JPH10104583A - 液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化による非線形抵抗素子の電流−電圧
特性の変化に対しても常に良好なコントラストを維持
し、焼き付かない液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 走査選択期間および走査非選択期間に２
分し、走査選択期間を第１の期間および第２の期間とす
る。走査選択期間に走査電極Ｙ1 〜Ｙ320 および信号電
極Ｘ1 〜Ｘ480 間に印加する電圧を第１の期間と第２の
期間とで正負逆の電圧にする。走査電極Ｙ1 〜Ｙ320 お
よび信号電極Ｘ1 〜Ｘ480 に印加する電圧の大きさと極
牲により、電圧波形の大きさと極性を制御する。温度検
出回路６で検出された周囲の温度に従い、低温時には電
圧値を低下させ、高温時には電圧値を増加させ、２端子
型の非線形抵抗素子に流れる電流を温度によらず一定に
保つようにして、コントラストを一定に保ち、焼き付き
を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、２端子型の非線形
抵抗素子をスイッチング素子に用いた液晶表示装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】液晶表示装置は、薄型、軽量および低消
費電力などの特長を活かして、パーソナルワードプロセ
ッサやパーソナルコンピュータなどのパーソナルオフィ
スオートメーション機器、あるいは、パーソナルテレビ
用のディスプレイデバイスとして多く利用されるように
なってきている。また、オフィスオートメーション機器
用のディスプレイデバイスに利用される液晶表示装置に
は、多桁表示や高品位表示などが、低廉に実現されるこ
とが要求されている。

【０００３】そして、こうした液晶表示装置には、一般
に、ＳＴＮ（Super Twisted Nematic ）型が使用されて
いるが、液晶自身の電気光学特性におけるしきい値特性
の急峻性を利用しているために、２００本程度の走査電
極を有する場合でも、表示部分（ＯＮ画素）と非表示部
分（ＯＦＦ画素）のコントラスト比が不十分であり、さ
らに、５００本以上の走査電極を有する大規模なマトリ
クス表示を行なう場合にはコントラスト比の低下が致命
的である。

【０００４】一方、応答速度の点でも１００ｍｓｅｃな
いし３００ｍｓｅｃと遅く、コンピュータの端末ディス
プレイなどの高速に表示を行なう高度な利用には無理が
ある。

【０００５】そして、この液晶表示装置のもつ問題点を
解決するための開発が各所で盛んに行なわれており、そ
のひとつの方向が個々の画素を直接にスイッチ駆動する
ものである。その場合のスイッチング素子として薄膜ト
ランジスタ（Thin Film Transistor）、あるいは、２端
子型のダイオードやＭＩＭ（Metal-Insulation-Metal）
素子の非線形抵抗素子が採用され、特に、２端子型の非
線形抵抗素子は、３端子型の薄膜トランジスタに比べて
構造が簡単であるとともに、製造が容易で製品歩留まり
の向上が期待でき、コストが低下する利点があるととも
に、２端子型の非線形抵抗素子を用いた液晶表示装置で
は、電流−電圧特性のスイッチング特性を利用している
ため、高いコントラスト比が得られる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、２端子型の非
線形抵抗素子は選択期間という短い期間に書き込み特性
が決まってしまうために、非線形抵抗素子の特性が僅か
でも変化するとそれが透過率に反映されてしまう。ま
た、非線形抵抗素子の電圧−電流特性は、周囲温度によ
っても変化し、加えてＯＮ表示をしていた画素とＯＦＦ
表示をしていた画素間でも変化するため、焼き付きが観
測されたり、コントラストが低下してしまうおそれがあ
る問題を有している。

【０００７】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、温度変化による非線形抵抗素子の電流−電圧特性の
変化に対しても、常に良好なコントラストを維持し、焼
き付きなどのない液晶表示装置を提供することを目的と
する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、それぞれほぼ
平行に複数配設された走査電極と、これら走査電極に対
して交差しそれぞれほぼ平行に複数配設された信号電極
と、これら走査電極および信号電極の少なくともいずれ
かに接続された画素電極と、少なくともこの画素電極を
介して前記走査電極および信号電極間を制御する２端子
非線形抵抗素子と、走査選択期間および走査非選択期間
を有する走査電極駆動電圧を前記走査電極に印加する走
査電極駆動回路と、前記走査選択期間に同期して信号電
極駆動電圧を前記信号電極に印加する信号電極駆動回路
と、温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段
で検出された温度に従い前記第１の期間に前記走査電極
および前記信号電極間の電圧値を変化させる電圧設定手
段と、前記走査選択期間に前記走査電極駆動回路および
前記信号電極駆動回路による前記走査電極および前記信
号電極に一極性の電圧を印加させる第１の期間、およ
び、この第１の期間とは逆極性の電圧を印加させる第２
の期間に分割して制御する制御手段とを具備したもので
ある。

【０００９】そして、走査選択期間および走査非選択期
間に２分し、走査選択期間を第１の期間および第２の期
間とし、走査選択期間に走査電極および信号電極間に印
加する電圧を第１の期間と第２の期間とで正負逆の電圧
にし、走査電極および信号電極に印加する電圧の大きさ
と極牲により、電圧波形の大きさと極性を制御し、ま
た、、２端子型の非線形抵抗素子に流れる電流を温度に
よらず一定に保つようにして、コントラストを一定に保
ち、焼き付きを防ぐ。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶表示装置の一
実施の形態を図面を参照して説明する。

【００１１】図１に示すように、１は制御手段としての
制御部で、この制御部１はＦＲ端子、ＳＣＰ端子、ＬＰ
端子および２つのＤＡＴＡ端子を有しており、制御部１
のＦＲ端子、ＳＣＰ端子、ＬＰ端子および一方のＤＡＴ
Ａ端子には信号電圧を供給する信号電極駆動回路２が接
続され、制御部１のＦＲ端子、ＳＣＰ端子、ＬＰ端子お
よび他方のＤＡＴＡ端子には走査電圧を供給する走査電
極駆動回路３が接続されている。

【００１２】また、信号電極駆動回路２には複数本、た
とえば４８０本の信号電極Ｘ1 〜Ｘ480 がほぼ平行に配
設され、走査電極駆動回路３には複数本、たとえば３２
０本の走査電極Ｙ1 〜Ｙ320 が信号電極Ｘ1 〜Ｘ480 に
直交してそれぞれ略平行に配設されている。

【００１３】さらに、信号電極Ｘ1 〜Ｘ480 の走査電極
Ｙ1 〜Ｙ320 と交差する部分の近傍には、Ｔａ−Ｔａ₂
Ｏ₅ −Ｔｉ２構造のＭＩＭ（Metal-Insulation-Metal）
素子の図示しない２端子型の非線形抵抗素子が設けら
れ、この非線形抵抗素子を介して信号電極Ｘ1 〜Ｘ480
には図示しない画素電極が接続されている。また、これ
ら画素電極および走査電極Ｙ1 〜Ｙ320 間には液晶が位
置して液晶層が形成され、それぞれ走査電極Ｙ1 〜Ｙ32
0 、液晶層、画素電極および信号電極Ｘ1 〜Ｘ480 の直
列回路の４８０×３２０ドットの表示素子が形成されて
いる。

【００１４】また、４は電圧設定手段としての駆動電圧
発生回路で、この駆動電圧発生回路４は信号電極駆動回
路２および走査電極駆動回路３に電源電圧を供給し、こ
の駆動電圧発生回路４には電源Ｖccが接続され、加算回
路５およびこの加算回路５に接続された５つの分圧用の
抵抗R1〜R5を有しており、抵抗R1および抵抗R5は抵抗値
ｒ0 で、抵抗R2および抵抗R4は抵抗値ｒ1 で、抵抗R3は
抵抗値ｒ2 に設定されており、それぞれ電圧値Ｖ0 ，Ｖ
0a，Ｖ1 ，Ｖ2a，Ｖ2 ，Ｖ3 ，Ｖ3a，Ｖ4 ，Ｖ5a，Ｖ5
を出力する。

【００１５】さらに、加算回路５には、周囲の温度を検
出する温度検出手段としてのＭＩＭ素子をセンサに用い
た温度検出回路６が接続されている。このようにセンサ
としてＭＩＭ素子を用いることによりスイッチング用の
ＭＩＭ素子と特性を合わせることができる。

【００１６】また、制御部１のＳＣＰ端子およびＬＰ端
子には、１走査時間を決定するラッチ信号に基づくタイ
ミング信号Ｓを出力するタイミング発生回路７が接続さ
れている。

【００１７】さらに、駆動電圧発生回路４およびタイミ
ング発生回路７には、駆動信号発生回路８が接続されて
いる。この駆動信号発生回路８は、表示データおよび同
期信号を送り、信号電極用電圧設定手段11および走査電
極用電圧設定手段12を有している。そして、信号電極用
電圧設定手段11は、信号電極用スイッチ部13および信号
電極用バッファ14を有しており、信号電極用スイッチ部
13は電圧値Ｖ0 ，Ｖ0aを切り換えるスイッチ13a 、電圧
値Ｖ2a，Ｖ2 を切り換えるスイッチ13b 、電圧値Ｖ3 ，
Ｖ3aを切り換えるスイッチ13c 、電圧値Ｖ5a，Ｖ5 を切
り換えるスイッチ13d を有しており、スイッチ13a は信
号電極用バッファ14のオペアンプ14a を介して出力Ｖ0x
を出力し、スイッチ13b はオペアンプ14b を介して出力
Ｖ2xを出力し、スイッチ13c はオペアンプ14c を介して
出力Ｖ3xを出力し、スイッチ13dはオペアンプ14d を介
して出力Ｖ5xを出力し、それぞれ信号電極駆動回路２に
接続される。

【００１８】また、走査電極用電圧設定手段12は、走査
電極用スイッチ部15および走査電極用バッファ16を有し
ており、走査電極用スイッチ部15は電圧値Ｖ0 ，Ｖ4 を
切り換えるスイッチ15a ，電圧値Ｖ1 ，Ｖ5 を切り換え
るスイッチ15b を有しており、スイッチ15a は走査電極
用バッファ16のオペアンプ16a を介して出力Ｖ0yを出力
し、スイッチ15b はオペアンプ16b を介して出力Ｖ5yを
出力し、電圧値Ｖ1 は出力Ｖ1yになり、電圧値Ｖ4 は出
力Ｖ4yになり、それぞれ走査電極駆動回路３に接続され
る。

【００１９】そして、スイッチ13a ，13b ，13c ，13d
，15a ，15b は、タイミング発生回路７のタイミング
信号Ｓにより切り換え制御される。

【００２０】次に、上記実施の形態の動作について説明
する。

【００２１】まず、制御部１の出力に基づき、タイミン
グ発生回路７でタイミングを設定して、スイッチ13a ，
13b ，13c ，13d ，15a ，15b を制御するとともに、温
度検出回路６で周囲の温度を検出して加算回路５を制御
して駆動電圧発生回路４の出力を制御する。そして、信
号電極駆動回路２および走査電極駆動回路３は、駆動信
号発生回路８からの信号を受けて、図２ないし図５に示
すような、走査電圧と信号電圧を発生する。

【００２２】なお、図２はタイミング発生回路７からの
信号波形を示し、図３ないし図５に示す実線は走査電極
に印加するＯＮ表示における走査電圧、図３ないし図５
の破線は信号電極に印加するＯＮ表示における信号電圧
を示しており、図３は常温時、図４は低温時、図５は高
温時の波形である。

【００２３】まず、図２に示すように、タイミング発生
回路７により走査選択機関および走査非選択期間を含む
１走査時間が設定されてタイミング信号Ｓに基づき出力
が切り換えられ、走査選択期間を、走査電極駆動回路３
から信号電極駆動回路２に正極性の電圧を印加させる第
１の期間、および、この第１の期間とは逆極性の電圧を
印加させる第２の期間に分割し、それぞれｎフレームと
ｎ＋１フレームで極性を反転させて出力する。

【００２４】すなわち、信号電極駆動回路２では制御部
１からの信号を受けて、信号電極用スイッチ部13を介し
て出力Ｖ0x，Ｖ2x，Ｖ3x，Ｖ5xのなかから一つを選択設
定し、同様に、走査電極駆動回路３も制御部１からの信
号を受けて、走査電極用スイッチ部15を通して出力Ｖ0
y，Ｖ1y，Ｖ4y，Ｖ5yのなかから一つ選択設定する。こ
のようにして、図３ないし図５に示すような駆動波形を
形成し、ｎフレームとｎ＋１フレームとで波形は極性反
転させる。

【００２５】そして、周囲の温度が常温の場合には図３
に示すように通常の電圧を印加し、低温の場合には図４
に示すように温度変化を電圧に変換した電圧値ΔＶを減
算した電圧を印加し、高温の場合には図５に示すように
温度変化を電圧に変換した電圧値ΔＶを加算した電圧を
印加し、ＯＮ波形およびＯＦＦ波形は温度に従い図６に
示すようになる。

【００２６】このように、走査期間の第１の期間で駆動
電圧が周囲温度によって変化させ、第１の期間のＯＮを
指定する電圧Ｖ0 ，Ｖ1 ，Ｖ2 ，Ｖ3 ，Ｖ4 ，Ｖ5 の電
位によって、低温時には常温時に比べてΔＶ小さい電圧
が印加され、高温時にはΔＶ大きい電圧が印加される。
また、同様にしてＯＦＦを指定する電圧にも低温時には
常温時に比べてΔＶ小さい電圧が印加され、高温時には
ΔＶ大きい電圧が印加されて制御される。

【００２７】したがって、ＭＩＭの２端子型の非線形抵
抗素子をスイッチング素子として、表示パターンを固定
して周囲温度−１５℃から＋６０℃に変化させてもコン
トラストを一定に保ち、焼き付きのない表示をすること
ができる。

【００２８】すなわち、温度上昇時に走査非選択期間の
電荷量の減少を補償するために、走査選択期間の第１の
期間に印加される電圧を増やすように変化させ、第２の
期間で書き込まれる電荷量を一定とし、温度上昇時の書
き込み不足を解消する。また、ＯＮ画素とＯＦＦ画素各
々の２端子型の非線形抵抗素子に流れる電流を温度によ
らず一定に保つように作用させ、コントラストを一定に
保ち、焼き付きを防止している。

【００２９】

【発明の効果】本発明によれば、走査選択期間および走
査非選択期間に２分し、走査選択期間を第１の期間およ
び第２の期間とし、走査選択期間に走査電極および信号
電極間に印加する電圧を第１の期間と第２の期間とで正
負逆の電圧にし、走査電極および信号電極に印加する電
圧の大きさと極牲により、電圧波形の大きさと極性を制
御できる。また、温度検出手段で検出された温度に従い
電圧値を変化させるため、２端子型の非線形抵抗素子に
流れる電流を温度によらず一定に保つようにして、コン
トラストを一定に保ち、焼き付きを防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の液晶表示装置の一実施の形態を示すブ
ロック図である。

【図２】同上タイミング発生回路からの出力を示す波形
図である。

【図３】同上常温時の走査電圧駆動信号および信号電圧
駆動信号を示す波形図である。

【図４】同上低温時の走査電圧駆動信号および信号電圧
駆動信号を示す波形図である。

【図５】同上高温時の走査電圧駆動信号および信号電圧
駆動信号を示す波形図である。

【図６】同上駆動信号を示す波形図である。

【符号の説明】

１ 制御手段としての制御部 ２ 信号電極駆動回路 ３ 走査電極駆動回路 ４ 電圧設定手段としての駆動電圧発生回路 ６ 温度検出手段としての温度検出回路 Ｘ1 〜Ｘ480 信号電極 Ｙ1 〜Ｙ320 走査電極

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 和志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町８ 株式会 社東芝横浜事業所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれほぼ平行に複数配設された走査
   電極と、 これら走査電極に対して交差しそれぞれほぼ平行に複数
   配設された信号電極と、 これら走査電極および信号電極の少なくともいずれかに
   接続された画素電極と、 少なくともこの画素電極を介して前記走査電極および信
   号電極間を制御する２端子非線形抵抗素子と、 走査選択期間および走査非選択期間を有する走査電極駆
   動電圧を前記走査電極に印加する走査電極駆動回路と、 前記走査選択期間に同期して信号電極駆動電圧を前記信
   号電極に印加する信号電極駆動回路と、 温度を検出する温度検出手段と、 この温度検出手段で検出された温度に従い前記第１の期
   間に前記走査電極および前記信号電極間の電圧値を変化
   させる電圧設定手段と、 前記走査選択期間に前記走査電極駆動回路および前記信
   号電極駆動回路による前記走査電極および前記信号電極
   に一極性の電圧を印加させる第１の期間、および、この
   第１の期間とは逆極性の電圧を印加させる第２の期間に
   分割して制御する制御手段とを具備したことを特徴とす
   る液晶表示装置。