JPH10101576A - 消化器疾患治療剤 - Google Patents
消化器疾患治療剤Info
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- JPH10101576A JPH10101576A JP8260683A JP26068396A JPH10101576A JP H10101576 A JPH10101576 A JP H10101576A JP 8260683 A JP8260683 A JP 8260683A JP 26068396 A JP26068396 A JP 26068396A JP H10101576 A JPH10101576 A JP H10101576A
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- gastrointestinal
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 消化器疾患治療剤及び消化器粘膜の増殖を促
進させる薬剤の提供。 【解決手段】 本発明の消化器疾患治療剤および消化器
粘膜の増殖を促進させる薬剤は(a)グリセンチンおよ
び(b)グルタミンまたはグルタミン誘導体を有効成分
として含有するものである。
進させる薬剤の提供。 【解決手段】 本発明の消化器疾患治療剤および消化器
粘膜の増殖を促進させる薬剤は(a)グリセンチンおよ
び(b)グルタミンまたはグルタミン誘導体を有効成分
として含有するものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(a)グリセンチ
ンおよび(b)グルタミンまたはグルタミン誘導体を有
効成分として含有する消化器疾患治療剤、並びに(a)
グリセンチンおよび(b)グルタミンまたはグルタミン
誘導体を投与することによって消化器粘膜の増殖を促進
させることによる消化器疾患治療剤としてのグリセンチ
ンおよびグルタミンまたはグルタミン誘導体の利用に関
する。また消化管内容物の移動を遅延させることにより
胃腸運動の症状を改善または治癒を促進するための消化
管疾患治療剤としての(a)グリセンチンおよび(b)
グルタミンまたはグルタミン誘導体の利用に関する。
ンおよび(b)グルタミンまたはグルタミン誘導体を有
効成分として含有する消化器疾患治療剤、並びに(a)
グリセンチンおよび(b)グルタミンまたはグルタミン
誘導体を投与することによって消化器粘膜の増殖を促進
させることによる消化器疾患治療剤としてのグリセンチ
ンおよびグルタミンまたはグルタミン誘導体の利用に関
する。また消化管内容物の移動を遅延させることにより
胃腸運動の症状を改善または治癒を促進するための消化
管疾患治療剤としての(a)グリセンチンおよび(b)
グルタミンまたはグルタミン誘導体の利用に関する。
【0002】
【従来の技術】エンテログルカゴンの一つであって69
個のアミノ酸残基を有するペプチドであるグリセンチン
は、本発明者らによって、消化器疾患治療剤および消化
器粘膜の増殖を促進させる薬剤として有用であることが
見いだされており、特開平7−223967号公報に開
示されている。
個のアミノ酸残基を有するペプチドであるグリセンチン
は、本発明者らによって、消化器疾患治療剤および消化
器粘膜の増殖を促進させる薬剤として有用であることが
見いだされており、特開平7−223967号公報に開
示されている。
【0003】また、飢餓、外科的侵襲時などのストレス
下では腸管におけるグルタミンの需要が増大し、外部か
らグルタミンを与えないと、筋肉組織の分解によりグル
タミンが供給されて全身的グルタミン不足を生じ、つい
には腸内絨毛萎縮を招来し、腸管の機能が低下すること
が知られている。そして消化管の創傷、消化管粘膜の萎
縮、消化管機能障害などの治癒及び予防のためにグルタ
ミンの重要性が明らかにされており、グルタミンおよび
グルタミンのジペプチドを含有するアミノ酸輸液が特開
平3−264525号公報に、経口栄養剤としてのグル
タミン含量の高いペプチド組成物が特開平5−2369
09号公報に、グルタミンまたはグルタミン同等物と成
長ホルモン、インシュリン様成長因子などを組み合わせ
たものを投与することからなる消化管吸収を増大させる
方法が特表平7−501796号公報に、グルタミン、
短または中鎖脂肪酸および成長ホルモンなどからなる組
成物を投与する腸粘膜の機能不全または疾患の治療方法
が特表平6−500109号公報に記載されている。
下では腸管におけるグルタミンの需要が増大し、外部か
らグルタミンを与えないと、筋肉組織の分解によりグル
タミンが供給されて全身的グルタミン不足を生じ、つい
には腸内絨毛萎縮を招来し、腸管の機能が低下すること
が知られている。そして消化管の創傷、消化管粘膜の萎
縮、消化管機能障害などの治癒及び予防のためにグルタ
ミンの重要性が明らかにされており、グルタミンおよび
グルタミンのジペプチドを含有するアミノ酸輸液が特開
平3−264525号公報に、経口栄養剤としてのグル
タミン含量の高いペプチド組成物が特開平5−2369
09号公報に、グルタミンまたはグルタミン同等物と成
長ホルモン、インシュリン様成長因子などを組み合わせ
たものを投与することからなる消化管吸収を増大させる
方法が特表平7−501796号公報に、グルタミン、
短または中鎖脂肪酸および成長ホルモンなどからなる組
成物を投与する腸粘膜の機能不全または疾患の治療方法
が特表平6−500109号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したようにグリセ
ンチンが消化器疾患治療剤および消化器粘膜の増殖を促
進させる薬剤として有用であることおよび消化管の創
傷、消化管粘膜の萎縮、消化管機能障害などの治癒及び
予防のためにグルタミンまたはグルタミン誘導体が有用
であることは知られているが、それぞれグリセンチン製
剤、またはグルタミン製剤として個別的に使用するため
に研究、開発されたものであって、それぞれの製剤は単
独使用され、そしてそれによってそれぞれの製剤から期
待される薬効を達成するに止まるものであった。 しか
しながら、現代社会の複雑化、緊張の増大、医療の高度
化などの種々の要因から消化器疾患の原因はより多岐化
し、また治療法の複雑化によって消化器疾患の治療に用
いられる治療剤について、より高度の治療効果の期待で
きるものが求められ、しかも安全性が一段と重視される
ようになって、既存の安全性については確認済みである
製剤であって、しかもこれらの製剤の単独使用によって
は達成することができなかった顕著な効果が達成しうる
薬剤の開発が求められるところである。
ンチンが消化器疾患治療剤および消化器粘膜の増殖を促
進させる薬剤として有用であることおよび消化管の創
傷、消化管粘膜の萎縮、消化管機能障害などの治癒及び
予防のためにグルタミンまたはグルタミン誘導体が有用
であることは知られているが、それぞれグリセンチン製
剤、またはグルタミン製剤として個別的に使用するため
に研究、開発されたものであって、それぞれの製剤は単
独使用され、そしてそれによってそれぞれの製剤から期
待される薬効を達成するに止まるものであった。 しか
しながら、現代社会の複雑化、緊張の増大、医療の高度
化などの種々の要因から消化器疾患の原因はより多岐化
し、また治療法の複雑化によって消化器疾患の治療に用
いられる治療剤について、より高度の治療効果の期待で
きるものが求められ、しかも安全性が一段と重視される
ようになって、既存の安全性については確認済みである
製剤であって、しかもこれらの製剤の単独使用によって
は達成することができなかった顕著な効果が達成しうる
薬剤の開発が求められるところである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した課
題を解決すべく鋭意研究の結果、予想外にも(a)グリ
センチンと(b)グルタミンまたはグルタミン誘導体の
両者を組み合わせて用いると、グリセンチンまたはグル
タミンもしくはグルタミン誘導体を単独で用いた場合に
比較して消化管粘膜の増殖を促進、消化管の損傷の回復
などの消化器疾患の治療に顕著な効果が得られることを
見いだして本発明を完成させたのである。
題を解決すべく鋭意研究の結果、予想外にも(a)グリ
センチンと(b)グルタミンまたはグルタミン誘導体の
両者を組み合わせて用いると、グリセンチンまたはグル
タミンもしくはグルタミン誘導体を単独で用いた場合に
比較して消化管粘膜の増殖を促進、消化管の損傷の回復
などの消化器疾患の治療に顕著な効果が得られることを
見いだして本発明を完成させたのである。
【0006】すなわち本発明は、(a)グリセンチンお
よび(b)グルタミンまたはグルタミン誘導体を有効成
分として含有する消化器疾患治療剤に関するものであ
る。本発明において、グルタミン誘導体には、アシルグ
ルタミン、グルタミン含有ジ−もしくはトリ−ペプチ
ド、またはグルタミン含有オリゴペプチド等が含まれ、
そしてこのアシルグルタミンとしては具体的に、アセチ
ルグルタミン、プロパノイルグルタミン、ブタノイルグ
ルタミンなどが挙げられ、グルタミン含有ジ−ペプチド
としては、L−アラニル−L−グルタミン、L−グルタ
ミル−L−アラニン、L−グリシル−L−グルタミン、
L−グルタミル−L−グリシン、L−グルタミル−L−
グルタミンなどが挙げられ、また、グルタミン含有トリ
−ペプチドとしては、L−グルタミル−L−グルタミル
−L−アラニン、L−グルタミル−L−グリシル−L−
グルタミン、 L−アラニル−L−グルタミル−L−グ
ルタミン、L−グリシル−L−グルタミル−L−アラニ
ンなどが挙げられる。さらに、グルタミン含有オリゴぺ
プチドの具体例としては、小麦蛋白質を酵素的に加水分
解して得られたもの、たとえば本出願人の出願に係る特
願平5−61298号(特開平6−245790号公
報)に記載された方法によって製造されたもの、すなわ
ち小麦蛋白質をバチルス属細菌の生産するアルカリプロ
テアーゼを用いてpH8.0〜11.0、温度40〜70
℃で5〜30時間加水分解して得られるオリゴペプチド
混合物を挙げることができる。そしてこのオリゴペプチ
ドにはグルタミンが30重量%以上の量で含まれるもの
である。
よび(b)グルタミンまたはグルタミン誘導体を有効成
分として含有する消化器疾患治療剤に関するものであ
る。本発明において、グルタミン誘導体には、アシルグ
ルタミン、グルタミン含有ジ−もしくはトリ−ペプチ
ド、またはグルタミン含有オリゴペプチド等が含まれ、
そしてこのアシルグルタミンとしては具体的に、アセチ
ルグルタミン、プロパノイルグルタミン、ブタノイルグ
ルタミンなどが挙げられ、グルタミン含有ジ−ペプチド
としては、L−アラニル−L−グルタミン、L−グルタ
ミル−L−アラニン、L−グリシル−L−グルタミン、
L−グルタミル−L−グリシン、L−グルタミル−L−
グルタミンなどが挙げられ、また、グルタミン含有トリ
−ペプチドとしては、L−グルタミル−L−グルタミル
−L−アラニン、L−グルタミル−L−グリシル−L−
グルタミン、 L−アラニル−L−グルタミル−L−グ
ルタミン、L−グリシル−L−グルタミル−L−アラニ
ンなどが挙げられる。さらに、グルタミン含有オリゴぺ
プチドの具体例としては、小麦蛋白質を酵素的に加水分
解して得られたもの、たとえば本出願人の出願に係る特
願平5−61298号(特開平6−245790号公
報)に記載された方法によって製造されたもの、すなわ
ち小麦蛋白質をバチルス属細菌の生産するアルカリプロ
テアーゼを用いてpH8.0〜11.0、温度40〜70
℃で5〜30時間加水分解して得られるオリゴペプチド
混合物を挙げることができる。そしてこのオリゴペプチ
ドにはグルタミンが30重量%以上の量で含まれるもの
である。
【0007】本発明の消化器疾患治療剤は、種々の消化
器疾患、例えば、潰瘍性もしくは炎症性消化器疾患、先
天的もしくは後天的消化吸収障害、または粘膜透過性の
異常による消化器疾患の治療に用いられるものである。
器疾患、例えば、潰瘍性もしくは炎症性消化器疾患、先
天的もしくは後天的消化吸収障害、または粘膜透過性の
異常による消化器疾患の治療に用いられるものである。
【0008】ここで述べた消化器の潰瘍性疾患には、消
化性潰瘍とびらんや急性潰瘍すなわち急性的な粘膜病変
が含まれる。またグリセンチンは腸粘膜の増殖を促進す
る作用を有し、グルタミンは腸粘膜退化抑制機能を有す
ることから、本発明の消化器疾患治療剤は消化および吸
収不全の病態に対する治療および予防、すなわち粘膜萎
縮の治療および予防、または消化管組織の発育不全の改
善および消化吸収機能の改善に用いることが可能とな
る。さらには、腸炎、クローン病、潰瘍性大腸炎などの
炎症性疾患による粘膜病態の治療や、ダンピング症候群
などの治療にも有用である。
化性潰瘍とびらんや急性潰瘍すなわち急性的な粘膜病変
が含まれる。またグリセンチンは腸粘膜の増殖を促進す
る作用を有し、グルタミンは腸粘膜退化抑制機能を有す
ることから、本発明の消化器疾患治療剤は消化および吸
収不全の病態に対する治療および予防、すなわち粘膜萎
縮の治療および予防、または消化管組織の発育不全の改
善および消化吸収機能の改善に用いることが可能とな
る。さらには、腸炎、クローン病、潰瘍性大腸炎などの
炎症性疾患による粘膜病態の治療や、ダンピング症候群
などの治療にも有用である。
【0009】また本発明の消化器疾患治療剤は、消化管
切除のような外科的侵襲があった消化管の治癒の促進、
例えば外科切除により胃、十二指腸、小腸、または大腸
などの消化器組織が減少した場合の治療、放射線による
か薬剤による傷を受けた消化管の損傷の治療、経静脈栄
養法もしくは経管栄養法に伴うものである消化管粘膜萎
縮、または後天的消化吸収障害による消化器疾患の治療
にも用いられるものである。
切除のような外科的侵襲があった消化管の治癒の促進、
例えば外科切除により胃、十二指腸、小腸、または大腸
などの消化器組織が減少した場合の治療、放射線による
か薬剤による傷を受けた消化管の損傷の治療、経静脈栄
養法もしくは経管栄養法に伴うものである消化管粘膜萎
縮、または後天的消化吸収障害による消化器疾患の治療
にも用いられるものである。
【0010】本発明の消化器疾患治療剤の一方の成分の
グリセンチンは、投与するべき患者の症状、年齢、性
別、体重などによってその投与量を適宜に増減でき、ま
たこの消化器疾患治療剤の投与形態、すなわち、経口投
与であるのかまたは非経口投与であるかによっても異な
る。通常は成人に対して1日0.05mgないし100m
g、好ましくは1日0.1mgないし20mgのグリセンチン
を投与することができる。
グリセンチンは、投与するべき患者の症状、年齢、性
別、体重などによってその投与量を適宜に増減でき、ま
たこの消化器疾患治療剤の投与形態、すなわち、経口投
与であるのかまたは非経口投与であるかによっても異な
る。通常は成人に対して1日0.05mgないし100m
g、好ましくは1日0.1mgないし20mgのグリセンチン
を投与することができる。
【0011】また本発明の消化器疾患治療剤の他の一方
の成分である、グルタミンまたはグルタミン誘導体も、
投与するべき患者の症状、年齢、性別、体重などによっ
てその投与量を適宜に増減でき、またこの消化器疾患治
療剤の投与形態、すなわち、経口投与であるのかまたは
非経口投与であるかによっても異なる。通常は成人に対
してグルタミンとして1日0.5gないし90g、好ま
しくは1日3gないし70gの量で投与される。経口投
与製剤としては、水性もしくは油性溶液、または懸濁
液、エマルジョン、顆粒剤、錠剤または凍結粉末などの
形態で投与することができる。
の成分である、グルタミンまたはグルタミン誘導体も、
投与するべき患者の症状、年齢、性別、体重などによっ
てその投与量を適宜に増減でき、またこの消化器疾患治
療剤の投与形態、すなわち、経口投与であるのかまたは
非経口投与であるかによっても異なる。通常は成人に対
してグルタミンとして1日0.5gないし90g、好ま
しくは1日3gないし70gの量で投与される。経口投
与製剤としては、水性もしくは油性溶液、または懸濁
液、エマルジョン、顆粒剤、錠剤または凍結粉末などの
形態で投与することができる。
【0012】本発明の消化器疾患治療剤は上記したよう
に二つの有効成分からなるもので、これらの成分は一つ
の製剤中に混合された形で通常存在させるものである
が、必ずしも一剤中に混合された形で存在することは必
要なく、両者を同時に投与することによっても同様の薬
効が奏されるので本発明の消化器疾患治療剤はグリセン
チンおよびグルタミンまたはグルタミン誘導体を製剤キ
ットの形で組み合わせた剤形のものであってもよい。す
なわちこの場合グリセンチンはグリセンチン製剤とし
て、グルタミンまたはグルタミン誘導体はグルタミン製
剤として別々に製剤化されたものであることができ、そ
して両者は投与形態が同じであるかまたは異なっても良
く、両者を経口的に投与するか、非経口的に投与する
か、または片方を経口的にそして他の片方を非経口的に
投与することもできる。
に二つの有効成分からなるもので、これらの成分は一つ
の製剤中に混合された形で通常存在させるものである
が、必ずしも一剤中に混合された形で存在することは必
要なく、両者を同時に投与することによっても同様の薬
効が奏されるので本発明の消化器疾患治療剤はグリセン
チンおよびグルタミンまたはグルタミン誘導体を製剤キ
ットの形で組み合わせた剤形のものであってもよい。す
なわちこの場合グリセンチンはグリセンチン製剤とし
て、グルタミンまたはグルタミン誘導体はグルタミン製
剤として別々に製剤化されたものであることができ、そ
して両者は投与形態が同じであるかまたは異なっても良
く、両者を経口的に投与するか、非経口的に投与する
か、または片方を経口的にそして他の片方を非経口的に
投与することもできる。
【0013】本発明のグリセンチンを含有する消化管疾
患治療剤は、上記したようにグリセンチンがポリペプチ
ドであることから、これを経口的に投与する場合には、
胃内で直接作用させる場合を除き、胃内における酸によ
る変性、および消化による分解、変性によってその活性
の低下が考えられるので、腸溶性コーティングによる腸
管内における有効成分の放出を考慮することが好まし
い。従って本発明の消化管疾患治療剤を経口投与する場
合については公知の腸溶性コーティング剤によってコー
ティングすることが好ましい。 このように胃において
直接的に胃粘膜に作用させる場合を除き、腸溶性のコー
ティングが施された本発明の消化管疾患治療剤は、腸管
内において初めて有効成分が放出され、腸粘膜に作用す
ることになる。
患治療剤は、上記したようにグリセンチンがポリペプチ
ドであることから、これを経口的に投与する場合には、
胃内で直接作用させる場合を除き、胃内における酸によ
る変性、および消化による分解、変性によってその活性
の低下が考えられるので、腸溶性コーティングによる腸
管内における有効成分の放出を考慮することが好まし
い。従って本発明の消化管疾患治療剤を経口投与する場
合については公知の腸溶性コーティング剤によってコー
ティングすることが好ましい。 このように胃において
直接的に胃粘膜に作用させる場合を除き、腸溶性のコー
ティングが施された本発明の消化管疾患治療剤は、腸管
内において初めて有効成分が放出され、腸粘膜に作用す
ることになる。
【0014】この腸溶性剤を製造するためのコーティン
グ剤としては、この技術分野で普通に知られたものが利
用可能であって、合成高分子化合物、例えばポリアクリ
レートを主成分とするオイドラギット、半合成高分子化
合物例えばセルロースアセテートフタレート、天然物例
えはシェラックなどを用いることができる。しかしなが
ら、非経口投与による投与手段が、変性または分解をう
けることなくグリセンチンを人体に投与する手段として
好ましい。この非経口投与には、皮下注射、静脈注射、
筋肉注射、腹腔内注射または輸液と共に投与する方法、
および経管、経腸投与による方法がある。
グ剤としては、この技術分野で普通に知られたものが利
用可能であって、合成高分子化合物、例えばポリアクリ
レートを主成分とするオイドラギット、半合成高分子化
合物例えばセルロースアセテートフタレート、天然物例
えはシェラックなどを用いることができる。しかしなが
ら、非経口投与による投与手段が、変性または分解をう
けることなくグリセンチンを人体に投与する手段として
好ましい。この非経口投与には、皮下注射、静脈注射、
筋肉注射、腹腔内注射または輸液と共に投与する方法、
および経管、経腸投与による方法がある。
【0015】本発明において用いるグリセンチンは次の
アミノ酸配列で示される。 Arg-Ser-Leu-Gln-Asp-Thr-Glu-Glu-Lys-Ser-Arg-Ser-Ph
e-Ser-Ala-Ser-Gln-Ala-Asp-Pro-Leu-Ser-Asp-Pro-Asp-
Gln-Met-Asn-Glu-Asp-Lys-Arg-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Ph
e-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-
Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Asn-Thr-Lys-Ar
g-Asn-Arg-Asn-Asn-Ile-Ala
アミノ酸配列で示される。 Arg-Ser-Leu-Gln-Asp-Thr-Glu-Glu-Lys-Ser-Arg-Ser-Ph
e-Ser-Ala-Ser-Gln-Ala-Asp-Pro-Leu-Ser-Asp-Pro-Asp-
Gln-Met-Asn-Glu-Asp-Lys-Arg-His-Ser-Gln-Gly-Thr-Ph
e-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-
Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Asn-Thr-Lys-Ar
g-Asn-Arg-Asn-Asn-Ile-Ala
【0016】またN−末端にメチオニンの付加したグリ
センチンも同様に本発明において用いることができる。
このN−末端メチオニン付加グリセンチンはつぎのアミ
ノ酸配列で示される。 Met-Arg-Ser-Leu-Gln-Asp-Thr-Glu-Glu-Lys-Ser-Arg-Se
r-Phe-Ser-Ala-Ser-Gln-Ala-Asp-Pro-Leu-Ser-Asp-Pro-
Asp-Gln-Met-Asn-Glu-Asp-Lys-Arg-His-Ser-Gln-Gly-Th
r-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-
Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Asn-Thr-Ly
s-Arg-Asn-Arg-Asn-Asn-Ile-Ala
センチンも同様に本発明において用いることができる。
このN−末端メチオニン付加グリセンチンはつぎのアミ
ノ酸配列で示される。 Met-Arg-Ser-Leu-Gln-Asp-Thr-Glu-Glu-Lys-Ser-Arg-Se
r-Phe-Ser-Ala-Ser-Gln-Ala-Asp-Pro-Leu-Ser-Asp-Pro-
Asp-Gln-Met-Asn-Glu-Asp-Lys-Arg-His-Ser-Gln-Gly-Th
r-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-
Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-Leu-Met-Asn-Thr-Ly
s-Arg-Asn-Arg-Asn-Asn-Ile-Ala
【0017】これらのグリセンチンまたはN−末端メチ
オニン付加グリセンチンはその対応するDNA配列の遺
伝子を用いて遺伝子工学的手法によって、または合成法
によって製造することができる。この遺伝子工学的手法
の一例としては、本発明者らの発明に係る特開平4−3
64199号公報において開示され方法が挙げられる。
オニン付加グリセンチンはその対応するDNA配列の遺
伝子を用いて遺伝子工学的手法によって、または合成法
によって製造することができる。この遺伝子工学的手法
の一例としては、本発明者らの発明に係る特開平4−3
64199号公報において開示され方法が挙げられる。
【0018】以下に実施例および製剤例によって本発明
をさらに詳細に説明するが、これらはすべて本発明を説
明するためのものであって、本発明を限定するものでは
ない。
をさらに詳細に説明するが、これらはすべて本発明を説
明するためのものであって、本発明を限定するものでは
ない。
【0019】
実施例1 この実施例は、グリセンチン、グルタミンをそれぞれ単
独投与した場合、およびグリセンチンとグルタミンの両
者を投与した場合に、非投与の場合と比較して、損傷を
うけた実験動物の腸管が如何なる回復を示すかを明らか
にするためのものである。この実施例では、SD系雄性
ラット(体重200g)41頭を5群に分け、第一群
(8頭)はMTX非投与対照群、第二群(9頭)はMT
X投与対照群、第三群はグリセンチン単独投与群、第四
群(8頭)はグリセンチンおよびグルタミン投与群、第
五群(8頭)はグルタミン単独投与群とした。これらの
ラットを個別ケージで飼育し、水に溶解したエレンター
ル(R)(森下ルセル(株)の成分栄養剤)を一日あたり一
頭につき15g給餌した。なお、MTXはメソトレキセ
ート(N−〔4−〔〔(2,4−ジアミノ−6−プテリ
ジニル)メチル〕メチルアミノ〕ベンゾイル〕−L−グ
ルタミン酸)の略号である。第二群については給餌開始
の8日後から一日当たり10mg/kgのMTXを一日1回
3日間腹腔内に投与した。第三群については給餌開始と
同時に1頭につき一日当たり200μgのグリセンチン
を2回に分けて毎日皮下に投与し、さらに給餌開始の8
日後からはグリセンチンとともに10mg/kgのMTXを
一日1回3日間腹腔内に投与した。第四群については給
餌開始と同時に1頭につき一日当たり200μgのグリ
センチンを2回に分けて毎日皮下に投与し、また一日当
たり1.2gのグルタミンを2回に分けて毎日経口投与
し、さらに給餌開始の8日後からはグリセンチンおよび
グルタミンとともに10mg/kgのMTXを一日1回3日
間腹腔内に投与した。第五群については給餌開始と同時
に1頭につき一日当たり1.2gのグルタミンを2回に
分けて毎日経口投与し、さらに給餌開始の8日後からは
グルタミンとともに10mg/kgのMTXを一日1回3日
間腹腔内に投与した。上記第一〜第五群の試験動物につ
いてMTX投与終了の翌日、放血死させ、トライツ靭帯
から回盲部までを摘出し、管腔内を生理食塩水で洗浄し
た。腸管に10gの錘を負荷した状態で全長を2等分し
て上部を空腸、下部を回腸とし、粘膜をスライドガラス
で擦過して重量を測定した。回腸粘膜の重量についての
第一〜第五群の試験動物のデータは表1に、また空腸粘
膜の重量についての第一〜第五群の試験動物のデータは
表2に示す。
独投与した場合、およびグリセンチンとグルタミンの両
者を投与した場合に、非投与の場合と比較して、損傷を
うけた実験動物の腸管が如何なる回復を示すかを明らか
にするためのものである。この実施例では、SD系雄性
ラット(体重200g)41頭を5群に分け、第一群
(8頭)はMTX非投与対照群、第二群(9頭)はMT
X投与対照群、第三群はグリセンチン単独投与群、第四
群(8頭)はグリセンチンおよびグルタミン投与群、第
五群(8頭)はグルタミン単独投与群とした。これらの
ラットを個別ケージで飼育し、水に溶解したエレンター
ル(R)(森下ルセル(株)の成分栄養剤)を一日あたり一
頭につき15g給餌した。なお、MTXはメソトレキセ
ート(N−〔4−〔〔(2,4−ジアミノ−6−プテリ
ジニル)メチル〕メチルアミノ〕ベンゾイル〕−L−グ
ルタミン酸)の略号である。第二群については給餌開始
の8日後から一日当たり10mg/kgのMTXを一日1回
3日間腹腔内に投与した。第三群については給餌開始と
同時に1頭につき一日当たり200μgのグリセンチン
を2回に分けて毎日皮下に投与し、さらに給餌開始の8
日後からはグリセンチンとともに10mg/kgのMTXを
一日1回3日間腹腔内に投与した。第四群については給
餌開始と同時に1頭につき一日当たり200μgのグリ
センチンを2回に分けて毎日皮下に投与し、また一日当
たり1.2gのグルタミンを2回に分けて毎日経口投与
し、さらに給餌開始の8日後からはグリセンチンおよび
グルタミンとともに10mg/kgのMTXを一日1回3日
間腹腔内に投与した。第五群については給餌開始と同時
に1頭につき一日当たり1.2gのグルタミンを2回に
分けて毎日経口投与し、さらに給餌開始の8日後からは
グルタミンとともに10mg/kgのMTXを一日1回3日
間腹腔内に投与した。上記第一〜第五群の試験動物につ
いてMTX投与終了の翌日、放血死させ、トライツ靭帯
から回盲部までを摘出し、管腔内を生理食塩水で洗浄し
た。腸管に10gの錘を負荷した状態で全長を2等分し
て上部を空腸、下部を回腸とし、粘膜をスライドガラス
で擦過して重量を測定した。回腸粘膜の重量についての
第一〜第五群の試験動物のデータは表1に、また空腸粘
膜の重量についての第一〜第五群の試験動物のデータは
表2に示す。
【0020】
【表1】 第四群の平均重量は第二群に対して有意水準5%で有意
である。
である。
【0021】
【表2】 第四群の平均重量は第二群に対して有意水準0.5%で
有意である。
有意である。
【0022】上記した試験の結果ラットにMTXを投与
することにより回腸では53%、空腸では57%までの
粘膜重量の減少が見られた。この実験から、グリセンチ
ン投与群は空腸および回腸で粘膜重量に回復傾向を示
し、グルタミン投与群では空腸で粘膜重量に回復傾向を
示すことが分かった。そしてグリセンチンとグルタミン
を併用すると空腸と回腸のいずれにおいても有意な回復
が見られ、両者の単独投与で得られる効果から予想され
る相加効果をはるかに越える相乗的効果が得られること
が分かる。
することにより回腸では53%、空腸では57%までの
粘膜重量の減少が見られた。この実験から、グリセンチ
ン投与群は空腸および回腸で粘膜重量に回復傾向を示
し、グルタミン投与群では空腸で粘膜重量に回復傾向を
示すことが分かった。そしてグリセンチンとグルタミン
を併用すると空腸と回腸のいずれにおいても有意な回復
が見られ、両者の単独投与で得られる効果から予想され
る相加効果をはるかに越える相乗的効果が得られること
が分かる。
【0023】実施例2 この実施例は、グリセンチン、グルタミンをそれぞれ単
独投与した場合、およびグリセンチンとグルタミンの両
者を投与した場合に、非投与の場合と比較して、損傷を
うけた実験動物の腸管がその粘膜中に如何なる量のDN
Aを保持するかを測定することにより腸管の損傷からの
回復傾向を明らかにするためのものである。この実施例
では、SD系雄性ラット(体重200g)33頭を四群
に分け、第一群(9頭)は対照群、第二群(8頭)はグ
リセンチン単独投与群、第三群(8頭)はグリセンチン
およびグルタミン投与群、第四群(8頭)はグルタミン
単独投与群とした。これらのラットを個別ケージで飼育
し、水に溶解したエレンタール(R)を一日あたり一頭に
つき15g給餌した。第一群については給餌開始の8日
後から一日当たり10mg/kgのMTXを一日1回3日間
腹腔内に投与した。第二群については給餌開始と同時に
1頭につき一日当たり200μgのグリセンチンを2回
に分けて毎日皮下に投与し、さらに給餌開始の8日後か
らはグリセンチンとともに10mg/kgのMTXを一日1
回3日間腹腔内に投与した。第三群については給餌開始
と同時に1頭につき一日当たり200μgのグリセンチ
ンを2回に分けて毎日皮下に投与しまた一日当たり1.
2gのグルタミンを2回に分けて毎日経口投与し、さら
に給餌開始の8日後からはグリセンチンおよびグルタミ
ンとともに10mg/kgのMTXを一日1回3日間腹腔内
に投与した。第四群については給餌開始と同時に1頭に
つき一日当たり1.2gのグルタミンをを2回に分けて
毎日経口投与し、さらに給餌開始の8日後からはグルタ
ミンとともに10mg/kgのMTXを一日1回3日間腹腔
内に投与した。上記第一〜第四群の試験動物についてM
TX投与終了の翌日、放血死させ、トライツ靭帯から回
盲部までを摘出し、管腔内を生理食塩水で洗浄した。腸
管に10gの錘を負荷した状態で全長を2等分して上部
を空腸、下部を回腸とし、粘膜をスライドガラスで擦過
して取り出した。空腸および回腸部位の粘膜はそれぞれ
20mlおよび10mlのリン酸緩衝生理食塩水に懸濁し、
氷冷下超音波破砕機で30秒間処理してホモジェナイズ
した。ホモジェネートは、同緩衝液で5倍希釈してDN
Aの定量に用いた。上記した操作によって得られた試料
0.1mlに、0.9mlの0.1Mトリス塩酸緩衝液pH8.
8を加え、予め同トリス緩衝液にて10mg/mlの濃度に
調製したリボヌクレアーゼ タイプI−A( シグマ社)
を20μl加えて50℃で1時間反応させた。蒸留水に
て調製した20μg/mlの臭化エチジウム溶液を1ml加
え、波長365nmの紫外線で励起したときの波長590
nmの蛍光を測定した。10から100μg/mlの既知濃
度DNAを用いて作成した検量線から、試料中のDNA
濃度を求め回腸および空腸粘膜のDNA量を算出した。
DNA濃度はJ. Lab. Clin. Med., (1972) 80, 598-602
に記載された方法に準じて求めた。回腸粘膜のDNA量
についての第一〜第四群の試験動物のデータは表3に、
また空腸粘膜のDNA量についての第一〜第四群の試験
動物のデータは表4に示す。
独投与した場合、およびグリセンチンとグルタミンの両
者を投与した場合に、非投与の場合と比較して、損傷を
うけた実験動物の腸管がその粘膜中に如何なる量のDN
Aを保持するかを測定することにより腸管の損傷からの
回復傾向を明らかにするためのものである。この実施例
では、SD系雄性ラット(体重200g)33頭を四群
に分け、第一群(9頭)は対照群、第二群(8頭)はグ
リセンチン単独投与群、第三群(8頭)はグリセンチン
およびグルタミン投与群、第四群(8頭)はグルタミン
単独投与群とした。これらのラットを個別ケージで飼育
し、水に溶解したエレンタール(R)を一日あたり一頭に
つき15g給餌した。第一群については給餌開始の8日
後から一日当たり10mg/kgのMTXを一日1回3日間
腹腔内に投与した。第二群については給餌開始と同時に
1頭につき一日当たり200μgのグリセンチンを2回
に分けて毎日皮下に投与し、さらに給餌開始の8日後か
らはグリセンチンとともに10mg/kgのMTXを一日1
回3日間腹腔内に投与した。第三群については給餌開始
と同時に1頭につき一日当たり200μgのグリセンチ
ンを2回に分けて毎日皮下に投与しまた一日当たり1.
2gのグルタミンを2回に分けて毎日経口投与し、さら
に給餌開始の8日後からはグリセンチンおよびグルタミ
ンとともに10mg/kgのMTXを一日1回3日間腹腔内
に投与した。第四群については給餌開始と同時に1頭に
つき一日当たり1.2gのグルタミンをを2回に分けて
毎日経口投与し、さらに給餌開始の8日後からはグルタ
ミンとともに10mg/kgのMTXを一日1回3日間腹腔
内に投与した。上記第一〜第四群の試験動物についてM
TX投与終了の翌日、放血死させ、トライツ靭帯から回
盲部までを摘出し、管腔内を生理食塩水で洗浄した。腸
管に10gの錘を負荷した状態で全長を2等分して上部
を空腸、下部を回腸とし、粘膜をスライドガラスで擦過
して取り出した。空腸および回腸部位の粘膜はそれぞれ
20mlおよび10mlのリン酸緩衝生理食塩水に懸濁し、
氷冷下超音波破砕機で30秒間処理してホモジェナイズ
した。ホモジェネートは、同緩衝液で5倍希釈してDN
Aの定量に用いた。上記した操作によって得られた試料
0.1mlに、0.9mlの0.1Mトリス塩酸緩衝液pH8.
8を加え、予め同トリス緩衝液にて10mg/mlの濃度に
調製したリボヌクレアーゼ タイプI−A( シグマ社)
を20μl加えて50℃で1時間反応させた。蒸留水に
て調製した20μg/mlの臭化エチジウム溶液を1ml加
え、波長365nmの紫外線で励起したときの波長590
nmの蛍光を測定した。10から100μg/mlの既知濃
度DNAを用いて作成した検量線から、試料中のDNA
濃度を求め回腸および空腸粘膜のDNA量を算出した。
DNA濃度はJ. Lab. Clin. Med., (1972) 80, 598-602
に記載された方法に準じて求めた。回腸粘膜のDNA量
についての第一〜第四群の試験動物のデータは表3に、
また空腸粘膜のDNA量についての第一〜第四群の試験
動物のデータは表4に示す。
【0024】
【表3】 第三群のDNA量は第一群に対して有意水準5%で有意
である。
である。
【0025】
【表4】 第三群のDNA量は第一群に対して有意水準0.5%で
有意である。
有意である。
【0026】この実験からグリセンチン投与群およびグ
ルタミン投与群では空腸および回腸粘膜におけるDAN
量はMTX投与群のそれに比較してわずかに高い値を示
すが、グリセンチンとグルタミンの併用投与群では、空
腸および回腸粘膜におけるDAN量は著しく高い値であ
ることが分かる。
ルタミン投与群では空腸および回腸粘膜におけるDAN
量はMTX投与群のそれに比較してわずかに高い値を示
すが、グリセンチンとグルタミンの併用投与群では、空
腸および回腸粘膜におけるDAN量は著しく高い値であ
ることが分かる。
【0027】つぎに本発明の消化器疾患治療剤の製剤例
を示す。 製剤例 1 グリセンチン5g、アセチルグルタミン1kg、乳糖2k
g、ステアリン酸マグネシウム20g、およびコーンス
ターチ100gを混合し、この混合物を圧縮し、圧縮し
た混合物を粉砕し、混合物顆粒を調製した。えられた顆
粒を打錠機にかけ、1錠当たりグリセンチン2.5μ
g、アセチルグルタミン0.5gを含有する錠剤を得
た。この錠剤を腸溶性にするために、錠剤に酢酸セルロ
ースフタレートで腸溶コーティングを施した。
を示す。 製剤例 1 グリセンチン5g、アセチルグルタミン1kg、乳糖2k
g、ステアリン酸マグネシウム20g、およびコーンス
ターチ100gを混合し、この混合物を圧縮し、圧縮し
た混合物を粉砕し、混合物顆粒を調製した。えられた顆
粒を打錠機にかけ、1錠当たりグリセンチン2.5μ
g、アセチルグルタミン0.5gを含有する錠剤を得
た。この錠剤を腸溶性にするために、錠剤に酢酸セルロ
ースフタレートで腸溶コーティングを施した。
【0028】製剤例 2 グリセンチン1g、グルタミン500g、および乳糖1
00gを混合し、注射用蒸留水1リットルに溶解し、こ
の溶液を無菌の0.22μmメンブランフィルターで濾
過し、無菌的に1mlずつバイアル瓶に分注し、内容物を
凍結乾燥して注射用製剤を調製した。
00gを混合し、注射用蒸留水1リットルに溶解し、こ
の溶液を無菌の0.22μmメンブランフィルターで濾
過し、無菌的に1mlずつバイアル瓶に分注し、内容物を
凍結乾燥して注射用製剤を調製した。
【0029】製剤例 3 グリセンチン1g、グルタミンのジペプチド(L−アラ
ニル−L−グルタミンおよびL−グルタミル−L−アラ
ニンからなるもの)1kgを注射用蒸留水1リットルに溶
解し安定剤として亜硫酸水素ナトリウム3gを加え、酢
酸でpHを7.0に調節した。ついでこの溶液を無菌の
0.22μmメンブランフィルターで濾過し、無菌的に
バイアル瓶に分注し、窒素ガスで置換してグリセンチン
とグルタミンジペプチドを含む輸液を調製した。
ニル−L−グルタミンおよびL−グルタミル−L−アラ
ニンからなるもの)1kgを注射用蒸留水1リットルに溶
解し安定剤として亜硫酸水素ナトリウム3gを加え、酢
酸でpHを7.0に調節した。ついでこの溶液を無菌の
0.22μmメンブランフィルターで濾過し、無菌的に
バイアル瓶に分注し、窒素ガスで置換してグリセンチン
とグルタミンジペプチドを含む輸液を調製した。
Claims (7)
- 【請求項1】 (a)グリセンチンおよび(b)グルタ
ミンまたはグルタミン誘導体を有効成分として含有する
消化器疾患治療剤。 - 【請求項2】 グルタミン誘導体が、アシルグルタミ
ン、グルタミン含有ジ−もしくはトリ−ペプチド、また
はグルタミン含有オリゴペプチドである、請求項1の消
化器疾患治療剤。 - 【請求項3】 アシルグルタミンがアセチルグルタミン
である請求項2記載の消化器疾患治療剤。 - 【請求項4】 グルタミン含有ジ−ペプチドがL−アラ
ニル−L−グルタミン、L−グルタミル−L−アラニ
ン、グリシル−L−グルタミン、L−グルタミル−L−
グリシン、L−グルタミル−L−グルタミンである請求
項2記載の消化器疾患治療剤。 - 【請求項5】 グルタミン含有オリゴぺプチドが、小麦
蛋白質を酵素的に加水分解して得られたものである請求
項2記載の消化器疾患治療剤。 - 【請求項6】 消化器疾患が、潰瘍性もしくは炎症性消
化器疾患、および先天的もしくは後天的消化吸収障害、
または粘膜透過性の異常に起因する消化器疾患である、
請求項2記載の消化器疾患治療剤。 - 【請求項7】 後天的消化吸収障害が、消化管切除、放
射線障害、薬剤障害に基づく消化管の損傷によるもので
あるか、または経静脈栄養法もしくは経管栄養法に伴う
ものである、請求項6記載の消化器疾患治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8260683A JPH10101576A (ja) | 1996-10-01 | 1996-10-01 | 消化器疾患治療剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8260683A JPH10101576A (ja) | 1996-10-01 | 1996-10-01 | 消化器疾患治療剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10101576A true JPH10101576A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17351334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8260683A Pending JPH10101576A (ja) | 1996-10-01 | 1996-10-01 | 消化器疾患治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10101576A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6653333B2 (en) | 2000-01-31 | 2003-11-25 | Ishihara Sangyo Kaisha, Ltd. | Remedies or preventives for digestive diseases containing diaminotrifluoromethylpyridine derivatives |
JP2023503329A (ja) * | 2019-11-27 | 2023-01-27 | マイクロエックス カンパニー リミテッド | 呼吸器疾患の予防、改善又は治療用組成物 |
-
1996
- 1996-10-01 JP JP8260683A patent/JPH10101576A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6653333B2 (en) | 2000-01-31 | 2003-11-25 | Ishihara Sangyo Kaisha, Ltd. | Remedies or preventives for digestive diseases containing diaminotrifluoromethylpyridine derivatives |
JP2023503329A (ja) * | 2019-11-27 | 2023-01-27 | マイクロエックス カンパニー リミテッド | 呼吸器疾患の予防、改善又は治療用組成物 |
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