JPH0998977A - 結紮装置 - Google Patents

結紮装置

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JPH0998977A
JPH0998977A JP27988195A JP27988195A JPH0998977A JP H0998977 A JPH0998977 A JP H0998977A JP 27988195 A JP27988195 A JP 27988195A JP 27988195 A JP27988195 A JP 27988195A JP H0998977 A JPH0998977 A JP H0998977A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結紮用筒体に予め結び目形成ループを複数箇
所形成することにより、結び目を形成するために必要な
操作の大半を予め体腔外で行い、この結紮用筒体を体腔
内に挿入して、結び目形成ループを離脱させるという簡
単な操作を行うことによって、結紮するための結び目を
形成することにより、迅速かつ確実に縫合や結紮を行え
るようにする。 【構成】 結紮装置11の結紮用筒体12の先端部分に
形成したループ形成・離脱部12aに、糸10を、ルー
プの巻回方向が反対となった2箇所の結び目形成ループ
10a,10bが形成されるように装着し、かつ結紮用
筒体12内に把持鉗子13及び結び目押動部材14が軸
線方向に移動可能に挿通する。結び目形成ループ10
a,10bは体腔外で形成され、結紮装置11を体腔内
に挿入して、糸10の先端を被結紮部に回り込ませて、
把持鉗子13で把持させた状態で、結び目形成ループ1
0a,10bを順次離脱させ、かつ結び目押動部材14
で結び目を被結紮部に向けて押し出すことにより、結び
目の形成から固く結ぶ状態までの結紮操作が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体等の体腔内
で、生体組織の縫合や結紮等の処置を施すために、手術
用の糸の端部を結ぶための結紮装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、虫垂炎の手術や、胆嚢の切除術
等の処置は、近年においては、非開腹状態でも行えるよ
うになってきている。即ち、トラカールと呼ばれるガイ
ド管を複数本用い、これらのトラカールを腹部から腹腔
内に差し込んでおき、このうちの1本のガイド管内に内
視鏡を挿入して、体腔内の観察を行うようになし、他の
ガイド管に、適宜の手術用の器具等を挿入して、これら
を操作することにより、手術等の処置が施される。この
ように、非開腹状態でも手術を行えることは、患者に対
するダメージを最小限に抑制でき、かつ術後の回復も早
くなる等、様々な利点がある。
【0003】手術等の所定の処置を施した後には、切開
部分を縫合したり、血管や臓器、その他の体内組織の結
紮を行う必要がある。このために、手術用の糸を用いて
縫合や結紮を行うが、糸を生体組織に縫い込んだり、血
管や生体組織の膨出部位に対して糸を囲繞させるように
なし、この糸の端部に結び目を形成して、この結び目を
固く結紮する。このように、結び目を形成して結紮状態
にするために、糸をほぼ1本だけ挿通可能な通路を有す
る細径筒状の糸挿通部材を用いるようにしたものは、従
来から知られている。
【0004】例えば、血管等の処置対象部の結紮を行う
場合には、糸を糸挿通部材内に挿通させて、この糸挿通
部材を体腔外に位置させた状態で、糸だけを所定の長さ
だけガイド管から体腔内に挿入し、この糸の先端を処置
対象部に回り込ませた上で、体腔外に取り出し、この糸
の先端部を鉗子等の把持機構により把持させて、糸挿通
部材の出口部から導出している部位に巻き付けることに
より結び目を形成し、かつ糸の先端側の余長部分を切断
除去する。そして、糸の基端部を固定した状態で、糸挿
通部材をガイド管から体腔内に押し込んで、結び目を処
置対象部の位置にまで送り込むようにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、一度体
腔内に入れた糸を体腔外に取り出して、結び目を形成し
た上で、再びそれを体腔内に入れるという操作は、衛生
上の観点から必ずしも好ましいものではなく、また操作
性も悪く、長い時間を必要とする等の欠点がある。ま
た、結び目を移動させることから、強く結ぶと、その結
び目の移動が円滑に行われなくなり、また緩く結ぶと糸
挿通部材による結び目の移動は円滑に行えるものの、こ
の結び目の安定性が損なわれ、体動等の影響でみだりに
解けるおそれがある等といった問題点もある。
【0006】従って、結紮は体腔内で、被結紮部の近傍
で行うのが好ましい。しかしながら、結紮を行うには、
被結紮部に回り込ませた状態で、糸の端部に結び目を形
成し、この結び目を固く結んだ状態にするが、結び目を
強固になし、みだりに解けないようにするには、結び方
向を変えて二重結紮、即ち諸結の状態とする。このため
に、まず糸をループ状にして交差させるようになし、糸
の一方側の端部をこのループに通して引き出すことによ
って、結び目を形成する。そして、二重結紮を行うに
は、第1の結び目から引き出された糸の両側に再びルー
プを形成して、一方の糸をループ内を通した上でこのル
ープから引き出すようにして、第2の結び目が形成され
る。しかもこの第1の結び目と第2の結び目とでは、糸
の端部を通す方向を逆にしなければならない。このよう
な操作を体腔内で鉗子を用いて行うのには、極めて操作
が複雑であり、時間も非常に長くなる。
【0007】以上のことから、体腔内で結紮を行うため
の治具が開発されているが、従来技術の治具にあって
は、この結び目を形成する作業は、その大半が体腔内で
行われることから、やはり操作性が悪く、長い時間を必
要とする。また、単に結び目を形成するだけなく、この
結び目を固く結んだ状態にする必要があるが、従来技術
による結紮用の治具では、結び目を固く結ぶようにはで
きないことから、そのための専用の治具をも必要とす
る。
【0008】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、体腔内において、縫
合や結紮等を行うに当って、結び目を形成するための操
作の大半を予め体腔外で行えるようになし、体腔内で行
わなければならない操作を簡略化することにより、迅速
つ確実に結紮を行えるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、周胴面に結紮用の糸をループ状に巻
回し、そのループ端で糸をクロスさせるように延在させ
た結び目形成ループが軸線方向に複数箇所形成される結
紮用筒体と、この結紮用筒体の内部に挿通され、糸の先
端を着脱可能に把持する把持手段とを有し、この把持手
段で糸の先端を把持した状態で、結び目形成ループを結
紮用筒体の先端から離脱させることにより結び目を形成
する構成としたことをその特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】結紮を行うに当っては、まず結び
目を形成しなければならない。しかも、結紮部が解けな
いようにするために、所謂諸結の状態にする必要があ
る。このためには、結び方向が逆になった2個以上の結
び目を作らなければならない。結ぶ目を形成するため
に、結紮用筒体を用いる。この結紮用筒体は円筒状(ま
たは角筒状であっても良い)の部材で形成され、その周
胴部に、糸の先端部分に所定の余長を持たせた状態で、
複数の結び目形成ループを形成する。結び目形成ループ
は、結紮用筒体の外面に沿って軸線方向に延在させた糸
を途中で方向転換させて、円周方向に延在させて、結紮
用筒体の周胴部に沿って1回転させて、ループを形成す
る。そして、ループの端部で糸をクロスさせることによ
って、糸におけるループの端部が十字状になった結び目
形成ループが形成され、この結び目形成ループを結紮用
筒体から脱落させると、結び目が形成される。結紮用筒
体には、少なくとももう一つの結び目形成ループを形成
する。ここで、このもう一つの結び目形成ループは、ル
ープの巻回方向を反対にする。例えば、第1の結び目形
成ループのループ方向を右回りとした時には、第2の結
び目形成ループのループは左回りとする。
【0011】この結び目形成ループは予め患者の体外で
形成しておくことができ、この作業は極めて迅速かつ確
実に行える。そして、結紮用筒体には、糸で複数の結び
目形成ループを形成した状態で体腔内に挿入する。例え
ば、体内組織を結紮する際には、糸の先端の余長部分を
被結紮部に回り込ませる。この操作は鉗子等を用いれば
容易に行うことができ、また被結紮部が他の組織と一体
の状態となっている場合には、糸の先端に針を連結して
おけば、この被結紮部の部位に回り込ませることができ
る。また、針を連結しておけば、縫合を行うことも可能
になる。被結紮部を回り込ませた状態で、糸の先端を把
持するために鉗子等からなる把持手段が用いられるが、
この把持手段を結紮用筒体の内部に挿通させる。
【0012】以上の状態で、結び目形成ループを結紮用
筒体の先端から離脱させて、分離する。この結び目形成
ループの離脱は、離脱手段を用いて強制的に離脱させる
ように構成しても良いが、例えば結紮用筒体の先端部分
を略円錐面となし、この円錐面に結び目形成ループを形
成しておけば、糸に引っ張り力を加えることにより、容
易に結紮用筒体から分離する。ただし、このように結び
目形成ループの結紮用筒体から容易に脱落するようにな
っていると、必要時以外で、糸に外力等が作用すること
により、容易に脱落してしまう。そこで、結紮用筒体に
はループを保持するためのループ保持用突起を設ける。
そして、このループ保持用突起は、結紮用筒体の軸線方
向に移動させる等によって、結紮用筒体の円錐面の表面
から非突出状態となるように変位可能とする。これによ
って、結び目形成ループを結紮用筒体から分離する際に
は、このループ保持用突起を結紮用筒体の表面から非突
出状態となるように変位させれば、結び目形成ループは
容易に結紮用筒体から分離する。
【0013】この結び目形成ループを結紮用筒体から分
離する際には、この結紮用筒体内に挿入した鉗子等から
なる把持手段によって、糸の先端部分を把持させてお
き、この糸の先端を結び目形成ループ内に通すようにす
る。これによって、結び目が形成される。しかも、結紮
用筒体には、第2の結び目形成ループが反対方向にルー
プさせた状態にして形成されているから、この第2の結
び目形成ループも結紮用筒体から分離させることによっ
て、結び方向が反対となった複数の結び目が形成され
る。
【0014】結紮用筒体から結び目形成ループを分離し
ただけでは、結び目はできるものの、緩い状態であり、
固く結びつけられてはいない。そこで、結紮用筒体内に
結び目押動部材をその軸線方向に移動可能に設ける。糸
のうち、把持手段から被結紮部までの部位及び被結紮部
から結紮用筒体までの部位にある程度の張力を持たせる
ようにして、結び目の部位に結び目押動部材を当接させ
て、被結紮部に向けてこの結び目を押し込むように動か
す。これによって、緩い状態であった結び目が固く結び
つけられることになる。この結び目押動部材の作動は、
全ての結び目形成ループを結紮用筒体から分離した後に
行っても良いが、1つの結び目形成ループを分離する毎
に行うようにする方が、固く結びつける作業が容易に、
しかも確実に行える。
【0015】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。まず、図1において、体腔内で所定の処置を施し
ている状態を示す。
【0016】同図から明らかなように、トラカール等の
ガイド管1〜3を用いる。これらガイド管1〜3は腹部
から腹腔内に差し込まれる。ここで、腹腔内で行われる
手術等の処置をより円滑に行うために、腹腔内には気腹
ガスを封入する等によって膨出させる。体腔内で結紮を
行うために、トラカール等のガイド管1〜3が用いられ
る。第1のガイド管1には、内視鏡Sの挿入部が挿入さ
れ、この内視鏡Sにより腹腔内の観察を行うが、この観
察視野をできるだけ広くするために、内視鏡Sの挿入部
Cは、少なくとも先端部分がアングル操作可能なものを
用いると良い。第2のガイド管2には、高周波処置具等
の適宜の手術用器具T等が挿通され、また第3のガイド
管3には把持鉗子Fが挿通される。
【0017】把持鉗子Fで患部を把持した状態で手術用
器具Tで所定の処置が施されるが、処置が完了した後に
縫合乃至結紮を行う。縫合や結紮は手術用の糸10を用
いて行うが、この糸10は、図2及び図3にも示したよ
うに、予め結紮装置11に装着しておく。そして、手術
用器具Tをガイド管2から取り出して、この結紮装置1
1をガイド管2を介して腹腔内に挿入する。なお、第3
のガイド管3内に挿通されている把持鉗子Fは必ずしも
必要ではないが、縫合や被結紮部に糸10を回り込ませ
る操作を行う作業を、この把持鉗子Fを用いて行うと、
その作業を円滑かつ迅速に行える。ただし、後述するよ
うに、結紮装置11にも把持手段として把持鉗子13を
設けている関係から、この把持鉗子13を用いて縫合や
被結紮部に糸10を回り込ませる操作を行うことも可能
である。
【0018】結紮装置11は、略円筒状をした結紮用筒
体12を有し、この結紮用筒体12の先端部分は略裁頭
円錐形状となり、この円錐部分がループ形成・離脱部1
2aとなる。また、結紮用筒体12には、挿通路12
b,12cが軸線方向に貫通するように穿設されてお
り、これらの挿通路12b,12cには、把持手段とし
ての把持鉗子13及び結び目押動部材14が軸線方向に
移動可能に挿通されている。把持鉗子13は先端に把持
部13aを設けた長尺のコード13bからなり基端部に
は開閉操作部13cを設けた、周知の構造のものであ
る。また、結び目押動部材14は、軸部14aの先端に
V字状に拡開する押動作動部14bを連結し、また軸部
14aの基端部には操作部14cが設けられている。こ
こで、把持鉗子13のコード13b及び結び目押動部材
14の軸部14aは、可撓性を有するものでも、剛体で
あっても良い。ただし、結び目押動部材14の軸部14
aは、可撓性部材で形成するにしても、ある程度腰を持
たせるのが好ましい。
【0019】結紮用筒体12のループ形成・離脱部12
aには、糸10が2個の結び目形成ループ10a,10
bを形成するように装着されている。結び目形成ループ
10a,10bは、糸10をループ形成・離脱部12a
にループ状に巻回させて、クロスすることにより形成さ
れるものであって、結び目形成ループ10aと結び目形
成ループ10bとはループの巻回方向が逆になってい
る。そして、結び目形成ループは2個設けるだけでな
く、それ以上の数形成することもできる。この場合に
は、好ましくは奇数番目の結び目形成ループと偶数番目
の結び目形成ループとはループの巻回方向を反対にす
る。
【0020】各結び目形成ループ10a,10bが傾斜
面となっているループ形成・離脱部12aから脱落しな
いように保持するために、ループ保持用の突起部材15
a,15bが設けられている。図4にからも明らかなよ
うに、この突起部材15a,15bはばね性を有する操
作板16a,16bの先端部分を鋭角状に曲折してなる
ものである。突起部材15a,15b及びそれに連設し
た操作板16a,16bは、1箇所だけ設けるようにし
ても良いが、結び目形成ループ10a,10bをより安
定させるために、円周方向に位置を変えて、180°位
置を変えて2箇所、乃至90°毎に4箇所設けることも
可能である。
【0021】常時においては、突起部材15a,15b
はループ形成・離脱部12aの表面から僅かに突出した
状態に保持されており、これによって、結び目形成ルー
プ10a,10bがこの結紮用筒体12のループ形成・
離脱部12aから離脱しない状態に保持されている。そ
して、この状態から、操作板16a,16bを押動する
と、収容部17の開口部に形成したカム部18a,18
bによって突起部材15a,15bが操作板16a,1
6bに近接する方向に畳み込まれるようになって、ルー
プ形成・離脱部12aにおける表面部分から非突出状態
に変位することになる。なお、図中において、19は結
紮用筒体12の基端部に突設した糸10の基端部を係止
するための糸固定用突起である。
【0022】本実施例は以上のように構成されるもので
あって、結紮装置11を用いて患部の結紮を行う場合に
は、図1の状態で、ガイド管2に手術用器具Tを取り出
して、結紮装置11を挿入するが、このガイド管2への
挿入前に、結紮装置11に予め手術用の糸10を装着し
ておく。
【0023】即ち、糸10の先端部分には、被結紮部を
回り込ませるだけの余長を持たせた状態にして、第1,
第2の結び目形成ループ10a,10bを結紮用筒体1
2のループ形成・離脱部12aの部位に形成した上で、
糸固定用突起19に固定しておく。これら第1,第2の
結び目形成ループ10a,10bを形成するには、糸1
0をループ形成・離脱部12aの先端に添えるようにし
て、このループ形成・離脱部12aに沿って軸線方向に
所定の長さ延在させる。そして、突起部材15aが配置
されている部位を過ぎた位置で、糸10を略90°方向
転換させて、このループ形成・離脱部12aを1周巻回
することによりループを形成する。そして、このループ
の端部に至ると、先端側から軸線方向に延在されている
部位の内側を通すようにしてクロスさせて、再び略90
°方向転換させて、結紮用筒体12の軸線方向基端側に
向ける。これによって、ループの端部が十字状となった
第1の結び目形成ループ10aが形成される。この第1
の結び目形成ループ10aのループの巻回方向は、例え
ば右回りとする。
【0024】この第1の結び目形成ループ10aから引
き出された糸10は、突起部材15bが突出している部
位を過ぎた位置まで延在させて、略90°方向転換させ
てループ形成・離脱部12aを1周巻回させることによ
り、ループを形成する。この時のループの方向は、第1
の結び目形成ループ10aとは逆方向、即ち左回りとす
る。そして、このループの端部において、軸線方向に向
いている部位の内側をくぐらせるようにしてクロスさせ
て、さらにもう一度略90°方向転換させて、結紮用筒
体12の表面に沿って軸線方向に延在させて、糸固定用
突起19に巻き付けるようにする。
【0025】以上の操作により、結紮装置11を構成す
る結紮用筒体12に糸10を第1,第2の結び目形成ル
ープ10a,10bを形成した状態にして装着されるこ
とになる。なお、結紮を行うに当って、体内組織内に縫
い込む必要がある場合には、糸10の先端に針を連結し
ておく。そして、針が設けられているか否かはともかく
として、結紮装置10をガイド管2を介して腹腔内に挿
入する。ここで、自由状態となっている糸10の先端部
分からガイド管2内に挿入して、腹腔内に落とし込むよ
うにする。
【0026】以上の状態で、ガイド管3に挿通されてい
る把持鉗子Fを用いて、糸10の先端を把持させて、被
結紮部に回り込ませる。ここで、結紮装置11にも把持
鉗子13が設けられているから、この把持鉗子13を用
いて糸10の先端部分を被結紮部に回り込ませることも
可能であるが、この把持鉗子13は糸10が装着されて
いる結紮用筒体12から導出されていることから、操作
性を考慮すると、別の把持鉗子Fを用いる方が円滑に糸
10の先端を被結紮部に回り込ませることができる。
【0027】糸10を被結紮部に回り込ませると、把持
鉗子13を操作して、糸10の端部を把持させる。そし
て、第1,第2の結び目形成ループ10a,10bを結
紮用筒体12から離脱させて、結紮を行うが、これら第
1,第2の結び目形成ループ10a,10bは、それぞ
れ突起部材15a,15bに係合しているから、たとえ
糸10に外力が加わっても、それらがみだりに結紮用筒
体12から脱落してしまうおそれはない。
【0028】この状態から結紮を行うには、まず操作板
16aを前進方向に移動させる。この結果、突起部材1
5aがカム部18aに係合して曲げられることになるか
ら、この突起部材15aはループ形成・離脱部12aの
表面に対して非突出状態になる。従って、ループ形成・
離脱部12aに沿う方向への移動を規制されていた第1
の結び目形成ループ10aが開放されることになるか
ら、このループ形成・離脱部12aを形成する斜面を滑
り下りるようにして、結紮用筒体12から離脱する。な
お、この第1の結び目形成ループ10aが円滑に動かな
い場合には、把持鉗子13で把持されている糸10の先
端を引っ張るか、あるいは他の把持鉗子Fで強制的に移
動させるようにすれば良い。
【0029】これによって、図5に示したように、糸1
0は、その第1の結び目形成ループ10aの内部に通し
た状態になり、従って、第1の結び目N1 が形成され
る。そして、図6に示したように、結び目押動部材14
の押動作動部14bをこの第1の結び目N1 の部位に押
し当てるようにして、結び目押動部材14を同図に矢印
で示した方向に前進させると、この第1の結び目N1
被結紮部に向けて押し出されるようになる。この時に
は、糸10における第1の結び目N1 から結紮装置11
側の部分、即ち把持鉗子13による把持部までの部分及
びループ形成・離脱部12aで第2の結び目形成ループ
10bの形成部までの部分にある程度の張力を加えた状
態で結び目押動部材14を押し出せば、第1の結び目N
1 は小さく固まるようになる。
【0030】次に、操作板16bを前進させて、突起部
材15bをカム部18bの作用により曲げるようにし
て、この突起部材15bもループ形成・離脱部12aの
表面に対して非突出状態にする。これによって、第2の
結び目形成ループ10bの規制も解除されることにな
る。従って、第1の結び目形成ループ10bと同様にし
て、第2の結び目形成ループ10bも結紮用筒体12か
ら離脱させると、糸10の先端部分は、この第2の結び
目形成ループ10bの内部に挿通された状態となって、
図7に示したように、第2の結び目N2 が形成される。
ここで、第2の結び目N2 を形成するループは第1の結
び目N1 のループとは逆方向になっているから、相互に
結び方向が反対となった2重の結び目N1 ,N2 が形成
され、諸結の状態になる。
【0031】以上の状態から、糸10に張力を持たせる
ようにした上で、結び目押動部材14の押動作動部14
bを第2の結び目N2 に押し当てて、被結紮部の方向に
向けて押し出すようにすると、この第2の結び目N2
第1の結び目N2 と重なり合うようになり、しかも固く
結び付けられる。
【0032】このように、結紮を行うに当って必要な結
び目を形成する操作のうち、第1,第2の結び目形成ル
ープ10a,10bを形成するための操作は、予め体腔
外で行うことができるから、その操作を容易かつ迅速に
行えるようになる。しかも、結紮装置11を体腔内に挿
入した後は、結紮が完了するまでは、体液等が付着した
状態となっている糸10を体腔の外に引き出して、それ
に対して何らかの操作を行った上で、再び体腔内に挿入
する等といったことは必要ではなくなるから、衛生上の
観点から極めて好ましいものとなる。しかも、結紮を行
うために、体腔内で行わなければならない操作として
は、実質的に結紮用筒体12から第1,第2の結び目形
成ループ10a,10bを離脱・分離するという極めて
簡単な操作で良いから、その操作性が著しく向上する。
さらに、第1,第2の結び目形成ループ10a,10b
を結紮用筒体12から離脱させて、実質的に結び目が形
成された後に、これらの結び目を固く結ぶ操作も結紮装
置11の結び目押動部材14により行うことができ、こ
のための操作を他の器具を用いる必要がなく、ガイド管
2内に結紮装置11を挿通させた状態で、結び目の形成
からそれを固く結ぶ操作までを一貫して行うことができ
る。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、結紮用
筒体の周胴面に、予め結び目形成ループが軸線方向に複
数箇所形成しておき、結紮用筒体の内部に糸の先端を着
脱可能に把持する把持手段を挿通させて、この把持手段
で糸の先端を把持した状態で、結び目形成ループを結紮
用筒体の先端から離脱させるようにしたから、縫合や結
紮等を行うに当って、結び目を形成するために必要な操
作の大半を予め体腔外で行うことができ、体腔内で行わ
れる操作を簡略化でき、その操作性が向上し、迅速かつ
確実に縫合や結紮を行えるようになり、しかも一度体内
に挿入した後には、結紮が完了するまでは糸を体腔外に
取り出す必要がないことから、衛生上の観点からも好ま
しい等といった効果をそうする。
【図面の簡単な説明】
【図1】腹腔内において、所定の処置を施している状態
を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例を示す結紮装置の先端部分の
外観図である。
【図3】結紮装置の全体構成を示す正面図である。
【図4】結紮用筒体の先端部分の断面図である。
【図5】結紮装置により第1の結び目を形成している状
態を示す作用説明図である。
【図6】結び目を固く結ぶ操作を行っている状態を示す
作用説明図である。
【図7】結紮状態を示す作用説明図である。
【符号の説明】
10 糸 10a,10b 結び目形成ループ 11 結紮装置 12 結紮用筒体 12a ループ形成・離脱部 13 把持鉗子 14 結び目押動部材 15a,15b 突起部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周胴面に結紮用の糸をループ状に巻回
    し、そのループ端で糸をクロスさせるように延在させた
    結び目形成ループが軸線方向に複数箇所形成される結紮
    用筒体と、この結紮用筒体の内部に挿通され、糸の先端
    を着脱可能に把持する把持手段とを有し、この把持手段
    で糸の先端を把持した状態で、結び目形成ループを結紮
    用筒体の先端から離脱させることにより結び目を形成す
    る構成としたことを特徴とする結紮装置。
  2. 【請求項2】 前記結び目形成ループは、奇数番目と偶
    数番目とで、ループの巻回方向が反対方向となるように
    巻回したことを特徴とする請求項1記載の結紮装置。
  3. 【請求項3】 前記結紮用筒体から離脱させた結び目形
    成ループを被結紮部に向けて送り込むことにより結び目
    を固く結んだ状態にする結び目押動部材を前記結紮用筒
    体内に挿通させる構成としたことを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の結紮装置。
  4. 【請求項4】 前記結紮用筒体には、その結び目形成ル
    ープが設けられる部位を円錐面形状となし、この円錐面
    形状に沿って結び目形成ループを結紮用筒体から離脱可
    能な構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれかに記載の結紮装置。
  5. 【請求項5】 前記結紮用筒体の円錐面形状の部位に
    は、結び目形成ループを保持するループ保持用突起を設
    け、このループ保持用突起は結紮用筒体の円錐面から突
    出する状態と、非突出状態とに変位可能な構成としたこ
    とを特徴とする請求項4記載の結紮装置。
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