JP3541588B2 - クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置並びにクリーニング装置の使用方法 - Google Patents

クリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置並びにクリーニング装置の使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機や電子写真プリンタ等の画像形成装置において、像担持体上に残存するトナーなどを除去するクリーニング装置に係り、特に、像担持体上のトナーなどを機械的に掻き取るブレードクリーニング方式が採用されたクリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置並びにクリーニング装置の使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から電子写真方式を利用した画像形成装置が広く普及している。
この電子写真方式の画像形成装置は、例えばドラム状に構成された像担持体を一様に帯電し、原稿に記録された画像に応じた光情報をその像担持体に照射することにより当該像担持体に静電潜像を形成し、その静電潜像を現像剤(トナー)で現像してその現像像を直接にもしくは転写ドラム等を介して用紙に転写することにより、プリント(コピー)画像を得る装置である。
この画像形成装置には、転写後に像担持体上に残存したトナーなどを除去する手段としてクリーニング装置が備えられており、このようなクリーニング装置としては、ブレードクリーニング方式、ファーブラシクリーニング方式など各種方式のものが知られているが、コスト、信頼性、スペースの点でブレードクリーニング方式が現在広く使用されている。
【0003】
図17は従来のブレードクリーニング方式の一例を模式的に示す説明図である。
同図において、従来のブレードクリーニング方式は、剛性板からなる支持材120に板状ゴム部材からなるブレード110の基端部を固定し、クリーナハウジング130に前記支持材120を固定すると共に、回転する像担持体140の表面141にブレード110の先端エッジ部111を押圧し、像担持体140の表面141に残存する現像剤(トナー)142などを掻き取るものである。
この種のクリーニング装置では、像担持体140の表面141に所定の圧力でブレード110が押圧されるように支持材120が位置決めされる。
【0004】
また、像担持体の帯電方式として所謂接触帯電方式が知られている。
この種の接触帯電方式は、帯電部材を直接像担持体に接触・近接させ、交流または直流電圧を印加して像担持体を帯電させるものであり、より具体的には、例えば導電性の弾性ロールにバイアスが印加された帯電器を使用し、弾性ロールと像担持体とがそれぞれ回転して互いに正に接触しようとする部分に形成される、弾性ロールと像担持体表面との間の微小ギャップに生じるパッシェン曲線に従った放電を利用したものである。この放電は、ギャップ長が短い放電であり、弾性ロールと像担持体表面との間で直接行われる。
一方、コロトロン方式やスコロトロン方式は、ワイヤ電極に高電圧を印加してワイヤとシールドとの間で放電させ、ワイヤ近傍の空気中の気体を電離、イオン化し所定の極性のイオン化分子や電子が像担持体表面に移動することにより像担持体を帯電するものであり、ギャップ長が長い放電である。ギャップ長が短い放電はギャップ長が長い放電に比べイオンや電子の移動速度が速いといわれており、このため、接触帯電方式は、コロトロン方式やスコロトロン方式に比べ、像担持体表面にエネルギの大きいイオンや電子が衝突すると考えられている。
一般に、高分子は、イオンや電子が衝突すると表面の炭素原子の結合状態が変わり、活性化して表面エネルギが上昇することが知られており、像担持体として、ポリカーボネート等の高分子材料で形成された像担持体表面層を有する有機像担持体を使用して、接触帯電方式で帯電すると、像担持体表面層の表面エネルギは、コロトロン方式やスコロトロン方式に比べ上昇する。表面エネルギの上昇は空気中の分子が像担持体表面に吸着することを促したり、トナーやトナーの表面に添加されている非常に微細な外添剤が像担持体表面に付着する付着力の増加をもたらす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように接触帯電方式の帯電器を使用した場合には、像担持体表面へのトナーや外添剤の付着力が増加して剥ぎ取りにくくなるため、上述したブレードクリーニング方式のクリーニング装置にとってストレスになり、コロトロン方式やスコロトロン方式等の帯電に比べ、クリーニング性が低下してしまい、画像形成装置では次のような技術的課題を引き起こしてしまう。
【0006】
一般に、接触帯電方式の帯電器の第一の長所としては、オゾン発生量が極微量であることが挙げられる。確かに発明者が測定した結果でもスコロトロンなどのコロナ放電を利用した帯電器に比べ接触帯電器のオゾン発生量としては1/100〜1/1000である。
しかしながら、接触帯電器の表面と像担持体の表面との間で直接放電しているので、像担持体上の極近傍でオゾンやNOXを微量ながら発生している。従って、ある意味では、スコロトロンなどの帯電器よりも、オゾンやNOXによる像担持体ひいてはクリーニング装置への影響が大きく、例えば、画質上プロセス方向の白抜けや白筋が発生する等のクリーニング不良を引き起こす原因となる。
【0007】
これは、以下の原因により生じているものと考えられる。
すなわち、接触帯電は直接像担持体と放電しているため、像担持体表面の劣化が激しく、トナー等の付着力の増加により異物がつきやすい状態になっている。このため、像担持体近傍で放電により発生したオゾンやNOXが像担持体に付着しやすくなり、付着したオゾン等が吸湿し像担持体の表面の状態を変えてしまう。その結果、像担持体の摩擦係数が変化してしまい、従来のクリーニング設定では対応しきれなくなり、わずか数十枚プリントするだけでブレードエッジの先端部がめくれたり変形したりして、軽微であるが、クリーニング不良を起こしてしまう。
そして、オゾンやNOXが像担持体上に付着したまま1サイクルが終わり再び帯電、露光等の工程に戻ることになる。従って、その部分は、帯電はできるが露光ができずに潜像がかけなくなり、画質上白抜け・白筋となる。さらに、それが激しくなれば、ブレードの先端の変形によりクリーニング装置の劣化が起き、トナーまでも清掃できなくなってしまう。
【0008】
このような不具合は、特に、弾性ロールに印加するバイアスとして、交流バイアスに直流バイアスを重畳させた態様において顕著であることが確認された。
これは、弾性ロールに印加するバイアスとして、交流バイアスを使用することは、直流のみの帯電時より放電回数が多くなり、それだけ像担持体にストレスをかけることになり、トナー等の付着力の増加を促し、また、像担持体の表面状態が大きく変化することに起因するものと考えられる。
ここで、上記したトナー等の付着力が増加するという現象は、帯電回数に伴う像担持体表面に水滴を付着させたときの、その水滴の接触角の変化として観察され、図18に示すように、常温常湿では帯電回数が増える程、水滴の接触角が鋭角化することから把握される。
一方、像担持体の表面状態が大きく変化するという現象は、図19に示すように、帯電回数が増える程、像担持体表面とブレードとの間の摩擦係数が増大することから把握される。
【0009】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、接触帯電方式を採用した画像形成プロセスであっても、高温高湿環境や低温低湿環境などの環境条件の相違に影響されることなく、クリーニング不良(白抜け・白筋の発生)を確実に回避できるようにしたクリーニング装置及びこれを用いた画像形成装置を提供するものである。
また、本発明は、接触帯電方式を採用した画像形成プロセスであっても、クリーニング不良を確実且つ容易に回避できるクリーニング装置の使用方法をも提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
先ず、本発明を案出するに至った過程を説明する。
本発明者は、接触帯電方式が採用された画像形成プロセスにおいて発生するクリーニング不良(白抜け・白筋の発生)を種々分析した結果、以下のような知見を得た。
すなわち、以下の実験システムを用い、高温高湿下、低温低湿下での連続RUNによる像担持体の静止トルクの推移を調べた。ここで、像担持体の静止トルクは、ブレード(図18の支持構造)と像担持体との間の摩擦力に相当するものと考えられる。
Figure 0003541588
【0011】
図20は上記実験システムにおいて高温高湿・低温低湿下での連続RUNによる像担持体の静止トルクの推移を示したものである。
この時のブレードのパラメータは、材料238778(北辰工業製)、自由長(F/L(Free Length))8.4mm、BSA(Blade setting angle)19゜、ブレード食い込み量0.9mmである。
同図において、同じパラメータであっても、高温高湿環境だとプリントするにつれて静止トルクが高くなり、低温低湿環境だと静止トルクが低くなる。しかしながら、どちらも50枚程度でトルクは安定し、以後1000枚(図示外)まで実験したがほとんど変化しなかった。この動向は他のブレードのパラメータでも同様であることが確認された。
【0012】
ここで、上述した静止トルクの測定方法を示す。
上記実験システムと同じものを用いて様々なパラメータの新品のクリーニングブレードを設定する。このとき像担持体にはブレード以外のものは触れないようにする。そして、静摩擦トルクをトルクゲージで、カイナータッチアップ(ブレードのめくれを防止し、より使用状態に近くするためにドラムにカイナーを塗布)により測定し、6回の平均をとり測定値とした。
【0013】
また、上記実験システムのような接触帯電器を用いた場合には、像担持体は放電によってダメージを受け、表面状態が初期と全く違う状態になり、しかも、環境によっても大きく変わることが確認された。
【0014】
次に、200枚(JIS規格A3判)のショートRUNによる白筋の発生有無と経時使用された像担持体(本例では50枚以上使用した像担持体)の静止トルクとの関係を調べたところ、図21(a)のような結果が得られた。
同図において、この実験のシステムの場合、環境やクリーニングブレードの材質やパラメーターに関わらず、静止トルクが10〜12kgf・cmにあるクリーニング装置は白筋未発生で、その値より大きくても、小さくても白筋が発生することが確認された。
ここで、静止トルク(摩擦力)とクリーニング性との関係について考察してみると、ブレードは像担持体との摩擦力によってエッジが変形し、ブルドーザのようにしてトナーを押しのけていく、と考えられる。別の表現をすれば、ブレードは像担持体に食いつきながらトナーを押し出していく。
従って、静止トルク(摩擦力)が高ければ、ブレードが像担持体に引っ張られてブレードエッジ欠けになったり、めくれたりすることから、クリーニング不良につながり、逆に、静止トルク(摩擦力)が低ければ、ブレードエッジと像担持体表面との密着性が確保できなくなり、クリーニング不良につながると考えられる。
つまり、正常な状態にあるブレードはある適切な静止トルク(摩擦力)をもって像担持体に接していると考えられる。
すなわち、どのような環境下であっても、静止トルクをある適切な値に制御することで、ブレードのクリーニング性が確保されることが理解される。
【0015】
また、図21(b)は他の種類の違う像担持体で同様のテストをした結果である。この場合も、静止トルクの適切な値の許容範囲(本例では8〜12kgf・cm)は違うが、トルクが大きすぎるとエッジ欠けを発生し、小さいとクリーニング不良が発生する。従って、像担持体の種類の如何に関わらず、クリーニング性は静止トルクとの相関があることが推察される。
【0016】
このように、従来のブレード構成であっても、静止トルクをある適切な値に制御することでブレードのクリーニング性は確保されるという事実が判明した。
【0017】
更に、本発明者は、従来のブレード構成に対し、高温高湿環境、あるいは、低温低湿環境の両方の環境を同時に満足するクリーニングパラメータが得られるか否かを検討したところ、以下のような結果が判明した。
すなわち、従来のブレード構成を備えたクリーニング装置では、高温高湿と低温低湿の環境条件で同一クリーニングパラメータにもかかわらず、高温高湿環境では静止トルクが大きくなりすぎ、低温低湿環境では小さくなりすぎる。そのため、環境差が約50%もあり、高温高湿用に静止トルクを設定すると、低温低湿でクリーニング不良が発生し、低温低湿用に静止トルクを設定すると高温高湿でエッジ欠けが発生してしまい、両方の環境を同時に満足するクリーニングパラメータは得られないことが判明した。
【0018】
本発明は、以上の知見に基づいて為されたものであって、図1に示すように、像担持体1に当接して前記像担持体1をクリーニングするクリーニングブレード2と、前記クリーニングブレード2の前記像担持体1回転方向上流側面にて固定され前記クリーニングブレード2の基端側を支持する支持体3と、支持体3と独立して前記クリーニングブレード2の前記像担持体1回転方向下流側面に固定されると共に、少なくとも支持体3と対向する重複部分を有し、さらに像担持体1側の先端部がクリーニングブレード2のうち支持体3との非固定部分の中間に位置してクリーニングブレード2を補強する剛性補強部材4とを備えたことを特徴とするものである。
【0019】
このような技術的手段において、上述したクリーニング装置は像担持体1上の残留トナーなどを除去する必要性のある画像形成装置であればどのようなタイプの画像形成装置に適用しても差し支えないが、オゾンやNOXなどの付着物をも確実に除去し得るという観点からすれば、像担持体1に当接又は近接させ、少なくとも直流からなる電圧を印加する帯電部材が用いられた画像形成装置に対して使用することが有効である。
【0020】
また、像担持体1はその表面が感光体、誘電体など静電潜像、現像を担持し得るものであればいずれの形式でもよく、その形状についてもドラム状、ベルト状を問わない。
【0021】
更に、クリーニングブレード2は、像担持体1表面に付着したトナー等を除去するよう弾性変形するものであれば、ゴム製その他の材質も含む。
更にまた、支持体3は、クリーニングブレード2を支持できるものであれば、材料及び、形状は問わない。
【0022】
また、剛性補強部材4は、クリーニングブレード2の剛性を補強するためのものであり、剛性を保てるものであればABS樹脂、ポリカーボネート、ステンレスのほかその他の材料も含まれる。また、クリーニングブレード2の剛性を均一に保つ観点から、クリーニングブレード2の長手方向全長に渡り固定する方が望ましく、剛性補強部材4の支持体3と重複する部分は、支持体3のクリーニングブレード2の固着面全域に対向して重複する場合、前記固着面の一部で重複する場合のいずれも含まれ、また、支持体3とは独立してクリーニングブレード2にのみ固定されるものである。ここで、固定方法としては、接着剤を用いる方法、両面テープを用いる方法、ホットメルト法など適宜選定して差し支えないが、接着力の強い方が好ましい。
【0023】
更にまた、剛性補強部材4の突き出し量については、クリーニングブレード2の像担持体1の回転方向上流側の自由長を元F/L、クリーニングブレード2の像担持体1の回転方向下流側の自由長をF/Lとした場合、0.1<(F/L)/(元F/L)<1.0であればよいが、0.4≦(F/L)/(元F/L)≦0.8にすることが望ましい。
【0024】
また、図20によれば、像担持体1の静止トルクは、高温高湿環境、あるいは、低温低湿環境において、経時使用された像担持体(少なくとも初期使用済みの像担持体)1に対して一定であることが理解される。
一方、図21(a)(b)によれば、経時使用された像担持体1の静止トルクが所定範囲内にあるとき、ブレードのクリーニング性が確保されることが理解される。
このことに着目すれば、クリーニング装置を使用する際には、少なくとも初期使用済みの像担持体1に対してクリーニングブレード2を弾接させた状態で、前記像担持体1のトルクを予め決められた所定範囲に設定するようにすればよい

【0025】
次に、上述した技術的手段の作用について説明する。
図1に示すように、ブレード2の基端部は支持体3に固定されると共に、ブレード2の支持体3固定部の反対側面には、少なくとも支持体3に対向する重複部分を有し、ブレード2の支持体3との非固定部分の中間位置まで延びる剛性補強部材4が固定されている。
ここで、剛性補強部材4は、ブレード2が支点Aを支点として実線で示すように弾性変形する際に、ブレード2の弾性変形を阻止する働きをする。
このとき、ブレード2と像担持体1との密着性を得るための力(ニップ圧)Nは、主としてBを支点とした自由長L2に依存し、一方、像担持体1が矢印a方向に移動するときの摩擦力(以下トルクという)Fは、主としてAを支点とした自由長L1に依存する。
このため、ニップ圧NとトルクFとは別々に制御されることになり、ニップ圧Nを大きくしても直ちにトルクFが大きくなることはなく、トルクFが許容範囲から外れ難い。
【0026】
これに対し、図2は従来のクリーニングブレードの支持構造を示すものである。
同図において、ニップ圧NとトルクFとの両方は、ブレード2の支点Aからの自由長L1に依存して制御される。
従って、ニップ圧NとトルクFとは常に同調する関係になり、高温高湿環境下において、ニップ圧Nが大きくなると、必然的にトルクFが大きくなってしまい、トルクFが許容範囲から外れ易い。
なお、図1、図2において、符号θは像担持体1に対するブレード2の設定角度(BSA:Blade setting angle)、αは像担持体1に対するブレード2の当接角度、dは像担持体1に対するブレード2の干渉量(ブレード食い込み量)を示す。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図3はこの発明が適用されたカラー画像形成装置の実施の形態1を示すもので、特に中間転写体を用いた態様のカラー画像形成装置を示す。
同図において、符号21は矢線A方向へ回転する感光ドラム(像担持体)であり、22は感光ドラム21を予め帯電する接触帯電装置、23は帯電された感光ドラム21上にビームBmを照射することにより静電潜像を書き込むレーザ露光装置、24〜27は前記感光ドラム21に対向する現像位置に離接自在な現像装置(24はブラック用現像装置、25はイエロ用現像装置、26はマゼンタ用現像装置、27はシアン用現像装置)である。なお、接触帯電の方式としては、直流電圧のみを印加する他、各種方式が含まれるが、本実施の形態では、直流電圧に交流電圧を重畳させる方式が採用される。
【0028】
また、符号28は感光ドラム21表面に当接するように配設され、且つ、複数のロール(図示符号なし)に張架されて矢印B方向へ回動する中間転写べルトであり、本実施の形態では、例えば長尺状のベルト部材の両端部がシーム部(継ぎ目部)Cとして接合されたもので、アクリル、塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネイト、ポリイミド等の樹脂又は各種ゴムにカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させ、例えば厚さ0.1mmに形成されており、その体積抵抗率は106〜1014Ω・cmに調整されている。
尚、中間転写べルト28としてシーム部Cのない態様のものでもよいことは勿論である。
【0029】
更に、符号29は感光ドラム21上の各色トナー像38を中間転写べルト28に一次転写させるための例えば導電又は半導電性ロールからなる一次転写装置、30は感光ドラム21上の残留するトナー、オゾン、NOX付着物を除去するドラムクリーナ(クリーニング装置)、31は最終的に感光ドラム上の電位を光照射により略0にするイレーズランプである。
【0030】
ドラムクリーナ30内のクリーニングユニット310は、図4に示すように、断面L字状の支持材302に弾性ゴム板状のクリーニングブレード301を感光ドラム21回転方向a下流側に感光ドラム21と当接するように固定し、さらに、クリーニングブレード301には、これを補強する剛性補強板303を固定したものである。
【0031】
上記支持材302は、クリーニングブレード301の感光ドラム21の回転方向a下流側に固定され、クリーニングブレードの301の基端側を支持する。
一方、剛性補強板303は、図4に示すように、感光ドラム21の回転方向a下流側面に支持材302とは独立に固定され、支持材302に対向して重複する範囲を有する。また、感光ドラム21と当接側の端部は同側のクリーニングブレード301の端部と支持材302の端部との中間に位置し、一方、感光ドラム21と離反側の端部は同側のクリーニングブレード301の先端部と一致する。また、その厚みは、0.3mm以上である程度の剛性を確保できればよいが、厚い方が好ましい。また、その突き出し量は、クリーニングブレード301の感光ドラム21の回転方向上流側の自由長を元F/L、クリーニングブレード301の回転方向下流側の自由長をF/Lとすれば、0.1<(F/L)/(元F/L)<1の関係の範囲であり、好ましくは0.4〜0.8程度である。さらに、その材料としては、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ステンレス、鉄等が使用され、ある程度の剛性をもつものであれば、その他材料も含まれる。
また、クリーニングブレード301は、感光ドラム21の静止トルクをクリーニング不良(白抜け、白筋)の生じない適正範囲(本実施の形態では8〜12kgf・cm)となるように設定される。
【0032】
更にまた、符号32は中間転写ベルト28上のトナー像を後述する記録材34に二次転写する二次転写装置であり、二次転写時に中間転写ベルト28に接触して回転する転写ロール321と、中間転写べルト28の裏面側に配設されて前記転写ロール321の対向電極をなす導電性ロール322と、二次転写時に前記転写ロール321にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する二次転写電源(図示せず)と、前記転写ロール321に常時当接して付着トナーを剥離除去する例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード323とを備えている。
【0033】
また、符号33は記録材34を所定のタイミングで二次転写部位に搬出するフィードロールであり、35はフィードロール33により搬出された記録材34を二次転写部位へ搬送案内する搬送ガイドロール、36は所定サイズの記録材34を供給する記録材供給トレイ、37は中間転写べルト上に残留する残留トナーを剥離、除去するためのべルトクリーナである。
特に、本実施の形態において、ベルトクリーナ37は、ドラムクリーナ30と同様に、中間転写ベルト28に圧接配置されるクリーニングブレード371を有しているが、このクリーニングブレード371の材料やサイズ、食い込み量は、ドラムクリーナ30のそれらと違うもの、中間転写ベルト28上の残留トナーを剥離、除去する上で、最適なものに設定されている。
【0034】
本実施の形態において、ベルトクリーナ37は中間転写ベルト28と接離自在に配設されており、カラー画像が形成される場合には最終色のトナー像が中間転写ベルト28に一次転写される迄、これら部材は中間転写ベルト28から離間している。さらに、ベルトクリーナー37はそれらが配設された位置を中間転写ベルト28の継ぎ目部Cが通過する時は離間している。
【0035】
次に、本実施の形態に係るカラー画像形成装置の画像形成プロセスについて説明する。
感光ドラム21の矢線A方向への回転に伴い、その表面には周知の電子写真プロセスによって画情報に応じた静電潜像が形成される。すなわち、感光ドラム21は接触帯電装置22によって所定の暗電位まで帯電された後、レーザ露光装置23から発せられたビームBmによって画像信号に応じた露光がなされる。
そして、感光ドラム21に形成された静電潜像はいずれか一つの現像装置24〜27のいずれかで現像されてトナー像38が形成される。従って、感光ドラム21に書き込まれた静電潜像がイエロの画情報に対応したものであれば、この静電潜像はイエロ(Y)のトナーを内包する現像装置25で現像され、感光ドラム21上にはイエロのトナー像が形成される。
【0036】
そして、前記感光ドラム21に形成されたトナー像38は、感光ドラム21と前記中間転写ベルト28とが接する一次転写位置で、中間転写ベルト28の裏面側に配設された一次転写装置29にトナーの帯電極性と逆極性の直流電圧を印加することにより、感光ドラム21から中間転写ベルト28の表面に静電吸引転写される。
一方、一次転写後の感光ドラム21上の残留トナー、及び接触帯電装置22によって生成された感光ドラム21上のオゾンまたはNOX付着物はドラムクリーナ30によって除去される。
このとき、クリーニングブレード301を適切なトルク値(8〜12kgf・cm)に設定することにより、オゾンやNOXによる感光ドラム21の画質上プロセス方向の白抜けや白筋が発生する等のクリーニング不良が改善される。
さらに、前述した剛性補強板303を用いることにより、後述する実施例1,2に示されるように、高温高湿から低温低湿へ環境変動させた場合でも、トルクの変動幅が少なくなり、適切なトルク値の範囲に収まり、充分なクリーニング性能が発揮される。
その後、イレーズランプ31の光照射によって感光ドラム21の表面電位は±0Vとなり、次の帯電工程に備える。
【0037】
単色画像を形成する場合には中間転写ベルト28に一次転写されたトナー像38を直ちに記録材34に二次転写するのであるが、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像を形成する場合には、感光ドラム21上でのトナー像の形成並びにこのトナー像の一次転写の工程が色数分だけ繰り返される。例えば4色のトナー像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合には、感光ドラム21上にはその一回転毎にブラック(BK)、イエロ(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)のトナー像38が形成され、これらトナー像38は順次中間転写ベルト28に一次転写される。一方、中間転写ベルト28は最初に一次転写されたブラックのトナー像38を保持したまま感光ドラム21と同一周期で回動し、中間転写ベルト28上にはその一回転毎にイエロ、マゼンタ及びシアンのトナー像38がブラックのトナー像38に重ねて転写される。
【0038】
このようにして中間転写ベルト28に一次転写されたトナー像38は、中間転写ベルト28の回動に伴って記録材34の搬送経路に面した二次転写位置へと搬送される。
前記二次転写位置では二次転写装置32の転写ロール321が中間転写ベルト28に接しており、フィードロール33によって所定のタイミングで記録材供給トレイ36から搬出された記録材34は転写ロール321と中間転写ベルト28との間に挟み込まれる。また、二次転写位置における中間転写ベルト28の裏面側には前記転写ロール321の対向電極をなす導電性ロール322が配設されており、前記転写ロール321にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加すると、中間転写ベルト28に担持されたトナー像38は前記二次転写位置において記録材34に静電吸引転写される。
【0039】
そして、トナー像38が転写された記録材34は、図示外の定着装置に送り込まれてトナー像の定着処理がなされる。一方、トナー像の二次転写が終了した中間転写ベルト28上の残留トナーはベルトクリーナ37によって除去される。
【0040】
◎実施の形態2
本実施の形態に係わるドラムクリーナ(クリーニング装置)30は、図5に示すように、実施の形態1と略同様の構成であり、感光ドラム21と当接側の端部は同側のクリーニングブレード301の端部と支持材302の端部との中間に位置しているが、他方、実施の形態1と異なり、感光ドラム21から離反側の剛性補強板303の端部は同側のクリーニングブレード301の端部を超えた位置にある。
【0041】
◎実施の形態3
本実施の形態に係わるドラムクリーナ(クリーニング装置)30は、図6に示すように、実施の形態1と同様の構成であり、感光ドラム21と当接側の端部は同側のクリーニングブレード301の端部と支持材302の端部との中間に位置しているが、他方、感光ドラム21から離反側の剛性補強板303の端部は同側のクリーニングブレード301の端部に満たない位置にある。
【0042】
◎実施の形態4
本実施の形態は、図7に示すように、支持材302の感光ドラム21回転方向a下流側面にクリーニングブレード301が固定され、クリーニングブレード301の感光ドラム21の回転方向a下流側面には、感光ドラム21と離反側の端部から感光ドラム21に当接側の支持材302端部と同側のクリーニングブレード301の端部との中間の位置まで凹部304が設けられており、これに嵌合するように剛性補強板303が固定されている。
【0043】
以上の実施の形態2〜4についても、実施の形態1と同様に、環境差に対するトルク変動が少なく、良好なクリーニング性が保たれることが確認された。
【0044】
◎比較の形態1
一方、図17は、支持材120の感光ドラム140回転方向a下流側面にクリーニングブレード110を取り付けた場合である。
【0045】
◎比較の形態2
また、図8は、支持材302の感光ドラム21の回転方向上流側にクリーニングブレード301を固定した場合である(例えば、特公平1−37738号公報参照)。
【0046】
◎比較の形態3
また、図9は、前述した比較の形態1について、クリーニングブレード301の感光ドラム21の回転方向a上流側面であって、感光ドラム21に当接側の先端部に剛性補強板305を固定した場合である(例えば、特開平4−320289号公報参照)。
このクリーニングブレードによれば、ブレードの感光ドラム21に対する先端エッジ部の押圧力の低下が防止され、ブレード両端部と中央部の押しつけ圧力(以下、ニップ圧という)の均一性を得ることができ、先端エッジ部の変形やこの変形に伴う“めくれ”の発生が防止できる。
【0047】
◎比較の形態4
また、図10は、実施の形態1と同様に、クリーニングブレード301の感光ドラム21回転方向a下流側面に実施の形態の剛性補強板303と異なる剛性補強板306を設けた場合であるが、支持材302の感光ドラム21に当接側の端部に剛性補強板306の同側の端部を一致させた場合である。
【0048】
◎比較の形態5
また、図11に示す比較の形態5は、支持材302として、断面L字状の支持材本体307と、この支持材本体307の感光ドラム21回転方向a下流側の途中から分岐した断面L字状の分岐部308とを具備させ、この分岐部308と支持材本体307との間に断面コ字状のブレード保持凹部308aを形成し、この断面コ字状のブレード保持凹部にクリーニングブレード301を嵌合固定させた際、クリーニングブレード301の感光ドラム21の当接側の端部と支持材302本体部の同側の端部との中間に分岐部308の先端部を位置するようにしたものである(例えば、実開昭62−9275号公報参照)。
【0049】
◎比較の形態6
また、図12は、支持材302の感光ドラム21回転方向a下流側面にクリーニングブレード301を固定させた場合において、クリーニングブレード301の同側面の縦方向全長に凹部309を設け、その凹部309に嵌合するように剛性補強板305を固定したものである。
【0050】
以上の各比較の形態1〜6については、環境差によるトルク変動が大きく、例えば、高温高湿環境下において、クリーニング性能が良好に保てるようにパラメータを設定したとしても、低温低湿環境下では、クリーニング性能が確保できないという事実が確認された。
【0051】
◎実施例1
本実施例は、実施の形態1に係るクリーニング装置の性能を評価したものである。
評価方法としては、実施の形態1が具体化された実施例1と比較の形態1が具体化された比較例1とを用い、ブレードの食い込み量(図1,図2のd参照)と、200枚RUN後の感光ドラムの静止トルクとの関係を高温高湿環境下、低温低湿環境下で夫々調べ、環境差に伴う感光ドラムの静止トルクが適正トルク範囲内(本実施例では8〜12kgf・cm)に収まるか否かで、クリーニング性能の良否(白筋等の発生の有無)を評価した。
【0052】
実施例1は、実施の形態1のクリーニング装置において、ブレード材質を238707(北辰工業製)、ブレードの厚さを2.0mm、ブレード設定角度α(BSA)を25゜、剛性補強板の材質をポリカーボネイト、剛性補強材の厚みを1mm、ブレードエッジから支持材までの距離(元F/L)を10mm、ブレードエッジから剛性補強板までの距離(F/L)を6.5mm、剛性補強板とブレードとの接着法を接着剤とした。
また、比較例1は、比較の形態1において、ブレード材質を238707(北辰工業製)、ブレードの厚さを2.0mm、ブレード設定角度α(BSA)を25゜とし、ブレードエッジから支持材までの距離(元F/L)を10mmとした。
尚、性能評価を行う際に用いられる画像形成装置の使用条件を以下に記す。
Figure 0003541588
【0053】
評価結果を図13に示す。
同図の実線で示されるように、本実施例1のクリーニング装置の場合は、環境差が10%程度になり、例えばブレードの食い込み量を1.2mm程度に設定すれば、適正トルクの許容幅(8〜12kgf・cm)の範囲内に収まり、高温高湿・低温低湿のいずれの条件でも、良好なクリーニング性が確保されることが確認される。
一方、同図の点線で示されるように、比較例1のクリーニング装置の場合は、全く同じパラメータにも関わらず5kgf・cm程度の環境差が生じる。このとき、環境差が適正トルクの許容幅(8〜12kgf・cm)を超えてしまい、高温高湿・低温低湿のいずれかでクリーニング性を確保できなくなってしまう。
【0054】
◎実施例2
本実施例は、実施の形態1に係るクリーニング装置につき最適化したものの性能を評価したものである。
評価方法としては、実施の形態1が具体化され且つ最適化された実施例2と、比較の形態1が具体化された比較例1、あるいは、比較の形態2が具体化された比較例2とを用い、ブレードの食い込み量(図1,図2のd参照)と、200枚RUN後の感光ドラムの静止トルクとの関係を高温高湿環境下、低温低湿環境下で夫々調べ、環境差に伴う感光ドラムの静止トルクが適正トルク範囲内(本実施例では10〜12kgf・cm)に収まるか否かで、クリーニング性能の良否(白筋等の発生の有無)を評価した。
実施例2は、実施の形態1に係るクリーニング装置の最適化を図るために直交試験を行い、その結果に基づいて各パラメータを設定したものである。
ここで、直交試験とは、設計する際の設計因子を最適化する試験であり、かつ、設計因子を適宜組み合わせることにより実験回数を省略するものである。
設計因子を以下の表1に示す。
【0055】
【表1】
Figure 0003541588
【0056】
同表において、因子A〜Gについて夫々の水準1から水準3の条件は、18回の実験のうち6回づつ組込まれるようにし、この18回の実験に対して、因子H〜Jに示す調合誤差である環境(2水準)、信号因子であるF/L(3水準)、制御因子である感材(感光体材料,3水準)について実験を行い、さらに、以上の条件について6回繰り返し試験を行った。即ち、18×2×3×3×6回の実験回数により最適化の条件を求めた。
直交試験の結果を図14に示す。
同図において、黒塗りの●は、調合誤差(今回は環境変化、即ち高温高湿と低温低湿)に対する離散を意味し、SN比が大きいほど離散が小さく良好な結果を意味し、実施の形態1の最適化を図る条件となる。
接着方法は両面テープ、エポキシ接着剤、ホットメルト(図示外)を試したが、好ましくは接着力の強い接着剤、ホットメルトが望ましい。
元F/Lは8mm、12mmに対してSN比の大きい10mmであることが望ましい。
BSAについては、角度が小さい方がやや望ましい傾向が見られるが、ほとんど横這いの状態であった。
剛性補強板の材料はポリカーボネイト、SUSと比較してABS(アクリロニトリルスチレン)を使用した場合が最も良好な結果を示した。
剛性補強板の厚みは、剛性を高めるという観点からすれば厚くなる方が望ましい。
ブレードの材質は、P(硬度77゜)、Q(硬度70゜)と比較してR(硬度72゜)が最もよい結果を示した。
食い込み量は、いずれの条件に対しても有意な差は認められなかった。
また、感光ドラムの感光体(A,B,C)の種類によっても、環境変動に対する離散の度合いが異なることが判明した。
なお、同図において、白抜きの○は、F/Lに対するトルクの感度、即ち、F/Lを変化させたときのトルクの変化のしやすさを示す指標であり、クリーニングブレードの使用目的応じて適宜選択される。
このような直交試験の結果に基づいて、実施例2のクリーニング装置としては、ブレード材質をR(硬度72゜)、ブレードの厚さを2.0mm、ブレード設定角度α(BSA)を25゜、剛性補強板の材質をABS(アクリロニトリルスチレン)、剛性補強材の厚みを1.2mm、ブレードエッジから支持材までの距離(元F/L)を10mm、ブレードエッジから剛性補強板までの距離(F/L)を7.5mm、剛性補強板とブレードとの接着法をエポキシ接着剤とした。
また、比較例1は実施例1で説明したものと同様であり、比較例2は、比較の形態2において、ブレード材質をR(硬度72゜)、ブレードの厚さを2.0mm、ブレード設定角度α(BSA)を25゜とし、ブレードエッジから支持材までの距離(F/L)を7.5mmとした。
尚、性能評価を行う際に用いられる画像形成装置の使用条件は実施例1と同様である。
【0057】
評価結果を図15,図16に示す。
図15は最適化された実施例2と比較例1とに対する評価結果を示す。
同図において、実施例2に係るクリーニング装置によると、高温高湿・低温低湿の環境依存によるトルク変動がほとんど現れない。
即ち、環境差によるクリーニング性能が変化しないことを示し、比較例1のみならず、実施例1に係るクリーニング装置と比較しても、環境変化に対して、著しい改善がなされていることが理解される。
具体的には、例えばブレードの食い込み量を0.4〜1.3mm程度に設定すれば、適正トルクの許容幅(8〜12kgf・cm)の範囲内に収まり、高温高湿・低温低湿のいずれの条件でも、良好なクリーニング性が確保されることが確認され、その分、実施例1に比べて、ブレードの食い込み量の設定をよりラフに行うことが可能である。
また、最適化されていない実施例1の場合でも、クリーニング装置は、高温高湿・低温低湿などの環境下で、実際に数万枚のプリントテストを行ってもクリーニング装置による不具合は発生しないことが確認された。
【0058】
図16は、実施例2と比較例2との評価結果を示す。
同図によれば、比較例2は、比較例1(図15参照)に比べて環境変化に対してトルク変動が小さくなるものの、実施例2と比較してその変動ははるかに大きい。即ち、実施例2は、比較例2と比較しても、環境差によるクリーニング性能を良好に保つ上で、顕著な効果を有することが確認される。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、クリーニングブレードの支持構造を工夫することにより、剛性を保ちつつも、柔軟性を兼ね備えたブレードとすることができるため、高温高湿環境下での像担持体の静止トルク(ブレードの摩擦力)の高トルク化を抑え、環境変動(高温高湿環境、低温低湿環境)によるトルク差を従来の半分以下に抑えることができる。
このため、環境変動による影響をほとんど受けることなく、像担持体のトルクを所定範囲に設定することが可能になり、その分、クリーニング性能の環境依存性を少なくし、クリーニング不良を確実に回避することができる。
特に、接触帯電方式の電子写真プロセスの構成に、本発明の構成のクリーニング装置を用いるようにすれば、オゾンまたはNOXの付着物による画質上の白抜け・白筋及びクリーニングブレードの変形による劣化もないため、清掃能力を維持でき、安定した良好な画質を得ることができる。
【0060】
また、クリーニング装置を使用するに当たって、初期使用済みの像担持体に対してクリーニングブレードを弾接させ、像担持体の静止トルクを予め決められた所定範囲に設定するようにすれば、接触帯電方式を採用した画像形成プロセスであっても、クリーニング不良を確実且つ容易に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるクリーニング装置を模式的に示す説明図である。
【図2】従来に係わるクリーニング装置を模式的に示す説明図である。
【図3】実施の形態1に係わるクリーニング装置が組込まれた画像形成装置を示す説明図である。
【図4】本実施の形態1のクリーニング装置の要部を示す説明図である。
【図5】実施の形態2に係わるクリーニング装置の要部を示す説明図である。
【図6】実施の形態3に係わるクリーニング装置の要部を示す説明図である。
【図7】実施の形態4に係わるクリーニング装置の要部を示す説明図である。
【図8】比較の形態2に係わるクリーニング装置の要部を示す説明図である。
【図9】比較の形態3に係わるクリーニング装置の要部を示す説明図である。
【図10】比較の形態4に係わるクリーニング装置の要部を示す説明図である。
【図11】比較の形態5に係わるクリーニング装置の要部を示す説明図である。
【図12】比較の形態6に係わるクリーニング装置の要部を示す説明図である。
【図13】実施例1及び比較例1についてのブレードの食い込み量と200枚RUN後の感光ドラムの静止トルクとの関係を示す説明図である。
【図14】直交試験によるSN比と感度を示す説明図である。
【図15】実施例2及び比較例1についてのブレードの食い込み量と200枚RUN後の感光ドラムの静止トルクとの関係を示す説明図である。
【図16】実施例2及び比較例2についてのブレードの食い込み量と200枚RUN後の感光ドラムの静止トルクとの関係を示す説明図である。
【図17】従来例(比較の形態1)に係わるクリーニング装置の要部を示す説明図である。
【図18】水滴の接触角度と帯電回数の関係を示す説明図である。
【図19】感光体表面とブレードとの間の摩擦係数と帯電回数の関係を示す説明図である。
【図20】感光体のブレードに対する摩擦力の変化を示す説明図である。
【図21】(a)(b)は白筋発生の有無とトルクの関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1…像担持体、2…クリーニングブレード、3…支持体、4…剛性補強部材、21…感光ドラム、22…接触帯電装置、23…レーザ露光装置、24〜27…現像装置、28…中間転写べルト、29…一次転写装置、30…ドラムクリーナ、31…イレーズランプ、32…二次転写装置、33…フィードロール、34…記録材、35…搬送ガイドロール、36…記録材供給トレイ、37…べルトクリーナ、38…トナー像、110…クリーニングブレード、120…支持材、130…クリーナハウジング、140…像担持体、141…像担持体表面、142…現像剤、301…クリーニングブレード、302…支持材、303…剛性補強板、310…クリーニングユニット

Claims (3)

  1. 像担持体(1)に当接して前記像担持体(1)をクリーニングするクリーニングブレード(2)と、
    前記クリーニングブレード(2)の前記像担持体(1)回転方向上流側面にて固定され前記クリーニングブレード(2)の基端側を支持する支持体(3)と、支持体(3)と独立して前記クリーニングブレード(2)の前記像担持体(1)回転方向下流側面に固定されると共に、少なくとも支持体(3)と対向する重複部分を有し、さらに像担持体(1)側の先端部がクリーニングブレード(2)のうち支持体(3)との非固定部分の中間に位置してクリーニングブレード(2)を補強する剛性補強部材(4)とを備えたことを特徴とするクリーニング装置。
  2. 像担持体(1)に当接して前記像担持体(1)をクリーニングする請求項1記載のクリーニング装置と、前記像担持体(1)に当接又は近接配置され、少なくとも直流からなる電圧を印加する帯電部材とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2記載のクリーニング装置を使用するに際し、
    少なくとも初期使用済みの像担持体(1)に対してクリーニングブレード(2)を弾接させた状態で、前記像担持体(1)のトルクを予め決められた所定範囲に設定することを特徴とするクリーニング装置の使用方法。
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