JPH10101186A - パネル組立式タンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Ｈ形鋼を使用することなく、十分な補強強度
を有するパネル組立式タンクを提供する。 【解決手段】 略方形を成している受圧面１１の周縁に
接合縁１２を設けたＦＲＰ製単位体パネル５同士を複数
枚組合せ、前記接合縁１２同士を組立ボルト１３にて締
結し、底板、側壁、天井板を形成してなるパネル組立式
タンク１において、該タンク１の側壁部に、断面コ字状
の部材を２個組合せ、鍔部８とウェブ部７を形成した断
面略Ｈ形とした金属製補強材６をＬ型アングル材によっ
て締結し、前記金属製補強材６の鍔部８又はウェブ部７
に、金属製の補強板１０を締結させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主に飲料水貯蔵、
貯湯等に用いられるＦＲＰ製のパネル組立式タンクに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ビルの屋上や地下等に貯水を
するために、パネル組立式タンクと呼ばれるものが用い
られてきた。パネル組立式タンクは、単位体パネルを複
数枚組み合わせることにより、箱型のタンクを成形する
ものであり、一体型のタンクを使用するより簡単に成形
でき、用いる単位体パネルの枚数により任意の大きさの
ものを自由に得られることを最大の特徴としている。

【０００３】図４を用いてパネル組立式タンクの詳細に
ついて説明すると、略方形の受圧面１１の周縁に接合縁
１２を設けＦＲＰ製単位体パネル５を、パッキン１４を
介して組立ボルト１３により締結し、底板３、側壁２、
天井板４を形成して箱型形状のパネル組立式タンク１と
している。

【０００４】そして、このままではパネル組立式タンク
１は、その側壁２が水圧によりたわみ、全体として膨ら
みを生じるので、補強を行ないたわまないようにしてい
る。具体的には、側壁２の高さ方向に補強材１６である
Ｈ形鋼をアングル材１５によって締結することにより、
たわみを防止する。Ｈ形鋼を用いるのは、市場性があり
容易に調達が可能で、たわみ防止としての形状をも満足
するためである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、以上述べたパ
ネル組立式タンク１は、タンク自体の補強のためにＨ形
鋼を用いるために、その容積が大きくなればなるほど組
立が困難となる。周知のように、Ｈ形鋼はその全てが鉄
鋼であるために１本当りの重量が非常に重く、人手にて
組付けるには自ずと限界がある。クレーン等を使用すれ
ば、重さの問題は解決できるものの、パネル組立式タン
ク１の設置場所全てにおいてクレーンが使用できるとは
限らず、むしろクレーンの使用が難しい場合が多い。

【０００６】本発明は、以上のよううな問題点に鑑み、
クレーン等を使用することなく、人手によって容易に組
み立てることが可能なパネル組立式タンク１を提供する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、図１に示すよ
うに、略方形を成している受圧面１１の周縁に接合縁１
２を設けたＦＲＰ製単位体パネル５同士を複数枚組合
せ、前記接合縁１２同士を組立ボルト１３にて締結し、
底板、側壁、天井板を形成してなるパネル組立式タンク
１において、該タンク１の側壁部に、断面コ字状の部材
を２個組合せ、鍔部８とウェブ部７を形成した断面略Ｈ
形とした金属製補強材６を設け、前記金属製補強材６の
鍔部８又はウェブ部７に、金属製の補強板１０を締結さ
せたことを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明にて使用する断面略Ｈ形の
金属製補強材６は、断面略コ字状の金属製補強材を２個
組み合わせることにより断面略Ｈ形としたものであり、
軽量みぞ形鋼等を適宜使用できる。材質は、鉄鋼が好ま
しく、その他用途により防錆処理を施したものを使用す
ることもできる。

【０００９】本発明にて使用する金属製の補強板１０
は、鍔部８とウェブ部７どちらに設けることも可能であ
り、その両方に設けてもかまわない。そして、金属製補
強材６への締結は、溶接、ボルト等にて行なわれるが、
信頼性、簡易性を考えるとボルト締結が好ましい。補強
板１０は、金属製補強材６と同一長さを有するものを使
用することが強度の点からは好ましいものの、重量が大
きくなりすぎる場合には、適宜複数に分割しても良い。
尚、材質は、金属製補強材６と同様のものが使用でき
る。

【００１０】本発明のパネル組立式タンクは、従来一体
型のＨ形鋼を用いていたタンクの補強を、分割した金属
製の部材を締結しＨ形鋼のようにして使用するために、
部材１つ当りの重量を軽くすることが可能となり、クレ
ーン等を使用することなく人手によって組み立てること
が可能なる。更に、断面略Ｈ形の金属製補強材を使用す
ることにより、従来使用していたＨ形鋼と遜色ない強度
を保つ強固な補強材となる。

【００１１】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する
と、図１は、本発明のパネル組立式タンク１の側壁補強
構造を示す平面方向断面図であり、ＦＲＰ製単位体パネ
ル５、５同士をパッキン１４を介して組立ボルト１３に
より締結し、接合縁１２、１２にアングル材１５、１５
を取付け、該アングル材１５、１５に金属製補強材６を
組立ボルトにより締結し、前記金属製補強材６の両側の
ウェブ部７に夫れ夫れ断面コ字状の補強板１０、１０を
組立ボルト１３、１３により締結している。尚、実施例
では、断面コ字状の軽量形鋼のみぞ底部同士を締結し組
み合わせることにより断面Ｈ形としている。

【００１２】図２は、図１にて両側のウェブ部７に設け
た補強板１０を両側の鍔部８に設けたものを示してお
り、図面に示すように鍔部に補強板１０、１０を設ける
とにより、タンク自体の補強以外にも、２個の部材から
なる金属製補強材６が両側のウェブ部７、７がずれるの
を防止することも可能になる。更に、図２にて両側の鍔
部８に設けていた補強板１０、１０を片側にのみ設ける
ことも可能である。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によればＨ
形鋼を用いることなく、補強が可能なために、クレーン
等を使用することなく人手によってパネル組立式タンク
を成形できるために、狭い場所へのタンク設置が行なえ
るようになり、断面略コ字状の金属製補強材を２個組合
せることにより断面略Ｈ形とすることにより、十分な強
度の補強が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施例を示すパネル組立式タンクの
側壁補強構造の平面方向断面図である。

【図２】本発明の他の実施例を示す、パネル組立式タン
クの側壁補強構造の断面図である。

【図３】従来例を示すパネル組立式タンクの斜視概略図
である。

【符号の説明】

１．パネル組立式タンク ２．側壁 ３．底板 ４．天
井板 ５．ＦＲＰ製単位体パネル ６．金属製補強材
７．ウェブ部 ８．鍔部 ９．長尺補強材 １０．補強
板 １１．受圧面 １２．接合縁 １３．組立ボルト
１４．パッキン１５．アングル材 １６．補強材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 略方形を成している受圧面の周縁に接合
   縁を設けたＦＲＰ製単位体パネル同士を複数枚組合せ、
   前記接合縁同士を組立ボルトにて締結し、底板、側壁、
   天井板を形成してなるパネル組立式タンクにおいて、該
   タンクの側壁部に、断面コ字状の部材を２個組合せ、鍔
   部とウェブ部を形成した断面略Ｈ形とした金属製補強材
   をアングル材により締結し、前記金属製補強材の鍔部又
   はウェブ部に、金属製の補強板を締結させたことを特徴
   とするパネル組立式タンク。