JPH10102456A - 環境配慮型人工干潟構造体 - Google Patents
環境配慮型人工干潟構造体Info
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- JPH10102456A JPH10102456A JP8274254A JP27425496A JPH10102456A JP H10102456 A JPH10102456 A JP H10102456A JP 8274254 A JP8274254 A JP 8274254A JP 27425496 A JP27425496 A JP 27425496A JP H10102456 A JPH10102456 A JP H10102456A
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- porous concrete
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A10/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
- Y02A10/11—Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 海藻や貝類がよく付着して繁殖し、魚類の良
好な産卵、生息の場となって新しい干潟環境が創成さ
れ、さらに海洋環境も改善されるような、環境配慮型人
工干潟構造体を提供する。 【構成】 環境配慮型人工干潟構造体において、係留索
5により海底gに係留された浮函体1の側壁部から、外
方へ向けて少なくとも1段の干潟形成棚1aが突設さ
れ、干潟形成棚1aの少なくとも上面部には、ポーラス
コンクリート3が打設されて人工干潟4が形成されてい
る。
好な産卵、生息の場となって新しい干潟環境が創成さ
れ、さらに海洋環境も改善されるような、環境配慮型人
工干潟構造体を提供する。 【構成】 環境配慮型人工干潟構造体において、係留索
5により海底gに係留された浮函体1の側壁部から、外
方へ向けて少なくとも1段の干潟形成棚1aが突設さ
れ、干潟形成棚1aの少なくとも上面部には、ポーラス
コンクリート3が打設されて人工干潟4が形成されてい
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋環境に配慮し
て構成された人工干潟構造体に関する。
て構成された人工干潟構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境の保全の重要性に鑑み、
各種土木建設工事を行なうに当たって、その周辺の環境
保全に対する要請が強くなっており、例えば港湾工事等
において、工事に伴って破壊の恐れのある海藻などの海
洋生態系の生物を代替地へ移して保護する試みがなされ
るようになった。しかし、このような試みがなされるの
は稀な事例で、多くの場合、機能性、経済性を重視する
余り、生態系の保護、環境創成または改善という観点で
工事が実施される例は殆どないのが実状である。
各種土木建設工事を行なうに当たって、その周辺の環境
保全に対する要請が強くなっており、例えば港湾工事等
において、工事に伴って破壊の恐れのある海藻などの海
洋生態系の生物を代替地へ移して保護する試みがなされ
るようになった。しかし、このような試みがなされるの
は稀な事例で、多くの場合、機能性、経済性を重視する
余り、生態系の保護、環境創成または改善という観点で
工事が実施される例は殆どないのが実状である。
【0003】海洋環境の中で、河口または河口付近の浅
瀬に見られる干潟は、とりわけ海洋生物に最適の生息地
または繁殖地であるばかりでなく、ノリ養殖などの漁業
生産、潮干狩等のレクリエーション、海洋浄化などの場
となる貴重な海域である。ところが、この干潟も環境破
壊の危機に陥っている点で例外ではなく、港湾土木工事
等に伴ってその汚染及び破壊の度合が著しいが、この干
潟の環境を守るための有効な対策がとられていないのが
現状である。
瀬に見られる干潟は、とりわけ海洋生物に最適の生息地
または繁殖地であるばかりでなく、ノリ養殖などの漁業
生産、潮干狩等のレクリエーション、海洋浄化などの場
となる貴重な海域である。ところが、この干潟も環境破
壊の危機に陥っている点で例外ではなく、港湾土木工事
等に伴ってその汚染及び破壊の度合が著しいが、この干
潟の環境を守るための有効な対策がとられていないのが
現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、海
藻や貝類がよく付着して繁殖し、魚類の良好な産卵、生
息の場となって新しい干潟環境が創成され、さらに海洋
環境も改善されるような、環境配慮型人工干潟構造体を
提供しようとするものである。
藻や貝類がよく付着して繁殖し、魚類の良好な産卵、生
息の場となって新しい干潟環境が創成され、さらに海洋
環境も改善されるような、環境配慮型人工干潟構造体を
提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明の環境配慮型人工干潟構造体においては、係
留可能な浮函体の側壁部から、外方へ向けて少なくとも
1段の干潟形成棚が突設され、同各干潟形成棚の少なく
とも上面部にポーラスコンクリートが打設されて人工干
潟が形成されている。
め、本発明の環境配慮型人工干潟構造体においては、係
留可能な浮函体の側壁部から、外方へ向けて少なくとも
1段の干潟形成棚が突設され、同各干潟形成棚の少なく
とも上面部にポーラスコンクリートが打設されて人工干
潟が形成されている。
【0006】また、本発明の環境配慮型人工干潟構造体
においては、係留可能な浮函体の内部に海水通路が形成
され、同海水通路に面する上記浮函体の内壁部から上記
海水通路内へ向けて少なくとも1段の干潟形成棚が突設
され、同各干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラスコ
ンクリートが打設されて人工干潟が形成されている。
においては、係留可能な浮函体の内部に海水通路が形成
され、同海水通路に面する上記浮函体の内壁部から上記
海水通路内へ向けて少なくとも1段の干潟形成棚が突設
され、同各干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラスコ
ンクリートが打設されて人工干潟が形成されている。
【0007】さらに、本発明の環境配慮型人工干潟構造
体においては、係留可能な浮函体の上面側に海水通路が
形成され、同海水通路内において同海水通路の路底面部
を含めて少なくとも1段の干潟形成棚が形成され、同各
干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラスコンクリート
が打設されて人工干潟が形成されている。
体においては、係留可能な浮函体の上面側に海水通路が
形成され、同海水通路内において同海水通路の路底面部
を含めて少なくとも1段の干潟形成棚が形成され、同各
干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラスコンクリート
が打設されて人工干潟が形成されている。
【0008】また、本発明の環境配慮型人工干潟構造体
においては、海岸の既設構造物に連結された浮函体の側
壁から外方へ向けて少なくとも1段の干潟形成棚が突設
され、同各干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラスコ
ンクリートが打設されて、人工干潟が形成されている。
においては、海岸の既設構造物に連結された浮函体の側
壁から外方へ向けて少なくとも1段の干潟形成棚が突設
され、同各干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラスコ
ンクリートが打設されて、人工干潟が形成されている。
【0009】さらに、本発明の環境配慮型人工干潟構造
体において、上記浮函体の内部が室構造となっている。
体において、上記浮函体の内部が室構造となっている。
【0010】また、本発明の環境配慮型人工干潟構造体
において、上記浮函体が浮防波堤としての機能を持つこ
とができる程度に十分な寸法と相互連結手段とを備えて
いる。
において、上記浮函体が浮防波堤としての機能を持つこ
とができる程度に十分な寸法と相互連結手段とを備えて
いる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施の
形態について説明する。まず図1に本発明の第1の実施
の形態に係る環境配慮型人工干潟構造体の構成およびそ
の設置状態を説明するための側面図を示す。同図におい
て、浮函体1の側壁部から外方へ向けて水平方向に少な
くとも1段、例えば図示のように1段の板状の干潟形成
棚1aが突設され、この干潟形成棚1aの少なくとも上
面部の1部、例えば上面部の全面にわたってポーラスコ
ンクリート3が打設されて、人工干潟4が形成されてい
る。そして、このようなポーラスコンクリート3製の人
工干潟4を備えた浮函体1が、海面に浮かべられ、チェ
ーン等の係留索5により海底gに係留されている。
形態について説明する。まず図1に本発明の第1の実施
の形態に係る環境配慮型人工干潟構造体の構成およびそ
の設置状態を説明するための側面図を示す。同図におい
て、浮函体1の側壁部から外方へ向けて水平方向に少な
くとも1段、例えば図示のように1段の板状の干潟形成
棚1aが突設され、この干潟形成棚1aの少なくとも上
面部の1部、例えば上面部の全面にわたってポーラスコ
ンクリート3が打設されて、人工干潟4が形成されてい
る。そして、このようなポーラスコンクリート3製の人
工干潟4を備えた浮函体1が、海面に浮かべられ、チェ
ーン等の係留索5により海底gに係留されている。
【0012】ポーラスコンクリート3は、内部に無数の
細孔を有し、海水や空気が流通し易い例えば圧縮強度が
100〜200kg/cm程度の多孔質コンクリートで
あり、海藻や貝類の付着、繁殖に適している。浮函体1
の内部は、例えば任意の室構造として例えば透視窓を通
して外部の水中を観覧することのできる水中観覧室、管
理補修用の作業室等の種々の用途に使用することも可能
である。また、浮函体1の側壁から突設した干潟形成棚
1aの上面側の人工干潟4が形成された干潟面に緩やか
傾斜をつけるようにしてもよい。干潟面に緩やか傾斜を
つけることにより干潟形成棚1aの強度が増すととも
に、より自然な干潟面を提供することができる。
細孔を有し、海水や空気が流通し易い例えば圧縮強度が
100〜200kg/cm程度の多孔質コンクリートで
あり、海藻や貝類の付着、繁殖に適している。浮函体1
の内部は、例えば任意の室構造として例えば透視窓を通
して外部の水中を観覧することのできる水中観覧室、管
理補修用の作業室等の種々の用途に使用することも可能
である。また、浮函体1の側壁から突設した干潟形成棚
1aの上面側の人工干潟4が形成された干潟面に緩やか
傾斜をつけるようにしてもよい。干潟面に緩やか傾斜を
つけることにより干潟形成棚1aの強度が増すととも
に、より自然な干潟面を提供することができる。
【0013】図1のようにして形成された人工干潟4に
は、図示されたように自然に海藻aや貝類bがよく付着
して繁殖し、また、これらの海洋生物を食物とする多く
の魚類も生息するようになり、こうして新しい干潟環境
が創成され、海洋環境が改善される。また、人工干潟4
を備えた浮函体1を、浮防波堤としての機能を持つこと
ができる程度に十分な寸法の大きさとしたり、長尺化の
ための相互連結手段により相互に連結したりして沖合の
適当な場所に係留することによって、浮函体1に防波堤
としての機能をも持たせることもできる。
は、図示されたように自然に海藻aや貝類bがよく付着
して繁殖し、また、これらの海洋生物を食物とする多く
の魚類も生息するようになり、こうして新しい干潟環境
が創成され、海洋環境が改善される。また、人工干潟4
を備えた浮函体1を、浮防波堤としての機能を持つこと
ができる程度に十分な寸法の大きさとしたり、長尺化の
ための相互連結手段により相互に連結したりして沖合の
適当な場所に係留することによって、浮函体1に防波堤
としての機能をも持たせることもできる。
【0014】図2に本発明の第2の実施の形態に係る環
境配慮型人工干潟構造体の構成およびその設置状態を説
明するための側面図を示す。同図において、浮函体11
の内部には、海水が自由に出入りできる海水通路12が
形成されており、この海水通路12に面する浮函体11
の左右の内壁部から海水通路12の内方へ向けて水平方
向に少なくとも1段、例えば図示のように1段の板状の
干潟形成棚11aが突設され、この干潟形成棚11aの
少なくとも上面部の1部、例えば上面部の全面にわたっ
てポーラスコンクリート3が打設されて、人工干潟14
が形成されている。さらに浮函体11の側壁にもポーラ
スコンクリート3が打設あるいは貼設されている。ただ
し、浮函体11の側壁には必ずしもポーラスコンクリー
ト3を打設あるいは貼設しなくとも良い。図2のような
人工干潟14を備えた浮函体11が、海面に浮かべら
れ、チェーン等の係留索15によって海底gに係留され
ている。
境配慮型人工干潟構造体の構成およびその設置状態を説
明するための側面図を示す。同図において、浮函体11
の内部には、海水が自由に出入りできる海水通路12が
形成されており、この海水通路12に面する浮函体11
の左右の内壁部から海水通路12の内方へ向けて水平方
向に少なくとも1段、例えば図示のように1段の板状の
干潟形成棚11aが突設され、この干潟形成棚11aの
少なくとも上面部の1部、例えば上面部の全面にわたっ
てポーラスコンクリート3が打設されて、人工干潟14
が形成されている。さらに浮函体11の側壁にもポーラ
スコンクリート3が打設あるいは貼設されている。ただ
し、浮函体11の側壁には必ずしもポーラスコンクリー
ト3を打設あるいは貼設しなくとも良い。図2のような
人工干潟14を備えた浮函体11が、海面に浮かべら
れ、チェーン等の係留索15によって海底gに係留され
ている。
【0015】図2の浮函体11において、人工干潟14
及びポーラスコンクリート3を貼設した側壁には、自然
に海藻aや貝類bがよく付着して繁殖し、また、これら
の海洋生物を食物とする多くの魚類も生息するようにな
り、こうして新しい干潟環境が創成され、海洋環境が改
善される。また、人工干潟14を備えた浮函体11の内
部構造を各種の用途の室構造とすることができる外、浮
函体11を、浮防波堤としての機能を持つことができる
程度に十分な寸法の大きさとしたり、長尺化のための相
互連結手段により相互に連結したりして沖合の適当な場
所に係留することによって、浮函体1に防波堤としての
機能をも持たせることができる。
及びポーラスコンクリート3を貼設した側壁には、自然
に海藻aや貝類bがよく付着して繁殖し、また、これら
の海洋生物を食物とする多くの魚類も生息するようにな
り、こうして新しい干潟環境が創成され、海洋環境が改
善される。また、人工干潟14を備えた浮函体11の内
部構造を各種の用途の室構造とすることができる外、浮
函体11を、浮防波堤としての機能を持つことができる
程度に十分な寸法の大きさとしたり、長尺化のための相
互連結手段により相互に連結したりして沖合の適当な場
所に係留することによって、浮函体1に防波堤としての
機能をも持たせることができる。
【0016】図3に本発明の第3の実施の形態に係る環
境配慮型人工干潟構造体の構成およびその設置状態を説
明するための側面図を示す。同図において、浮函体21
の上面側に海水が自由に流通できる海水通路22が形成
されている。同海水通路22内には、同海水通路22の
路底面部を含めて少なくとも1段、例えば図示のように
同路底面部により構成される1段の干潟形成棚21aが
形成され、同干潟形成棚21aの上面部の全面にポーラ
スコンクリート3を打設して人工干潟24が形成されて
いる。そして、この人工干潟24を備えた浮函体21は
海面に浮かべられ、チェーン等の係留索25によって海
底gに係留されている。
境配慮型人工干潟構造体の構成およびその設置状態を説
明するための側面図を示す。同図において、浮函体21
の上面側に海水が自由に流通できる海水通路22が形成
されている。同海水通路22内には、同海水通路22の
路底面部を含めて少なくとも1段、例えば図示のように
同路底面部により構成される1段の干潟形成棚21aが
形成され、同干潟形成棚21aの上面部の全面にポーラ
スコンクリート3を打設して人工干潟24が形成されて
いる。そして、この人工干潟24を備えた浮函体21は
海面に浮かべられ、チェーン等の係留索25によって海
底gに係留されている。
【0017】図3のようにして形成された人工干潟24
には、図示されたように自然に海藻aや貝類bがよく付
着して繁殖し、また、これらの海洋生物を食物とする多
くの魚類も生息するようになり、こうして新しい干潟環
境が創成され、海洋環境が改善される。また、人工干潟
24を備えた浮函体21の内部構造を各種の用途の室構
造とすることができる外、浮函体21を、浮防波堤とし
ての機能を持つことができる程度に十分な寸法の大きさ
としたり、長尺化のための相互連結手段により相互に連
結したりして沖合の適当な場所に係留することによっ
て、浮函体1に防波堤としての機能をも持たせることが
できる。さらに、浮函体21の人工干潟24の部分を、
例えば海水浴、潮干狩等のレクリエーションの場として
利用することができる。
には、図示されたように自然に海藻aや貝類bがよく付
着して繁殖し、また、これらの海洋生物を食物とする多
くの魚類も生息するようになり、こうして新しい干潟環
境が創成され、海洋環境が改善される。また、人工干潟
24を備えた浮函体21の内部構造を各種の用途の室構
造とすることができる外、浮函体21を、浮防波堤とし
ての機能を持つことができる程度に十分な寸法の大きさ
としたり、長尺化のための相互連結手段により相互に連
結したりして沖合の適当な場所に係留することによっ
て、浮函体1に防波堤としての機能をも持たせることが
できる。さらに、浮函体21の人工干潟24の部分を、
例えば海水浴、潮干狩等のレクリエーションの場として
利用することができる。
【0018】図4に本発明の第4の実施の形態に係る環
境配慮型人工干潟構造体の構成およびその設置状態を説
明するための側面図を示す。同図において、浮函体31
の側壁部から外方へ向けて水平方向に少なくとも1段、
例えば図示のように1段の板状の干潟形成棚31aが突
設され、この干潟形成棚31aの少なくとも上面部の1
部、例えば干潟形成棚31aの上面部および側面部、な
らびに浮函体31の側壁部にわたってポーラスコンクリ
ート31が打設されて、人工干潟34が形成されてい
る。そして、人工干潟34を備えた浮函体31が海面に
浮かべられ、海岸に既に建設されている例えば護岸等の
構造物32に連結部35を介して連結されている。
境配慮型人工干潟構造体の構成およびその設置状態を説
明するための側面図を示す。同図において、浮函体31
の側壁部から外方へ向けて水平方向に少なくとも1段、
例えば図示のように1段の板状の干潟形成棚31aが突
設され、この干潟形成棚31aの少なくとも上面部の1
部、例えば干潟形成棚31aの上面部および側面部、な
らびに浮函体31の側壁部にわたってポーラスコンクリ
ート31が打設されて、人工干潟34が形成されてい
る。そして、人工干潟34を備えた浮函体31が海面に
浮かべられ、海岸に既に建設されている例えば護岸等の
構造物32に連結部35を介して連結されている。
【0019】図4のようにして形成された人工干潟34
には、図示されたように自然に海藻aや貝類bがよく付
着して繁殖し、また、これらの海洋生物を食物とする多
くの魚類も生息するようになり、こうして新しい干潟環
境が創成され、海洋環境が改善される。また、人工干潟
34を備えた浮函体31の内部構造を各種の用途の室構
造とすることができる外、護岸防波堤としての機能をも
持たせることができる。
には、図示されたように自然に海藻aや貝類bがよく付
着して繁殖し、また、これらの海洋生物を食物とする多
くの魚類も生息するようになり、こうして新しい干潟環
境が創成され、海洋環境が改善される。また、人工干潟
34を備えた浮函体31の内部構造を各種の用途の室構
造とすることができる外、護岸防波堤としての機能をも
持たせることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の環境配慮型人工干潟構造体によ
れば、特に以下のような効果が得られる。 (1)係留可能な浮函体の側壁部から、外方へ向けて少
なくとも1段の干潟形成棚が突設され、同各干潟形成棚
の少なくとも上面部にポーラスコンクリートが打設され
て人工干潟が形成されているので、浮函体の構造を簡素
にして人工干潟を効率よく形成することができるととも
に、その管理点検が容易であり、自然に海藻や貝類がよ
く付着して繁殖し、また、これらの海洋生物を食物とす
る多くの魚類も生息するようになり、こうして新しい干
潟環境が創成され、海洋環境が改善され、また、人工干
潟を備えた浮函体を、浮防波堤としての機能を持つこと
ができる程度に十分な寸法の大きさとしたり、長尺化の
ための相互連結手段により相互に連結したりして沖合の
適当な場所に係留することによって、浮函体に防波堤と
しての機能をも持たせることもできる。(請求項1)。 (2)係留可能な浮函体の内部に海水通路が形成され、
同海水通路に面する上記浮函体の内壁部から上記海水通
路内へ向けて少なくとも1段の干潟形成棚が突設され、
同各干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラスコンクリ
ートが打設されて人工干潟が形成されているので、人工
干潟を浮函体によって外部の波浪から保護することがで
きるとともに、その管理点検が容易であり、人工干潟に
は自然に海藻や貝類がよく付着して繁殖し、また、これ
らの海洋生物を食物とする多くの魚類も生息するように
なり、こうして新しい干潟環境が創成され、海洋環境が
改善され、また人工干潟を備えた浮函体を、浮防波堤と
しての機能を持つことができる程度に十分な寸法の大き
さとしたり、長尺化のための相互連結手段により相互に
連結したりして沖合の適当な場所に係留することによっ
て、浮函体に防波堤としての機能をも持たせることもで
きる(請求項2)。 (3)係留可能な浮函体の上面側に海水通路が形成さ
れ、同海水通路内において同海水通路の路底面部を含め
て少なくとも1段の干潟形成棚が形成され、同各干潟形
成棚の少なくとも上面部にポーラスコンクリートが打設
されて人工干潟が形成されているので、浮函体の人工干
潟の部分を、例えば海水浴、潮干狩等のレクリエーショ
ンの場として利用することができ、人工干潟には自然に
海藻や貝類がよく付着して繁殖し、また、これらの海洋
生物を食物とする多くの魚類も生息するようになり、こ
うして新しい干潟環境が創成され、海洋環境が改善さ
れ、また人工干潟を備えた浮函体を、浮防波堤としての
機能を持つことができる程度に十分な寸法の大きさとし
たり、長尺化のための相互連結手段により相互に連結し
たりして沖合の適当な場所に係留することによって、浮
函体に防波堤としての機能をも持たせることもできる
(請求項3)。 (4)海岸の既設構造物に連結された浮函体の側壁から
外方へ向けて少なくとも1段の干潟形成棚が突設され、
同各干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラスコンクリ
ートが打設されて、人工干潟が形成されているので、人
工干潟を海岸の既設構造物に簡単に連結して使用するこ
とができ、人工干潟には、自然に海藻や貝類がよく付着
して繁殖し、また、これらの海洋生物を食物とする多く
の魚類も生息するようになり、こうして新しい干潟環境
が創成され、海洋環境が改善され、また浮函体および人
工干潟に護岸機能をも持たせることもできる(請求項
4)。 (5)上記浮函体の内部が室構造となっているので、同
室構造の空間を、例えば透視窓を通して外部の水中を観
覧することのできる水中観覧室、管理補修用の作業室等
の種々の用途に使用することができ、他方、人工干潟に
は自然に海藻や貝類がよく付着して繁殖し、また、これ
らの海洋生物を食物とする多くの魚類も生息するように
なり、こうして新しい干潟環境が創成され、海洋環境が
改善される(請求項5)。 (6)上記浮函体が浮防波堤としての機能を持つことが
できる程度に十分な寸法と相互連結手段とを備えている
ので、沖合の適当な場所に係留することによって、浮函
体に防波堤としての機能をも持たせることができ、同時
に、人工干潟には自然に海藻や貝類がよく付着して繁殖
し、また、これらの海洋生物を食物とする多くの魚類も
生息するようになり、こうして新しい干潟環境が創成さ
れ、海洋環境が改善される(請求項6)。
れば、特に以下のような効果が得られる。 (1)係留可能な浮函体の側壁部から、外方へ向けて少
なくとも1段の干潟形成棚が突設され、同各干潟形成棚
の少なくとも上面部にポーラスコンクリートが打設され
て人工干潟が形成されているので、浮函体の構造を簡素
にして人工干潟を効率よく形成することができるととも
に、その管理点検が容易であり、自然に海藻や貝類がよ
く付着して繁殖し、また、これらの海洋生物を食物とす
る多くの魚類も生息するようになり、こうして新しい干
潟環境が創成され、海洋環境が改善され、また、人工干
潟を備えた浮函体を、浮防波堤としての機能を持つこと
ができる程度に十分な寸法の大きさとしたり、長尺化の
ための相互連結手段により相互に連結したりして沖合の
適当な場所に係留することによって、浮函体に防波堤と
しての機能をも持たせることもできる。(請求項1)。 (2)係留可能な浮函体の内部に海水通路が形成され、
同海水通路に面する上記浮函体の内壁部から上記海水通
路内へ向けて少なくとも1段の干潟形成棚が突設され、
同各干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラスコンクリ
ートが打設されて人工干潟が形成されているので、人工
干潟を浮函体によって外部の波浪から保護することがで
きるとともに、その管理点検が容易であり、人工干潟に
は自然に海藻や貝類がよく付着して繁殖し、また、これ
らの海洋生物を食物とする多くの魚類も生息するように
なり、こうして新しい干潟環境が創成され、海洋環境が
改善され、また人工干潟を備えた浮函体を、浮防波堤と
しての機能を持つことができる程度に十分な寸法の大き
さとしたり、長尺化のための相互連結手段により相互に
連結したりして沖合の適当な場所に係留することによっ
て、浮函体に防波堤としての機能をも持たせることもで
きる(請求項2)。 (3)係留可能な浮函体の上面側に海水通路が形成さ
れ、同海水通路内において同海水通路の路底面部を含め
て少なくとも1段の干潟形成棚が形成され、同各干潟形
成棚の少なくとも上面部にポーラスコンクリートが打設
されて人工干潟が形成されているので、浮函体の人工干
潟の部分を、例えば海水浴、潮干狩等のレクリエーショ
ンの場として利用することができ、人工干潟には自然に
海藻や貝類がよく付着して繁殖し、また、これらの海洋
生物を食物とする多くの魚類も生息するようになり、こ
うして新しい干潟環境が創成され、海洋環境が改善さ
れ、また人工干潟を備えた浮函体を、浮防波堤としての
機能を持つことができる程度に十分な寸法の大きさとし
たり、長尺化のための相互連結手段により相互に連結し
たりして沖合の適当な場所に係留することによって、浮
函体に防波堤としての機能をも持たせることもできる
(請求項3)。 (4)海岸の既設構造物に連結された浮函体の側壁から
外方へ向けて少なくとも1段の干潟形成棚が突設され、
同各干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラスコンクリ
ートが打設されて、人工干潟が形成されているので、人
工干潟を海岸の既設構造物に簡単に連結して使用するこ
とができ、人工干潟には、自然に海藻や貝類がよく付着
して繁殖し、また、これらの海洋生物を食物とする多く
の魚類も生息するようになり、こうして新しい干潟環境
が創成され、海洋環境が改善され、また浮函体および人
工干潟に護岸機能をも持たせることもできる(請求項
4)。 (5)上記浮函体の内部が室構造となっているので、同
室構造の空間を、例えば透視窓を通して外部の水中を観
覧することのできる水中観覧室、管理補修用の作業室等
の種々の用途に使用することができ、他方、人工干潟に
は自然に海藻や貝類がよく付着して繁殖し、また、これ
らの海洋生物を食物とする多くの魚類も生息するように
なり、こうして新しい干潟環境が創成され、海洋環境が
改善される(請求項5)。 (6)上記浮函体が浮防波堤としての機能を持つことが
できる程度に十分な寸法と相互連結手段とを備えている
ので、沖合の適当な場所に係留することによって、浮函
体に防波堤としての機能をも持たせることができ、同時
に、人工干潟には自然に海藻や貝類がよく付着して繁殖
し、また、これらの海洋生物を食物とする多くの魚類も
生息するようになり、こうして新しい干潟環境が創成さ
れ、海洋環境が改善される(請求項6)。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る環境配慮型人
工干潟構造体の構成およびその設置状態を示す側面図で
ある。
工干潟構造体の構成およびその設置状態を示す側面図で
ある。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る環境配慮型人
工干潟構造体の構成およびその設置状態を示す側面図で
ある。
工干潟構造体の構成およびその設置状態を示す側面図で
ある。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る環境配慮型人
工干潟構造体の構成およびその設置状態を示す側面図で
ある。
工干潟構造体の構成およびその設置状態を示す側面図で
ある。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る環境配慮型人
工干潟構造体の構成およびその設置状態を示す側面図で
ある。
工干潟構造体の構成およびその設置状態を示す側面図で
ある。
1、11、21、31 浮函体 1a,11a、21a、31a 干潟形成棚 3 ポーラスコンクリート 4、14、24、34 人工干潟 5、15、25 チェーン等の係留索 12、22 海水通路 32 既設構造物 35 連結部 a 海藻 b 貝類 g 海底
Claims (6)
- 【請求項1】 係留可能な浮函体の側壁部から、外方へ
向けて少なくとも1段の干潟形成棚が突設され、同各干
潟形成棚の少なくとも上面部にポーラスコンクリートが
打設されて人工干潟が形成されていることを特徴とす
る、環境配慮型人工干潟構造体。 - 【請求項2】 係留可能な浮函体の内部に海水通路が形
成され、同海水通路に面する上記浮函体の内壁部から上
記海水通路内へ向けて少なくとも1段の干潟形成棚が突
設され、同各干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラス
コンクリートが打設されて人工干潟が形成されているこ
とを特徴とする、環境配慮型人工干潟構造体。 - 【請求項3】 係留可能な浮函体の上面側に海水通路が
形成され、同海水通路内において同海水通路の路底面部
を含めて少なくとも1段の干潟形成棚が形成され、同各
干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラスコンクリート
が打設されて人工干潟が形成されていることを特徴とす
る、環境配慮型人工干潟構造体。 - 【請求項4】 海岸の既設構造物に連結された浮函体の
側壁から外方へ向けて少なくとも1段の干潟形成棚が突
設され、同各干潟形成棚の少なくとも上面部にポーラス
コンクリートが打設されて、人工干潟が形成されている
ことを特徴とする、環境配慮型人工干潟構造体。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1つに記載
の環境配慮型人工干潟において、上記浮函体の内部が室
構造となっていることを特徴とする、環境配慮型人工干
潟構造体。 - 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれか1つに記載
の環境配慮型人工干潟において、上記浮函体が浮防波堤
としての機能を持つことができる程度に十分な寸法と相
互連結手段とを備えていることを特徴とする、環境配慮
型人工干潟構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8274254A JPH10102456A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 環境配慮型人工干潟構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8274254A JPH10102456A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 環境配慮型人工干潟構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10102456A true JPH10102456A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17539140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8274254A Pending JPH10102456A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | 環境配慮型人工干潟構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10102456A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100446463B1 (ko) * | 2001-10-25 | 2004-09-01 | 한국해양연구원 | 이동식 해상 담수저장시스템 |
CN103195014A (zh) * | 2013-01-10 | 2013-07-10 | 朱华 | 海上长城 |
CN107476252A (zh) * | 2017-08-25 | 2017-12-15 | 交通运输部天津水运工程科学研究所 | 一种内河生态护滩盘 |
-
1996
- 1996-09-25 JP JP8274254A patent/JPH10102456A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100446463B1 (ko) * | 2001-10-25 | 2004-09-01 | 한국해양연구원 | 이동식 해상 담수저장시스템 |
CN103195014A (zh) * | 2013-01-10 | 2013-07-10 | 朱华 | 海上长城 |
CN107476252A (zh) * | 2017-08-25 | 2017-12-15 | 交通运输部天津水运工程科学研究所 | 一种内河生态护滩盘 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20010124 |