JPH10111543A - 700〜1100nmの波長領域における電磁線を吸収する少なくとも1種の色素を含むフオトサーモグラフイ材料 - Google Patents

700〜1100nmの波長領域における電磁線を吸収する少なくとも1種の色素を含むフオトサーモグラフイ材料

Info

Publication number
JPH10111543A
JPH10111543A JP21140697A JP21140697A JPH10111543A JP H10111543 A JPH10111543 A JP H10111543A JP 21140697 A JP21140697 A JP 21140697A JP 21140697 A JP21140697 A JP 21140697A JP H10111543 A JPH10111543 A JP H10111543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photothermographic
water
dye
supersensitizer
silver salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21140697A
Other languages
English (en)
Inventor
Herman Uytterhoeven
ヘルマン・ウイツターホーベン
Johan Loccufier
ジヨアン・ロキユフイエ
Geert Deroover
ゲールト・デローバー
Paul Callant
パウル・カラント
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Agfa Gevaert NV
Original Assignee
Agfa Gevaert NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agfa Gevaert NV filed Critical Agfa Gevaert NV
Publication of JPH10111543A publication Critical patent/JPH10111543A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高い赤外感度及び優れた画像−形成性を有す
るフォトサーモグラフィ記録材料、水性媒体からコーテ
ィングできる優れた画像−形成性を有するフォト−アド
レス可能、かつ熱的現像可能要素を有するフォトサーモ
グラフィ記録材料のための記録法を提供する。 【解決手段】 実質的に光−非感受性有機銀塩と触媒的
に会合しており且つ色素を用いて赤外光に対して分光増
感されている感光性ハロゲン化銀、色素のための超色増
感剤、実質的に光−非感受性有機銀塩と熱的作用関係に
ある還元剤及び結合剤を含むフォト−アドレス可能で熱
的現像可能要素を含むフォトサーモグラフィ記録材料で
あって、結合剤が水溶性ポリマー、水−分散性ポリマー
又は水溶性ポリマーと水−分散性ポリマーを含み;色素
が700〜1100nmの波長領域における電磁線を吸
収し;超色増感剤が一般式(I): により示されるスチルベン化合物であるフォトサーモグ
ラフィ記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、要素の赤外感度を向上させる
化学種を含むフォト−アドレス可能な熱的現像可能要素
を含むフォトサーモグラフィ記録材料に関する。
【0002】
【発明の背景】熱的画像形成又はサーモグラフィは、熱
エネルギーの利用により画像が形成される記録法であ
る。
【0003】サーモグラフィーにおいて3つの方法が既
知である: 1.化学的又は物理的過程により色又は光学濃度が変化
する物質を含有する記録材料の画像通りの加熱による可
視画像パターンの直接熱的形成; 2.化学的又は物理的過程が色又は光学濃度における変
化をもたらすために必要な成分の、受容要素への画像通
りの転移; 3.画像通りに加熱されたドナー要素から受容体要素へ
の着色種の転移により可視画像パターンが形成される熱
的色素転移印刷法。
【0004】1型のサーモグラフィ材料は、UV光、可
視光又はIR光への露光の後、色又は光学濃度における
変化をもたらすサーモグラフィ過程を触媒するか又はそ
れに関与することができる感光性試薬が存在する場合、
フォトサーモグラフィ材料となる。
【0005】フォトサーモグラフィ材料の例は、3M
Companyのいわゆる「ドライシルバー」写真材料
であり、それは“Handbook og Imagi
ngScience”,edited by A.R.
Diamond,page43,published
by Marcel Dekker in 1991に
おいてD.A.Morganにより考察されている。
【0006】そのような材料において最も広く用いられ
ている電磁線−感受性塩はハロゲン化銀であり、それは
有機銀塩と触媒的会合をして存在し、露光されると形成
される化学種が熱的画像形成過程を触媒できなければな
らない。ハロゲン化銀は、その感度領域を化学線の赤外
領域に広げるために色素を用いて分光増感される必要が
ある。
【0007】US−P 5,441,866において:
「そのような色素(ゼラチノハロゲン化銀要素に分光感
度を与える色素)の多くはフォトサーモグラフィ組成物
において分光増感を与えるが、色素増感は非常に不十分
であることが多く、ゼラチノハロゲン化銀要素中の色素
の性能をフォトサーモグラフィ要素に移すことは不可能
である」ということが述べられている。
【0008】「ドライシルバー」材料の赤外増感に関
し、US 4,873,184は、乳剤層の20〜70
重量%としての還元可能な銀源材料、感光性ハロゲン化
銀及び銀イオンのための還元剤を含み、該感光性ハロゲ
ン化銀がそこに潜像を有しておらず、該乳剤層の1.5
〜7重量%として存在し、該乳剤層がそこに加速有効量
の金属錯体化剤を該乳剤中の合計銀の0.4〜40重量
%に等しい量で有する分光増感ハロゲン化銀フォトサー
モグラフィ乳剤層を開示している。
【0009】やはり「ドライシルバー」材料の赤外増感
に関し、EP−A 559 228は、結合剤、光非感
受性銀塩、銀イオンのための還元剤及びハロゲン化銀を
含み、ハロゲン化銀が750〜1300nmの電磁線に
対して分光増感されており、乳剤が超色増感量の複素芳
香族メルカプト化合物又は複素芳香族ジスルフィド化合
物から成る群より選ばれる化合物を含有するフォトサー
モグラフィ乳剤を開示している。さらに、スチルベン化
合物であるSANDOZからのLeucophor B
CFを用いた場合の超色増感の不在を示す比較実施例が
開示されている。
【0010】US−P 4,873,184及びEP−
A 559 228の詳細な説明及び実施例において、
そこに記載されている特定の発明の、水性媒体からコー
ティングされるフォト−アドレス可能な熱的現像可能要
素を含むフォトサーモグラフィ記録材料への適用性に関
する記載はない。しかしJP 63−23145は、赤
外増感色素及び少なくとも種の式(A):
【0011】
【化2】
【0012】[式中、Aは2価芳香族残基であり;
1、R2、R3及びR4はそれぞれH、OH、アルキル、
アルコキシ、アリールオキシ、ハロゲン、複素環、複素
環式チオ、アリールチオ、アミノ、場合により置換され
ていることができるアルキルアミノ、場合により置換さ
れていることができるアリールアミノ、場合により置換
されていることができるアラルキルアミノ、アリール又
はメルカプトであり;置換基A、R1、R2、R3及びR4
の少なくとも1つはスルホ基で置換されており;W1
びW2のそれぞれは−CH=又は−N=であり、但し、
それらの少なくとも1つは−N=である]の化合物を含
有する少なくとも1つのハロゲン化銀乳剤層を有する熱
現像可能な感光性材料を開示している。JP 63−2
3145の説明及び発明実施例に従うと、熱現像可能な
感光性材料は本発明の感光性ハロゲン化銀と一緒に酸化
剤として有機金属塩を含有することができ;2価芳香族
残基は2,2’−ジスルホスチルベン、4,4’−ビス
(ベンゾイルアミノ)−2,2’−ジスルホスチルベン
残基であることができ;水溶性及び水−分散性ポリマー
をゼラチンと共に用いることができ、発明実施例におい
ては水溶性ポリマーが用いられている。化合物(A)に
おいてW1及びW2の両方がNである発明実施例は開示さ
れていない。
【0013】非−水性媒体からコーティングされる有機
銀塩/ハロゲン化銀/還元剤−系に基づくフォトサーモ
グラフィ材料のための材料技術の水性媒体への外挿は、
発明者の研究により確証される通り決して自明ではな
く、水性媒体からコーティングされる赤外色素増感フォ
トサーモグラフィ材料において用いるためには有効な超
色増感剤が必要である。
【0014】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、高い赤外感度及
び優れた画像形成性を有するフォトサーモグラフィ記録
材料を提供することである。
【0015】本発明の第2の目的は、水性媒体からコー
ティングすることができる、優れた画像形成性を有する
フォト−アドレス可能な熱的現像可能要素を提供するこ
とである。
【0016】本発明のさらに別の目的は、上記の向上し
た性質を有するサーモグラフィ記録材料のための記録法
を提供することである。
【0017】本発明のさらなる目的及び利点は下記の説
明から明らかになるであろう。
【0018】
【発明の概略】本発明に従えば、支持体ならびに、実質
的に光−非感受性有機銀塩、実質的に光−非感受性有機
銀塩と触媒的に会合しており且つ色素を用いて赤外光に
対して分光増感されている感光性ハロゲン化銀、色素の
ための超色増感剤、実質的に光−非感受性有機銀塩と熱
的作用関係にある還元剤及び結合剤を含むフォト−アド
レス可能な熱的現像可能要素を含むフォトサーモグラフ
ィ記録材料であって、結合剤が水溶性ポリマー、水−分
散性ポリマー又は水溶性ポリマーと水−分散性ポリマー
を含み;色素が700〜1100nmの波長領域におけ
る電磁線を吸収し;超色増感剤が一般式(I):
【0019】
【化3】
【0020】[式中、R1、R2、R3及びR4は独立して
水素、あるいはアルキル、アリール、アラルキル、アル
カリール、アルコキシ又はアリールオキシ基であり、そ
れらはすべて置換されていることができ;R5、R6、R
7、R8、R9、R10、R11及びR12は独立して水素及び
アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキ
シ、カルボキシ又はスルホ基である]により示されるス
チルベン化合物であることを特徴とするフォトサーモグ
ラフィ記録材料が提供される。
【0021】(i)実質的に光−非感受性有機銀塩、色
素を用いて赤外光に対して分光増感されている感光性ハ
ロゲン化銀、色素のための超色増感剤、還元剤及び結合
剤を含む1つ又は複数の水性分散液を調製し;(ii)
1つ又は複数の水性分散液を支持体上にコーティングす
る段階を含む上記のフォトサーモグラフィ記録材料の製
造法も提供される。
【0022】さらに、上記の又は上記に従って製造され
るフォトサーモグラフィ材料を赤外化学線に画像通りに
露光し;フォトサーモグラフィ記録材料を全体的に加熱
する段階を含むフォトサーモグラフィ記録材料のための
記録法が提供される。
【0023】本発明の詳細な記載において本発明の好ま
しい実施態様を開示する。
【0024】
【本発明の詳細な記述】
【0025】
【水性】本発明の目的の場合、水性という用語は、水と
水−混和性有機溶媒、例えばアルコール類、例えばメタ
ノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、
イソ−アミルアルコール、オクタノール、セチルアルコ
ールなど;グリコール類、例えばエチレングリコール;
グリセリン;N−メチルピロリドン;メトキシプロパノ
ール;ならびにケトン類、例えば2−プロパノン及び2
−ブタノンなどの混合物を含有する。
【0026】
【分光増感剤】本発明に従えば、感光性ハロゲン化銀を
赤外光に対して分光増感する色素が提供され、ここで色
素は700〜1100nmの波長領域、好ましくは75
0〜950nmの波長領域における電磁線を吸収する。
【0027】本発明の好ましい実施態様の場合、色素は
一般式(II):
【0028】
【化4】
【0029】[式中、Z1及びZ2は独立してS、O又は
Seを示し;R1及びR17はそれぞれ独立してアルキル
又は置換アルキル基であり;R2、R3、R4、R5
13、R14、R15及びR16はそれぞれ独立して水素、塩
素、臭素、フッ素あるいはケト−、スルホ−、カルボキ
シ−、エステル−、スルホンアミド−、アミド−、ジア
ルキルアミノ、ニトロ−、シアノ−、アルキル−、アル
ケニル−、複素−芳香族、アリール−、アルコキシ−又
はアリールオキシ−基であり、それらの基は置換されて
いることができ;あるいはそれぞれ独立してR2はR3
一緒に、R3はR4と一緒に、R4はR5と一緒に、R13
14と一緒に、R14はR15と一緒に及びR15はR16と一
緒に置換されていることができるベンゼン環を完結する
のに必要な原子を形成することができ;R6、R7
8、R9、R10、R11及びR12はそれぞれ独立して水
素、アルキル基、置換アルキル基、塩素、フッ素、臭
素、ヨウ素、置換アミノ基を示し、ここで該置換基は5
−環原子又は6−環原子複素環の形成に必要な原子を構
成することができ、あるいはそれぞれ独立してR6はR8
と一緒に、R8はR10と一緒に、R10はR12と一緒に、
7はR9と一緒に及びR9はR11と一緒に置換されてい
ることができる5−原子又は6−原子炭素環又は複素環
の完結に必要な原子を構成することができ;それぞれ独
立してR1はR6と一緒に及びR12はR17と一緒に置換さ
れていることができる5−原子又は6−原子複素環の完
結に必要な原子を構成することができ;X-はアニオン
を示す]に対応する。
【0030】本発明の特に好ましい実施態様の場合、式
(II)においてR1及びR17はそれぞれ独立してスル
ホ−又はカルボキシ−基で置換されていることができる
炭素数が1〜6のアルキル基を示す。
【0031】本発明の感光性ハロゲン化銀のための適し
た赤外増感色素はN−アルキルベンゾチアゾールヘプタ
メチンシアニン色素:
【0032】
【化5】
【0033】N−アルキルスルホベンゾチアゾールヘプ
タメチンシアニン色素:
【0034】
【化6】
【0035】
【化7】
【0036】
【化8】
【0037】N−アルキルカルボキシベンゾチアゾール
ヘプタメチンシアニン色素:
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】である。
【0041】
【超色増感剤】一般式(I)により示される超色増感化
合物において、カルボキシ−基という用語は−COOH
及びその塩を示し、スルホ−基という用語は−SO3
及びその塩を示す。本発明において用いられるスチルベ
ン化合物の好ましい実施態様の場合、一般式(I)のR
5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12の少なく
とも2つはスルホ−又はカルボキシ−基である。本発明
の特に好ましい実施態様の場合、一般式(I)により示
される化合物は2,2’−ジスルホ−4,4’−ビス
(トリアジニルアミノ)スチルベン化合物である。
【0042】本発明に従って用いられる特に好ましい超
色増感剤は:
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】である。
【0048】
【水−分散性及び水溶性結合剤】本発明に従うと、フォ
ト−アドレス可能な熱的現像可能要素は、水溶性結合
剤、水−分散性結合剤又は水溶性結合剤と水−分散性結
合剤の混合物を含有する結合剤を含む。結合剤及び結合
剤−混合物の選択における重要な前提条件は、存在する
他の成分と連続層を形成するその能力である。
【0049】水−分散性結合剤は、例えば水−不溶性セ
ルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、後−塩素化ポリ塩化
ビニル、塩化ビニルと塩化ビニリデンのコポリマー、塩
化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、ポリ酢酸ビニル及
び部分的加水分解ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコー
ル、出発材料としてポリビニルアルコールから製造さ
れ、繰り返しビニルアルコール単位の一部のみがアルデ
ヒドと反応していることができるポリビニルアセター
ル、好ましくはポリビニルブチラール、アクリロニトリ
ルとアクリルアミドのコポリマー、ポリアクリル酸エス
テル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレンならび
にポリエチレンあるいはそれらの混合物などのα,β−
エチレン性不飽和化合物から誘導されるポリマーなどの
いずれの水−不溶性ポリマーであることもできる。ポリ
マーの最小の粒子が溶解し、それよりわずかに大きい粒
子が分散状態となる非常に小さいポリマー粒子の場合、
ポリマー分散液とポリマー溶液の間に明確に区切られた
転移点はないことに注意しなければならない。
【0050】本発明に従う適した水溶性ポリマーは:ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレングリコール、タ
ンパク質、例えばゼラチン及びフタロイルゼラチンなど
の修飾ゼラチン、多糖類、例えば澱粉、アラビアゴム及
びデキストランならびに水溶性セルロース誘導体であ
る。
【0051】水溶性及び水−分散性ポリマーの層−形成
性を向上させるために、ポリマー中に可塑剤を挿入する
ことができ、分散媒体に水−混和性溶媒を加えることが
でき、水溶性ポリマーの混合物、水−分散性ポリマーの
混合物又は水溶性及び水−分散性ポリマーの混合物を用
いることができる。
【0052】
【フォト−アドレス可能な熱的現像可能要素】本発明の
フォト−アドレス可能な熱的現像可能要素は、実質的に
光−非感受性有機銀塩、それと触媒的に会合している感
光性ハロゲン化銀及び、実質的に光−非感受性有機銀塩
と熱的作用関係にある有機還元剤、ならびに水溶性又は
水−分散性結合剤を含む。要素は実質的に光−非感受性
有機銀塩と触媒的に会合しているハロゲン化銀、ハロゲ
ン化銀粒子と緊密な増感的会合にあり、場合により超色
増感剤と一緒の分光増感剤、及び要素の熱的現像過程又
は現像前又は現像後安定化において活性な他の成分を、
同一の層又は他の層内に有する層系を含むことができ、
但し、有機還元剤及び、もし存在するならば調色剤は実
質的に光−非感受性有機銀塩と熱的作用関係にあり、す
なわち熱的現像過程の間、還元剤及び、もし存在するな
らば調色剤は、実質的に光−非感受性有機銀塩に拡散す
ることができる。
【0053】
【光−非感受性有機銀塩】本発明の方法を用いて製造さ
れ、本発明に従ってフォトサーモグラフィ材料で用いら
れる好ましい実質的に光−非感受性有機銀塩は、その有
機基として:アリール、アラルキル、アルカリール又は
アルキルを有する有機カルボン酸、例えば脂肪族炭素鎖
が好ましくは少なくとも12C−原子を有する脂肪酸と
して既知の脂肪族カルボン酸の銀塩、例えばその銀塩が
「銀石鹸」とも呼ばれるラウリン酸銀、パルミチン酸
銀、ステアリン酸銀、ヒドロキシステアリン酸銀、オレ
イン酸銀及びベヘン酸銀である。例えばGB−P 1,
111,492に記載されているチオエーテル基を有す
る修飾脂肪族カルボン酸の銀塩は同様に、熱的現像可能
な銀画像の形成に用いることができる。
【0054】本発明の好ましい実施態様の場合、実質的
に光−非感受性有機銀塩は脂肪酸の銀塩である。
【0055】本発明の目的の場合、実質的に光−非感受
性有機銀塩という用語は、有機銀塩の混合物も含む。
【0056】
【結合剤対有機銀塩の比率】結合剤対有機銀塩の重量比
は0.2〜6の範囲内が好ましく、記録層の厚さは1〜
50μmの範囲内が好ましい。
【0057】
【感光性ハロゲン化銀】本発明で用いられる感光性ハロ
ゲン化銀は、実質的に光−非感受性有機銀塩の0.1〜
35モルパーセントの範囲内で用いることができ、0.
5〜20モルパーセントの範囲が好ましく、1〜12モ
ルパーセントの範囲が特に好ましい。
【0058】ハロゲン化銀は、臭化銀、ヨウ化銀、塩化
銀、臭化ヨウ化銀、塩化臭化ヨウ化銀、塩化臭化銀など
のいずれの感光性ハロゲン化銀であることもできる。ハ
ロゲン化銀は立方、斜方、板状、四面体、八角形などを
含むがこれらに限られない、感光性であるいずれの形態
であることもでき、その上に結晶のエピタキシャル成長
を有することができる。
【0059】本発明で用いられるハロゲン化銀は、改質
せずに用いることができる。しかし化学増感剤、例えば
硫黄、セレン、テルリウムなどを含有する化合物、ある
いは金、白金、パラジウム、鉄、ルテニウム、ロジウム
又はイリジウムなどを含有する化合物、還元剤、例えば
ハロゲン化錫など、あるいはそれらの組み合わせを用い
てそれを化学的に増感することができる。これらの方法
の詳細は、T.H.James,“The Theor
y of the PhotographicProc
ess”,Fourth Edition,Macmi
llan Publishing Co.Inc.,N
ew York(1977),Chapter 5,p
ages 149〜169に記載されている。
【0060】本発明で用いられる好ましい実施態様に従
うと、感光性ハロゲン化銀の粒子は、フォトアドレス可
能、熱的現像可能要素において非−凝集性であり、実質
的に光−非感受性有機銀塩の粒子を覆って、及びその間
に均一に分布し、数により粒子の少なくとも80%が透
過型電子顕微鏡により測定される≦40nmの直径を有
する。
【0061】
【有機銀塩と感光性ハロゲン化銀の乳剤】本発明の方法
に従うと、実質的に光−非感受性有機銀塩の粒子の懸濁
液は、EP−A 754 969に開示されている通
り、有機カルボン酸又はその塩の水溶液又は水性懸濁液
及び銀塩の水溶液を水性液体に同時に計量添加し、有機
カルボン酸又はその塩の水溶液又は水性懸濁液を計量添
加し;ならびに/又は銀塩の水溶液を水性液体中の銀イ
オンの濃度又は銀塩のアニオンの濃度によって調整する
ことにより調製することができる。
【0062】ハロゲン化銀は、実質的に光−非感受性有
機銀塩に触媒的に近接させてそれを置くいずれの様式に
おいてもフォト−アドレス可能、熱的現像可能要素に加
えられることができる。結合剤中で別々に生成される、
すなわち外部又は「予備生成」されるハロゲン化銀及び
実質的に光−非感受性有機銀塩を使用前に混合し、コー
ティング溶液を調製することができるが、その両方を長
時間、ブレンドしておくのも有効である。さらに、US
−P 3,457,075に開示されている通り、ハロ
ゲン−含有化合物を有機銀塩に加え、実質的に光−非感
受性有機銀塩を部分的にハロゲン化銀に転化することを
含む方法を用いるのが有効である。
【0063】場合により感光性ハロゲン化銀を含むこと
ができる有機銀塩の水性乳剤は、本発明に従い、場合に
より感光性ハロゲン化銀を含有することができる有機銀
塩の粒子から、非−イオン性又はアニオン性界面活性
剤、あるいは非−イオン性及びアニオン性界面活性剤の
混合物の存在下で、ボールミル摩砕、インピンジメント
ミル(回転子−固定子ミキサー)における分散、微小流
動化装置(microfluidizer)における分
散などの当該技術分野における熟練者に既知のいずれか
の分散法を用いて粒子を水に分散することによっても調
製される。分散法の組み合わせも用いることができ、例
えば第1の方法を用いて予備分散液を調製し、第2の方
法を用いて微細分散液を調製することができる。
【0064】
【ハロゲン化オニウム及びポリハライド】本発明に従う
と、実質的に光−非感受性有機銀塩の粒子の水性分散液
を、ハライド又はポリハライドアニオンとの少なくとも
1種のオニウム塩と反応させることにより製造される、
感光性ハロゲン化銀粒子が存在することができる。本発
明に従うと、オニウムカチオンはポリマー性又は非−ポ
リマー性であることができる。本発明に従う、実質的に
光−非感受性有機銀塩の粒子の、感光性ハロゲン化銀へ
の部分的転化のための好ましい非−ポリマー性オニウム
塩は: PC01=3−(トリフェニル−ホスホニウム)プロピ
オン酸ブロミドパーブロミド PC02=3−(トリフェニル−ホスホニウム)プロピ
オン酸ブロミド PC03=3−(トリフェニル−ホスホニウム)プロピ
オン酸ヨーダイド である。
【0065】オニウム塩は実質的に光−非感受性有機銀
塩の量に対して0.1〜35モル%の量で存在し、0.
5〜20モル%の量が好ましく、1〜12モル%の量が
特に好ましい。
【0066】
【有機還元剤】実質的に光−非感受性有機重金属塩の還
元に適した有機還元剤は、O、N又はCに結合した少な
くとも1つの活性水素原子を含有する有機化合物であ
る。実質的に光−非感受性有機銀塩の還元に特に適した
有機還元剤、実質的に光−非感受性有機銀塩のための有
機還元剤は、少なくとも3つの置換基を有する非−スル
ホ−置換6−員芳香環又は複素芳香環化合物であり、3
つの置換基の1つは第1炭素原子におけるヒドロキシ基
であり、その第2は第2炭素原子上で置換されているヒ
ドロキシ又はアミノ基であり、1、3又は5つの環原子
が共役二重結合の系において、化合物の第1炭素原子か
ら除去され、ここで(i)第3置換基は縮合(anne
lated)炭素環又は複素環系の一部であることがで
き;(ii)第3置換基又はそれ以上の置換基はそのア
リール基がヒドロキシ−、チオール−もしくはアミノ−
基で置換されているアリール−又はオキソ−アリール−
基ではなく;(iii)第3置換基又はそれ以上の置換
基は、第2置換基がアミノ基の場合、非−スルホ−電子
吸引性基である。
【0067】特に好ましい還元剤は置換カテコール類又
は置換ヒドロキノン類であり、3−(3’,4’−ジヒ
ドロキシフェニル)−プロピオン酸、3’,4’−ジヒ
ドロキシ−ブチロフェノン、没食子酸メチル、没食子酸
エチル及び1,5−ジヒドロキシ−ナフタレンが特に好
ましい。
【0068】熱的現像過程の間、還元剤は、それが実質
的に光−非感受性有機銀塩粒子に拡散し、実質的に光−
非感受性有機銀塩の還元が起こり得るような方法で存在
しなければならない。
【0069】
【補助還元剤】一次還元剤又は主還元剤とみなされる上
記の還元剤を、いわゆる補助還元剤と一緒に用いること
ができる。上記の一次還元剤と一緒に用いることができ
る補助還元剤は、US−P 5,464,738に開示
されているようなスルホニルヒドラジド還元剤、US−
P 5,496,695に開示されているようなトリチ
ルヒドラジド及びホルミル−フェニル−ヒドラジド、な
らびに有機還元性金属塩、例えばUS−P 3,46
0,946及び3,547,648に記載されているよ
うなステアリン酸錫である。
【0070】
【サーマルソルベント】上記の結合剤又はその混合物
は、ワックスあるいは、高温における酸化−還元反応の
反応速度を向上させる「サーマルソルベント」又は「サ
ーモソルベント」とも呼ばれる「ヒートソルベント」と
一緒に用いることができる。
【0071】本発明において「ヒートソルベント」とい
う用語は、50℃より低温において記録層中で固体の状
態であるが、60℃より高温において、熱的に加熱され
た記録層のための可塑剤、ならびに/又は酸化還元反応
物の少なくとも1つ、例えば実質的に光−非感受性有機
銀塩のための還元剤のための液体溶媒となる加水分解−
不可能な有機材料を意味する。
【0072】
【調色剤】高い濃度において中性のブラック画像色調
を、低い濃度において中性のグレーを得るために、本発
明のフォトサーモグラフィ材料は1種又はそれ以上の調
色剤を含有することができる。調色剤は、熱的処理の
間、実質的に光−非感受性有機銀塩及び還元剤と熱的作
用関係になければならない。サーモグラフィ又はフォト
サーモグラフィから既知のいずれの調色剤も用いること
ができる。
【0073】適した調色剤は、コハク酸イミド及びフタ
ルイミド、ならびにUS−P 4,082,901に記
載されている一般式の範囲内のフタラジノン、ならびに
US−P 3,074,809、US−P 3,44
6,648及びUS−P 3,844,797に記載さ
れている調色剤である。特に有用な調色剤は、GB−P
1,439,478及びUS−P 3,951,660
に記載されているようなベンズオキサジンジオン又はナ
フトオキサジンジオン型の複素環式トナー化合物であ
る。
【0074】
【安定剤及びカブリ防止剤】保存寿命を向上させ、カブ
リを減少させるために、安定剤及びカブリ防止剤を本発
明のフォトサーモグラフィ材料中に挿入することができ
る。単独で、又は組み合わせて用いることができる適し
た安定剤及びカブリ防止剤、ならびにそれらの前駆体の
例には、US−P 2,131,038及び2,69
4,716に記載のチアゾリウム塩;US−P 2,8
86,437及び2,444,605に記載のアザイン
デン類;US−P 3,287,135に記載のウラゾ
ール類;US−P 3,235,652に記載のスルホ
カテコール類;GB−P 623,448に記載のオキ
シム類;US−P 3,220,839に記載のチウロ
ニウム塩;US−P 2,566,263及び2,59
7,915に記載の白金及び金塩;US−P 3,70
0,457に記載のテトラゾリル−チオ−化合物;US
−P 4,404,390及び4,351,896に記
載のメソイオン性1,2,4−トリアゾリウム−3−チ
オレート安定剤前駆体;EP−A 600587に記載
のトリブロモメチルケトン化合物;EP−A 600
586に記載のイソシアナートとハロゲン化化合物の組
み合わせ;EP−A 600 589に記載のビニルス
ルホン及びβ−ハロスルホン化合物;ならびに“Ima
ging Processes and Materi
als,Neblette’s 8th editio
n”,by D.Kloosterboer,edit
ed by J.Sturge,V.Walworth
and A.Shepp,page 279,Van
Nostrand(1989)の9章に;Resea
rch Disclosure 17029 publ
ished in June 1989に;ならびにこ
れらの文献すべてにおいて引用されている参照文献にこ
れに関して挙げられている化合物が含まれる。
【0075】
【界面活性剤】水性媒体中の実質的に光−非感受性有機
銀塩の粒子の分散液の調製のために、及び水性媒体中に
ポリマーラテックスなどの水−分散性結合剤を分散する
ために、非−イオン性、カチオン性又はアニオン性界面
活性剤を本発明に従って用いることができる。本発明で
用いられる好ましい実施態様の場合、界面活性剤はスル
ホネート、例えばアルキル、アリール、アルカリール又
はアラルキルスルホネートであり、アルキル及びアルカ
リールスルホネート、例えば: MERSOLATTM H,BAYERからのアルキルス
ルホネートのナトリウム塩 ULTRAVONTM W,CIBA−GEIGYからの
アリールスルホネートのナトリウム塩 が特に好ましい。
【0076】
【追加の成分】成分に加え、フォトサーモグラフィ材料
は他の添加剤、例えば遊離の有機カルボン酸、界面活性
剤、帯電防止剤、例えばF3C(CF26CONH(C
2CH2O)−Hにおけるようにフルオロカーボン基を
含有する非−イオン性帯電防止剤、シリコン油、例えば
BAYSILONE oel A(BAYER AG−
GERMANYの商品名)、紫外光吸収性化合物、白色
光反射性及び/又は紫外光反射性顔料、シリカ、ならび
に/又は光学的増白剤を含有することができる。
【0077】
【ハレーション防止色素】本発明の好ましい実施態様に
従うと、フォトサーモグラフィ記録材料はさらに、感光
層を通過した光を吸収し、それによりその反射を防止す
るハレーション防止又はアキュータンス色素を含む。そ
のような色素はフォト−アドレス可能な熱的現像可能要
素中に又は本発明のフォトサーモグラフィ記録材料を構
成する他のいずれかの層に挿入することができる。ハレ
ーション防止色素も、熱的現像過程の間に熱的に漂白さ
れるか又は熱的現像過程の後に光−漂白されることがで
き、それは露光過程に続いて除去され得る層に含有され
ることができる。赤外光の場合に用いるのに適したハレ
ーション防止色素はEP−A’s 377 961及び
652 473、EP−B’s 101 646及び1
02 781、ならびにUS−P’s 4,581,3
25及び5,380,635に記載されている。
【0078】
【支持体】本発明のフォトサーモグラフィ記録材料のた
めの支持体は、透明、半透明又は不透明である、例えば
白色光反射面(white light reflec
ting aspect)を有することができ、例えば
紙、ポリエチレン塗布紙、あるいは例えば三酢酸セルロ
スーなどのセルロースエステル、コロナ及び火炎処理ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリカーボネートもしくはポリエステル、例えばポ
リエチレンテレフタレートもしくはGB 1,293,
676、GB 1,441,304及びGB 1,45
4,956に開示されているようなポリエチレンナフタ
レートから作られた透明樹脂フィルから作られた薄い柔
軟性担体が好ましい。例えば白色反射性顔料を含有する
ことができる紙ベース基質が存在し、その顔料は場合に
より記録材料と紙ベース基質の間の中間層にも適用され
ることができる。
【0079】支持体はシート、リボン又はウェブの形態
であることができ、その上にコーティングされる感−熱
性記録層への接着性を向上させる必要がある場合は下塗
りされていることができる。
【0080】ポリエチレンテレフタレート支持体の場合
に、感熱要素と、本発明の帯電防止最外裏引き層の接着
性を向上させるために適した下塗り層は、例えばGB−
P1,234,755、US−P 3,397,98
8;3,649,336;4,123,278及び、ス
ルホン化コポリエステルの水性分散液から適用される下
塗り層に関するUS−P 4,478,907に記載さ
れており、さらに下塗り層はResearch Dis
closure published inProdu
ct Licensing Index,July 1
967,p.6に記載されている。
【0081】疎水性樹脂支持体の適した予備処理は、例
えばコロナ放電及び/又は溶媒による攻撃を用いて処理
し、それにより微小−粗面化を与えることである。
【0082】
【保護層】本発明のフォトサーモグラフィ記録材料の好
ましい実施態様に従うと、フォト−アドレス可能な熱的
現像可能要素には保護層が設けられる。
【0083】保護層は結合剤を含むのが好ましく、それ
は溶媒可溶性(疎水性)、溶媒分散性、水溶性(親水
性)又は水分散性であることができる。疎水性結合剤の
中で、EP−A 614 769に記載されているよう
なポリカーボネートが特に好ましい。適した親水性結合
剤は、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロ
ース誘導体又は他の多糖類、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロースなどであり、硬膜可
能な結合剤が好ましく、ポリビニルアルコールが特に好
ましい。
【0084】本発明で用いられる保護層は架橋されるこ
とができる。架橋は、WO 95/12495において
記載されているような保護層のための架橋剤を用いて行
うことができる。
【0085】本発明で用いられる保護層は、結合剤中に
150℃より低い融点を有する少なくとも1種の固体潤
滑剤及び少なくとも1種の液体潤滑剤を含み、潤滑剤の
少なくとも1種がリン酸誘導体である他に、さらに溶解
された潤滑材料及び/又は粒子状材料、例えば場合によ
り最外層から突き出ていることができるタルク粒子を含
むことができる。潤滑剤はポリマー結合剤を用いて又は
用いずに適用されることができる。
【0086】そのような保護層は粒子状材料、例えばW
O 94/11198に記載されているような、場合に
より保護最外層から突き出ていることができるタルク粒
子も含むことができる。他の添加剤、例えばコロイドシ
リカなどのコロイド粒子を保護層に挿入することもでき
る。
【0087】
【帯電防止層】本発明の記録材料の好ましい実施態様の
場合、支持体の、フォト−アドレス可能な熱的現像可能
要素がコーティングされていない側の最外層に帯電防止
層が適用される。そのための適した帯電防止層は、EP
−A’s 444 326、534 006及び644
456、US−P’s 5,364,752及び5,
472,832、ならびにDOS 4125758に記
載されている。
【0088】
【コーティング法】本発明のフォトサーモグラフィ材料
のいずれの層のコーティングも、例えばModern
Coating and Drying Techno
logy,edited by Edward D.C
ohen and Edgar B.Gutoff,
(1992) VCH Publishers In
c.220 East 23rd Street,Su
ite 909 New York,NY 1001
0,U.S.A.に記載されているようないずれのコー
ティング法によっても行うことができる。
【0089】
【記録法】本発明のフォトサーモグラフィ材料は赤外線
を用いて露光することができ、画像は精密に焦点が合わ
された光源、例えばIR波長レーザー又は例えば780
nm、830nmもしくは850nmで発光するIR−
レーザーダイオードを用いる画素−通りの露光により;
あるいは対象物自身への、又はIR光を用いたそれから
の画像への直接の露光により得られる。
【0090】本発明の画像−通りに露光されたフォトサ
ーモグラフィ記録材料の熱的現像のために、例えば接触
加熱、輻射加熱、マイクロ波加熱などの、関連する用途
の場合に許容され得る時間内に記録材料を現像温度に均
一に加熱することを可能にするいずれの種類の熱源も用
いることができる。
【0091】本発明に従い、:(i)上記のフォトサー
モグラフィ記録材料を、フォトサーモグラフィ記録材料
が感受性である化学線を用いて画像−通りに露光し;
(ii)画像−通りに露光されたフォトサーモグラフィ
記録材料を熱的に現像する段階を含むフォトサーモグラ
フィ記録法も提供する。
【0092】
【用途】本発明のフォトサーモグラフィ記録材料は、ト
ランスパレンシー及び反射型プリントの作製の両方に用
いることができる。これは、支持体が透明又は、例えば
白色光反射面を有する不透明であろうことを意味する。
例えば白色反射性顔料を含有することができる紙ベース
基質が存在し、その顔料は場合により記録材料と紙ベー
ス基質の間の中間層にも適用される。透明ベースが用い
られる場合、ベースは無色であることができ、又は着色
されて、例えば青色を有することができる。
【0093】ハードコピーの分野では、白色不透明ベー
ス上のフォトサーモグラフィ記録材料が用いられるが、
医学的診断の分野では、ライトボックスを用いて操作さ
れる検査法においてブラック−画像形成トランスパレン
シーが広く用いられる。
【0094】上記の成分の他に以下の成分が本発明を例
示する実施例及び比較実施例のフォトサーモグラフィ記
録材料において用いられた: EP−A 559 228に従う以下の超色増感剤: SS C01:2−メルカプトベンズイミダゾール; SS C02:2−メルカプトベンゾチアゾール−5−
[N−(4’−クロロフェニル)]スルホンアミド;及
びラテックス結合剤: BINDER 01:45重量%のメチルメタクリレー
ト、45重量%のブタジエン及び10重量%のイタコン
酸から成るコポリマー。
【0095】以下の実施例及び比較実施例は、本発明を
例示する。実施例において用いられるパーセンテージ及
び比率は、他に示されていなければ重量による。
【0096】
【実施例】
【0097】
【比較実例1〜22】 EP−A 559 228に開示されているIR−分光
増感剤及び複素芳香族メルカプト超色増感剤を有するフ
ォトサーモグラフィ材料に関する技術の現状の、水性媒
体からコーティングされるフォト−アドレス可能、熱的
現像可能要素を含むフォトサーモグラフィ記録材料への
外挿:
【0098】
【ベヘン酸銀分散液】340mLの2−プロパノールに
65℃において34g(0.1モル)のベヘン酸を溶解
し、撹拌されたベヘン酸溶液に400mLの0.24M
水酸化ナトリウム水溶液を加えることによりベヘン酸を
ベヘン酸ナトリウムに転化し、最後に250mLの0.
4M硝酸銀水溶液を加えてベヘン酸銀を析出させること
によりベヘン酸銀を製造した。これを濾過し、10体積
%の2−プロパノール及び90体積%の脱イオン水の混
合物で洗浄して残留硝酸ナトリウムを除去した。
【0099】45℃で12時間乾燥した後、ベヘン酸銀
をアニオン性分散剤UltravonTM W及びMer
solatTM Hを用いて脱イオン水に分散させ、高速
インピンジメントミル(回転子−固定子ミキサー)を用
いて急速に混合してペーストを得、微小流動化装置を用
いて均質化した後、20重量%のベヘン酸銀、2.1重
量%のUltravonTM W及び0.203重量%の
MersolatTMHを含有する微粉砕された安定な分
散液を得た。得られた分散液のpHを約6.5に調節し
た。
【0100】
【フォトサーモグラフィ乳剤】
次いで以下の成分:2gの2.22重量%の3−(トリ
フェニル−ホスホニウム)プロピオン酸ブロミド(PC
02)の水溶液、ベヘン酸銀に対して8モル%のPC0
2の濃度に対応、を3.0gのベヘン酸銀分散液にpH
4において撹拌しながら加え、ベヘン酸銀の一部の臭化
銀へのその場転化を行った。さらに10分間撹拌した
後、超色増感剤を表1に特定される通り水及び/又はメ
タノール中の溶液として撹拌しながら加え、直後にIR
−分光増感剤を表1に特定される通り水及び/又はメタ
ノール中の溶液又は分散液として加えた。さらに15分
間撹拌した後、2gの30重量%の濃度のBINDER
01をpH4において撹拌しながら加え、続いて2g
の4.5重量%の3−(3’,4’−ジヒドロキシフェ
ニル)プロピオン酸の水溶液を加えた。
【0101】
【表1】
【0102】
【フォトサーモグラフィ材料のコーティング及び乾燥】
100μmの厚さを有する下塗りされたポリエチレンテ
レフタレート支持体にベヘン酸銀/臭化銀分散液を、9
0μmのブレード設定でドクターブレード−コーティン
グした。コーティング床上で40℃において数分間乾燥
した後、乳剤層を熱風炉において40℃で1時間乾燥し
た。
【0103】
【画像−通りの露光及び熱処理】比較実施例1〜22の
フォトサーモグラフィ材料を、115μmの点直径を与
えるように焦点を合わされた12.8mWの公称出力を
有し、63μmのピッチ及び30%のオーバーラップで
5m/秒の速度において走査されるHITACHIから
の836nmダイオードレーザーHL型 8318Gの
ビームに、0.15の光学濃度ステップで0〜3.3の
間で変化する光学濃度を有するウェッジフィルターを介
して露光した。最大露光(フィルター光学濃度=0)は
約50J/m2であった。
【0104】熱処理は加熱金属ブロック上で、表2に特
定される通り5〜30秒間、105〜115℃において
行った。画像の最大及び最低光学濃度、Dmax及びDmin
をMacBethTM TR924デンシトメーターを用
い、可視フィルターを介して透過において測定した。
【0105】比較実施例1〜22のフォトサーモグラフ
ィ材料を画像−通りに露光し、熱処理して得られたD
max−及びDmin−値を、IR−増感剤、超色増感剤、超
色増感剤対IR−増感剤のモル比及び用いられた熱処理
条件と共に表2にまとめる。
【0106】13〜74の超色増感剤対IR−増感剤の
モル比において5種のIR−増感剤及び2種のメルカプ
ト−増感剤を用いて得た結果は、最高でも中程度の超色
増感を示すのみであり、技術の現状の、水性媒体からコ
ーティングされるフォト−アドレス可能、熱的現像可能
要素を含むフォトサーモグラフィ記録材料への外挿が決
して明らかでないことを示している。
【0107】
【表2】
【0108】
【本発明の実施例1〜12及び比較実施例23〜25】
水性媒体からコーティングされるIR−増感剤及びスチ
ルベン超色増感剤を有するフォト−アドレス可能、熱的
現像可能要素を含むフォトサーモグラフィ記録材料:本
発明の実施例1〜12及び比較実施例23〜25のフォ
トサーモグラフィ乳剤を、各フォトサーモグラフィ乳剤
に用いられるIR−増感剤、IR−増感剤溶液又は分散
液、IR−増感剤溶液又は分散液の重量、超色増感剤、
超色増感剤溶液及び超色増感剤溶液の重量が表3に示さ
れる通りである以外は、比較実施例1〜22の場合に記
載した通りに調製した。
【0109】
【表3】
【0110】本発明の実施例1〜12及び比較実施例2
3〜25のフォトサーモグラフィ乳剤を比較実施例1〜
22の場合に記載した通りにコーティングし、次いでや
はり比較実施例1〜22の場合に記載した通りに画像−
通りに露光し、熱的に処理し、得られる画像を評価し
た。
【0111】本発明の実施例1〜12及び比較実施例2
3〜25のフォトサーモグラフィ材料を画像−通りに露
光し、熱処理して得られたDmax−及びDmin−値を、I
R−増感剤、超色増感剤、超色増感剤対IR−増感剤の
モル比及び用いられた熱処理条件と共に表4にまとめ
る。比較のために比較実施例1、9及び16に関する対
応するデータを表4に含める。
【0112】
【表4】
【0113】水性媒体からコーティングされるフォト−
アドレス可能、熱的現像可能要素を含むフォトサーモグ
ラフィ記録材料に関し、3〜18の超色増感剤対IR−
増感剤のモル比において6種のIR−増感剤及び5種の
スチルベン−超色増感剤を用いて得た結果は、メルカプ
ト−超色増感剤を用いる対応する材料と比較してずっと
優れた超色増感性能を示す。これは、メルカプト−超色
増感剤はサーモグラフィ材料において優れた超色増感性
を示すが、比較実施例Gで評価されたスチルベン超色増
感剤、SANDOZからのLeucophor BCF
は超色増感の不在を示すことを示したEP−A 559
228に引用された結果と全く異なる。これは水性媒
体からコーティングされるフォト−アドレス可能、熱的
現像可能要素における超色増感と、有機溶媒媒体からコ
ーティングされるフォト−アドレス可能、熱的現像可能
要素における超色増感の間の基本的相違を確証してい
る。
【0114】本発明の好ましい実施態様を詳細に説明し
てきたが、ここで、添付の特許請求の範囲に限定される
本発明の範囲から逸脱することなく、多数の修正をそこ
において行うことができることは、当該技術分野におけ
る熟練者に明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヨアン・ロキユフイエ ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 (72)発明者 ゲールト・デローバー ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 (72)発明者 パウル・カラント ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に光−非感受性有機銀塩、該実質
    的に光−非感受性有機銀塩と触媒的に会合しており且つ
    色素を用いて赤外光に対して分光増感されている感光性
    ハロゲン化銀、該色素のための超色増感剤、該実質的に
    光−非感受性有機銀塩と熱的作用関係にある還元剤及び
    結合剤を含むフォト−アドレス可能な熱的現像可能要素
    を含むフォトサーモグラフィ記録材料であって、該結合
    剤が水溶性ポリマー、水−分散性ポリマー又は水溶性ポ
    リマーと水−分散性ポリマーを含むフォトサーモグラフ
    ィ記録材料であって、該色素が700〜1100nmの
    波長領域における電磁線を吸収し;該超色増感剤が一般
    式(I): 【化1】 [式中、R1、R2、R3及びR4は独立して水素あるいは
    アルキル、アリール、アラルキル、アルカリール、アル
    コキシ又はアリールオキシ基であり、それらはすべて置
    換されていることができ;R5、R6、R7、R8、R9
    10、R11及びR12は独立して水素及びアルキル、置換
    アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、カルボキシ又
    はスルホ基である]により示されるスチルベン化合物で
    あることを特徴とするフォトサーモグラフィ記録材料。
  2. 【請求項2】 (i)該実質的に光−非感受性有機銀
    塩、該色素を用いて赤外光に対して分光増感されている
    該感光性ハロゲン化銀、該色素のための該超色増感剤、
    該還元剤及び該結合剤を含む1つ又は複数の水性分散液
    を調製し;(ii)該1つ又は複数の水性分散液を支持
    体上にコーティングする段階を含む請求項1に記載のフ
    ォトサーモグラフィ記録材料の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の又は請求項2に従って
    製造されるフォトサーモグラフィ材料を赤外化学線に画
    像通りに露光し;該フォトサーモグラフィ記録材料を全
    体的に加熱する段階を含むフォトサーモグラフィ記録材
    料のための記録法。
JP21140697A 1996-07-24 1997-07-22 700〜1100nmの波長領域における電磁線を吸収する少なくとも1種の色素を含むフオトサーモグラフイ材料 Pending JPH10111543A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP96202107 1996-07-24
DE96202107.7 1996-07-24

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10111543A true JPH10111543A (ja) 1998-04-28

Family

ID=8224231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21140697A Pending JPH10111543A (ja) 1996-07-24 1997-07-22 700〜1100nmの波長領域における電磁線を吸収する少なくとも1種の色素を含むフオトサーモグラフイ材料

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPH10111543A (ja)
DE (1) DE69735697T2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1582919A1 (en) 2004-03-23 2005-10-05 Fuji Photo Film Co. Ltd. Silver halide photosensitive material and photothermographic material
EP1635216A1 (en) 2004-09-14 2006-03-15 Fuji Photo Film Co., Ltd. Photothermographic material
JP2016519080A (ja) * 2013-03-15 2016-06-30 ビセン メディカル, インコーポレイテッド 4,4−二置換シクロヘキシル架橋ヘプタメチンシアニン色素およびその使用

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1582919A1 (en) 2004-03-23 2005-10-05 Fuji Photo Film Co. Ltd. Silver halide photosensitive material and photothermographic material
EP1635216A1 (en) 2004-09-14 2006-03-15 Fuji Photo Film Co., Ltd. Photothermographic material
JP2016519080A (ja) * 2013-03-15 2016-06-30 ビセン メディカル, インコーポレイテッド 4,4−二置換シクロヘキシル架橋ヘプタメチンシアニン色素およびその使用
JP2019151665A (ja) * 2013-03-15 2019-09-12 ビセン メディカル, インコーポレイテッド 4,4−二置換シクロヘキシル架橋ヘプタメチンシアニン色素およびその使用
US11193932B2 (en) 2013-03-15 2021-12-07 Visen Medical, Inc. 4,4-disubstituted cyclohexyl bridged heptamethine cyanine dyes and uses thereof

Also Published As

Publication number Publication date
DE69735697T2 (de) 2007-01-18
DE69735697D1 (de) 2006-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6143488A (en) Photothermographic recording material coatable from an aqueous medium
EP0839337B1 (en) Photothermographic recording material
US6607872B1 (en) Photothermographic recording material
US5876915A (en) Photothermographic recording material comprising sensitizing dyes and a recording process therefor
US6274297B1 (en) Photothermographic recording material with in-situ and ex-situ photosensitive silver halide and a substantially light-insensitive organic salt
EP0904564B1 (en) Production method for a photothermographic material and a recording process
US6074814A (en) Photothermographic material comprising an infra-red sensitizer
US5958667A (en) Photothermographic recording material comprising IR-sensitizing dyes
US5851755A (en) Photothermographic material comprising at least one dye absorbing electromagnetic radiation in the wavelength range 700 to 1100NM
JPH10111543A (ja) 700〜1100nmの波長領域における電磁線を吸収する少なくとも1種の色素を含むフオトサーモグラフイ材料
JP3794793B2 (ja) 増感色素を含むフオトサーモグラフイ記録材料及びそのための記録法
EP0821271B1 (en) Process for preparing an Infra-red photothermographic material comprising a spectral sensitizer and a stilbene derivative supersensitizer and image recording method
EP0851284B1 (en) Photothermographic recording material coatable from an aqueous medium
US20010028996A1 (en) Emulsion for a photothermographic material, a production process for the thermographic material and a recording process therefor
EP0821272B1 (en) Method of preparing a photothermographic recording material comprising IR-sensitizing dyes
EP0821266A1 (en) Photothermographic recording material comprising sensitizing dyes and a recording process therefor
EP0821270A1 (en) Photothermographic material comprising an infra-red sensitizer
US6010843A (en) Photothermographic recording material comprising a hydrazine compound and a recording process therefor
JPH1073899A (ja) 赤外増感剤含有フオトサーモグラフイツク材料
JPH1073901A (ja) 赤外増感染料を含んでなるフオトサーモグラフイ記録材料
JPH1097025A (ja) ヒドラジン化合物含有フオトサーモグラフイツク記録材料およびそれの記録方法
JPH1097026A (ja) フオトサーモグラフイ材料用の乳剤、フオトサーモグラフイ材料の製造方法およびそのための記録方法