JPH10100345A - 多層射出成形物 - Google Patents
多層射出成形物Info
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- JPH10100345A JPH10100345A JP8256697A JP25669796A JPH10100345A JP H10100345 A JPH10100345 A JP H10100345A JP 8256697 A JP8256697 A JP 8256697A JP 25669796 A JP25669796 A JP 25669796A JP H10100345 A JPH10100345 A JP H10100345A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高い酸素バリアー性能と低臭低吸着性能を有す
る多層射出成形物を提供することを目的とする。 【解決手段】多層射出成形物の最外側表面となる第１番
目の層と最内側表面層となる第５番目の層がポリオレフ
ィン樹脂、最外側表面層から第２番目の層と最内側表面
層から第４番目の層が接着性樹脂から成り、前記最内側
表面層から第３番目の層が酸素バリアー性を有する樹脂
から成る多層射出成形物の内側表面に低臭低吸着性を有
する熱可塑性樹脂製フィルムが貼着された少なくとも４
種６層の構成の多層射出成形物である。
る多層射出成形物を提供することを目的とする。 【解決手段】多層射出成形物の最外側表面となる第１番
目の層と最内側表面層となる第５番目の層がポリオレフ
ィン樹脂、最外側表面層から第２番目の層と最内側表面
層から第４番目の層が接着性樹脂から成り、前記最内側
表面層から第３番目の層が酸素バリアー性を有する樹脂
から成る多層射出成形物の内側表面に低臭低吸着性を有
する熱可塑性樹脂製フィルムが貼着された少なくとも４
種６層の構成の多層射出成形物である。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は酸素ガスバリアー性
及び遮光性能に優れたプラスチック成形物に関するもの
であり、詳しくは食料品、飲料、化粧品、トイレタリー
用品、医薬品等の酸素ガスバリア性及び保香性能を要求
される内容物を入れるプラスチック製の多層容器または
キャップ、蓋等の多層射出成形物に関するものである。
及び遮光性能に優れたプラスチック成形物に関するもの
であり、詳しくは食料品、飲料、化粧品、トイレタリー
用品、医薬品等の酸素ガスバリア性及び保香性能を要求
される内容物を入れるプラスチック製の多層容器または
キャップ、蓋等の多層射出成形物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】エチレン−ビニルアルコール共重合体
（以下、ＥＶＯＨという）は、酸素等の各種ガスに対す
るバリアー性に最も優れた樹脂の一つであり、食料品、
飲料、化粧品、医薬品等の酸素ガスバリアー性を必要と
する内容物の包装用材料として、用いられている。ＥＶ
ＯＨの酸素ガスバリアー性能は、水分による影響を受
け、吸湿するとＥＶＯＨの酸素ガスバリアー性能は著し
く低下する。したがって、ＥＶＯＨが直接空気中に接し
ないように、ＥＶＯＨは積層構造の中間層としてプラス
チックフィルムやプラスチックボトル等に使用されてい
る。
（以下、ＥＶＯＨという）は、酸素等の各種ガスに対す
るバリアー性に最も優れた樹脂の一つであり、食料品、
飲料、化粧品、医薬品等の酸素ガスバリアー性を必要と
する内容物の包装用材料として、用いられている。ＥＶ
ＯＨの酸素ガスバリアー性能は、水分による影響を受
け、吸湿するとＥＶＯＨの酸素ガスバリアー性能は著し
く低下する。したがって、ＥＶＯＨが直接空気中に接し
ないように、ＥＶＯＨは積層構造の中間層としてプラス
チックフィルムやプラスチックボトル等に使用されてい
る。
【０００３】食品、飲料、化粧品、トイレタリー用品、
医薬医療品等の中には製造および容器への充填から、内
容物が消費されるまでの間で容器に内容物の香気成分、
その他の内容物が必要としている成分が容器に吸着され
たり、あるいは容器の臭気（ポリ臭等）が内容物に移
り、内容物本来の品質を保持することが困難な場合があ
る。
医薬医療品等の中には製造および容器への充填から、内
容物が消費されるまでの間で容器に内容物の香気成分、
その他の内容物が必要としている成分が容器に吸着され
たり、あるいは容器の臭気（ポリ臭等）が内容物に移
り、内容物本来の品質を保持することが困難な場合があ
る。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、食料
品、飲料、化粧品、トイレタリー用品、医薬品の中には
酸素で劣化が進行するだけでなく、容器や蓋に内容物の
成分が吸着されたり容器の臭気が内容物に移ることがあ
るため、酸素を遮断しても内容物成分の容器への吸着や
容器の臭気が内容物に移ることにより結果的に内容物が
劣化してしまうことがある。従来の３種５層構成、ある
いは２種３層構成の多層射出プラスチック容器では酸素
ガスバリアー性能を付与することしかできず、上記の２
つ以上の機能をともに満たすことができなかった。
品、飲料、化粧品、トイレタリー用品、医薬品の中には
酸素で劣化が進行するだけでなく、容器や蓋に内容物の
成分が吸着されたり容器の臭気が内容物に移ることがあ
るため、酸素を遮断しても内容物成分の容器への吸着や
容器の臭気が内容物に移ることにより結果的に内容物が
劣化してしまうことがある。従来の３種５層構成、ある
いは２種３層構成の多層射出プラスチック容器では酸素
ガスバリアー性能を付与することしかできず、上記の２
つ以上の機能をともに満たすことができなかった。
【０００５】本発明は以上のような問題点に着目してな
されたもので、高い酸素バリアー性能と低臭低吸着性能
を有する多層射出成形物を提供することを目的とする。
されたもので、高い酸素バリアー性能と低臭低吸着性能
を有する多層射出成形物を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべく考えられたものであり、請求項１野発明は、多層
射出成形物の最外側表面となる第１番目の層と最内側表
面層から第２番目の層がポリオレフィン樹脂、最外側表
面層の内側にある第２番目の層と第４番目の層が接着性
樹脂から成り、前記最内側表面層から第３番目の層が酸
素バリアー性を有する樹脂から成る多層射出成形体の内
側表面に低臭低吸着性を有する熱可塑性樹脂製フィルム
が貼着され、少なくとも４種６層の構成から成る多層射
出成形物である。請求項２の発明は、容器内側表面に貼
着されたフィルムがポリエステルから成ることを特徴と
する請求項１記載の多層射出成形物である。請求項３の
発明は、容器内側表面に貼着されたフィルムがポリオレ
フィンから成ることを特徴とする請求項１記載の多層射
出成形物である。請求項４の発明は、多層射出成形物の
最外側表面となる第１番目の層と最内側表面層から第５
番目の層がポリスチレン樹脂、最外側表面層から第２番
目の層と最内側表面層から第４番目の層が接着性樹脂か
ら成り、前記最内側表面層から第３番目の層が酸素バリ
アー性を有する樹脂から成る多層射出成形物の内側表面
に低臭低吸着性を有する熱可塑性樹脂製フィルムが貼着
され、４種６層の構成から成る多層射出成形物である。
請求項５の発明は、容器内側表面に貼着されたフィルム
がポリエステルから成ることを特徴とする請求項４記載
の多層射出成形物である。請求項６の発明は、容器内側
表面に貼着されたフィルムがポリオレフィンから成るこ
とを特徴とする請求項４記載の多層射出成形物である。
請求項７の発明は、インモールド多層射出成形法によっ
て成形されたことを特徴とする請求項１乃至請求項６記
載の何れかの多層射出成形物である。
すべく考えられたものであり、請求項１野発明は、多層
射出成形物の最外側表面となる第１番目の層と最内側表
面層から第２番目の層がポリオレフィン樹脂、最外側表
面層の内側にある第２番目の層と第４番目の層が接着性
樹脂から成り、前記最内側表面層から第３番目の層が酸
素バリアー性を有する樹脂から成る多層射出成形体の内
側表面に低臭低吸着性を有する熱可塑性樹脂製フィルム
が貼着され、少なくとも４種６層の構成から成る多層射
出成形物である。請求項２の発明は、容器内側表面に貼
着されたフィルムがポリエステルから成ることを特徴と
する請求項１記載の多層射出成形物である。請求項３の
発明は、容器内側表面に貼着されたフィルムがポリオレ
フィンから成ることを特徴とする請求項１記載の多層射
出成形物である。請求項４の発明は、多層射出成形物の
最外側表面となる第１番目の層と最内側表面層から第５
番目の層がポリスチレン樹脂、最外側表面層から第２番
目の層と最内側表面層から第４番目の層が接着性樹脂か
ら成り、前記最内側表面層から第３番目の層が酸素バリ
アー性を有する樹脂から成る多層射出成形物の内側表面
に低臭低吸着性を有する熱可塑性樹脂製フィルムが貼着
され、４種６層の構成から成る多層射出成形物である。
請求項５の発明は、容器内側表面に貼着されたフィルム
がポリエステルから成ることを特徴とする請求項４記載
の多層射出成形物である。請求項６の発明は、容器内側
表面に貼着されたフィルムがポリオレフィンから成るこ
とを特徴とする請求項４記載の多層射出成形物である。
請求項７の発明は、インモールド多層射出成形法によっ
て成形されたことを特徴とする請求項１乃至請求項６記
載の何れかの多層射出成形物である。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明に使用されるＥＶＯＨは酸素バリアー性能に
最も優れている熱可塑性樹脂の一つであるが、中間層を
なすＥＶＯＨと表面層をなすポリオレフィン系樹脂また
はポリスチレン樹脂とでは相互間の接着力がないため
に、表面層のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂
と中間層のＥＶＯＨの間に接着性樹脂を介在させる必要
がある。すなわち、容器の表面層にポリオレフィン樹
脂、あるいはポリスチレン樹脂を用いた射出成形品に酸
素バリアー性能を付与するために（内側）低臭低吸着フ
ィルム／表面層／接着層／酸素バリアー層／接着層／表
面層といった４種６層の層構成が必要となる。
る。本発明に使用されるＥＶＯＨは酸素バリアー性能に
最も優れている熱可塑性樹脂の一つであるが、中間層を
なすＥＶＯＨと表面層をなすポリオレフィン系樹脂また
はポリスチレン樹脂とでは相互間の接着力がないため
に、表面層のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂
と中間層のＥＶＯＨの間に接着性樹脂を介在させる必要
がある。すなわち、容器の表面層にポリオレフィン樹
脂、あるいはポリスチレン樹脂を用いた射出成形品に酸
素バリアー性能を付与するために（内側）低臭低吸着フ
ィルム／表面層／接着層／酸素バリアー層／接着層／表
面層といった４種６層の層構成が必要となる。
【０００８】また、酸素バリアー性に優れる多層射出成
形物に低吸着性を付与するために容器の内側表面に低吸
着性に優れるポリエステルフィルム、あるいはポリオレ
フィン系の樹脂を使用することが可能であるが、多層射
出成形物の表面層がポリオレフィン系樹脂で低吸着フィ
ルムにポリエステル樹脂を使用する場合には多層射出成
形物とポリエステルフィルムを接着するための接着剤を
使用することが好ましい。さらに、酸素バリアー性能に
より内容物の劣化、変質を抑えるだけでなく、容器自体
に吸着する成分を少なく抑える機能を合わせ持つ高機能
性の多層射出成形物を得ることが可能となった。
形物に低吸着性を付与するために容器の内側表面に低吸
着性に優れるポリエステルフィルム、あるいはポリオレ
フィン系の樹脂を使用することが可能であるが、多層射
出成形物の表面層がポリオレフィン系樹脂で低吸着フィ
ルムにポリエステル樹脂を使用する場合には多層射出成
形物とポリエステルフィルムを接着するための接着剤を
使用することが好ましい。さらに、酸素バリアー性能に
より内容物の劣化、変質を抑えるだけでなく、容器自体
に吸着する成分を少なく抑える機能を合わせ持つ高機能
性の多層射出成形物を得ることが可能となった。
【０００９】多層射出成形物の容器内側表面層に備えら
れた内容物の成分の吸着が小さく、包材臭の少ないフィ
ルムとしてはポリエステル、低密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン樹脂のフィルムが使用可能である。多層射出
成形物の表面樹脂にポリプロピレンを使用した場合には
容器内側表面の低吸着フィルムにポリプロピレンフィル
ムを使用すれば多層射出成形体と低臭低吸着フィルムと
の間に接着性樹脂は必要ないが、多層射出成形物の表面
樹脂がポリプロピレンから成り、低臭低吸着フィルムが
ポリエステル樹脂から成る場合には多層射出成形物と低
臭低吸着フィルムとの間に接着剤が必要となる。多層射
出成形体の表面層の樹脂の選択と、容器内面の低臭低吸
着フィルムの選択は接着剤の使用を含めて、生産コス
ト、内容物への適性によって自由に選択することが可能
である、
れた内容物の成分の吸着が小さく、包材臭の少ないフィ
ルムとしてはポリエステル、低密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン樹脂のフィルムが使用可能である。多層射出
成形物の表面樹脂にポリプロピレンを使用した場合には
容器内側表面の低吸着フィルムにポリプロピレンフィル
ムを使用すれば多層射出成形体と低臭低吸着フィルムと
の間に接着性樹脂は必要ないが、多層射出成形物の表面
樹脂がポリプロピレンから成り、低臭低吸着フィルムが
ポリエステル樹脂から成る場合には多層射出成形物と低
臭低吸着フィルムとの間に接着剤が必要となる。多層射
出成形体の表面層の樹脂の選択と、容器内面の低臭低吸
着フィルムの選択は接着剤の使用を含めて、生産コス
ト、内容物への適性によって自由に選択することが可能
である、
【００１０】多層射出成形物としては表面層がポリオレ
フィン系のものと表面層がポリスチレンのものとが選択
でき、多層射出成形物の内側表面層の設けてある低臭低
吸着フィルムはポリエステル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のフィルムが選択できるが、内容物に応じて要
求される容器としての機能や生産コストによって様々な
組み合わせが可能となり、任意の組み合わせを用いるこ
とができる。
フィン系のものと表面層がポリスチレンのものとが選択
でき、多層射出成形物の内側表面層の設けてある低臭低
吸着フィルムはポリエステル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のフィルムが選択できるが、内容物に応じて要
求される容器としての機能や生産コストによって様々な
組み合わせが可能となり、任意の組み合わせを用いるこ
とができる。
【００１１】内容物が食品や飲料の場合は、近年ではさ
らに高い酸素バリアー性能が要求されており、さらには
高い水蒸気バリアー性能や高い保香性能が要求されてい
る。前述した内容物に対しては、好ましくは多層射出成
形物の表面層にポリプロピレン樹脂を用いて高い水蒸気
バリアー性能を付与し、中間層に酸素バリアー性能に最
も優れる熱可塑性樹脂の一つであり、保香性にも優れる
樹脂であるＥＶＯＨを用い、多層射出成形物の内側表面
層となる低臭低吸着フィルムとしてはポリエステル樹脂
を用い、高い保香性を付与することが可能である。
らに高い酸素バリアー性能が要求されており、さらには
高い水蒸気バリアー性能や高い保香性能が要求されてい
る。前述した内容物に対しては、好ましくは多層射出成
形物の表面層にポリプロピレン樹脂を用いて高い水蒸気
バリアー性能を付与し、中間層に酸素バリアー性能に最
も優れる熱可塑性樹脂の一つであり、保香性にも優れる
樹脂であるＥＶＯＨを用い、多層射出成形物の内側表面
層となる低臭低吸着フィルムとしてはポリエステル樹脂
を用い、高い保香性を付与することが可能である。
【００１２】また、内容物が乳製品や乳飲料の場合は、
多層射出成形物の表面層にポリエチレンあるいはポリス
チレン樹脂を用いて、中間層にＥＶＯＨを用い、射出成
形物の内側表面層となる低臭低吸着フィルムにはポリエ
ステル樹脂を用い、高い保香性を付与することが可能と
なる。好ましくは、多層射出成形物の表面樹脂にポリエ
チレンを用ることがよい。多層射出成形物の表面層にポ
リエチレン樹脂を使用すれば、インモールド多層射出成
形にて成形を行なった場合、多層射出成形物の内側表面
層の低臭低吸着フィルムのポリエチレンフィルムを接着
剤を介在させることなく接着することが可能となる。
多層射出成形物の表面層にポリエチレンあるいはポリス
チレン樹脂を用いて、中間層にＥＶＯＨを用い、射出成
形物の内側表面層となる低臭低吸着フィルムにはポリエ
ステル樹脂を用い、高い保香性を付与することが可能と
なる。好ましくは、多層射出成形物の表面樹脂にポリエ
チレンを用ることがよい。多層射出成形物の表面層にポ
リエチレン樹脂を使用すれば、インモールド多層射出成
形にて成形を行なった場合、多層射出成形物の内側表面
層の低臭低吸着フィルムのポリエチレンフィルムを接着
剤を介在させることなく接着することが可能となる。
【００１３】つまり、本発明の多層射出成形物は酸素バ
リアー性能に加え、低臭低吸着性の二つの機能を有し、
内容物に要求される容器性能を向上させることが可能と
なった。また、多層射出成形方法で製造することによ
り、真空成形等と比較すると、バリ等の成形品以外の無
駄となる材料樹脂を少なく抑えることが可能である。さ
らには内容物の要求する酸素バリアー性は、従来から使
用されている多層射出成形機を用いることで射出量、射
出率、射出開始時間の調整により、表面層、接着層、中
間層の厚さの比率を任意に設定でき、水蒸気バリアー性
においても直接、内容物と接することがないため、任意
の材料を選択できる。また、直接、内容物と接する内面
フィルムは内容物に応じて吸着成分が小さく、かつ内容
物に対して低臭な材料を選択すれば良いため、より幅広
い内容物の要求に応じた多層射出成形物が提供できる。 ＜作用＞本発明の多層射出成形物は、少なくとも４種類
の材料を用いて４種６層の層構成からなる多層射出成形
体の内側表面層に低臭低吸着フィルム層を設けることに
より酸素バリアー性能と低臭低吸着性の二つの機能を射
出成形物に備えることが可能となり、したがって、香気
成分に特徴を持たせた内容物や無臭の内容物等の幅広い
内容物に対応することが可能となった。
リアー性能に加え、低臭低吸着性の二つの機能を有し、
内容物に要求される容器性能を向上させることが可能と
なった。また、多層射出成形方法で製造することによ
り、真空成形等と比較すると、バリ等の成形品以外の無
駄となる材料樹脂を少なく抑えることが可能である。さ
らには内容物の要求する酸素バリアー性は、従来から使
用されている多層射出成形機を用いることで射出量、射
出率、射出開始時間の調整により、表面層、接着層、中
間層の厚さの比率を任意に設定でき、水蒸気バリアー性
においても直接、内容物と接することがないため、任意
の材料を選択できる。また、直接、内容物と接する内面
フィルムは内容物に応じて吸着成分が小さく、かつ内容
物に対して低臭な材料を選択すれば良いため、より幅広
い内容物の要求に応じた多層射出成形物が提供できる。 ＜作用＞本発明の多層射出成形物は、少なくとも４種類
の材料を用いて４種６層の層構成からなる多層射出成形
体の内側表面層に低臭低吸着フィルム層を設けることに
より酸素バリアー性能と低臭低吸着性の二つの機能を射
出成形物に備えることが可能となり、したがって、香気
成分に特徴を持たせた内容物や無臭の内容物等の幅広い
内容物に対応することが可能となった。
【００１４】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて説明する。 ＜実施例１＞多層射出成形体の表面層にポリプロピレ
ン、接着層にポリオレフィン系の接着性樹脂、中間層に
エチレン含有率３８モル％のＥＶＯＨを用い、多層射出
成形物の内側表面層にポリエステルフィルムを接着材を
介して多層射出成形法により４種６層のカップ形状した
容器を成形した。肉厚は０．８ｍｍで、表面積は０．０
１２ｍ2 である。上記構成で得た内容量１７０ｃｃの容
器の酸素透過度をモコン法にて測定した結果は０．００
４ｃｃ／ｐｋｇ／ｄａｙであり、水蒸気透過率はカップ
法により測定した結果は０．１３ｃｃ／ｐｋｇ／ｄａｙ
であった。内容物にオレンジジュースを使用し、２５℃
６５％ＲＨの保存条件下において６カ月間の内容物の保
存試験を行なったところ、オレンジジュースの色は変色
は小さく（充填時との色差ΔＥ＝１以下）、オレンジジ
ュースの香りを保つことができ、オレンジジュースに容
器臭が移ることもなかった。
ン、接着層にポリオレフィン系の接着性樹脂、中間層に
エチレン含有率３８モル％のＥＶＯＨを用い、多層射出
成形物の内側表面層にポリエステルフィルムを接着材を
介して多層射出成形法により４種６層のカップ形状した
容器を成形した。肉厚は０．８ｍｍで、表面積は０．０
１２ｍ2 である。上記構成で得た内容量１７０ｃｃの容
器の酸素透過度をモコン法にて測定した結果は０．００
４ｃｃ／ｐｋｇ／ｄａｙであり、水蒸気透過率はカップ
法により測定した結果は０．１３ｃｃ／ｐｋｇ／ｄａｙ
であった。内容物にオレンジジュースを使用し、２５℃
６５％ＲＨの保存条件下において６カ月間の内容物の保
存試験を行なったところ、オレンジジュースの色は変色
は小さく（充填時との色差ΔＥ＝１以下）、オレンジジ
ュースの香りを保つことができ、オレンジジュースに容
器臭が移ることもなかった。
【００１５】＜比較例１＞多層射出成形体の表面層にポ
リプロピレン、接着層にポリオレフィン系の接着性樹
脂、中間層にエチレン含有率３８モル％のＥＶＯＨを上
記実施例と同じ材料構成を用いて、多層射出成形物の内
側表面には低臭低吸着フィルムを備えずに４種６層のカ
ップ形状した容器を成形した。肉厚は０．８ｍｍで、表
面積は０．０１２ｍ2 である。上記構成で得た内容量１
７０ｃｃの容器の酸素透過度をモコン法にて測定した結
果は０．００４ｃｃ／ｐｋｇ／ｄａｙであり、水蒸気透
過率はカップ法により測定した結果は０．１３ｃｃ／ｐ
ｋｇ／ｄａｙであった。内容物にオレンジジュースを使
用し、２５℃６５％ＲＨの保存条件下において６カ月間
の内容物の保存試験を行なったところ、オレンジジュー
スの香りは上記実施例で使用した多層射出成形物で保存
試験を行なった結果、オレンジジュースの色は変色は小
さいが（充填時との色差ΔＥ＝１以下）、オレンジジュ
ースの本来の香りは低下し、さらには容器臭がオレンジ
ジュースに移っていた。
リプロピレン、接着層にポリオレフィン系の接着性樹
脂、中間層にエチレン含有率３８モル％のＥＶＯＨを上
記実施例と同じ材料構成を用いて、多層射出成形物の内
側表面には低臭低吸着フィルムを備えずに４種６層のカ
ップ形状した容器を成形した。肉厚は０．８ｍｍで、表
面積は０．０１２ｍ2 である。上記構成で得た内容量１
７０ｃｃの容器の酸素透過度をモコン法にて測定した結
果は０．００４ｃｃ／ｐｋｇ／ｄａｙであり、水蒸気透
過率はカップ法により測定した結果は０．１３ｃｃ／ｐ
ｋｇ／ｄａｙであった。内容物にオレンジジュースを使
用し、２５℃６５％ＲＨの保存条件下において６カ月間
の内容物の保存試験を行なったところ、オレンジジュー
スの香りは上記実施例で使用した多層射出成形物で保存
試験を行なった結果、オレンジジュースの色は変色は小
さいが（充填時との色差ΔＥ＝１以下）、オレンジジュ
ースの本来の香りは低下し、さらには容器臭がオレンジ
ジュースに移っていた。
【００１６】＜比較例２＞実施例で使用したポリプロピ
レン樹脂を使用して肉厚は０．８ｍｍで、表面積は０．
０１２ｍ2 の実施例と同形状のカップ型の容器を成形し
た。本構成で得た内容量１７０ｃｃの容器の酸素透過度
をモコン法にて測定した結果は０．２ｃｃ／ｐｋｇ／ｄ
ａｙであり、水蒸気透過率はカップ法により測定した結
果は０．１０ｃｃ／ｐｋｇ／ｄａｙであった。内容物に
オレンジジュースを使用し、２５℃６５％ＲＨの保存条
件下において６カ月間の内容物の保存試験を行なった結
果、オレンジジュースの色は充填時と比較して大きく変
色（充填時との色差ΔＥ＝６程度）し、香りは低下して
いた。
レン樹脂を使用して肉厚は０．８ｍｍで、表面積は０．
０１２ｍ2 の実施例と同形状のカップ型の容器を成形し
た。本構成で得た内容量１７０ｃｃの容器の酸素透過度
をモコン法にて測定した結果は０．２ｃｃ／ｐｋｇ／ｄ
ａｙであり、水蒸気透過率はカップ法により測定した結
果は０．１０ｃｃ／ｐｋｇ／ｄａｙであった。内容物に
オレンジジュースを使用し、２５℃６５％ＲＨの保存条
件下において６カ月間の内容物の保存試験を行なった結
果、オレンジジュースの色は充填時と比較して大きく変
色（充填時との色差ΔＥ＝６程度）し、香りは低下して
いた。
【００１７】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
多層射出成形物は上記の様に構成したものであり、少な
くとも４種類の成形材料を用いて６層の構成を有してい
るため、高い酸素バリアー性能と低臭低吸着性能の二つ
の機能を射出成形物に付与することが可能となり、従来
以上に幅広い内容物に対応できることが可能となった。
さらには材料の無駄が少なく生産工程が少ないことから
機能性を有する多層プラスチック容器を生産コストを低
く抑えて提供することができる。
多層射出成形物は上記の様に構成したものであり、少な
くとも４種類の成形材料を用いて６層の構成を有してい
るため、高い酸素バリアー性能と低臭低吸着性能の二つ
の機能を射出成形物に付与することが可能となり、従来
以上に幅広い内容物に対応できることが可能となった。
さらには材料の無駄が少なく生産工程が少ないことから
機能性を有する多層プラスチック容器を生産コストを低
く抑えて提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ // Ｂ２９Ｌ 9:00 22:00
Claims (7)
- 【請求項１】多層射出成形物の最外側表面となる第１番
目の層と最内側表面層から第２番目の層がポリオレフィ
ン樹脂、最外側表面層の内側にある第２番目の層と第４
番目の層が接着性樹脂から成り、前記最内側表面層から
第３番目の層が酸素バリアー性を有する樹脂から成る多
層射出成形体の内側表面に低臭低吸着性を有する熱可塑
性樹脂製フィルムが貼着され、少なくとも４種６層の構
成から成る多層射出成形物。 - 【請求項２】容器内側表面に貼着されたフィルムがポリ
エステルから成ることを特徴とする請求項１記載の多層
射出成形物。 - 【請求項３】容器内側表面に貼着されたフィルムがポリ
オレフィンから成ることを特徴とする請求項１記載の多
層射出成形物。 - 【請求項４】多層射出成形物の最外側表面となる第１番
目の層と最内側表面層から第５番目の層がポリスチレン
樹脂、最外側表面層から第２番目の層と最内側表面層か
ら第４番目の層が接着性樹脂から成り、前記最内側表面
層から第３番目の層が酸素バリアー性を有する樹脂から
成る多層射出成形物の内側表面に低臭低吸着性を有する
熱可塑性樹脂製フィルムが貼着され、４種６層の構成か
ら成る多層射出成形物。 - 【請求項５】容器内側表面に貼着されたフィルムがポリ
エステルから成ることを特徴とする請求項４記載の多層
射出成形物。 - 【請求項６】容器内側表面に貼着されたフィルムがポリ
オレフィンから成ることを特徴とする請求項４記載の多
層射出成形物。 - 【請求項７】インモールド多層射出成形法によって成形
されたことを特徴とする請求項１乃至請求項６記載の何
れかの多層射出成形物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8256697A JPH10100345A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 多層射出成形物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8256697A JPH10100345A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 多層射出成形物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10100345A true JPH10100345A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17296227
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8256697A Pending JPH10100345A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 多層射出成形物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10100345A (ja) |
-
1996
- 1996-09-27 JP JP8256697A patent/JPH10100345A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050418 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050426 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050927 |