JPH10109471A - 凹版オフセット印刷方法 - Google Patents

凹版オフセット印刷方法

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JPH10109471A
JPH10109471A JP26749696A JP26749696A JPH10109471A JP H10109471 A JPH10109471 A JP H10109471A JP 26749696 A JP26749696 A JP 26749696A JP 26749696 A JP26749696 A JP 26749696A JP H10109471 A JPH10109471 A JP H10109471A
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JP26749696A
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Yasuhiko Kondo
康彦 近藤
Masanori Yoshida
正典 吉田
Takehiko Matsuyama
武彦 松山
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にブランケットから被印刷物へのインキの
完全転移を実現し、印刷形状が良好な微細パターンを形
成できるオフセット印刷方法を提供する。 【解決手段】 凹版の凹部に充填したインキをブランケ
ットの表面に転移させ、次いでこのインキを被印刷物の
表面に転移させてインキ層を形成する凹版オフセット印
刷方法において、ブランケットの表面に転移されたイン
キに対して溶剤を吹きつけた後、インキをブランケット
から被印刷物の表面に転移させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細なパターンを
高精度でもって形成できる凹版オフセット印刷方法に関
し、より詳しくは、例えば液晶ディスプレイに用いられ
るカラーフィルタの製造などに適した凹版オフセット印
刷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のブラウン管(CRT)に代わる表
示デバイスとして注目されているカラーディスプレイ
は、カラーフィルタを用いてカラー表示を実現してい
る。このカラーフィルタは、線幅10〜150μm程度
の微細なパターンが極めて高い精度でもって形成されて
いる必要があるため、従来よりフォトリソ法により製造
されていた。しかし、フォトリソ法は製造コストが高い
という問題があるため、工程が簡単で量産性を有する印
刷法にてカラーフィルタを製造することが検討されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】印刷法には種々の方法
があるが、カラーフィルタ等の微細なパターンを印刷す
るには、凹版オフセット印刷方法が最適である。特に、
表面ゴム層がシリコーンゴムからなるブランケットを用
いると、ブランケット上のインキが被印刷物に完全に転
移するために、パターンのエッジがシャープで、直線性
に優れているなど、印刷形状が非常に良好なパターンが
得られることが知られている。
【0004】しかし、凹版オフセット印刷方法で用いら
れている凹版は、通常、ガラス製または金属製であっ
て、インキの離型性が低いものであるため、凹版からブ
ランケットへインキを転移させる際にインキが分裂し、
その一部が凹版の凹部内部に残存する現象(パイリン
グ)が生じる。すなわち、インキが凹版からブランケッ
トへ100%転移されず、概ね50%程度に抑えられ
る。その結果、カラーフィルタのように微細なパターン
を印刷する場合には、このパイリングが原因となって、
印刷形状に乱れが生じるという問題がある。とりわけ、
このような印刷形状の乱れがカラーフィルタの製造時に
生じると、液晶ディスプレイの画像品質に悪影響を及ぼ
してしまう。
【0005】そこで、ブランケットから被印刷物への転
移だけでなく、凹版からブランケットへの転移において
もインキの完全転移を実現することによって、印刷形状
が非常に良好なパターンを形成することが求められてい
る。インキの完全転移を実現するには、転移元における
表面エネルギーの値を低くすればよい。そこで、特開平
2−135348号公報では、ポリテトラフルオロエチ
レン(テフロン樹脂)で表面処理し、表面エネルギーを
低下させた凹版を用いている。しかし、この公報ではブ
ランケットの材料が全く考慮されておらず、すなわち、
ブランケットから被印刷物への転移において完全転移を
実現することついては考慮されていない。
【0006】特開平5−139065号公報では、表面
をシリコーンゴムで被覆した凹版を用いて、凹版からの
インキの離型性を高めている。しかしながら、印刷を繰
り返すと、経時的にインキの転移性が低下し、凹版から
ブランケットへのインキの転移時にパイリングが生じる
という問題がある。また、インキの転移性が低下するの
を防ぐために凹版表面にシリコーンオイル等の離型剤を
塗布したときは、離型剤がインキに付着してインキの被
印刷物への接着強度が低下してしまい、インキが被印刷
物上に転移されなくなるおそれがある。
【0007】特開平8−72384号公報および同8−
99476号公報では、表面にシリコーン樹脂層や非晶
質のフッ素樹脂層を形成した凹版を用いるとともに、凹
版凹部に充填された光硬化型インキに電離放射線を照射
し、該インキが凹部に接している部分を硬化させ、空気
に触れている表層部を半硬化状態に保つことにより、ブ
ランケットへの接着性を維持するとともに、凹版凹部か
らの離型性の向上を図っている。しかしこの場合には、
紫外線、赤外線などの電離放射線の照射にコストがかか
るため、実用上問題がある。また、上記公報には、被印
刷物であるガラス基板の表面に粘着層を形成して、ガラ
ス基板のインキ受理性を高めるという方法も開示されて
いる。しかし、一般に耐熱性と透明性とを保持しつつ十
分な粘着性を有する材質は極めて少ないことや、粘着層
の形成にコストがかかる等の問題がある。
【0008】そこで本発明の主たる目的は、特にブラン
ケットから被印刷物へのインキの完全転移を実現し、印
刷形状が良好な微細パターンを形成することのできるオ
フセット印刷方法を提供することである。本発明の他の
目的は、凹版からブランケットへおよびブランケットか
ら被印刷物への両方の工程でインキの完全転移を実現
し、印刷形状が良好な微細パターンを形成することので
きるオフセット印刷方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、凹版の凹部に
充填したインキをブランケットの表面に転移させ、次い
でこのインキを被印刷物の表面に転移させてインキ層を
形成する凹版オフセット印刷方法において、ブランケッ
トの表面に転移されたインキに対して溶剤を吹きつけた
後、インキをブランケットから被印刷物の表面に転移さ
せるときは、特にブランケットから被印刷物へのインキ
の完全転移を実現でき、印刷形状が良好な微細パターン
を高精度でもって形成できるという新たな事実を見出
し、本発明の凹版オフセット印刷方法を完成するに至っ
た。
【0010】一般に、凹版凹部からのインキの離型性を
高めるには粘着性の低いインキを用いるのが好ましいも
のの、この場合には被印刷物へのインキの転移性が低下
するという問題が生じる。しかし、上記本発明の凹版オ
フセット印刷方法によれば、インキの粘着性が低い場合
であっても、ブランケット上に転移されたインキに対し
て当該インキの溶剤を吹きつけることから、ブランケッ
ト上にてインキの粘着性を高めることができ、その結
果、ブランケットから被印刷物へのインキの転移性を向
上させることができる。
【0011】さらに、本発明の凹版オフセット印刷方法
において、凹版表面のうち少なくとも凹部の表面に離型
剤を塗布した場合には、凹版凹部からのインキ離型性が
向上する。この場合、インキの被印刷物への接着性が低
下するという問題が生じるおそれがあるが、前述のよう
に、ブランケット上に転移されたインキに対して溶剤を
吹きつけることによって、かかる問題を解決できる。従
って、上記の場合においては、凹版からブランケットへ
およびブランケットから被印刷物への両方の工程でイン
キの完全転移を実現でき、印刷形状が良好な微細パター
ンを高い精度でもって形成できる。
【0012】上記本発明の凹版オフセット印刷方法にお
いては、ブランケットから被印刷物へインキを完全に転
移させるという観点から、ブランケットの表面ゴム層が
シリコーンゴムであるのが好ましい。また、凹版の凹部
からブランケットへインキを完全に転移させるという観
点から、凹版の表面がシリコーンゴムまたはフッ素系樹
脂で覆われているのが好ましい。
【0013】また、本発明の凹版オフセット印刷方法に
おいて、インキの溶剤を超音波発振機により霧状にした
上で、ブランケットの表面に転移されたインキに対して
吹きつけたときは、前記溶剤を微粒子の状態で吹きつけ
ることができ、その結果、インキの表面に均一に付着さ
せることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の凹版オフセット印
刷方法について詳細に説明する。本発明に用いられる凹
版の基板としては、例えばソーダライムガラス、ノンア
ルカリガラス、石英ガラス、低アルカリガラス、低膨張
ガラス等のガラスのほか、フッ素樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリメタクリル樹
脂等の樹脂、ステンレス、銅、低膨張合金アンバー等の
金属があげられる。なかでも、ソーダライムガラス等の
軟質ガラスを用いるのが、微細なパターンを高精度で再
現するという観点から好ましい。
【0015】凹版の表面に形成される凹部の深さは特に
限定されないが、被印刷物上に形成されるインキ層の厚
さに応じて、通常1〜15μm、好ましくは5〜10μ
mの範囲で設定される。本発明に用いられる凹版には、
凹版からブランケットへのインキの完全転移を実現する
という観点から、その表面に、シリコーンゴム、フッ素
系樹脂などの表面自由エネルギーが低い材料で表面処理
を施すのが好ましい。前記表面処理としては、シリコー
ンゴムやフッ素系樹脂からなるコーティング層を凹版表
面に形成する方法があげられる。また、この表面処理
は、凹版の表面全面に施さなくてもよく、凹版凹部の内
面あるいは凹版凹部の底面にのみ施してもよい。前記シ
リコーンゴムとしては、例えばミラブルシリコーンゴ
ム、RTVシリコーンゴム、電子線硬化型シリコーンゴ
ム等の種々のシリコーンゴムが使用可能である。前記フ
ッ素系樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリヘキサフルオロプロピレン等が使用可能であ
る。前記表面処理の方法としては、例えば上記例示のシ
リコーンゴムやフッ素系樹脂をディッピング、スピンコ
ート、ロールコート等の従来公知の方法でコーティング
する方法があげられる。
【0016】本発明に用いられるブランケットとして
は、従来公知の種々のものを使用できるが、特に表面ゴ
ム層がシリコーンゴムからなるブランケットを用いるの
が、ブランケットから被印刷物へのインキの完全転移を
実現する上で好ましい。前記シリコーンゴムとしては、
前述の例示と同様なものが使用可能である。本発明にお
いて、ブランケットの表面に転移されたインキに対して
吹きつける溶剤としては、印刷に使用するインキの溶剤
やその溶剤と相溶性を有するものを使用できる。
【0017】かかる溶剤は、インキの樹脂に応じて選択
されるものであって、例えばインキの樹脂としてポリエ
ステル系樹脂を使用している場合、溶剤としては、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等のエーテル系溶剤、エチレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール
モノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモ
ノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコール
モノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコ
ールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶
剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、炭素数が13〜15の高級アルコ
ール等のアルコール系溶剤等が使用可能である。
【0018】溶剤の沸点が低すぎると、吹きつける際に
揮発または蒸発してしまい、本発明の効果が得られなく
なるおそれがある。一方、溶剤の沸点が高すぎると、イ
ンキを硬化させる際に揮発せず、被印刷物上に残存する
おそれがあるため、好ましくない。このため、溶剤の沸
点は150〜300℃、好ましくは200〜250℃の
範囲で設定するのが適当である。
【0019】溶剤を吹きつける方法としては、例えば溶
剤を霧状にした上で霧吹き機にて吹きつける等の方法が
あげられる。特に、インキの溶剤を超音波発振動器で霧
状にして吹きつけた場合には、溶剤が微粒子化した状態
で吹きつけることができるため、ブランケットに転移さ
れたインキに対して均一に吹きつけることができるとい
う利点がある。
【0020】溶剤を吹きつける量としては、インキがブ
ランケット上で溶けて、形状が変化しない範囲で、かつ
被印刷物への接着性を十分に向上させ得る程度で設定す
ればよい。具体的には、溶剤の量が、インキの表面積1
5000mm2 に対して、1.5〜100マイクロリッ
トル(μl)、好ましくは10〜50μlであるのが好
ましい。溶剤の量が上記範囲を超えると、ブランケット
上でインキが溶けて、その形状が乱れるおそれがある。
一方、溶剤の量が上記範囲を下回ると、インキに粘着性
を付与する効果が不十分になり、被印刷物へのインキの
転移性を改善できないおそれがある。
【0021】溶剤をブランケット上のインキに吹きつけ
る場合において、ブランケットの表面ゴム層がシリコー
ンゴムであるときは、溶剤の微粒子を正に帯電させるの
が好ましい。これは、通常、シリコーンゴムは負に帯電
しているため、溶剤の微粒子を正に帯電させることによ
って強制的にインキに吸着させ得るからである。凹版表
面のうち少なくとも凹部の表面へのシリコーンオイルの
塗布は、凹版の凹部からブランケットの表面へのインキ
の転移を1〜10回、好ましくは1〜3回繰り返す毎に
行うのが好ましい。シリコーンオイルの塗布が前記した
転移回数を超えても行われないときは、凹版からブラン
ケットへのインキの転移が不完全になるおそれがある。
【0022】上記シリコーンオイルとしては、例えばジ
メチルシリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン)、
フェニルシリコーンオイル(メチルフェニルポリシロキ
サン、ジフェニルポリシロキサン)、メチルハイドロジ
ェンシリコーンオイル(メチルハイドロジェンポリシロ
キサン)のほか、アミノ変性シリコーンオイル、メタク
リル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオ
イル、カルビノール変性シリコーンオイル、カルボキシ
ル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオ
イル、メルカプト変性シリコーンオイル、長鎖アルキル
変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオ
イル、環状シリコーンオイル等が使用可能である。
【0023】シリコーンオイルの粘度は、通常、1〜
1,000,000センチポアズ(cP)、好ましくは
10〜100,000cPである。シリコーンオイルの
粘度が上記範囲より低いときは、揮発性が高いため、イ
ンキ中に配合させた後においても揮発するおそれがあ
る。一方、粘度が上記範囲よりも高いときは、インキへ
の分散性が低くなったり、粘着性が生じるためにインキ
の離型性が低下するといった問題が生じるおそれがあ
る。
【0024】シリコーンオイルの塗布量は、凹版の表面
15000mm2 当たり1.5〜50μl程度である。
シリコーンオイルの塗布量が前記範囲を下回るときは、
インキの離型性を向上させる効果が得られないおそれが
ある。一方、シリコーンオイルの塗布量が前記範囲を超
えるときは、インキと被印刷物との接着性が低下するお
それがある。
【0025】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明する。 実施例1 通常の平台オフセット印刷機を用いて、凹版の凹部に充
填したインキをブランケットの表面に転移した後、ブラ
ンケット上のインキに対してこのインキの溶剤であるブ
チルセロソルブを均一に吹きつけた。次いで、かかるイ
ンキを透明基板上に転移して、透明基板の表面にマトリ
ックスパターンのインキ膜を印刷した。使用した凹版、
ブランケット、透明基板およびインキは次のとおりであ
る。
【0026】凹版:ソーダライムガラスにシリコーンゴ
ムを表面処理したもの(表面エネルギー18dyn/c
m) 凹版の凹部:線幅50μm、深さ5μm ブランケット:表面ゴム層がシリコーンゴム(表面エネ
ルギー22dyn/cm)からなるブランケット 透明基板:ノンアルカリガラス(コーニング社製の#7
059) オフセット印刷用インキ:ポリエステル−メラミン系樹
脂(トリメリト酸とネオペンチルグリコールとをエステ
ル化したものに、架橋剤としてメチル化メラミン樹脂を
加えたもの)に、カーボンブラックと溶剤(ブチルセロ
ソルブ)とを混合し、粘度を500P(ポアズ)に調整
したインキ 上記の印刷において、ブランケット上のインキに吹きつ
けたブチルセロソルブの量は、インキの表面積1500
0mm2 当たり約15μlとなるように調節した。ま
た、前記ブチルセロソルブは、超音波発振機にて霧状に
した上で吹きつけた。
【0027】さらに、カラーフィルタを10枚印刷する
毎に、凹版のシリコーンゴム表面にシリコーンオイル
(信越化学工業(株)製のジメチルポリシロキサン、
「KF96」、粘度100cP)を塗布した。なお、上
記印刷において、凹版からブランケットへのインキの転
移速度(凹版とブランケットとの相対移動速度)は30
mm/s、ブランケットから透明基板へのインキの転移
速度(ブランケットと透明基板との相対移動速度)は1
50mm/sであった。
【0028】実施例2 凹版には、ソーダライムガラスに非晶質のフッ素樹脂を
表面処理したもの(表面エネルギー16dyn/cm)
を使用し、ブランケットには、表面ゴム層がシリコーン
ゴム(表面エネルギー20dyn/cm)からなるもの
を使用したほかは、実施例1と同様にして、マトリック
スパターンの印刷を行った。
【0029】比較例1 通常の平台オフセット印刷機を用いて、凹版の凹部に充
填したインキをブランケットの表面に転移し、次いで前
記インキを透明基板上に転移して、透明基板の表面にマ
トリックスパターンからなるインキ膜を印刷した。ま
た、カラーフィルタを10枚印刷する毎に、凹版のシリ
コーンゴム表面にシリコーンオイル(前出の「KF9
6」)を塗布した。なお、ブランケットの表面に転移さ
れたインキに対する、当該インキの溶剤の吹きつけは行
わなかった。
【0030】上記比較例1において、凹版には、ソーダ
ライムガラスにシリコーンゴムを表面処理したもの(表
面エネルギー18dyn/cm)を使用し、ブランケッ
トには、表面ゴム層がシリコーンゴム(表面エネルギー
22dyn/cm)からなるものを使用した。透明基板
およびインキには実施例1と同じものを使用した。ま
た、凹版からブランケットへのインキの転移速度とブラ
ンケットから透明基板へのインキの転移速度とは、いず
れも実施例1と同様に調整した。
【0031】(印刷試験結果)上記各実施例および比較
例において、カラーフィルタの10枚印刷後と100枚
印刷後との2回にわたって、凹版からブランケットへイ
ンキを転移する際とブランケットから透明基板へインキ
を転移する際とにおけるパイリングの有無を目視で確認
した。パイリングによって転移されなかったインキの割
合(%)を表1に示す。パイリングが0%とあるのは、
インキが完全に転移したことを示す。
【0032】また、透明基板上に印刷されたマトリック
スパターンについて、その印刷形状を電子顕微鏡にて観
察した。その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、実施例1〜2で
は、ブランケット上に転移したインキに対してインキの
溶剤を吹きつけるとともに、凹版のインキ離型性の低下
を防ぐことを目的として、カラーフィルタを10枚印刷
する毎に凹版表面にシリコーンオイルを塗布したことか
ら、インキの完全転移を実現でき、印刷形状が非常に優
れたパターンが得られた。また、耐刷性をも有してい
た。
【0035】一方、比較例1では、100枚印刷時に、
ブランケットから被印刷物へのインキの転移が全く行わ
れなくなった。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の凹版オフ
セット印刷方法によれば、特に凹版からブランケットへ
のインキの完全転移を実現し、印刷形状が良好な微細パ
ターンを高い精度でもって形成できる。従って、本発明
の凹版オフセット印刷方法は、例えばカラーフィルタの
製造等に好適に用いられる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】凹版の凹部に充填したインキをブランケッ
    トの表面に転移させ、次いでこのインキを被印刷物の表
    面に転移させてインキ層を形成する凹版オフセット印刷
    方法において、ブランケットの表面に転移されたインキ
    に対して溶剤を吹きつけた後、インキをブランケットか
    ら被印刷物の表面に転移させることを特徴とする凹版オ
    フセット印刷方法。
  2. 【請求項2】前記凹版表面のうち少なくとも凹部の表面
    に離型剤を塗布する請求項1記載の凹版オフセット印刷
    方法。
  3. 【請求項3】前記凹版の表面がシリコーンゴムまたはフ
    ッ素系樹脂で覆われている請求項1または2記載の凹版
    オフセット印刷方法。
  4. 【請求項4】前記ブランケットの表面ゴム層がシリコー
    ンゴムである請求項1〜3のいずれかに記載の凹版オフ
    セット印刷方法。
  5. 【請求項5】前記溶剤を超音波発振器により霧状にし
    て、ブランケットの表面に転移されたインキに対して吹
    きかける請求項1〜4のいずれかに記載の凹版オフセッ
    ト印刷方法。
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