JPH10110724A - 軸受およびその製造方法 - Google Patents
軸受およびその製造方法Info
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- JPH10110724A JPH10110724A JP26635796A JP26635796A JPH10110724A JP H10110724 A JPH10110724 A JP H10110724A JP 26635796 A JP26635796 A JP 26635796A JP 26635796 A JP26635796 A JP 26635796A JP H10110724 A JPH10110724 A JP H10110724A
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- bearing
- impregnated
- sintered oil
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の軸受においては、軸心ズレを微小であ
れば許容できるものの、その程度が比較的小さいもので
あった。すなわち、調芯性が小さいという問題があっ
た。 【解決手段】 回転軸Aにかかるラジアル方向の荷重を
支持するための軸受21であって、焼結され、含油処理
されるとともに、軸線方向の一端部側に位置する内周面
が回転軸Aの外周面に摺接して回転軸Aを支持する第1
のラジアル軸受部31とされた焼結含油円筒体30と、
この焼結含油円筒体30の他端部側に形成された周溝3
4内において、焼結含油円筒体30の内面35から径方
向内方に突出することにより回転軸Aの外周面を支持す
る第2のラジアル軸受部を構成した状態で配設された複
数の球体50とを具備する。
れば許容できるものの、その程度が比較的小さいもので
あった。すなわち、調芯性が小さいという問題があっ
た。 【解決手段】 回転軸Aにかかるラジアル方向の荷重を
支持するための軸受21であって、焼結され、含油処理
されるとともに、軸線方向の一端部側に位置する内周面
が回転軸Aの外周面に摺接して回転軸Aを支持する第1
のラジアル軸受部31とされた焼結含油円筒体30と、
この焼結含油円筒体30の他端部側に形成された周溝3
4内において、焼結含油円筒体30の内面35から径方
向内方に突出することにより回転軸Aの外周面を支持す
る第2のラジアル軸受部を構成した状態で配設された複
数の球体50とを具備する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸にかかるラ
ジアル方向の荷重を支持するための軸受に関するもので
ある。また、そのような軸受の製造方法に関するもので
ある。
ジアル方向の荷重を支持するための軸受に関するもので
ある。また、そのような軸受の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来よりラジアル方向の荷重を受けるた
めの滑り軸受の1つとして、焼結含油軸受が知られてい
る。このような焼結含油軸受は、ポーラスなものであ
り、含浸されたオイルが滲み出すことにより、回転軸と
の間に油膜を形成することができる。したがって、無給
油潤滑可能な軸受として使用されている。
めの滑り軸受の1つとして、焼結含油軸受が知られてい
る。このような焼結含油軸受は、ポーラスなものであ
り、含浸されたオイルが滲み出すことにより、回転軸と
の間に油膜を形成することができる。したがって、無給
油潤滑可能な軸受として使用されている。
【0003】上記のような焼結含油軸受は、例えば、図
7に示すような形態で使用される。すなわち、焼結含油
軸受を備える軸受1は、保持リング2の上下端部に、焼
結含油円筒体3、4がそれぞれ配設されて構成されてい
る。この場合、焼結含油円筒体3、4の各内周面3a、
4aが、回転軸5の外周面に摺接しており、外周面との
間に油膜を形成して軸受面として機能している。
7に示すような形態で使用される。すなわち、焼結含油
軸受を備える軸受1は、保持リング2の上下端部に、焼
結含油円筒体3、4がそれぞれ配設されて構成されてい
る。この場合、焼結含油円筒体3、4の各内周面3a、
4aが、回転軸5の外周面に摺接しており、外周面との
間に油膜を形成して軸受面として機能している。
【0004】しかしながら、上記の軸受1においては、
図に示すように、設置時に負荷側(図示矢印X側)にお
いて図示矢印Yで示すような微小な軸心ズレがある場合
には、回転軸5が片当たりした状態で使用されることに
なる。よって、焼結含油円筒体3の内周面3aに大きな
負荷がかかった状態で使用されることになり、結局、焼
結含油円筒体3が摩耗してしまうことになる。
図に示すように、設置時に負荷側(図示矢印X側)にお
いて図示矢印Yで示すような微小な軸心ズレがある場合
には、回転軸5が片当たりした状態で使用されることに
なる。よって、焼結含油円筒体3の内周面3aに大きな
負荷がかかった状態で使用されることになり、結局、焼
結含油円筒体3が摩耗してしまうことになる。
【0005】上記欠点を改善するために、図8に示すよ
うな構成が考えられる。すなわち、焼結含油軸受を備え
る軸受11は、保持リング12の上下端部に、ボールベ
アリング13、焼結含油円筒体14がそれぞれ配設され
て構成されている。ボールベアリング13は、インナー
レース13a、アウターレース13b間にボール13c
を備えるものである。
うな構成が考えられる。すなわち、焼結含油軸受を備え
る軸受11は、保持リング12の上下端部に、ボールベ
アリング13、焼結含油円筒体14がそれぞれ配設され
て構成されている。ボールベアリング13は、インナー
レース13a、アウターレース13b間にボール13c
を備えるものである。
【0006】上記軸受11であると、インナーレース1
3a、アウターレース13b間に隙間があることから、
微小なものであれば、軸心ズレを許容することが可能で
ある。
3a、アウターレース13b間に隙間があることから、
微小なものであれば、軸心ズレを許容することが可能で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
軸受11において、軸心ズレがある場合には、インナー
レース13aがアウターレース13bに対して傾いた状
態で使用されることになり、回転抵抗が大きくなってし
まうという問題があった。また、この構成においては、
軸心ズレを微小であれば許容できるものの、その程度が
比較的小さいものであった。すなわち、調芯性が小さい
という問題があった。
軸受11において、軸心ズレがある場合には、インナー
レース13aがアウターレース13bに対して傾いた状
態で使用されることになり、回転抵抗が大きくなってし
まうという問題があった。また、この構成においては、
軸心ズレを微小であれば許容できるものの、その程度が
比較的小さいものであった。すなわち、調芯性が小さい
という問題があった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、軸心ズレがある場合においても回転抵抗を低く維持
し得るとともに、調芯性の大きな軸受を提供することを
目的とする。また、上記のような軸受を容易に製造し得
る方法を提供することも、また、本発明の目的である。
で、軸心ズレがある場合においても回転抵抗を低く維持
し得るとともに、調芯性の大きな軸受を提供することを
目的とする。また、上記のような軸受を容易に製造し得
る方法を提供することも、また、本発明の目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の軸受にお
いては、回転軸にかかるラジアル方向の荷重を支持する
ための軸受であって、焼結され、含油処理されるととも
に、軸線方向の一端部側に位置する内周面が前記回転軸
の外周面に摺接して前記回転軸を支持する第1のラジア
ル軸受部とされた焼結含油円筒体と、該焼結含油円筒体
の他端部側に形成された周溝内において、該焼結含油円
筒体の内面から径方向内方に突出することにより前記回
転軸の外周面を支持する第2のラジアル軸受部を構成し
た状態で配設された複数の転動体とを具備することを特
徴としている。請求項2記載の軸受においては、請求項
1記載の軸受において、前記焼結含油円筒体の前記他端
部側には、端面から前記軸線方向内方に向けて凹む凹所
が形成され、該凹所は、前記複数の転動体が配設される
前記周溝を形成した状態で、押え部材により閉塞されて
いることを特徴としている。請求項3記載の軸受におい
ては、請求項1または2記載の軸受において、前記押え
部材は、前記焼結含油円筒体よりも硬質の金属からなる
ことを特徴としている。請求項4記載の軸受において
は、請求項1、2または3記載の軸受において、前記焼
結含油円筒体の軸線方向一端面には、軸線を同じくして
リング溝が形成されており、該リング溝内には、スラス
ト用転動体が、前記焼結含油円筒体の端面から軸方向外
方に突出することにより前記回転軸にかかるスラスト力
を支持し得るよう配設されていることを特徴としてい
る。
いては、回転軸にかかるラジアル方向の荷重を支持する
ための軸受であって、焼結され、含油処理されるととも
に、軸線方向の一端部側に位置する内周面が前記回転軸
の外周面に摺接して前記回転軸を支持する第1のラジア
ル軸受部とされた焼結含油円筒体と、該焼結含油円筒体
の他端部側に形成された周溝内において、該焼結含油円
筒体の内面から径方向内方に突出することにより前記回
転軸の外周面を支持する第2のラジアル軸受部を構成し
た状態で配設された複数の転動体とを具備することを特
徴としている。請求項2記載の軸受においては、請求項
1記載の軸受において、前記焼結含油円筒体の前記他端
部側には、端面から前記軸線方向内方に向けて凹む凹所
が形成され、該凹所は、前記複数の転動体が配設される
前記周溝を形成した状態で、押え部材により閉塞されて
いることを特徴としている。請求項3記載の軸受におい
ては、請求項1または2記載の軸受において、前記押え
部材は、前記焼結含油円筒体よりも硬質の金属からなる
ことを特徴としている。請求項4記載の軸受において
は、請求項1、2または3記載の軸受において、前記焼
結含油円筒体の軸線方向一端面には、軸線を同じくして
リング溝が形成されており、該リング溝内には、スラス
ト用転動体が、前記焼結含油円筒体の端面から軸方向外
方に突出することにより前記回転軸にかかるスラスト力
を支持し得るよう配設されていることを特徴としてい
る。
【0010】請求項5記載の軸受の製造方法において
は、請求項2ないし4のいずれかに記載の軸受を製造す
るための方法であって、予め、前記凹所が形成された前
記焼結含油円筒体と、前記複数の転動体と、前記押え部
材とを準備しておき、前記焼結含油円筒体内にガイド棒
を挿入し、前記複数の転動体を前記凹所内に投入し、前
記押え部材を前記周溝を形成した状態で前記凹所内に固
定することを特徴としている。請求項6記載の軸受の製
造方法においては、請求項5記載の軸受の製造方法にお
いて、前記ガイド棒は、該ガイド棒を前記焼結含油円筒
体内に配置したときに、奥側よりも手前側の開口を広く
するよう、先細り形状であることを特徴としている。
は、請求項2ないし4のいずれかに記載の軸受を製造す
るための方法であって、予め、前記凹所が形成された前
記焼結含油円筒体と、前記複数の転動体と、前記押え部
材とを準備しておき、前記焼結含油円筒体内にガイド棒
を挿入し、前記複数の転動体を前記凹所内に投入し、前
記押え部材を前記周溝を形成した状態で前記凹所内に固
定することを特徴としている。請求項6記載の軸受の製
造方法においては、請求項5記載の軸受の製造方法にお
いて、前記ガイド棒は、該ガイド棒を前記焼結含油円筒
体内に配置したときに、奥側よりも手前側の開口を広く
するよう、先細り形状であることを特徴としている。
【0011】請求項1記載の発明によると、軸線方向の
一端部側および他端部側において、それぞれ第1および
第2のラジアル軸受部により、ラジアル方向の荷重の支
持を行う。第1のラジアル軸受部においては、焼結含油
円筒体の内周面が、焼結含油円筒体から滲み出すオイル
により回転軸との間に油膜を形成して小さな回転抵抗で
支持を行う。また、第2のラジアル軸受部においては、
周溝内に配設された複数の転動体が、一方では焼結含油
円筒体から給油されつつ他方では回転軸の外周面上を転
がりつつ小さな回転抵抗で支持を行う。ここで、軸心ズ
レが存在している場合でも、第2のラジアル軸受部にお
いては、各転動体において回転軸の外周面との接触点が
ずれるだけであり、回転抵抗を低く維持したまま支持を
行い得ることに変わりはない。よって、調芯性の大きな
軸受が得られる。請求項2記載の発明によると、焼結含
油円筒体の凹所は、周溝を形成した状態で押え部材によ
り閉塞されるので、周溝内に配設される転動体の飛び出
しが容易な手段で防止される。請求項3記載の発明によ
ると、押え部材が、焼結含油円筒体よりも硬質の金属か
ら構成されているので、押え部材は、焼結含油円筒体よ
りも摩耗が低く抑えられる。周溝は、押え部材と焼結含
油円筒体とで形成される空間であるので、押え部材が焼
結含油円筒体よりも摩耗が少ないことにより、その分だ
け全体的な摩耗が減少する。言い換えれば、押え部材を
焼結体で形成する場合に比較して、押え部材を硬質とす
る分だけ全体的な摩耗が減少する。請求項4記載の発明
によると、焼結含油円筒体の軸線方向一端面に形成され
たリング溝内に配設されているスラスト用転動体によ
り、回転軸にかかるスラスト力が支持される。
一端部側および他端部側において、それぞれ第1および
第2のラジアル軸受部により、ラジアル方向の荷重の支
持を行う。第1のラジアル軸受部においては、焼結含油
円筒体の内周面が、焼結含油円筒体から滲み出すオイル
により回転軸との間に油膜を形成して小さな回転抵抗で
支持を行う。また、第2のラジアル軸受部においては、
周溝内に配設された複数の転動体が、一方では焼結含油
円筒体から給油されつつ他方では回転軸の外周面上を転
がりつつ小さな回転抵抗で支持を行う。ここで、軸心ズ
レが存在している場合でも、第2のラジアル軸受部にお
いては、各転動体において回転軸の外周面との接触点が
ずれるだけであり、回転抵抗を低く維持したまま支持を
行い得ることに変わりはない。よって、調芯性の大きな
軸受が得られる。請求項2記載の発明によると、焼結含
油円筒体の凹所は、周溝を形成した状態で押え部材によ
り閉塞されるので、周溝内に配設される転動体の飛び出
しが容易な手段で防止される。請求項3記載の発明によ
ると、押え部材が、焼結含油円筒体よりも硬質の金属か
ら構成されているので、押え部材は、焼結含油円筒体よ
りも摩耗が低く抑えられる。周溝は、押え部材と焼結含
油円筒体とで形成される空間であるので、押え部材が焼
結含油円筒体よりも摩耗が少ないことにより、その分だ
け全体的な摩耗が減少する。言い換えれば、押え部材を
焼結体で形成する場合に比較して、押え部材を硬質とす
る分だけ全体的な摩耗が減少する。請求項4記載の発明
によると、焼結含油円筒体の軸線方向一端面に形成され
たリング溝内に配設されているスラスト用転動体によ
り、回転軸にかかるスラスト力が支持される。
【0012】請求項5記載の発明によると、ガイド棒が
挿入された焼結含油円筒体の凹所内に転動体を投入する
ので、転動体は、ガイド棒に案内されて確実に凹所内に
投入される。請求項6記載の発明によると、ガイド棒が
先細り形状であるので、ガイド棒を焼結含油円筒体内に
配置したときには、奥側よりも手前側の開口が広くな
り、凹所内への転動体の投入が容易になされる。
挿入された焼結含油円筒体の凹所内に転動体を投入する
ので、転動体は、ガイド棒に案内されて確実に凹所内に
投入される。請求項6記載の発明によると、ガイド棒が
先細り形状であるので、ガイド棒を焼結含油円筒体内に
配置したときには、奥側よりも手前側の開口が広くな
り、凹所内への転動体の投入が容易になされる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
て、図面を参照して説明する。
【0014】〔第1実施形態〕図1は、本発明の軸受の
第1実施形態を示すもので、図1において、軸受21
は、焼結含油円筒体30、押え部材40、球体(転動
体)50を備えて構成されている。
第1実施形態を示すもので、図1において、軸受21
は、焼結含油円筒体30、押え部材40、球体(転動
体)50を備えて構成されている。
【0015】焼結含油円筒体30は、粉末を型により所
定形状に圧縮成形した後、焼結されることにより形成さ
れたものである。焼結含油円筒体30は、以降の工程に
おいて含油処理されることになるが、これについては、
製造方法のところで説明する。本発明において、適切な
材料としては、例えば、Cu−Sn系、Fe−Cu系、
Fe系、ステンレス系、等がある。焼結含油円筒体30
の軸線方向一端部側に位置する内周面は、回転軸Aの外
周面に摺接して回転軸Aを支持する第1のラジアル軸受
部31とされている。また、焼結含油円筒体30の他端
部側には、端面32から軸線方向内方に向けて凹む凹所
33が形成されている。ここで、凹所33の底部には、
環状に凹む形状の油溜凹部33aが形成されている。油
溜凹部33aは、符号33bで示す位置および形状、あ
るいは、同様の形状であっても良い。
定形状に圧縮成形した後、焼結されることにより形成さ
れたものである。焼結含油円筒体30は、以降の工程に
おいて含油処理されることになるが、これについては、
製造方法のところで説明する。本発明において、適切な
材料としては、例えば、Cu−Sn系、Fe−Cu系、
Fe系、ステンレス系、等がある。焼結含油円筒体30
の軸線方向一端部側に位置する内周面は、回転軸Aの外
周面に摺接して回転軸Aを支持する第1のラジアル軸受
部31とされている。また、焼結含油円筒体30の他端
部側には、端面32から軸線方向内方に向けて凹む凹所
33が形成されている。ここで、凹所33の底部には、
環状に凹む形状の油溜凹部33aが形成されている。油
溜凹部33aは、符号33bで示す位置および形状、あ
るいは、同様の形状であっても良い。
【0016】押え部材40は、焼結含油円筒体30より
も硬質の金属から形成されており、周溝34を形成した
状態で、凹所33を閉塞するよう固定されている。
も硬質の金属から形成されており、周溝34を形成した
状態で、凹所33を閉塞するよう固定されている。
【0017】球体50は、スチールボール、セラミック
ボール、等の比較的硬質の材料から形成されるもので、
周溝34内に配設されている。この場合、球体50は、
複数のものが隙間なく配設されている。また、球体50
は、焼結含油円筒体30の内面35よりも径方向内方に
突出した状態で、かつ、内周側の先端の包絡線が第1の
ラジアル軸受部31のなす面の延長上に位置した状態で
配設されている。これにより、球体50は、回転軸Aの
外周面を支持する第2のラジアル軸受部を構成してい
る。また、球体50の内周側への飛出は、焼結含油円筒
体30の張出部34a、および、押え部材40の張出部
41により阻止されている。
ボール、等の比較的硬質の材料から形成されるもので、
周溝34内に配設されている。この場合、球体50は、
複数のものが隙間なく配設されている。また、球体50
は、焼結含油円筒体30の内面35よりも径方向内方に
突出した状態で、かつ、内周側の先端の包絡線が第1の
ラジアル軸受部31のなす面の延長上に位置した状態で
配設されている。これにより、球体50は、回転軸Aの
外周面を支持する第2のラジアル軸受部を構成してい
る。また、球体50の内周側への飛出は、焼結含油円筒
体30の張出部34a、および、押え部材40の張出部
41により阻止されている。
【0018】上記構成を有する軸受21は、図示矢印X
側を軸心ズレが起こりやすい負荷側として設置されるこ
とが好ましい。
側を軸心ズレが起こりやすい負荷側として設置されるこ
とが好ましい。
【0019】上記構成を有する軸受21においては、軸
線方向の一端部側および他端部側において、それぞれ第
1および第2のラジアル軸受部により、ラジアル方向の
荷重の支持を行うことができる。第1のラジアル軸受部
31においては、焼結含油円筒体30から滲み出すオイ
ルにより、焼結含油円筒体30の内周面と回転軸Aの外
周面との間に油膜を形成し、小さな回転抵抗で支持を行
う。また、複数の球体50により形成されている第2の
ラジアル軸受部においては、周溝34内に配設された複
数の球体50が、一方では焼結含油円筒体30から給油
されることにより、他方では回転軸Aの外周面上を転が
ることにより、二重の意味において、小さな回転抵抗で
支持を行うことができる。この場合、焼結含油円筒体3
0は、従来例を示す図7、8と比較することで明らかな
ように、大きなバルク体であることにより、十分な量の
オイルを含有しており、第1および第2のラジアル軸受
部に対して十分な量のオイルを供給することができる。
線方向の一端部側および他端部側において、それぞれ第
1および第2のラジアル軸受部により、ラジアル方向の
荷重の支持を行うことができる。第1のラジアル軸受部
31においては、焼結含油円筒体30から滲み出すオイ
ルにより、焼結含油円筒体30の内周面と回転軸Aの外
周面との間に油膜を形成し、小さな回転抵抗で支持を行
う。また、複数の球体50により形成されている第2の
ラジアル軸受部においては、周溝34内に配設された複
数の球体50が、一方では焼結含油円筒体30から給油
されることにより、他方では回転軸Aの外周面上を転が
ることにより、二重の意味において、小さな回転抵抗で
支持を行うことができる。この場合、焼結含油円筒体3
0は、従来例を示す図7、8と比較することで明らかな
ように、大きなバルク体であることにより、十分な量の
オイルを含有しており、第1および第2のラジアル軸受
部に対して十分な量のオイルを供給することができる。
【0020】次に、負荷側(図示矢印X側)において軸
心ズレが存在している場合について説明する。この場合
には、回転軸Aが正規位置から傾斜することになるが、
複数の球体50により形成されている第2のラジアル軸
受部においては、図2に示すように、各球体において回
転軸Aの外周面との接触点がP1 からP2 へとずれるだ
けであって、球体50が受ける荷重の大きさに変わりは
ない。また、図示の球体50以外の球体についても、接
触点の変位量および向きが変わるだけであり、状況は同
様であることは、容易に理解される。したがって、軸受
21においては、軸心ズレがある場合でも、回転抵抗を
低く維持したまま支持を行い得ることができ、結局、調
芯性の大きな軸受が得られることになる。
心ズレが存在している場合について説明する。この場合
には、回転軸Aが正規位置から傾斜することになるが、
複数の球体50により形成されている第2のラジアル軸
受部においては、図2に示すように、各球体において回
転軸Aの外周面との接触点がP1 からP2 へとずれるだ
けであって、球体50が受ける荷重の大きさに変わりは
ない。また、図示の球体50以外の球体についても、接
触点の変位量および向きが変わるだけであり、状況は同
様であることは、容易に理解される。したがって、軸受
21においては、軸心ズレがある場合でも、回転抵抗を
低く維持したまま支持を行い得ることができ、結局、調
芯性の大きな軸受が得られることになる。
【0021】上記軸受21は、このような効果を有して
いることにより、オーディオ・VTR装置、事務機器、
産業機器、等におけるキャプスタンモータ、スピンドル
モータ、マイクロモータ、等の各種モータの回転軸、あ
るいは、他の部材の回転軸の支持において、有効に適用
することができる。これ以外の任意の回転軸の支持に適
用しても良いことは、もちろんである。
いることにより、オーディオ・VTR装置、事務機器、
産業機器、等におけるキャプスタンモータ、スピンドル
モータ、マイクロモータ、等の各種モータの回転軸、あ
るいは、他の部材の回転軸の支持において、有効に適用
することができる。これ以外の任意の回転軸の支持に適
用しても良いことは、もちろんである。
【0022】また、焼結含油円筒体30の凹所33は、
周溝34を残した状態で押え部材40により閉塞される
ので、周溝34内に配設される球体50の飛び出しを容
易な手段で防止することができる。
周溝34を残した状態で押え部材40により閉塞される
ので、周溝34内に配設される球体50の飛び出しを容
易な手段で防止することができる。
【0023】さらに、押え部材40が、焼結含油円筒体
30よりも硬質の金属から構成されているので、押え部
材を焼結体で形成する場合に比較して、押え部材40を
硬質とする分だけ全体的な摩耗を減少させ、長寿命化を
図ることができる。
30よりも硬質の金属から構成されているので、押え部
材を焼結体で形成する場合に比較して、押え部材40を
硬質とする分だけ全体的な摩耗を減少させ、長寿命化を
図ることができる。
【0024】また、上記軸受21は、自己給油性を有し
ている。すなわち、第1および第2ののラジアル軸受部
に対しては、自身のバルク内にオイルを含有している焼
結含油円筒体30から十分な量のオイルを供給すること
ができる。
ている。すなわち、第1および第2ののラジアル軸受部
に対しては、自身のバルク内にオイルを含有している焼
結含油円筒体30から十分な量のオイルを供給すること
ができる。
【0025】また、上記軸受21は、ノイズレスであ
る。すなわち、図8に示したボールベアリングと比較す
ると明らかなように、ボールベアリングの場合に発生す
るようなボールの転がり音は、発生しない。しかも、摺
動面(第1のラジアル軸受部31の内周面)において発
生する摺動音は、焼結含油円筒体30が多孔質体である
ことから、振動を減衰させて吸収することができる。こ
のような、振動減衰機能は、第2のラジアル軸受部にお
ける球体50の転がり音に対しても効果的であり、球体
50の転がり音を有効に減衰させて消音することができ
る。結局、軸受21は、ノイズレスである。
る。すなわち、図8に示したボールベアリングと比較す
ると明らかなように、ボールベアリングの場合に発生す
るようなボールの転がり音は、発生しない。しかも、摺
動面(第1のラジアル軸受部31の内周面)において発
生する摺動音は、焼結含油円筒体30が多孔質体である
ことから、振動を減衰させて吸収することができる。こ
のような、振動減衰機能は、第2のラジアル軸受部にお
ける球体50の転がり音に対しても効果的であり、球体
50の転がり音を有効に減衰させて消音することができ
る。結局、軸受21は、ノイズレスである。
【0026】また、上記軸受21は、省スペースに寄与
する。すなわち、第1のラジアル軸受部31において
は、摺動面があるだけで良い。また、第2のラジアル軸
受部においては、球体50を周溝34内に配設するだけ
で良い。よって、図8に示したボールベアリングと比較
すると明らかなように、部品点数が少なくて済み、省ス
ペースに寄与する。
する。すなわち、第1のラジアル軸受部31において
は、摺動面があるだけで良い。また、第2のラジアル軸
受部においては、球体50を周溝34内に配設するだけ
で良い。よって、図8に示したボールベアリングと比較
すると明らかなように、部品点数が少なくて済み、省ス
ペースに寄与する。
【0027】また、凹所33には、油溜凹部33aが形
成されているので、余分なオイルを貯留することがで
き、余分なオイルが無用に流出することを防止すること
ができる。また、必要に応じて、油溜凹部33aから球
体50へとオイルを供給することができる。
成されているので、余分なオイルを貯留することがで
き、余分なオイルが無用に流出することを防止すること
ができる。また、必要に応じて、油溜凹部33aから球
体50へとオイルを供給することができる。
【0028】次に、上記軸受21の製造方法について、
図3を参照して説明する。
図3を参照して説明する。
【0029】まず、予め準備しておいた焼結含油円筒体
30内に、第1のラジアル軸受部31の内径とほぼ等し
い外径を有しかつ図示のように先端61が先細り形状と
されたガイド棒60を挿入する。そして、複数の球体5
0を凹所33内に投入する。さらに、押え部材40を周
溝34を形成した状態で凹所33内に圧入・固定する。
最後に、軸受21全体を真空状態に置き、含油させる。
これにより、軸受21の製造を完了する。
30内に、第1のラジアル軸受部31の内径とほぼ等し
い外径を有しかつ図示のように先端61が先細り形状と
されたガイド棒60を挿入する。そして、複数の球体5
0を凹所33内に投入する。さらに、押え部材40を周
溝34を形成した状態で凹所33内に圧入・固定する。
最後に、軸受21全体を真空状態に置き、含油させる。
これにより、軸受21の製造を完了する。
【0030】この場合、押え部材40の凹所33内への
圧入・固定を効果的に達成するために、押え部材40の
外径を、凹所33の径よりもわずかに大きめに形成して
おくことが好ましい。
圧入・固定を効果的に達成するために、押え部材40の
外径を、凹所33の径よりもわずかに大きめに形成して
おくことが好ましい。
【0031】上記の製造方法においては、ガイド棒60
が挿入された焼結含油円筒体30の凹所33内に球体5
0を投入するので、少々荒っぽく球体50を投入したに
しても、球体50を、ガイド棒60に案内させて確実に
凹所33内に投入することができ、容易に軸受21を製
造することができる。
が挿入された焼結含油円筒体30の凹所33内に球体5
0を投入するので、少々荒っぽく球体50を投入したに
しても、球体50を、ガイド棒60に案内させて確実に
凹所33内に投入することができ、容易に軸受21を製
造することができる。
【0032】また、ガイド棒60の先端61が先細り形
状であるので、ガイド棒60を焼結含油円筒体30内に
配置したときには、奥側よりも手前側の開口が広くなっ
て、凹所33内への球体50の投入を容易に行うことが
できる。また、ガイド棒60が先細り形状であるので、
ガイド棒60の焼結含油円筒体30内への挿入も、また
容易である。
状であるので、ガイド棒60を焼結含油円筒体30内に
配置したときには、奥側よりも手前側の開口が広くなっ
て、凹所33内への球体50の投入を容易に行うことが
できる。また、ガイド棒60が先細り形状であるので、
ガイド棒60の焼結含油円筒体30内への挿入も、また
容易である。
【0033】〔第2実施形態〕図4は、本発明の軸受の
第2実施形態を示すものである。本実施形態が、上記第
1実施形態と大きく相違するのは、 焼結含油円筒体30の軸線方向端面36には、軸線を
同じくしてリング溝37が形成されていること、 リング溝37内には、スラスト用球体(スラスト用転
動体)80が、焼結含油円筒体30の端面36から軸方
向外方に突出した状態に、かつ、リング溝37から飛び
出し不可能に配設されていること、 負荷側(図示矢印X側)が図示下方に設定されている
こと、のみである。本実施形態において、上記第1実施
形態と同様の部材については、同一符号を付し、その説
明を省略する。
第2実施形態を示すものである。本実施形態が、上記第
1実施形態と大きく相違するのは、 焼結含油円筒体30の軸線方向端面36には、軸線を
同じくしてリング溝37が形成されていること、 リング溝37内には、スラスト用球体(スラスト用転
動体)80が、焼結含油円筒体30の端面36から軸方
向外方に突出した状態に、かつ、リング溝37から飛び
出し不可能に配設されていること、 負荷側(図示矢印X側)が図示下方に設定されている
こと、のみである。本実施形態において、上記第1実施
形態と同様の部材については、同一符号を付し、その説
明を省略する。
【0034】スラスト用球体80は、球体50と同様の
材料から構成されているとともに、リング溝37内にお
いて複数のものが隙間なく配設されている。
材料から構成されているとともに、リング溝37内にお
いて複数のものが隙間なく配設されている。
【0035】複数のスラスト用球体80は、回転軸Aに
一体に固定されたカラーA1 の下面を支持しており、カ
ラーA1 が下向きのスラスト力を受けながら回転したと
きに、一方では焼結含油円筒体30から給油されること
により、他方ではカラーA1の下面上を転がることによ
り、二重の意味において、小さな抵抗でスラスト方向の
支持を行うことができる。すなわち、軸体71において
は、ラジアル方向に加えて、スラスト方向の支持をも行
うことができる。
一体に固定されたカラーA1 の下面を支持しており、カ
ラーA1 が下向きのスラスト力を受けながら回転したと
きに、一方では焼結含油円筒体30から給油されること
により、他方ではカラーA1の下面上を転がることによ
り、二重の意味において、小さな抵抗でスラスト方向の
支持を行うことができる。すなわち、軸体71において
は、ラジアル方向に加えて、スラスト方向の支持をも行
うことができる。
【0036】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、以下の形態とすることもできる。 a)転動体を図1に示すような球体50とすることに代
えて、図5に示すような半球どうしが円柱体で連結され
た形状のコロ51とすること、または、図6に示すよう
な紡錘形状のコロ52とすること。あるいは、楕円形状
のコロとすること。 b)スラスト用転動体を図4に示すようなスラスト用球
体80とすることに代えて、適切な形状のコロとするこ
と。 c)押え部材40を焼結含油円筒体30よりも硬質の材
料から形成することに代えて、焼結含油円筒体30と同
じ材料から形成すること、あるいは、任意の材料から形
成すること。 d)焼結含油円筒体30に対して真空含油させることに
代えて、浸漬等、他の任意の含油方法を適用すること。 e)軸受21(あるいは71)を組み上げてから、含油
させることに代えて、任意の時点において含油させるこ
と。 f)球体を任意の材質から構成すること。 g)複数の球体50を周溝34内において、隙間なく配
設することに代えて、隙間を許容して配設すること。 h)複数のスラスト用球体80をリング溝37内におい
て、隙間なく配設することに代えて、隙間を許容して配
設すること。 i)スラスト用球体80を第1のラジアル軸受部31側
に設けることに代えて、第2のラジアル軸受部31側、
または、負荷設置側に設けること。 j)第1のラジアル軸受部31に代えて、球体からなる
ラジアル軸受部を使用すること。
るものではなく、以下の形態とすることもできる。 a)転動体を図1に示すような球体50とすることに代
えて、図5に示すような半球どうしが円柱体で連結され
た形状のコロ51とすること、または、図6に示すよう
な紡錘形状のコロ52とすること。あるいは、楕円形状
のコロとすること。 b)スラスト用転動体を図4に示すようなスラスト用球
体80とすることに代えて、適切な形状のコロとするこ
と。 c)押え部材40を焼結含油円筒体30よりも硬質の材
料から形成することに代えて、焼結含油円筒体30と同
じ材料から形成すること、あるいは、任意の材料から形
成すること。 d)焼結含油円筒体30に対して真空含油させることに
代えて、浸漬等、他の任意の含油方法を適用すること。 e)軸受21(あるいは71)を組み上げてから、含油
させることに代えて、任意の時点において含油させるこ
と。 f)球体を任意の材質から構成すること。 g)複数の球体50を周溝34内において、隙間なく配
設することに代えて、隙間を許容して配設すること。 h)複数のスラスト用球体80をリング溝37内におい
て、隙間なく配設することに代えて、隙間を許容して配
設すること。 i)スラスト用球体80を第1のラジアル軸受部31側
に設けることに代えて、第2のラジアル軸受部31側、
または、負荷設置側に設けること。 j)第1のラジアル軸受部31に代えて、球体からなる
ラジアル軸受部を使用すること。
【0037】
【発明の効果】本発明の軸受およびその製造方法によれ
ば、以下の効果を奏する。請求項1記載の軸受によれ
ば、軸線方向の一端部側および他端部側において、それ
ぞれ第1および第2のラジアル軸受部により、ラジアル
方向の荷重の支持を行う。特に、第2のラジアル軸受部
においては、軸心ズレが存在している場合でも、各球体
において回転軸の外周面との接触点がずれるだけであ
り、変わりなく、回転抵抗を低く維持したまま支持を行
うことができる。よって、調芯性の大きな軸受を得るこ
とができる。請求項2記載の軸受によれば、焼結含油円
筒体の凹所は、周溝を形成した状態で押え部材により閉
塞されるので、周溝内に配設される球体の飛び出しを容
易な手段で防止することができる。請求項3記載の軸受
によれば、押え部材が、焼結含油円筒体よりも硬質の金
属から構成されているので、押え部材を焼結体で形成す
る場合に比較して、押え部材を硬質とする分だけ全体的
な摩耗を減少させ、長寿命化を図ることができる。請求
項4記載の軸受によれば、焼結含油円筒体の軸線方向一
端面に形成されたリング溝内に配設されているスラスト
用球体により、回転軸にかかるスラスト力を支持するこ
とができ、ラジアル方向に加えて、スラスト方向の支持
をも行うことができる。
ば、以下の効果を奏する。請求項1記載の軸受によれ
ば、軸線方向の一端部側および他端部側において、それ
ぞれ第1および第2のラジアル軸受部により、ラジアル
方向の荷重の支持を行う。特に、第2のラジアル軸受部
においては、軸心ズレが存在している場合でも、各球体
において回転軸の外周面との接触点がずれるだけであ
り、変わりなく、回転抵抗を低く維持したまま支持を行
うことができる。よって、調芯性の大きな軸受を得るこ
とができる。請求項2記載の軸受によれば、焼結含油円
筒体の凹所は、周溝を形成した状態で押え部材により閉
塞されるので、周溝内に配設される球体の飛び出しを容
易な手段で防止することができる。請求項3記載の軸受
によれば、押え部材が、焼結含油円筒体よりも硬質の金
属から構成されているので、押え部材を焼結体で形成す
る場合に比較して、押え部材を硬質とする分だけ全体的
な摩耗を減少させ、長寿命化を図ることができる。請求
項4記載の軸受によれば、焼結含油円筒体の軸線方向一
端面に形成されたリング溝内に配設されているスラスト
用球体により、回転軸にかかるスラスト力を支持するこ
とができ、ラジアル方向に加えて、スラスト方向の支持
をも行うことができる。
【0038】請求項5記載の軸受の製造方法によれば、
ガイド棒が挿入された焼結含油円筒体の凹所内に球体を
投入するので、球体を、ガイド棒に案内させて確実に凹
所内に投入することができ、容易に上記軸受を製造する
ことができる。請求項6記載の軸受の製造方法によれ
ば、ガイド棒が先細り形状であるので、ガイド棒を焼結
含油円筒体内に配置したときには、奥側よりも手前側の
開口が広くなって、凹所内への球体の投入を容易に行う
ことができる。また、ガイド棒が先細り形状であるの
で、ガイド棒の焼結含油円筒体内への挿入も、また容易
である。
ガイド棒が挿入された焼結含油円筒体の凹所内に球体を
投入するので、球体を、ガイド棒に案内させて確実に凹
所内に投入することができ、容易に上記軸受を製造する
ことができる。請求項6記載の軸受の製造方法によれ
ば、ガイド棒が先細り形状であるので、ガイド棒を焼結
含油円筒体内に配置したときには、奥側よりも手前側の
開口が広くなって、凹所内への球体の投入を容易に行う
ことができる。また、ガイド棒が先細り形状であるの
で、ガイド棒の焼結含油円筒体内への挿入も、また容易
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の軸受の第1実施形態を示す断面図で
ある。
ある。
【図2】 図1に示す軸受における球体を取り出して、
回転軸に軸心ズレがある場合の作用を説明するための説
明図である。
回転軸に軸心ズレがある場合の作用を説明するための説
明図である。
【図3】 図1に示す軸受の製造方法を説明するための
説明図である。
説明図である。
【図4】 本発明の軸受の第2実施形態を示す断面図で
ある。
ある。
【図5】 本発明の軸受の変形形態を示す断面図であ
る。
る。
【図6】 本発明の軸受の他の変形形態を示す断面図で
ある。
ある。
【図7】 従来の軸受の構成例を示す断面図である。
【図8】 従来の軸受の他の構成例を示す断面図であ
る。
る。
【符号の説明】 A 回転軸 21 軸受 30 焼結含油円筒体 31 第1のラジアル軸受部 32 端面 33 凹所 34 周溝 35 内面 36 端面 37 リング溝 40 押え部材 50 球体(転動体) 51 コロ(転動体) 52 コロ(転動体) 60 ガイド棒 80 スラスト用球体(スラスト用転動体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 恒夫 新潟県新潟市小金町三番地1 三菱マテリ アル株式会社新潟製作所内 (72)発明者 荒井 益夫 埼玉県与野市本町西6丁目4番29号 株式 会社ショーライト内 (72)発明者 土田 功 埼玉県与野市本町西6丁目4番29号 株式 会社ショーライト内
Claims (6)
- 【請求項1】 回転軸にかかるラジアル方向の荷重を支
持するための軸受であって、 焼結され、含油処理されるとともに、軸線方向の一端部
側に位置する内周面が前記回転軸の外周面に摺接して前
記回転軸を支持する第1のラジアル軸受部とされた焼結
含油円筒体と、 該焼結含油円筒体の他端部側に形成された周溝内におい
て、該焼結含油円筒体の内面から径方向内方に突出する
ことにより前記回転軸の外周面を支持する第2のラジア
ル軸受部を構成した状態で配設された複数の転動体とを
具備することを特徴とする軸受。 - 【請求項2】 請求項1記載の軸受において、 前記焼結含油円筒体の前記他端部側には、端面から前記
軸線方向内方に向けて凹む凹所が形成され、 該凹所は、前記複数の転動体が配設される前記周溝を形
成した状態で、押え部材により閉塞されていることを特
徴とする軸受。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の軸受において、
前記押え部材は、前記焼結含油円筒体よりも硬質の金属
からなることを特徴とする軸受。 - 【請求項4】 請求項1、2または3記載の軸受におい
て、 前記焼結含油円筒体の軸線方向一端面には、軸線を同じ
くしてリング溝が形成されており、該リング溝内には、
スラスト用転動体が、前記焼結含油円筒体の端面から軸
方向外方に突出することにより前記回転軸にかかるスラ
スト力を支持し得るよう配設されていることを特徴とす
る軸受。 - 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれかに記載の軸
受を製造するための方法であって、 予め、前記凹所が形成された前記焼結含油円筒体と、前
記複数の転動体と、前記押え部材とを準備しておき、 前記焼結含油円筒体内にガイド棒を挿入し、 前記複数の転動体を前記凹所内に投入し、 前記押え部材を前記周溝を形成した状態で前記凹所内に
固定することを特徴とする軸受の製造方法。 - 【請求項6】 請求項5記載の軸受の製造方法におい
て、前記ガイド棒は、該ガイド棒を前記焼結含油円筒体
内に配置したときに、奥側よりも手前側の開口を広くす
るよう、先細り形状であることを特徴とする軸受の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26635796A JP3545140B2 (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | 軸受およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26635796A JP3545140B2 (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | 軸受およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10110724A true JPH10110724A (ja) | 1998-04-28 |
JP3545140B2 JP3545140B2 (ja) | 2004-07-21 |
Family
ID=17429826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26635796A Expired - Fee Related JP3545140B2 (ja) | 1996-10-07 | 1996-10-07 | 軸受およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3545140B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101915268A (zh) * | 2010-08-26 | 2010-12-15 | 友达光电股份有限公司 | 轴承组合以及支撑架组合 |
CN109185329A (zh) * | 2018-10-23 | 2019-01-11 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 一种压缩机的曲轴轴承和压缩机 |
-
1996
- 1996-10-07 JP JP26635796A patent/JP3545140B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109185329A (zh) * | 2018-10-23 | 2019-01-11 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 一种压缩机的曲轴轴承和压缩机 |
CN109185329B (zh) * | 2018-10-23 | 2024-03-29 | 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 | 一种压缩机的曲轴轴承和压缩机 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3545140B2 (ja) | 2004-07-21 |
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