JPH0999213A - 排ガス浄化用素子および窒素酸化物の浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化用素子および窒素酸化物の浄化方法

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JPH0999213A
JPH0999213A JP7282603A JP28260395A JPH0999213A JP H0999213 A JPH0999213 A JP H0999213A JP 7282603 A JP7282603 A JP 7282603A JP 28260395 A JP28260395 A JP 28260395A JP H0999213 A JPH0999213 A JP H0999213A
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Japan
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electrode
exhaust gas
palladium
solid electrolyte
nitrogen oxides
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JP7282603A
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Yuji Ozeki
雄治 尾関
Niro Nakatani
仁郎 中谷
Kazuyoshi Iwayama
一由 岩山
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SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Petroleum Energy Center PEC
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素を含む排ガスから窒素酸化物を少ない電
流量で効率よく除去する。 【解決手段】 (a)金属酸化物、(b)銀、金または
パラジウムのいずれかを含む電極、および(c)酸素イ
オン導電性を有する固体電解質からなる排ガス浄化用素
子に窒素酸化物を含む排ガスを接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は排ガス浄化装置およ
び窒素酸化物の浄化方法、さらに詳しくは、酸素を含む
燃焼ガスから大気汚染物質である窒素酸化物を効率的に
浄化する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】環境保全の観点から、大気汚染物質の浄
化は大きな社会的な課題である。とりわけ産業活動の拡
大に伴う燃焼排ガスの浄化は現在緊急の課題である。
【0003】固定発生源である工場や移動発生源である
自動車から排出される燃焼排ガス中に含まれる窒素酸化
物は、光化学スモッグの原因といわれ、また人体に有害
なガスである。特に一酸化窒素(NO)は浄化が難し
く、最も重要な検討課題となっている。これまでにも燃
焼排ガス中の窒素酸化物を浄化するいくつかの方法が提
案されている。例えばアンモニア等の還元剤を用いて触
媒上で窒素酸化物を窒素と水にして分解する方法であ
る。しかしながら、この方法は還元剤を用いるためコス
トの点で高くつき、また還元剤の保管に関する安全性や
未反応還元剤の回収漏れの対策が必要となる。このよう
なことからこの方法は規模が大きな固定発生源について
は有効であるが、自動車のような移動発生源には適さな
い。これまで理論空燃比付近で運転されるガソリンエン
ジンの排ガスの浄化には貴金属系成分を活性成分とする
三元触媒装置が一般に使用されている。しかしながらこ
れらの触媒装置は過剰な酸素共存下では窒素酸化物を浄
化できないのでディーゼルエンジンや希薄燃焼方式のガ
ソリンエンジンの排ガス処理には用いることができな
い。最近、炭化水素を還元剤として用いて新たな触媒装
置で除去する方法が提案されているが、炭化水素の窒素
酸化物還元効率が低いことおよび触媒の耐久性が十分で
ないことなどの多くの問題を抱えている。このため新し
い除去方法の開発が望まれている。
【0004】ところで還元剤を用いずに一酸化窒素を直
接窒素と酸素に分解する方法は排ガスを処理装置に通じ
るだけで済み、理想的な処理方法である。しかし、これ
まで提案されている触媒を用いた方法では窒素酸化物の
分解により生成した酸素が触媒表面から脱離しないため
に、失活していた。近年、酸素イオン導電性を有する固
体電解質からなる素子を用いて窒素酸化物を電気化学的
に分解除去する方法がJounal of Electrochemical Soci
ety, 122, 896,(1975) に開示されている。すなわち酸
化スカンジウム安定化ジルコニアの両側に多孔質の白金
電極を被覆し、その一方側に酸素を含まない窒素酸化物
を含有するガスを供給するとともに、この電極がカソー
ド極になるように両電極に直流電圧を印加する。これに
より電極上で窒素酸化物を窒素と酸素に分解し、生成し
た酸素をイオン化し、これを印加電圧を駆動力としてこ
の電極上から固体電解質を通して対極側に移動させ、反
応系から排除する。(この際、酸素イオンが固体電解質
中を流れることにより、素子内に電流が流れ、電気エネ
ルギーが消費される)この結果、窒素酸化物の分解を促
進させることができることを示している。
【0005】しかしながら上記方法では燃焼排ガスのよ
うに過剰の酸素が含まれている場合、上記素子では窒素
酸化物の分解反応は進行せず、過剰に共存している酸素
のみがイオン化し、固体電解質中を流れてしまう課題が
あった。
【0006】最近、Chemistry Letters P.927(1994) に
700℃で固体電解質の両側に多孔質のパラジウム電極
を形成させた素子を用いると酸素共存下でも窒素酸化物
の分解除去ができることが開示された。しかしながら窒
素酸化物を分解除去するには電流密度500mA/cm
2 以上の大きな電流を通電する必要があった。すなわち
上記素子では窒素酸化物の分解除去は酸素過剰下でも可
能であるが、分解反応とは関係ない排ガスに過剰に含ま
れる共存酸素が同時に固体電解質中をイオン化して流れ
てしまうため、窒素酸化物を分解するには多量の電流を
流す必要があった。つまり素子中を流れる電流量に対す
る窒素酸化物の分解除去効率は極めて低いものであっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って酸素過剰存在下
でも効率よく窒素酸化物を分解できる装置の開発が望ま
れている。すなわち本発明の目的は酸素共存下で窒素酸
化物分解反応を進行させ、分解生成した酸素をイオン化
して固体電解質中を透過させるとともに、共存する酸素
の透過を抑制することで、少ない電流量で効率よく除去
できる排ガス浄化用素子および窒素酸化物の浄化方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するためのものであり、本発明者らは(a)金属酸化
物、(b)銀、金またはパラジウムのいずれかを含む電
極、および(c)酸素イオン導電性を有する固体電解質
からなる排ガス浄化用素子を用い金属酸化物を含む電極
側がカソード極になるように直流電圧を印加すると酸素
を含む排ガス中の窒素酸化物を少ない電流量で効率よく
除去できることを見いだした。
【0009】すなわち本発明は(a)金属酸化物、
(b)銀、金またはパラジウムのいずれかを含む電極、
および(c)酸素イオン導電性を有する固体電解質から
なる排ガス浄化用素子に関するものであり、さらには酸
素イオン伝導性を有する固体電解質の両面に電極を持
ち、少なくとも一方の電極が銀、金またはパラジウムの
いずれかを含み、かつ金属酸化物で覆われた排ガス浄化
用素子の、金属酸化物を含む層で覆われた電極側に窒素
酸化物を含むガスを流通させ、該電極がカソード電極と
なるように電圧を印可することを特徴とする窒素酸化物
の浄化方法に関するものである。
【0010】上記の構成により、電極上で窒素酸化物を
窒素と酸素に分解し、生成した酸素をイオン化し、印加
電圧を駆動力として固体電解質を通してこれを対極側へ
移動させ、反応系から排除することで窒素酸化物に分解
除去を促進させることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で用いる酸素イオン導電性
を有する固体電解質は特に限定されない。酸素イオン導
電性を有する固体電解質の例としては蛍石型構造を有す
る金属酸化物で、安定化ジルコニア、安定化酸化ビスマ
スおよび安定化セリアが挙げられる。これらのうち高い
導電性と強度を有することが好ましく、特に高い強度を
有する安定化ジルコニアが好ましく用いられる。安定化
ジルコニアとしては (a) イットリア安定化ジルコニア(但し、ジルコニア濃
度:8〜15モル%) (b) 酸化カルシウム安定化ジルコニア(但し、酸化カル
シウム濃度:5〜10モル%) (c) 酸化マグネシウム安定化ジルコニア(但し、酸化マ
グネシウム濃度:5〜10モル%) (d) 酸化セリウム安定化ジルコニア(但し、酸化セリウ
ム濃度:15〜35モル%) があるが特に限定されない。
【0012】固体電解質の形状は特に限定されないが、
通常、板状、管状、あるいはハニカム状に成型されて用
いられるが、その厚みは強度および導電性の点から1μ
m〜5mmで、好ましくは10μmから2mmである。
1μm以下の厚みでは十分な強度のあるものが得られ
ず、一方5mm以上の厚みでは酸素の移動速度が遅くな
ってしまう。
【0013】形状としては管状が好ましく用いられる。
管の直径、長さは特に限定されない。また、管の断面の
形状も円形、だ円形、多角形、星型など特に限定されな
い。複数の管を束ねて用いることも可能である。さらに
管の外側、内側のいずれにパラジウムを含み、かつ平面
的な網目構造を有する電極を形成することも可能であ
る。したがって、排ガスを流通させるのは管の外側であ
っても内側であってもかまわない。
【0014】これらの製造方法を以下に述べる。まず所
定の濃度のイットリア、酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウム、あるいは酸化セリウム安定化剤を含むジルコニア
粉末を粉末混合法、中和共沈法、加水分解法、熱分解
法、水熱分解法、あるいはアルコキシド法などのいずれ
かにより調製する。この安定化ジルコニア粉末をプレス
成型、あるいは押し出し成型により目的の形状を得る。
但し、成型を容易にするために有機系のバインダーある
いはさらに水を加えて良く混合してから成型を行っても
よい。成型体はバインダーを脱脂後、例えば1400〜
1600℃にて2〜3時間焼成することにより、気孔の
無い緻密な焼結体を得ることができる。
【0015】本発明の素子は、カソード電極およびアノ
ード電極となる2つの電極を持つ。このうち、カソード
電極となる電極は銀、金、またはパラジウムの少なくと
も一つを含む。アソード電極となる電極は固体電解質を
透過してきた酸素イオンから電子を受容し、気体酸素分
子として気相へ拡散させることのできるものであれば特
に限定されないが、電子受容効率および導電性が高く、
高温でも耐久性を有するものが好ましく、例えば、金、
白金、銀、パラジウム、銅、ニッケル等の少なくとも一
種以上の金属電極、あるいは合金電極が挙げられる。こ
れらの電極形成法は特に限定されるものではなく、電極
材をペースト状にして塗布する方法、スパッタリング
法、メッキ法あるいは真空蒸着法が挙げられる。
【0016】一方、本発明の素子のカソード電極は、
銀、金、またはパラジウムの少なくとも一つを含み、そ
の形態は特に限定されない。電極形態の例として、平面
的な網目構造を持つパラジウム電極が好ましく用いられ
る。本発明でいう平面的な網目構造とは電極部を走査型
電子顕微鏡で1,000〜5,000倍で観察されるよ
うに、電極を形成する電極材の粒子が固体電解質の表面
に沿って凝集することにより、二次元的に網目状につな
がった構造をいう。
【0017】これら電極は電極材をペースト状にして塗
布する方法、スパッタリング法、メッキ法あるいは真空
蒸着法などにより塗布され形成されるが、電極形成法は
特に限定されるものではない。例えばペーストで塗布す
る場合、均一にコーティングするためにテルピレオール
等の溶剤にペーストを分散させてから用いてもよい。
【0018】平面的な網目構造をもつ電極形態のパラジ
ウム電極の作製法はパラジウムペーストで固体電解質に
塗布した後、800℃以上の高温で焼き付けるか、ある
いはスパッタリング、真空蒸着、メッキ等でパラジウム
電極部を形成した後、800℃以上で処理をするなどの
方法が挙げられるが特に限定されるものではない。
【0019】本発明の素子は、さらに金属酸化物を含む
点が特徴である。本発明で用いる酸化物として、単元系
金属酸化物、スピネル型複合酸化物、ペロブスカイト型
複合酸化物が挙げられるが特に限定されるものではな
い。例えば、好ましく用いられるペロブスカイト型複合
酸化物とは、化学式RMX3 で表され(一般的にRおよ
びMは金属原子、Xは酸素原子を表す)、その構造は、
立方体の各頂点にR、立方体の中心にM、および立方体
の各面の中心にXをとる。RとXのみでは面心立方格
子、MとXのみでは単純立方格子となる。RおよびMは
それぞれ他の元素で置換可能である。RまたはMがそれ
ぞれ価数の異なる元素で置換されると、価数を補うため
にXの一部が格子から外れ欠陥を生じ、様々な化学的性
質を示す。これらの元素の置換量を変えることで、化学
的性質が制御可能となる。本発明に用いるペロブスカイ
ト型複合酸化物としては、高温安定性が高いものが好ん
で用いられる。例えば、CaTiO3 、LaCoO3
SrFeO3 、およびこれらの置換誘導体が挙げられる
が、特に限定されるものではない。例えばLa1-X Sr
X CoO3-Z (0≦x≦1.0、0.1≦z≦0.5)
の組成で表される複合酸化物が好ましく用いられる。
【0020】これら酸化物部分の製造法にはいろいろな
方法があるが酸化物が電極表面に均一に分散する方法が
好ましい。すなわち、 (1)酸化物粉末をテレピン油に混ぜスラリー状にし、
これを電極に塗り付けた後に焼成する方法 (2)金属元素比が目的の酸化物と同じになるように調
整した各金属塩を含む溶液を電極に塗り付けた後に焼成
する方法 (3)金属元素比が目的の酸化物と同じになるように調
整した各金属アルコキシドを含む溶液を電極に塗り付け
た後に焼成する方法 (4)金属元素比が目的の酸化物と同じになるように調
整した各金属アルコキシドを含む溶液を金属ペーストに
混ぜ、これを電極に塗り付けた後に焼成する方法 (5)酸化物粉末をテレピン油に混ぜスラリー状にし、
これを金属ペーストに混ぜ、これを電極に塗り付けた後
に焼成する方法 があるが特に限定されない。本発明では(3)、(4)
の方法が好ましく用いられる。
【0021】本発明の素子の構造として、板状の固体電
解質の両面に金属電極を持つもの、管状固体電解質の外
側と内側に金属電極を持つもの、あるいはハニカム状に
成型された固体電解質に金属両電極を含むもののそれぞ
れの電極の一部または全てが金属酸化物をを含む層で覆
われたものが挙げられるが特に限定されるものではな
い。本発明の素子の好ましい構造は、固体電解質の両面
にそれぞれカソード電極、アノード電極となる電極を有
し、カソード電極が金属酸化物を含む層によって覆われ
た構造である。金属酸化物を含む層は、実質的に金属酸
化物のみからなる層であってもよいし、たとえば貴金属
などと金属酸化物からなる層であってもよい。この構造
は作用電極上に金属酸化物層があることで、電極での一
酸化窒素、酸素分解反応の一酸化窒素選択性を促進しよ
うとするものである。
【0022】本発明の処理方法は該素子の両電極間に直
流電圧が印加できるように電源に接続し、金属酸化物で
覆われた電極側に酸素と窒素酸化物を含有する排ガスを
流通させ、該電極がカソード電極になるように両電極間
に直流電圧を印加することにより窒素酸化物を窒素と酸
素に分解し、生成した酸素を電源より印加した電圧を駆
動力として該電極上から固体電解質を通してアノード電
極側に移動させ、アノード電極から酸素分子として気相
へ排出されるものである。これにより窒素酸化物の分解
を促進しようとするものである。
【0023】印加する電圧の範囲はジルコニアの厚みに
対して1.0〜7.0V/mmが好ましく、さらに好ま
しくは2.0〜5.0V/mmである。印加電圧が1.
0V/mmより低い場合は酸素の移動が遅すぎて窒素酸
化物の分解反応が十分進行しない。一方、7.0V/m
mより高くなると気相からの酸素の拡散が追いつかず、
代わりに固体電解質自身の酸素が移動してしまい、最後
には固体電解質が破壊されることがある。
【0024】反応温度の範囲は300〜1200℃で、
好ましくは500〜1000℃である。300℃より低
温では窒素酸化物の分解反応の速度が遅く、しかも固体
電解質中の酸素移動速度も極めて小さいため、十分な窒
素酸化物の分解除去は行えない。一方、1200℃を越
えるとN2 +O2 →2NOの逆反応が起こり易くなり、
電極で生成した窒素が再び酸素と反応して窒素酸化物に
戻ってしまう。
【0025】
【実施例】以下実施例にしたがって説明する。 実施例1 (固体電解質の管作製)8mol%イットリア添加の安
定化ジルコニア粉末に有機系バインダーおよび蒸留水を
添加し十分混合後、混練り成型機を用いて管状に押しだ
した。これを乾燥後、1600℃で2時間焼成すること
で、外径3.8mmφ、内径2.5mmφ、長さ240
mmの緻密な安定化ジルコニア焼結体管(以下、ジルコ
ニア管)を得た。
【0026】(電極の形成)ジルコニア管の中央部の外
周25mmの長さにパラジウムペースト(徳力化学研究
所製シルベストNo.1)を均一に筆塗りし、カソード電極
(電極面積3cm2)を形成した。次に、カソード電極
に対極するように内側に同じパラジウムペーストを用い
てアノード電極を形成した。これを1300℃の電気炉
で2時間焼成することにより平面的な網目構造のパラジ
ウム電極を有する素子を作製した。
【0027】(金属酸化物の形成)次に、ランタン、ス
トロンチウム、コバルトの各アルコキシドを0.8:
0.2:1.0(モル比)の比率でイソプロパノール/
ジエタノールアミン(11/1(重量比))混合溶媒に
コバルト1.0mol/kgとなるように溶かしたもの
を、カソード電極上に均一に筆塗りした。これを950
℃の電気炉で2時間焼成することで金属酸化物層を作成
した。ここで形成された金属酸化物の構造はLa1-X
X CoO3-Z で表されるペロブスカイト型複合酸化物
であることを、X線結晶構造解析により確認した。
【0028】(窒素酸化物の浄化テスト)その後、図1
に示すように、両方の電極2、4に白金線をリード線と
して固定し、直流電源に接続した。カソード電極2側
(固体電解質3の管の外側)に一酸化窒素1000pp
m、酸素2%、ヘリウムバランスのモデルガス50ml
/min.を流し、アノード電極4側(管の内側)には
ヘリウム50ml/min.を流した。そして、素子中
の電流密度が単位電極面積あたり43.9mA/cm2
となるように直流電圧を印加した。なお性能評価は反応
温度700℃で行い、アノード電極側から出てきたガス
中に存在する窒素の量をガスクロマトグラフィーを用い
て分析し、窒素酸化物が窒素に転化した割合を窒素酸化
物の除去率として求めた。この評価結果を表1に示す。
なお、図1において、1は金属酸化物を含む層を表して
いる。
【0029】実施例2 実施例1と同様に作成したジルコニア管に、実施例1と
同様の電極を形成した。次に、ランタン、ストロンチウ
ム、コバルトの各アルコキシドを0.8:0.2:1.
0(モル比)の比率でイソプロパノール/ジエタノール
アミン(11/1(重量比))混合溶媒にコバルト1.
0mol/kgとなるように溶かしたものと、パラジウ
ムペーストをパラジウム:コバルト=20:1(モル
比)となるように混合し、カソード電極上に均一に筆塗
りした。これを950℃の電気炉で2時間焼成すること
で金属酸化物層を作成した。ここで形成された金属酸化
物を含む層は、La1-X SrX CoO3-Z で表されるペ
ロブスカイト型複合酸化物が、金属パラジウムに分散し
た構造であることをX線結晶構造解析により確認した。
この素子を用いて、実施例1と同様に窒素酸化物の浄化
テストを行った。結果を表1に示す。
【0030】実施例3 実施例1と同様に作成したジルコニア管に、実施例1と
同様の電極を形成した。次に、ランタン、ストロンチウ
ム、コバルトの各アルコキシドを0.8:0.2:1.
0(モル比)の比率でイソプロパノール/ジエタノール
アミン(11/1(重量比))混合溶媒にコバルト1.
0mol/kgとなるように溶かしたものと、パラジウ
ムペーストをパラジウム:コバルト=10:1(モル
比)となるように混合し、カソード電極上に均一に筆塗
りした。これを950℃の電気炉で2時間焼成すること
で金属酸化物層を作成した。ここで形成された金属酸化
物を含む層は、La1-X SrX CoO3-Z で表されるペ
ロブスカイト型複合酸化物が、金属パラジウムに分散し
た構造であることをX線結晶構造解析により確認した。
この素子を用いて、実施例1と同様に窒素酸化物の浄化
テストを行った。結果を表1に示す。
【0031】実施例4 実施例1と同様に作成したジルコニア管に、実施例1と
同様の電極を形成した。次に、ランタン、ストロンチウ
ム、コバルトの各アルコキシドを0.4:0.6:1.
0(モル比)の比率でイソプロパノール/ジエタノール
アミン(11/1(重量比))混合溶媒にコバルト1.
0mol/kgとなるように溶かしたものと、パラジウ
ムペーストをパラジウム:コバルト=20:1(モル
比)となるように混合し、カソード電極上に均一に筆塗
りした。これを950℃の電気炉で2時間焼成すること
で金属酸化物層を作成した。ここで形成された金属酸化
物を含む層は、La1-X SrX CoO3-Z で表されるペ
ロブスカイト型複合酸化物が、金属パラジウムに分散し
た構造であることをX線結晶構造解析により確認した。
この素子を用いて、実施例1と同様に窒素酸化物の浄化
テストを行った。結果を表1に示す。
【0032】比較例1 実施例1と同様に作成したジルコニア管に、実施例1と
同様の電極を形成した。これに金属酸化物の層を形成す
ることなく、実施例1と同様に窒素酸化物の浄化テスト
を行った。結果を表1に示す。
【0033】比較例2 実施例1と同様に作成したジルコニア管に、パラジウム
ペーストを白金ペーストに変えた他は実施例1と同様に
カソード電極およびアノード電極を形成した。さらに、
実施例1と同様の方法で金属酸化物層を形成し、実施例
1と同様の方法で窒素酸化物の浄化テストを行った。結
果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の素子を用いれば過剰の酸素を含
む燃焼等の排ガスから窒素酸化物を効率よく除去でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排ガス浄化用素子の1例を示す略図で
ある。
【符号の説明】
1 金属酸化物を含む層 2 カソード電極 3 固体電解質 4 アノード電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)金属酸化物、(b)銀、金または
    パラジウムのいずれかを含む電極、および(c)酸素イ
    オン導電性を有する固体電解質からなる排ガス浄化用素
    子。
  2. 【請求項2】 酸素イオン導電性を有する固体電解質の
    両面に電極を持ち、少なくとも一方の電極が銀、金、ま
    たはパラジウムのいずれかを含み、かつ金属酸化物を含
    む層で覆われていることを特徴とする請求項1記載の排
    ガス浄化用素子。
  3. 【請求項3】 (a)金属酸化物が、ペロブスカイト型
    複合酸化物であることを特徴とする請求項1または2記
    載の排ガス浄化用素子。
  4. 【請求項4】 (a)金属酸化物がLa1-x Srx Co
    O3-z (0≦x≦1.0,かつ0.1≦z≦0.5)の
    組成で表されることを特徴とする請求項3記載の排ガス
    浄化用素子。
  5. 【請求項5】 (b)電極の少なくとも一方がパラジウ
    ムを含む電極であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項記載の排ガス浄化用素子。
  6. 【請求項6】 (b)パラジウムを含む電極が平面的な
    網目構造を有することを特徴とする請求項5記載の排ガ
    ス浄化用素子。
  7. 【請求項7】 (b)パラジウムを含む電極が900℃
    以上の温度で熱処理を施すことにより平面的な網目構造
    を有することを特徴とする請求項6記載の排ガス浄化用
    素子。
  8. 【請求項8】 (c)酸素イオン導電性を有する固体電
    解質が安定化ジルコニアであることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれか1項記載の排ガス浄化用素子。
  9. 【請求項9】 (c)酸素イオン導電性を有する固体電
    解質が筒状の形状を有することを特徴とする請求項1〜
    8のいずれか1項記載の排ガス浄化用素子。
  10. 【請求項10】 酸素イオン導電性を有する固体電解質
    の両面に電極を持ち、少なくとも一方の電極が銀、金ま
    たはパラジウムのいずれかを含み、かつ金属酸化物で覆
    われた排ガス浄化用素子の、金属酸化物で覆われた電極
    側に窒素酸化物を含むガスを流通させ、該電極がカソー
    ド電極となるように電圧を印可することを特徴とする窒
    素酸化物の浄化方法。
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