JPH10102260A - プラズマ処理装置 - Google Patents
プラズマ処理装置Info
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- JPH10102260A JPH10102260A JP8278676A JP27867696A JPH10102260A JP H10102260 A JPH10102260 A JP H10102260A JP 8278676 A JP8278676 A JP 8278676A JP 27867696 A JP27867696 A JP 27867696A JP H10102260 A JPH10102260 A JP H10102260A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アンテナ下方において見られた異常なプラズ
マの生成を防止して、処理容器内に均一なプラズマを拡
散させることで、処理の均一性を向上させる。 【解決手段】 内部に基体20が配置される処理容器1
に接続して誘電体製のプラズマ生成容器3が接続され、
ガス導入系4による導入されたガスに高周波電力を与え
てヘリコン波プラズマを生成する電力供給系5は、プラ
ズマ生成容器3を取り囲む環状又は螺旋状のアンテナ5
1を有する。このアンテナ51の下方には、電界が処理
容器1側に及ぶのを防止する導電体7が設けられてい
る。導電体7は、プラズマ生成容器3の一端開口のフラ
ンジ部31に形成された導電性の薄膜であり、漏洩電界
を遮蔽して異常なプラズマを生成を抑制する。導電体7
は、磁場設定手段6による磁場を乱さないよう、非磁性
材料から形成される。
マの生成を防止して、処理容器内に均一なプラズマを拡
散させることで、処理の均一性を向上させる。 【解決手段】 内部に基体20が配置される処理容器1
に接続して誘電体製のプラズマ生成容器3が接続され、
ガス導入系4による導入されたガスに高周波電力を与え
てヘリコン波プラズマを生成する電力供給系5は、プラ
ズマ生成容器3を取り囲む環状又は螺旋状のアンテナ5
1を有する。このアンテナ51の下方には、電界が処理
容器1側に及ぶのを防止する導電体7が設けられてい
る。導電体7は、プラズマ生成容器3の一端開口のフラ
ンジ部31に形成された導電性の薄膜であり、漏洩電界
を遮蔽して異常なプラズマを生成を抑制する。導電体7
は、磁場設定手段6による磁場を乱さないよう、非磁性
材料から形成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、誘導体容器内
に形成したプラズマを利用して基体の表面に所定の処理
を施すプラズマ処理装置に関する。
に形成したプラズマを利用して基体の表面に所定の処理
を施すプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】基体に対するプラズマを利用した処理と
しては、プラズマエッチングやプラズマCVD(化学気
相成長)等を始めとして各種の処理が知られている。こ
のうち、ある種の処理では、誘導体で形成されたプラズ
マ生成容器内にプラズマを生成して処理に利用する装置
が従来より用いられている。このようなプラズマ生成容
器内にプラズマを生成する装置のうち、低圧高密度プラ
ズマを生成できるとして最近盛んに使用されるようにな
ってきたものに、ヘリコン波プラズマを使用する装置が
ある。
しては、プラズマエッチングやプラズマCVD(化学気
相成長)等を始めとして各種の処理が知られている。こ
のうち、ある種の処理では、誘導体で形成されたプラズ
マ生成容器内にプラズマを生成して処理に利用する装置
が従来より用いられている。このようなプラズマ生成容
器内にプラズマを生成する装置のうち、低圧高密度プラ
ズマを生成できるとして最近盛んに使用されるようにな
ってきたものに、ヘリコン波プラズマを使用する装置が
ある。
【0003】図6は、このような従来のプラズマ処理装
置の一例としてヘリコン波プラズマを使用するプラズマ
処理装置の構成を説明する正面断面概略図である。図6
に示す装置は、排気系11を備えているとともに内部の
処理対象物としての基体20が配置される処理容器1
と、一端に開口を有する誘電体より成るプラズマ生成容
器3と、プラズマ生成容器3内に所定のガスを導入する
ガス導入系4と、導入されたガスに高周波電力を与えて
プラズマを生成する電力供給系5とを備え、プラズマ生
成容器3内に生成されたプラズマを利用して処理容器1
内の基体20に所定の処理を施すよう構成されている。
置の一例としてヘリコン波プラズマを使用するプラズマ
処理装置の構成を説明する正面断面概略図である。図6
に示す装置は、排気系11を備えているとともに内部の
処理対象物としての基体20が配置される処理容器1
と、一端に開口を有する誘電体より成るプラズマ生成容
器3と、プラズマ生成容器3内に所定のガスを導入する
ガス導入系4と、導入されたガスに高周波電力を与えて
プラズマを生成する電力供給系5とを備え、プラズマ生
成容器3内に生成されたプラズマを利用して処理容器1
内の基体20に所定の処理を施すよう構成されている。
【0004】処理容器1は、基体ホルダ2上の基体20
を臨む上部器壁部分に処理容器側開口12を有してい
る。一方、プラズマ生成容器3は、一端が半球状に形成
されて閉じており他端が開口になっている円筒状の部材
である。このプラズマ生成容器3は、その一端開口を上
記処理容器1の上部器壁部分の処理容器側開口12に重
ね合わせるようにして配置されている。
を臨む上部器壁部分に処理容器側開口12を有してい
る。一方、プラズマ生成容器3は、一端が半球状に形成
されて閉じており他端が開口になっている円筒状の部材
である。このプラズマ生成容器3は、その一端開口を上
記処理容器1の上部器壁部分の処理容器側開口12に重
ね合わせるようにして配置されている。
【0005】電力供給系5は、プラズマ生成容器3を取
り囲むアンテナ51と、アンテナ51に印加する高周波
電力を発生させる高周波電源52と、高周波電源52か
らアンテナ51への高周波線路に設けられた不図示の整
合器等から主に構成されている。アンテナ51の周囲に
は、電磁石からなる磁場設定手段6が配置されている。
この磁場設定手段6は、ヘリコン波プラズマを生成する
ためにプラズマ生成容器3内に所定の磁場を設定するも
のである。
り囲むアンテナ51と、アンテナ51に印加する高周波
電力を発生させる高周波電源52と、高周波電源52か
らアンテナ51への高周波線路に設けられた不図示の整
合器等から主に構成されている。アンテナ51の周囲に
は、電磁石からなる磁場設定手段6が配置されている。
この磁場設定手段6は、ヘリコン波プラズマを生成する
ためにプラズマ生成容器3内に所定の磁場を設定するも
のである。
【0006】図6に示す従来のプラズマ処理装置では、
ガス導入系4によって所定のガスを処理容器1内に導入
し、アンテナ51を通してプラズマ生成容器3内に高周
波電力を供給する。アンテナ51によってプラズマ生成
容器3内に励起される高周波は、ホイスラー波と同様の
右回りの円偏波である。導入されたガスは、処理容器1
内を経由してプラズマ生成容器3内に達し、この円偏波
の高周波エネルギーが印加されてヘリコン波プラズマP
が形成される。このヘリコン波プラズマPは、磁場設定
手段6が与える磁場の磁力線に導かれて処理容器1内を
基板ホルダ2に向けて拡散し、この拡散プラズマを利用
して基体20に対する所定の処理が施される。
ガス導入系4によって所定のガスを処理容器1内に導入
し、アンテナ51を通してプラズマ生成容器3内に高周
波電力を供給する。アンテナ51によってプラズマ生成
容器3内に励起される高周波は、ホイスラー波と同様の
右回りの円偏波である。導入されたガスは、処理容器1
内を経由してプラズマ生成容器3内に達し、この円偏波
の高周波エネルギーが印加されてヘリコン波プラズマP
が形成される。このヘリコン波プラズマPは、磁場設定
手段6が与える磁場の磁力線に導かれて処理容器1内を
基板ホルダ2に向けて拡散し、この拡散プラズマを利用
して基体20に対する所定の処理が施される。
【0007】ヘリコン波プラズマは、比較的低圧力で高
密度プラズマを生成できる技術として最近注目されてい
るものであるが、そのエネルギー伝達のメカニズムは完
全に明らかになってはいない。一般的には、ランダウ減
衰と呼ばれる現象により高周波から電子にエネルギーが
与えられるものと考えられている。即ち、磁場により回
転しながら移動する電子の移動速度がヘリコン波の位相
速度に等しいとき、電子から見てヘリコン波は止まって
いるのと同様なので、電子はヘリコン波から連続的に加
速されてエネルギーを吸収し、これによって高密度のプ
ラズマが生成されるのである。
密度プラズマを生成できる技術として最近注目されてい
るものであるが、そのエネルギー伝達のメカニズムは完
全に明らかになってはいない。一般的には、ランダウ減
衰と呼ばれる現象により高周波から電子にエネルギーが
与えられるものと考えられている。即ち、磁場により回
転しながら移動する電子の移動速度がヘリコン波の位相
速度に等しいとき、電子から見てヘリコン波は止まって
いるのと同様なので、電子はヘリコン波から連続的に加
速されてエネルギーを吸収し、これによって高密度のプ
ラズマが生成されるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなプラズマ
処理装置において、基体に対する処理の均一性を高める
には、プラズマ生成容器内に均一なプラズマを形成し、
プラズマ生成容器の一端開口及び処理容器側開口を経由
してプラズマを均一に処理容器1内に拡散させることが
必要である。ここで、発明者の研究によると、上述した
従来のプラズマ処理装置では、図6に示すように、プラ
ズマ生成容器3の一端開口よりも周辺側に位置する処理
容器側開口12内の空間領域又は処理容器1内の空間領
域に不必要なプラズマP’が生成され、このプラズマ
P’によって、基体20への処理の均一性が阻害される
ことが判明した。この点を図7及び図8を使用して詳し
く説明する。
処理装置において、基体に対する処理の均一性を高める
には、プラズマ生成容器内に均一なプラズマを形成し、
プラズマ生成容器の一端開口及び処理容器側開口を経由
してプラズマを均一に処理容器1内に拡散させることが
必要である。ここで、発明者の研究によると、上述した
従来のプラズマ処理装置では、図6に示すように、プラ
ズマ生成容器3の一端開口よりも周辺側に位置する処理
容器側開口12内の空間領域又は処理容器1内の空間領
域に不必要なプラズマP’が生成され、このプラズマ
P’によって、基体20への処理の均一性が阻害される
ことが判明した。この点を図7及び図8を使用して詳し
く説明する。
【0009】まず、図7は、図6に示す装置及び後述す
る本願発明の実施形態の装置において、処理容器側開口
12から処理容器1内に拡散するプラズマの飽和イオン
電流密度の分布を、プラズマ生成容器3の中心軸に垂直
な方向(図6のA−B)に沿って、ラングミュアプラズ
マローブを使用して測定したものである。図7中の一点
鎖線が、図6に示す従来の装置のものである。
る本願発明の実施形態の装置において、処理容器側開口
12から処理容器1内に拡散するプラズマの飽和イオン
電流密度の分布を、プラズマ生成容器3の中心軸に垂直
な方向(図6のA−B)に沿って、ラングミュアプラズ
マローブを使用して測定したものである。図7中の一点
鎖線が、図6に示す従来の装置のものである。
【0010】この図7の一点鎖線から分かるように、ア
ンテナ51の下方の位置αで飽和イオン電流密度が突出
して高くなっている。中心軸に近い領域の均一な飽和イ
オン電流密度は、プラズマ生成容器3内で生成されたヘ
リコン波プラズマPが均一な飽和イオン電流密度の分布
であり、均一に処理容器1内に拡散していくことを示し
ている。しかし、アンテナ51の下方位置αでの飽和イ
オン電流の異常突出は、ヘリコン波プラズマの生成メカ
ニズムでは説明できないものである。従って、このアン
テナ51の下方の領域には、図6に示すように、通常の
ヘリコン波プラズマではない異常なプラズマP’が生成
されていると判断できるのである。
ンテナ51の下方の位置αで飽和イオン電流密度が突出
して高くなっている。中心軸に近い領域の均一な飽和イ
オン電流密度は、プラズマ生成容器3内で生成されたヘ
リコン波プラズマPが均一な飽和イオン電流密度の分布
であり、均一に処理容器1内に拡散していくことを示し
ている。しかし、アンテナ51の下方位置αでの飽和イ
オン電流の異常突出は、ヘリコン波プラズマの生成メカ
ニズムでは説明できないものである。従って、このアン
テナ51の下方の領域には、図6に示すように、通常の
ヘリコン波プラズマではない異常なプラズマP’が生成
されていると判断できるのである。
【0011】また、発明者は、このような飽和イオン電
流密度の不均一性をさらに分析するため、アンテナ51
への供給電力量を変化させながら、飽和イオン電流密度
がどのように変わるかを調べる実験を行った。この結果
を示したのが図8である。図8の横軸はアンテナ51へ
の供給電力量[W]であり、縦軸は飽和イオン電流密度
[mA/cm2 ]である。尚、ここでの飽和イオン電流
密度は、図6に示すA−B上の各点で測定した飽和イオ
ン電流密度の平均値である。又、図8中、一点鎖線が図
6に示す従来の装置のデータである。
流密度の不均一性をさらに分析するため、アンテナ51
への供給電力量を変化させながら、飽和イオン電流密度
がどのように変わるかを調べる実験を行った。この結果
を示したのが図8である。図8の横軸はアンテナ51へ
の供給電力量[W]であり、縦軸は飽和イオン電流密度
[mA/cm2 ]である。尚、ここでの飽和イオン電流
密度は、図6に示すA−B上の各点で測定した飽和イオ
ン電流密度の平均値である。又、図8中、一点鎖線が図
6に示す従来の装置のデータである。
【0012】図8の一点鎖線に示す通り、図6に示す従
来の装置では、アンテナ51への電力供給量を増加させ
た場合、飽和イオン電流密度は直線的には増加せず、あ
る電力領域で急激に飽和イオン電流密度が増加すること
がわかった。このような飽和イオン電流密度の増加も、
通常のヘリコン波プラズマの生成メカニズムでは説明が
つかないものである。つまり、上記異常なプラズマP’
は、図8に示すβからγの電力領域で急激に増加する性
質のプラズマであり、この異常なプラズマP’が正常な
プラズマPに重畳された状態になっているのである。
来の装置では、アンテナ51への電力供給量を増加させ
た場合、飽和イオン電流密度は直線的には増加せず、あ
る電力領域で急激に飽和イオン電流密度が増加すること
がわかった。このような飽和イオン電流密度の増加も、
通常のヘリコン波プラズマの生成メカニズムでは説明が
つかないものである。つまり、上記異常なプラズマP’
は、図8に示すβからγの電力領域で急激に増加する性
質のプラズマであり、この異常なプラズマP’が正常な
プラズマPに重畳された状態になっているのである。
【0013】本願の発明は、このような従来技術の課題
を解決するためになされたものであり、従来の装置のア
ンテナ下方において見られた異常なプラズマの生成を防
止して、処理容器内に均一なプラズマを拡散させること
で、処理の均一性を向上させることを目的としている。
を解決するためになされたものであり、従来の装置のア
ンテナ下方において見られた異常なプラズマの生成を防
止して、処理容器内に均一なプラズマを拡散させること
で、処理の均一性を向上させることを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、排気系を備えている
とともに内部に基体が配置される処理容器と、一端に開
口を有する誘電体よりなるプラズマ生成容器と、プラズ
マ生成容器内に所定のガスを導入するガス導入系と、導
入されたガスに高周波電力を与えてプラズマを生成する
電力供給系とを備え、プラズマ生成容器内に生成された
プラズマを利用して処理容器内の基体に所定の処理を施
すプラズマ処理装置であって、前記処理容器の器壁に
は、前記プラズマ生成容器を接続する処理容器側開口が
設けられており、前記プラズマ生成容器の一端開口をこ
の処理容器側開口に重ね合わせるようにしてプラズマ生
成容器が処理容器に接続されており、前記電力供給系
は、プラズマ生成容器を取り囲む環状又は螺旋状のアン
テナを備えて、このアンテナを経由してプラズマ生成容
器のガスに高周波電力を供給するものであり、さらに、
前記アンテナが形成する電界を、前記プラズマ生成容器
の一端開口よりも周辺側に位置する前記処理容器側開口
内の空間領域又は前記処理容器内の空間領域に及ぶのを
遮蔽して、当該空間領域においてプラズマが生成される
のを抑制する導電体を有しているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明
は、上記請求項1の構成において、プラズマ生成容器
は、処理容器の器壁に対向するようにして一端開口の縁
に周状に設けたフランジ部を有してこのフランジ部が処
理容器の器壁の外面に接続されており、導電体は、この
フランジ部の表面に形成されているという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発
明は、上記請求項2の構成において、導電体は、フラン
ジ部の表面から、真空容器の器壁の外面のうちフランジ
部の接続部分より周辺側の外面まで覆うよう形成されて
いるという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項4記載の発明は、上記請求項1の構成におい
て、処理容器側開口は、プラズマ生成容器の一端開口よ
り大きく、導電体は、処理容器側開口内の空間のうち、
当該一端開口の縁より周辺側の空間領域を占める形状を
有して当該空間領域に配置されているという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発
明は、上記請求項1の構成において、プラズマ生成容器
の一端開口と処理容器の処理容器側開口とは同一の形状
寸法を有して両者が完全に重なるように構成されてお
り、導電体は当該処理容器の器壁の一部であるという構
成を有する。また、上記課題を解決するため、請求項6
記載の発明は、上記請求項1の構成において、プラズマ
生成容器の一端開口と処理容器の処理容器側開口とは同
一の形状寸法を有して両者が完全に重なるように構成さ
れており、導電体は、当該処理容器側開口の縁から処理
容器の器壁の内面を覆うよう形成されているという構成
を有する。また、上記課題を解決するため、請求項7記
載の発明は、上記請求項1,2,3,4,5又は6の構
成において、導電体は、接地電位を維持するようになっ
ているという構成を有する。また、上記課題を解決する
ため、請求項8記載の発明は、上記請求項1,2,3,
4,5,6又は7の構成において、プラズマ生成容器内
に所定の磁場を印加する磁石機構が設けられており、電
力供給系はプラズマ生成容器内にヘリコン波プラズマを
生成するものであるという構成を有する。また、上記課
題を解決するため、請求項9記載の発明は、上記請求項
1,2,3,4,5,6,7又は8の構成において、導
電体は、非磁性体で形成されているという構成を有す
る。
め、本願の請求項1記載の発明は、排気系を備えている
とともに内部に基体が配置される処理容器と、一端に開
口を有する誘電体よりなるプラズマ生成容器と、プラズ
マ生成容器内に所定のガスを導入するガス導入系と、導
入されたガスに高周波電力を与えてプラズマを生成する
電力供給系とを備え、プラズマ生成容器内に生成された
プラズマを利用して処理容器内の基体に所定の処理を施
すプラズマ処理装置であって、前記処理容器の器壁に
は、前記プラズマ生成容器を接続する処理容器側開口が
設けられており、前記プラズマ生成容器の一端開口をこ
の処理容器側開口に重ね合わせるようにしてプラズマ生
成容器が処理容器に接続されており、前記電力供給系
は、プラズマ生成容器を取り囲む環状又は螺旋状のアン
テナを備えて、このアンテナを経由してプラズマ生成容
器のガスに高周波電力を供給するものであり、さらに、
前記アンテナが形成する電界を、前記プラズマ生成容器
の一端開口よりも周辺側に位置する前記処理容器側開口
内の空間領域又は前記処理容器内の空間領域に及ぶのを
遮蔽して、当該空間領域においてプラズマが生成される
のを抑制する導電体を有しているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明
は、上記請求項1の構成において、プラズマ生成容器
は、処理容器の器壁に対向するようにして一端開口の縁
に周状に設けたフランジ部を有してこのフランジ部が処
理容器の器壁の外面に接続されており、導電体は、この
フランジ部の表面に形成されているという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発
明は、上記請求項2の構成において、導電体は、フラン
ジ部の表面から、真空容器の器壁の外面のうちフランジ
部の接続部分より周辺側の外面まで覆うよう形成されて
いるという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項4記載の発明は、上記請求項1の構成におい
て、処理容器側開口は、プラズマ生成容器の一端開口よ
り大きく、導電体は、処理容器側開口内の空間のうち、
当該一端開口の縁より周辺側の空間領域を占める形状を
有して当該空間領域に配置されているという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発
明は、上記請求項1の構成において、プラズマ生成容器
の一端開口と処理容器の処理容器側開口とは同一の形状
寸法を有して両者が完全に重なるように構成されてお
り、導電体は当該処理容器の器壁の一部であるという構
成を有する。また、上記課題を解決するため、請求項6
記載の発明は、上記請求項1の構成において、プラズマ
生成容器の一端開口と処理容器の処理容器側開口とは同
一の形状寸法を有して両者が完全に重なるように構成さ
れており、導電体は、当該処理容器側開口の縁から処理
容器の器壁の内面を覆うよう形成されているという構成
を有する。また、上記課題を解決するため、請求項7記
載の発明は、上記請求項1,2,3,4,5又は6の構
成において、導電体は、接地電位を維持するようになっ
ているという構成を有する。また、上記課題を解決する
ため、請求項8記載の発明は、上記請求項1,2,3,
4,5,6又は7の構成において、プラズマ生成容器内
に所定の磁場を印加する磁石機構が設けられており、電
力供給系はプラズマ生成容器内にヘリコン波プラズマを
生成するものであるという構成を有する。また、上記課
題を解決するため、請求項9記載の発明は、上記請求項
1,2,3,4,5,6,7又は8の構成において、導
電体は、非磁性体で形成されているという構成を有す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。まず、請求項1及び2の発明に対応した
第一実施形態について説明する。図1は、請求項1及び
2の発明に対応した第一実施形態のプラズマ処理装置の
構成を説明する正面断面概略図である。図1に示すプラ
ズマ処理装置は、排気系11を備えているとともに内部
に処理対象物としての基体20が配置される処理容器1
と、一端に開口を有する誘電体よりなるプラズマ生成容
器3と、プラズマ生成容器3内に所定のガスを導入する
ガス導入系4と、導入されたガスに高周波電力を与えて
プラズマを生成する電力供給系5とを備え、プラズマ生
成容器3内に生成されたプラズマを利用して処理容器1
内の基体20に所定の処理を施すよう構成されている。
いて説明する。まず、請求項1及び2の発明に対応した
第一実施形態について説明する。図1は、請求項1及び
2の発明に対応した第一実施形態のプラズマ処理装置の
構成を説明する正面断面概略図である。図1に示すプラ
ズマ処理装置は、排気系11を備えているとともに内部
に処理対象物としての基体20が配置される処理容器1
と、一端に開口を有する誘電体よりなるプラズマ生成容
器3と、プラズマ生成容器3内に所定のガスを導入する
ガス導入系4と、導入されたガスに高周波電力を与えて
プラズマを生成する電力供給系5とを備え、プラズマ生
成容器3内に生成されたプラズマを利用して処理容器1
内の基体20に所定の処理を施すよう構成されている。
【0016】まず、処理容器1は、不図示のゲートバル
ブを備えた気密な真空容器である。処理容器1に付設さ
れた排気系11は、拡散ポンプやターボ分子ポンプ等を
備えて所定の到達圧力まで処理容器1内を排気可能に構
成される。処理容器1の側部器壁の外面には、図1に示
すように永久磁石13が設けられている。永久磁石13
は、上下方向に長い棒状のものであり、均等間隔をおい
て側部器壁の周囲に複数配置されている。
ブを備えた気密な真空容器である。処理容器1に付設さ
れた排気系11は、拡散ポンプやターボ分子ポンプ等を
備えて所定の到達圧力まで処理容器1内を排気可能に構
成される。処理容器1の側部器壁の外面には、図1に示
すように永久磁石13が設けられている。永久磁石13
は、上下方向に長い棒状のものであり、均等間隔をおい
て側部器壁の周囲に複数配置されている。
【0017】これらの永久磁石13は、処理容器1の側
部器壁の内面に沿ってカスプ磁場が周状に形成されるよ
うにして、当該内面へのプラズマの拡散を防止するもの
である。即ち、各永久磁石13の処理容器1側の表面に
は、隣り合う永久磁石13同士で相異なる磁極が現れる
ようになっている。従って、隣り合う永久磁石13の処
理容器1側の表面を繋ぐようにして処理容器1側に膨ら
んだ磁力線が設定される。プラズマは磁力線を横切る方
向に拡散することが困難であることから、この処理容器
1側に膨らんだ磁力線により、処理容器1の内面へのプ
ラズマの拡散が防止され、当該内面におけるプラズマの
損失が抑制される。
部器壁の内面に沿ってカスプ磁場が周状に形成されるよ
うにして、当該内面へのプラズマの拡散を防止するもの
である。即ち、各永久磁石13の処理容器1側の表面に
は、隣り合う永久磁石13同士で相異なる磁極が現れる
ようになっている。従って、隣り合う永久磁石13の処
理容器1側の表面を繋ぐようにして処理容器1側に膨ら
んだ磁力線が設定される。プラズマは磁力線を横切る方
向に拡散することが困難であることから、この処理容器
1側に膨らんだ磁力線により、処理容器1の内面へのプ
ラズマの拡散が防止され、当該内面におけるプラズマの
損失が抑制される。
【0018】また、処理容器1内には、処理する基体2
0を所定位置に保持するための基体ホルダ2が設けられ
ている。基体ホルダ2には、基体20に所定のバイアス
電圧を印加するための高周波電源21が設けられてい
る。この高周波電源21は、例えば周波数13.56M
z出力200W程度のものが使用され、プラズマと高周
波との相互作用によって基体20上に200V程度の負
のセルフバイアス電圧を印加するよう構成されている。
尚、セルフバイアスの印加のためには、高周波電力の供
給経路上に容量Cが必要であり、高周波電源21と基体
ホルダ2との間にコンデンサが配置される場合がある。
またさらに、基体ホルダ2内には、基体20を所定温度
に加熱するためのヒータが必要に応じて設けられる。
0を所定位置に保持するための基体ホルダ2が設けられ
ている。基体ホルダ2には、基体20に所定のバイアス
電圧を印加するための高周波電源21が設けられてい
る。この高周波電源21は、例えば周波数13.56M
z出力200W程度のものが使用され、プラズマと高周
波との相互作用によって基体20上に200V程度の負
のセルフバイアス電圧を印加するよう構成されている。
尚、セルフバイアスの印加のためには、高周波電力の供
給経路上に容量Cが必要であり、高周波電源21と基体
ホルダ2との間にコンデンサが配置される場合がある。
またさらに、基体ホルダ2内には、基体20を所定温度
に加熱するためのヒータが必要に応じて設けられる。
【0019】上記処理容器1は、図6に示す装置と同
様、基体ホルダ2上の基体20を臨む上部器壁部分に処
理容器側開口12を有している。そして、プラズマ生成
容器3は、一端が半球状に形成されて閉じており他端が
開口になっている円筒状の部材であり、その一端開口を
上記処理容器側開口12に重ね合わせるようにして配置
されている。
様、基体ホルダ2上の基体20を臨む上部器壁部分に処
理容器側開口12を有している。そして、プラズマ生成
容器3は、一端が半球状に形成されて閉じており他端が
開口になっている円筒状の部材であり、その一端開口を
上記処理容器側開口12に重ね合わせるようにして配置
されている。
【0020】プラズマ生成容器3は、石英ガラス又は絶
縁体セラミックス等の材料で形成されたものであり、厚
さは5mm、外径φ100mm、高さ200mm程度の
大きさである。尚、プラズマ生成容器3は、処理容器1
の器壁に対向するようにして一端開口の縁に周状に設け
たフランジ部31を有しており、このフランジ部31が
処理容器1の器壁の外面に接続されている。また、フラ
ンジ部31と処理容器1の器壁の外面との間には、不図
示の真空シールが設けられている。尚、プラズマ生成容
器3は、上記円筒状の他、半球状等の形状のものが使用
されることがある。
縁体セラミックス等の材料で形成されたものであり、厚
さは5mm、外径φ100mm、高さ200mm程度の
大きさである。尚、プラズマ生成容器3は、処理容器1
の器壁に対向するようにして一端開口の縁に周状に設け
たフランジ部31を有しており、このフランジ部31が
処理容器1の器壁の外面に接続されている。また、フラ
ンジ部31と処理容器1の器壁の外面との間には、不図
示の真空シールが設けられている。尚、プラズマ生成容
器3は、上記円筒状の他、半球状等の形状のものが使用
されることがある。
【0021】ガス導入系4は、導入するガスを溜めた不
図示のボンベと、このボンベと処理容器1とを繋ぐ主配
管41と、主配管41上に設けられたバルブ42や不図
示のマスフローコントローラ等から構成されており、処
理容器1内の空間を経由してプラズマ生成容器3内に所
定のガスを導入するようになっている。
図示のボンベと、このボンベと処理容器1とを繋ぐ主配
管41と、主配管41上に設けられたバルブ42や不図
示のマスフローコントローラ等から構成されており、処
理容器1内の空間を経由してプラズマ生成容器3内に所
定のガスを導入するようになっている。
【0022】導入するガスの種類は、プラズマ処理の内
容によって決まる。例えば、プラズマエッチングを行う
場合には、被エッチング材料の材質によって、フッ素系
ガスや塩素系ガス等の反応性ガスを適宜選択して使用す
る。また、プラズマCVD(化学蒸着)によって成膜処
理を行う場合には、作成する薄膜の元素を含む所定の化
合物のガスが導入される。例えば、アモルファスシリコ
ン薄膜を作成する成膜処理を行う場合には、シラン系の
ガスがキャリアガスとしての水素とともに導入される。
容によって決まる。例えば、プラズマエッチングを行う
場合には、被エッチング材料の材質によって、フッ素系
ガスや塩素系ガス等の反応性ガスを適宜選択して使用す
る。また、プラズマCVD(化学蒸着)によって成膜処
理を行う場合には、作成する薄膜の元素を含む所定の化
合物のガスが導入される。例えば、アモルファスシリコ
ン薄膜を作成する成膜処理を行う場合には、シラン系の
ガスがキャリアガスとしての水素とともに導入される。
【0023】次に、電力供給系5は、プラズマ生成容器
3を取り囲むアンテナ51と、アンテナ51に印加する
高周波電力を発生させる高周波電源52と、高周波電源
52からアンテナ51への高周波線路に設けられた不図
示の整合器等から主に構成されている。
3を取り囲むアンテナ51と、アンテナ51に印加する
高周波電力を発生させる高周波電源52と、高周波電源
52からアンテナ51への高周波線路に設けられた不図
示の整合器等から主に構成されている。
【0024】アンテナ51は、第一環状部511と、第
一環状部511と同軸上に配置された第二環状部512
と、第一環状部511と第二環状部512とを繋ぐ連結
部513とからなる形状のものである。図1からは明確
ではないが、第一環状部511と第二環状部512に
は、互いに異なる向きに高周波電流が流れるようになっ
ている。また、第一環状部511と第二環状部512と
の離間間隔は、電子の移動速度との関係においてヘリコ
ン波の位相速度が最適となるように選定されている。
一環状部511と同軸上に配置された第二環状部512
と、第一環状部511と第二環状部512とを繋ぐ連結
部513とからなる形状のものである。図1からは明確
ではないが、第一環状部511と第二環状部512に
は、互いに異なる向きに高周波電流が流れるようになっ
ている。また、第一環状部511と第二環状部512と
の離間間隔は、電子の移動速度との関係においてヘリコ
ン波の位相速度が最適となるように選定されている。
【0025】アンテナ51の周囲には、電磁石からなる
磁場設定手段6が配置されている。この磁場設定手段6
は、ヘリコン波プラズマを生成するため、ヘリコン波の
進行方向に平行な磁場をプラズマ生成容器3内に所定の
磁場を設定するものである。磁場の強さは、プラズマ生
成容器3の中心軸付近で、例えば100ガウス程度であ
る。
磁場設定手段6が配置されている。この磁場設定手段6
は、ヘリコン波プラズマを生成するため、ヘリコン波の
進行方向に平行な磁場をプラズマ生成容器3内に所定の
磁場を設定するものである。磁場の強さは、プラズマ生
成容器3の中心軸付近で、例えば100ガウス程度であ
る。
【0026】さて、本実施形態の装置の大きな特徴点
は、アンテナ51が形成する電界の一部を遮蔽すること
により、図1に示す従来の装置で見られたような異常な
プラズマP’の生成を抑制している点である。この構成
は、本実施形態の装置では、プラズマ生成容器3のフラ
ンジ部31の上面に形成された導電体7によって達成さ
れている。
は、アンテナ51が形成する電界の一部を遮蔽すること
により、図1に示す従来の装置で見られたような異常な
プラズマP’の生成を抑制している点である。この構成
は、本実施形態の装置では、プラズマ生成容器3のフラ
ンジ部31の上面に形成された導電体7によって達成さ
れている。
【0027】即ち、図1に示すように、導電体7は、ア
ンテナ51の下方に位置し、アンテナ51から下方に向
けて形成される高周波電界を遮蔽するよう構成されてい
る。図1に示すように、本実施形態の装置では、処理器
側開口12はプラズマ生成容器3の端部開口よりも大き
く、従って、導電体7が無い場合、アンテナ51が印可
する高周波電界は、処理容器側開口12を通って処理容
器1内に漏洩する。しかし、本実施形態の装置では、こ
の導電体7によって漏洩電界が遮蔽されるため、処理容
器1内に漏洩することがない。
ンテナ51の下方に位置し、アンテナ51から下方に向
けて形成される高周波電界を遮蔽するよう構成されてい
る。図1に示すように、本実施形態の装置では、処理器
側開口12はプラズマ生成容器3の端部開口よりも大き
く、従って、導電体7が無い場合、アンテナ51が印可
する高周波電界は、処理容器側開口12を通って処理容
器1内に漏洩する。しかし、本実施形態の装置では、こ
の導電体7によって漏洩電界が遮蔽されるため、処理容
器1内に漏洩することがない。
【0028】発明者が鋭意研究したところによれば、前
述した従来の装置における異常なプラズマP’の生成
は、上記漏洩電界の影響によるものであり、導電体7を
形成して漏洩電界を遮蔽することにより、このような異
常なプラズマP’の生成を防止できることが分かった。
この点を、前述した図7及び図8を使用しながら説明す
る。
述した従来の装置における異常なプラズマP’の生成
は、上記漏洩電界の影響によるものであり、導電体7を
形成して漏洩電界を遮蔽することにより、このような異
常なプラズマP’の生成を防止できることが分かった。
この点を、前述した図7及び図8を使用しながら説明す
る。
【0029】発明者は、前述した異常なプラズマP’の
生成は、アンテナ51から下方に漏洩する高周波電界の
影響によるとの推測のもと、上述のように導電体7を形
成した装置を実際に製作し、プラズマ生成実験を行っ
た。そして、前述した従来の装置と同様に、A−B方向
での飽和イオン電流密度分布及び供給電力量に対する飽
和イオン電流密度(平均値)の推移を測定した。
生成は、アンテナ51から下方に漏洩する高周波電界の
影響によるとの推測のもと、上述のように導電体7を形
成した装置を実際に製作し、プラズマ生成実験を行っ
た。そして、前述した従来の装置と同様に、A−B方向
での飽和イオン電流密度分布及び供給電力量に対する飽
和イオン電流密度(平均値)の推移を測定した。
【0030】まず、本実施形態の装置におけるA−B方
向で飽和イオン電流密度分布は、図7中に実線で示して
ある。このデ−タから分かるように、導電体7を設けた
本実施形態の装置では、従来の装置で見られたアンテナ
51の下方αの位置での飽和イオン電流密度の突出が無
い。また、本実施形態の装置における供給電力量に対す
る飽和イオン電流密度(平均値)の推移は、図8中に実
線で示してある。このデータから分かるように、導電体
7を設けた本実施形態の装置では、従来の装置で見られ
た供給電力量β−γの領城での飽和イオン電流密度の突
出が無い。このような結果から、導電体7を有する本実
施形態の装置では、従来の装置で見られた異常なプラズ
マР′は生成されず、ヘリコン波が生成する正常なプラ
ズマPによって均一な処理が行えることが分かる。
向で飽和イオン電流密度分布は、図7中に実線で示して
ある。このデ−タから分かるように、導電体7を設けた
本実施形態の装置では、従来の装置で見られたアンテナ
51の下方αの位置での飽和イオン電流密度の突出が無
い。また、本実施形態の装置における供給電力量に対す
る飽和イオン電流密度(平均値)の推移は、図8中に実
線で示してある。このデータから分かるように、導電体
7を設けた本実施形態の装置では、従来の装置で見られ
た供給電力量β−γの領城での飽和イオン電流密度の突
出が無い。このような結果から、導電体7を有する本実
施形態の装置では、従来の装置で見られた異常なプラズ
マР′は生成されず、ヘリコン波が生成する正常なプラ
ズマPによって均一な処理が行えることが分かる。
【0031】導電体7は、例えばアルミニウムのような
非磁性体の導電材料よりなり、フランジ部31の上面を
履うように形成される。形成の方法としては、容射や蒸
着等により薄膜の形でフランジ部31の上面に被着させ
るようにする。もしくは、フランジ部31の上面の形に
成形したシ−ト状又は板状部材をフランジ部31に接着
するようにしてもよい。導電体7の厚さは、10μm以
上あれば足りる。
非磁性体の導電材料よりなり、フランジ部31の上面を
履うように形成される。形成の方法としては、容射や蒸
着等により薄膜の形でフランジ部31の上面に被着させ
るようにする。もしくは、フランジ部31の上面の形に
成形したシ−ト状又は板状部材をフランジ部31に接着
するようにしてもよい。導電体7の厚さは、10μm以
上あれば足りる。
【0032】導電体7が非磁性体である構成は、上方の
磁場設定手段6が設定する磁場形状に影響を与えないも
のとして、重要な技術的意義を有する。即ち、導電体7
が磁性体である場合、磁場設定手段6が作る磁場によっ
て導電体7は経時的に磁化されて、磁場形状を乱し、こ
の結果、磁力線に沿った均一なプラマズの拡散を乱す恐
れがある。しかし、本実施形態における導電体7は非磁
性体であるため、このような問題が発生しない。
磁場設定手段6が設定する磁場形状に影響を与えないも
のとして、重要な技術的意義を有する。即ち、導電体7
が磁性体である場合、磁場設定手段6が作る磁場によっ
て導電体7は経時的に磁化されて、磁場形状を乱し、こ
の結果、磁力線に沿った均一なプラマズの拡散を乱す恐
れがある。しかし、本実施形態における導電体7は非磁
性体であるため、このような問題が発生しない。
【0033】次に、本実施形態のプラズマ処理装置の動
作について、簡単に説明する。まず、不図示のゲ−トバ
ルブを開けて基体20を処理容器1内に搬入し、基体ホ
ルダ2上に載置する。排気系11を動作させて処理容器
1内を所定の圧力まで排気した後、ガス導入系4を動作
させて所定のガスを所定の流量で処理容器1内に導入す
る。導入されたガスは、処理容器1内を経由してプラズ
マ生成容器3内に達する。また、並行して基板ホルダ2
に接続された高周波電源21を動作させる。
作について、簡単に説明する。まず、不図示のゲ−トバ
ルブを開けて基体20を処理容器1内に搬入し、基体ホ
ルダ2上に載置する。排気系11を動作させて処理容器
1内を所定の圧力まで排気した後、ガス導入系4を動作
させて所定のガスを所定の流量で処理容器1内に導入す
る。導入されたガスは、処理容器1内を経由してプラズ
マ生成容器3内に達する。また、並行して基板ホルダ2
に接続された高周波電源21を動作させる。
【0034】この状態で、電力供給系5を動作させ、ア
ンテナ51に所定の高周波電力を印加し、プラズマ生成
容器3内に所定のヘリコン波を供給する。供給されたヘ
リコン波のエネルギーによってプラズマ生成容器3内の
ガスがプラズマ化し、ヘリコン波プラズマが生成され
る。このヘリコン波プラズマは、磁場設定手段6が与え
る磁場の磁力線に沿って処理容器1内に拡散し、基体2
0の表面に所定の処理が施される。例えば、プラズマエ
ッチングを行う場合、エッチング作用を有するガスを導
入して上記ヘリコン波プラズマを生成するか、プラズマ
生成用のガスにエッチング作用を有するガスを添加する
等してエッチングを行うようにする。
ンテナ51に所定の高周波電力を印加し、プラズマ生成
容器3内に所定のヘリコン波を供給する。供給されたヘ
リコン波のエネルギーによってプラズマ生成容器3内の
ガスがプラズマ化し、ヘリコン波プラズマが生成され
る。このヘリコン波プラズマは、磁場設定手段6が与え
る磁場の磁力線に沿って処理容器1内に拡散し、基体2
0の表面に所定の処理が施される。例えば、プラズマエ
ッチングを行う場合、エッチング作用を有するガスを導
入して上記ヘリコン波プラズマを生成するか、プラズマ
生成用のガスにエッチング作用を有するガスを添加する
等してエッチングを行うようにする。
【0035】このようにして所定の処理を所定時間行っ
た後、電力供給系5、ガス導入系4及び高周波電源21
の動作を停止させる。そして、処理容器1内を排気した
後、基体20を処理容器1から取り出す。上記動作に係
る本実施形態の装置では、前述の通り異常なプラズマ
P’が生成されないので、基体20に対する処理の均一
性が向上する。
た後、電力供給系5、ガス導入系4及び高周波電源21
の動作を停止させる。そして、処理容器1内を排気した
後、基体20を処理容器1から取り出す。上記動作に係
る本実施形態の装置では、前述の通り異常なプラズマ
P’が生成されないので、基体20に対する処理の均一
性が向上する。
【0036】次に、本願の請求項3の発明に対応した第
二実施形態について説明する。図2は、請求項3の発明
に対応した第二実施形態のプラズマ処理装置の主要部を
示す正面断面概略図である。図2に示すように、この実
施形態の装置では、導電体7は、フランジ部31の上面
のみならず、フランジ部31の上面からその周辺側の処
理容器1の器壁の外面にまたがって覆うよう形成されて
いる。
二実施形態について説明する。図2は、請求項3の発明
に対応した第二実施形態のプラズマ処理装置の主要部を
示す正面断面概略図である。図2に示すように、この実
施形態の装置では、導電体7は、フランジ部31の上面
のみならず、フランジ部31の上面からその周辺側の処
理容器1の器壁の外面にまたがって覆うよう形成されて
いる。
【0037】上記構成にかかる本実施形態の装置によれ
ば、前述した第一実施形態の装置に比べ、アンテナ51
の下方漏洩電界の遮蔽効果がより広い領域にわたって得
られる。このため、異常なプラズマの生成抑制効果がさ
らに向上し、より均一なプラズマ処理が行える。フラン
ジ部31から処理容器1の器壁外面にまたがった導電体
7の形成は、シート状の金属を貼り付ける構成が実用的
である。また、図2に示すように、導電体7は、処理容
器1の上部器壁外面のみならず側部器壁外面にまで延び
るようにすると、さらに好適である。
ば、前述した第一実施形態の装置に比べ、アンテナ51
の下方漏洩電界の遮蔽効果がより広い領域にわたって得
られる。このため、異常なプラズマの生成抑制効果がさ
らに向上し、より均一なプラズマ処理が行える。フラン
ジ部31から処理容器1の器壁外面にまたがった導電体
7の形成は、シート状の金属を貼り付ける構成が実用的
である。また、図2に示すように、導電体7は、処理容
器1の上部器壁外面のみならず側部器壁外面にまで延び
るようにすると、さらに好適である。
【0038】尚、処理容器1は、不図示の接地部に接続
されて通常は接地電位を維持するようになっている。従
って、この実施形態では、導電体7も接地電位を維持す
るようになっている。一方、前述した第一実施形態で
は、フランジ部31が誘電体であるため、接地電位から
絶縁されている。この構成でも充分漏洩電界の遮蔽効果
があるが、この第二実施形態のように、導電体7を接地
電位とすることにより、電磁波シールドと同様な効果が
得られ、さらに遮蔽効果が向上する。尚、前述した第一
実施形態で導電体7を接地電位とするには、導電体7を
フランジ部31の端面を回り込んで下面まで達するよう
形成しておくとよい。
されて通常は接地電位を維持するようになっている。従
って、この実施形態では、導電体7も接地電位を維持す
るようになっている。一方、前述した第一実施形態で
は、フランジ部31が誘電体であるため、接地電位から
絶縁されている。この構成でも充分漏洩電界の遮蔽効果
があるが、この第二実施形態のように、導電体7を接地
電位とすることにより、電磁波シールドと同様な効果が
得られ、さらに遮蔽効果が向上する。尚、前述した第一
実施形態で導電体7を接地電位とするには、導電体7を
フランジ部31の端面を回り込んで下面まで達するよう
形成しておくとよい。
【0039】次に、請求項4の発明に対応した第三実施
形態について説明する。図3は、請求項4の発明に対応
した第三実施形態のプラズマ処理装置の主要部を示す正
面断面概略図である。この実施形態の装置では、導電体
7は、処理容器側開口内の空間のうち、当該一端開口の
縁より周辺側の空間領域を占める形状を有して当該空間
領域に配置された構成になっている。即ち、導電体7
は、プラズマ生成容器3の一端開口よりはみ出た処理容
器側開口12内の空間を埋めるようにして配置されてい
る。
形態について説明する。図3は、請求項4の発明に対応
した第三実施形態のプラズマ処理装置の主要部を示す正
面断面概略図である。この実施形態の装置では、導電体
7は、処理容器側開口内の空間のうち、当該一端開口の
縁より周辺側の空間領域を占める形状を有して当該空間
領域に配置された構成になっている。即ち、導電体7
は、プラズマ生成容器3の一端開口よりはみ出た処理容
器側開口12内の空間を埋めるようにして配置されてい
る。
【0040】この第三実施形態の装置は、導電体7がフ
ランジ部31の下側に配置されている点が第一実施形態
と異なるのみであり、漏洩電界の遮蔽効果は第一実施形
態の場合と本質的に同様である。また、導電体7の端部
を処理容器1の器壁に接触させて配置することで、処理
容器1が接地電位に維持される場合に導電体7も同様に
接地電位に維持でき、上記同様の漏洩電界遮蔽効果向上
の効果を得ることができる。
ランジ部31の下側に配置されている点が第一実施形態
と異なるのみであり、漏洩電界の遮蔽効果は第一実施形
態の場合と本質的に同様である。また、導電体7の端部
を処理容器1の器壁に接触させて配置することで、処理
容器1が接地電位に維持される場合に導電体7も同様に
接地電位に維持でき、上記同様の漏洩電界遮蔽効果向上
の効果を得ることができる。
【0041】この第三実施形態の導電体7についても、
フランジ部7の下面に溶射や蒸着等の方法により薄膜と
して形成したり、シート状部材や板状部材を貼り付けた
りして形成することができる。また、板状部材を処理容
器1の器壁に対して固定するようにしてもよい。尚、導
電体7の表面にアルマイト処理等の処理を施しておく
と、導電体7が万が一プラズマに晒されたとしても、プ
ラズマによる導電体7の損傷を防止することができる。
フランジ部7の下面に溶射や蒸着等の方法により薄膜と
して形成したり、シート状部材や板状部材を貼り付けた
りして形成することができる。また、板状部材を処理容
器1の器壁に対して固定するようにしてもよい。尚、導
電体7の表面にアルマイト処理等の処理を施しておく
と、導電体7が万が一プラズマに晒されたとしても、プ
ラズマによる導電体7の損傷を防止することができる。
【0042】次に、請求項5の発明に対応した第四実施
形態について説明する。図4は、請求項5の発明に対応
した第四実施形態のプラズマ処理装置の主要部を示す正
面断面概略図である。この第四実施形態の装置は、図3
に示すように、プラズマ生成容器3の一端開口と処理容
器1の処理容器側開口12とは同一の形状寸法を有して
両者が完全に重なるように構成されており、導電体7は
処理容器1の器壁の一部であるという構成を有する。こ
の第四実施形態は、処理容器1が金属製であることを前
提としているが、処理容器1は通常はステンレスやアル
ミニウム等の金属で製作されるので問題はない。
形態について説明する。図4は、請求項5の発明に対応
した第四実施形態のプラズマ処理装置の主要部を示す正
面断面概略図である。この第四実施形態の装置は、図3
に示すように、プラズマ生成容器3の一端開口と処理容
器1の処理容器側開口12とは同一の形状寸法を有して
両者が完全に重なるように構成されており、導電体7は
処理容器1の器壁の一部であるという構成を有する。こ
の第四実施形態は、処理容器1が金属製であることを前
提としているが、処理容器1は通常はステンレスやアル
ミニウム等の金属で製作されるので問題はない。
【0043】この第四実施形態の装置も、前述した第三
実施形態の装置と同様であり、アンテナ51の下方への
漏洩電界の経路であった空間を処理容器1の器壁が埋め
ることになるので、漏洩電界が遮蔽され、異常なプラズ
マの生成が抑制される。尚、処理容器1が接地される場
合、導電体7も接地電位となるので、同様に遮蔽効果が
向上する。
実施形態の装置と同様であり、アンテナ51の下方への
漏洩電界の経路であった空間を処理容器1の器壁が埋め
ることになるので、漏洩電界が遮蔽され、異常なプラズ
マの生成が抑制される。尚、処理容器1が接地される場
合、導電体7も接地電位となるので、同様に遮蔽効果が
向上する。
【0044】この第四実施形態の構成は、処理容器1を
作り替える必要があるので、前述した第一、第二、第三
の実施形態に比べると変更のコストが若干高くなる。し
かし、プラズマ生成容器3や処理容器1の器壁に特定の
部材を付加することによって漏洩電界を遮蔽する場合に
は、その部材が剥がれたり落下したりする可能性が完全
には否定できないが、処理容器1の器壁自体によって漏
洩電界の遮蔽を行う本実施形態の構成では、このような
ことが無い点で信頼線が高い。また、逆に言えば、上記
第一、第二、第三の実施形態の構成は、既存の装置に大
して最小の改良で済むので、コストの面では有利である
と言える。
作り替える必要があるので、前述した第一、第二、第三
の実施形態に比べると変更のコストが若干高くなる。し
かし、プラズマ生成容器3や処理容器1の器壁に特定の
部材を付加することによって漏洩電界を遮蔽する場合に
は、その部材が剥がれたり落下したりする可能性が完全
には否定できないが、処理容器1の器壁自体によって漏
洩電界の遮蔽を行う本実施形態の構成では、このような
ことが無い点で信頼線が高い。また、逆に言えば、上記
第一、第二、第三の実施形態の構成は、既存の装置に大
して最小の改良で済むので、コストの面では有利である
と言える。
【0045】次に、請求項6の発明に対応した第五実施
形態について説明する。図5は、請求項6の発明に対応
した第五実施形態のプラズマ処理装置の主要部を示す正
面断面概略図である。この第五実施形態の装置は、第四
実施形態と同様、プラズマ生成容器3の一端開口と処理
容器1の処理容器側開口12とは同一の寸法形状を有し
て両者が完全に重なるように構成されている。そして、
導電体7は、処理容器側開口12の縁から処理容器1の
器壁の内面を覆うよう形成されている。
形態について説明する。図5は、請求項6の発明に対応
した第五実施形態のプラズマ処理装置の主要部を示す正
面断面概略図である。この第五実施形態の装置は、第四
実施形態と同様、プラズマ生成容器3の一端開口と処理
容器1の処理容器側開口12とは同一の寸法形状を有し
て両者が完全に重なるように構成されている。そして、
導電体7は、処理容器側開口12の縁から処理容器1の
器壁の内面を覆うよう形成されている。
【0046】この第五実施形態の構成は、処理容器1の
器壁とは別に当該器壁の内面に導電体7を形成するもの
であるが、処理容器1が何らかの事情で金属製でない場
合有効な構成である。また、処理容器1が金属製である
場合にも、さらに遮蔽効果を高める意味で効果的であ
る。そして、処理容器1が金属製で接地される場合、導
電体7も接地電位となってさらに遮蔽効果が向上する。
尚、第四実施形態と同様、導電体7にアルマイト処理等
の表面処理を施しておくと、プラズマによる損傷があり
うる場合に好適である。
器壁とは別に当該器壁の内面に導電体7を形成するもの
であるが、処理容器1が何らかの事情で金属製でない場
合有効な構成である。また、処理容器1が金属製である
場合にも、さらに遮蔽効果を高める意味で効果的であ
る。そして、処理容器1が金属製で接地される場合、導
電体7も接地電位となってさらに遮蔽効果が向上する。
尚、第四実施形態と同様、導電体7にアルマイト処理等
の表面処理を施しておくと、プラズマによる損傷があり
うる場合に好適である。
【0047】上述した各実施形態の構成において、アン
テナ51は、第一環状部511と第二環状部512とよ
りなるダブルループ状のものであったが、螺旋状のもの
を使用してもよい。また、形成されるプラズマはヘリコ
ン波プラズマであるとして説明したが、誘導結合型プラ
ズマ(ICP)や他の高周波プラズマであっても、本願
発明の実施に際しては差し支えがない。
テナ51は、第一環状部511と第二環状部512とよ
りなるダブルループ状のものであったが、螺旋状のもの
を使用してもよい。また、形成されるプラズマはヘリコ
ン波プラズマであるとして説明したが、誘導結合型プラ
ズマ(ICP)や他の高周波プラズマであっても、本願
発明の実施に際しては差し支えがない。
【0048】さらに、基体20の種類としては、半導体
ウエハや液晶基板の他、情報記録ディスク等の各種のも
のを基体20として選定することができる。さらには、
センサーヘッド等の板状物以外のものを基体20とする
こともできる。そして、プラズマ処理の種類としては、
プラズマエッチングやプラズマCVDの他、表面酸化や
表面窒化等の表面改質処理等、各種の処理を行うことが
できる。
ウエハや液晶基板の他、情報記録ディスク等の各種のも
のを基体20として選定することができる。さらには、
センサーヘッド等の板状物以外のものを基体20とする
こともできる。そして、プラズマ処理の種類としては、
プラズマエッチングやプラズマCVDの他、表面酸化や
表面窒化等の表面改質処理等、各種の処理を行うことが
できる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本願の各請求項記
載のプラズマ処理装置によれば、プラズマ生成容器の一
端開口よりも周辺側に位置する処理容器側開口内の空間
領域又は処理用機内の空間領域にアンテナの電界が漏洩
するのが遮蔽されるので、これらの領域におけるプラズ
マの生成が抑制され、このような異常なプラズマによる
処理の不均一化が防止される。また、請求項2、3又は
4記載のプラズマ処理装置によれば、上記効果に加え、
既存の装置に大して最小の改良で済むので、コストの面
で有利であると言う効果が得られる。また、請求項5記
載のプラズマ処理装置によれば、上記効果に加え、導電
体が処理容器の器壁の一部であるので、信頼性が向上す
るという効果が得られる。また、請求項6記載のプラズ
マ処理装置によれば、上記効果に加え、処理用記が金属
製でない場合であっても漏洩電界遮蔽の効果が得られ、
処理用記が金属製である場合は、漏洩電界遮蔽の効果が
さらに向上するという効果が得られる。また、請求項7
記載のプラズマ処理装置によれば、上記効果に加え、導
電体が電磁波シールドと同様の遮蔽効果を発揮するの
で、さらに以上プラズマ生成抑制の効果が向上する。ま
た、請求項8記載のプラズマ処理装置によれば、上記効
果に加え、ヘリコン波によって高密度プラズマが生成さ
れるので、処理の高速化が図られるという効果が得られ
る。また、請求項9のプラズマ処理装置によれば、上記
効果に加え、磁場設定手段が作る磁場が導電体によって
乱されることが無いので、磁場によるプラズマの均一拡
散が維持され、さらに処理の均一化が図られるという効
果が得られる。
載のプラズマ処理装置によれば、プラズマ生成容器の一
端開口よりも周辺側に位置する処理容器側開口内の空間
領域又は処理用機内の空間領域にアンテナの電界が漏洩
するのが遮蔽されるので、これらの領域におけるプラズ
マの生成が抑制され、このような異常なプラズマによる
処理の不均一化が防止される。また、請求項2、3又は
4記載のプラズマ処理装置によれば、上記効果に加え、
既存の装置に大して最小の改良で済むので、コストの面
で有利であると言う効果が得られる。また、請求項5記
載のプラズマ処理装置によれば、上記効果に加え、導電
体が処理容器の器壁の一部であるので、信頼性が向上す
るという効果が得られる。また、請求項6記載のプラズ
マ処理装置によれば、上記効果に加え、処理用記が金属
製でない場合であっても漏洩電界遮蔽の効果が得られ、
処理用記が金属製である場合は、漏洩電界遮蔽の効果が
さらに向上するという効果が得られる。また、請求項7
記載のプラズマ処理装置によれば、上記効果に加え、導
電体が電磁波シールドと同様の遮蔽効果を発揮するの
で、さらに以上プラズマ生成抑制の効果が向上する。ま
た、請求項8記載のプラズマ処理装置によれば、上記効
果に加え、ヘリコン波によって高密度プラズマが生成さ
れるので、処理の高速化が図られるという効果が得られ
る。また、請求項9のプラズマ処理装置によれば、上記
効果に加え、磁場設定手段が作る磁場が導電体によって
乱されることが無いので、磁場によるプラズマの均一拡
散が維持され、さらに処理の均一化が図られるという効
果が得られる。
【図1】請求項1及び2の発明に対応した第一実施形態
のプラズマ処理装置の構成を説明する正面断面概略図で
ある。
のプラズマ処理装置の構成を説明する正面断面概略図で
ある。
【図2】請求項3の発明に対応した第二実施形態のプラ
ズマ処理装置の主要部を示す正面断面概略図である。
ズマ処理装置の主要部を示す正面断面概略図である。
【図3】請求項4の発明に対応した第三実施形態のプラ
ズマ処理装置の主要部を示す正面断面概略図である。
ズマ処理装置の主要部を示す正面断面概略図である。
【図4】請求項5の発明に対応した第四実施形態のプラ
ズマ処理装置の主要部を示す正面断面概略図である。
ズマ処理装置の主要部を示す正面断面概略図である。
【図5】請求項6の発明に対応した第五実施形態のプラ
ズマ処理装置の主要部を示す正面断面概略図である。
ズマ処理装置の主要部を示す正面断面概略図である。
【図6】従来のプラズマ処理装置の一例としてヘリコン
波プラズマを使用するプラズマ処理装置の構成を説明す
る正面断面概略図である。
波プラズマを使用するプラズマ処理装置の構成を説明す
る正面断面概略図である。
【図7】図1及び図6に示す装置において、処理容器側
開口13から処理容器1内に拡散するプラズマの飽和イ
オン電流密度の分布を、プラズマ生成容器3の中心軸に
垂直な方向(A−B)に沿って測定した結果の図であ
る。
開口13から処理容器1内に拡散するプラズマの飽和イ
オン電流密度の分布を、プラズマ生成容器3の中心軸に
垂直な方向(A−B)に沿って測定した結果の図であ
る。
【図8】アンテナ51の供給電力量を変化させながら、
飽和イオン電流密度がどのように変わるかを調べる実験
の結果を示す図である。
飽和イオン電流密度がどのように変わるかを調べる実験
の結果を示す図である。
【符号の説明】 1 処理容器 11 排気系 2 基体ホルダ 20 基体 3 プラズマ発生容器 31 フランジ部 4 ガス導入系 5 電力供給系 51 アンテナ 6 磁場設定手段 7 導電体
Claims (9)
- 【請求項1】 排気系を備えているとともに内部に基体
が配置される処理容器と、一端に開口を有する誘電体よ
りなるプラズマ生成容器と、プラズマ生成容器内に所定
のガスを導入するガス導入系と、導入されたガスに高周
波電力を与えてプラズマを生成する電力供給系とを備
え、プラズマ生成容器内に生成されたプラズマを利用し
て処理容器内の基体に所定の処理を施すプラズマ処理装
置であって、 前記処理容器の器壁には、前記プラズマ生成容器を接続
する処理容器側開口が設けられており、前記プラズマ生
成容器の一端開口をこの処理容器側開口に重ね合わせる
ようにしてプラズマ生成容器が処理容器に接続されてお
り、 前記電力供給系は、プラズマ生成容器を取り囲む環状又
は螺旋状のアンテナを備えて、このアンテナを経由して
プラズマ生成容器のガスに高周波電力を供給するもので
あり、 さらに、前記アンテナが形成する電界を、前記プラズマ
生成容器の一端開口よりも周辺側に位置する前記処理容
器側開口内の空間領域又は前記処理容器内の空間領域に
及ぶのを遮蔽して、当該空間領域においてプラズマが生
成されるのを抑制する導電体を有していることを特徴と
するプラズマ処理容器。 - 【請求項2】 前記プラズマ生成容器は、前記処理容器
の器壁に対向するようにして一端開口の縁に周状に設け
たフランジ部を有してこのフランジ部が処理容器の器壁
の外面に接続されており、前記導電体は、このフランジ
部の表面に形成されていることを特徴とする請求項1記
載のプラズマ処理容器。 - 【請求項3】 前記導電体は、前記フランジ部の表面か
ら、真空容器の器壁の外面のうちフランジ部の接続部分
より周辺側の外面まで覆うよう形成されていることを特
徴とする請求項2記載のプラズマ処理装置。 - 【請求項4】 前記処理容器側開口は、前記プラズマ生
成容器の一端開口より大きく、前記導電体は、処理容器
側開口内の空間のうち、当該一端開口の縁より周辺側の
空間領域を占める形状を有して当該空間領域に配置され
ていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装
置。 - 【請求項5】 前記プラズマ生成容器の一端開口と前記
処理容器の処理容器側開口とは同一の形状寸法を有して
両者が完全に重なるように構成されており、前記導電体
は、当該処理容器の器壁の一部であることを特徴とする
請求項1記載のプラズマ処理装置。 - 【請求項6】 前記プラズマ生成容器の一端開口と前記
処理容器の処理容器側開口とは同一の形状寸法を有して
両者が完全に重なるように構成されており、前記導電体
は、当該処理容器側開口の縁から処理容器の器壁の内面
を覆うよう形成されていることを特徴とする請求項1記
載のプラズマ処理装置。 - 【請求項7】 前記導電体は、接地電位を維持するよう
になっていることを特徴とする請求項1,2,3,4,
5又は6記載のプラズマ処理装置。 - 【請求項8】 前記プラズマ生成容器内に所定の磁場を
印加する磁石機構が設けられており、前記電力供給系は
プラズマ生成容器内にヘリコン波プラズマを生成するも
のであることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,
6又は7記載のプラズマ処理装置。 - 【請求項9】 前記導電体は、非磁性体で形成されてい
ることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7
又は8記載のプラズマ処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8278676A JPH10102260A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | プラズマ処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8278676A JPH10102260A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | プラズマ処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10102260A true JPH10102260A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17600624
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8278676A Pending JPH10102260A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | プラズマ処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10102260A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002534795A (ja) * | 1999-01-07 | 2002-10-15 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | プラズマエッチング装置 |
JP2005158675A (ja) * | 2003-10-30 | 2005-06-16 | Kyocera Corp | プラズマ処理装置 |
JP2010101180A (ja) * | 2008-10-21 | 2010-05-06 | Daihatsu Motor Co Ltd | 火花点火式内燃機関の運転制御方法 |
JP2011007161A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | Daihatsu Motor Co Ltd | 火花点火式内燃機関の運転制御方法 |
WO2013054960A1 (ko) * | 2011-10-14 | 2013-04-18 | 한국과학기술원 | 헬리콘 플라즈마 장치 |
JP2015146279A (ja) * | 2014-02-04 | 2015-08-13 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | プラズマ処理装置及び方法 |
-
1996
- 1996-09-30 JP JP8278676A patent/JPH10102260A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002534795A (ja) * | 1999-01-07 | 2002-10-15 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | プラズマエッチング装置 |
JP2005158675A (ja) * | 2003-10-30 | 2005-06-16 | Kyocera Corp | プラズマ処理装置 |
JP2010101180A (ja) * | 2008-10-21 | 2010-05-06 | Daihatsu Motor Co Ltd | 火花点火式内燃機関の運転制御方法 |
JP2011007161A (ja) * | 2009-06-29 | 2011-01-13 | Daihatsu Motor Co Ltd | 火花点火式内燃機関の運転制御方法 |
WO2013054960A1 (ko) * | 2011-10-14 | 2013-04-18 | 한국과학기술원 | 헬리콘 플라즈마 장치 |
JP2015146279A (ja) * | 2014-02-04 | 2015-08-13 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | プラズマ処理装置及び方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060829 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060905 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070116 |