JPH10112601A - 集中定数型アイソレータ - Google Patents

集中定数型アイソレータ

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JPH10112601A
JPH10112601A JP28125696A JP28125696A JPH10112601A JP H10112601 A JPH10112601 A JP H10112601A JP 28125696 A JP28125696 A JP 28125696A JP 28125696 A JP28125696 A JP 28125696A JP H10112601 A JPH10112601 A JP H10112601A
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JP
Japan
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degrees
ferrite core
strip
strip lines
lumped
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JP28125696A
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English (en)
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Akito Watanabe
明人 渡辺
Yoshinori Matsumaru
宜紀 松丸
Minoru Sakai
稔 酒井
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3本の中心導体の交差角度に着目し、その交
差角度を従来の120度から変更した適切な角度とする
ことで、挿入損失の低減を図る。 【解決手段】 電気的に絶縁状態で交差するように3本
の中心導体としてのストリップライン12a,12b,
12cを配置し、該3本のストリップライン12a,1
2b,12cの交差部分にフェライトコア3を近接配置
し、該フェライトコア3に直流磁界を印加するととも
に、1つのストリップライン12cを終端した集中定数
型アイソレータであり、前記3本のストリップライン1
2a,12b,12cのうち終端したストリップライン
12c以外の2つのストリップライン12a,12bの
交差角度θを120度<θ<180度に設定した構成で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波帯の自
動車電話、携帯電話等の通信機器に用いる集中定数型ア
イソレータに係り、とくに移動体通信の携帯機に使用す
るのに適した小型、低挿入損失の集中定数型アイソレー
タに関する。
【0002】
【従来の技術】移動体通信の携帯機に使用するアイソレ
ータは、その市場性から限りなく小型化及び低挿入損失
化を要求されている。現状では900MHz帯で大きさ
は縦7mm、横7mm、高さ3mm、挿入損失は実力値で0.
4〜0.45dBである。
【0003】アイソレータの構造においては、小型化の
ために集中定数型で構成されており、3本の中心導体を
互いに120度づつずらしたサーキュレータの端子の一
つを終端抵抗(ダミー抵抗)で終端してアイソレータと
している。これは、アイソレータの性能を表す挿入損
失、逆方向損失、反射特性の全てを最良状態にするため
であり、3本の中心導体の交差角度は120度としてい
る。
【0004】図11及び図12は従来の集中定数型アイ
ソレータの3本の中心導体の組立前及び組立後の構成を
示す。ここでは、3本の中心導体は図11のようにシー
ルド板1から突出した3本のストリップライン2a,2
b,2cであって、図12の如くシールド板上に配置さ
れた円板状フェライトコア3上に折り重ねて構成されて
いる。図中、ストリップライン2a,2bの先端部は入
出力端となり、ストリップライン2cの先端部は終端抵
抗接続端となり、各ストリップライン相互の交差角度は
いずれも120度である。なお、図示は省略したが各ス
トリップライン2a,2b,2c相互間は絶縁シートで
電気的に絶縁されている。
【0005】図12に示した従来の3本のストリップラ
イン及び円板状フェライトコアの組立体に永久磁石によ
って円板状フェライトコアの厚み方向に直流磁界を印加
して集中定数型アイソレータを構成した場合の逆方向損
失(アイソレーション)、挿入損失及び入力側及び出力
側の反射特性としての電圧定在波比(V.S.W.R.)の
周波数特性を図13に示す。但し、図13の場合、円板
状フェライトコアの直径3.5mm、厚み0.4mmとし、ス
トリップライン2cを終端する終端抵抗を50Ωとし
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】現在、移動体通信の携
帯機に使用するアイソレータに要求されている逆方向損
失は最低6dBであり、現状アイソレータの実力値20
dBであれば十分その要求を満足できる(例えば図13
でも20dB以上を示している。)。
【0007】ところで、移動体通信の携帯機では、送信
部の消費電力を削減し電池寿命の増大を図る上でアイソ
レータの挿入損失の低減が重要となってきている。しか
し、挿入損失を限りなく低くし、かつ小型化すること
は、フェライトコア、すなわちフェリ磁性体材料(以下
代表例としてYIGとする)及びストリップラインの材
料定数の改善、又は全体構造を見直すだけでは難しい。
【0008】本発明は、上記の点に鑑み、3本の中心導
体の交差角度に着目し、その交差角度を従来の120度
から変更した適切な角度とすることで、挿入損失の低減
を図った集中定数型アイソレータを提供することを目的
とする。
【0009】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、電気的に絶縁状態で交差するように3本
の中心導体を配置し、該3本の中心導体の交差部分にフ
ェライトコアを近接配置し、該フェライトコアに直流磁
界を印加するとともに、前記3本の中心導体の一つを終
端した集中定数型アイソレータにおいて、前記3本の中
心導体のうち終端した中心導体以外の2つの中心導体の
交差角度θを 120度<θ<180度 に設定したことを特徴としている。
【0011】また、前記3本の中心導体のうち終端した
中心導体以外の2つの中心導体の交差角度θを 125度≦θ≦170度 に設定した構造としてもよい。
【0012】また、前記3本の中心導体がシールド板か
ら突出した3本のストリップラインであって、該シール
ド板上に配置された前記フェライトコア上に折り重ねて
構成されている場合において、前記3本のストリップラ
インのうち終端したストリップライン以外の2つのスト
リップラインの交差角度θを 125度≦θ≦138度 に設定するとよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る集中定数型ア
イソレータの実施の形態を図面に従って説明する。
【0014】図1は本発明の第1の実施の形態で用いる
3本の中心導体としてのストリップライン及び円板状フ
ェライトコアの組立体であり、図2及び図3は第1の実
施の形態の全体構成、図4は3本のストリップラインの
折り重ね前の状態をそれぞれ示す。
【0015】まず、3本のストリップラインの構成につ
いて説明する。図4のように、折り重ね前の状態におい
て銅等の良導体金属シートの打ち抜き加工等によりシー
ルド板11から3本のストリップライン12a,12
b,12cを突出させて形成し、先端部がそれぞれ入出
力端となるストリップライン12a,12b間の角度を
θ度(但し125度≦θ≦138度)、先端部が終端抵
抗接続端となるストリップライン12cとストリップラ
イン12a,12b間の角度をそれぞれ(360−θ)
/2度に設定する。なお、シールド板11は図1及び図
2の如くこの上に載置するYIGの円板状フェライトコ
ア3とほぼ同じ寸法の円形状である。
【0016】そして、シールド板11上に円板状フェラ
イトコア3を載置後、円板状フェライトコア3の外周縁
に沿って入出力端を持つストリップライン12a,12
bの一方を折り曲げ、次に他方を折り曲げ、最後に終端
抵抗接続端を持つストリップライン12cを折り曲げ、
図1及び図2のように円板状フェライトコア3の上端面
に3本のストリップライン12a,12b,12cを折
り重ねて交差させ、3本の中心導体としてのストリップ
ライン及び円板状フェライトコアの組立体15を作製す
る。
【0017】各ストリップライン12a,12b,12
cを折り重ねたときの各ストリップライン間の交差角度
は図1の通りとなり、入出力端を持つストリップライン
12a,12b間の交差角度θは125度≦θ≦138
度、先端部が終端抵抗接続端となるストリップライン1
2cとストリップライン12a,12b間の角度はそれ
ぞれ(360−θ)/2度となる。ここで、交差角度θ
を125度≦θ≦138度としたのは、交差角度θが1
25度未満の場合、従来一般的な120度のときと比較
して挿入損失改善効果が少なくなるからであり、また1
38度より大きくすることはストリップライン12aの
直線ライン部Pとストリップライン12bの直線ライン
部Qとが当たり、折り重ね困難乃至折り重ね不能となる
からである。
【0018】なお、図示は省略したが、図1及び図2の
如く各ストリップライン12a,12b,12cを円板
状フェライトコア3上に折り重ねる際に、ストリップラ
イン12a,12b,12c相互間の電気的な絶縁をと
るために、ポリイミド系若しくはテフロン系の絶縁シー
トを挟み込んでいる。
【0019】図2及び図3の全体構成に示すように、集
中定数型アイソレータは、上述したフェライトコア3及
びこの上面に折り重ねられたストリップライン12a,
12b,12cの組立体15の他に、方形枠状の樹脂ケ
ース20、終端抵抗や所要の静電容量を形成する内部基
板30、前記フェライトコア3の厚み方向に直流磁界を
印加する永久磁石35、樹脂ケース20の上下に一体化
される軟磁性体ヨークとしての上カバー41と下カバー
42、及び面装着用の端子基板50とを備えている。
【0020】前記内部基板30は、円板状フェライトコ
ア3を配置するための抜き穴32を誘電体基板31の中
央部に形成し、ストリップライン12a,12b,12
cの先端部が載置接続される所定形状の容量電極33
a,33b,33cを誘電体基板31の上面に形成し、
さらに終端すべきストリップライン12cの先端部が接
続される容量電極33cとグランド接続電極33d間に
終端抵抗34を酸化ルテニウム厚膜印刷等で当該誘電体
基板31上面に形成したものである。なお、図示は省略
したが、誘電体基板31の下面に各容量電極33a,3
3b,33cとの間で所要の静電容量を形成する全面ア
ース電極が形成されている。そして、上面に各ストリッ
プライン12a,12b,12cを折り重ねた円板状フ
ェライトコア3は、内部基板30の抜き穴32に嵌め込
まれて、内部基板30上の容量電極33a,33b,3
3cにストリップライン12a,12b,12cの先端
部がはんだ付けでそれぞれ接続される。
【0021】鉄等の軟磁性金属の下カバー42上にスト
リップライン12a,12b,12cを折り重ねた円板
状フェライトコア3及び内部基板30は載置され、円板
状フェライトコア3の下面の円形シールド板11及び内
部基板30の下面のアース電極はそれぞれ下カバー42
にはんだ付けで接続、固定される。
【0022】前記方形枠状の樹脂ケース20は、先端部
が入出力端となる2本のストリップライン12a,12
bの先端部に対応する2個の接続端子片21を有すると
ともに、終端抵抗34の一端をグランドにおとすために
グランド接続電極33dに対応するグランド接続端子片
22を有している。この樹脂ケース20の下側には、フ
ェライトコア3と内部基板30を固着した下カバー42
が組み付けられ、前記接続端子片21のケース内側端部
にストリップライン12a,12bの先端部及び容量電
極33a,33bがはんだ付けで接続され、グランド接
続端子片22のケース内側端部に終端抵抗34の一端が
接続されたグランド接続電極33dがはんだ付けで接続
される。なお、このときストリップライン12cと終端
抵抗34の他端が接続された容量電極33cとがはんだ
付けで接続される。
【0023】鉄等の軟磁性金属の上カバー41の内側に
は永久磁石35が固定的に配置され、永久磁石35を内
蔵した上カバー41は前記樹脂ケース20の上側に組み
付けられ、さらに上カバー41及び下カバー42は図3
のように相互にかしめて一体化される。従って、上下の
カバー41,42で構成された磁気ヨークの内側に、ス
トリップライン12a,12b,12cを上面に設けた
円板状フェライトコア3及び永久磁石35が配置される
こととなり、これらは磁気ヨークで囲まれている。
【0024】前記端子基板50は、入出力端を持つ2本
のストリップライン12a,12bに対応した2個の外
部回路接続用面装着端子電極51及びグランド電極52
を底面に有し、上面にスルーホールを介し前記面装着端
子電極51に接続する電極51a及びグランド電極52
に接続する電極52aが形成されている。該端子基板5
0は下カバー42の底面に装着され、樹脂ケース20の
接続端子片21のケース外側端部21aが面装着端子電
極51に対応した前記電極51aにはんだ付けで接続さ
れ、グランド接続端子片22のケース外側端部22aが
前記グランド電極52に対応した電極52aにはんだ付
けで接続され、下カバー42の下面がグランド電極52
に対応した前記電極52aにはんだ付けで接続される。
【0025】このようにして、入出力端となる2本のス
トリップライン12a,12bの先端部が端子基板50
の面装着端子電極51に引き出され、かつ残りの1本の
ストリップライン12cの先端部が終端抵抗34を介し
てグランド電極52に接続(終端)された集中定数型ア
イソレータが得られる。
【0026】ここで、入出力端を持つストリップライン
12a,12b間の交差角度θを従来一般的であった1
20度より大きくし、125度≦θ≦138度に設定し
た意義について図5を用いて説明する。
【0027】集中定数型アイソレータの動作原理は、図
5に示すように円板状YIG(円板状フェライトコア)
に垂直に永久磁石により直流磁界を印加したとき発生す
る正と負の円偏波透磁率の実数部μ'+とμ'-の差を用い
ているが、外部磁界Hoが磁気共鳴Hrの近くではμ'+と
μ'-との差が大きく、大きなインダクタンスの差が得ら
れる反面、損失成分を表す円偏波透磁率の虚数項μ"+も
磁気共鳴Hr付近で大きくなる。従って、挿入損失を少
なくするためには直流磁界の動作点を外部磁界Hoが高
く磁気共鳴Hrより離れた所に設定する必要がある。し
かし、そうするとμ'+とμ'-との差が小さくなり、しか
も小型化のために円板状フェライトコアの直径も小さく
抑えられているので、図12の3本のストリップライン
2a,2b,2cの交差角度を120度とした従来のス
トリップライン構造では正常な信号の伝達ができない。
本発明の第1の実施の形態によるストリップライン構造
とすることにより、他端子間を犠牲にして主要端子間の
み、すなわち入出力端子間のみに注視することでμ'+と
μ'-との差が小さい領域に動作点を設定した場合でも小
径の円板状フェライトコアで挿入損失を最小にすること
ができる。
【0028】図6は本発明の第1の実施の形態におい
て、先端部が入出力端となったストリップライン12
a,12b間の交差角度θを132度としたときの逆方
向損失(アイソレーション)、挿入損失及び入力側及び
出力側の反射特性としての電圧定在波比(V.S.W.
R.)の周波数特性を示す。但し、図6の場合、円板状
フェライトコアの直径3.5mm、厚み0.4mmとし、終端
抵抗34を50Ωとした。
【0029】本発明の第1の実施の形態の場合を示す図
6と従来の図13とを比較すると、図6の方が挿入損失
を0.1dB改善できていることが判る(換言すれば、
数%の電力損失低減効果があることを示している。)。
なお、逆方向損失は図6の方がやや低下しているが、要
求されている6dBに対して十分であり、さらに終端抵
抗34を接続するストリップライン12c先端部の実際
の特性インピーダンスに終端抵抗34の抵抗値を合わせ
ることで逆方向損失を20dB以上とすることも可能で
ある。
【0030】図7は本発明の第1の実施の形態におい
て、先端部が入出力端となったストリップライン12
a,12b間の交差角度θを132度とし、かつ終端抵
抗34の抵抗値をストリップライン12cの特性インピ
ーダンスに合わせて92Ωとしたときの逆方向損失(ア
イソレーション)、挿入損失及び入力側及び出力側の反
射特性としての電圧定在波比(V.S.W.R.)の周波数
特性を示す。なお、その他の測定条件は図6と同じとし
た。この図7では、図6と同様に挿入損失を改善してい
るとともに、逆方向損失20dB以上を得ている。
【0031】図8は本発明の第1の実施の形態におい
て、先端部が入出力端となったストリップライン12
a,12b間の交差角度θを138度とし、かつ終端抵
抗34の抵抗値をストリップライン12cの特性インピ
ーダンスに合わせて120Ωとしたときの逆方向損失
(アイソレーション)、挿入損失及び入力側及び出力側
の反射特性としての電圧定在波比(V.S.W.R.)の周
波数特性を示す。なお、その他の測定条件は図6と同じ
とした。この図8においても、図6と同様に挿入損失を
改善しているとともに、逆方向損失20dB以上を得て
いる。
【0032】この第1の実施の形態によれば、次の通り
の効果を得ることができる。
【0033】(1) 3本の中心導体としてのストリップ
ライン12a,12b,12cのうち終端したストリッ
プライン12c以外の2つのストリップライン12a,
12bの交差角度θを125度≦θ≦138度に設定し
たことにより、図5において円板状フェライトコア3に
印加する直流磁界の動作点を磁気共鳴Hrよりも高い外
部磁界Hoで損失成分を表す円偏波透磁率の虚数項μ"+
が小さい領域に設定できる。この結果、従来一般的な交
差角度θが120度の場合に比較して挿入損失を0.1
dB程度少なくすることができる。
【0034】(2) 交差角度を変更した点を除き、従来
技術と実質的に同じ部品構成で、材料定数を改善するこ
となく、且つ形状も大きくすることなく挿入損失を低く
することができ、従来技術に比してコストアップとなる
こともない。従って、第1の実施の形態に係る集中定数
型アイソレータを移動通信の携帯機、例えば携帯電話等
に適用すれば、挿入損失が少なくなった分だけ送信部の
出力を小さくして消費電力を減らし、電池の寿命を延ば
すことができる。
【0035】図9及び図10は本発明の第2の実施の形
態に係るストリップライン構造を示し、図9は3本のス
トリップライン62a,62b,62cが形成された中
心導体基板60を上から見た平面図、図10は中心導体
基板60の裏面を上から透視した透視図である。これら
の図から判る通り、3本のストリップライン62a,6
2b,62cを表裏半分に分割した形状のストリップ導
体パターン63a,63b,63cが中心導体基板60
の表面に、残りの半分の形状のストリップ導体パターン
64a,64b,64cが中心導体基板60の裏面にそ
れぞれ銅等の良導体の厚膜印刷又はプリント配線基板等
で形成され、ストリップライン62aを構成するストリ
ップ導体パターン63a,64a同士、ストリップライ
ン62bを構成するストリップ導体パターン63b,6
4b同士、ストリップライン62cを構成するストリッ
プ導体パターン63c,64c同士がそれぞれスルーホ
ール65で接続されている。中心導体基板60の上面に
はストリップライン62a,62bの先端部にスルーホ
ール65を介して接続された入出力電極66a,66b
及びストリップライン62cの先端部にスルーホール6
5を介して接続された終端電極66cが同様に形成され
ている。また、中心導体基板60の裏面にはストリップ
ライン62a,62b,62cの先端部(アース端部)
にスルーホール65を介して接続されたグランド電極6
7a,67b,67cが同様に形成されている。これら
のグランド電極67a,67b,67cは円板状フェラ
イトコアをシールドするシールド板(グランド導体板)
に接続される。
【0036】ここで、先端部が入出力端となるストリッ
プライン62a,62bの交差角度θは、125度≦θ
≦170度に設定されている。交差角度θを125度≦
θ≦170度とする理由は、交差角度θが125度未満
の場合、従来一般的な120度のときと比較して挿入損
失改善効果が少なくなるからであり、また170度より
大きくすることはストリップライン62a,62b相互
の重なる領域が多くなり、スルーホールの配置等が実際
上困難となるからである。
【0037】なお、中心導体基板60を円板状フェライ
トコアの上面に近接配置し、さらに第1の実施の形態の
全体構成を示す図2と同様に円板状フェライトコアに直
流磁界を印加する永久磁石やストリップライン62cの
先端部の終端電極66cをグランドにおとす終端抵抗を
設け、全体を軟磁性体のカバーで覆うことで集中定数型
アイソレータを構成する。
【0038】この第2の実施の形態によれば、集中定数
型アイソレータの挿入損失低減のために交差角度θを1
20度より大きく180度未満とする場合に、第1の実
施の形態のように円板状フェライトコア上に3本のスト
リップラインを折り重ねる場合に比較して交差角度の設
定の自由度が大きい利点がある。
【0039】なお、第1の実施の形態では、3本の中心
導体のうち終端した中心導体以外の2つの中心導体の交
差角度θを125度≦θ≦138度に設定し、第2の実
施の形態では125度≦θ≦170度に設定したが、原
理上は120度<θ<180度の範囲の適切な値に設定
することで、集中定数型アイソレータの挿入損失の低減
が可能である。
【0040】以下の表1は、終端したストリップライン
以外の2つのストリップライン12a,12bの交差角
度θを変えて実験を行ったときの挿入損失の最小値の測
定結果を示す。尚、フェライトコアは直径3.5mm、厚
み0.4mm、各ストリップラインのライン幅は0.15mm
としたものを使用した。
【0041】 表1 θ[°] 120 126 132 138 150 170 挿入損失 最小値 0.40 0.36 0.32 0.28 0.23 0.22 (dB)
【0042】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の集中定数
型アイソレータによれば、電気的に絶縁状態で交差する
ように3本の中心導体を配置し、該3本の中心導体の交
差部分にフェライトコアを近接配置し、該フェライトコ
アに直流磁界を印加するとともに、前記3本の中心導体
の一つを終端した構成において、前記3本の中心導体の
うち終端した中心導体以外の2つの中心導体の交差角度
θを120度<θ<180度に設定したので、従来技術
と実質的に同じ部品構成で、材料定数を改善することな
く、且つ形状も大きくすることなく挿入損失を低くする
ことができる。従って、本発明に係る集中定数型アイソ
レータを移動通信の携帯機、例えば携帯電話等に適用す
れば、挿入損失が少なくなった分だけ送信部の出力を小
さくして消費電力を減らし、電池の寿命を延ばすことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る集中定数型アイソレータの第1の
実施の形態における円板状フェライトコア及びこの上に
折り重ねたストリップラインの組立体を示す平面図であ
る。
【図2】第1の実施の形態の全体構成を示す分解斜視図
である。
【図3】同じく外観を示す斜視図である。
【図4】折り重ねる前の状態の3本のストリップライン
を示す平面図である。
【図5】正負円偏波の比透磁率と外部磁界との関係を示
すグラフである。
【図6】第1の実施の形態において、交差角度θを13
2度、終端抵抗を50Ωとしたときの逆方向損失(アイ
ソレーション)、挿入損失及び入力側及び出力側の反射
特性としての電圧定在波比(V.S.W.R.)の周波数特
性を示すグラフである。
【図7】第1の実施の形態において、交差角度θを13
2度、終端抵抗を92Ωとしたときの逆方向損失(アイ
ソレーション)、挿入損失及び入力側及び出力側の反射
特性としての電圧定在波比(V.S.W.R.)の周波数特
性を示すグラフである。
【図8】第1の実施の形態において、交差角度θを13
8度、終端抵抗を120Ωとしたときの逆方向損失(ア
イソレーション)、挿入損失及び入力側及び出力側の反
射特性としての電圧定在波比(V.S.W.R.)の周波数
特性を示すグラフである。
【図9】本発明の第2の実施の形態における中心導体基
板の平面図である。
【図10】同じく中心導体基板を上から見た中心導体基
板裏面の透視図である。
【図11】従来の集中定数型アイソレータにおいて、折
り重ねる前の状態の3本のストリップラインを示す平面
図である。
【図12】従来の集中定数型アイソレータにおける円板
状フェライトコア及びこの上に折り重ねたストリップラ
インの組立体を示す平面図である。
【図13】従来の集中定数型アイソレータ(交差角度1
20度)の逆方向損失(アイソレーション)、挿入損失
及び入力側及び出力側の反射特性としての電圧定在波比
(V.S.W.R.)の周波数特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1,11 シールド板 2a,2b,2c,12a,12b,12c,62a,
62b,62c ストリップライン 3 円板状フェライトコア 15 ストリップライン及び円板状フェライトコアの組
立体 20 樹脂ケース 21 接続端子片 22 グランド接続端子片 30 内部基板 31 誘電体基板 33a,33b,33c 容量電極 33d グランド接続電極 34 終端抵抗 35 永久磁石 41 上カバー 42 下カバー 50 端子基板 51 面装着端子電極 52,67a,67b,67c グランド電極 60 中心導体基板 63a,63b,63c,64a,64b,64c ス
トリップ導体パターン 65 スルーホール 66a,66b 入出力電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的に絶縁状態で交差するように3本
    の中心導体を配置し、該3本の中心導体の交差部分にフ
    ェライトコアを近接配置し、該フェライトコアに直流磁
    界を印加するとともに、前記3本の中心導体の一つを終
    端した集中定数型アイソレータにおいて、前記3本の中
    心導体のうち終端した中心導体以外の2つの中心導体の
    交差角度θを 120度<θ<180度 に設定したことを特徴とする集中定数型アイソレータ。
  2. 【請求項2】 前記3本の中心導体のうち終端した中心
    導体以外の2つの中心導体の交差角度θを 125度≦θ≦170度 に設定してなる請求項1記載の集中定数型アイソレー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記3本の中心導体がシールド板から突
    出した3本のストリップラインであって、該シールド板
    上に配置された前記フェライトコア上に折り重ねて構成
    されており、前記3本のストリップラインのうち終端し
    たストリップライン以外の2つのストリップラインの交
    差角度θを 125度≦θ≦138度 に設定してなる請求項1記載の集中定数型アイソレー
    タ。
JP28125696A 1996-10-03 1996-10-03 集中定数型アイソレータ Withdrawn JPH10112601A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000062780A (ko) * 1999-03-09 2000-10-25 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 비가역 회로 소자 및 그 제조 방법과 그를 이용한 무선단말 장치

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KR20000062780A (ko) * 1999-03-09 2000-10-25 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 비가역 회로 소자 및 그 제조 방법과 그를 이용한 무선단말 장치

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