JPH0999297A - 排煙脱硫廃水の処理方法 - Google Patents

排煙脱硫廃水の処理方法

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JPH0999297A
JPH0999297A JP7257707A JP25770795A JPH0999297A JP H0999297 A JPH0999297 A JP H0999297A JP 7257707 A JP7257707 A JP 7257707A JP 25770795 A JP25770795 A JP 25770795A JP H0999297 A JPH0999297 A JP H0999297A
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acid
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gas desulfurization
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JP7257707A
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Naoyuki Uejima
直幸 上島
Nobuhiro Honda
伸裕 本田
Heian Nakagawa
平安 中川
Tetsuya Ito
哲也 伊藤
Hideki Kamiyoshi
秀起 神吉
Atsumasa Endou
篤昌 遠藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼排ガス中の酸化硫黄ガスを石灰−石膏法
による湿式排煙脱硫するときに排出される排水のジチオ
ン酸およびアンモニアを含む生物学処理方法に関する。 【解決手段】 ジチオン酸を含む排煙脱硫廃水にチオ硫
酸塩または硫化物のような還元剤を混合して還元処理し
たのち、硫黄単体または硫黄化合物の存在下で活性汚泥
処理する排煙脱硫廃水の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃焼排ガス中の酸化
硫黄ガスを石灰−石膏法による湿式排煙脱硫処理すると
きに排出される排水のジチオン酸およびアンモニアを含
む生物学的処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石油・石炭などの燃焼排ガスは石灰−石
膏法脱硫装置により、煤塵および硫黄酸化物などが除去
されたのち清浄ガスとして放出されるが、冷却・吸収液
である脱硫石膏スラリは石膏シックナや石膏分離機によ
って脱硫石膏と脱硫廃水に分離される。脱硫廃水には燃
焼排ガス中の燃焼灰や反応生成した石膏などの懸濁物質
(以下、SSという)、溶解金属、アンモニア性窒素、
硝酸性窒素、ジチオン酸起因の化学的酸素要求量(以
下、CODという)や有機物起因のCODなどの汚濁物
質を含んでいる。したがって、この性状のまま公共水域
に放流することはできず、無害化するための処理が必要
である。特にジチオン酸起因のCODは難分解性物質
で、処理が極めて困難であったが、アンモニア性窒素と
ジチオン酸を同時に生物学的処理する方法が提案された
(特公昭56−39960号公報、特公昭56−496
38号公報)。
【0003】上記特公昭56−39960号公報に開示
された方法に、チオシアンを主栄養源とする活性汚泥を
好気的条件下で生育させてチオシアンを硫酸イオンと硝
酸イオンに酸化させた後、該活性汚泥中にジチオン酸お
よびアンモニアを含む廃水を流入させ、ジチオン酸を硫
酸にまで、アンモニアを硝酸にまでそれぞれ酸化させる
ことを特徴とするジチオン酸およびアンモニアを含む廃
水の生物学的処理方法であり、特公昭56−49638
号公報に開示された方法は、チオシアンおよび/または
チオ硫酸を主栄養源として活性汚泥を好気的条件下で生
育させた後、該活性汚泥中にポリチオン酸含有廃水およ
びチオシアンおよび/またはチオ硫酸を流入させ、好気
的条件下で上記ポリチオン酸を硫酸にまで生物酸化処理
し、該ポリチオン酸の処理が確認された後、上記チオシ
アンおよび/またはチオ硫酸の流入量を段階的に減少さ
せることを特徴とするポリチオン酸含有廃水の生物学的
処理方法である。
【0004】排煙脱硫廃水をこのように生物処理する場
合、通常廃水中のSSは予め除去しておく。例えば、ポ
リ塩化アルミニウム(PAC)または塩化第二鉄を該廃
水に添加し、中性域で凝集沈殿処理したのち活性汚泥処
理する。
【0005】しかしこれらの方法で前処理しても、アン
モニアの除去に問題はないが、ジチオン酸の除去率が極
めて低いという問題があった。すなわち、硫黄酸化細菌
群を含む活性汚泥で実廃水を処理した場合、ジチオン酸
の処理性が不安定となり、ついにはジチオン酸がほとん
ど除去されなくなるという欠点があった。
【0006】それを克服するため、実廃水の前処理法と
して、アルカリ性凝集沈殿処理、アニオン性イオン交換
樹脂による脱イオン処理、活性炭吸着処理などのうち、
活性炭吸着処理が有効であることが提案された(特公平
1−41115号公報)。これは、該廃水に対して活性
炭を通常0.5〜4g/リットル程度、望ましくは0.
5〜2g/リットルを添加し、通常3〜24時間程度、
望ましくは5〜10時間接触させたのち活性汚泥処理す
る方法である。この方法によると、排煙脱硫廃水などに
含まれるジチオン酸生物分解を阻害する物質が活性炭吸
着処理で予め除去されるため、アンモニア性窒素だけで
なくジチオン酸をほぼ完全に分解できる。しかし阻害物
質が何であるか、阻害物質を除去するメカニズムは全く
不明であった。
【0007】そして、従来の活性炭吸着による前処理の
場合、下記のような問題、すなわち、(1)従来より、
活性炭吸着工程は通常廃水処理工程の後流側に設け、ポ
リッシャ(仕上げ処理)として使用される。それに比べ
て排煙脱硫廃水の場合、凝集沈殿処理したのち処理工程
の比較的上流側で活性炭吸着処理してから活性汚泥処理
しなければならない。排煙脱硫廃水中の有機物起因のC
ODなどが比較的高濃度のとき活性炭が失活(劣化)し
やすく、そのために活性炭の交換頻度が増加して、その
処分が負担となる。(2)活性炭吸着処理が活性炭吸着
塔や攪拌吸着の何れの方式であっても、吸着処理に要す
る処理時間が長く、設備規模が大きくなるという問題が
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記技術水準
に鑑み、ジチオン酸の生物分解阻害物質を比較的簡単な
手段で除去し、排煙脱硫廃水を生物学的処理方法で処理
し、該廃水中のアンモニア性窒素のみならずジチオン酸
をほゞ完全に除去する方法を提供しようとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは湿式排煙脱
硫廃水に含まれるジチオン酸の生物分解阻害物質が酸化
性物質(ペルオキソ二硫酸)であることを見出し、この
物質を除去すれば生物学的処理(活性汚泥処理)でジチ
オン酸を安定して除去することができることを確認し
た。本発明はこの知見に基づいて完成されたものであ
る。
【0010】すなわち、本発明は(1)ジチオン酸を含
む排煙脱硫廃水に還元剤を混合して還元処理したのち、
活性汚泥処理することを特徴とする排煙脱硫廃水の処理
方法、(2)還元剤がチオ硫酸塩または硫化物であるこ
とを特徴とする上記(1)記載の排煙脱硫廃水の処理方
法、(3)活性汚泥処理を硫黄単体または硫黄化合物の
共存下で行うことを特徴とする上記(1)または(2)
記載の排煙脱硫廃水の処理方法、(4)硫黄化合物がチ
オ硫酸塩、硫化物、チオシアン酸塩のうちの少なくとも
一つであることを特徴とする上記(3)記載の排煙脱硫
廃水の処理方法、(5)活性汚泥処理が硝化工程および
脱窒工程を含むことを特徴とする上記(1)〜(4)の
何れかに記載の排煙脱硫廃水の処理方法及び(6)活性
汚泥処理の固液分離工程を中空系膜分離で行うことを特
徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載の排煙脱硫
廃水の処理方法である。
【0011】(作用) (1)排煙脱硫廃水中に含まれるジチオン酸の生物分解
阻害物質であるペルオキソ二硫酸(S2 8 2-)は還元
剤、すなわちチオ硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、
カルシウム塩など)または硫化物(ナトリウム塩、カリ
ウム塩、カルシウム塩、各種金属塩)によって還元され
て、硫黄酸化細菌のジチオン酸分解能力を阻害しなくな
る。なお、上記還元剤としては経済性の面からチオ硫酸
ナトリウム、硫化ナトリウム、硫化鉄などが好ましい。
【0012】(2)チオ硫酸塩(S2 3 2-)による還
元処理の場合、ペルオキソ二硫酸(S 2 8 2-)は硫酸
塩(SO4 2-)と4チオン酸塩(S4 6 2-)に分解さ
れる。この4チオン酸塩(S4 6 2-)はCOD成分と
して検出される。また硫化物(S2-)による還元処理の
場合、ペルオキソ二硫酸(S2 8 2-)は硫酸塩(SO
4 2-)と硫黄単体(S0 )に分解される。
【0013】
【化1】 S2 8 2-+2S2 3 2- → 2SO4 2-+S4 6 2- (1) S2 8 2-+ S2- → 2SO4 2-+ S0 (2)
【0014】(3)ジチオン酸塩、ペルオキソ二硫酸の
分解生成物である4チオン酸(S4 6 2-)または硫黄
単体(S0 )はチオ硫酸塩、硫化物、チオシアン酸塩
(ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩)などの硫
黄化合物の共存下で、硫黄酸化細菌によって酸化分解さ
れて硫酸塩となる。これに並行して、硫黄単体、チオ硫
酸塩、硫化物も硫酸塩となり、チオシアン酸塩の場合は
硫酸塩とアンモニウム塩となる。
【0015】(4)上記生物反応と並行して、廃水中の
アンモニア性窒素またはチオシアン酸塩由来のアンモニ
ア性窒素は硝化菌によって亜硝酸性窒素、硝酸性窒素に
なる。
【0016】(5)亜硝酸性窒素、硝酸性窒素は脱窒菌
によって還元されて、窒素ガスになる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一実施態様を図1により
詳しく説明する。アンモニア性窒素とジチオン酸を含む
脱硫廃水1は凝集沈殿工程2に流入し、該工程でSS除
去される(Ca除去が併用されることもある)。なお、
その際pH調整のため、単なるSS除去ではほぼ中性域
で、溶解金属を多く含むときはpH9〜10で処理する
こともある。なお、pH調整剤(酸、アルカリ)、凝集
剤、凝集助剤、さらにCa除去の場合には炭酸ソーダな
どが適宜注入され、固液分離される(図示省略)。なお
脱硫廃水1中のペルオキソ二硫酸は該工程の中性域また
はアルカリ性凝集沈殿によってはほとんど除去されず、
凝集沈殿処理水3に残存して次の還元工程4に流入す
る。因みに脱硫廃水1中のペルオキソ二硫酸はJISの
残留塩素分析法であるジエチル−p−フェニレンジアミ
ン比色方法(以下、DPD法という)で検出することが
できる。
【0018】還元工程4では還元剤5と酸6が添加され
て還元処理される。還元剤5として、チオ硫酸塩、硫化
物の何れも使用でき、その添加量はペルオキソ二硫酸
(DPD法による測定値)に対して同一当量以上であれ
ばよく、また還元工程4の酸化還元電位(ORP)制御
することにより調整することもできる。この場合、OR
P制御電位は400mV以下、好ましくは300mV以
下となるように還元剤5の添加量を制御する。
【0019】また凝集沈殿工程2でpH9〜10で処理
する場合は、還元工程4における凝集沈殿処理水3と還
元剤5の混合液のpHが5〜7となるように酸6で調整
する。酸6としては塩酸、硫酸などの鉱酸が使用でき
る。なおpHが低いほど反応時間が短く、設備規模も小
さくて済むが、後段での適正pHの調整に要するアルカ
リ量が多くなるため、通常はpH5〜7が好ましい。こ
の混合液の反応時間は通常5〜30分間、好ましくは1
0〜20分間である。
【0020】これによってペルオキソ二硫酸はほぼ完全
に分解され、還元剤5は当量分が硫酸塩と硫黄化合物ま
たは硫黄単体となる。還元処理水7は次の活性汚泥処理
の硝化工程8に流入する。硝化工程8には、pH7〜8
に調整するためのアルカリ9が注入され、またジチオン
酸分解のための栄養剤10が供給される。栄養剤10と
しては、硫黄単体、チオ硫酸塩、硫化物、チオシアン酸
塩が使用できる。栄養剤10の添加量は、例えばチオ硫
酸塩、チオシアン酸塩の場合、ジチオン酸との重量比
(チオ硫酸塩またはチオシアン酸塩/ジチオン酸)で通
常0.5〜2、好ましくは0.7〜1.2、硫黄単体、
硫化物の場合、ジチオン酸との重量比(硫黄単体または
硫化物/ジチオン酸)で通常0.5〜2、好ましくは1
〜1.5である。場合によっては、さらに減少させた
り、段階的に減少させることも可能である。
【0021】特に還元工程4での還元剤5にチオ硫酸塩
または硫化物を用いるときは、次式によって還元剤5の
量を添加すれば、硝化工程8での栄養剤10の添加はし
なくてよい。
【0022】
【数1】 (還元工程での添加量)=(ペルオキソ二硫酸還元処理用添加量) +(ジチオン酸分解用添加量) (3)
【0023】さらに硝化工程8では好気的条件を維持す
るため、空気11が供給される。この時の空気の供給量
は通常溶存酸素(以下、DOという):2ppm以上が
必要である。ここで廃水中のジチオン酸は酸化されて硫
酸になるとともに、添加したチオ硫酸塩、硫化物、チオ
シアン酸塩も硫酸に酸化される。またアンモニア性窒素
は亜硝酸性窒素、硝酸性窒素に硝化されて、硝化処理水
12が脱窒工程13に流入する。なお、還元処理水7に
生物代謝に必要なリンなどが不足する場合は、それらを
供給する必要がある。
【0024】硝化工程8に続いて行われる脱窒工程13
にはメタノール14が注入され、嫌気的条件下で亜硝酸
性窒素および硝酸性窒素が脱窒菌の作用を受けて窒素ガ
スに脱窒される。メタノール14の添加量は硝酸性窒素
との重量比(メタノール/硝酸性窒素)で通常1.9〜
3でよい。この工程で処理された脱窒処理水15は次の
生物酸化工程16に流入するが、アルカリ添加量節減の
ために硝化工程8へ再循環することも可能である。
【0025】生物酸化工程16では、好気的条件を維持
するため空気11が供給される。このとき空気供給量は
通常DO:2ppm以上が必要である。脱窒処理水15
に残存したメタノールはメタノール酸化菌(BOD酸化
菌)によって炭酸ガスと水に分解する。そののち、活性
汚泥と処理水を自然沈降によって固液分離し、処理水は
生物酸化処理水17として系外に排出され、活性汚泥の
一部量は余剰汚泥として系外に排出され、大部分量は回
収されて活性汚泥として再利用される。
【0026】なお硝化工程8、脱窒工程13および生物
酸化工程16での処理法として、それぞれ標準活性汚泥
法のほか、固定床式、流動床式などの何れの方法も用い
ることができる。また脱硫廃水1中の有機物起因のCO
D濃度が高いときは、生物酸化処理水17を中性凝集沈
殿処理し、必要ならば砂ろ過処理したあと、活性炭吸着
処理によって工業用水の有機物起因のCOD濃度を低減
することもできる(図示省略)。
【0027】なお生物酸化工程16における活性汚泥と
処理水の固液分離法として、図2または図3に示す膜分
離を適用することができる。
【0028】図2は生物酸化槽16aに直接浸漬させる
浸漬型中空糸膜による固液分離装置で、脱窒処理水15
が生物酸化槽16aに供給される。生物酸化槽16aに
は中空糸膜18aが配備され、ろ過ポンプ21で中空糸
膜18aを吸引して透過液(生物酸化処理水17a)と
なる。中空糸膜18aは直径300μmのポリエチレン
製の繊維状の中空糸(細孔径0.1μm)を束ねたもの
で、高い固形物濃度の廃水に直接浸漬して吸引(減圧)
ろ過して、その透過液の固形物濃度を0.2mg/リッ
トル以下にすることができる。
【0029】中空糸膜18aの下部には散気装置19を
設けて、常時空気11などの気体を噴出させることによ
り中空糸膜18aを振動させるとともに、生物汚泥16
bの混合を行う。これによって中空糸膜18aへの固形
物の付着蓄積が防止できる。空気11の流量は固形物濃
度によって変わるが、生物酸化槽16aの横断面積1m
2 に対して0.02m3 /min以上であればよい。こ
の中空糸膜18aによって阻止された生物汚泥16bは
生物酸化槽16a内で濃縮され、その一部は余剰汚泥2
3として系外に排出される。なおこの中空糸膜18aは
ろ過を継続しても、ろ過差圧の上昇は比較的少なく、特
にろ過と停止を交互に繰返す間欠運転の場合は長時間逆
洗は不要である。逆洗を行う場合は生物酸化処理水17
aでろ過と逆方向に加圧水を供給して(図示省略)、中
空糸膜18aの細孔を閉塞させた粒子を除去すればよ
い。
【0030】また図3は生物酸化槽16aの槽外に設置
する中空糸膜型固液分離装置で、脱窒処理水15が生物
酸化槽16aに供給される。生物汚泥16bは循環ポン
プ22で中空糸膜18bに供給される。中空糸膜18b
には複数の中空糸膜が配備されており、生物汚泥16b
は循環ポンプ22によって加圧され、中空糸膜でろ過さ
れ、透過液(生物酸化処理水17a)が得られる。一方
固形物が濃縮された液は循環スラリ20として生物酸化
槽16aに戻される。
【0031】中空糸膜18bは直径350μmのポリプ
ロピレン製の繊維状の中空糸(細孔径0.2μm)を束
ねたもので、高い固形物濃度の廃水を直接加圧ろ過する
ことができ、その透過液の固形物濃度を0.4mg/リ
ットル以下にすることができる。廃水のろ過を継続する
と中空糸膜18bのろ過差圧が上昇する。そのため加圧
空気24で、ろ過と逆方向に短時間加圧してろ過液を逆
流させ、その際生じた逆洗スラリは循環スラリ(図示省
略)とともに生物酸化槽16aに戻られる。この逆洗操
作は間欠的に行う。固形物濃度によって逆洗操作の間隔
は異なるが、通常5〜15分間に1回逆洗し、逆洗時間
は1回あたり2〜3分間である。
【0032】このように生物酸化工程16で膜分離すれ
ば、生物酸化処理水17aのSSが低濃度となるため、
中性凝集沈殿および砂ろ過処理することなく、直ちに活
性炭処理することが可能となる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例をあげ、本発
明の効果を明らかにする。
【0034】(実施例1)表1に脱硫廃水の性状を示
す。ペルオキソ二硫酸はDPD法によって測定した。こ
の廃水に塩化第二鉄200mg/リットルを加え、p
H:7で凝集沈殿処理した。この処理水中のペルオキソ
二硫酸は全く除去されていなかった。この処理水に、チ
オ硫酸ソーダまたは硫化ソーダをそれぞれほぼ当量分注
入し、塩酸でpH:5、7、9にそれぞれ設定し、攪拌
しながらペルオキソ二硫酸濃度の経時変化を求めた結果
を表2に示す。表2からチオ硫酸と硫化ソーダともに、
pH:5〜7、時間:5分間でペルオキソ二硫酸は除去
されることが判明した。このORP制御電位はそれぞれ
300、100mVであった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】 注) * DPD法による測定値
【0037】表1に示す性状の脱硫廃水を、上記に示す
ペルオキソ二硫酸が除去される反応条件と同様にして、
チオ硫酸ソーダ450ppm(S2 3 2-として)、p
H:7、反応時間:15分間で還元処理した。この処理
水を、別にチオ硫酸塩にて馴養しておいた硫黄酸化細菌
群を含む活性汚泥を用いて、図1に示すフローで、ジチ
オン酸(S2 6 2-)負荷0.2kg/m3 ・dとなる
ように供給し、チオ硫酸とジチオン酸の重量比が1とな
るようにチオ硫酸ソーダを加えた。処理水のジチオン酸
濃度は、それまでと同様5mg/リットル以下であっ
た。そこで、ジチオン酸(S2 6 2-)負荷0.4kg
/m3 ・dとなるように徐々に上昇させても、処理水の
ジチオン酸濃度は安定して5mg/リットル以下を維持
することができた。このときの処理水T−N濃度は安定
して10mg/リットル以下が得られた。なお、チオ硫
酸の代わりにチオシアン酸塩を同一重量比添加した場合
も同じような結果が得られた。
【0038】(実施例2)また表1に示す性状の脱硫廃
水に、ペルオキソ二硫酸還元用:450ppmとジチオ
ン酸処理用:250ppmの合計量であるチオ硫酸ソー
ダ:700ppm(S2 3 2-として)を添加し、p
H:7、反応時間:15分間で還元処理した処理水を、
前記条件と同様にして図1に示すフローの活性汚泥処理
に供給した。このとき、図1に示すフローの硝化工程8
におけるチオ硫酸塩またはチオシアン酸塩は添加しなか
った。
【0039】その結果、前記と同様、ジチオン酸(S2
6 2-)負荷0.4kg/m3 ・dでも処理水のジチオ
ン酸濃度は安定して5mg/リットル以下を維持するこ
とができ、T−N濃度も安定して10mg/リットル以
下が得られた。
【0040】(実施例3)表1に示す性状の脱硫廃水
を、硫化ソーダ:70ppm(S2-として)、pH:
7、反応時間:15分間で処理した処理水を、実施例1
と同様の条件で供給し、図1に示すフローでジチオン酸
処理した。その結果実施例2と同様に、ジチオン酸濃度
は5mg/リットル以下、T−N濃度は10mg/リッ
トル以下の処理水が安定して得られた。
【0041】また表1に示す性状の脱硫廃水に、ペルオ
キソ二硫酸還元用:70ppmとジチオン酸処理用:3
80ppmの合計量である硫化ソーダ:450ppm
(S2-として)を添加し、pH:7、反応時間:15分
間で還元処理した処理水を、実施例2と同じように図1
に示すフローの活性汚泥処理に供給した。このとき、図
1に示すフローの硝化工程8におけるチオ硫酸塩または
硫化ソーダは添加しなかったが、硫化物を液中に固定す
るために硫化ソーダ添加量と当量の塩化第二鉄を添加し
た。その結果、前記と同様、ジチオン酸(S2 6 2-
負荷0.4kg/m3 ・dでも処理水のジチオン酸濃度
は安定して5mg/リットル以下を維持することがで
き、T−N濃度も安定して10mg/リットル以下が得
られた。
【0042】(実施例4)実施例1の還元剤としてチオ
硫酸ソーダを使用する方法において、図2に示すように
生物酸化槽16aにポリエチレン中空糸膜(三菱レーヨ
ン製、細孔径0.1μm)を浸漬させ、ろ過速度:10
リットル/m3 /h、10分間吸引、1分間停止の間欠
吸引ろ過をした。その間の散気用の空気量は装置断面積
1m2 に対し0.02m3 /minを供給した。ろ過差
圧は当初の8kPaであったが、ろ過開始後5000時
間を経ても10〜12kPaとほとんど変わらなかっ
た。この透過液(処理水)の水質はジチオン酸濃度は5
mg/リットル以下、T−N濃度は10mg/リットル
以下の処理水が安定して得られ、SS濃度は常に1mg
/リットル以下であった。
【0043】(実施例5)実施例3において、図3に示
すようにポリプロピレン製中空糸膜(日本メムテック
製、細孔径0.1μm)を用いて、ろ過速度:60リッ
トル/m3 /hの定流量加圧ろ過をした。ろ過差圧が一
定となるように、10分ごとに一回、2.5分間の空気
逆洗を行った。逆洗圧力は10kPaとした。その結
果、ろ過差圧はろ過開始後4000時間を経ても当初の
10〜15kPaと大差なかった。この透過液(処理
水)の水質はジチオン酸濃度は5mg/リットル以下、
T−N濃度は10mg/リットル以下の処理水が安定し
て得られ、SS濃度は常に0.5mg/リットル以下で
あった。
【0044】(比較例1)表1の脱硫廃水を、アルカリ
凝集沈殿処理(pH:10)した処理水の水質は表1に
示す水質とほぼ同じで、ペルオキソ二硫酸は全く処理さ
れていなかった。その処理水を別にチオ硫酸塩にて馴養
しておいた硫黄酸化細菌群を含む活性汚泥に、ジチオン
酸(S2 6 2-)負荷0.2kg/m3 ・dとなるよう
に供給し、チオ硫酸とジチオン酸の重量比が1となるよ
うにチオ硫酸ソーダを加えた。それまで処理水中のジチ
オン酸濃度が5mg/リットル以下であったのが徐々に
上昇し、やがては表1の脱硫廃水と同じ250mg/リ
ットルとなって全く処理されなくなった。そこでジチオ
ン酸(S2 6 2-)負荷を下げたが回復する傾向は全く
なかった。しかしこのとき汚泥の凝集に変化はなく、ア
ンモニア及びチオ硫酸は処理されているため、ペルオキ
ソ二硫酸は硫黄酸化細菌群のジチオン酸(S 2 6 2-
分解に特異的に阻害するものと考えられる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ジチオン酸を含む排煙
脱硫廃水に対して次の効果が得られる。
【0046】(1)排煙脱硫廃水中の酸化性物質は中性
域またはアルカリ性凝集沈殿によっては、ほとんど除去
されず凝集沈殿処理水に残存する。これに対し、本発明
では酸化性物質はほぼ完全に除去される。これによって
ジチオン酸の生物分解に対する阻害がなくなり、安定し
たジチオン酸の生物処理性能が得られる。
【0047】(2)排煙脱硫廃水に含まれるジチオン酸
の生物分解阻害物質の除去法として従来より活性炭吸着
処理がある。その場合排煙脱硫廃水中の有機物起因のC
ODによって活性炭が失活しやすく、そのため活性炭の
交換頻度が増加し、その処分が負担となる。本発明はこ
のような問題を解消でき、交換操作が不要となる。また
活性炭吸着処理は処理時間が長く設備規模が大きくなる
という課題があったが本発明によれば比較的短時間で処
理可能で、設備規模も小さくなる。
【0048】(3)本発明では、チオ硫酸または硫化物
は還元剤としてだけでなく、ジチオン酸処理の栄養剤と
しても利用される。特に還元工程で添加した過剰の還元
剤やその反応生成物(硫黄単体または硫黄化合物)は、
CODに出現するため、還元工程の後処理が必要とな
る。しかし本発明では、これらの過剰の還元剤やその反
応生成物が後段の生物処理で酸化分解されて、CODが
除去されるだけでなく、ジチオン酸処理にも無駄なく利
用できるため、すこぶる技術的・経済的効果が高い。ま
た薬品注入装置(還元剤および栄養剤用)を集約するこ
とができ、設備面積も少なくて済む。
【0049】(4)硫黄酸化細菌および硝化菌の増殖量
は脱窒菌やメタノール酸化菌(BOD酸化菌)の増殖量
に比べて小さく、脱硫廃水の性状、特にT−N濃度とジ
チオン酸の比によっては、活性汚泥濃度、特に硫黄酸化
細菌量を保持するのが難しい場合がある。本発明の場
合、生物酸化工程で膜分離することにより、硫黄酸化
菌、硝化菌および脱窒菌を確実に回収することができる
ため、活性汚泥濃度を容易に維持することが可能とな
る。それによってジチオン酸および硝化処理を安定化さ
せることができる。また生物酸化処理水のSS濃度が極
めて低くなるため、中性凝集沈殿および砂ろ過処理する
必要がなく、直ちに活性炭処理することが可能となる。
そのため設置面積および薬品量の低減に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱硫廃水処理の工程説明図。
【図2】本発明の実施例4に係わる中空糸膜による固液
分離装置。
【図3】本発明の実施例5に係わる中空糸膜による固液
分離装置。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/44 C02F 1/44 E 1/70 1/70 Z 3/12 3/12 V N 3/34 101 3/34 101A (72)発明者 伊藤 哲也 兵庫県神戸市兵庫区小松通五丁目1番16号 株式会社神菱ハイテック内 (72)発明者 神吉 秀起 兵庫県神戸市兵庫区小松通五丁目1番16号 株式会社神菱ハイテック内 (72)発明者 遠藤 篤昌 兵庫県神戸市兵庫区小松通五丁目1番16号 株式会社神菱ハイテック内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジチオン酸を含む排煙脱硫廃水に還元剤
    を混合して還元処理したのち、活性汚泥処理することを
    特徴とする排煙脱硫廃水の処理方法。
  2. 【請求項2】 還元剤がチオ硫酸塩または硫化物である
    ことを特徴とする請求項1記載の排煙脱硫廃水の処理方
    法。
  3. 【請求項3】 活性汚泥処理を硫黄単体または硫黄化合
    物の共存下で行うことを特徴とする請求項1または2記
    載の排煙脱硫廃水の処理方法。
  4. 【請求項4】 硫黄化合物がチオ硫酸塩、硫化物、チオ
    シアン酸塩のうちの少なくとも一つであることを特徴と
    する請求項3記載の排煙脱硫廃水の処理方法。
  5. 【請求項5】 活性汚泥処理が硝化工程および脱窒工程
    を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の
    排煙脱硫廃水の処理方法。
  6. 【請求項6】 活性汚泥処理の固液分離工程を中空系膜
    分離で行うことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記
    載の排煙脱硫廃水の処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19713140B4 (de) * 1996-03-28 2009-01-02 Aisin AW Co., Ltd., Anjo Drehmomentwandler
JP2012501848A (ja) * 2008-09-10 2012-01-26 ヨーロピアン・スペース・エージェンシー 尿素含有水の処理のための設備、トイレ、家畜小屋及び方法

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DE19713140B4 (de) * 1996-03-28 2009-01-02 Aisin AW Co., Ltd., Anjo Drehmomentwandler
JP2012501848A (ja) * 2008-09-10 2012-01-26 ヨーロピアン・スペース・エージェンシー 尿素含有水の処理のための設備、トイレ、家畜小屋及び方法

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