JPH10100697A - 4輪駆動車の動力伝達装置 - Google Patents

4輪駆動車の動力伝達装置

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JPH10100697A
JPH10100697A JP25975996A JP25975996A JPH10100697A JP H10100697 A JPH10100697 A JP H10100697A JP 25975996 A JP25975996 A JP 25975996A JP 25975996 A JP25975996 A JP 25975996A JP H10100697 A JPH10100697 A JP H10100697A
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JP
Japan
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differential
inter
wheel
axle
driving force
Prior art date
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Application number
JP25975996A
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English (en)
Inventor
Yutaka Hatano
裕 畑野
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置をコンパクト化するとともに、その組立
て作業を簡略化する。 【解決手段】 遊星歯車機構からなる車軸間差動装置
(センタデフ)20と、傘歯車機構からなる第1車輪間
差動装置(フロントデフ)30とを、第1車輪(前輪)
用の第1車軸10,11上に設置おいて併設状態でデフ
ァレンシャルケース(センタデフケース)29内に配設
するとともに、このセンタデフケース29に上記車軸間
差動装置20のリングギア21を一体に設け、かつこの
リングギア22と、第2車輪(後輪)に対する車軸間差
動装置20の出力要素(サンギア)27との間で差動制
限を行う差動制限装置(ビスカスカップリング)40を
上記センタデフケースから離れた位置に設置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体に横置き状態
で搭載されたエンジンの駆動力を前輪および後輪にそれ
ぞれ伝達する4輪駆動車の動力伝達装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭64−90820号
公報に示されるように、エンジンおよび変速装置が車幅
方向に配設された4輪駆動車において、エンジンに近接
した位置に配設された第1車軸と同一直線上に遊星歯車
機構からなる車軸間差動装置(センタデフ)と、上記第
1車軸を駆動する傘歯車機構からなる第1車輪間差動装
置(フロントデフ)とを配設するとともに、上記センタ
デフを、エンジンと変速装置との間に介設されたクラッ
チもしくはトルクコンバータからなる駆動力伝達手段を
収容するハウジングの変速装置側に生じる空間部に配設
し、かつ上記センタデフの変速装置側の側方に上記フロ
ントデフを配設することにより、上記センタデフやフロ
ントデフ等を有する動力伝達装置(トランスファ装置)
の全体をコンパクト化するとともに、上記センタデフか
ら前輪側および後輪側へそれぞれ出力される駆動力を左
右に分散させて動力伝達経路を簡略化することが行われ
ている。
【0003】また、上記動力伝達装置では、センタデフ
から前輪側および後輪側へそれぞれ出力される駆動力を
左右に分散させて左右の動力伝達経路を簡略化すること
により、この動力伝達経路を構成する各構成要素のレイ
アウトが容易化されるとともに、各構成要素の組付性が
改善されるという効果が得られることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載された
4輪駆動車の動力伝達装置は、その明細書の第15頁第
1行から第16頁第17行および第1,2図に示すよう
に、エンジンからクラッチおよびトランスミッション
(変速装置)を介して出力される駆動力を、このトラン
スミッションの出力ギアから入力ギアを介してトランス
ファ装置におけるセンタデフのリングギアに入力し、こ
のセンタデフにおいてサンギアと、ピニオンキャリアと
に分割するように構成されている。そして、上記サンギ
ア側に分割された駆動力は、フロントデフのデフケース
に入力されるとともに、このフロントデフにおいてさら
に左右に分割され、左右の前車軸を介して左右の前輪を
駆動する。また、上記ピニオンキャリア側に分割された
駆動力は、中継部材、第2筒軸、第1,第2トランスフ
ァギア、中間軸、第3,第4トランスファギア、出力軸
およびプロペラシャフトを介してリヤデフに入力された
後、このリヤデフにおいてさらに左右に分割され、左右
の後車軸を介して左右の後輪を駆動するようになってい
る。
【0005】また、上記センタデフおよびフロントデフ
と同軸上にビスカスカップリングからなる差動制限装置
が配設され、そのインナケースが、右前車軸に外嵌され
た第1筒軸およびフロントデフのデフケース(延長部)
を介して上記センタデフの前輪側への出力要素であるサ
ンギアに連結されるとともに、上記ビスカスカップリン
グのアウタケースが、上記第2筒軸および中継部材を介
してセンタデフの後輪側への出力要素であるピニオンキ
ャリアに連結されている。
【0006】そして、コーナリング時等に、上記センタ
デフにおけるサンギアとのピニオンキャリアとの差動動
作、すなわち前輪と後輪との間の回転速度差を許容して
ブレーキング現象の発生を防止するとともに、上記第
1,第2筒軸間、すなわちセンタデフのサンギアとピニ
オンキャリアとの間に介設された上記ビスカスカップリ
ングを作動させてセンタデフの差動動作を抑制すること
により、コーナリング時等における走行安定性を確保す
るように構成されている。
【0007】上記のようにセンタデフおよびフロントデ
フと同軸上にビスカスカップリングからなる差動制限装
置を配設し、そのインナケースおよびアウタケースを、
上記各部材を介してセンタデフのサンギアおよびピニオ
ンキャリアに連結するように構成したため、センタデフ
およびフロントデフが配設されたデファレンシャルケー
スの支持部、つまり軸受部材の設置部が、このデファレ
ンシャルケースと、上記中継部材または第2筒軸と、フ
ロントデフケースの延長部または第1筒軸と、右前車軸
とによって4軸構造となることが避けられず、装置が大
型化するとともに、その組付作業が煩雑になり、しかも
上記軸受部材に過大な負荷が作用するという問題があ
る。
【0008】すなわち、上記のようにセンタデフおよび
フロントデフが併設状態で収容されるデファレンシャル
ケースの車幅方向の両端部に軸受部材を設けることによ
り、上記デファレンシャルケースを安定して支持するよ
うに構成した場合には、このデファレンシャルケースか
ら離れた位置に上記ビスカスカップリングを配設しなけ
ればならなず、このビスカスカップリングに駆動力を伝
達する上記中継部材または第2筒軸と、フロントデフケ
ースの延長部または第1筒軸とを、上記右前車軸と同軸
上に配設する必要があるので、これらと上記デファレン
シャルケースとからなる4軸構造の部分が形成されるこ
とが避けられず、上記の問題があった。
【0009】本発明は、このような事情に鑑み、装置を
コンパクト化するとともに、その組立て作業を簡略化す
ることができる4輪駆動車の動力伝達装置を提供するも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
車体に横置き状態で搭載されたエンジンと、このエンジ
ンの一側端部にクラッチもしくはトルクコンバータから
なる駆動力伝達手段を介して連結された変速装置と、リ
ングギアおよびサンギアとこれらに噛み合うピニオンを
担持するピニオンキャリアを備えた遊星歯車機構からな
る車軸間差動装置と、この車軸間差動装置から入力され
た駆動力を前輪または後輪のうちエンジンに近接した位
置に配設された第1車輪に伝達する傘歯車機構からなる
第1車輪間差動装置と、上記車軸間差動装置から入力さ
れた駆動力を前輪または後輪のうちエンジンから離れた
位置に配設された第2車輪に伝達する第2車輪間差動装
置と、上記車軸間差動装置および第1車輪間差動装置を
第1車輪用の第1車軸上において併設状態で収容するデ
ファレンシャルケースと、このデファレンシャルケース
の車幅方向の両端部を回転自在に支持する軸受部材と、
上記車軸間差動装置から離れた位置において第2車輪間
差動装置側に駆動力を伝達する動力伝達部とを有し、上
記変速装置から車軸間差動装置のリングギアに入力され
た駆動力を、上記サンギアおよびピニオンキャリアを出
力要素として第1車輪間差動装置および第2車輪間差動
装置側に出力するように構成するとともに、上記車軸間
差動装置のリングギアと、上記第2車輪に対する車軸間
差動装置の出力要素との間で差動制限を行う差動制限装
置を第1車軸上において上記デファレンシャルケースか
ら離れた位置に配設したものである。
【0011】上記構成によれば、エンジンから変速装置
を介して車軸間差動装置のリングギアに入力された駆動
力は、この車軸間差動装置のサンギアまたはピニオンキ
ャリアからなる出力要素の一方から第1車輪間差動装置
を介して第1車輪側に伝達されるとともに、上記出力要
素の他方から第2車輪間差動装置を介して第2車輪側に
伝達される。そして、上記リングギアと、第2車輪に対
する車軸間差動装置の出力要素との間に介設させた差動
制限装置により、コーナリング時におけるブレーキング
現象の発生が抑制されるとともに、走行安定性が確保さ
れることになる。
【0012】請求項2に係る発明は、上記請求項1記載
の4輪駆動車の動力伝達装置において、軸間差動装置の
ピニオンキャリアから第1車輪間差動装置に駆動力を出
力するとともに、サンギアから第2車輪間差動装置に駆
動力を出力するように構成したものである。
【0013】上記構成によれば、第1車軸の径方向外方
側に位置するピニオンキャリアから、第1車輪間差動装
置の入力部に駆動力が伝達されるとともに、第1車軸の
径方向内方側に位置するサンギアから、第2車輪間差動
装置への動力伝達部および差動制限装置に駆動力が伝達
されることになる。
【0014】請求項3に係る発明は、上記請求項1また
は2記載の4輪駆動車の動力伝達装置において、上記ク
ラッチもしくはトルクコンバータからなる駆動力伝達手
段を収容するハウジングの変速装置側にデファレンシャ
ルケースを配設するとともに、上記ハウジングのエンジ
ン側に差動制限装置を配設したものである。
【0015】上記構成によれば、駆動力伝達手段が収容
されたハウジングの変速装置側に形成される空間部に、
車軸間差動装置および第1車輪間差動装置が配設された
デファレンシャルケースが設置されるとともに、大きな
径を有する上記ハウジングの設置部を避けてそのエンジ
ン側に差動制限装置が設置されることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明に係る
4輪駆動車の動力伝達装置の実施形態を示している。こ
の4輪駆動車の車体前部には、エンジン1と、その一側
端部に連結されたトランスミッションケース2a内に設
けられたトランスミッション(変速装置)2と、トラン
スファ装置3とが搭載されている。
【0017】上記エンジン1は、車体に横置き状態で搭
載されてその出力軸4が車幅方向に伸びるように設置さ
れている。また、トランスミッション2は、クラッチ5
からなる駆動力伝達手段を介して上記エンジン1の出力
軸4に連結される入力軸6と、これに平行な出力軸7と
が車幅方向に伸びるように配設されている。そして、上
記トランスミッション2の入力軸6と出力軸7との間に
は、選択的に動力伝達状態となる1〜5速用および後退
速用の変速ギア列8が設けられ、かつ上記出力軸7の上
記クラッチ5側の端部には、このトランスミッション2
からトランスファ装置3側に駆動力を伝達する出力ギア
9が設けられている。
【0018】上記トランスファ装置3は、トランスミッ
ション2から入力される駆動力を分割し、左右の前車軸
10,11を介してエンジン1に近接した位置に配設さ
れた左前輪12および右前輪13からなる第1車輪を駆
動するとともに、車体の前後方向に伸びるプロペラシャ
フト14、リヤデフ(第2車輪間差動装置)15および
このリヤデフ15から左右の後車軸16,17を介して
エンジンから離れた位置に配設された左後輪18および
右後輪19からなる第2車輪を駆動するように構成され
ている。すなわち、上記トランスファ装置3は、図2お
よび図3に示すように、上記左右前車軸10,11の軸
線上に配設された遊星歯車機構からなるセンタデフ(車
軸間差動装置)20と、傘歯車機構からなるフロントデ
フ(第1車輪間差動装置)30とを有し、また上記セン
タデフ20およびフロントデフ30と同軸上に、ビスカ
スカップリング40からなる差動制限装置が配設されて
いる。
【0019】上記ビスカスカップリング40は、シリコ
ンオイル等からなる粘性流体の剪断抵抗を利用して駆動
力を伝達する一種の粘性クラッチであり、通常時にイン
ナケース41と、アウタケース42とが一体になって回
転しつつ、その間に生じた回転差に応じて粘性流体が掻
き回されて剪断力が発生するように構成されている。こ
れにより、前輪12,13のスリップ等に応じ、上記ア
ウタケース42が速く回転した場合に、前輪12,3と
後輪18,19との回転差に応じた駆動力を後輪18,
19側に自動的に分配することにより、コーナリング時
等に前輪12,13と、後輪18,19との回転差(差
動)をある程度許容してブレーキング現象の発生を抑制
しつつ、過大な差動動作を抑制して走行安定性を確保す
るようになっている。
【0020】なお、上記粘性流体の剪断抵抗を利用した
ビスカスカップリング40に代え、流体を圧縮する際に
発生する静圧を利用して後輪18,19側に駆動力を伝
達するロータリブレードカップリング等によって上記差
動制限装置を構成してもよい。このロータリブレードカ
ップリングは、圧力発生部と、トルク伝達部とで構成さ
れ、上記圧力発生部では、前後輪に回転差が生じるとシ
ャフトに結合されたトリブレードがハウジングに対して
相対回転し、高粘度のシリコンオイルを流動させるよう
になっている。
【0021】上記センタデフ20は、センタデフケース
29からなるデファレンシャルケースと、その内周部に
一体に形成されたリングギア21と、このリングギア2
1の内側に配設されて、これに噛み合う複数の第1ピニ
オン22と、この第1ピニオン22にそれぞれ噛み合う
複数の第2ピニオン23と、ピニオンシャフト24,2
5を介して上記第1,第2ピニオン22,23をそれぞ
れ支持するピニオンキャリア26と、上記第2ピニオン
23に噛み合うサンギア27とによって構成されたダブ
ルピニオン型遊星歯車機構からなっている。
【0022】また、上記センタデフ20のセンタデフケ
ース29は、エンジン1とトランスミッション2と間に
配設されたクラッチ5を収容するクラッチハウジング5
aのトランスミッション2側に生じる空間部に沿って設
置されている(図1参照)。そして、上記センタデフケ
ース29の外周部にボルト止め等により一体に取り付け
られた入力ギア28が、上記トランスミッション2に設
けられた出力軸7のクラッチ5側の端部に設けられた上
記出力ギア9に噛合され、トランスミッション2からの
駆動力が出力ギア9および入力ギア28を介してセンタ
デフ20のリングギア21に入力されるようになってい
る。
【0023】上記フロントデフ30は、センタデフ20
の一方の出力要素であるピニオンキャリア26と一体に
形成されたフロントデフケース31と、このフロントデ
フケース31内において上記前車軸10,11の軸線に
直交する方向に設置されたピニオンシャフト32と、こ
のピニオンシャフト32に回転自在に支持された傘歯車
からなる一対のピニオン33,34と、両ピニオン3
3,34に噛み合う傘歯車からなる左右一対のサイドギ
ア35,36とによって構成され、この両サイドギア3
5,36に左右の前車軸10,11の端部がそれぞれ結
合されている。そして、上記フロントデフ30は、上記
センタデフ20と同一軸線上、つまり上記前車軸10,
11上において上記センタデフケース29内に収容され
るとともに、上記センタデフ20のトランスミッション
2側にセンタデフ20と併設状態で配設されている。
【0024】また、上記センタデフ20の一方の出力要
素であるサンギア27には、エンジン1の設置部側に伸
びる第1筒軸51が一体に形成されるとともに、上記セ
ンタデフケース29の一側端部には、上記第1筒軸51
を囲繞する第2筒軸52が一体に形成されている。そし
て、上記第1筒軸51および第2筒軸52は、上記クラ
ッチハウジング5aの設置部を越えてエンジン1側に延
長されるとともに、上記第1筒軸51の延長端には、第
1トランスファギア54からなる動力伝達部が一体に形
成されている。また、上記センタデフケース29は、軸
受部材53a,53bによって両端部が回転自在に支持
されている。
【0025】上記第1トランスファギア54は、上記前
車軸10,11の軸線と平行に配設された中間軸55の
一端に一体に形成された第2トランスファギア56に噛
合され、かつ上記中間軸55の他端には傘歯車からなる
第3トランスファギア57が固定され、この第3トラン
スファギア57が、車体の前後方向に設置された出力軸
58の一端に一体的に形成された第4トランスファギア
59に噛合されている。そして、上記出力軸58が図1
に示すプロペラシャフト14に連結されることにより、
上記第1トランスファギア54から入力された駆動力が
後輪18,19側に出力されるようになっている。
【0026】また、上記サンギア27から伸びる第1筒
軸51上には、ビスカスカップリング40のインナケー
ス41がスプライン結合等によって一体に連結されると
ともに、上記センタデフケース29から伸びる第2筒軸
52の延長端部には、ビスカスカップリング40のアウ
タケース42がスプライン結合等によって一体に連結さ
れている。
【0027】上記構成において、エンジン1からクラッ
チ5およびトランスミッション2を介して出力される駆
動力は、このトランスミッション2の出力ギア9から上
記入力ギア28を介してトランスファ装置3におけるセ
ンタデフ20のリングギア21に入力され、このセンタ
デフ20においてサンギア27およびピニオンギア26
からなる各出力要素に分割されて伝達される。
【0028】そして、上記サンギア27側に伝達された
駆動力は、上記第1筒軸51を介して第1トランスファ
ギア54に伝達された後、上記第2トランスファギア5
6、中間軸55、第3,第4トランスファギア57,5
9、出力軸58およびプロペラシャフト14を介してリ
ヤデフ15に入力され、このリヤデフ15においてさら
に左右に分割された後、左右の後車軸16,17を介し
て左右の後輪18,19を駆動することになる。
【0029】また、上記ピニオンキャリア26側に伝達
された駆動力は、フロントデフ30のフロントデフケー
ス31に入力されるとともに、このフロントデフ30に
おいてさらに左右に分割されされた後、左右の前車軸1
0,11を介して左右の前輪12,13を駆動する。こ
のようにして左右の前輪12,13および左右の後輪1
8,19が駆動されることにより、上記車両が4輪駆動
状態となる。
【0030】そして、コーナリング時等には、上記第
1,第2筒軸51,52の間、すなわちセンタデフ20
のサンギア27と、センタデフケース29に設けられた
リングギア21との間に介設された上記ビスカスカップ
リング40の差動動作により、ブレーキング現象の発生
が抑制され、かつ、上記ビスカスカップリング40の動
力伝達作用により、センタデフ20の差動動作が制限さ
れてコーナリング時等における走行安定性が確保される
ことになる。
【0031】上記のようにセンタデフ20およびフロン
トデフ30を併設状態で、前輪12,13用の第1車軸
10,11上に設置してセンタデフケース29内に収容
するとともに、このセンタデフケース29の左右両端部
を軸受部材53a,53bによって回転自在に支持し、
上記トランスミッション2からセンタデフ20のリング
ギア21に入力された駆動力を上記ピニオンキャリア2
6からフロントデフ30を介して左右の前輪12,13
に伝達するとともに、上記駆動力をサンギア27から第
1筒軸51および第1トランスファギア54等からリヤ
デフ15を介し左右の後輪18,19側に伝達するとと
もに、上記リングギア21と、後輪18,19に対する
センタデフ20の出力要素、つまりサンギア27との間
にビスカスカップリング40を介在させたため、上記セ
ンタデフケース29の右側端部を支持する軸受部材53
aの設置部を、上記第1車軸11と、サンギア27とビ
スカスカップリング40のインナケース41とを連結す
る第1筒軸51と、上記リングギア21とビスカスカッ
プリング40のアウタケース42とを連結する第2筒軸
52との3軸構造として構造を簡略化することができ
る。
【0032】すなわち、上記センタデフケース29を安
定して支持できるようにその左右両端部に軸受部材53
a,53bを配設したために、上記第1トランスファギ
ア54からなる動力伝達部およびビスカスカップリング
40からなる差動制限装置を、上記第1車軸11上のセ
ンタデフケース29から離れた位置に設置する必要があ
るものにおいて、上記軸受部材53bの設置部を3軸構
造とすることにより、軸受部材による支持部が4軸構造
に形成された従来装置に比べて構造を簡略化し、その組
付作業を容易に行うことができるとともに、上記軸受部
材53bに大きな荷重が作用するのを防止して軸受部材
53bの損傷を効果的に防止することができる。
【0033】また、上記実施形態では、センタデフ20
のピニオンキャリア26からフロントデフ30に駆動力
を出力するとともに、サンギア27からリヤデフ15側
に駆動力を出力するように構成したため、第1車軸11
の径方向外方側に位置する上記ピニオンキャリア26か
ら、上記フロントデフ20の入力部、つまりフロントデ
フケース31に駆動力を伝達するとともに、第1車軸1
1の径方向内方側に位置する上記サンギア27から、リ
ヤデフ21側への動力伝達部、つまり第1トランスファ
ギア54および上記ビスカスカップリング40からなる
差動制限装置に駆動力を伝達する駆動力の伝達経路を容
易に形成することができる。
【0034】さらに、上記実施形態では、クラッチ5か
らなる駆動力伝達手段を収容するクラッチハウジング5
aの変速装置2側に、センタデフケース29からなるデ
ファレンシャルケースを配設するとともに、上記クラッ
チハウジング5aのエンジン1側にビスカスカップリン
グ40からなる差動制限装置を配設したため、上記クラ
ッチハウジング5aの変速装置2側に形成される空間部
に、上記センタデフ20からなる車軸間差動装置と、フ
ロントデフ30からなる第1車輪間差動装置とが収容さ
れたセンタデフケース29を設置することができるとと
もに、大きな径を有する上記クラッチハウジング5aの
設置部を避けてエンジン1側に、上記ビスカスカップリ
ング40を設置することができる。
【0035】したがって、比較的大きな外形を有する遊
星歯車機構によってセンタデフ20を構成したにも拘ら
ず、このセンタデフ20をトランスミッション2に近接
させることができるとともに、上記センタデフ20と同
一軸上に配設されたフロントデフ30を径方向寸法の小
さい傘歯車機構によって構成したたため、車体の前後方
向に対する装置の全体寸法をコンパクト化することがで
きる。
【0036】また、エンジン1からトランスミッション
2を介して駆動力が入力されるセンタデフ20から第2
車輪(後輪18,19)に駆動力を伝達する出力要素
(サンギア27)と、上記センタデフケース29に設け
られたリングギア21との間に介設された上記ビスカス
カップリング40をエンジン1側に配設するとともに、
上記サンギア27からリヤデフ15に駆動力を伝達する
上記第1〜4トランスファギア54,56,57,59
をエンジン1側に配設したため、上記駆動力を変速装置
2側に配設されたフロントデフ30と、エンジン1側に
配設された上記第1〜4トランスファギア54,56,
57,59等とに、左右に分散させて左右の前輪12,
13および後輪18,19にそれぞれ出力することがで
きる。
【0037】したがって上記左右の前輪12,13側お
よび後輪18,19側への動力伝達経路を簡素化すると
とともに、この動力伝達経路を構成する各部材を車体の
左右に配設することにより、これらのレイアウトの自由
度を増大させることができるとともに、その組付作業を
簡略化できるという利点がある。
【0038】なお、上記実施形態では、エンジン1の一
側端部にクラッチ5からなる駆動力伝達手段が配設され
てなる手動変速タイプのトランスミッション2を備えた
4輪駆動車に本発明を適用した例について説明したが、
上記クラッチ5に代えてトルクコンバータが配設されて
なる自動変速タイプのトランスミッションを備えた4輪
駆動車についても本発明を適用可能である。
【0039】また、上記実施形態では、フロントデフ3
0の略全周を囲繞するフロントデフケース31をセンタ
デフケース29内に配設した例について説明したが、図
4に示すように、フロントデフケース31´の左側端部
を省略し、センタデフケース29´にフロントデフケー
ス31´の一部を兼ね備えさせた構造としてよい。この
ように構成した場合には、上記フロントデフケース31
´の構造を簡略化して装置全体の重量を効果的に軽量化
することができる。また、図5に示すように、センタデ
フケース31の外周部に入力ギア28´を一体に形成し
た構造としてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、遊星歯
車機構からなる車軸間差動装置および傘歯車機構からな
る第1車輪間差動装置を第1車輪用の第1車軸上におい
て併設状態で設置してデファレンシャルケース内に収容
するとともに、上記車軸間差動装置のリングギアと、上
記第2車輪に対する車軸間差動装置の出力要素との間で
差動制限を行う差動制限装置を上記車軸差動装置から離
れた位置に設置したため、上記デファレンシャルケース
を支持する軸受部材の設置部を、3軸構造とすることが
でき、上記軸受部材による支持部が4軸構造になること
が避けられない従来装置に比べ、構造を簡略化してその
組立て作業を容易に行うことができるとともに、上記軸
受部材に大きな荷重が作用するのを防止して軸受部材の
損傷を効果的に防止できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る4輪駆動車の動力伝達
装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】上記動力伝達装置の要部の構成を示す説明図で
ある。
【図3】上記動力伝達装置の要部の構成を示す断面図で
ある。
【図4】本発明に係る4輪駆動車の動力伝達装置の別の
実施形態を示す図3相当図である。
【図5】本発明に係る4輪駆動車の動力伝達装置のさら
に別の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トランスミッション(変速装置) 3 トランスファ装置(動力伝達装置) 5 クラッチ(駆動力伝達手段) 10,11 前車軸(第1車軸) 12,13 前輪(第1車輪) 15 第2車輪間差動装置 18,19 後輪(第2車輪) 20 センタデフ(車軸間差動装置) 21 リングギア 22,23 ピニオン 26 ピニオンキャリア 27 サンギア 29 センタデフケース(デファレンシャルケース) 30 第1車輪間差動装置(フロントデフ) 40 ビスカスカップリング(差動制限装置) 41 第1トランスファギア(動力伝達部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に横置き状態で搭載されたエンジン
    と、このエンジンの一側端部にクラッチもしくはトルク
    コンバータからなる駆動力伝達手段を介して連結された
    変速装置と、リングギアおよびサンギアとこれらに噛み
    合うピニオンを担持するピニオンキャリアを備えた遊星
    歯車機構からなる車軸間差動装置と、この車軸間差動装
    置から入力された駆動力を前輪または後輪のうちエンジ
    ンに近接した位置に配設された第1車輪に伝達する傘歯
    車機構からなる第1車輪間差動装置と、上記車軸間差動
    装置から入力された駆動力を前輪または後輪のうちエン
    ジンから離れた位置に配設された第2車輪に伝達する第
    2車輪間差動装置と、上記車軸間差動装置および第1車
    輪間差動装置を第1車輪用の第1車軸上において併設状
    態で収容するデファレンシャルケースと、このデファレ
    ンシャルケースの車幅方向の両端部を回転自在に支持す
    る軸受部材と、上記車軸間差動装置から離れた位置にお
    いて第2車輪間差動装置側に駆動力を伝達する動力伝達
    部とを有し、上記変速装置から車軸間差動装置のリング
    ギアに入力された駆動力を、上記サンギアおよびピニオ
    ンキャリアを出力要素として第1車輪間差動装置および
    第2車輪間差動装置側に出力するように構成するととも
    に、上記車軸間差動装置のリングギアと、上記第2車輪
    に対する車軸間差動装置の出力要素との間で差動制限を
    行う差動制限装置を第1車軸上において上記デファレン
    シャルケースから離れた位置に配設したことを特徴とす
    る4輪駆動車の動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 軸間差動装置のピニオンキャリアから第
    1車輪間差動装置に駆動力を出力するとともに、サンギ
    アから第2車輪間差動装置に駆動力を出力するように構
    成したことを特徴とする請求項1記載の4輪駆動車の動
    力伝達装置。
  3. 【請求項3】 上記クラッチもしくはトルクコンバータ
    からなる駆動力伝達手段を収容するハウジングの変速装
    置側にデファレンシャルケースを配設するとともに、上
    記ハウジングのエンジン側に差動制限装置を配設したこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の4輪駆動車の動
    力伝達装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104121349A (zh) * 2014-07-24 2014-10-29 朱恒 带驻车功能的四轮驱动分动箱
KR101538591B1 (ko) * 2014-08-29 2015-07-21 현대위아 주식회사 4륜구동 차량의 디스커넥트 장치
KR101577913B1 (ko) * 2014-11-26 2015-12-28 현대위아 주식회사 하이브리드 차량의 동력 차단장치

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