0025】なお、これら開閉バルブ41a〜41c,
42a〜42c,43a〜43cは、図示省略したコン
トローラにより所定のシーケンス又はプログラムに従っ
て制御され、後述する運転が実行されるように作動す
る。また、この場合パージライン34には、燃焼排ガス
Hの一部が図示省略したファンによって送り込まれ、こ
の燃焼排ガスHの一部がパージガスQとして利用される
ようになっている。
【0026】次に、以上のような地熱発電設備における
脱硫装置10の動作、即ちこの脱硫装置10により実施
される本発明の脱硫方法の一例について説明する。ま
ず、燃焼炉11の燃焼室21で非凝縮ガスFと空気Gの
混合ガス(処理ガスP)をこの場合1000℃以上で燃
焼させることにより、SO3の発生がほぼ最低量に抑制
され前述の反応式(1)により非凝縮ガスE中の硫化水
素(H2S)がほとんど亜硫酸ガス(SO2)となる(燃
焼工程)。以下、この燃焼工程を遂行する燃焼炉11の
動作を、図3を参照しつつ説明する。なお図3では、開
閉バルブ41a〜41c,42a〜42c,43a〜4
3cのうち、閉じているバルブを黒色で塗り潰して図示
しており、開動しているバルブを白抜きで図示してい
る。
【0027】燃焼炉11では、各開閉バルブの作動状態
が切換えられることにより、図3の(a),(b),
(c)で示す動作状態が、それぞれ60〜70秒の間隔
で順次繰返される。そして、始動時から燃焼室21内の
温度が設定温度である1000℃に到達し安定するまで
の時間だけは、燃焼室21の上部にバーナ24からLP
Gと空気の混合ガスが吹込まれ火炎24aが形成され
る。これにより、以下のような運転が実現される。
【0028】すなわち、図3(a)に示す状態では、熱
交換流路23aが非凝縮ガスFと空気Gが混合されてな
る処理ガスPの導入路となっており、処理ガスPは、導
入ライン33から開閉バルブ41aを介して熱交換流路
23aに入り、この熱交換流路23内の蓄熱体22と熱
交換した後に燃焼室21内に導入される。始動時から定
常状態になるまでの過渡期には、熱交換流路23aの蓄
熱体22は低温であるため、このように導入された処理
ガスPは確実に高温で自己燃焼する程には十分に加熱さ
れないが、バーナ24からの火炎24aにより硫化水素
の濃度が低い場合にも確実に1000℃以上で燃焼させ
ることができる。
【0029】そして熱交換流路23aの蓄熱体22は、
図3(c)で示す一つ前の動作状態で1000℃以上の燃
焼排ガスにより加熱されるため、定常状態においては、
外側(燃焼室から遠い側)で300℃程度、内側(燃焼
室に近い側)で800℃程度となる。このため、定常状
態においては、このように十分高温とされた蓄熱体22
により熱交換流路23aを通過する処理ガスPを750
℃程度にまで加熱でき、硫化水素の濃度が低い場合で
も、バーナ24からの火炎24aが停止しているにもか
かわらず処理ガスPを燃焼室21内において1000℃
以上で自己燃焼させることができる。なお、定常状態の
場合、この図3(a)で示す動作状態の終了時(次の動作
状態への切替直前)には、蓄熱体22は逆に処理ガスP
により冷却されており、その温度は外側で200℃程
度、内側で700℃程度となる。
【0030】また、図3(a)に示す動作状態では、同
時に、熱交換流路23cがパージガスQの導入路、熱交
換流路23bが燃焼排ガスHの排出路となっており、処
理ガスPが燃焼してなるガスが、開閉バルブ42cを介
して熱交換流路23cから流入したパージガスQととも
に、熱交換流路23bを経由して開閉バルブ43b及び
排気ライン35から燃焼排ガスHとして排気される。
【0031】ここで熱交換流路23cは、図3(c)で
示す一つ前の動作状態で処理ガスPの導入路として機能
しているため、流路内には処理ガスPが残留している
が、この図3(a)に示す動作状態においてパージガス
Qによりこの残留した処理ガスPが燃焼室21内に送り
込まれ、含有される硫化水素が熱交換流路23aから導
入された処理ガスP中の硫化水素とともに1000℃以
上で燃焼する。なお、この熱交換流路23cの蓄熱体2
2は、図3(c)で示す一つ前の動作状態で処理ガスP
の冷却効果により、定常状態においては、外側で200
℃程度、内側で700℃程度となっているが、パージガ
スQとの接触によってさらに若干冷却されて、この図3
(a)で示す動作状態の終了時には、外側で180℃程
度、内側で680℃程度となる。
【0032】また、熱交換流路23bの蓄熱体22は、
図3(c)で示す一つ前の動作状態でパージガスQと接
触して冷却されているため、定常状態においては、外側
で180℃程度、内側で680℃程度となっている。こ
のため、この図3(a)に示す動作状態において、この
ように十分低温とされた蓄熱体22により熱交換流路2
3bを通過する燃焼排ガスHを300℃程度にまで冷却
できる。なお、定常状態の場合、この図3(a)で示す
動作状態の終了時には、熱交換流路23bの蓄熱体22
は逆に燃焼排ガスHにより加熱され、その温度は外側で
300℃程度、内側で800℃程度となる。
【0033】次に、図3(b)や図3(c)で示す動作
状態では、図3(a)で示した上述の各熱交換流路の動
作が順次隣接する或いは反対側の熱交換流路に移動する
ように切換わり、まず図3(b)で示す動作状態では、
左側の熱交換流路23aがパージガスQの導入路、中央
の熱交換流路23bが処理ガスP(非凝縮ガスF)の導
入路、右側の熱交換流路23cが燃焼排ガスHの排出路
となって同様の動作が実行される。そして、次の図3
(c)で示す動作状態では、左側の熱交換流路23aが
燃焼排ガスHの排出路、中央の熱交換流路23bがパー
ジガスQの導入路、右側の熱交換流路23cが処理ガス
P(非凝縮ガスF)の導入路となってやはり同様の動作
が実行された後、また図3(a)で示す動作状態に戻
る。
【0034】こうして、この場合三つ設けられた蓄熱体
22のうちいずれか特定の蓄熱体22に燃焼排ガスHを
接触させて当該特定の蓄熱体22を加熱すると同時に、
他の蓄熱体22に燃焼前の処理ガスPを接触させて処理
ガスPを加熱する操作が、順次蓄熱体22を切換えつつ
連続されることになり、結局、蓄熱体22を媒体として
燃焼排ガスHから回収した熱で非凝縮ガスFとそのため
の空気Gを連続的に加熱して、燃焼室21内では非凝縮
ガスFに含まれる硫化水素の1000℃以上での燃焼が
連続できる。
【0035】さらに説明すれば、例えば燃焼排ガスの熱
で処理ガスを加熱する単なる熱交換器を有するいわゆる
熱交付き燃焼炉が考えられるが、熱交換材料(チューブ
や管板やエレメントなど)が燃焼排ガスで加熱されつつ
処理ガスで冷却されるため、約1000℃から常温まで
の高温と低温の温度差の大きなものに耐える高級材料を
必要とし、実用性のあるものは見当たらない。一方、こ
のような蓄熱式の熱交換機能を備えた燃焼炉であると、
熱媒体である蓄熱体の加熱と冷却(熱回収)が独立して
行なわれるため、熱媒体である蓄熱体の僅か100℃〜
150℃位の温度変化幅において、ガスの入口(加熱
前)と出口(加熱後)の温度差を700℃程度と格段に
大きくできる。このため、熱効率が格段に高くなり、定
常状態においては、LPG等の補助燃料N及びそのため
の空気G1を投入することなく、1000℃以上の高温
での燃焼が連続的に実現できる。
【0036】なお、補助燃料Nの投入を停止した定常状
態においては、燃焼室21内の燃焼温度は、なんら操作
しなければ非凝縮ガスFの流量変動等により変動する
が、例えばこのような変動を考慮した場合の燃焼温度が
最低でも1000℃になるように設定しておき、100
0℃を大きく上回った場合には、例えば廃熱ボイラ38
による熱回収量を燃焼排ガスの流量操作等によりその分
増加させることにより、蓄熱体の加熱温度の増加を抑制
して1000℃近傍に保持するようにすればよい。この
ようにすれば、燃焼温度1000℃以上という条件を保
持しつつ、燃焼室21を構成する材料の耐熱温度(許容
温度)を最低限に抑えてコスト増加を回避できる。
【0037】またこの燃焼工程において、燃焼温度が1
000℃以上に保持されることは、前述の反応式(2)
の反応によるSO3の発生がほぼ最低量に抑制される作
用がある。即ち、発明者らの研究によれば、例えば図4
に示すように、SO3の発生量の低下は燃焼温度が高く
なるにつれ横這いとなり1000℃以上ではほとんど変
化しなくなる。そしてこの傾向は、硫化水素の濃度変化
等にかかわらず同様である。なお、図4に示したデータ
は、処理ガスの硫化水素濃度が14.2%で、燃焼排ガ
スの硫黄酸化物(SOx)の濃度が65000ppmの
ものであり、この場合燃焼温度が1000℃でのSO3
転化率(SO3/SOx)は、約2%と極めて低い値に
なっている。
【0038】次に、非凝縮ガスFが燃焼してなる燃焼排
ガスHから亜硫酸ガスを吸収除去する吸収工程の概略に
ついて説明する。燃焼炉11から導出された燃焼排ガス
Hは、吸収反応設備12における図示省略した例えばス
プレー式の吸収搭(気液接触手段)で、前述の吸収剤を
含有する吸収剤スラリIと気液接触させられて亜硫酸ガ
スを除去され、排ガスLとして冷却塔7の上部に導かれ
てファン7cにより大気中に拡散される。
【0039】一方、亜硫酸ガスを吸収した吸収剤スラリ
は、上記吸収搭の底部に設けられたタンク内或いは別途
設置された酸化搭内において酸化用の空気Jを吹込ま
れ、酸化及び中和反応を経て所定の硫酸塩(石膏、硫酸
マグネシウム又は硫酸ナトリウム)を含む硫酸塩スラリ
Kとなる。そして、この硫酸塩スラリKは、固液分離設
備13におくられて、前述したように石膏の回収或いは
浮遊固形物の除去が行なわれ、排液Mは再利用されるか
あるいは放流等により廃棄される。
【0040】なお、吸収反応設備12において進行して
いる反応のうち、吸収剤スラリIと燃焼排ガスHとの気
液接触による亜硫酸ガスの吸収反応は、下記反応式
(3)の反応となる。また、吸収塔のタンクや酸化塔内
で起きている主な酸化反応や中和反応は、吸収剤が石灰
石(炭酸カルシウム)である場合には、以下の反応式
(4)乃至(5)となり、水酸化マグネシウムである場
合には、以下の反応式(4)及び(6)乃至(8)とな
り、水酸化ナトリウムの場合には、以下の反応式(4)
及び(9)乃至(11)となる。
【0041】
【化2】 SO2 +H2O → H+ +HSO3 - (3) H+ +HSO3 - +1/2O2 → 2H+ +SO4 2- (4) 2H+ +SO4 2- +CaCO3 +H2O → CaSO4・2H2O +CO2 (5)
【0042】
【化3】 H+ + HSO3 - +Mg(OH)2 → MgSO3 +2H2O (6) 2H+ +SO4 2- +Mg(OH)2 → MgSO4 +2H2O (7) MgSO3 +1/2O2 → MgSO4 (8)
【0043】
【化4】 H+ + HSO3 - +2Na(OH) → Na2SO3 +2H2O (9) 2H+ +SO4 2- +2Na(OH) → Na2SO4 +2H2O (10) Na2SO3 +1/2O2 → Na2SO4 (11)
【0044】以上のように、上記脱硫装置或いは脱硫方
法によれば、地熱発電設備の排出蒸気から分離された非
凝縮ガス中の有害な硫化水素が除去され、しかも副生物
としては、工業上極めて有用な石膏が固形分として得ら
れるか、或いは無害で溶解度の高いマグネシウム又はナ
トリウムの硫酸塩が得られ、これらは排液に溶解した状
態で処理できる。このため、環境保全に貢献できるとと
もに、副生物のめんどうな無害化処理が不要となって、
運転操作が容易になり、工業上極めて実用的な利点が得
られる。
【0045】しかも、燃焼工程に関する前述の問題点が
解消され、設備コスト及び運転コストの点でさらに格段
に有利になる。すなわち、硫化水素の濃度が数%程度の
低濃度であっても、少なくとも定常状態においては補助
燃料Nやこれを燃焼させるための空気G1を投入しなく
ても燃焼が可能であり、補助燃料Nが不要になる分に加
えて、補助燃料Nや空気G1を送り込むためのポンプや
ファンの動力が不要になる分だけ運転コストが低減でき
る。また、補助燃料Nと空気G1を投入する必要がない
ため、燃焼排ガスの流量が格段に低減でき、燃焼工程以
降の装置容量が大幅に低減できるとともに、燃焼工程以
降のガス送給用のファンやブロワ等の運転コストも格段
に低減できる。
【0046】また、本例の脱硫装置の燃焼工程において
は、燃焼温度を1000℃以上に保持するようにしてい
るので、前述したようにSO3の発生量がほぼ最低限に
抑制され、燃焼工程以降の装置設備の耐食性を向上させ
る等の特別な措置を施す必要がなくなり、この点におい
ても設備コストの低減が可能になるとともに、SO3
よる装置部材の腐食といった不具合も信頼性高く防止さ
れる。しかも本例の場合には、廃熱ボイラ38の熱回収
量の調整等により、非凝縮ガスFの流量変動があって
も、燃焼温度を常に1000℃近傍に維持するようにし
ているので、燃焼温度が過剰に高くなって燃焼室21の
構成部材の寿命を縮めるといった不具合の発生が信頼性
高く回避される効果もある。
【0047】なお、本発明は上記形態例に限られず、各
種の態様が有り得る。例えば本発明の燃焼炉における熱
交換流路及び蓄熱体は、三つに限られず、例えば四つ以
上設けて、各役割を複数の熱交換流路及び蓄熱体により
時間的にオーバーラップして実行するようにしてもよ
い。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の地熱発電設備の脱硫方法
では、燃焼工程において非凝縮ガスに含まれる硫化水素
が亜硫酸ガスとされ、この亜硫酸ガスが吸収工程におい
て吸収剤スラリに吸収される。このため、排出されるガ
スは硫化水素が除去された清浄なものとなる。
【0049】しかも、燃焼工程においては、蓄熱体のう
ちいずれか特定の蓄熱体に燃焼排ガスを接触させて当該
特定の蓄熱体を加熱すると同時に、他の蓄熱体に燃焼前
の前記非凝縮ガスを接触させて前記非凝縮ガスを加熱す
る操作を、順次蓄熱体を切換えて連続的に実行すること
により、蓄熱体を媒体として燃焼排ガスから回収した熱
で燃焼前の非凝縮ガスを加熱する。
【0050】これにより、熱媒体である蓄熱体の加熱と
冷却(熱回収)が独立して行なわれるため、熱媒体であ
る蓄熱体の僅か150℃位の温度変化幅の範囲におい
て、蓄熱体と熱交換するガスの入口と出口の間の温度差
を700℃程度に格段に大きくできる。このため、熱効
率が格段に高くなり、定常状態においては、LPG等の
補助燃料及びそのための空気を投入することなく、高温
での燃焼が連続的に実現できる。
【0051】したがって、前述の燃焼工程に関する問題
点が解消され、設備コスト及び運転コストの点で格段に
有利になる。すなわち、硫化水素の濃度が数%程度の低
濃度であっても、定常状態においては補助燃料やこれを
燃焼させるための空気を投入しなくても燃焼が可能であ
り、補助燃料の購入費が不要になる分に加えて、補助燃
料や空気を送り込むためのポンプやファンの動力が不要
になる分だけ運転コストが低減できる。しかも、補助燃
料とそのための空気を投入する必要がないため、燃焼排
ガスの流量が格段に低減でき、燃焼工程以降の装置容量
が大幅に低減できるとともに、燃焼工程以降のガス送給
用のファンやブロワ等の運転コストも格段に低減でき
る。
【0052】また、請求項2記載の地熱発電設備の脱硫
方法では、燃焼温度を1000℃以上に保持するように
しているので、前述したようにSO3の発生量がほぼ最
低限に抑制され、燃焼工程以降の装置設備の耐食性を向
上させる等の特別な措置を施す必要がなくなり、この点
においても設備コストの低減が可能になるとともに、S
3による装置部材の腐食といった不具合も信頼性高く
防止される。
【0053】また、請求項3記載の地熱発電設備の脱硫
装置では、燃焼手段における燃焼により非凝縮ガスに含
まれる硫化水素が亜硫酸ガスとされ、この亜硫酸ガスが
気液接触手段による吸収剤スラリとの気液接触において
吸収剤スラリに吸収される。このため、気液接触手段か
ら排出されるガスは硫化水素が除去された清浄なものと
なる。しかも燃焼手段としては、燃焼室に並列状態に連
通しそれぞれ蓄熱体が装填された複数の熱交換流路を備
え、これら熱交換流路が燃焼室に対する非凝縮ガスの導
入路又は燃焼排ガスの排出路として順次切換えられる構
成の蓄熱式熱交換燃焼炉が採用されている。
【0054】このため、いずれか特定の熱交換流路の蓄
熱体に燃焼排ガスが接触して当該特定の蓄熱体が加熱さ
れると同時に、他の熱交換流路の蓄熱体に燃焼前の非凝
縮ガスが接触してこの非凝縮ガスが加熱される動作が、
順次熱交換流路及び蓄熱体を切換えて連続的に実行され
ることになり、蓄熱体を媒体として燃焼排ガスから回収
した熱で燃焼前の非凝縮ガスが加熱される。
【0055】これにより、熱媒体である蓄熱体の加熱と
冷却(熱回収)が独立して行なわれるため、熱媒体であ
る蓄熱体の僅か150℃位の温度変化幅の範囲におい
て、蓄熱体と熱交換するガスの入口と出口の間の温度差
を700℃程度に格段に大きくできる。このため、熱効
率が格段に高くなり、定常状態においては、LPG等の
補助燃料及びそのための空気を投入することなく、高温
での燃焼が連続的に実現できる。
【0056】したがって、前述の燃焼手段に関する問題
点が解消され、設備コスト及び運転コストの点で格段に
有利になる。すなわち、硫化水素の濃度が数%程度の低
濃度であっても、定常状態においては補助燃料やこれを
燃焼させるための空気を投入しなくても燃焼が可能であ
り、補助燃料の購入費が不要になる分に加えて、補助燃
料や空気を送り込むためのポンプやファンの動力が不要
になる分だけ運転コストが低減できる。しかも、補助燃
料とそのための空気を投入する必要がないため、燃焼排
ガスの流量が格段に低減でき、燃焼手段以降の装置容量
が大幅に低減できるとともに、燃焼手段以降のガス送給
用のファンやブロワ等の運転コストも格段に低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例である脱硫装置を含む地熱発電設
備の全体を示す図である。
【図2】同脱硫装置の燃焼炉の詳細構成を示す図であ
る。
【図3】同脱硫装置の燃焼炉の動作を示す図である。
【図4】硫化水素の燃焼により発生するSO3の濃度と
燃焼温度との相関関係を示すデータの一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
3 タービン 5 凝縮器 10 脱硫装置 11 燃焼炉 21 燃焼室 22 蓄熱体 23a,23b,23c 熱交換流路 F 非凝縮ガス H 燃焼排ガス I 吸収剤スラリ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地熱蒸気により駆動される地熱発電設備
    のタービンから排出され凝縮器により分離された蒸気中
    の非凝縮ガスを燃焼させて、前記非凝縮ガスに含まれる
    硫化水素を亜硫酸ガスとする燃焼工程と、この燃焼工程
    で前記非凝縮ガスが燃焼してなる燃焼排ガスを吸収剤ス
    ラリに気液接触させて前記亜硫酸ガスを吸収する吸収工
    程とよりなる地熱発電設備の脱硫方法において、 前記燃焼を行なう燃焼室に対して複数の蓄熱体を設け、
    これら蓄熱体のうちいずれか特定の蓄熱体に前記燃焼排
    ガスを接触させて当該特定の蓄熱体を加熱すると同時
    に、他の蓄熱体に燃焼前の前記非凝縮ガスを接触させて
    前記非凝縮ガスを加熱する操作を、順次蓄熱体を切換え
    て連続的に実行することにより、前記蓄熱体を媒体とし
    て前記燃焼排ガスから回収した熱で前記非凝縮ガスを加
    熱しつつ前記燃焼工程を行なうことを特徴とする地熱発
    電設備の脱硫方法。
  2. 【請求項2】 前記燃焼工程における非凝縮ガスの燃焼
    温度を1000℃以上としたことを特徴とする請求項1
    記載の地熱発電設備の脱硫方法。
  3. 【請求項3】 地熱蒸気により駆動される地熱発電設備
    のタービンから排出され凝縮器により分離された蒸気中
    の非凝縮ガスを燃焼手段で燃焼させて、前記非凝縮ガス
    に含まれる硫化水素を亜硫酸ガスとし、この燃焼手段で
    前記非凝縮ガスが燃焼してなる燃焼排ガスを気液接触手
    段により吸収剤スラリに気液接触させて前記亜硫酸ガス
    を吸収する地熱発電設備の脱硫装置において、 燃焼室と、この燃焼室に並列状態に連通しそれぞれ蓄熱
    体が装填された複数の熱交換流路とを備え、前記熱交換
    流路が前記燃焼室に対する前記非凝縮ガスの導入路又は
    前記燃焼排ガスの排出路として順次切換えられる構成と
    された蓄熱式熱交換燃焼炉を、前記燃焼手段として設け
    たことを特徴とする地熱発電設備の脱硫装置。
JP8284689A 1996-10-07 1996-10-07 地熱発電設備の脱硫方法及び脱硫装置 Withdrawn JPH10113535A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000325743A (ja) * 1999-01-20 2000-11-28 Basf Ag N2oの熱分解
WO2017068609A1 (ja) * 2015-10-19 2017-04-27 カンケンテクノ株式会社 排ガス処理装置

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JP2000325743A (ja) * 1999-01-20 2000-11-28 Basf Ag N2oの熱分解
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