JPH10103607A - 電気ボイラの制御方法 - Google Patents

電気ボイラの制御方法

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Publication number
JPH10103607A
JPH10103607A JP27413796A JP27413796A JPH10103607A JP H10103607 A JPH10103607 A JP H10103607A JP 27413796 A JP27413796 A JP 27413796A JP 27413796 A JP27413796 A JP 27413796A JP H10103607 A JPH10103607 A JP H10103607A
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JP
Japan
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temperature
steam
heating
downstream side
power
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Application number
JP27413796A
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English (en)
Inventor
Keiji Hino
啓嗣 日野
Ryuji Onishi
隆二 大西
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Miura Co Ltd
Original Assignee
Miura Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上流側から給水を受け、下流側から蒸気を導
出する加熱管と、この加熱管を加熱する電力による加熱
手段とを備えた電気ボイラにおいて、装置のコンパクト
化と、乾き度の高い蒸気を得ることができ、純水であっ
ても容易に制御できる制御方法を提供すること。 【解決手段】 加熱管の下流側の温度に基づいて給水量
を制御する。さらに、この加熱管の下流側の温度に基づ
いて加熱手段への電力量を制御する。さらに、上述の制
御方法において、前記加熱管の下流側の蒸気温度と、前
記加熱管の下流側の温度との比較に基づいて制御するよ
うにし、さらに加熱管の下流側の蒸気圧力に基づいて、
加熱管の下流側の蒸気温度を求めるようにしたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電気ボイラの制
御方法に関するものである。ここで、この発明でいう電
気ボイラとは、電気ヒータを用いた一般的な電気ボイラ
のみならず、誘導加熱方式のものなど、電力を加熱源と
する電気ボイラ全体を含んでいる。
【0002】
【従来の技術】電気ボイラは、排気設備や燃料配管など
が不要であり、その簡便性の点から、給湯設備や暖房設
備などで使用されている。このような電気ボイラは、電
力による加熱という点から、装置のコンパクト化、メン
テナンスの省力化が望まれる。しかし、この電気ボイラ
を蒸気発生器として適用する場合、給水の制御が問題と
なる。たとえば通常の蒸気ボイラなどに用いられている
ような、電極棒やフロートスイッチによって水位を検出
する給水制御を行うと、この電極棒を設置するための容
器が必要となり、装置が大きくなる。また、スケール付
着などの水質に起因する問題を回避するために純水を使
用する場合には、前記の電極棒では給水制御を行うこと
は難しい。
【0003】さらに、この電気ボイラの一種である誘導
加熱方式の電気ボイラにおいて、特にモノチューブ構造
の蒸気ボイラでは良い乾き度を得るのが難しい。すなわ
ち、加熱管内を一方向に流体を流通させながら、この加
熱管を誘導加熱する構成であるため、バーナなどの熱源
を用いた一般的な蒸気ボイラに比べて加熱管全体が均一
に加熱される。そのため、加熱管全体に、蒸発や水中の
空気による泡が同時に発生し、この泡はその上部の泡を
さらに押し上げることになり、加熱管の流出側からは熱
水が噴出して、乾き度が低下してしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、装置のコンパクト化と、乾き度の高い蒸
気を得ることのでき、純水であっても容易に制御できる
電気ボイラの制御方法を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上流側から
給水を受け、下流側から蒸気を導出する加熱管と、この
加熱管を加熱する電力による加熱手段とを備えた電気ボ
イラにおいて、前記加熱管の下流側の温度に基づいて給
水量を制御することによって、前述の課題を解決するも
のである。
【0006】さらに、この発明は、前記加熱管の下流側
の温度に基づいて加熱手段への電力量を制御することに
よって、前述の課題を解決するものである。
【0007】さらに、この発明は、前述の制御方法にお
いて、前記加熱管の下流側の蒸気温度と、前記加熱管の
下流側の温度との比較に基づいて制御するようにしたこ
とにより、前述の課題を解決するものである。さらに、
加熱管の下流側の蒸気圧力に基づいて、加熱管の下流側
の蒸気温度を求めるようにしたことにより、前述の課題
を解決するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明は、上流側から給水を受
け、下流側から蒸気を導出する加熱管と、この加熱管を
加熱する電力による加熱手段とを備えた電気ボイラの制
御方法として実施される。ここでいう電気ボイラとは、
電気ヒータを用いた一般的な電気ボイラのみならず、誘
導加熱方式のものなど、電力を加熱源とする電気ボイラ
全体を含んでいる。したがって、前記加熱手段は、電気
ヒータや誘導コイルなどである。また、加熱手段は、加
熱管の内部に挿入状態で配置し、流体を直接加熱するも
のを含むが、この発明では、加熱管を加熱することによ
り内部の流体を加熱するものに適用して特に好適であ
る。
【0009】この発明は、前記加熱管の下流側の温度に
基づいて、加熱管への給水量を制御する。すなわち、前
述のように加熱管の上流側から給水を受け、下流側から
蒸気を導出するものにおいては、加熱管の下流側の内部
は、ほとんど蒸気となっている。そのため、加熱管の下
流側の部分は、流体が充満している上流側の部分に比べ
て、急速に温度が上昇する。そこで、この発明では、加
熱管の下流側の温度を検出し、この温度が所定の設定温
度、あるいは設定温度範囲に入るように給水を行うこと
により、加熱管が耐熱温度以上に過熱するのを防止す
る。このように加熱管の上部において、加熱管の温度に
基づいて給水制御を行うことにより、乾き度の高い蒸気
を得ることができる。
【0010】前記の設定温度、および設定温度範囲は、
そのときの電気ボイラの状況に応じて動的に変化する値
であっても、固定の値であってもよい。ここで動的に変
化する値とは、電気ボイラの状況に応じてある温度を設
定し、この値に対して相対的に所定の偏差をもって前記
設定温度や設定温度範囲を決定するものである。一方、
固定の値とは、電気ボイラの状況に関わらず一定の値を
用いるものである。さらに、前記給水制御は、好ましく
は流量可変の給水ポンプを利用して給水量を調整するの
が好ましいが、給水と停止を行なうことによるものであ
ってもよい。
【0011】さらに、この発明は、前記加熱管の下流側
の温度に基づいて加熱手段への電力量を制御することに
より、加熱管の下流側を所定の温度に維持する。すなわ
ち、加熱管の下流側の温度を検出することにより、この
温度の変化に応じて加熱手段への通電のオン−オフ、さ
らには通電量を制御することにより、加熱管の温度が所
定の温度、あるいは温度範囲内となるように制御する。
すなわち、加熱管の下流側において、内部の流体の状態
が液体か、気体(蒸気)かによって、前記加熱管から内
部の流体への伝熱の状態が異なり温度が変化するため、
加熱管の温度を検出することによって安定した制御が行
える。
【0012】さらに、この発明は、前記加熱管の下流側
の温度に基づいて、加熱管への給水量と、加熱手段への
電力量を制御する。すなわち、前述の電力量の制御と給
水の制御を組合せることにより、加熱管の過熱を防止
し、乾き度の高い蒸気を得ることができ、さらに蒸気の
発生量や圧力を容易に調整できる。
【0013】さらに、この発明によれば、加熱管の下流
側の蒸気温度と、前記加熱管の下流側の温度とを比較す
ることにより、加熱管における過熱度合を知ることがで
き、この過熱を抑えるように制御することにより、高い
乾き度を維持し得る給水の制御が行える。
【0014】さらに、この加熱管の下流側の蒸気温度に
代えて、この箇所での蒸気圧力を検出し、この蒸気圧力
に基づいて、前記加熱管の下流側の蒸気温度を求めるこ
ともできる。この場合には、前述の作用の他、この圧力
に基づいて、前記給水および電力を制御することによ
り、蒸気圧力の調整も行うことができる。
【0015】さらに、この発明の電気ボイラの制御方法
は、前述のように加熱管の温度や、加熱管内部の蒸気の
温度、あるいは圧力によって、給水量を制御するため、
給水が純水であっても容易に制御できる。また、この発
明の制御方法では、水位を検出するための電極棒やフロ
ートスイッチなどが不要となり、そのための容器も不要
であるから、小型化を達成できる。
【0016】
【実施例】以下、この発明に係る電気ボイラの制御方法
を、誘導加熱式の電気ボイラに適用した一実施例につい
て、図面を参照しながら説明する。なお、図1は、この
発明に係る電気ボイラの制御方法の具体的な一実施例を
示す側面説明図、図2は、図1の平面説明図である。
【0017】まず、この発明を適用する電気ボイラにつ
いて説明する。図面において、矩形環状のコア部材1の
一方の直線部分には、誘導コイル2を鎖交させて配置し
てある。また、この誘導コイル2には、適宜の電力調整
手段22を介して交流電源3を接続してある。この実施
例では、前記交流電源3は、一般的な商用交流電源であ
り、電力調整手段22は、後述する制御装置20からの
信号によって、誘導コイル2に供給する電流値や、周波
数を調整する。
【0018】加熱管4は、導電性材料からなり、その途
中を所定回数巻回したコイル状に形成してある。このコ
イル状の部分(以下、コイル状部分5という。)は、前
記誘導コイル2の外周に、略同軸状に配置してある。し
たがって、このコイル状部分5も誘導コイル2と同様に
コア部材1と鎖交した状態にあり、両者は、コア部材1
を介して磁気的に結合されている。
【0019】前記加熱管4におけるコイル状部分5より
も上流側(図1の下方側)の流入側部分6には給水手段
7を接続してある。この給水手段7としては、連続的に
流量を調整できるポンプ、たとえばパルス式の電磁ポン
プを用いる。一方、加熱管4におけるコイル状部分5よ
りも下流側(図1の上方側)の流出側部分8には、気水
分離容器10を接続してある。この気水分離容器10の
下流側(側面上方)には、蒸気配管11を設けてあり、
調理器、暖房機器などの蒸気使用機器(図示省略)はこ
の蒸気配管11に接続する。気水分離容器10内には、
前記加熱管4の開口部、および連結管9の開口部を遮る
気水分離板12を設けてある。
【0020】さらに、加熱管4におけるコイル状部分5
の上流側と、気水分離容器10との間には、導電性材料
からなる連結管9を機械的、かつ、電気的に接続し、コ
イル状部分5の上流側と下流側との間を連通させてあ
る。したがって、この連結管9は、前記加熱管4のコイ
ル状部分5と並列の流体流路として機能するとともに、
コイル状部分5とともに電気的な閉回路を形成する。ま
た、この電気ボイラにおいて、前記連結管9の流路抵抗
や加熱量を、コイル状部分5より低く設定することによ
り、この連結管9を、気水分離容器10内の高温水を加
熱管4の流入側に還流させる降水管とすることができ
る。
【0021】ここで、前記加熱管4の流出側部分8、お
よび連結管9の上部は、この気水分離容器10の底面部
分に開口してあり、さらに気水分離容器10内部におい
て、加熱管4の端部を、連結管9の端部より高い位置に
開口することにより、連結管9への液滴分の流れ込みを
促進している。
【0022】以上の構成により、この電気ボイラは、モ
ノチューブ形式の伝熱管を備えた誘導加熱式の蒸気ボイ
ラとして構成され、次のようにして蒸気の発生を行な
う。すなわち、給水手段7によって加熱管4内に水を導
入するとともに、交流電源3からの電力を電力調整手段
22を介して誘導コイル2に供給する。なお、この構成
の電気ボイラにおいては、水位をコイル状部分5の下流
(上部)側内部、あるいは気水分離容器10内部に設定
するが、この実施例においては、後述する制御のためと
高い乾き度を得るために、気水分離容器10よりも上流
側で、コイル状部分5の下流側内部に設定している。
【0023】誘導コイル2によって生じた磁束はコア部
材1を介して加熱管4のコイル状部分5を通過する。こ
のコイル状部分5においては、電磁誘導によりその表面
に渦電流が生じるとともに誘導起電力が生じる。また、
前記コイル状部分5は、連結管9(この実施例において
は、気水分離容器10の底部も含まれる)とともに電気
的な閉回路を構成しているため、この誘導起電力によっ
てこの閉回路内に誘導電流も流れる。したがって、前記
閉回路、すなわちコイル状部分5、ならびに連結管9
は、誘導電流によるジュール熱によって加熱され、さら
にコイル状部分5は渦電流によるジュール熱によっても
加熱される。ここで、この実施例では、前記連結管9内
の水も加熱するため、従来、短絡片によって無駄に消費
していたエネルギーも加熱に使用することができる。す
なわち、連結管9自体も加熱手段として機能するため、
電力ロスが少なく、効率の良い加熱を行うことができ
る。
【0024】以上のようにして、コイル状部分5内で加
熱された水は、流出側部分8から気水分離容器10内に
蒸気や空気の泡とともに熱水として流入し、気水分離容
器10内で気水分離された後、乾き度の高い蒸気のみが
蒸気配管11から前述の蒸気使用機器に供給される。ま
た、前記連結管9内で加熱された水も同様に気水分離容
器10内に流入し、気水分離容器10内で気水分離され
て、蒸気配管11から前述の蒸気使用機器に供給され
る。
【0025】つぎに、この発明に係る制御方法の構成お
よび動作について説明する。この実施例の電気ボイラに
おいて、前記制御装置20は、たとえばマイクロコンピ
ュータから構成したもので、制御手順は、プログラム
(ソフトウェア)として、あらかじめ記憶装置に記憶さ
せてある。そして、この制御装置20は、前記加熱管4
のコイル状部分5の下流側に設けた第一温度検出器21
からの検出信号に基づいて、給水手段7、ならびに電力
調整手段22を制御する。
【0026】すなわち、この実施例の制御装置20にお
いては、前記コイル状部分5の下流側の温度を第一温度
検出器21によって監視し、この検出温度Tの変化に応
じてコイル状部分5の過熱度合を検出し、この過熱度合
と設定温度との差に基づき、前記第一温度検出器21に
よる検出温度Tが所定の温度、あるいは温度範囲内とな
るように前記給水手段7の流量を連続的に制御する。ま
た、前記検出温度Tの変化に応じて電力調整手段22を
制御することにより、誘導コイル2に供給する電力量を
調整、さらにはオン−オフし、前記コイル状部分5の温
度が所定の設定温度、あるいは設定温度範囲内となるよ
うに制御する。したがって、第一温度検出器21は、加
熱管4における過熱し易い箇所に取り付けるのが好まし
い。
【0027】さらに、前記加熱管4の下流側に第二の温
度検出器を取り付け、加熱管4内部の蒸気温度TS を検
出し、この蒸気温度TS と前記第一温度検出器21の検
出温度Tとを比較することにより、前記過熱度合をより
正確に把握し、前述の制御を行なう。ここで、この実施
例では、発生蒸気の圧力を制御するために、前記第二の
温度検出器に代えて圧力検出器23を配置し、蒸気圧力
より蒸気温度を求めるように構成している。ここで、圧
力検出器23の設置位置は、第一温度検出器21と同じ
箇所でも、気水分離容器10自体や気水分離容器10の
下流側(出口側)でもよいが、熱の影響を考慮して加熱
される部分から離して取り付けることが望ましい。その
ため、この実施例においては、圧力検出器23を気水分
離容器10の下流位置の蒸気配管11に取り付けてあ
る。
【0028】以下、この発明に係る制御方法を、前記制
御装置20の動作として、詳細に説明する。この制御装
置20は、前述のように、給水手段7を駆動し、加熱管
4内に水を導入するとともに、交流電源3からの電力を
電力調整手段22を介して誘導コイル2に供給する。こ
こで、前記制御装置20は、第一温度検出器21からの
温度検出信号と、圧力検出器23からの圧力検出信号と
を受信し、加熱管4下流側の温度と内部の蒸気圧力を監
視している。そして、これらの値に基づいて、この制御
装置20は、前記給水手段7および電力調整手段22を
制御する。
【0029】この制御要領を図3を参照しながら説明す
る。まず、図面において、 T : 加熱管の検出温度 TW : 給水開始温度 TP : 電力制御開始温度 Tmax : 過熱上限温度 P : 蒸気の検出圧力 TS : 蒸気の検出圧力に対応する蒸気温度 である。
【0030】前記給水開始温度TW は、圧力検出器23
による蒸気の検出圧力Pに対応する蒸気温度(飽和蒸気
温度)TS に、所定の偏差ΔT1 を加えた値としてあ
る。前記電力制御開始温度TP も、蒸気の検出圧力Pに
対応する飽和蒸気温度TS に基づいて設定したもので、
前記蒸気温度TS に所定の偏差ΔT2 を加えた値として
ある。さらに、前記過熱上限温度Tmax も、蒸気の検出
圧力Pに対応する飽和蒸気温度に基づいて設定したもの
で、前記蒸気温度TS に所定の偏差ΔT3 を加えた値と
してある。ここで、前記各偏差ΔT1 〜ΔT3 の関係
は、ΔT1 <ΔT2<ΔT3 であり、したがって、各設
定温度TW ,TP ,Tmax の関係は、TW <TP <Tma
x である。ここで、Tmax は、加熱管4の耐熱温度以下
の固定の値としてもよい。
【0031】この構成において、加熱管4上部の検出温
度Tが、前記給水開始温度TW を越えると制御装置20
は給水手段7の起動して、加熱管4の上流側から給水す
る。逆に、前記検出温度Tが、給水開始温度TW を下回
った場合には、給水手段7を停止する。したがって、加
熱管4上部は、内部の蒸気温度よりも前記偏差ΔT1程
度高温の状態、すなわち給水開始温度TW 付近に安定に
保持されることになる。したがって、加熱管4は、過熱
による劣化や損傷を受けることなく、発生する蒸気も高
い乾き度を維持する。ここで、この給水制御は、前記給
水手段7の起動−停止を行なうオン−オフ制御以外に、
さらに前記検出温度Tに応じて多段階に流量を制御して
も、連続的に流量を制御する所謂比例制御を行なっても
よい。
【0032】さらに、前記検出温度Tが、給水開始温度
TW を越え、電力制御開始温度TPを越えた場合は、前
記の給水制御を継続した状態で、電力制御を行なう。こ
の際の電力制御は、前記検出温度Tが上昇している場合
には、交流電源3からの電力量を減少させるように調整
し、検出温度Tが減少し始めれば、交流電源3からの電
力量を増加させるように調整する。この場合、電力量の
増減は、電力の供給をオン−オフすることによってもよ
いが、好ましくは、連続的に、あるいは多段階に電力量
を調整する。
【0033】前記の電力制御の詳細について、図4を参
照しながら説明する。すなわち、この実施例において前
記検出温度Tが、前記電力制御開始温度TP を越える
と、電力量が減少するように制御し、過熱上限温度Tma
x となった時点で、電力の供給を遮断するように制御す
る。この電力量の制御は、前記電力制御開始時点の電力
量と、過熱上限温度Tmax となった時点の電力量とを前
記電力制御開始温度TPと過熱上限温度Tmax との温度
差で比例配分し、検出温度Tと電力制御開始温度TP と
の差に基づいて、供給すべき電力量を求めている(図4
(a) 参照)。具体的に数値を挙げて説明する。電力制御
開始温度TP 時の電力量を100%、過熱上限温度Tma
x 時の電力量を0%(即ち、遮断)とすると、検出温度
Tが、電力制御開始温度TP を越え、電力制御開始温度
TP と過熱上限温度Tmax の温度差(ΔT3 −ΔT2 に
該当)の10%に相当する温度まで上昇した場合には、
電力量を10%減少する。そして、この検出温度Tがさ
らに上昇し、前記温度差(ΔT3 −ΔT2 に該当)の9
0%に相当する温度まで上昇した場合には、電力量を9
0%減少する。したがって、前記検出温度Tが電力制御
開始温度TP を超えると、この電力制御開始温度を越え
た分に対応する電力量を減少させ、過熱を防止するよう
に構成している。
【0034】前記電力量の調整は、電力調整手段22に
よって行なうが、この電力調整手段22としては、たと
えば固体リレー(SSR)を利用し、この固体リレーを
適宜オン−オフすることによって、1サイクル時間t当
りの通電時間を変更(所謂デューティー比を変更)し、
電力量を制御する(図4(b) 参照)。すなわち、電力制
御開始時における電力を100%とし、電力制御終了時
(電力供給停止時)における電力を0%とすると、電力
を20%とする場合には1サイクル時間tにおける通電
時間を0.2tとし、90%とする場合には1サイクル
時間tにおける通電時間を0.9tとする。
【0035】さらに、この制御装置は、起動時における
制御を、以下のように行なう。すなわち、最初の一回目
の起動時においては、給水手段7を起動し、一定量の給
水を行なう。その後、電力調整手段22を介して誘導コ
イル2に電力を供給し、電気ボイラの実際の運転に入
る。ここで、この起動時の以降の制御は、前記同様に負
荷の増減により、適宜、電気ボイラへの給水や供給電力
を制御する。この起動時の制御は、起動スイッチをON
した後に最初の一回に限って行なえばよく、負荷の増減
や運転の一時停止時には行なわなくてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、この発明は、上流側から給水を受け、下流側から蒸
気を導出する加熱管と、この加熱管を加熱する電力によ
る加熱手段とを備えた電気ボイラにおいて、加熱管の下
流側の温度に基づいて、加熱管への給水量を制御するこ
とにより、加熱管の過熱を防止して乾き度の高い蒸気を
得ることができる。
【0037】さらに、この発明においては、前記加熱管
の下流側の温度に基づいて加熱手段への電力量を制御す
ることにより、加熱管の下流側の温度を所定の温度に維
持して、加熱管の過熱を防止することができる。
【0038】さらに、この発明は、加熱管の下流側の温
度に基づいて、加熱管への給水量と、加熱手段への電力
量を制御することにより、加熱管の過熱を防止し、乾き
度の高い蒸気を得ることができ、さらに蒸気の発生量や
圧力を容易に調整できる。
【0039】さらに、一般的な蒸気ボイラのように、給
水制御のために、電極棒やフロートスイッチなどの水位
検出器を用いることなく、前述のように高い蒸気乾き度
と過熱防止を達成したものであり、そのため、給水制御
筒などの水位検出器を収容する容器が不要となり、その
分、装置の小型化が達成できる。このことは、小型化が
要求される電気ボイラにおいて、大きなメリットであ
る。
【0040】さらに、この発明によれば、加熱管の下流
側の蒸気温度と、前記加熱管の下流側の温度とを比較す
ることにより、加熱管における過熱度合を知ることがで
き、この過熱を抑えるように制御することにより、高い
乾き度を維持し得る給水の制御を行うことができる。
【0041】さらに、この発明においては、加熱管の下
流側の蒸気温度に代えて、この箇所での蒸気圧力を検出
し、この蒸気圧力に基づいて、前記加熱管の下流側の蒸
気温度を求めることによって、前述の作用効果の他、こ
の圧力に基づいて、前記給水および電力を制御すること
により、蒸気圧力の調整も行うことができる。
【0042】さらに、この発明の制御方法は、以上のよ
うに加熱管の温度や、加熱管内部の蒸気の温度、あるい
は圧力によって、給水量を制御するため、給水の水質に
依らない給水制御が可能である。たとえば、給水が純水
であっても給水制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電気ボイラの制御方法を適用し
た誘導加熱式電気ボイラの一例を示す側面説明図であ
る。
【図2】図1の平面説明図である。
【図3】この発明に係る電気ボイラの制御方法における
制御要領を示す説明図である。
【図4】この発明に係る電気ボイラの制御方法における
電力制御要領を示す説明図である。
【符号の説明】
2 誘導コイル(加熱手段) 4 加熱管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流側から給水を受け、下流側から蒸気
    を導出する加熱管4と、この加熱管4を加熱する電力に
    よる加熱手段とを備えた電気ボイラにおいて、前記加熱
    管4の下流側の温度に基づいて給水量を制御することを
    特徴とする電気ボイラの制御方法。
  2. 【請求項2】 上流側から給水を受け、下流側から蒸気
    を導出する加熱管4と、この加熱管4を加熱する電力に
    よる加熱手段とを備えた電気ボイラにおいて、前記加熱
    管4の下流側の温度に基づいて加熱手段への電力量を制
    御することを特徴とする電気ボイラの制御方法。
  3. 【請求項3】 上流側から給水を受け、下流側から蒸気
    を導出する加熱管4と、この加熱管4を加熱する電力に
    よる加熱手段とを備えた電気ボイラにおいて、前記加熱
    管4の下流側の温度に基づいて給水量と加熱手段への電
    力量を制御することを特徴とする電気ボイラの制御方
    法。
  4. 【請求項4】 前記加熱管4の下流側の蒸気温度と、前
    記加熱管4の下流側の温度との比較に基づいて制御する
    ようにしたことを特徴とする請求項1,請求項2,また
    は請求項3記載の電気ボイラの制御方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱管4の下流側の蒸気圧力に基づ
    いて、前記加熱管4の下流側の蒸気温度を求めるように
    したことを特徴とする請求項4記載の電気ボイラの制御
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004008039A1 (en) * 2002-07-16 2004-01-22 Haeng-Jo Heo Energy saving electric boiler
CN102788340A (zh) * 2012-09-07 2012-11-21 山东省汶上重力机械厂 电感蒸汽发生器

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