JPH10109986A - ジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン化合物、中間体、製法、組成物および方法 - Google Patents

ジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン化合物、中間体、製法、組成物および方法

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JPH10109986A
JPH10109986A JP9258767A JP25876797A JPH10109986A JP H10109986 A JPH10109986 A JP H10109986A JP 9258767 A JP9258767 A JP 9258767A JP 25876797 A JP25876797 A JP 25876797A JP H10109986 A JPH10109986 A JP H10109986A
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マイケル・グレゴリー・ベル
Brian Stephen Muehl
ブライアン・スティーブン・ミュール
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マーク・アラン・ウィンター
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チ
オフェン化合物、それらの中間体、製法、組成物および
使用方法を提供する。 【解決手段】 本発明はジヒドロベンゾ[b]インデノチ
オフェン化合物、中間体、製剤および、殊に骨粗しょう
症によるもののような骨喪失または骨再吸収、高脂血症
および関連循環器病を含む循環器関連病理学的症状、お
よびエストロゲン依存性癌腫を阻止する方法を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】骨粗しょう症は単位容積当り
骨重量の総喪失量によって特徴付けられる多様な病因学
から起きる一群の疾病を表す。この骨重量喪失およびそ
れに由来する骨折の結果、骨格は身体への適切な構造的
支持を提供できなくなる。骨粗しょう症に最も普通な型
の一つは閉経に関連するものである。殆どの婦人は月経
停止後3年から6年以内に骨の小柱腔内骨重量の約20
%から約60%を失う。この急速な喪失は一般に骨の再
吸収および形成の増加に関連する。しかしながらこの再
吸収サイクルがより優勢なのでその結果として骨重量の
喪失が起きる。骨粗しょう症は閉経後の婦人の間に普遍
的であって深刻な疾患である。
【0002】米国だけでもこの疾病を患う婦人は250
0万人いるとの推測がある。骨粗しょう症の結果は個人
にとっても有害であって、またこの病気の慢性的経過お
よびその後遺症による広範で長期的な支援(入院および
在宅看護)の必要性に起因する大きな経済的損失をもた
らす。これは特に高齢の患者に当てはまる。これに加
え、骨粗しょう症は生命に危険をおよぼす病状であると
は思われてはいないが、20%から30%の死亡率が高
齢婦人の股関節骨折に関連している。この死亡率の中で
大きな割合が閉経後骨粗しょう症に直接的に関連付けで
きる。
【0003】閉経後骨粗しょう症の影響について骨組織
の中でもっとも脆弱な組織は小柱骨組織である。この組
織はしばしば海綿状または格子状骨組織と呼ばれ、殊に
骨の両端近く(関節の近く)におよび脊柱の椎骨に集中
している。この小柱組織は相互に結合する小さな骨状構
造ならびに骨組織の外表面を形成し、またこの骨の中心
的な軸を形成する硬く高密度の皮質組織によって特徴付
けられる。この相互に結合する小柱の網目構造が外側の
皮質構造に側方の支持を与え、全体構造の生力学的強度
に必須である。閉経後骨粗しょう症においては骨組織不
全および骨折を起こす全再吸収および小柱喪失が一次的
である。閉経後の婦人における小柱の喪失を考慮する
と、最も普通の骨折が小柱の支持に高度に依存する骨に
関連するもの、例えば椎骨、および大腿骨および前腕骨
のような重量に耐える骨組織の頚部であることは驚くべ
きことではない。事実、股関節骨折、コリーズ骨折、お
よび椎骨衝撃骨折は閉経後骨粗しょう症の特徴である。
【0004】
【従来の技術】最も一般的に認められている閉経後骨粗
しょう症の処置法はエストロゲン置換療法である。一般
にこの療法は成功するが主としてエストロゲン処置が望
ましくない副作用を示すことが多いためにこの療法に対
する患者の適合性は低いものである。その他の処置法の
一つは、例えばフォソマックス(商標、メルク社)のよ
うなビスホスホネート化合物の投与であろう。
【0005】閉経前期間を通じて殆どの婦人は同年齢の
男子よりも循環器疾患を起こすことが少ない。しかしな
がら閉経後は婦人の循環器疾患罹患率が徐々に増大して
男子に見られる率に近付く。この保護の喪失はエストロ
ゲンの喪失、殊に血中脂質の濃度を調節するエストロゲ
ンの性能の喪失に連動するとされている。血中脂質を調
節するエストロゲンの性能の本質はよく理解されていな
いが、今日までに知られている証拠はエストロゲンが肝
臓内の低密度脂質(LDL)受容体を上方修正して過剰
なコレステロールを除去できることを示している。これ
に加え、エストロゲンはコレステロールの生合成および
その他の循環器の健康にも有益な効果を示すと思われ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】報文によればエストロ
ゲン置換療法を受けている閉経後婦人における血中脂質
濃度は閉経前の段階での濃度に復帰する。そこでエスト
ロゲンはこの病状に対する合理的な処置法であるように
思われる。しかしながらエストロゲン置換療法の副作用
は多数の婦人にとって受入れ難く、この療法の使用を限
定している。この病状に対する理想的な療法はエストロ
ゲンと同様に血中脂質濃度を調節するが、エストロゲン
療法に関連する副作用や危険を伴わない薬剤によるもの
であると思われる。
【0007】エストロゲン依存性癌腫は婦人および、そ
れより少ないが男子の双方が罹患する疾患である。この
型の癌細胞は元来の腫瘍を維持し、ならびに増殖してそ
の他の局所に転移するためにはエストロゲン原が必要で
ある。最も普通な型のエストロゲン依存性癌は乳癌およ
び子宮癌である。これら疾患に対する現在の化学療法は
主としてタモキシフェンのような抗エストロゲン剤の使
用に依存している。このタモキシフェンの使用は有効で
あるけれども、例えば子宮肥大および潜在的癌原性のよ
うなエストロゲン作動性など望ましくない副作用もなく
はない。本発明の化合物は同等または優れた抗癌作用の
力価を示す一方で、エストロゲン作動剤作用の力価は低
い。
【0008】
【課題を解決するための手段】特に閉経後症候群の症状
を緩和することのできる新規医薬品に対する明らかな要
請に応えて本発明はジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1
−d]チオフェン化合物、その医薬的製剤、およびこれ
らの化合物を閉経後症候群およびその他エストロゲン関
連病理学的症状の処置のために使用する方法を提供す
る。
【0009】本発明は式I:
【化3】 [式中、R1は−H、−OH、−X(ここにXはハロゲ
ンである)、−O(C1〜C4−アルキル)、−OCO(C
1〜C6−アルキル)、−OCO(O)(C1〜C6−アルキ
ル)、−OCOAr、−OCO(O)Ar(ここにArは
フェニルまたは置換フェニルである)、または−OSO2
(C4〜C6−アルキル)である。R2、R3およびR4
独立して−H、−OH、−X(ここに−Xはハロゲンで
ある)、−O(C1〜C4−アルキル)、−OCO(C1
6−アルキル)、−OCO(O)(C1〜C6−アルキ
ル)、−OCOAr、−OCO(O)Ar(ここにArは
フェニルまたは置換フェニルである)、または−OSO2
(C4〜C6−アルキル)である。nは2または3であ
る。R5は1−ピペリジニル、1−ピロリジニル、メチ
ル−1−ピロリジニル、ジメチル−1−ピロリジニル、
4−モルホリノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ま
たは1−ヘキサメチレンイミノである。R6は−H、−
OH、−X(ここに−Xはハロゲンである)、−CN、
−NH2、−NHR8、−NR89(ここにR8およびR9
は共に独立してC1〜C6−アルキルである)、またはC1
〜C6−アルキルである]で示される化合物またはその
医薬的に許容される塩または溶媒和物に関する。
【0010】本発明はまた式Iで示される化合物の合成
用中間体として有用な式III:
【化4】 [式中、R1、R2、R3およびR4は前記定義の通りであ
る]で示される化合物に関する。
【0011】本発明はさらに式Iで示される化合物を含
有する医薬的製剤および少なくとも骨喪失または骨再吸
収、特に骨粗しょう症によるもの、高脂血症を含む循環
器関連疾患およびエストロゲン依存性癌腫を阻止するた
めの該化合物および/または製剤の使用法を提供する。
【0012】本明細書における化合物の記載に使用する
一般的用語はそれらの通常の意味を有する。例えば「C
1〜C6−アルキル」はメチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、n−ブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、ヘキシル、イソヘキシルその他を包含する炭素原子
1個から6個までを有する直線状または分枝状の脂肪族
鎖を示す。同様にして、用語「−OC1〜C4−アルキ
ル」は例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イ
ソプロポキシ、その他のような酸素を介して結合するC
1〜C4−アルキル基を表す。これらのC1〜C4−アルコ
キシ基の中でメトキシは特に好適である。
【0013】用語「置換フェニル」はC1〜C4−アルキ
ル、−OC1〜C4−アルキル、ヒドロキシ、ニトロ、ク
ロロ、フルオロ、またはトリ(クロロまたはフルオロ)
メチル、その他から構成される群から選択された置換基
を1個またはそれ以上有するフェニル基を示す。
【0014】用語「ヒドロキシ保護基」は化学的操作の
間にヒドロキシ官能基を保護し、それを除去すればフェ
ノールを与えることができる、文献で使用されている官
能基多数を意図する。アシル、メシレート、トシレー
ト、ベンジル、アルキルシリルオキシ、−C1〜C4−ア
ルキル、その他はこの基に含まれるものとする。かかる
保護基の形成および除去に関する反応多数が、例えば
「有機化学における保護基(Protective Groups in Orga
nic Chemistry)」、Plenum Press社(ロンドンおよびニ
ューヨーク、1973年)、Green, T.W.、「有機合成に
おける保護基(Protective Groups in Organic Synthesi
s)」、Wiley社(ニューヨーク、1981年)および「ペ
プチド(The Peptides)」、第I輯:SchrooderとLubke、A
cademic Press社(ロンドンおよびニューヨーク、19
65年)を含む標準的図書多数に記載されている。好適
なヒドロキシ保護基、殊にメチル基、を除去する方法は
本質的に下記の実施例に記載する通りである。
【0015】用語「阻止」には一般的に認められている
意味を包含し、発生した症状または効果について、その
進行、重症化、または改善を防止し、予防し、抑制し、
遅延し、停止し、または逆転することを含む。
【0016】用語「溶媒和物」は、たとえば式Iで示さ
れる化合物のような溶質1分子またはそれ以上と溶媒1
分子またはそれ以上とから構成される集合体を表す。
【0017】これに限定するものでないが、式Iで示さ
れる化合物は次のものを包含する:10−[4−[2−
(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−3,7−ジメ
トキシジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフ
ェン、10−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]
フェニル]ジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオ
フェン、10−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキ
シ]フェニル]−3,7−ジヒドロキシジヒドロベンゾ
[b]インデノ[2,1−d]チオフェン、10−[4−[2
−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−7−メトキ
シジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン
−10−オール、10−[4−[2−(1−ピペリジニル)
エトキシ]フェニル]−2,7−ジメトキシジヒドロベン
ゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン−10−オー
ル、10−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フ
ェニル]−7−ヒドロキシジヒドロベンゾ[b]インデノ
[2,1−d]チオフェン−10−オール、10−[4−
[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−7−メ
トキシジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフ
ェン、10−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]
フェニル]−2,7−ジメトキシジヒドロベンゾ[b]イン
デノ[2,1−d]チオフェン、10−[4−[2−(1−ピ
ペリジニル)エトキシ]フェニル]−7−ヒドロキシジヒ
ドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン塩酸
塩、10−[4−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]フ
ェニル]−3,7−ジメトキシジヒドロベンゾ[b]インデ
ノ[2,1−d]チオフェン、10−[4−[2−(1−ピロ
リジニル)エトキシ]フェニル]ジヒドロベンゾ[b]イン
デノ[2,1−d]チオフェン、10−[4−[2−(1−ピ
ロリジニル)エトキシ]フェニル]−3,7−ジヒドロキシ
ジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン、
10−[4−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニ
ル]−7−メトキシジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1
−d]チオフェン−10−オール、10−[4−[2−(1
−ピロリジニル)エトキシ]フェニル]−2,7−ジメトキ
シジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン
−10−オール、10−[4−[2−(1−ピロリジニル)
エトキシ]フェニル]−7−ヒドロキシジヒドロベンゾ
[b]インデノ[2,1−d]チオフェン−10−オール、
10−[4−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニ
ル]−7−メトキシジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1
−d]チオフェン、10−[4−[2−(1−ピロリジニ
ル)エトキシ]フェニル]−2,7−ジメトキシジヒドロベ
ンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン、10−[4−
[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニル]−7−ヒ
ドロキシジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオ
フェン塩酸塩、その他。
【0018】用語「脱離基」はSN2反応でアミノ官能
基と置換することができる化学的な実体を意味する。こ
のような反応は当技術分野でよく知られており、そのよ
うな基にはハロゲン、メシレート、トシレート、その他
を包含するものである。好適な脱離基はブロモである。
【0019】式Iで示される化合物はジヒドロベンゾ
[b]インデノチオフェンの誘導体であって、米国化学会
編、「環状基集(Ring Index)」に従って、次の通りに命
名され、番号付けされる。
【化5】
【0020】本発明の中間体および化合物の製造には合
成経路数種が利用可能である。合成経路の一つを下記反
応式Iに例示する。ここでの化合物の製造のための出発
物質は式XIIで示されるインデノベンゾチオフェンで
ある。代表的な合成法を下記製造例4に記載する。
【化6】 [式中、nおよびR5は前記定義の通りである。R1a
−Hまたは−OR7(ここに、R7はヒドロキシ保護基で
ある)である。 R2a、R3a、およびR4aは独立して−Hまたは−OR7
(ここにR7はヒドロキシ保護基である)、−F、−C
l、およびC1〜C4−アルキルである]
【0021】式XIIIaで示されるインデノベンゾチ
オフェンを、典型的には例えばパラジウム炭のような適
当な還元触媒の存在下、たとえば硫酸のような酸の存在
下、適当な溶媒中で還元すれば式IIIaで示されるジ
ヒドロインデノベンゾチオフェンを得る。この反応は典
型的には通常は25℃から150℃までの範囲、好適に
は約60℃、の様々な温度で進行する。この反応は通常
1時間から20時間で完了する。
【0022】これに続く反応式Iの第二工程は式III
aで示される化合物と式Vで示されるグリニヤー試薬と
の反応である。好適なブロモグリニヤー試薬は式Vで示
される化合物のブロモ誘導体とマグネシウムとをエーテ
ル中、室温で反応させても製造しうる。式Vで示される
化合物のブロモ前駆体は商業的に購入可能であるかまた
は当技術分野で知られている方法で入手できる。このよ
うな式Vで示される化合物はこれに限定するものではな
いが、1−ブロモ−2−メトキシベンゼン、1−ブロモ
−3−メトキシベンゼン、1−ブロモ−2−エチルベン
ゼン、1−ブロモ−3−メチルベンゼン、1−ブロモ−
2,4−ジフルオロベンゼン、1−ブロモ−3−クロロ
ベンゼン、1−ブロモ−2−クロロベンゼン、1−ブロ
モ−2−フルオロベンゼン、2−ブロモ−4−フルオロ
アニソール、4−ブロモ−2−フルオロアニソール、そ
の他を包含するものである。この付加反応は25℃と−
78℃との間の温度でたとえばTHF、エチルエーテ
ル、ジオキサン、その他のような不活性溶媒中で進行さ
せてもよい。式Vで示されるグリニヤー試薬と式III
aで示される化合物との反応は式Icで示される化合物
を与える。
【0023】式Icで示されるカルビノールを還元する
にはカルビノールをプロトン化し、水を脱離して炭素カ
チオンを形成する強酸で処理する。続いてその炭素カチ
オンを水素供与剤で還元する。本発明において好適な強
酸はトリフルオロ酢酸であって、好適な水素供与剤はシ
ラン、殊にトリアルキルシラン、最も好適にはトリエチ
ルシラン、である。この反応はCH2Cl2中で0℃で進
行させてもよく、典型的には2時間以内に完了する。
【0024】式Iaで示される化合物[式中、R1aはメ
トキシである]と、エタンチオールおよびAlCl3
をCH2Cl2中で反応させて選択的に脱メチル化して式
Ibで示される化合物を形成する。
【0025】式XIIIaで示されるインデノベンゾチ
オフェンをTHF中で水素化ホウ素リチウムを採用して
還元し、式IIIaで示されるジヒドロインデノベンゾ
チオフェンを得る別法を次の反応式IIに記載する。
【化7】 [式中、R1a、R2a、R3a、およびR4aは前記定義の通
りである]
【0026】式Iで示される化合物の合成のための別種
の経路では以下本明細書に記載する反応式III、I
V、V、およびVIに例示するような経路を採用する。
【化8】 [式中、R1a、R2a、R3a、およびR4aは前記定義の通
りである。Xはハロゲンである] 式VIIIで示される化合物は、少なくとも参考のため
に本明細書に引用するJonesなど、J. Med. Chem.、27
巻:1057頁(1984年)および米国特許第413
3814号、第4380635号および第441806
8号に記載されている方法によって製造しうる。式VI
IIで示される化合物をSuzuki結合反応[例えばSuzuk
i, A.、Pure and Appl.Chem.、6(2)巻:213〜2
22頁(1994年)参照]によって2位をアリール化
する。Suzuki結合反応の1種を使用すれば式IXaで示
される化合物の2位をハロゲン化し(VIIIa)、次
に式Xaで示されるアリールボロン酸化合物(反応式I
II、経路A)と結合して式XIで示される中間体化合
物を得る。
【0027】しかしながら、式VIIIで示される化合
物から式IXbで示されるアリールボロン酸を製造し、
次に式Xbで示されるハロアレーンと反応させて式XI
で示される中間体を得る(反応式III、経路B)のが
好ましい。これら中間体(XI)は本発明の医薬的に活
性な化合物(式Iで示される化合物)を製造するために
有用である。
【0028】反応式IIIの経路Aにおける第一工程は
標準的操作による式VIIIで示される化合物の2位に
おけるヨード化またはブロム化である。一般に式VII
Iで示される化合物を僅かに過剰のn−ブチルリチウム
のヘキサン溶液と適当な溶媒中、窒素のような不活性雰
囲気下で反応させ、続いて僅かに過剰の所期ハロゲン化
剤を適当な溶媒に溶解して滴加する。この工程のための
ハロゲン化剤としてはヨードが好ましい。しかしなが
ら、例えばN−ブロモサクシンイミドのような臭素の使
用も満足な結果を与える。
【0029】適当な溶媒には例えばジエチルエーテル、
ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)のよう
な不活性溶媒または溶媒混合物を包含する。これらの中
で、テトラヒドロフラン、殊に無水THFが好適であ
る。
【0030】この選択的2位ハロゲン化反応は、所望に
よっては約−75℃から約−85℃までの温度で進行さ
せる。
【0031】前記反応の生成物である式IXaで示され
るハロアレーンを次に式Xaで示されるアリールボロン
酸と標準的Suzuki結合反応操作法によって結合し、式X
Iで示される化合物を得る。式Xaで示される化合物は
当技術分野の専門家によく知られている操作法により商
業的に購入できる化合物から誘導される(例えば前記Ma
rch,J.とSuzuki,A.参照)。
【0032】この結合反応では僅かに過剰な式Xaで示
される化合物をパラジウム触媒存在下、各当量の式IX
aで示される化合物および適当な塩基と、たとえばトル
エンのような不活性溶媒中で反応させる。種々のパラジ
ウム触媒がSuzuki結合反応を進行させるが、選択する触
媒は通常反応特異的である。トリフェニルホスフィンパ
ラジウム触媒の使用はこの反応では好適な触媒である。
【0033】同様にして各種の塩基を本結合反応に使用
しうる。しかしながら、トリエチルアミンを使用するの
が好適である。この工程で採用する温度はこの結合反応
完結のために充分であるべきである。典型的には反応混
合物を還流温度まで約2時間から約4時間加熱するのが
適切である。
【0034】反応式IIIの経路Bにおいては式IXb
で示される2位アリールボロン酸をよく知られている操
作法を使用して製造する。一般に、式VIIIで示され
る化合物を適当な溶媒中、たとえば窒素のような不活性
雰囲気下に僅かに過剰なn−ブチルリチウムのヘキサン
溶液で処理し、続いて適当なホウ酸トリアルキルを滴加
する。適当な溶媒には、例えばジエチルエーテル、ジオ
キサン、およびテトラヒドロフラン(THF)のような
不活性溶媒または溶媒混合物を包含する。THF、殊に
無水THFが好適である。本反応に用いる好適なホウ酸
トリアルキルはホウ酸トリイソプロピルである。
【0035】次にこの反応の生成物である式IXbで示
される化合物と式Xbで示されるアリールハライドまた
はアリールトリフレートとを標準的なSuzuki結合反応操
作を経て反応させて式XIで示される化合物を得る。こ
の反応のために好適な反応条件は、これも式XIで示さ
れる化合物を製造するための反応式IIIにおける式I
Xaで示される化合物と式Xaで示される化合物との反
応について記載した通りである。
【0036】式XIで示される化合物を次に下記反応式
IVに示す通りに環化して式XIIIaで示されるイン
デノベンゾチオフェン中間体を得る。
【化9】
【0037】式XIで示される化合物を、典型的には強
塩基存在下脱メチル化して式XIIで示されるカルボン
酸誘導体を得る。次に、式XIIで示される化合物を環
化して式XIIIaで示されるインデノベンゾチオフェ
ン中間体を得る。この環化は本明細書中に前記したフリ
ーデルクラフツアシル化によって行う。
【0038】式XIIIaで示される化合物を作製する
別法の一つを次の反応式Vに記載するが、ここでも式X
IVaで示される化合物をフリーデルクラフツアシル化
を用いて環化して式XIIIaで示される化合物を得
る。
【化10】
【0039】式XIVaで示される化合物は次の反応式
VIに記載する方法によって好都合に製造してもよい。
【化11】
【0040】式XIVで示される化合物[ここにR1a
2a、R3aおよびR4aは前記と同意義である。R9はク
ロロ、ブロモ、またはヒドロキシルである]は3−アル
コキシベンゼンチオールと臭化フェナシルまたは臭化
4'−アルコキシフェナシルとを強塩基の存在下に反応
させて製造を開始できる。この変換用に適当な塩基には
これに限定するものではないが水酸化カリウムおよび水
酸化ナトリウムを含む。この反応は典型的にはエタノー
ル中または水とエタノールとの混合物中、約0℃から約
50℃までの温度で実行する。
【0041】次の工程はアリールフェナシルスルフィド
の環化である。アリールフェナシルスルフィドをポリ燐
酸中で加熱することによってこの環化は容易に実行され
る。この環化は典型的には約80℃から約120℃ま
で、好ましくは85℃と90℃との間の温度で実行す
る。典型的には中間体ベンゾチオフェンを再結晶によっ
て精製する。例えばR1aおよびR2aがメトキシである時
には中間体ベンゾチオフェン化合物を酢酸エチルから再
結晶することもある。
【0042】中間体ベンゾチオフェン化合物はハロゲン
化、リチウム化およびカルボキシル化を包含する一連の
工程によって式XIVで示される化合物に変換する。第
一にベンゾチオフェン中間体をハロゲン化炭化水素溶媒
中で臭素と反応させることによって対応する3−ブロモ
類似体に変換する。この反応に適当なハロゲン化溶媒に
は四塩化炭素、クロロホルム、および塩化メチレン、好
ましくは四塩化炭素とクロロホルムとの混合物を含む。
この変換は約25℃から約55℃までの温度で実行す
る。中間体3−ブロモベンゾチオフェン化合物をたとえ
ば再結晶のような標準的技術を使用して単離する。
【0043】この3−ブロモ中間体をリチウム化および
カルボキシル化して式XIVで示される化合物を製造す
る。3−ブロモベンゾチオフェン化合物を乾燥極性有機
溶媒中、たとえばn−ブチルリチウムのようなアルキル
リチウムと反応させてリチオ化合物を製造する。この反
応に適当な溶媒は無水ジエチルエーテル、無水テトラヒ
ドロフラン、および無水ジメトキシエタンを包含する。
この反応は典型的には約−78℃から約−50℃までの
温度で実行する。この中間体3−リチウム化ベンゾチオ
フェン化合物を固体か気体かいずれかの二酸化炭素で処
理して式XIVで示される化合物[ここにR9はOHで
ある]を製造する。この変換はリチウム化反応と同じ溶
媒中で実行するのが好都合である。この酸は典型的には
反応混合物の酸性化とそれに続く再結晶によって単離す
る。例えばR1aおよびR2aがメトキシであってR9がヒ
ドロキシである時には、式XIVで示される化合物を無
水エタノールから再結晶できる。
【0044】もう一つの合成反応経路では、式Iで示さ
れる化合物の合成用に式IIIaで示されるベンゾ[b]
インデノチオフェン中間体を採用する。これを下記反応
式VIIに例示する。
【化12】
【0045】式XVで示されるアリールハライドと式I
IIaで示されるジヒドロインデノベンゾチオフェンと
を結合して式Icで示される化合物を得る。次に式Ic
で示される化合物を還元して式Iaで示される化合物を
得ることもある。式Iaで示される化合物の脱保護は式
Ibで示される化合物を与えるが、その一例を下記の反
応式VIIIに示す。
【化13】
【0046】式Ia、式Ib、および式Icで示される
化合物は式Iに含まれる。10位に発生する両異性体お
よび異性体混合物は式Iで示される化合物の意図すると
ころであり、また式Iで示される化合物の範囲内にあ
る。
【0047】式Iで示される化合物の遊離塩基型を本発
明の方法で使用できるが、医薬的に許容される塩型を調
製して使用することも好適である。用語「医薬的に許容
される塩」は非毒性であることが知られており、医薬品
学の文献で通常に使用されている酸付加塩または塩基付
加塩のいずれをも示す。これらの医薬的に許容される塩
は一般に誘導された元の化合物よりも溶解特性が強化さ
れており、液剤または乳剤としての製剤化には適合する
ことが多い。この発明の方法で使用する化合物は主とし
て広範な各種の有機および無機酸と医薬的に許容される
酸付加塩を形成し、薬剤化学で使用されることが多い生
理学的に許容される塩を包含する。このような塩もこの
発明の一部である。
【0048】そのような塩類を形成するために用いる典
型的無機酸には塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝
酸、硫酸、燐酸、亜燐酸、その他を包含する。たとえば
脂肪族モノおよびジ−カルボン酸、フェニル−置換アル
カン酸、ヒドロキシアルカン酸およびヒドロキシアルカ
ン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸のよ
うな有機酸から誘導した塩を使用することもある。そこ
でこのような医薬的に許容される塩は酢酸塩、フェニル
酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、アスコル
ビン酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安
息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸
塩、メチル安息香酸塩、o−アセトキシ安息香酸塩、ナ
フタレン−2−安息香酸塩、臭化物、イソ酪酸塩、フェ
ニル酪酸塩、β−ヒドロキシ酪酸塩、ブチン−1,4−
二酸塩、ヘキシン−1,4−二酸塩、カプロン酸塩、カ
プリル酸塩、塩化物、桂皮酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、
フマル酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸
塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマ
レイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、
ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸
塩、フタル酸酸塩、テレフタル酸塩、燐酸塩、一水素燐
酸塩、二水素燐酸塩、メタ燐酸塩、ピロ燐酸塩、プロピ
オール酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸
塩、サリチル酸塩、セバカン酸塩、コハク酸塩、スベリ
ン酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、ピロ硫酸塩、亜硫酸塩、重
亜硫酸塩、スルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−
ブロモフェニルスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン
酸塩、エタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスル
ホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スル
ホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、p−トルエ
ンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酒石酸塩、そ
の他の塩を包含する。好適な塩は塩酸塩である。
【0049】医薬的に許容される酸付加塩は、典型的に
は式Iで示される化合物を当モル量または過剰量の酸と
反応させて形成させる。反応物は一般に、たとえばジエ
チルエーテルまたは酢酸エチルのような相互の溶媒中で
混合する。塩は正常には溶液から約1時間から10日間
以内に析出し、濾過によって単離できるかまたは溶媒を
常法によって除去できる。本発明はさらに、この処置を
必要とするヒトを含む哺乳類に有効量の式Iで示される
化合物および医薬的に許容される希釈剤または担体を含
む薬剤を投与するための医薬的に許容される製剤を提供
する。
【0050】この明細書で使用する用語「有効量」は骨
喪失または骨再吸収、殊に骨粗しょう症によるもの、お
よび高脂血症状および関連循環器病を含む循環器関連疾
患に罹患しているヒトを含む哺乳類におけるそれ以上の
症候を阻止し、緩和し、改善し、処置し、または予防す
ることができる本発明化合物の量を意味する。
【0051】エストロゲン依存性癌腫の症例では用語
「有効量」はヒトを含む哺乳類におけるこの癌および/
またはその症候を緩和し、改善し、癌増殖を阻止し、処
置し、または予防することができる本発明化合物の量を
意味する。
【0052】「医薬的に許容される製剤」は担体、希釈
剤、添加剤、および塩がその製剤の活性成分(式Iで示
される化合物)に適合するものでなければならず、また
被投与者に有毒であってはならないことを意味する。医
薬的製剤は当技術分野で知られている操作法によって製
造できる。例えば本発明の化合物を通常の添加剤、希釈
剤または担体と共に製剤化して錠剤、カプセル剤、その
他に成形することができる。このような製剤に適する添
加剤、希釈剤および担体の例には以下のものを包含す
る:たとえば澱粉、糖類、マンニトールおよびケイ酸誘
導体のような充填剤および増量剤;たとえばカルボキシ
メチルセルロースおよびその他のセルロース誘導体、ア
ルギネート、ゼラチンおよびポリビニルピロリドンのよ
うな結合剤;たとえばグリセリンのような湿潤剤;たと
えば寒天、炭酸カルシウムおよび重炭酸ナトリウムのよ
うな崩壊剤;たとえばパラフィンのような溶解遅延剤;
たとえば4級アンモニウム化合物のような吸収促進剤;
たとえばセチルアルコール、グリセリンモノステアレー
トのような界面活性剤;たとえばカオリンおよびベント
ナイトのような吸着性担体;およびたとえばタルク、ス
テアリン酸カルシウムおよびステアリン酸マグネシウム
および固体のポリエチルグリコールのような滑沢剤。最
終的な医薬剤型は使用する添加剤の型に依存して丸剤、
錠剤、粉剤、ロゼンジ剤、シラップ剤、エアロゾル剤、
サチェット剤、カシェ剤、エリキシール剤、懸濁剤、乳
剤、軟膏剤、坐剤、無菌注射液剤または無菌包装粉末
剤、その他でありうる。
【0053】これに加えて、この発明の化合物は持続放
出用量剤型として製剤化するためによく適合している。
これらの製剤は消化器官の特定部位のみでまたはそこで
優先的に活性成分を一定時間にわたって放出するように
構成することもできる。そのような製剤はポリマー物質
またはワックスから製造される被覆、封入および保護マ
トリックスを含む。
【0054】この発明に従って前記病気を患うヒトを含
む哺乳類の症候および/または疾病を処置し、阻止しま
たは予防するために必要な式Iで示される化合物の特定
用量はその特定疾患、症候、および重症度に依存するも
のである。用量、投与経路、および投与回数は担当医が
決定するのが最良である。一般に、認められる有効な用
量は15mgから1000mg、さらに典型的には約15mg
から約80mgを毎日1回から3回までとなろう。このよ
うな用量を、それを必要とする患者に対して少なくとも
30日、より典型的には6ケ月または長期的に投与する
こととなろう。
【0055】
【製剤例】下記の製剤例は例示のためにのみ示すもので
あって、本発明の範囲を限定することは全く意図してい
ない。このような製剤中の全活性成分は製剤重量に対し
て0.1重量%から99.9重量%を構成する。用語「活
性成分」は式Iで示される化合物を意味する。
【0056】製剤例1 :ゼラチンカプセル成分 量(mg/カプセル) 活性成分 0.1〜1000 澱粉、NF 0〜500 澱粉、流動性粉末 0〜500 流動シリコン350センチストローク 0〜15 各成分を混合し、米国局方45メッシュの篩を通し、硬
ゼラチンカプセルに充填する。
【0057】製剤例2 :錠剤成分 量(mg/錠) 活性成分 2.5〜1000 澱粉 10〜50 微結晶セルロース 10〜20 ポリビニルピロリドン(10%水溶液として) 5 カルボキシメチルセルロースナトリウム 5 ステアリン酸マグネシウム 1 タルク 1〜5 活性成分、澱粉およびセルロースを米国局方45メッシ
ュの篩を通し、よく混合する。得られる粉末とポリビニ
ルピロリドンの溶液とを混合し、これを次に米国局方1
4メッシュの篩を通す。このようにして製造した顆粒を
50〜60℃で乾燥し、米国局方18メッシュの篩を通
す。あらかじめ米国局方60メッシュの篩を通しておい
たカルボキシメチルセルロースナトリウム、ステアリン
酸マグネシウムおよびタルクを前記顆粒に添加し、よく
混合する。得られた材料を打錠機で打錠して錠剤を得
る。
【0058】 活性成分をエタノールと混合し、その混合物をプロペラ
ント22の一部に添加し、−30℃に冷却し、充填装置
に移す。必要量をステンレス鋼製容器に入れて残余のプ
ロペラントで希釈する。バルブ装置を容器に装着する。
【0059】 活性成分を米国局方60メッシュの篩を通し、あらかじ
め融点まで加熱しておいた脂肪酸グリセリドに懸濁す
る。混合物を坐剤金型に注入して放冷する。
【0060】製剤例5:懸濁剤 各5mL用量当りに0.1〜1000mgの式Iで示される
化合物を含有する懸濁液。 成分 重量 活性成分 0.1〜1000mg カルボキシメチルセルロースナトリウム 50mg シラップ 1.25mL 安息香酸溶液(0.1M) 0.10mL 矯味剤 適量 着色料 適量 精製水を加えて 全量5mLとする 式Iで示される化合物を米国局方45メッシュの篩を通
し、次にこれとカルボキシメチルセルロースナトリウム
およびシラップとを混合して流動性のペーストとする。
安息香酸溶液、矯味剤および着色料を適量の水で希釈し
て添加し、この混合物をよく撹拌する。次に水を追加し
て最終容積とする。
【0061】
【実施例】以下の実施例および製造例は本発明の実行法
をよく理解させるために提供するものであって決して範
囲を限定するためのものと解釈すべきではない。当分野
の熟練者は本発明の理念と範囲から逸脱することなしに
様々な修飾をしうることを認識するものである。この明
細書に引用した文献と特許出願はすべてこの発明が関係
する分野の熟練者の水準を示すものである。
【0062】以下の実施例のNMR資料はGE社300
MHzNMR装置で特段の指摘がない限り無水CDCl
3を溶媒に用いて作製した。13C−NMRスペクトルの
磁場強度は特段の指摘がない限り75.5Hzであっ
た。
【0063】製造例1 7−メトキシ−4a,9a−ジ
ヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン−1
0−オン
【化14】 7−メトキシベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェ
ン3.5gをテトラヒドロフラン145mLおよび濃硫酸
1.0mLに溶解し、これを5%パラジウム炭5.3gで
60psigの水素下に2時間60℃で処理した。溶液を食
塩水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過
し、濃縮して黄色油状物2.5gを得た。この油状物を
シリカゲル上でクロマトグラフィーし、酢酸エチルとヘ
キサンで溶離して標記化合物890mgを黄色泡状物とし
て得た。MS:m/z268(M+)。300MHz、1
H−NMR(CDCl3)δ:3.74(s、3H)、4.
52(d、J=8Hz、1H)、5.38(d、J=8H
z、1H)、6.65(d、J=2Hz、2H)、7.40
〜7.55(m、2H)、7.60〜7.73(m、2H)、
7.76(d、J=8Hz、1H)。
【0064】製造例2 6−メトキシ−2−[4−メト
キシ−2−メトキシカルボニルフェニル]ベンゾ[b]チ
オフェン
【化15】 6−メトキシベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸
0.50g、5−メトキシ−2−ブロモ安息香酸メチル
0.60g、酢酸パラジウム(II)0.017g、トリ
フェニルホスフィン0.046g、およびトリエチルア
ミン0.87mLの混合物をジメチルホルムアミド25m
L中で100℃に18時間加熱した。反応混合物を室温
まで冷却し、蒸発した。得られた残渣をクロロホルムお
よび水に溶解した。有機性部分を混合物から分離し、水
性部分をクロロホルムで抽出した。有機性部分を集めて
飽和重炭酸ナトリウムおよび食塩水で洗浄し、乾燥(硫
酸ナトリウム)し、濾過し、および蒸発した。得られた
残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィーし、25%ヘ
キサン含有トルエンで溶離して標記化合物0.38gを
得た。MS:m/z329(M++1)。元素分析:C18
164Sとして計算値:C65.84、H4.91。実
験値:C65.84、H4.94。
【0065】製造例3 6−メトキシ−2−[4−メト
キシ−2−カルボキシフェニル]ベンゾ[b]チオフェン
【化16】 6−メトキシ−2−[4−メトキシ−2−安息香酸メチ
ル]ベンゾ[b]チオフェン0.11gをテトラヒドロフラ
ン5mLおよびエタノール3mLに22℃で溶解し、これ
に1N−NaOH1.63mLを添加した。反応混合物を
22℃で18時間撹拌し、次に50℃に5時間加熱し
た。室温まで冷却後、反応混合物に水を加え、クロロホ
ルムで抽出した。水性部分を過剰の1N−HClで酸性
化し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を集めて食塩
水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、蒸発
して標記化合物0.09gを灰白色結晶性固体として得
た。mp.201〜202℃。MS:m/z314
(M+)。
【0066】製造例4 4A.7−メトキシベンズ[b]
インデノ[2,1−d]チオフェン−10−オン
【化17】 6−メトキシ−3−カルボン酸−2−フェニルベンゾ
[b]チオフェン15.0gおよびN,N−ジメチルホルム
アミド4滴を1,2−ジクロロエタン300mLにスラリ
ー化し、これに22℃で塩化チオニル15.1mLを添加
した。このスラリーを45分間還流し、次に蒸発乾固し
た。固体をジクロロメタン300mLに溶解し、塩化ア
ルミニウム15.5gを添加した。溶液を3時間還流
し、次に氷に注入し、クロロホルムで3回抽出した。ク
ロロホルム抽出物を食塩水で3回洗い、乾燥(硫酸ナト
リウム)し、蒸発して標記化合物14.1gを赤色固体
として得た。MS:m/z266(M+)。300MH
z、1H−NMR(CDCl3)δ:3.89(s、3
H)、7.05〜7.40(m、5H)、7.45(d、J
=7Hz、1H)、8.00(d、J=8Hz、1H)。
元素分析:C16102Sとして計算値:C72.16、
H3.79。実験値:C72.00、H3.74。
【0067】4B.2,7−ジメトキシベンズ[b]イン
デノ[2,1−d]チオフェン−10−オン
【化18】 A部の操作法に従って、6−メトキシ−3−カルボン酸
−2−フェニルベンゾ[b]チオフェンを6−メトキシ−
3−カルボン酸−2−[4−メトキシフェニル]ベンゾ
[b]チオフェンに替えて標記化合物を得た。MS:m/
z296(M+)。元素分析:C17123Sとして計算
値:C68.90、H4.08、S10.82。実験値:
C69.12、H4.10、S10.68。
【0068】製造例5 2,7−ジメトキシ−4a,9a
−ジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン
−10−オン
【化19】 2,7−ジメトキシベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオ
フェン−10−オン1.0gと水素化ホウ素リチウム8
0mgとの混合物をテトラヒドロフラン30mL中で18
時間加熱還流した。反応物を22℃まで冷却し、水20
0mLを添加して反応停止し、酢酸エチルで2回抽出し
た。有機抽出物を1N−水酸化ナトリウム、水および食
塩水で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、お
よび蒸発した。得られた残渣をシリカゲル上でクロマト
グラフィーし、酢酸エチルおよびトルエンで溶離して標
記化合物0.20gを白色固体として得た。MS:m/
z297(M+)。IR(CHCl3)1710cm
-1(C=O)。元素分析:C17143Sとして計算値:
C68.42、H4.74、Nなし。実験値:C68.5
1、H4.71、Nなし。
【0069】実施例1 10−[4−[2−(1−ピペリ
ジル)エトキシ]フェニル]−7−メトキシ−4a,9a−
ジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン−
10−オール
【化20】 7−メトキシ−4a,9a−ジヒドロベンゾ[b]インデ
ノ[2,1−d]チオフェン1.50gをテトラヒドロフラ
ン20mLに溶解し、これに0℃で4−ブロモマグネシ
オ−[2−(1−ピペリジル)エトキシ]ベンゼンのテトラ
ヒドロフラン溶液(原料ブロモ化合物2.78gのテト
ラヒドロフラン10mL溶液をマグネシウム粉末0.72
gと共に1.5時間還流して製造)13.4mLを0℃で
添加し、2時間かけて室温まで温めた。飽和重炭酸ナト
リウム水で反応を停止し、酢酸エチル100mLを添加
した。有機物を分離し、食塩水で2回洗浄し、硫酸ナト
リウムで乾燥し、濾過し、濃縮して黄色油状物2.77
gを得た。この油状物をシリカゲル上でクロマトグラフ
ィーし、ヘキサン、酢酸エチル、およびメタノールで溶
離して標記化合物1.50gを黄色油状物として得た。
MS:m/z474(M+)。300MHz、1H−NM
R(CDCl3)δ:1.40〜1.52(m、2H)、
1.52〜1.70(m、4H)、2.34(s、1H)、
2.45〜2.60(m、4H)、2.75〜2.85
(m、2H)、3.80(s、3H)、4.05〜4.10
(m、2H)、4.34(d、J=7Hz、1H)、5.6
5(d、J=8Hz、1H)、6.60(m、1H)、6.
71(d、J=3Hz、1H)、6.85〜6.96
(m、4H)、7.14(d、J=7Hz、1H)、7.2
2〜7.48(m、4H)。
【0070】実施例2 10−[4−[2−(1−ピペリ
ジニル)エトキシ]フェニル]−7−メトキシ−4a,9a
−ジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン
【化21】 トリエチルシラン0.96gのトリフルオロ酢酸24mL
溶液を0℃で10−[4−[2−(1−ピペリジル)エトキ
シ]フェニル]−7−メトキシ−4a,9a−ジヒドロベ
ンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェン−10−オー
ル1.43gのジクロロエタン100mL溶液に迅速に添
加した。得られた溶液を室温まで加温し、水100mL
を添加した。有機層を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水
で2回および食塩水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で
乾燥し、濾過し、濃縮して標記化合物1.65gを褐色
油状物として得た。MS:m/z458(M+)。300
MHz、1H−NMR(CDCl3)δ:1.35〜1.5
0(m、2H)、1.80〜2.00(m、4H)、2.1
0〜2.30(m、2H)、2.70〜2.95(m、2
H)、3.30〜3.42(m、2H)、3.66(s、3
H)、4.40〜4.50(m、2H)、4.70(d、J
=9Hz、1H)、4.88(d、J=9Hz、1H)、
5.56(d、J=7Hz、1H)、6.12(d、J=
8Hz、1H)、6.19(d、J=8Hz、1H)、6.
52(s、1H)、6.64(d、J=8Hz、2H)、
6.86〜7.00(m、3H)、7.23〜7.35
(m、2H)、7.30(d、J=4Hz、1H)。
【0071】実施例3 10−[4−[2−(1−ピペリ
ジニル)エトキシ]フェニル]−7−ヒドロキシ−4a,9
a−ジヒドロベンゾ[b]インデノ[2,1−d]チオフェ
【化22】 10−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニ
ル]−7−メトキシ−4a,9a−ジヒドロベンゾ[b]イ
ンデノ[2,1−d]チオフェン1.63gをジクロロエタ
ン250mLに溶解し、これにエタンチオール1.3mL
および塩化アルミニウム2.4gを添加した。この溶液
を室温で一夜撹拌した。反応混合物に飽和重炭酸ナトリ
ウム水を加えて反応を停止し、次にメタノール20mL
を添加した。水層をクロロホルムで2回抽出した。有機
層を集めて食塩水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾
燥し、濾過し、濃縮して褐色油状物1.24gとした。
この油状物をシリカゲル上でクロマトグラフィーし、メ
タノールおよびクロロホルムで溶離して標記化合物32
0mgを黄色泡状物として得た。MS:m/z444
(M+)。300MHz、1H−NMR(CDCl3)δ:
1.40〜1.55(m、2H)、1.55〜1.66
(m、4H)、2.45〜2.60(m、4H)、2.70
〜2.85(m、2H)、4.04(t、J=6Hz、2
H)、4.65(d、J=9Hz、1H)、4.85(d、
J=9Hz、1H)、5.41(d、J=9Hz、1
H)、6.05(ABq、J=6Hz、Dn=19Hz、
2H)、6.43(s、1H)、6.59(d、J=8H
z、2H)、6.84(d、J=8Hz、2H)、7.02
(d、J=8Hz、1H)、7.20〜7.35(m、3
H)、7.40(d、J=7Hz、1H)。元素分析:C
2827NO3Sとして計算値:C75.81、H6.5
9、N3.16。実験値:C75.63、H6.44、N
2.89。
【0072】
【作用】本発明方法を例示する実験例では閉経後モデル
を使用して循環脂質におよぼす種々の処置の効果を測定
した。75日齢雌性Sprague-Dawleyラット(体重200
から225gまでの範囲)をCharles River Laboratori
es社(ポーティジ、MI)から入手した。これら動物は
Charles River Laboratories社で両側性に卵巣切除(O
VX)するか、またはシャム外科手術して1週間後に出
荷したものである。到着後、それらを各金属製ハンギン
グケージに3匹または4匹づつに分けて入れ、1週間自
由に摂食(カルシウム含有量約0.5%)および摂水さ
せた。室温は22.2±1.7℃、最低相対湿度は40%
に維持した。飼育室の光照射時間は12時間照明および
12時間暗黒とした。
【0073】投薬計画組織収集.馴化期間1週間後(す
なわちOVX後2週間)、被験化合物の毎日投与を開始
した。17α−エチニルエストラジオールまたは被験化
合物を特段の指摘がない限り1%カルボキシメチルセル
ロース懸濁液としてまたは20%サイクロデキストリン
溶液として経口投与した。動物に4日間毎日投薬した。
投薬計画完了後、動物を体重測定し、ケタミン:キシラ
ジン(2:1、V:V)混合物で麻酔し、心臓穿刺によ
って血液試料を採取した。次に動物をCO2による窒息
で屠殺し、中央切開によって子宮を摘出し、子宮湿重量
を測定した。
【0074】コレステロール分析.血液試料を室温で2
時間凝血させ、3000rpmで10分間遠心分離して血
清を得た。Boehringer Mannheim Diagnostics社の高速
コレステロール検定法を使用して血清コレステロールを
測定した。略述すればコレステロールを酸化して4−コ
レステン−3−オンおよび過酸化水素とした。次にペル
オキシダーゼの存在下過酸化水素をフェノールおよび4
−アミノフェナゾンと反応させてp−キノンイミン色素
を産生させ、これを500nmで分光光学的に測定した。
次に標準曲線と比較してコレステロール濃度を算出し
た。
【0075】子宮好酸球過酸化酵素(EPO)検定法
子宮は酵素分析するまで4℃に維持した。次に0.00
5%トリトン・X−100を含有する50mM−トリス
緩衝液(pH−8.0)50容中で子宮をホモゲナイズ
した。0.01%過酸化水素と10mM−o−フェニレン
ジアミン(最終濃度)とを含有するトリス緩衝液を添加
後、吸光度の増大を450nmで1分間観測した。子宮中
にある好酸球の存在は化合物のエストロゲン作用を示
す。15秒間隔で測定して得た反応曲線の初期直線部分
にわたって最大速度を求めた。化合物の出所 .17α−エチニルエストラジオールはSi
gma Chemical社、セントルイス、MOから入手した。
【0076】式Iで示される化合物が血清コレステロー
ルにおよぼす影響および作動剤/非作動剤活性の測定 下記表1に示すデータは卵巣切除ラット、17α−エチ
ニルエストラジオール(EE2;経口投与可能エストロ
ゲン)処理ラット、および本発明化合物で処理したラッ
トの間の比較を示す。EE2を0.1mg/kg/日を経口投
与すると血清コレステロールは低下したが、EE2子宮
重量が卵巣切除被験動物子宮重量よりかなり大きく、子
宮刺激作用も示した。エストロゲンに対するこの子宮の
反応は当技術分野ではよく認識されている。
【0077】本発明の化合物は一般に卵巣切除対照動物
と比べて血清コレステロールを低下させるばかりでな
く、被験化合物の大多数で子宮重量を極く僅かに増加す
るか、または僅かに減少させた。当技術分野で知られて
いるエストロゲン化合物と比較して子宮重量への悪影響
のない血清コレステロール低下の利益は全く希少であっ
て、望ましいものである。
【0078】下記データが示す通り、エストロゲン性を
子宮への好酸球の不都合な浸潤反応を評価することによ
っても査定した。本発明化合物は卵巣切除ラットの間質
層に認められる好酸球数の増加を起こさなかったが、一
方エストラジオールでは予期通りかなりの好酸球浸潤の
増加を起こした。下記表1に示すデータは各処置毎にラ
ット5匹から6匹の反応を反映する。
【表1】 a:mg/kg経口b :卵巣切除対照に対する子宮重量増加%c :好酸球過酸化酵素d :卵巣切除対照に対する血清コレステロール減少値e :17α−エチニルエストラジオール *:p<0.05
【0079】本発明化合物の前記利点に加えて、前記資
料は式Iで示される化合物はエストロゲン模倣体ではな
いことを明示する。さらにその上、いずれの処置におい
ても有害な毒性学的効果(例えば、生存数)は観察され
なかった。
【0080】骨粗しょう症検査法.下記一般調製操作に
従ってラット(処置群毎に6匹)を35日間毎日処置
し、36日目に二酸化炭素による窒息で屠殺する。35
日の期間は本明細書に記載するようにして測定される骨
密度の最大低下を起こすに十分である。屠殺時に子宮を
摘出し、余分な組織を切除し、液体性の内容物を排出し
た後に湿重量を測定して、完全な卵巣切除に伴うエスト
ロゲン不全を確認する。通常、卵巣切除に応答して子宮
重量は約75%減少する。次に子宮を10%中性緩衝ホ
ルマリンに入れて後続する組織学的分析に備える。
【0081】右大腿骨を切出し、デジタル化X線像を作
製し、映像分析プログラム(NIH image)で遠位骨端線
を分析する。これら動物からの脛骨近位側面も定量的コ
ンピュータートモグラフィーによって走査する。
【0082】前記操作法によって本発明化合物およびエ
チニルエストラジオール(EE2)の20%ヒドロキシ
プロピル−β−サイクロデキストリン溶液を被験動物に
経口投与する。その結果を卵巣切除動物と比較して保護
百分率として記載する。被験動物の卵巣切除は無傷の基
剤処理対照動物と比較して顕著な大腿骨密度の低下を起
こす。経口投与したエチニルエストラジオール(E
2)はこの喪失を予防するが、この処置による子宮刺
激の危険は常に存在する。
【0083】MCF−7増殖検定法 10%ウシ胎児血清(FBS)(V/V)、L−グルタミ
ン(2mM)、ピルビン酸ナトリウム(1mM)、HEPE
S{(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N'−[2
−エタンスルホン酸]10mM}、非必須アミノ酸および
ウシインスリン(1μg/mL)を添加したMEM(最小
必須培地、フェノールレッド不含、Sigma社、セントル
イス、MO)(維持培地)中にMCF−7乳腺癌細胞(AT
CC HTB22)を維持した。検定の10日前にMCF−7細
胞を前記の10%FBSの代りに10%デキストラン被
覆活性炭でストリップしたウシ胎児血清(DCC−FB
S)を添加した維持培地に移植してステロイドの内部留
保を欠失させた。MCF−7細胞を維持フラスコから細
胞剥離培地(10mM−HEPESおよび2mM−EDT
Aを添加したCa++/Mg++不含HBSS(フェノール
レッド不含))を用いて取出した。細胞を検定培地で2
回洗浄し、80000細胞/mLに調整した。その約1
00mL(8000細胞)を平底マイクロカルチャーウ
ェル(Costar社3596)に添加し、5%CO2湿潤イ
ンキュベーター中、48時間37℃でインキュベーショ
ンして移植細胞に接着および平衡をさせた。薬剤の順次
希釈物または希釈対照としてのDMSOを検定培地で調
製して、その50mLを3重にマイクロカルチャーに移
し、続いて検定培地50mLを加えて最終容積200mL
とした。5%CO2湿潤インキュベーター中、37℃で
さらに48時間後、マイクロカルチャーをトリチウム化
チミジン(1μCi/ウェル)で4時間パルスした。−
70℃で24時間凍結して培養を終結し、続いて解凍し
てSkatron Semiautomatic Cell Harvesterを使用してマ
イクロカルチャーを収集した。試料をWallace BetaPlac
e β-counterを使用して液体シンチレーション法でカウ
ントした。実施例3の化合物はED50として100nM
の値を示した。
【0084】DMBA誘導乳腺腫瘍阻止 エストロゲン依存性乳腺腫瘍をインディアナ州、インデ
ィアナポリスのHarlanIndusties社から購入した雌性Spr
ague-Dawleyラットに作製する。約55日齢にラットに
7,12−ジメチルベンゾ[a]アントラセン(DMB
A)20mgを単回経口投与する。DMBA投与の約6週
後から腫瘍出現について乳腺を毎週触診する。腫瘍1個
またはそれ以上が出現した時に各腫瘍の最長径および最
短径をカリパスを使用して測定し、測定値を記録し、そ
の動物を実験用に選択する。腫瘍の平均サイズが各被験
群間に均等に分布するように様々なサイズの腫瘍を処置
群および対照群に均一に分布させるような努力をする。
各実験の対照群および被験群には5匹から9匹の動物を
含める。
【0085】式Iで示される化合物を2%アラビアゴム
注射液として腹腔内注射するかまたは経口投与する。経
口投与する化合物は0.2mLのコーン油に溶解または懸
濁する。アラビアゴムおよびコーン油である対照処方を
含む各処方を各被験動物に毎日投与する。最初の腫瘍測
定および各被験動物の選択に続いて前記方法により毎週
腫瘍を測定する。動物の処置および測定を3週間から5
週間継続し、そこで腫瘍の最終面積を決定する。各化合
物処置と対照処置とについて平均腫瘍面積の変化を測定
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/55 ADN A61K 31/55 ADN (72)発明者 ブライアン・スティーブン・ミュール アメリカ合衆国46217インディアナ州イン ディアナポリス、カントリー・レイン940 番 (72)発明者 マーク・アラン・ウィンター アメリカ合衆国46220インディアナ州イン ディアナポリス、ケスラー・ビュー・ドラ イブ4733番

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 [式中、 R1は−H、−OH、−X(ここに−Xはハロゲンであ
    る)、−O(C1〜C4−アルキル)、−OCO(C1〜C6
    −アルキル)、−OCO(O)(C1〜C6−アルキル)、
    −OCOAr、−OCO(O)Ar(ここにArはフェニ
    ルまたは置換フェニルである)、または−OSO2(C4
    〜C6−アルキル)である。R2、R3およびR4は独立し
    て−H、−OH、−X(ここに−Xはハロゲンであ
    る)、−O(C1〜C4−アルキル)、−OCO(C1〜C6
    −アルキル)、−OCO(O)(C1〜C6−アルキル)、
    −OCOAr、−OCO(O)Ar(ここにArはフェニ
    ルまたは置換フェニルである)、または−OSO2(C4
    〜C6−アルキル)である。nは2または3である。R5
    は1−ピペリジニル、1−ピロリジニル、メチル−1−
    ピロリジニル、ジメチル−1−ピロリジニル、4−モル
    ホリノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、または1−
    ヘキサメチレンイミノである。R6は−H、−OH、−
    X(ここに−Xはハロゲンである)、−CN、−NH2
    −NHR8、−NR89(ここにR8およびR9は共に独
    立してC1〜C6−アルキルである)、またはC1〜C6
    アルキルである]で示される化合物またはその医薬的に
    許容される塩または溶媒和物。
  2. 【請求項2】 式III: 【化2】 [式中、R1は−H、−OH、−O(C1〜C4−アルキ
    ル)、−OCO(C1〜C6−アルキル)、−OCO(O)
    (C1〜C6−アルキル)、−OCOAr、−OCO(O)
    Ar(ここにArはフェニルまたは置換フェニルであ
    る)、または−OSO2(C4〜C6−アルキル)である。
    2、R3およびR4は独立して−H、−OH、−X(こ
    こに−Xはハロゲンである)、−O(C1〜C4−アルキ
    ル)、−OCO(C1〜C6−アルキル)、−OCO(O)
    (C1〜C6−アルキル)、−OCOAr、−OCO(O)
    Ar(ここにArはフェニルまたは置換フェニルであ
    る)、または−OSO2(C4〜C6−アルキル)である]
    で示される化合物。
  3. 【請求項3】 活性成分として請求項1の式Iで示され
    る化合物を医薬的に許容される添加剤、担体または希釈
    剤の1種またはそれ以上と共に含む抗閉経後症候群医薬
    製剤。
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US6756388B1 (en) * 1993-10-12 2004-06-29 Pfizer Inc. Benzothiophenes and related compounds as estrogen agonists
US6399634B1 (en) * 1994-09-20 2002-06-04 Eli Lilly And Company Benzothiophene compounds, compositions, and methods

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