JPH10110224A - 鉄スクラップ中の銅の除去方法 - Google Patents

鉄スクラップ中の銅の除去方法

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JPH10110224A
JPH10110224A JP28456196A JP28456196A JPH10110224A JP H10110224 A JPH10110224 A JP H10110224A JP 28456196 A JP28456196 A JP 28456196A JP 28456196 A JP28456196 A JP 28456196A JP H10110224 A JPH10110224 A JP H10110224A
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iron
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Ryokichi Shinpo
良吉 真保
Osamu Ogawa
修 小川
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄スクラップに随伴する銅の除去を効率的か
つ経済的に行い、従来鉄スクラップを原料とすることが
できなかった鋼材への鉄スクラップの利用範囲を拡大す
る。 【解決手段】 銅を不純物として随伴する鉄スクラップ
に鉛を主成分とする金属融体を接触させて該鉄スクラッ
プ中に含まれる銅を該金属融体に移行せしめ、続いて該
金属融体をアルミニウムを含む溶融合金に接触させ、該
金属融体中の銅を該溶融合金に移行せしめ、前記鉄スク
ラップ中に含まれる銅を前記アルミニウムを含む溶融合
金中に回収することを特徴とする鉄スクラップ中の銅の
除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄スクラップを再
利用する際に混入する銅を効率的に除去し、鉄および回
収した銅を再利用するための方法に関し、さらには、従
来鉄スクラップを原料とすることができなかった鋼材に
対して鉄スクラップ利用を可能にし、鉄スクラップが使
用できる鋼材の適用範囲を拡大するための鉄スクラップ
中の銅の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄スクラップは、主に電炉によって溶融
され、いわゆる電炉鋼として再利用されている。この鉄
スクラップには、通常、銅を始めとする種々の不純物が
含まれる。その中で主な不純物である銅は、溶融前に人
間が手選別によって除去していた。しかし手選別での銅
除去は非効率的であり、除去しきれない銅は、溶融後、
溶鉱炉銑鉄や、より不純物の少ない鉄スクラップと混合
して、規格内の濃度に希釈して用いられてきた。そのた
め利用可能な鋼材の種類が、建築用棒材などに限定され
ていた。
【0003】これまで、鉄スクラップより銅を除去する
方法として、鉄スクラップをアンモニア溶液に浸漬して
銅を抽出する方法(例えば、「廃車スクラップの脱銅−
アンモニア浸出法によるスクラップの脱銅(第2報)
−」 資源と素材 Vol.111、p.55〜58
(1995))、高温下で銅を気化させる方法(例え
ば、「真空下の脱銅」 循環性元素分離部会 中間報告
書 Vol.1、p.5〜10(1993) 日本鉄鋼
協会特基研究会 循環性元素分離部会)、溶融アルミニ
ウムと接触させ銅をアルミニウムに溶解させて除去する
方法(例えば、「アルミ浴による脱銅」 循環性元素分
離部会 中間報告書 Vol.1、p.43〜49(1
993) 日本鉄鋼協会特基研究会 循環性元素分離部
会、「熱化学的手法による鉄スクラップからの脱銅法の
探索」 日本金属学会シンポジウム予稿p.13〜16
(1990))、鉄およびアルカリ金属の硫化物を主体
とする溶剤に銅を移行させる方法(例えば、「FeSフ
ラックスと炭素飽和溶鉄間の銅分配に及ぼすアルカリ及
びアルカリ土類金属硫化物添加の影響」 鉄と鋼 Vo
l.77、p.644〜651(1991))等が提案
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のこれま
で提案された鉄スクラップからの銅の除去方法は、経済
性が低くて実用には至っていない。そこで本発明は、鉄
スクラップから銅をより効率的かつ経済的に除去する方
法を提案し、従来、鉄スクラップを原料とすることがで
きなかった鋼材の鉄スクラップ利用を可能にし、鉄スク
ラップが使用できる鋼材の適用範囲を拡大する方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の鉄スクラップ中
の銅の除去方法は、銅を不純物として随伴する鉄スクラ
ップに鉛を主成分とする金属融体を接触させて該鉄スク
ラップ中に含まれる銅を該金属融体に移行せしめ、続い
て該金属融体をアルミニウムを含む溶融合金に接触さ
せ、該金属融体中の銅を該溶融合金に移行せしめ、前記
鉄スクラップ中に含まれる銅を前記アルミニウムを含む
溶融合金中に回収することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】銅除去の原理 本発明は、鉄と鉛の相互の溶解度が非常に低いこと、溶
融鉛と溶融アルミニウムが二相分離すること、銅とアル
ミニウム間の親和力が大きいこと、という物理化学的性
質を利用したものである。
【0007】溶融鉛と鉄を接触させた場合、その鉄が固
体であってもまた融体であっても、鉄中の鉛の溶解度お
よび鉛中の鉄の溶解度はともに小さい。一方、銅と鉄は
あまり親和力が大きくないが、銅は溶鉄中に任意の割合
で混ざり合うことができる。銅と鉛の間もあまり親和力
は大きくなく、鉛の融点付近では、鉛中に銅は殆ど溶解
しないが、温度の上昇とともに溶解度は増加し、銅の融
点である1073℃以上では、鉛と銅は任意の割合で一
液相を成す。また、鉛とアルミニウムはかなり親和力が
小さく、両者を接触させても二液相に分離する。
【0008】それに対し、銅とアルミニウムは親和力が
かなり大きく、両者は安定した合金相を形成する。
【0009】3種の金属が共存する場合の性質に関し
て、まず、鉄と銅、鉛の組合せについては、鉄が固体で
鉛が融体の場合、銅は温度の低い条件では鉛中にあまり
溶解せず鉄と同様に固体で存在する。しかし、温度が上
昇して800℃より高くなると鉛中への銅の溶解度は増
加し、銅は溶融鉛へ多く溶けるようになる。1100℃
以上では銅は殆ど鉛中へ溶解し、鉛と銅の溶融合金と固
体の鉄が共存する状態となる。さらに温度が上昇し、鉄
が溶融すると、今度は溶鉄が銅を溶解しはじめ、最終的
に銅は溶鉄相と鉛相へある濃度比で分配される。このと
きの鉛相中の銅濃度と溶鉄中の銅濃度比(分配比とい
う)は1〜2である。
【0010】一方、銅、鉛、およびアルミニウムの組合
せを考えると、アルミニウムの融点である660℃以上
の温度でこの3元素を混合する場合、銅とアルミニウム
は安定な合金融体を形成し、鉛融体より分離してその上
部に浮上する。この性質を利用して、鉛中より銅を除去
することができる。
【0011】銅除去プロセスの流れ 以上の各金属元素間の特性を利用し、鉄スクラップより
銅を効率的に除去するプロセスを構築することができ
る。まず、不純物として銅を含む鉄スクラップを、鉛を
主成分とする金属融体(以下、「溶融鉛」という)に、
700℃以上の温度で接触させ、銅をその溶融鉛中へ溶
解させる。
【0012】鉄スクラップが固体である場合、この溶融
鉛の浴(以下、「鉛浴」という)の上にアルミニウムを
含む溶融合金(以下、「溶融アルミ合金」という)を置
き、抽出した銅をさらにその溶融アルミ合金へ移行させ
る。
【0013】また、一旦、鉛浴の一部を、固体鉄スクラ
ップより分離した後、700℃以上の温度で溶融アルミ
合金と接触させて銅をそこへ移行させ、銅濃度を低下さ
せた鉛浴を再び鉄スクラップからの銅抽出に戻してもよ
い。
【0014】鉄スクラップを溶鉄とした後に溶融鉛と接
触させる場合は、溶鉄より銅を抽出したその溶融鉛の一
部を分離し、それを700℃以上の温度で溶融アルミ合
金と接触させて銅をそこへ移行させ、再びその溶融鉛を
溶鉄からの銅抽出に戻す。鉛に代えてビスマスを含む融
体を用いても、同様な方法で鉄スクラップからの銅除去
を行うことができる。溶融鉛には、銅以外に、亜鉛、ス
ズ、アンチモン、その他の不純物が抽出されるため、そ
の組成を明確に規定できないが、本発明における溶融鉛
の組成として、鉛とビスマスを加えた割合が90重量%
以上であることが望ましい。
【0015】溶融アルミ合金については、その中のアル
ミニウムに対する銅の重量比が3倍程度になっても、ま
だ銅を吸収する能力を余していることが確認されてい
る。この溶融アルミ合金中にも、銅以外に亜鉛やアンチ
モン、その他の不純物が抽出されるため、その組成を明
確に規定することはできないが、本発明での溶融アルミ
合金の組成について、銅とアルミニウムを加えた割合が
80重量%以上で、かつアルミニウムの割合が20重量
%以上であることが望ましい。
【0016】溶融アルミ合金中の銅濃度が高くなった場
合、あるいは溶融アルミ合金の量が過剰となった場合な
どは、その一部を取り出す。その後、必要により新たな
アルミニウムを加える。そのアルミニウムは純度の低い
スクラップアルミニウムであってもかまわない。
【0017】取り出した溶融アルミ合金は銅精練所等へ
送り、その中の銅を始めとする有価金属の回収を行う。
【0018】固体鉄スクラップからの銅抽出を終了した
ならば、鉛浴を鉄スクラップより分離するが、鉄スクラ
ップ表面にその溶融鉛がかなり付着する。しかし、以後
の工程で固体鉄スクラップを溶融させると、その付着し
た鉛は、溶鉄相の下部に沈降し分離される。
【0019】さらに溶鉄中に残った鉛は、溶鉄の温度を
高めたり、溶鉄表面を真空吸引したり、また塩素あるい
は塩化鉄を溶鉄に吹き込むことにより、蒸発除去させる
ことができる。溶鉄から銅の除去を行った場合も、鉛浴
を分離した後、同様の方法で鉛を蒸発除去できる。
【0020】他の不純物の挙動について 固体鉄スクラップに対して、本発明の銅の除去方法を適
用すれば、銅以外にも、亜鉛、アンチモン、スズ、およ
び貴金属等の除去を行うことができる。
【0021】亜鉛は、銅と同様に鉛浴中に入り、アルミ
ニウムおよび銅と親和力が強いため、次に溶融アルミ合
金へ濃縮される。アンチモンや貴金属も同様である。溶
融アルミ合金中へ濃縮されたこれらの元素は、銅精練所
等で銅とともに分離、回収することができる。
【0022】スズは鉛浴中に容易に抽出されるが、アル
ミニウムとは親和力が小さく、従って溶融アルミ合金へ
はあまり濃縮されない。銅とスズの間は親和力が大きい
ので、溶融アルミ合金中の銅濃度が高くなるに従い、溶
融アルミ合金へのスズの移行もやや改善されるものの、
十分とは言えない。
【0023】そのため、スズ濃度の高い鉄スクラップを
処理した場合には、鉛浴を鉄スクラップおよび溶融アル
ミ合金より分離した後、鉛浴に空気や水蒸気を吹き込
む、あるいは酸化鉛を反応させる等を施し、スズを鉛浴
から酸化除去する必要がある。
【0024】酸化除去されたスズは鉛を多く含むため、
鉛精練所等へ送り、スズおよび鉛の回収を行う。
【0025】経済性について この鉄スクラップ中の銅の除去方法は、基本的には鉛を
消費しないプロセスとなっているが、溶融アルミ合金中
への溶解や、脱錫反応でのロス、その他により少しづつ
鉛は減少する。従ってその分の鉛は補ってやる必要があ
る。
【0026】溶融アルミ合金中への鉛の溶解度は温度に
よっても異なるが、約1重量%である。なお鉛浴中への
アルミニウムの溶解度はさらに小さい。
【0027】今、鉄スクラップ中の初期の不純物銅濃度
が1重量%であり、銅精練所等に送る溶融アルミ合金中
の銅濃度を50重量%とした場合、鉄スクラップ1トン
中の銅除去に要するアルミニウム量は10kgで、得ら
れる溶融アルミ合金の重量は20kgとなる。従って、
溶融アルミ合金中への鉛損失量は、鉄スクラップ1トン
当り約0.2kgと計算される。他の損失もあり、実際
はこれより大きな数値となるが、総じて鉛の消費量は少
ないと言える。なお溶融アルミ合金中の鉛は、銅精練所
等で回収することができる。
【0028】アルミニウムの必要量について、上記の例
では鉄スクラップ1トン当り10kgとしたが、この数
値は溶融アルミ合金中の銅濃度を高く設定すればより低
減することができる。また鉄スクラップ中の初期の銅濃
度がより低ければ、それに比例してアルミニウムの必要
量を低減できる。
【0029】また、ここで用いるアルミニウムは純度の
高いものである必要は無く、鉄や珪素などの不純物を多
く含んだスクラップアルミニウムでもかまわない。
【0030】またさらに、銅を多く含む鉄スクラップ中
には、アルミニウムも多く含まれている場合が考えら
れ、固体鉄スクラップより銅を除去する場合では、その
中のアルミニウムが同時に抽出され、溶融アルミ合金中
に入るので、その分のアルミニウムを節約できる。鉄ス
クラップ中のアルミニウム量が銅よりも多いならば、新
たなアルミニウムを使用する必要は無くなる。
【0031】以上のように、この鉄スクラップ中の銅の
除去方法は、消費する鉛およびアルミニウムの量が少な
く、経済性が高いといえる。
【0032】
【実施例】固体鉄スクラップ中より銅を除去する本発明
の実施例を示す。
【0033】予備処理 銅線などの銅成分が約1重量%の割合で混入している鉄
スクラップを、銅除去の対象とした。まずこの鉄スクラ
ップをあらかじめ50mm〜500mmのサイズに裁断
した。これを電気炉に入れ、約500℃〜700℃に加
熱して、鉄スクラップ中の銅線の皮膜などを燃焼させ
た。
【0034】鉛浴への銅の抽出工程 予備処理後の鉄スクラップを、その温度が低下する前に
専用の電炉に移した。電炉の形は釜状で、内壁は耐火物
レンガ製あるいは鉄製である。また、電炉の側面上部に
は、サイホン、あるいは急須の口の形態をした融体取り
出し口が備えられており、電炉中の融体をその浴面より
少し下の位置から炉外へ導出できるようになっている。
【0035】鉄製の管を電炉の底近くまで差込み、そこ
から約1000℃に加熱した溶融鉛を導入し、電炉中の
固体鉄スクラップの廻りを鉛浴で満たした。また、スク
ラップが鉛浴から浮上しないように、釜状の電炉の上の
開口部の径より少し小さい寸法の鉄製の円盤を上部より
押さえつけた。
【0036】導入された鉛浴は、鉄スクラップの周囲を
満たした後、鉄製の円盤の上部に達し、やがて電炉側面
上部の融体取り出し口よりオーバーフローさせ、取り鍋
中に回収した。さらに鉛浴の導入を続け、その間に鉄ス
クラップ表面に付随する銅を始めとする不純物元素を鉛
浴中に抽出した。
【0037】電炉中の鉄スクラップおよび鉛浴の温度は
900℃から1100℃の範囲となるよう制御した。鉛
浴をオーバーフローさせて回収した溶融鉛は、溶融鉛か
らの銅の回収工程へ送った。
【0038】鉄スクラップに付随していたアルミニウム
は、溶解して鉛浴より浮上させ、浴の上面で溶融アルミ
合金相を形成させた。
【0039】鉛浴のオーバーフローは、浴面より少し下
の位置から融体取り出し口を通じて行なわれるため、こ
の溶融アルミ合金は浴の上面に留まる。鉛浴中へ抽出さ
れた銅を始めとする不純物元素の一部は、この溶融アル
ミ合金に濃縮された。またこの溶融アルミ合金は、浴表
面からの鉛の揮発量を低減する役割も担う。
【0040】鉄スクラップに付随するアルミニウムが小
量の場合は、別のスクラップアルミニウムを、その電炉
中に加え、溶融アルミ合金相を形成させた。
【0041】所定時間、溶融鉛を電炉中に導入し続けた
後、オーバーフローする鉛浴中の銅濃度が所定値より低
下した時点で、溶融鉛の導入を終了した。ここで溶融鉛
の導入開始より終了までの時間は20分以上とし、終了
の目安とした鉛浴中の銅濃度は0.4重量%以下とし
た。
【0042】銅抽出の終了後、電炉を傾けて、溶融アル
ミ合金と鉛浴を取り鍋へ移した。ここで、溶融アルミ合
金中の銅濃度が50重量%より高い場合は、その溶融ア
ルミ合金を鉛浴と分離し、冷却、凝固させた後、銅精練
所へ送ることとし、銅濃度がそれ以下の場合は、鉛浴と
ともに溶融アルミ合金を、溶融鉛からの銅の回収工程へ
送った。電炉中に残った鉄スクラップは取り出し、鉄の
溶融工程へ送った。
【0043】溶融鉛からの銅の回収工程 銅の抽出工程からオーバーフローにより回収された溶融
鉛、および銅抽出工程終了時に取り出された鉛浴を、溶
融鉛からの銅回収工程に送った。
【0044】溶融アルミ合金を満たした銅の回収工程専
用の電気炉に、溶融鉛を少量ずつ注入し、溶融鉛と溶融
アルミ合金を十分に接触させ、銅などの不純物元素を、
溶融鉛より溶融アルミ合金へ移行させた。
【0045】銅の抽出工程終了時に電炉より取り出され
た溶融アルミ合金について、その銅濃度が低い場合は、
溶融鉛とともに銅の回収工程の電気炉に注入し、結果と
してその電気炉に予め満たしておいた溶融アルミ合金に
合流させた。
【0046】この銅の回収工程での溶融アルミ合金中の
銅濃度は、50重量%を限度とし、それより銅濃度が高
くなった場合は、その溶融アルミ合金を取り出し、新た
にアルミニウムのスクラップを加えた。取り出したその
溶融アルミ合金は、冷却、凝固の後、銅精練所へ送るこ
ととした。また、その溶融アルミ合金の全体量が過剰と
なった場合も、その一部を取り出し、銅精練所へ送るこ
ととした。
【0047】銅の回収工程の電気炉の底に溜った溶融鉛
は、サイフォンにより炉外へ取り出し、再び鉄スクラッ
プから鉛浴への銅の抽出工程に送った。
【0048】なお、溶融鉛中の不純物元素としてスズが
多く含まれる場合は、溶融鉛から銅を回収した後、その
溶融鉛を脱錫用の炉に送り、そこで水蒸気を溶融鉛に吹
き込んで撹拌し、ズズを酸化物として、除去、回収し
た。その酸化物は鉛の精練所へ送ることとした。脱錫後
の鉛は、鉄スクラップから鉛浴への銅の抽出工程へ送っ
た。
【0049】鉄の溶融工程 鉛浴への銅の抽出を終えた鉄スクラップは、鉛浴や溶融
アルミ合金と分離後、別の電炉に移して溶融させた。そ
の際、予め溶鉄の入った電炉に、その固体の鉄スクラッ
プを加え、炭素電極により通電して加温した。
【0050】鉄スクラップ表面に付着していた鉛の大部
分は、溶鉄相の下部へ沈降した。静置して鉛を十分沈降
させた後、電炉を傾けて、溶鉄の上部を取り鍋へ移し、
それを一般的な鋼の製造工程へ送った。
【0051】電炉中に残った溶鉄については、その次の
固体の鉄スクラップの溶解に利用した。この電炉の下部
に沈降した鉛量は次第に増加してくるが、その際は、溶
鉄を一旦、別の電炉あるいは取り鍋に移して退避させ、
炉底の鉛を別の取り鍋に流し出して、それを、鉛からの
銅の回収工程へ送った。退避させた溶鉄は、再びもとの
電炉に戻し、固体鉄スクラップの溶融を継続した。
【0052】ここで、得られた溶鉄中の銅濃度は、およ
そ0.06重量%であった。
【0053】以上の工程により、初期の銅濃度が1重量
%の鉄スクラップより銅を除去し、不純物銅濃度が約
0.06重量%の溶鉄を得ることができた。この不純物
銅濃度は、十分に低い値と言える。
【0054】この鉄スクラップ中の銅の除去プロセスに
おいて、消費したスクラップアルミは鉄スクラップ1ト
ン当り約10kgであった。また鉛が不足する割合は、
鉄1トン当り約1kgであった。これらの消費量は少な
く、経済性が高いと結論できた。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、鉄スクラップ中の銅の
除去および回収がより効率的かつ経済的に行え、従来、
鉄スクラップを原料とすることができなかった鋼材の鉄
スクラップ利用を可能にし、鉄スクラップが使用できる
鋼材の適用範囲を拡大することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅を不純物として随伴する鉄スクラップ
    に鉛を主成分とする金属融体を接触させて該鉄スクラッ
    プ中に含まれる銅を該金属融体に移行せしめ、続いて該
    金属融体をアルミニウムを含む溶融合金に接触させ、該
    金属融体中の銅を該溶融合金に移行せしめ、前記鉄スク
    ラップ中に含まれる銅を前記アルミニウムを含む溶融合
    金中に回収することを特徴とする鉄スクラップ中の銅の
    除去方法。
JP28456196A 1996-10-08 1996-10-08 鉄スクラップ中の銅の除去方法 Pending JPH10110224A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004115822A (ja) * 2002-09-20 2004-04-15 Japan Science & Technology Corp 鉄系焼却灰残渣からの貴金属の分離、回収法
JP2013119666A (ja) * 2011-12-09 2013-06-17 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 鉄スクラップからの銅の硫化除去方法

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