JPH10111628A - クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置並びにクリーニング装置の使用方法 - Google Patents

クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置並びにクリーニング装置の使用方法

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JPH10111628A
JPH10111628A JP28333196A JP28333196A JPH10111628A JP H10111628 A JPH10111628 A JP H10111628A JP 28333196 A JP28333196 A JP 28333196A JP 28333196 A JP28333196 A JP 28333196A JP H10111628 A JPH10111628 A JP H10111628A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触帯電方式を採用した画像形成プロセスで
あっても、環境差によるクリーニング不良(白抜け・白
筋の発生)を確実に回避する。 【解決手段】 像担持体1に当接して前記像担持体1を
クリーニングするブレード2と、ブレード2の像担持体
1回転方向上流側面にて固定されブレード2の基端側を
支持する支持体3と、支持体3と独立してブレード2の
像担持体1回転方向下流側面に固定されると共に、少な
くとも支持体3と対向する重複部分を有し、さらに像担
持体1側の先端部がブレード2のうち支持体3との非固
定部分の中間に位置してブレード2を補強する剛性補強
部材4とを備える。また、これを用いた画像形成装置を
も対象とする。更に、クリーニング装置の使用方法とし
て、初期使用済みの像担持体1に対してブレード2を弾
接させた状態で、前記像担持体1のトルクを予め決めら
れた所定範囲に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機や
電子写真プリンタ等の画像形成装置において、像担持体
上に残存するトナーなどを除去するクリーニング装置に
係り、特に、像担持体上のトナーなどを機械的に掻き取
るブレードクリーニング方式が採用されたクリーニング
装置及びこれを用いた画像形成装置並びにクリーニング
装置の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電子写真方式を利用した画像形
成装置が広く普及している。この電子写真方式の画像形
成装置は、例えばドラム状に構成された像担持体を一様
に帯電し、原稿に記録された画像に応じた光情報をその
像担持体に照射することにより当該像担持体に静電潜像
を形成し、その静電潜像を現像剤(トナー)で現像して
その現像像を直接にもしくは転写ドラム等を介して用紙
に転写することにより、プリント(コピー)画像を得る
装置である。この画像形成装置には、転写後に像担持体
上に残存したトナーなどを除去する手段としてクリーニ
ング装置が備えられており、このようなクリーニング装
置としては、ブレードクリーニング方式、ファーブラシ
クリーニング方式など各種方式のものが知られている
が、コスト、信頼性、スペースの点でブレードクリーニ
ング方式が現在広く使用されている。
【0003】図17は従来のブレードクリーニング方式
の一例を模式的に示す説明図である。同図において、従
来のブレードクリーニング方式は、剛性板からなる支持
材120に板状ゴム部材からなるブレード110の基端
部を固定し、クリーナハウジング130に前記支持材1
20を固定すると共に、回転する像担持体140の表面
141にブレード110の先端エッジ部111を押圧
し、像担持体140の表面141に残存する現像剤(ト
ナー)142などを掻き取るものである。この種のクリ
ーニング装置では、像担持体140の表面141に所定
の圧力でブレード110が押圧されるように支持材12
0が位置決めされる。
【0004】また、像担持体の帯電方式として所謂接触
帯電方式が知られている。この種の接触帯電方式は、帯
電部材を直接像担持体に接触・近接させ、交流または直
流電圧を印加して像担持体を帯電させるものであり、よ
り具体的には、例えば導電性の弾性ロールにバイアスが
印加された帯電器を使用し、弾性ロールと像担持体とが
それぞれ回転して互いに正に接触しようとする部分に形
成される、弾性ロールと像担持体表面との間の微小ギャ
ップに生じるパッシェン曲線に従った放電を利用したも
のである。この放電は、ギャップ長が短い放電であり、
弾性ロールと像担持体表面との間で直接行われる。一
方、コロトロン方式やスコロトロン方式は、ワイヤ電極
に高電圧を印加してワイヤとシールドとの間で放電さ
せ、ワイヤ近傍の空気中の気体を電離、イオン化し所定
の極性のイオン化分子や電子が像担持体表面に移動する
ことにより像担持体を帯電するものであり、ギャップ長
が長い放電である。ギャップ長が短い放電はギャップ長
が長い放電に比べイオンや電子の移動速度が速いといわ
れており、このため、接触帯電方式は、コロトロン方式
やスコロトロン方式に比べ、像担持体表面にエネルギの
大きいイオンや電子が衝突すると考えられている。一般
に、高分子は、イオンや電子が衝突すると表面の炭素原
子の結合状態が変わり、活性化して表面エネルギが上昇
することが知られており、像担持体として、ポリカーボ
ネート等の高分子材料で形成された像担持体表面層を有
する有機像担持体を使用して、接触帯電方式で帯電する
と、像担持体表面層の表面エネルギは、コロトロン方式
やスコロトロン方式に比べ上昇する。表面エネルギの上
昇は空気中の分子が像担持体表面に吸着することを促し
たり、トナーやトナーの表面に添加されている非常に微
細な外添剤が像担持体表面に付着する付着力の増加をも
たらす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように接触帯電方
式の帯電器を使用した場合には、像担持体表面へのトナ
ーや外添剤の付着力が増加して剥ぎ取りにくくなるた
め、上述したブレードクリーニング方式のクリーニング
装置にとってストレスになり、コロトロン方式やスコロ
トロン方式等の帯電に比べ、クリーニング性が低下して
しまい、画像形成装置では次のような技術的課題を引き
起こしてしまう。
【0006】一般に、接触帯電方式の帯電器の第一の長
所としては、オゾン発生量が極微量であることが挙げら
れる。確かに発明者が測定した結果でもスコロトロンな
どのコロナ放電を利用した帯電器に比べ接触帯電器のオ
ゾン発生量としては1/100〜1/1000である。
しかしながら、接触帯電器の表面と像担持体の表面との
間で直接放電しているので、像担持体上の極近傍でオゾ
ンやNOXを微量ながら発生している。従って、ある意
味では、スコロトロンなどの帯電器よりも、オゾンやN
Xによる像担持体ひいてはクリーニング装置への影響
が大きく、例えば、画質上プロセス方向の白抜けや白筋
が発生する等のクリーニング不良を引き起こす原因とな
る。
【0007】これは、以下の原因により生じているもの
と考えられる。すなわち、接触帯電は直接像担持体と放
電しているため、像担持体表面の劣化が激しく、トナー
等の付着力の増加により異物がつきやすい状態になって
いる。このため、像担持体近傍で放電により発生したオ
ゾンやNOXが像担持体に付着しやすくなり、付着した
オゾン等が吸湿し像担持体の表面の状態を変えてしま
う。その結果、像担持体の摩擦係数が変化してしまい、
従来のクリーニング設定では対応しきれなくなり、わず
か数十枚プリントするだけでブレードエッジの先端部が
めくれたり変形したりして、軽微であるが、クリーニン
グ不良を起こしてしまう。そして、オゾンやNOXが像
担持体上に付着したまま1サイクルが終わり再び帯電、
露光等の工程に戻ることになる。従って、その部分は、
帯電はできるが露光ができずに潜像がかけなくなり、画
質上白抜け・白筋となる。さらに、それが激しくなれ
ば、ブレードの先端の変形によりクリーニング装置の劣
化が起き、トナーまでも清掃できなくなってしまう。
【0008】このような不具合は、特に、弾性ロールに
印加するバイアスとして、交流バイアスに直流バイアス
を重畳させた態様において顕著であることが確認され
た。これは、弾性ロールに印加するバイアスとして、交
流バイアスを使用することは、直流のみの帯電時より放
電回数が多くなり、それだけ像担持体にストレスをかけ
ることになり、トナー等の付着力の増加を促し、また、
像担持体の表面状態が大きく変化することに起因するも
のと考えられる。ここで、上記したトナー等の付着力が
増加するという現象は、帯電回数に伴う像担持体表面に
水滴を付着させたときの、その水滴の接触角の変化とし
て観察され、図18に示すように、常温常湿では帯電回
数が増える程、水滴の接触角が鋭角化することから把握
される。一方、像担持体の表面状態が大きく変化すると
いう現象は、図19に示すように、帯電回数が増える
程、像担持体表面とブレードとの間の摩擦係数が増大す
ることから把握される。
【0009】本発明は、以上の技術的課題を解決するた
めになされたものであって、接触帯電方式を採用した画
像形成プロセスであっても、高温高湿環境や低温低湿環
境などの環境条件の相違に影響されることなく、クリー
ニング不良(白抜け・白筋の発生)を確実に回避できる
ようにしたクリーニング装置及びこれを用いた画像形成
装置を提供するものである。また、本発明は、接触帯電
方式を採用した画像形成プロセスであっても、クリーニ
ング不良を確実且つ容易に回避できるクリーニング装置
の使用方法をも提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】先ず、本発明を案出する
に至った過程を説明する。本発明者は、接触帯電方式が
採用された画像形成プロセスにおいて発生するクリーニ
ング不良(白抜け・白筋の発生)を種々分析した結果、
以下のような知見を得た。すなわち、以下の実験システ
ムを用い、高温高湿下、低温低湿下での連続RUNによ
る像担持体の静止トルクの推移を調べた。ここで、像担
持体の静止トルクは、ブレード(図18の支持構造)と
像担持体との間の摩擦力に相当するものと考えられる。 ◎実験システム ・像担持体:外径84mmφ、長さ350mmの有機感光ドラム ・感光ドラムの表面速度:80mm/sec ・接触帯電器:外径14mmφ、長さ330mmの弾性帯電ロール (8mmφのステンレス製芯金入り) ・帯電ロール印加電圧:AC成分…500Hz、0.75mA(定電流) DC成分…−700V ・RUN(運転)条件:全面Cin(面積率)=30%の単色ハーフトーンを 連続プリント
【0011】図20は上記実験システムにおいて高温高
湿・低温低湿下での連続RUNによる像担持体の静止ト
ルクの推移を示したものである。この時のブレードのパ
ラメータは、材料238778(北辰工業製)、自由長
(F/L(Free Length))8.4mm、BSA(Blade
setting angle)19゜、ブレード食い込み量0.9m
mである。同図において、同じパラメータであっても、
高温高湿環境だとプリントするにつれて静止トルクが高
くなり、低温低湿環境だと静止トルクが低くなる。しか
しながら、どちらも50枚程度でトルクは安定し、以後
1000枚(図示外)まで実験したがほとんど変化しな
かった。この動向は他のブレードのパラメータでも同様
であることが確認された。
【0012】ここで、上述した静止トルクの測定方法を
示す。上記実験システムと同じものを用いて様々なパラ
メータの新品のクリーニングブレードを設定する。この
とき像担持体にはブレード以外のものは触れないように
する。そして、静摩擦トルクをトルクゲージで、カイナ
ータッチアップ(ブレードのめくれを防止し、より使用
状態に近くするためにドラムにカイナーを塗布)により
測定し、6回の平均をとり測定値とした。
【0013】また、上記実験システムのような接触帯電
器を用いた場合には、像担持体は放電によってダメージ
を受け、表面状態が初期と全く違う状態になり、しか
も、環境によっても大きく変わることが確認された。
【0014】次に、200枚(JIS規格A3判)のシ
ョートRUNによる白筋の発生有無と経時使用された像
担持体(本例では50枚以上使用した像担持体)の静止
トルクとの関係を調べたところ、図21(a)のような
結果が得られた。同図において、この実験のシステムの
場合、環境やクリーニングブレードの材質やパラメータ
ーに関わらず、静止トルクが10〜12kgf・cmに
あるクリーニング装置は白筋未発生で、その値より大き
くても、小さくても白筋が発生することが確認された。
ここで、静止トルク(摩擦力)とクリーニング性との関
係について考察してみると、ブレードは像担持体との摩
擦力によってエッジが変形し、ブルドーザのようにして
トナーを押しのけていく、と考えられる。別の表現をす
れば、ブレードは像担持体に食いつきながらトナーを押
し出していく。従って、静止トルク(摩擦力)が高けれ
ば、ブレードが像担持体に引っ張られてブレードエッジ
欠けになったり、めくれたりすることから、クリーニン
グ不良につながり、逆に、静止トルク(摩擦力)が低け
れば、ブレードエッジと像担持体表面との密着性が確保
できなくなり、クリーニング不良につながると考えられ
る。つまり、正常な状態にあるブレードはある適切な静
止トルク(摩擦力)をもって像担持体に接していると考
えられる。すなわち、どのような環境下であっても、静
止トルクをある適切な値に制御することで、ブレードの
クリーニング性が確保されることが理解される。
【0015】また、図21(b)は他の種類の違う像担
持体で同様のテストをした結果である。この場合も、静
止トルクの適切な値の許容範囲(本例では8〜12kg
f・cm)は違うが、トルクが大きすぎるとエッジ欠け
を発生し、小さいとクリーニング不良が発生する。従っ
て、像担持体の種類の如何に関わらず、クリーニング性
は静止トルクとの相関があることが推察される。
【0016】このように、従来のブレード構成であって
も、静止トルクをある適切な値に制御することでブレー
ドのクリーニング性は確保されるという事実が判明し
た。
【0017】更に、本発明者は、従来のブレード構成に
対し、高温高湿環境、あるいは、低温低湿環境の両方の
環境を同時に満足するクリーニングパラメータが得られ
るか否かを検討したところ、以下のような結果が判明し
た。すなわち、従来のブレード構成を備えたクリーニン
グ装置では、高温高湿と低温低湿の環境条件で同一クリ
ーニングパラメータにもかかわらず、高温高湿環境では
静止トルクが大きくなりすぎ、低温低湿環境では小さく
なりすぎる。そのため、環境差が約50%もあり、高温
高湿用に静止トルクを設定すると、低温低湿でクリーニ
ング不良が発生し、低温低湿用に静止トルクを設定する
と高温高湿でエッジ欠けが発生してしまい、両方の環境
を同時に満足するクリーニングパラメータは得られない
ことが判明した。
【0018】本発明は、以上の知見に基づいて為された
ものであって、図1に示すように、像担持体1に当接し
て前記像担持体1をクリーニングするクリーニングブレ
ード2と、前記クリーニングブレード2の前記像担持体
1回転方向上流側面にて固定され前記クリーニングブレ
ード2の基端側を支持する支持体3と、支持体3と独立
して前記クリーニングブレード2の前記像担持体1回転
方向下流側面に固定されると共に、少なくとも支持体3
と対向する重複部分を有し、さらに像担持体1側の先端
部がクリーニングブレード2のうち支持体3との非固定
部分の中間に位置してクリーニングブレード2を補強す
る剛性補強部材4とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0019】このような技術的手段において、上述した
クリーニング装置は像担持体1上の残留トナーなどを除
去する必要性のある画像形成装置であればどのようなタ
イプの画像形成装置に適用しても差し支えないが、オゾ
ンやNOXなどの付着物をも確実に除去し得るという観
点からすれば、像担持体1に当接又は近接させ、少なく
とも直流からなる電圧を印加する帯電部材が用いられた
画像形成装置に対して使用することが有効である。
【0020】また、像担持体1はその表面が感光体、誘
電体など静電潜像、現像を担持し得るものであればいず
れの形式でもよく、その形状についてもドラム状、ベル
ト状を問わない。
【0021】更に、クリーニングブレード2は、像担持
体1表面に付着したトナー等を除去するよう弾性変形す
るものであれば、ゴム製その他の材質も含む。更にま
た、支持体3は、クリーニングブレード2を支持できる
ものであれば、材料及び、形状は問わない。
【0022】また、剛性補強部材4は、クリーニングブ
レード2の剛性を補強するためのものであり、剛性を保
てるものであればABS樹脂、ポリカーボネート、ステ
ンレスのほかその他の材料も含まれる。また、クリーニ
ングブレード2の剛性を均一に保つ観点から、クリーニ
ングブレード2の長手方向全長に渡り固定する方が望ま
しく、剛性補強部材4の支持体3と重複する部分は、支
持体3のクリーニングブレード2の固着面全域に対向し
て重複する場合、前記固着面の一部で重複する場合のい
ずれも含まれ、また、支持体3とは独立してクリーニン
グブレード2にのみ固定されるものである。ここで、固
定方法としては、接着剤を用いる方法、両面テープを用
いる方法、ホットメルト法など適宜選定して差し支えな
いが、接着力の強い方が好ましい。
【0023】更にまた、剛性補強部材4の突き出し量に
ついては、クリーニングブレード2の像担持体1の回転
方向上流側の自由長を元F/L、クリーニングブレード
2の像担持体1の回転方向下流側の自由長をF/Lとし
た場合、0.1<(F/L)/(元F/L)<1.0で
あればよいが、0.4≦(F/L)/(元F/L)≦
0.8にすることが望ましい。
【0024】また、図20によれば、像担持体1の静止
トルクは、高温高湿環境、あるいは、低温低湿環境にお
いて、経時使用された像担持体(少なくとも初期使用済
みの像担持体)1に対して一定であることが理解され
る。一方、図21(a)(b)によれば、経時使用され
た像担持体1の静止トルクが所定範囲内にあるとき、ブ
レードのクリーニング性が確保されることが理解され
る。このことに着目すれば、クリーニング装置を使用す
る際には、少なくとも初期使用済みの像担持体1に対し
てクリーニングブレード2を弾接させた状態で、前記像
担持体1のトルクを予め決められた所定範囲に設定する
ようにすればよい。このような使用方法は、図1に示す
クリーニング装置に限られるものではなく、従来のブレ
ード構成のものを始め各種構成(像担持体1に当接して
前記像担持体1をクリーニングするクリーニングブレー
ド2と、前記クリーニングブレード2の前記像担持体1
回転方向上流側面にて固定され前記クリーニングブレー
ド2の基端側を支持する支持体3とを備えたタイプ全
般)のものについて適用し得る。
【0025】次に、上述した技術的手段の作用について
説明する。図1に示すように、ブレード2の基端部は支
持体3に固定されると共に、ブレード2の支持体3固定
部の反対側面には、少なくとも支持体3に対向する重複
部分を有し、ブレード2の支持体3との非固定部分の中
間位置まで延びる剛性補強部材4が固定されている。こ
こで、剛性補強部材4は、ブレード2が支点Aを支点と
して実線で示すように弾性変形する際に、ブレード2の
弾性変形を阻止する働きをする。このとき、ブレード2
と像担持体1との密着性を得るための力(ニップ圧)N
は、主としてBを支点とした自由長L2に依存し、一
方、像担持体1が矢印a方向に移動するときの摩擦力
(以下トルクという)Fは、主としてAを支点とした自
由長L1に依存する。このため、ニップ圧NとトルクF
とは別々に制御されることになり、ニップ圧Nを大きく
しても直ちにトルクFが大きくなることはなく、トルク
Fが許容範囲から外れ難い。
【0026】これに対し、図2は従来のクリーニングブ
レードの支持構造を示すものである。同図において、ニ
ップ圧NとトルクFとの両方は、ブレード2の支点Aか
らの自由長L1に依存して制御される。従って、ニップ
圧NとトルクFとは常に同調する関係になり、高温高湿
環境下において、ニップ圧Nが大きくなると、必然的に
トルクFが大きくなってしまい、トルクFが許容範囲か
ら外れ易い。なお、図1、図2において、符号θは像担
持体1に対するブレード2の設定角度(BSA:Blade
setting angle)、αは像担持体1に対するブレード2
の当接角度、dは像担持体1に対するブレード2の干渉
量(ブレード食い込み量)を示す。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいてこの発明を詳細に説明する。 ◎実施の形態1 図3はこの発明が適用されたカラー画像形成装置の実施
の形態1を示すもので、特に中間転写体を用いた態様の
カラー画像形成装置を示す。同図において、符号21は
矢線A方向へ回転する感光ドラム(像担持体)であり、
22は感光ドラム21を予め帯電する接触帯電装置、2
3は帯電された感光ドラム21上にビームBmを照射す
ることにより静電潜像を書き込むレーザ露光装置、24
〜27は前記感光ドラム21に対向する現像位置に離接
自在な現像装置(24はブラック用現像装置、25はイ
エロ用現像装置、26はマゼンタ用現像装置、27はシ
アン用現像装置)である。なお、接触帯電の方式として
は、直流電圧のみを印加する他、各種方式が含まれる
が、本実施の形態では、直流電圧に交流電圧を重畳させ
る方式が採用される。
【0028】また、符号28は感光ドラム21表面に当
接するように配設され、且つ、複数のロール(図示符号
なし)に張架されて矢印B方向へ回動する中間転写べル
トであり、本実施の形態では、例えば長尺状のベルト部
材の両端部がシーム部(継ぎ目部)Cとして接合された
もので、アクリル、塩化ビニル、ポリエステル、ポリカ
ーボネイト、ポリイミド等の樹脂又は各種ゴムにカーボ
ンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させ、例えば厚
さ0.1mmに形成されており、その体積抵抗率は10
6〜1014Ω・cmに調整されている。尚、中間転写べ
ルト28としてシーム部Cのない態様のものでもよいこ
とは勿論である。
【0029】更に、符号29は感光ドラム21上の各色
トナー像38を中間転写べルト28に一次転写させるた
めの例えば導電又は半導電性ロールからなる一次転写装
置、30は感光ドラム21上の残留するトナー、オゾ
ン、NOX付着物を除去するドラムクリーナ(クリーニ
ング装置)、31は最終的に感光ドラム上の電位を光照
射により略0にするイレーズランプである。
【0030】ドラムクリーナ30内のクリーニングユニ
ット310は、図4に示すように、断面L字状の支持材
302に弾性ゴム板状のクリーニングブレード301を
感光ドラム21回転方向a下流側に感光ドラム21と当
接するように固定し、さらに、クリーニングブレード3
01には、これを補強する剛性補強板303を固定した
ものである。
【0031】上記支持材302は、クリーニングブレー
ド301の感光ドラム21の回転方向a下流側に固定さ
れ、クリーニングブレードの301の基端側を支持す
る。一方、剛性補強板303は、図4に示すように、感
光ドラム21の回転方向a下流側面に支持材302とは
独立に固定され、支持材302に対向して重複する範囲
を有する。また、感光ドラム21と当接側の端部は同側
のクリーニングブレード301の端部と支持材302の
端部との中間に位置し、一方、感光ドラム21と離反側
の端部は同側のクリーニングブレード301の先端部と
一致する。また、その厚みは、0.3mm以上である程
度の剛性を確保できればよいが、厚い方が好ましい。ま
た、その突き出し量は、クリーニングブレード301の
感光ドラム21の回転方向上流側の自由長を元F/L、
クリーニングブレード301の回転方向下流側の自由長
をF/Lとすれば、0.1<(F/L)/(元F/L)
<1の関係の範囲であり、好ましくは0.4〜0.8程
度である。さらに、その材料としては、例えば、ABS
樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ステンレス、鉄等が使用
され、ある程度の剛性をもつものであれば、その他材料
も含まれる。また、クリーニングブレード301は、感
光ドラム21の静止トルクをクリーニング不良(白抜
け、白筋)の生じない適正範囲(本実施の形態では8〜
12kgf・cm)となるように設定される。
【0032】更にまた、符号32は中間転写ベルト28
上のトナー像を後述する記録材34に二次転写する二次
転写装置であり、二次転写時に中間転写ベルト28に接
触して回転する転写ロール321と、中間転写べルト2
8の裏面側に配設されて前記転写ロール321の対向電
極をなす導電性ロール322と、二次転写時に前記転写
ロール321にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加
する二次転写電源(図示せず)と、前記転写ロール32
1に常時当接して付着トナーを剥離除去する例えばポリ
ウレタンゴム製のクリーニングブレード323とを備え
ている。
【0033】また、符号33は記録材34を所定のタイ
ミングで二次転写部位に搬出するフィードロールであ
り、35はフィードロール33により搬出された記録材
34を二次転写部位へ搬送案内する搬送ガイドロール、
36は所定サイズの記録材34を供給する記録材供給ト
レイ、37は中間転写べルト上に残留する残留トナーを
剥離、除去するためのべルトクリーナである。特に、本
実施の形態において、ベルトクリーナ37は、ドラムク
リーナ30と同様に、中間転写ベルト28に圧接配置さ
れるクリーニングブレード371を有しているが、この
クリーニングブレード371の材料やサイズ、食い込み
量は、ドラムクリーナ30のそれらと違うもの、中間転
写ベルト28上の残留トナーを剥離、除去する上で、最
適なものに設定されている。
【0034】本実施の形態において、ベルトクリーナ3
7は中間転写ベルト28と接離自在に配設されており、
カラー画像が形成される場合には最終色のトナー像が中
間転写ベルト28に一次転写される迄、これら部材は中
間転写ベルト28から離間している。さらに、ベルトク
リーナー37はそれらが配設された位置を中間転写ベル
ト28の継ぎ目部Cが通過する時は離間している。
【0035】次に、本実施の形態に係るカラー画像形成
装置の画像形成プロセスについて説明する。感光ドラム
21の矢線A方向への回転に伴い、その表面には周知の
電子写真プロセスによって画情報に応じた静電潜像が形
成される。すなわち、感光ドラム21は接触帯電装置2
2によって所定の暗電位まで帯電された後、レーザ露光
装置23から発せられた光ビームBmによって画像信号
に応じた露光がなされる。そして、感光ドラム21に形
成された静電潜像はいずれか一つの現像装置24〜27
のいずれかで現像されてトナー像38が形成される。従
って、感光ドラム21に書き込まれた静電潜像がイエロ
の画情報に対応したものであれば、この静電潜像はイエ
ロ(Y)のトナーを内包する現像装置25で現像され、
感光ドラム21上にはイエロのトナー像が形成される。
【0036】そして、前記感光ドラム21に形成された
トナー像38は、感光ドラム21と前記中間転写ベルト
28とが接する一次転写位置で、中間転写ベルト28の
裏面側に配設された一次転写装置29にトナーの帯電極
性と逆極性の直流電圧を印加することにより、感光ドラ
ム21から中間転写ベルト28の表面に静電吸引転写さ
れる。一方、一次転写後の感光ドラム21上の残留トナ
ー、及び接触帯電装置22によって生成された感光ドラ
ム21上のオゾンまたはNOX付着物はドラムクリーナ
30によって除去される。このとき、クリーニングブレ
ード301を適切なトルク値(8〜12kgf・cm)
に設定することにより、オゾンやNOXによる感光ドラ
ム21の画質上プロセス方向の白抜けや白筋が発生する
等のクリーニング不良が改善される。さらに、前述した
剛性補強板303を用いることにより、後述する実施例
1,2に示されるように、高温高湿から低温低湿へ環境
変動させた場合でも、トルクの変動幅が少なくなり、適
切なトルク値の範囲に収まり、充分なクリーニング性能
が発揮される。その後、イレーズランプ31の光照射に
よって感光ドラム21の表面電位は±0Vとなり、次の
帯電工程に備える。
【0037】単色画像を形成する場合には中間転写ベル
ト28に一次転写されたトナー像38を直ちに記録材3
4に二次転写するのであるが、複数色のトナー像を重ね
合わせたカラー画像を形成する場合には、感光ドラム2
1上でのトナー像の形成並びにこのトナー像の一次転写
の工程が色数分だけ繰り返される。例えば4色のトナー
像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合には、
感光ドラム21上にはその一回転毎にブラック(B
K)、イエロ(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)
のトナー像38が形成され、これらトナー像38は順次
中間転写ベルト28に一次転写される。一方、中間転写
ベルト28は最初に一次転写されたブラックのトナー像
38を保持したまま感光ドラム21と同一周期で回動
し、中間転写ベルト28上にはその一回転毎にイエロ、
マゼンタ及びシアンのトナー像38がブラックのトナー
像38に重ねて転写される。
【0038】このようにして中間転写ベルト28に一次
転写されたトナー像38は、中間転写ベルト28の回動
に伴って記録材34の搬送経路に面した二次転写位置3
2へと搬送される。前記二次転写位置では二次転写装置
32の転写ロール321が中間転写ベルト28に接して
おり、フィードロール33によって所定のタイミングで
トレイ36から搬出された記録材34は転写ロール32
1と中間転写ベルト28との間に挟み込まれる。また、
二次転写位置における中間転写ベルト28の裏面側には
前記転写ロール321の対向電極をなす導電性ロール3
22が配設されており、前記転写ロール321にトナー
の帯電極性と逆極性の電圧を印加すると、中間転写ベル
ト28に担持されたトナー像38は前記二次転写位置に
おいて記録材34に静電吸引転写される。
【0039】そして、トナー像38が転写された記録材
34は、図示外の定着装置に送り込まれてトナー像の定
着処理がなされる。一方、トナー像の二次転写が終了し
た中間転写ベルト28上の残留トナーはベルトクリーナ
37によって除去される。
【0040】◎実施の形態2 本実施の形態に係わるドラムクリーナ(クリーニング装
置)30は、図5に示すように、実施の形態1と略同様
の構成であり、感光ドラム21と当接側の端部は同側の
クリーニングブレード301の端部と支持材302の端
部との中間に位置しているが、他方、実施の形態1と異
なり、感光ドラム21から離反側の剛性補強板303の
端部は同側のクリーニングブレード301の端部を超え
た位置にある。
【0041】◎実施の形態3 本実施の形態に係わるドラムクリーナ(クリーニング装
置)30は、図6に示すように、実施の形態1と同様の
構成であり、感光ドラム21と当接側の端部は同側のク
リーニングブレード301の端部と支持材302の端部
との中間に位置しているが、他方、感光ドラム21から
離反側の剛性補強板303の端部は同側のクリーニング
ブレード301の端部に満たない位置にある。
【0042】◎実施の形態4 本実施の形態は、図7に示すように、支持材302の感
光ドラム21回転方向a下流側面にクリーニングブレー
ド301が固定され、クリーニングブレード301の感
光ドラム21の回転方向a下流側面には、感光ドラム2
1と離反側の端部から感光ドラム21に当接側の支持材
302端部と同側のクリーニングブレード301の端部
との中間の位置まで凹部304が設けられており、これ
に嵌合するように剛性補強板303が固定されている。
【0043】以上の実施の形態2〜4についても、実施
の形態1と同様に、環境差に対するトルク変動が少な
く、良好なクリーニング性が保たれることが確認され
た。
【0044】◎比較の形態1 一方、図17は、支持材120の感光ドラム140回転
方向a下流側面にクリーニングブレード110を取り付
けた場合である。
【0045】◎比較の形態2 また、図8は、支持材302の感光ドラム21の回転方
向上流側にクリーニングブレード301を固定した場合
である(例えば、特公平1−37738号公報参照)。
【0046】◎比較の形態3 また、図9は、前述した比較の形態1について、クリー
ニングブレード301の感光ドラム21の回転方向a上
流側面であって、感光ドラム21に当接側の先端部に剛
性補強板305を固定した場合である(例えば、特開平
4−320289号公報参照)。このクリーニングブレ
ードによれば、ブレードの感光ドラム21に対する先端
エッジ部の押圧力の低下が防止され、ブレード両端部と
中央部の押しつけ圧力(以下、ニップ圧という)の均一
性を得ることができ、先端エッジ部の変形やこの変形に
伴う“めくれ”の発生が防止できる。
【0047】◎比較の形態4 また、図10は、実施の形態1と同様に、クリーニング
ブレード301の感光ドラム21回転方向a下流側面に
実施の形態の剛性補強板303と異なる剛性補強板30
6を設けた場合であるが、支持材302の感光ドラム2
1に当接側の端部に剛性補強板306の同側の端部を一
致させた場合である。
【0048】◎比較の形態5 また、図11に示す比較の形態5は、支持材302とし
て、断面L字状の支持材本体307と、この支持材本体
307の感光ドラム21回転方向a下流側の途中から分
岐した断面L字状の分岐部308とを具備させ、この分
岐部308と支持材本体307との間に断面コ字状のブ
レード保持凹部308aを形成し、この断面コ字状のブ
レード保持凹部にクリーニングブレード301を嵌合固
定させた際、クリーニングブレード301の感光ドラム
21の当接側の端部と支持材302本体部の同側の端部
との中間に分岐部308の先端部を位置するようにした
ものである(例えば、実開昭62−9275号公報参
照)。
【0049】◎比較の形態6 また、図12は、支持材302の感光ドラム21回転方
向a下流側面にクリーニングブレード301を固定させ
た場合において、クリーニングブレード301の同側面
の縦方向全長に凹部309を設け、その凹部309に嵌
合するように剛性補強板305を固定したものである。
【0050】以上の各比較の形態1〜6については、環
境差によるトルク変動が大きく、例えば、高温高湿環境
下において、クリーニング性能が良好に保てるようにパ
ラメータを設定したとしても、低温低湿環境下では、ク
リーニング性能が確保できないという事実が確認され
た。
【0051】◎実施例1 本実施例は、実施の形態1に係るクリーニング装置の性
能を評価したものである。評価方法としては、実施の形
態1が具体化された実施例1と比較の形態1が具体化さ
れた比較例1とを用い、ブレードの食い込み量(図1,
図2のd参照)と、200枚RUN後の感光ドラムの静
止トルクとの関係を高温高湿環境下、低温低湿環境下で
夫々調べ、環境差に伴う感光ドラムの静止トルクが適正
トルク範囲内(本実施例では8〜12kgf・cm)に
収まるか否かで、クリーニング性能の良否(白筋等の発
生の有無)を評価した。
【0052】実施例1は、実施の形態1のクリーニング
装置において、ブレード材質を238707(北辰工業
製)、ブレードの厚さを2.0mm、ブレード設定角度
α(BSA)を25゜、剛性補強板の材質をポリカーボ
ネイト、剛性補強材の厚みを1mm、ブレードエッジか
ら支持材までの距離(元F/L)を10mm、ブレード
エッジから剛性補強板までの距離(F/L)を6.5m
m、剛性補強板とブレードとの接着法を接着剤とした。
また、比較例1は、比較の形態1において、ブレード材
質を238707(北辰工業製)、ブレードの厚さを
2.0mm、ブレード設定角度α(BSA)を25゜と
し、ブレードエッジから支持材までの距離(元F/L)
を10mmとした。尚、性能評価を行う際に用いられる
画像形成装置の使用条件を以下に記す。 ・感光ドラム:外径84mmφ、長さ350mmの有機感光体 ・感光ドラムの表面速度:80mm/sec ・帯電ロール:外径14mmφ、長さ330mmの弾性体 (8mmφのステンレス製芯金入り) ・帯電ロール印加電圧:AC成分…500Hz、0.75mA(定電流) DC成分…−700V ・RUN(運転)条件:全面Cin(面積率)=30%の単色ハーフトーンを 連続プリント
【0053】評価結果を図13に示す。同図の実線で示
されるように、本実施例1のクリーニング装置の場合
は、環境差が10%程度になり、例えばブレードの食い
込み量を1.2mm程度に設定すれば、適正トルクの許
容幅(8〜12kgf・cm)の範囲内に収まり、高温
高湿・低温低湿のいずれの条件でも、良好なクリーニン
グ性が確保されることが確認される。一方、同図の点線
で示されるように、比較例1のクリーニング装置の場合
は、全く同じパラメータにも関わらず5kgf・cm程
度の環境差が生じる。このとき、環境差が適正トルクの
許容幅(8〜12kgf・cm)を超えてしまい、高温
高湿・低温低湿のいずれかでクリーニング性を確保でき
なくなってしまう。
【0054】◎実施例2 本実施例は、実施の形態1に係るクリーニング装置につ
き最適化したものの性能を評価したものである。評価方
法としては、実施の形態1が具体化され且つ最適化され
た実施例2と、比較の形態1が具体化された比較例1、
あるいは、比較の形態2が具体化された比較例2とを用
い、ブレードの食い込み量(図1,図2のd参照)と、
200枚RUN後の感光ドラムの静止トルクとの関係を
高温高湿環境下、低温低湿環境下で夫々調べ、環境差に
伴う感光ドラムの静止トルクが適正トルク範囲内(本実
施例では10〜12kgf・cm)に収まるか否かで、
クリーニング性能の良否(白筋等の発生の有無)を評価
した。実施例2は、実施の形態1に係るクリーニング装
置の最適化を図るために直交試験を行い、その結果に基
づいて各パラメータを設定したものである。ここで、直
交試験とは、設計する際の設計因子を最適化する試験で
あり、かつ、設計因子を適宜組み合わせることにより実
験回数を省略するものである。設計因子を以下の表1に
示す。
【0055】
【表1】
【0056】同表において、因子A〜Gについて夫々の
水準1から水準3の条件は、18回の実験のうち6回づ
つ組込まれるようにし、この18回の実験に対して、因
子H〜Jに示す調合誤差である環境(2水準)、信号因
子であるF/L(3水準)、制御因子である感材(感光
体材料,3水準)について実験を行い、さらに、以上の
条件について6回繰り返し試験を行った。即ち、18×
2×3×3×6回の実験回数により最適化の条件を求め
た。直交試験の結果を図14に示す。同図において、黒
塗りの●は、調合誤差(今回は環境変化、即ち高温高湿
と低温低湿)に対する離散を意味し、SN比が大きいほ
ど離散が小さく良好な結果を意味し、実施の形態1の最
適化を図る条件となる。接着方法は両面テープ、エポキ
シ接着剤、ホットメルト(図示外)を試したが、好まし
くは接着力の強い接着剤、ホットメルトが望ましい。元
F/Lは8mm、12mmに対してSN比の大きい10
mmであることが望ましい。BSAについては、角度が
小さい方がやや望ましい傾向が見られるが、ほとんど横
這いの状態であった。剛性補強板の材料はポリカーボネ
イト、SUSと比較してABS(アクリロニトリルスチ
レン)を使用した場合が最も良好な結果を示した。剛性
補強板の厚みは、剛性を高めるという観点からすれば厚
くなる方が望ましい。ブレードの材質は、P(硬度77
゜)、Q(硬度70゜)と比較してR(硬度72゜)が
最もよい結果を示した。食い込み量は、いずれの条件に
対しても有意な差は認められなかった。また、感光ドラ
ムの感光体(A,B,C)の種類によっても、環境変動
に対する離散の度合いが異なることが判明した。なお、
同図において、白抜きの○は、F/Lに対するトルクの
感度、即ち、F/Lを変化させたときのトルクの変化の
しやすさを示す指標であり、クリーニングブレードの使
用目的の応じて適宜選択される。このような直交試験の
結果に基づいて、実施例2のクリーニング装置として
は、ブレード材質をR(硬度72゜)、ブレードの厚さ
を2.0mm、ブレード設定角度α(BSA)を25
゜、剛性補強板の材質をABS(アクリロニトリルスチ
レン)、剛性補強材の厚みを1.2mm、ブレードエッ
ジから支持材までの距離(元F/L)を10mm、ブレ
ードエッジから剛性補強板までの距離(F/L)を7.
5mm、剛性補強板とブレードとの接着法をエポキシ接
着剤とした。また、比較例1は実施例1で説明したもの
と同様であり、比較例2は、比較の形態2において、ブ
レード材質をR(硬度72゜)、ブレードの厚さを2.
0mm、ブレード設定角度α(BSA)を25゜とし、
ブレードエッジから支持材までの距離(F/L)を7.
5mmとした。尚、性能評価を行う際に用いられる画像
形成装置の使用条件は実施例1と同様である。
【0057】評価結果を図15,図16に示す。図15
は最適化された実施例2と比較例1とに対する評価結果
を示す。同図において、実施例2に係るクリーニング装
置によると、高温高湿・低温低湿の環境依存によるトル
ク変動がほとんど現れない。即ち、環境差によるクリー
ニング性能が変化しないことを示し、比較例1のみなら
ず、実施例1に係るクリーニング装置と比較しても、環
境変化に対して、著しい改善がなされていることが理解
される。具体的には、例えばブレードの食い込み量を
0.4〜1.3mm程度に設定すれば、適正トルクの許
容幅(8〜12kgf・cm)の範囲内に収まり、高温
高湿・低温低湿のいずれの条件でも、良好なクリーニン
グ性が確保されることが確認され、その分、実施例1に
比べて、ブレードの食い込み量の設定をよりラフに行う
ことが可能である。また、最適化されていない実施例1
の場合でも、クリーニング装置は、高温高湿・低温低湿
などの環境下で、実際に数万枚のプリントテストを行っ
てもクリーニング装置による不具合は発生しないことが
確認された。
【0058】図16は、実施例2と比較例2との評価結
果を示す。同図によれば、比較例2は、比較例1(図1
5参照)に比べて環境変化に対してトルク変動が小さく
なるものの、実施例2と比較してその変動ははるかに大
きい。即ち、実施例2は、比較例2と比較しても、環境
差によるクリーニング性能を良好に保つ上で、顕著な効
果を有することが確認される。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
クリーニングブレードの支持構造を工夫することによ
り、剛性を保ちつつも、柔軟性を兼ね備えたブレードと
することができるため、高温高湿環境下での像担持体の
静止トルク(ブレードの摩擦力)の高トルク化を抑え、
環境変動(高温高湿環境、低温低湿環境)によるトルク
差を従来の半分以下に抑えることができる。このため、
環境変動による影響をほとんど受けることなく、像担持
体のトルクを所定範囲に設定することが可能になり、そ
の分、クリーニング性能の環境依存性を少なくし、クリ
ーニング不良を確実に回避することができる。特に、接
触帯電方式の電子写真プロセスの構成に、本発明の構成
のクリーニング装置を用いるようにすれば、オゾンまた
はNOXの付着物による画質上の白抜け・白筋及びクリ
ーニングブレードの変形による劣化もないため、清掃能
力を維持でき、安定した良好な画質を得ることができ
る。
【0060】また、クリーニング装置を使用するに当た
って、初期使用済みの像担持体に対してクリーニングブ
レードを弾接させ、像担持体の静止トルクを予め決めら
れた所定範囲に設定するようにすれば、接触帯電方式を
採用した画像形成プロセスであっても、クリーニング不
良を確実且つ容易に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるクリーニング装置を模式的に
示す説明図である。
【図2】 従来に係わるクリーニング装置を模式的に示
す説明図である。
【図3】 実施の形態1に係わるクリーニング装置が組
込まれた画像形成装置を示す説明図である。
【図4】 本実施の形態1のクリーニング装置の要部を
示す説明図である。
【図5】 実施の形態2に係わるクリーニング装置の要
部を示す説明図である。
【図6】 実施の形態3に係わるクリーニング装置の要
部を示す説明図である。
【図7】 実施の形態4に係わるクリーニング装置の要
部を示す説明図である。
【図8】 比較の形態2に係わるクリーニング装置の要
部を示す説明図である。
【図9】 比較の形態3に係わるクリーニング装置の要
部を示す説明図である。
【図10】 比較の形態4に係わるクリーニング装置の
要部を示す説明図である。
【図11】 比較の形態5に係わるクリーニング装置の
要部を示す説明図である。
【図12】 比較の形態6に係わるクリーニング装置の
要部を示す説明図である。
【図13】 実施例1及び比較例1についてのブレード
の食い込み量と200枚RUN後の感光ドラムの静止ト
ルクとの関係を示す説明図である。
【図14】 直交試験によるSN比と感度を示す説明図
である。
【図15】 実施例2及び比較例1についてのブレード
の食い込み量と200枚RUN後の感光ドラムの静止ト
ルクとの関係を示す説明図である。
【図16】 実施例2及び比較例2についてのブレード
の食い込み量と200枚RUN後の感光ドラムの静止ト
ルクとの関係を示す説明図である。
【図17】 従来例(比較の形態1)に係わるクリーニ
ング装置の要部を示す説明図である。
【図18】 水滴の接触角度と帯電回数の関係を示す説
明図である。
【図19】 感光体表面とブレードとの間の摩擦係数と
帯電回数の関係を示す説明図である。
【図20】 感光体のブレードに対する摩擦力の変化を
示す説明図である。
【図21】 (a)(b)は白筋発生の有無とトルクの
関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1…像担持体、2…クリーニングブレード、3…支持
体、4…剛性補強部材、21…感光ドラム、22…接触
帯電装置、23…レーザ露光装置、24〜27…現像装
置、28…中間転写べルト、29…一次転写装置、30
…ドラムクリーナ、31…イレーズランプ、32…二次
転写装置、33…フィードロール、34…記録材、35
…搬送ガイドロール、36…記録材供給トレイ、37…
べルトクリーナ、38…トナー像、110…クリーニン
グブレード、120…支持材、130…クリーナハウジ
ング、140…像担持体、141…像担持体表面、14
2…現像剤、301…クリーニングブレード、302…
支持材、303…剛性補強板、310…クリーニングユ
ニット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像担持体(1)に当接して前記像担持体
    (1)をクリーニングするクリーニングブレード(2)
    と、 前記クリーニングブレード(2)の前記像担持体(1)
    回転方向上流側面にて固定され前記クリーニングブレー
    ド(2)の基端側を支持する支持体(3)と、 支持体(3)と独立して前記クリーニングブレード
    (2)の前記像担持体(1)回転方向下流側面に固定さ
    れると共に、少なくとも支持体(3)と対向する重複部
    分を有し、さらに像担持体(1)側の先端部がクリーニ
    ングブレード(2)のうち支持体(3)との非固定部分
    の中間に位置してクリーニングブレード(2)を補強す
    る剛性補強部材(4)とを備えたことを特徴とするクリ
    ーニング装置。
  2. 【請求項2】像担持体(1)に当接して前記像担持体
    (1)をクリーニングする請求項1記載のクリーニング
    装置と、前記像担持体(1)に当接又は近接配置され、
    少なくとも直流からなる電圧を印加する帯電部材とを備
    えたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】像担持体(1)に当接して前記像担持体
    (1)をクリーニングするクリーニングブレード(2)
    と、 前記クリーニングブレード(2)の前記像担持体(1)
    回転方向上流側面にて固定され前記クリーニングブレー
    ド(2)の基端側を支持する支持体(3)とを備えたク
    リーニング装置を使用するに際し、 少なくとも初期使用済みの像担持体(1)に対してクリ
    ーニングブレード(2)を弾接させた状態で、前記像担
    持体(1)のトルクを予め決められた所定範囲に設定す
    ることを特徴とするクリーニング装置の使用方法。
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JP2005242222A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
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