JPH10101836A - エポキシ樹脂発泡体の製造法 - Google Patents

エポキシ樹脂発泡体の製造法

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JPH10101836A
JPH10101836A JP27542796A JP27542796A JPH10101836A JP H10101836 A JPH10101836 A JP H10101836A JP 27542796 A JP27542796 A JP 27542796A JP 27542796 A JP27542796 A JP 27542796A JP H10101836 A JPH10101836 A JP H10101836A
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顕 井上
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祐次 横尾
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 難燃性、高剛性で繊密なエポキシ樹脂発泡体
を常温下での発泡硬化により得る製造方法を提供する。 【解決手段】 下記の各成分を下記の量比で含む混合物
を発泡硬化させる。A:分子中に2個以上のエポキシ基
を有するエポキシ樹脂100重量部、B:金属水酸化物
及び酸化金属水和物のうち少なくとも一種の難燃剤10
〜300重量部、C:発泡剤1〜50重部、D:整泡剤
0.01〜10重量部、E:リン酸、ポリリン酸及びフ
ェニルホスホン酸のうち少なくとも一種のリン酸類で、
水酸基の数のエポキシ樹脂のエポキシ基の数に対する比
が0.4〜1.0、E’:E並びにリン原子に結合した
水酸基を有するリン酸塩及びリン酸エステルから選ばれ
る少なくとも一種のリン酸化合物からなる混合物におけ
るリン酸類並びにリン酸化合物の水酸基の合計数のエポ
キシ樹脂のエポキシ基の数に対する比が0.4〜1.
0。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂発泡
体の新規な製造法に関するものであり、更に詳しくは、
難燃性を有し高剛性で繊密なエポキシ樹脂を、常温下で
の発泡硬化により得ることが可能なエポキシ樹脂発泡体
の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、断熱材或いは軽量部材として
各種の樹脂発泡体が用いられていて、中でも、熱硬化型
の発泡体としてポリウレタン樹脂発泡体、フェノール樹
脂発泡体、ユリア樹脂発泡体が汎用されているが、これ
らの樹脂発泡体の耐熱性及び機械的物性を改良するため
に、これらの樹脂発泡体に難燃剤を添加したものが知ら
れている。
【0003】特にフェノール樹脂は、熱硬化性樹脂の中
でも難燃性の高いものであり、これに無機化合物を添加
して機械的物性や難燃性等を向上させたフェノール樹脂
発泡体の例が多く知られている。
【0004】例えば、特開昭61−176638号公報
には、メチロール指数0.7以下のレゾール型フェノー
ル樹脂、ホウ酸、水酸化アルミニウム及び/又は水酸化
マグネシウム、酸性硬化剤及び発泡剤を混合し、この混
合物を発泡硬化させることよりなる準不燃有機発泡材料
の製法が開示されており、これに類するフェノール樹脂
発泡体の製造法が、特開昭61−268733号公報、
特開昭61−275335号公報及び特開昭62−89
740号公報にも開示されている。
【0005】又、特開昭63−137936号公報に
は、液状で酸硬化型の熱硬化性樹脂に、発泡剤や硬化剤
等の液状添加剤及び液状の樹脂等で高濃度のスラリ−と
した無機粉末等の固体添加剤を混合し、発泡硬化させる
発泡体の製造法が開示されている。
【0006】又、特開平2−182415号公報には、
レゾール系フェノール樹脂、界面活性剤、平均粒径が5
0μm以上のものを少なくとも一部に含む水酸化アルミ
ニウム、発泡剤及び硬化剤等を成分とする不燃性樹脂発
泡建材が開示されている。
【0007】更に、特開平6−80814号公報には、
酸硬化型フェノール樹脂、予め弱酸性物によりPHを
6.5〜7.4に調整した水酸化アルミニウム、整泡
剤、発泡剤及び硬化剤を必須成分とする組成混合物を加
熱発泡硬化させることよりなる、フェノール樹脂発泡体
の製造法が開示されている。
【0008】一方、他の材料との接着性や、耐熱性、耐
薬品性、寸法安定性及び機械的強度に優れるエポキシ樹
脂についても、無機化合物を添加して機械的物性や難燃
性等を向上させたエポキシ樹脂発泡体の例が幾つか知ら
れている。
【0009】例えば、特開昭64−11138号公報に
は、エポキシ樹脂等の合成樹脂と硬化剤と無機酸化物及
び/又は無機水酸化物とを混合する樹脂発泡体の製造法
が開示されている。
【0010】又、特開平1−197553号公報には、
エポキシ樹脂、アミン系硬化剤、硬化促進剤及び無機充
頃剤からなる組成物により、常温下でエポキシ樹脂発泡
体が得られることが開示されている。
【0011】又、特開平4−178440号公報には、
エポキシ樹脂、微小中空球体、発泡剤、難燃剤、硬化剤
及び硬化促進剤を含有する難燃性軽量複合材料用エポキ
シ樹脂組成物が開示されている。
【0012】更に、特開平4−266940号公報に
は、エポキシ樹脂、微小中空球体、発泡剤、難燃剤及び
芳香族ジアミンを含有する複合材料用エポキシ樹脂組成
物が開示されている。
【0013】このように、各種の樹脂発泡体は、断熱材
や軽量部材等として広く用いられているのであるが、中
でも、断熱材、サンドイッチパネルや外壁パネルの芯材
等に代表される建築材料として使用される場合は、当該
建築材料には難燃性や耐火性を有することが望まれるの
で、これらの用途に対する各種の樹脂発泡体は、難燃で
あるか耐火性を有することが好ましい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フェノ
ール樹脂発泡体は難燃ではあるものの、脆砕性が高く、
鋼板や木材等の他の材料との接着性に欠け、施工後の剥
離が問題となる場合がある。
【0015】又、レゾール型フェノール樹脂は、p−ト
ルエンスルホン酸等の有機酸を硬化触媒とするが、発泡
体中にこの有機酸が残存するので、接触する金属の腐食
や木材の変色を引き起こすという難点があり、従って、
従来技術(例えば、特開昭58−120644号公報参
照)に示されているように、残存する有機酸とエポキシ
樹脂とを反応させて捕集することにより、発泡体を改質
して残存する有機酸の他の材料への影響を防止すること
が必要となる。
【0016】更に、レゾール型フェノール樹脂は、発泡
硬化過程でホルムアルデヒドを放出するので、その臭気
によって作業環境を損なうことが問題となる場合があ
る。
【0017】一方、前述したような樹脂それ自体の特性
を活かしたエポキシ樹脂発泡体は、目地剤、自動車用等
の軽量部材や建築材料等として用いられているが、中で
も、前述したサンドイッチパネルや外壁パネルの芯材等
の建築材料に使用される樹脂発泡体は、難燃であるか耐
火性を有することが望まれるので、従来技術に示されて
いるように、エポキシ樹脂発泡体に対して難燃剤や無機
充填剤を添加し、難燃性を上げれば、上記フェノール樹
脂発泡体が有する難点のない樹脂発泡体を提供すること
ができるようにも考えられる。
【0018】しかしながら、繊維強化プラスチック(F
RP)のような成形品に難燃剤や無機充填剤を添加する
場合とは異なり、樹脂発泡体の場合は、添加する難燃剤
や無機充填剤の質や粒径によっても異なるが、多量に添
加した場合には、発泡時の樹脂の流動性が低下して所定
形状への成形性が悪くなったり、発泡後の気泡の大きさ
や分布が不均一になって発泡体の機械的強度が低下した
り、熱伝導率が上昇して断熱性が低下したりするため、
添加量が制限され、その結果として難燃性が不充分とな
るという問題があった。
【0019】具体的には、難燃剤や無機充填剤の添加量
は、エポキシ樹脂100重量部に対して20〜40重量
部という範囲が一般的で、エポキシ樹脂に対して等重量
部程度が上限であり、その結果として、難燃性や耐火性
が不充分となる問題があったのである。
【0020】本発明は、上記のような従来技術が有して
いた欠点を解消し、難燃性を有する高剛性で繊密なエポ
キシ樹脂を常温下での発泡硬化により得ることが可能な
エポキシ樹脂の製造法を提供することを目的としてなさ
れた。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用したエポキシ樹脂発泡体の製造法の構成
は、以下のA〜D及びE或いはE’の各成分を以下の量
比で含む混合物を発泡硬化させることを特徴とするもの
である。 A:分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂・・・100重量部 B:金属水酸化物及び酸化金属水和物から選ばれる少な
くとも一種の難燃剤・・・10〜300重量部 C:発泡剤・・・1〜50重量部 D:整泡剤・・・0.01〜10重量部 E:リン酸、ポリリン酸及びフェニルホスホン酸から選
ばれる少なくとも一種のリン酸類・・・該リン酸類の水
酸基の数の前記エポキシ樹脂のエポキシ基の数に対する
比が0.4〜1.0となる量、或いは、 E’:リン酸、ポリリン酸及びフェニルホスホン酸から
選ばれる少なくとも一種のリン酸類、並びに、リン原子
に結合した水酸基を有するリン酸塩及びリン酸エステル
から選ばれる少なくとも一種のリン酸化合物からなる混
合物・・・該混合物におけるリン酸類並びにリン酸化合
物の水酸基の合計数の前記エポキシ樹脂のエポキシ基の
数に対する比が0.4〜1.0となる量
【0022】
【発明の実施の態様】以下、本発明について具体例を挙
げて詳細に説明する。
【0023】本発明におけるエポキシ樹脂とは、分子中
に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、エポキ
シ樹脂用硬化剤と反応して硬化することができる化合物
をいい、この化合物はエポキシ樹脂の主剤、或いは、ポ
リエポキシド等とも呼ばれている化合物である。
【0024】上記エポキシ樹脂としては、エポキシ基と
してグリシジル基を有する化合物が好ましく、特にグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂が好ましいが、これに限
定されるものではなく、例えば環式脂肪族系エポキシ樹
脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、複素環式脂肪
族系エポキシ樹脂等(これらエポキシ樹脂はオリゴマ−
状のものであってもよい)を使用することもでき、又、
このエポキシ樹脂は、それらのうちの1種類を選択して
もよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】上記エポキシ樹脂としては、難燃剤との混
合のしやすさ及び発泡時の流動性の点で、特に常温で液
状のものが好ましく、このようなものとしては、例え
ば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェ
ノールFジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジ
ルエーテル、フェノールノボラックポリグリシジルエー
テル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル等
のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフ
タル酸グリシジルエステルやダイマー酸グリシジルエス
テル等のグリシジルエステル系エポキシ樹脂;線状脂肪
族系エポキシ樹脂や環式脂肪族系エポキシ樹脂等を挙げ
ることができる。
【0026】又、本発明における難燃剤としては、例え
ば、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化ジ
ルコニウム、水酸化セリウム、水酸化マグネシウム等の
金属水酸化物、及び、アルミン酸カルシウム、モンモリ
ロナイト、ハイジライト、ヘクトライト、サポナイト、
タルク、パイロフィライト、バーミキュライト、マイ
カ、ドーソナイト等の粘土鉱物も含めた酸化金属水和物
から選ばれる少なくとも一種を挙げることができるが、
これらの中では、吸熱効果が大きいことから水酸化アル
ミニウムを用いることが好ましい。更に、この難燃剤に
対しては、エポキシ樹脂への分散性を向上させるため
に、ステアリン酸やシランカップリング剤等による表面
処理を施しても良い。
【0027】本発明において、上記難燃剤は、エポキシ
樹脂100重量部に対して10〜300重量部の範囲で
使用するのであるが、得られる発泡体の成形性、難燃
性、耐火性及び機械的強度のバランスの面からは、30
〜250重量部の範囲で使用することがより好ましい。
【0028】尚、上記難燃剤の使用量が10重量部未満
であると、発泡体の難燃性や耐火性を向上させることが
できず、逆に使用量が300重量部を超えると、発泡時
の混合物の流動性が低下して所定形状の発泡体を得るこ
とができないばかりか、発泡体の密度が大きくなって重
量が増加し、発泡体のセルを破壊することによる断熱性
能の低下や脆化を引き起こしてしまう。
【0029】更に、上記難燃剤は、平均粒子径が1〜3
00μmのものであることが好ましく、樹脂への混練の
しやすさ及び発泡体中への均一な分散の点からは、5〜
100μmのものであることが更に好ましい。
【0030】尚、上記難燃剤の平均粒子径が1μm未満
であると、嵩が高くなって取扱い性や樹脂への混練のし
やすさに劣る場合があり、平均粒子径が300μmを超
えると、嵩比重が大きくなり、樹脂等との比重差によっ
ては沈降しやすくなって、発泡体中に均一に分散させる
ことが困難となる場合がある(本発明における上記平均
粒子径とは、沈降天秤法あるいは乾式篩分析によって測
定されたD50の値(累積分布の50%値)を意味す
る。)。
【0031】又、本発明における発泡剤としては、ハロ
ゲン化炭化水素類や炭化水素類等の公知のものを挙げる
ことができ、中でも、沸点が0〜100℃のハロゲン化
炭化水素類が好ましく、特に常温で液体のハロゲン化炭
化水素類が好ましい。これら発泡剤は、単独であるいは
二種以上の混合物として使用することができる。
【0032】上記ハロゲン化炭化水素類としては、例え
ば、塩化メチレン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化
水素類;2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロ
エタン(HCFC123)、1,1−ジクロロ−1−フ
ルオロエタン(HCFC141b)、1,1−ジクロロ
−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HC
FC225ca)、1,3−ジクロロ−1,1,2,
2,3−ペンタンフルオロプロパン(HCFC225c
b)等の塩素化フッ素化炭化水素類;1,1,1,2,
3,3−へキサフルオロプロパン(HFC236e
a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン
(HFC245fa)等のフッ素化炭化水素類等を挙げ
ることができる。
【0033】本発明において、上記発泡剤は、エポキシ
樹脂100重量部に対して1〜50重量部使用するもの
であり、この量が1重量部未満であると発泡が不十分と
なり、50重量部を超えると連続気泡が増えて独立気泡
率が低下し、発泡体の剛性や断熱性が低下してしまう。
【0034】更に、上記発泡剤の使用量の増減により発
泡体の発泡倍率や密度が変化するので、発泡体の用途等
に応じて要求される発泡体密度になるように、発泡剤の
量を調整することが好ましい。
【0035】又、本発明における整泡剤としては、例え
ばポリウレタン樹脂発泡体やフェノール樹脂発泡体等の
各種樹脂発泡体の製造に用いられている公知のものを挙
げることができる。
【0036】上記整泡剤としては界面活性剤が好まし
く、更に、この界面活性剤としてはノニオン系界面活性
剤であることがより好ましい。又、これら整泡剤は単独
で、あるいは二種類以上の組合せで使用してもよい。
【0037】上記のような整泡剤として使用できるノニ
オン系界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノス
テアレート、ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノオレート等のソルビタンエステル類;ポ
リエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレン
グリコールモノオレート、ポリエチレングリコールジス
テアレート、ポリエチレングリコールジオレート等のポ
リエチレングリコールエステル類;上記以外のポリオキ
シエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンア
ルキルエステル類;ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル類;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ステル類やジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレ
ン共重合体類等を挙げることができる。
【0038】本発明において、上記整泡剤は、エポキシ
樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、より
好ましくは0.5〜5重量部使用するものであり、この
量が0.01重量部未満であると、発泡後の気泡の大き
さや分布を均一化する効果に欠け、10重量部を超える
と、可塑剤として作用して発泡体の剛性を低下させてし
まう。
【0039】又、本発明におけるリン酸類とは、リン
酸、ポリリン酸及びフェニルホスホン酸から選ばれる少
なくとも1種からなり、このリン酸類は、上記エポキシ
樹脂と反応して樹脂発泡体の骨格を形成すると同時に、
樹脂発泡体に難燃性を与える成分でもある。
【0040】上記リン酸類の内、リン酸としては特に制
限はなく、例えば工業用として入手可能な濃度が75
%、85%、89%のもののいずれでもよい。
【0041】ポリリン酸についても、P25の含有量の
違いにより各種のグレードのものが市販されているが、
特に制限なく使用することができ、フェニルホスホン酸
についても同様に制限はない。
【0042】このリン酸類としては、リン酸、ポリリン
酸又はフェニルホスホン酸の少なくとも1種類を使用す
ればよいが、2種類以上を使用することもできる。尚、
上記の内のフェニルホスホン酸は固体であるので、発泡
硬化時に流動しやすくするために、液体であるリン酸や
ポリリン酸と併用することが好ましい。
【0043】上記リン酸類は、エポキシ樹脂のエポキシ
基と反応して当該エポキシ樹脂の分子骨格中に取り込ま
れると考えられ、そのために、リン酸類の使用量を適切
な量にコントロールすることにより、得られる発泡体中
にリン酸類が遊離酸として残存しないようにすることが
できる。従って、そのようにコントロールすることによ
り、本発明の樹脂発泡体を金属や木材等の他材料と接着
させた場合でも、例えば金属に対する腐食や木材に対す
る変色を防止するための中和剤を必要としない
【0044】一方で、リン酸類はエポキシ樹脂のエポキ
シ基と急速に反応するために、後述するように両者は単
に混合されることにより反応して発泡体を形成すること
ができる。しかし、場合によってはエポキシ基との急速
な反応による発熱量が大きくなりすぎ、発泡剤の種類に
よっては発泡(気化)が一気に起こるため、緻密な発泡
体ができなくなるおそれがある。このようなおそれがあ
る場合には、反応を制御して発熱量を抑えるために、リ
ン酸類と共に、リン原子に結合した水酸基を有するリン
酸塩及びリン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の
リン酸化合物(以下、単にリン酸化合物という場合があ
る)を併用することが好ましい。
【0045】本発明では、上記リン酸化合物を併用する
ことにより、エポキシ基との反応を制御して発熱量を抑
え、良好な発泡体の製造を可能とするが、これらはリン
を有することにより樹脂発泡体に難燃性を与える成分で
もあるため、前記リン酸類に対して比較的多量に使用し
ても、得られる樹脂発泡体の難燃性を低下させるおそれ
は少ない。
【0046】尚、上記リン酸化合物において、リン酸原
子に結合した水酸基は、エポキシ樹脂のエポキシ基と反
応するために少なくとも1個必要であり、又、このリン
酸化合物としてリン酸塩又はリン酸エステルの少なくと
も1種を使用すればよいが、2種以上を使用することも
できる。
【0047】上記リン酸塩としては、例えば、リン酸二
水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸
二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二
水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カ
ルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素アル
ミニウム、リン酸水素二アルミニウム等を例示すること
ができる。又、上記リン酸エステルとしては、モノメチ
ルホスフェート、ジメチルホスフェート、モノエチルホ
スフェート、ジエチルホスフェート、プロピルホスフェ
ート、イソプロピルホスフェート、ブチルホスフェ−
ト、ラウリルホスフェート、ステアリルホスフェート、
2−エチルヘキシルホスフェート、イソデシルホスフェ
ート等を挙げることができる。
【0048】本発明において、上記リン酸類は、リン酸
類の水酸基の数の、エポキシ樹脂のエポキシ基の数に対
する比が、0.4〜1.0となる量を使用するものであ
り、リン酸類の使用量が上記の比で0.4未満となる場
合には、エポキシ樹脂との反応で発生する反応熱が少な
く、発泡剤の発泡(気化)が不十分となり、所望の発泡
倍率の発泡体を得ることが困難となる。又、リン酸類の
使用量が上記の比で1.0を超える場合には、リン酸類
が余剰となる場合が多くなり、発泡体中に遊離酸として
残存する割合が高くなり、この場合は、発泡体の発泡状
態が悪くなると共に、発泡体が金属や木材に接触すると
それらの腐食や変色のおそれが大きくなる。
【0049】又、リン酸類の使用量は、発泡体の用途、
製造法や製造条件等によって更に適切な量に調整するこ
とが好ましく、発泡時の作業性、発泡体の機械的強度や
断熱性の均一性からは、上記の比が0.4〜0.8とな
る量を使用ことがより好ましい。
【0050】又、上記リン酸化合物を併用する場合も、
リン酸類とリン酸化合物との合計量は、リン酸類並びに
リン酸化合物の水酸基の合計数の、エポキシ樹脂のエポ
キシ基の数に対する比が、0.4〜1.0となる量とす
る。
【0051】リン酸化合物のリン酸類に対する使用量
は、上記と同様に発泡体の用途、製造法、製造条件等に
よって選択することができ、例えば、適切な発熱量とな
るように或いは適切な発泡硬化時間となるように、適宜
に調整することができる。
【0052】特に限定されるものではないが、リン酸類
とリン酸化合物との合計に対するリン酸類の割合は40
重量%以上が好ましく、リン酸類の量が少な過ぎる場合
はエポキシ樹脂との反応性が不十分となるおそれが生じ
てしまう。又、固体のリン酸化合物を使用する場合に
は、発泡硬化時に流動しやすくするために、液体である
リン酸やポリリン酸等と組み合わせて使用することが好
ましい。
【0053】尚、本発明において、リン酸類の水酸基の
数の上記エポキシ樹脂のエポキシ基の数に対する比と
は、リン酸類の水酸基の数をエポキシ樹脂のエポキシ基
の数で除した値を意味し、又、エポキシ樹脂のエポキシ
基の数とは、エポキシ樹脂の使用量をエポキシ樹脂のエ
ポキシ当量で除した値であり、二種以上のエポキシ樹脂
を使用する場合には、それぞれのエポキシ樹脂の使用量
をそれぞれのエポキシ樹脂のエポキシ当量で除した値の
合計値を意味しており、更に、リン酸類の水酸基の数と
は、リン酸類の使用量をリン酸類の水酸基当量で除した
値であり、二種以上のリン酸類を使用する場合には、そ
れぞれのリン酸類の使用量をそれぞれのリン酸類の水酸
基当量で除した値の合計値であり、リン酸類並びにリン
酸化合物を併用する場合も同様である。
【0054】ここで、エポキシ当量とは、エポキシ樹脂
の平均分子量を一分子あたりのエポキシ基の数で除した
値であり、水酸基当量とはリン酸類並びにリン酸化合物
の式量をリン原子に結合した水酸基の数で除した値であ
る。
【0055】本発明のエポキシ樹脂発泡体の製造法にお
いては、上記の難燃剤以外に、発砲硬化時の流動性等の
調整や経済的効果のために、充填材や顔料等を使用して
もよく、これらは、定法に従ってエポキシ樹脂等に混合
して使用することができる。
【0056】エポキシ樹脂とリン酸類その他を含む混合
物は、通常常温下で反応するので、本発明のエポキシ樹
脂発泡体の製造法では、エポキシ樹脂と、リン酸類或い
はリン酸類とリン酸化合物との混合物(以下、単にリン
酸類等ということがある)とを常温下で混合して反応性
の混合物とすることが好ましいが、エポキシ樹脂が高粘
度の液体である場合等では、エポキシ樹脂とリン酸類等
との混合を加温下で行うこともできる。
【0057】上記難燃剤、発泡剤及び整泡剤は、これら
両者の混合の際、同時にこれらと混合することができる
が、上記両者の少なくとも一方に、難燃剤、発泡剤又は
整泡剤を前もって混合しておくこともでき、前もって混
合しておく場合は、混合の容易さからエポキシ樹脂を含
む成分に混合して予備混合物としておき、この予備混合
物とリン酸類等を含む成分とを混合して反応性の混合物
とすることが好ましい。
【0058】特に、前記難燃剤は粉体であるため、発泡
時の混合物の流動性及び発泡体中への分散を良好にする
ため、前もってエポキシ樹脂を含む成分に混合しておく
ことが好ましく、これらの混合は、ニーダ−、ミキシン
グロール、ヘンシェルミキサ−等を用いて行うことがで
きる。
【0059】エポキシ樹脂、難燃剤、発泡剤、整泡剤及
びリン酸類等を含む反応性の混合物は、常温下で反応を
開始することができ、発熱を伴いながら反応が進行する
と共に発泡剤の気化により発泡し、反応硬化してエポキ
シ樹脂発泡体となるのであり、このような成分を混合し
て混合物を吐出〜射出する装置としては、ポリウレタン
樹脂発泡体等の製造に通常用いられているような多成分
混合機と呼ばれている混合装置を使用するのが好適であ
る。
【0060】又、本発明によって得られるエポキシ樹脂
発泡体を所望の形状に成形する方法としては、所望の大
きさ及び形の型に前記原料成分を混合しつつ注入して発
泡硬化させる注入発泡法や、平面上に前記原料成分を混
合しつつ流し、その混合物が硬化する前にドクターブレ
ード等で発泡硬化途中の混合物表面を掻いて所定の厚さ
とし、硬化させるスラブ発泡法等を採用することができ
る。
【0061】尚、本発明によって得られたエポキシ樹脂
発泡体は、従来の樹脂発泡体と同様の用途に使用でき
る。例えば、スラブ発泡法で得られた発泡体を切り出し
て所望の形状にした型枠兼用断熱材、床下断熱材等の住
宅等の建築物に用いられる板状断熱材等の用途に用いる
ことができ、又、注入発泡法によって冷凍冷蔵倉庫等建
築物の内壁と外壁との間で発泡させて断熱材とする用途
に用いることができる。又、ドアやサンドイッチパネル
の芯材とすることもできる。更に、ガラス繊維等の強化
繊維に前記原料成分の混合物を含浸しつつ発泡硬化させ
て合成木材等の複合材とすることもできる。
【0062】
【発明の作用】エポキシ樹脂とリン酸類等との混合物
は、常温下において急速に反応して発熱するので、この
反応熱を発泡剤の気化に利用することにより、エポキシ
樹脂とリン酸類等との混合物を加熱することなしに常温
で容易に素早く硬化させて、エポキシ樹脂発泡体を得る
ことができる。
【0063】又、リン酸類等が反応してエポキシ樹脂発
泡体を構成する樹脂骨格の中に取り込まれるために、リ
ン酸類等が反応性難燃剤と同様に機能し、難燃性の高い
エポキシ樹脂発泡体を得ることができる。
【0064】更に、難燃剤の一部がリン酸類等と反応し
てエポキシ樹脂発泡体を構成する樹脂骨格の中に取り込
まれるために、難燃剤を取り込んだ樹脂と取り込まれず
に残った難燃剤との濡れ性が良好となり、従来の樹脂発
泡体と比較して多量の難燃剤を、セルを破壊することな
く発泡体中に均一に分散させることができ、一方でこの
難燃剤は、本発明によって得られたエポキシ樹脂発泡体
をサンドイッチパネル等の芯材に用いて、このサンドイ
ッチパネルが例えば火災にさらされた場合、発泡体の温
度が200〜500℃に達すると、脱水又は結晶水を放
出することで吸熱するので、パネルの温度上昇及び反対
面への伝熱を抑制することができる。
【0065】更に又、エポキシ樹脂発泡体を構成する樹
脂骨格の中に取り込まれたリン酸類等は、上記のような
高温にさらされた時には脱水炭化促進剤としても作用
し、樹脂骨格からの水の放出を促し、炭化したセルによ
る断熱層を形成するので、高温にさらされた後でも発泡
体の形状や断熱性が維持される。
【0066】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に詳細に説
明する。
【0067】実施例1 エポキシ当量180g/eqのビスフェノールAジグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂100重量部に対して、
整泡剤としてのジメチルポリシロキサンポリオキシアル
キレン共重合体1重量部、及び、難燃剤としての平均粒
子径30μmの水酸化アルミニウム100重量部を三本
ロール混練機を用いて混練し、更に発泡剤としての1,
1−ジクロロ−1−フルオロエタン10重量部を添加し
たものをX成分とし、多成分混合発泡機の原料タンクに
入れた。次に、工業用85%リン酸をY成分とし、別の
原料タンクにいれた。X,Yの各成分をX:Y=10
0:8.1の吐出重量比で、ミキシングヘッドに合計3
Kg/minの流量で送入し混合物を吐出させた。尚、
これは、リン酸の水酸基の数の上記エポキシ樹脂のエポ
キシ基の数に対する比で0.8に相当する。この混合物
3750gを直ちに500×500×100mmの常温
の金属枠内に入れたところ、発泡は注入後20秒で開始
し、2分後に発泡硬化が完了した。
【0068】実施例2 エポキシ当量180g/eqのビスフェノールAジグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂100重量部に対して、
整泡剤としてのジメチルポリシロキサンポリオキシアル
キレン共重合体1重量部、及び、難燃剤としての平均粒
子径150μmのベントナイト100重量部を三本ロー
ル混練機を用いて混練し、更に発泡剤としての1,1−
ジクロロ−1−フルオロエタン10重量部を添加したも
のをX成分とし、多成分混合発泡機の原料タンクに入れ
た。次に、工業用85%リン酸をY成分とし、別の原料
タンクにいれた。X,Yの各成分をX:Y=100:
8.1の吐出重量比で、ミキシングヘッドに合計3Kg
/minの流量で送入し混合物を吐出させた。尚、これ
は、リン酸の水酸基の数の上記エポキシ樹脂のエポキシ
基の数に対する比で0.8に相当する。この混合物37
50gを直ちに500×500×100mmの常温の金
属枠内に入れたところ、発泡は注入後40秒で開始し、
3分後に発泡硬化が完了した。
【0069】実施例3 エポキシ当量175g/eq、分子量約600のフェノ
ールノボラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂
100重量部に、整泡剤としてのポリオキシエチレンソ
ルビタンモノステアレート2重量部、及び、難燃剤とし
ての平均粒子径30μmの水酸化マグネシウム250重
量部を三本ロール混練機を用いて混練し、更に発泡剤と
しての1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタ
フルオロプロパン15重量部を添加したものをX成分と
し、多成分混合発泡機の原料タンクに入れた。次に、工
業用85%リン酸をY成分として別の原料タンクに入れ
た。X,Yの各成分をX:Y=100:6.0の吐出重
量比で、ミキシングヘッドに合計3Kg/minの流量
で送入し混合物を吐出させた。尚、これは、リン酸の水
酸基の数の上記エポキシ樹脂のエポキシ基の数に対する
比で1.0に相当する。この混合物3750gを直ちに
500×500×100mmの常温の金属枠内に入れた
ところ、発泡は注入後1分で開始し、5分後に発泡硬化
が完了した。
【0070】実施例4 エポキシ当量175g/eq、分子量約600のフェノ
ールノボラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂
100重量部に、整泡剤としてのポリオキシエチレンソ
ルビタンモノステアレート2重量部、及び、難燃剤とし
ての平均粒子径30μmの水酸化マグネシウム250重
量部を三本ロール混練機を用いて混練し、更に発泡剤と
しての1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタ
フルオロプロパン15重量部を添加したものをX成分と
し、多成分混合発泡機の原料タンクに入れた。次に、工
業用89%リン酸とモノエチルホスフェートとをモル比
で1:1、重量比で0.7:1で混合したものをY成分
として別の原料タンクに入れた。X,Yの各成分をX:
Y=100:7.4の吐出重量比で、ミキシングヘッド
に合計3Kg/minの流量で送入し混合物を吐出させ
た。尚、これは、リン酸並びにモノエチルホスフェート
の水酸基の数の上記エポキシ樹脂のエポキシ基の数に対
する比で1.0に相当する。この混合物3750gを直
ちに500×500×100mmの常温の金属枠内に入
れたところ、発泡は注入後1分で開始し、5分30秒後
に発泡硬化が完了した。
【0071】比較例1 エポキシ当量180g/eqのビスフェノールAジグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂100重量部に対して、
整泡剤としてのジメチルポリシロキサンポリオキシアル
キレン共重合体1重量部、及び、難燃剤としての平均粒
子径30μmの水酸化アルミニウム100重量部を三本
ロール混練機を用いて混練し、更に発泡剤としての1,
1−ジクロロ−1−フルオロエタン10重量部を添加し
たものをX成分とし、多成分混合発泡機の原料タンクに
入れた。次に、工業用85%リン酸をY成分とし、別の
原料タンクにいれた。X,Yの各成分をX:Y=10
0:3.5の吐出重量比で、ミキシングヘッドに合計3
Kg/minの流量で送入し混合物を吐出させた。尚、
これは、リン酸の水酸基の数の上記エポキシ樹脂のエポ
キシ基の数に対する比で0.3に相当する。この混合物
3750gを直ちに500×500×100mmの常温
の金属枠内に入れたところ、発泡は注入後3分で開始
し、7分後に発泡は完了したが、硬化が不十分であり、
所定の寸法の発泡体は得られなかった。
【0072】比較例2 エポキシ当量180g/eqのビスフェノールAジグリ
シジルエーテル系エポキシ樹脂100重量部に対して、
整泡剤としてのジメチルポリシロキサンポリオキシアル
キレン共重合体1重量部、及び、難燃剤としての平均粒
子径150μmのベントナイト350重量部を三本ロー
ル混練機を用いて混練し、更に発泡剤としての1,1−
ジクロロ−1−フルオロエタン10重量部を添加したも
のをX成分とし、多成分混合発泡機の原料タンクに入れ
た。次に、工業用85%リン酸をY成分とし、別の原料
タンクにいれた。X,Yの各成分をX:Y=100:
3.7の吐出重量比で、ミキシングヘッドに合計3Kg
/minの流量で送入し混合物を吐出させた。尚、これ
は、リン酸の水酸基の数の上記エポキシ樹脂のエポキシ
基の数に対する比で0.8に相当する。この混合物37
50gを直ちに500×500×100mmの常温の金
属枠内に入れたところ、発泡は注入後40秒で開始し、
3分後に発泡は完了したが、その直後に収縮が始まり、
最終的には、部分的に発泡した塊状物が得られた。
【0073】比較例3 エポキシ当量175g/eq、分子量約600のフェノ
ールノボラックポリグリシジルエーテル系エポキシ樹脂
100重量部に、整泡剤としてのポリオキシエチレンソ
ルビタンモノステアレート2重量部、及び、難燃剤とし
ての平均粒子径30μmの水酸化マグネシウム250重
量部を三本ロール混練機を用いて混練し、更に発泡剤と
しての1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタ
フルオロプロパン15重量部を添加したものをX成分と
し、多成分混合発泡機の原料タンクに入れた。次に、工
業用85%リン酸をY成分として別の原料タンクにいれ
た。X,Yの各成分をX:Y=100:9.0の吐出重
量比で、ミキシングヘッドに合計3Kg/minの流量
で送入し混合物を吐出させた。尚、これは、リン酸の水
酸基の数の上記エポキシ樹脂のエポキシ基の数に対する
比で1.5に相当する。この混合物3750gを直ちに
500×500×100mmの常温の金属枠内に入れた
ところ、発泡は注入後1分で開始し、5分後に発泡硬化
が完了した。しかし、得られた発泡体は、中に大きな空
洞が存在し、座屈しやすいものであった。
【0074】比較例4 レゾール型フェノール樹脂100重量部に、整泡剤とし
てのジメチルポリシロキサンポリオキシアルキレン共重
合体2重量部、及び、難燃剤としての平均粒子径30μ
mの水酸化アルミニウム100重量部を三本ロール混練
機を用いて混練し、更に発泡剤としての1,1−ジクロ
ロ−1−フルオロエタン20重量部を添加したものをX
成分とし、多成分混合発泡機の原料タンクに入れた。次
に、フェニルホスホン酸60%水溶液をY成分とし、別
の原料タンクにいれた。X,Yの各成分をX:Y=10
0:15の吐出重量比で、ミキシングヘッドに合計3K
g/minの流量で送入し混合物を吐出させた。この混
合物3750gを直ちに500×500×100mmの
常温の金属枠内に注入し、60℃に加温したところ、発
泡は加温後3分30秒で開始し、10分後に発泡硬化が
完了した。
【0075】以上の実施例および比較例によって得られ
た発泡体の物性を以下の表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂発泡体の製造法に
よれば、以上の実施例に示すとおり、常温下で容易に素
早く発泡硬化し、断熱性が高く高剛性で緻密な難燃性の
エポキシ樹脂発泡体を得ることができる。
【0078】又、本発明のエポキシ樹脂発泡体は、発泡
体を構成する樹脂骨格中にリン酸類等が取り込まれてお
り、且つ、リン酸類等を使用することで従来技術と比較
してより多量の難燃剤を発泡体中に均一に分散させるこ
とができるので、難燃性と耐火性に優れている。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のA〜Eの各成分を以下の量比で含
    む混合物を発泡硬化させることを特徴とするエポキシ樹
    脂発泡体の製造法。 A:分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
    脂・・・100重量部 B:金属水酸化物及び酸化金属水和物から選ばれる少な
    くとも一種の難燃剤・・・10〜300重量部 C:発泡剤・・・1〜50重量部 D:整泡剤・・・0.01〜10重量部 E:リン酸、ポリリン酸及びフェニルホスホン酸から選
    ばれる少なくとも一種のリン酸類・・・該リン酸類の水
    酸基の数の前記エポキシ樹脂のエポキシ基の数に対する
    比が0.4〜1.0となる量
  2. 【請求項2】 以下のA〜E’の各成分を以下の量比で
    含む混合物を発泡硬化させることを特徴とするエポキシ
    樹脂発泡体の製造法。 A:分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
    脂・・・100重量部 B:金属水酸化物及び酸化金属水和物から選ばれる少な
    くとも一種の難燃剤・・・10〜300重量部 C:発泡剤・・・1〜50重量部 D:整泡剤・・・0.01〜10重量部 E’:リン酸、ポリリン酸及びフェニルホスホン酸から
    選ばれる少なくとも一種のリン酸類、並びに、リン原子
    に結合した水酸基を有するリン酸塩及びリン酸エステル
    から選ばれる少なくとも一種のリン酸化合物からなる混
    合物・・・該混合物におけるリン酸類並びにリン酸化合
    物の水酸基の合計数の前記エポキシ樹脂のエポキシ基の
    数に対する比が0.4〜1.0となる量
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂が、グリシジルエーテル系
    エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、線
    状脂肪族系エポキシ樹脂及び環式脂肪族系エポキシ樹脂
    の中から選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2
    に記載のエポキシ樹脂発泡体の製造法。
  4. 【請求項4】 難燃剤の平均粒子径が1〜300μmで
    ある請求項1乃至3のいずれかに記載のエポキシ樹脂発
    泡体の製造法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005070990A1 (fr) * 2004-01-12 2005-08-04 Taizhou Repow Chemical And Material Institute Co., Ltd Agent de durcissement de resine epoxy contenant du phosphore elementaire et sa methode de preparation
JPWO2003104311A1 (ja) * 2002-06-06 2005-10-06 丸尾カルシウム株式会社 発泡安定剤、及びそれを配合してなる発泡成形体
JP2022506254A (ja) * 2018-11-15 2022-01-17 ゼフィロス インコーポレイテッド 二成分リン酸エステル空洞充填半硬質発泡体
JP2022525386A (ja) * 2019-04-03 2022-05-13 ゼフィロス インコーポレイテッド 二部リン酸エステルエポキシ組成物
US11976160B2 (en) 2015-03-19 2024-05-07 Zephyros, Inc. Esterified acids for use in polymeric materials

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