JPH0996981A - ロール - Google Patents
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- JPH0996981A JPH0996981A JP25252595A JP25252595A JPH0996981A JP H0996981 A JPH0996981 A JP H0996981A JP 25252595 A JP25252595 A JP 25252595A JP 25252595 A JP25252595 A JP 25252595A JP H0996981 A JPH0996981 A JP H0996981A
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- reactive
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- particles
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Fixing For Electrophotography (AREA)
- Dry Development In Electrophotography (AREA)
Abstract
たロールを提供する。 【解決手段】軸体の外周に一層もしくは二層以上の層を
備えたロールであって、これらの層のうち最外層が、下
記(A)のゴム組成物で形成されている。 (A)フッ素ゴムをマトリックス成分とし、このフッ素
ゴムマトリックス1a中に、反応性シリコーンオイルお
よび反応性フッ素オイルの少なくとも一方からなる粒子
2が分散したゴム組成物1であって、上記粒子2が上記
フッ素ゴムマトリックス1a内部において部分的に連結
した状態でフッ素ゴムマトリックス1aに反応固定され
ており、かつ上記粒子2の粒径が、粒径0.1μm以上
の粒子2の断面積を計測し、これを小さいものから順次
累積した場合に、この総合累積断面積に対し90%の累
積断面積となる点の粒径が30μm以下となるよう設定
されているゴム組成物。
Description
着ロール等のようなトナーと接触するタイプのロールに
関するものであり、詳しくは、トナーの離型性に優れた
最外層を有するロールに関するものである。
像ロールのように、トナーと接触するロールでは、トナ
ーがロール表面に付着するのを防止することが重要な特
性として要求されている。このため、このようなロール
の最外層は、離型性に優れるフッ素ゴム組成物を用いて
形成されており、この離型性をさらに向上させるために
上記フッ素ゴム組成物に、離型剤としてシリコーンオイ
ルが配合されている。
ゴムとシリコーンオイルは相溶性が悪いため、シリコー
ンオイルが大きな凝集体となって、フッ素ゴムマトリッ
クス中に偏って存在する場合がある。このような状態に
なると、例えば、電子写真複写機の現像ロールにおい
て、ロール表面に供給されるシリコーンオイルに過不足
が生じ、その結果、シリコーンオイルが不足した部分に
トナーが付着し、これが起点となってトナー付着がさら
に広がって、最終的にはトナーフィルミングが発生して
しまう。
たもので、トナーの離型性に優れた最外層を備えたロー
ルの提供をその目的とする。
め、この発明のロールは、軸体の外周に一層もしくは二
層以上の層が形成されたロールであって、これらの層の
うち最外層が、下記(A)のゴム組成物によって形成さ
れているという構成をとる。 (A)フッ素ゴムをマトリックス成分とし、このフッ素
ゴムマトリックス中に、反応性シリコーンオイルおよび
反応性フッ素オイルの少なくとも一方からなる粒子が分
散したゴム組成物であって、上記粒子がフッ素ゴムマト
リックス内部において部分的に連結した状態でフッ素ゴ
ムマトリックスに反応固定されており、かつ上記粒子の
粒径が、粒径0.1μm以上の粒子の断面積を計測し、
これを小さいものから順次累積した場合に、この総合累
積断面積に対し90%の累積断面積となる点の粒径が3
0μm以下となるよう設定されているゴム組成物。
に反応固定される」とは、マトリックスを構成するフッ
素ゴム分子と、粒子を形成する反応性シリコーンオイル
等とが反応し、両者が化学結合して固定されることをい
う。なお、すべての反応性シリコーンオイル等がフッ素
ゴムと化学結合する必要はなく、主として粒子の表面に
位置する反応性シリコーンオイル等が化学結合すれば、
粒子がフッ素ゴムマトリックスに反応固定されるのであ
る。また、この発明のロールの最外層に用いられるゴム
組成物のフッ素ゴムマトリックスは、フッ素ゴム分子が
架橋していない状態および加硫により架橋した状態の双
方の状態を含む。ただし、ロールの最外層が形成された
後では、上記ゴム組成物は加硫されていることはいうま
でもない。
が各々独立しているとみなした上での各粒子の粒径をい
い、粒径は、粒子の最大粒径をいう。すなわち、その粒
子の断面形状が円形の場合にはその直径が粒径となり、
粒子の断面形状が楕円の場合にはその長径が粒径とな
る。
面積を計測し、これを小さいものから順次累積した場
合」とは、つぎのような場合をいう。すなわち、フッ素
ゴム組成物において、これに分布する粒径0.1μm以
上の粒子の断面積を計測する。この計測は、例えば走査
型電子顕微鏡によりフッ素ゴム組成物を観察することに
より行うことができる。なお、この観察は、ゴム組成物
全体について行う必要はなく、観察箇所(サンプリング
箇所)を決めて部分的に行ってもよい。このサンプリン
グ箇所は、好ましくは4〜30箇所、特に好ましくは2
0〜30箇所である。また、断面積の算出は、粒子の断
面形状に応じて行うものであり、例えば粒子断面を小分
割して各部の面積を算出し、これを合計して各粒子断面
積を求めることができる。そして、この断面積を小さい
ものから順次累積し、総合累積断面積を算出するのであ
る。
%の累積断面積となる点の粒径が30μm以下である」
とは、つぎのことをいう。すなわち、上記総合累積断面
積の90%の割合の累積断面積を導出し、この90%の
割合の累積断面積となる点の粒子の粒径(以下「90%
累積断面積粒径」という)を求める。この一例を、図1
1のグラフ図に示す。このグラフ図では、縦軸が累積断
面積割合(%)であり、横軸が粒子の粒径(μm)およ
び粒径の断面積(μm2 )である。図示のように、粒子
の断面積が小さいものから順次累積していくと、粒径
(断面積)が大きくなるに従い累積断面積割合が大きく
なる曲線が得られる。そして、点線で示すように、90
%累積断面積に当たる点の粒子の粒径を求めるのであ
る。そして、この点での粒子の粒径が30μm以下であ
れば、この発明の要件を満たすのである。
は、最外層に特殊なフッ素ゴム組成物を使用することを
特徴とするものである。この特殊なフッ素ゴム組成物
は、トナー離型剤である反応性シリコーンオイル等から
なる粒子をフッ素ゴムマトリックス中に均一に分散さ
せ、かつこの粒子をフッ素ゴムマトリックス内部におい
て部分的に連結した状態でフッ素ゴムマトリックスに反
応固定させたものである。このゴム組成物の平面図を、
模式的に図1に示す。すなわち、このゴム組成物1は、
フッ素ゴムマリックス1a中に、反応性シリコーンオイ
ル等から形成された粒子2が、フッ素ゴム分子と反応し
て化学的に結合している。この化学結合は、反応性シリ
コーンオイル等の反応基の種類によって異なる。そし
て、先に述べたように、上記粒子2は、その粒径分布
が、90%累積断面積粒径が30μm以下となるよう設
定されている。しかも、上記各粒子2は、その厚み方向
の断面図である図2に示すように、複数の隣合う粒子2
が主として厚み方向に連結して、三次元的なつながりを
有している。なお、この三次元的なつながりは、上記ゴ
ム組成物の加硫成形品表面をアセトン等の溶剤で拭き取
ってオイル成分を除去することにより観察することがで
きる。
て最外層が形成されたロールは、離型剤である反応性シ
リコーンオイル等が、特殊な粒度分布で均一に分散した
状態でマトリックス内部に反応固定されており、表面か
ら上記オイル等が大きな凝集体となって滲み出すことが
なくほぼ均等に滲み出すため、ロール表面全体において
高いトナー離型性を発揮する。特に、この発明のロール
では、最外層においてオイル成分の粒子が各々独立して
いるのではなく部分的に連結しているため、オイルの供
給が連続的に行われ、上記高いトナー離型性が長期間持
続するという利点を有する。したがって、従来問題とな
っていたトナーフィルミングの発生を効果的かつ長期的
に防止することができる。
うに、軸体10の外周の沿って最内層11が形成され、
その外周面に中間層12が形成され、さらにその外周面
に最外層13が形成された構造になっている。
のを用いても差し支えはない。例えば金属製の中実体か
らなる芯金や、内部が中空の金属製円筒体等が用いられ
る。そして、その材料としては、アルミニウム,ステン
レス等があげられる。
内層11およびその外周面に形成される中間層12の形
成材料も、特に限定するものではなく、従来公知のどの
ようなものを用いてもよい。例えば、上記最内層11の
形成材料として、エチレン−プロピレンゴム(EPD
M),スチレンブタジエンゴム(SBR),シリコーン
ゴム,ポリウレタン系エラストマー等にカーボンブラッ
クを配合したものがあげられる。また、中間層12の形
成材料として、例えば、EPDM,SBR,ニトリルゴ
ム、水素化ニトリルゴム,ポリウレタン系エラストマ
ー,ポリエステル,N−メトキシメチル化ナイロン等に
カーボンブラック,金属酸化物,四級アンモニウム塩等
の導電剤を配合したものがあげられる。そして、上記最
内層11および中間層12の形成材料の調製方法も、従
来公知の方法が適用される。この例をあげると、まず、
最内層11の形成材料(コンパウンド状)は、上記各成
分をニーダー等の混練機により混練して調製することが
できる。また、中間層12の形成材料(コーティング
液)は、ボールミルやロール等で混練し、この混合物に
溶剤を加えて混合攪拌することにより調製することがで
きる。
層13は、フッ素ゴムと、反応性シリコーンオイル(a
成分)および反応性フッ素オイル(b成分)の少なくと
も一方を含有する特殊なものが用いられる。
るものであり、その種類は特に限定するものではない
が、ポリマー粘度が低く充填物の分散性が良い等の理由
からテトラフルオロエチレン−ポリプロピレン(TFE
−PP)共重合体を使用することが好ましく、下記に示
す一般式(1)で表される構造を有するランダム共重合
体を用いることが特に好ましい。
n,pの割合は、重量比で、m:n;p=(30〜6
0):(10〜40):(10〜40)に設定されたも
のを用いることが好ましく、特に好ましくは、m:n:
p=(30〜50):(30〜40):(20〜30)
である。
反応性シリコーンオイル(a成分)および反応性フッ素
オイル(b成分)は、トナーの離型剤としての作用を果
たすものであり、上記a成分およびb成分の双方を配合
しても上記両成分のいずれか一方を単独で配合してもよ
い。
よび反応性フッ素オイル(b成分)は、双方とも、水酸
基,アミノ基,メルカプト基,エポキシ基,カルボキシ
ル基,メタクリル基からなる群から選ばれた少なくとも
一つの反応基を有するものが好ましい。これらの反応基
は、前記フッ素ゴムと反応するものであり、これによ
り、上記オイルが、フッ素ゴムマトリックス中に固定さ
れるのである。この反応固定の様式を、上記反応基毎に
下記に示す。
(両末端を含む)や側鎖に位置するものであり、その配
置はオイルの種類等によって異なる。
ムとの反応性が良いという理由により、水酸基,アミノ
基,メルカプト基が好ましく、特に好ましいのは、アミ
ノ基である。また、熱安定性の理由から、反応性シリコ
ーンオイル(a成分)の平均分子量は300以上、反応
性フッ素オイル(b成分)の平均分子量は200以上が
好ましく、特に好ましくは、双方とも平均分子量が15
00〜20000である。さらに、これら反応性シリコ
ーンオイル(a成分)および反応性フッ素オイル(b成
分)の合計配合割合(a+b)は、フッ素ゴム100重
量部(以下「部」と略す)に対し、0.5〜100部の
範囲が好ましく、特に好ましくは、15〜50部の範囲
である。
分)および反応性フッ素オイル(b成分)の具体例を示
す。
ル〕
ル〕
オイル〕
イル〕
ンオイル〕
オイル〕
ル〕
ル〕
イル〕
ル〕
ル(a成分)および反応性フッ素オイル(b成分)のな
かで好ましいのは、反応性の点から、水酸基,アミノ
基,メルカプト基を有するものであり、特に好ましいの
はアミノ基を有するものである。
には、上記反応性シリコーンオイル(a成分)および反
応性フッ素オイル(b成分)に加え、非反応性シリコー
ンオイル(c成分),非反応性フッ素オイル(d成分)
を配合することができる。これらの非反応性オイルは、
フッ素ゴム分子と化学結合するための反応基をもたない
が、上記反応性シリコーンオイル等と併用することによ
り、フッ素ゴムマトリックスに固定される。これは、上
記非反応性オイルが、反応性オイルからなる粒子中に混
在し、両者が疎水結合により結合し、この結果、非反応
性オイルがフッ素ゴムマトリックスに固定されるものと
推察される。したがって、上記非反応性オイルを用いて
も、所定量であれば、これの大きな凝集体が発生する等
の弊害は発生しない。
は、アルキル基,アラルキル基,高級アルコールエステ
ル基,ポリエーテルフルオロアルキル基からなる群から
選ばれた少なくとも一つの有機基を有するものが好まし
い。これらは、離型剤としての効果が高いからである。
なかでも、離型性と熱的安定性が高いという理由から、
平均分子量が500〜100000の範囲のものが好ま
しく、特に好ましくは平均分子量2000〜50000
の範囲のものである。
合割合は、通常、フッ素ゴム100部に対し10〜10
0部の範囲に設定され、好ましくは、20〜50部の範
囲、特に好ましくは30〜40部の範囲である。
具体例を下記に示す。
オイル〕
ンオイル〕
応性シリコーンオイル〕
る非反応性シリコーンオイル〕
ーンオイルのなかでも、離型性が高いという理由から、
アルキル基,高級アルコールエステル基,ポリエーテル
フルオロアルキル基を有するものを用いることが好まし
く、特に好ましくは高級アルコールエステル基を有する
ものである。
分)としては、パーフルオロポリエーテル等が用いられ
る。
は、上記オイル成分の他に、適正な体積電気抵抗(10
7 〜1012Ω・cm)を付与することを目的として、イ
オン性導電剤を配合することができる。この体積電気抵
抗にかかる特性は、例えば、現像ロールの最外層13の
特性として重要である。
リメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、ベンジ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルプ
ロピレンアンモニウムクロライド、トリオクチルプロピ
ルアンモニウムブロマイド、トリメチルオクタデシルア
ンモニウムパークロレート、テトラブチルアンモニウム
ハイドロゲンサルフェート、テトラブチルアンモニウム
ヒドロキサイド等の四級アンモニウム化合物およびこれ
ら四級アンモニウム化合物の過塩素酸塩、安息香酸塩、
亜硝酸塩、硫酸塩、水酸塩等があげられる。これらは単
独でもしくは2種類以上併せて用いられる。なかでも、
テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート
(TBAHS)、テトラブチルアンモニウムヒドロキサ
イトを用いることが好ましい。
ルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、鉛丹、
リサージ等の受酸剤や、パーオキサイド、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールAF、ヘキサメチレンジアミン等
の加硫剤を必要に応じて適宜配合することができる。な
お、後述するように、上記加硫剤は、上記ゴム組成物を
用いてロールの最外層13を形成する際(塗工前)にお
いて、その都度配合することが好ましい。
上記材料を用い、例えば、以下の方法(第1の方法)に
より作製することができる。
機(例えばバンバリーミキサー)中で混練する。これに
受酸剤を投入して混練したのち、反応性シリコーンオイ
ル(a成分)および反応性フッ素オイル(b成分)の少
なくとも一方、必要に応じ非反応性シリコーンオイル
(c成分)、非反応性フッ素オイル(d成分)、その他
の成分を投入し、混練を続ける。そして、混練機のトル
クが上昇した後に混練を停止し、混練物を取り出す。こ
の混練物をオープンロールでシーティングしたのち、こ
れを溶剤に溶解してゴム組成物(コーティング液)を調
製する。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル,メチ
ルエチルケトン,メタノール,トルエン,イソプロピル
アルコール,メチルセロソルブ,ジメチルホルムアミド
があげられる。これらは単独で用いられ、あるいは2種
以上併用される。なお、この段階では、加硫剤は配合せ
ず、使用の前(塗工前)に配合することが好ましい。
に、以下の方法(第2の方法)によっても作製すること
ができる。
する。上記溶剤としては、例えば、酢酸エチル,メチル
エチルケトン,メタノール,トルエン,イソプロピルア
ルコール,メチルセロソルブ,ジメチルホルムアミドが
あげられる。これらは単独であるいは2種類以上併用さ
れる。そして、上記溶解したフッ素ゴム中に、上記反応
性シリコーンオイル(a成分)および反応性フッ素オイ
ル(b成分)の少なくとも一方、必要に応じ非反応性シ
リコーンオイル(c成分),非反応性フッ素オイル(d
成分)、その他の成分を配合する。そして、加温下で攪
拌を行い粘度を上昇させ、この粘度が一定になるところ
で攪拌を停止してゴム組成物(コーティング液)を調製
する。上記加温条件は、40℃以上で溶剤の沸点以下の
範囲が好ましく、特に好ましくは50〜80℃の範囲で
ある。また、この調製時では、加硫剤は配合せず、使用
の前(塗工前)に配合することが好ましい。なお、上記
攪拌時の粘度上昇は、反応性シリコーンオイル等の粒子
の微細化(総表面積の増大化)と、反応性シリコーンオ
イル等とフッ素ゴム分子との化学結合によるものと推察
される。上記一定値になる粘度は、用いる材料等により
異なるが、通常2000〜20000cpsであり、好
適には3000〜5000cpsである。
フッ素ゴムマトリックス中(フッ素ゴム分子間)に反応
性シリコーンオイル等(離型剤)からなる粒子が、90
%累積断面積粒径が30μm以下となって均一に分散
し、かつ上記フッ素ゴムマトリックス内部において部分
的に連結した状態でフッ素ゴムマトリックス(フッ素ゴ
ム分子間)に反応固定されている(図1および図2参
照)。この結果、先に述べたように、反応性シリコーン
オイル等の大きな凝集体が生じることなく、離型性が長
期間保持されるようになる。なお、上記粒子の粒径は、
好ましくは0.1〜20μmであり、特に好ましくは
0.1〜5μmである。
料を用い、例えばつぎのようにして製造することができ
る。すなわち、まず、前記のようにして調製された最内
層11および中間層12の形成材料を用い、常法に従っ
て、軸体10の外周に最内層11および中間層12を形
成し、ロール基体を作製する。例えば、図4に示すよう
に、軸体10をセットした下蓋15および円筒型16内
に、コンパウンド状の最内層形成材料を注型し、上蓋1
7を円筒型16に外嵌する。この状態で、ロール型全体
を加熱(加硫処理、条件:150〜200℃×20〜4
0分)し、最内層11を形成する。ついで、最内層11
が形成された軸体10を脱型し、必要に応じ加硫剤の残
渣を蒸発除去する。そして、上記最内層11の外周面に
中間層形成材料(コーティング液)を塗工し、乾燥およ
び加熱処理(加硫処理、条件:120〜200℃×10
〜30分)を行って中間層12を形成する。上記塗工
は、ディッピング法,スプレー法,ロールコート法等の
従来から公知の塗工法を適用できる。このようにして、
軸体10の外周に最内層11および中間層12が形成さ
れたロール基体を作製する。
に加硫剤を配合する。そして、上記ロール基体の中間層
12外周面に、上記ゴム組成物を塗工する。この塗工法
は、特に制限するものではなく、ディッピング法,スプ
レー法、ロールコート法等の従来の方法が適用できる。
そして、塗工後、乾燥および加熱処理(加硫処理、条
件:150〜200℃×20〜40分)を行うことによ
り、ゴム組成物中の溶剤の蒸発除去を行うとともにフッ
素ゴム成分を架橋する。このようにして、図3に示すよ
うな三層構造のロールを作製することができる。なお、
この現像ロールにおいて、各層の厚みは、適宜決定され
るが、最内層11の厚みは2〜10mmの範囲に設定す
ることが好ましく、特に好ましくは厚み3〜6mmであ
る。また、中間層12の厚みは3〜90μmの範囲に設
定することが好ましく、特に好ましい厚みは5〜15μ
mである。そして、最外層13の厚みは、20〜100
μmが好ましく、特に好ましくは30〜70μmであ
る。
ールに適用するのが好適であるが、必ずしも現像ロール
に限定するものではない。すなわち、この発明の最外層
13に用いるゴム組成物が、ロール表面に優れたトナー
離型性を長期間付与できるため、ロール表面がトナーと
直接接触するタイプのロールであれば、どのようなロー
ルに適用しても効果的である。このようなロールとして
は、定着ロール等があげられる。そして、この発明のロ
ールの例として、図3において三層構造のものをあげた
が、軸体10の外周に形成される層は必ずしも三層でな
くてもよく、ロールの目的,用途等に応じて、適宜の数
の層が形成される。ただし、必ず最外層(単層の場合に
はその層)が、上記特殊なゴム組成物で形成されていな
ければならない。
ッ素ゴムマトリックス中に、離型剤として反応性シリコ
ーンオイルおよび反応性フッ素オイルの少なくとも一方
を、特殊な粒度分布で分散させ、かつこの粒子をフッ素
ゴムマトリックス内部において部分的に連結した状態で
フッ素ゴムマトリックスに反応固定させたものである。
このため、例えば、この発明のロールを現像ロール等に
適用すると、従来の現像ロール等の最外層において問題
となっていた、トナー離型剤であるシリコーンオイルの
大きな凝集体の発生やロール表面への滲出が防止される
ようになる。特に、その最外層においてオイル成分の粒
子が各々独立しているのではなく部分的に連結している
ため、オイルの供給が連続的に行われ、上記高いトナー
離型性が長期間持続するという利点を有する。したがっ
て、良質な複写画像が長期間にわたって得られる。
明する。
となる芯金(直径10mm,SUS304製)と、最内
層形成材料として液状シリコーンゴムにカーボンブラッ
クを添加したものと、中間層形成材料として水素化ニト
リルゴムにカーボンブラックを添加したものを準備し
た。
に、最内層および中間層を形成し、ロール基体を作製し
た。
面に、前述第2の方法によって調製されたゴム組成物を
用い、最外層を形成した。すなわち、後記の表1〜表3
に示す材料をこれらの表に示す割合で配合し、前述の方
法に準じ、フッ素ゴム組成物のコーティング液を調製し
た。そして、これを用い、前述の方法(塗工法:ロール
コート法)により、上記ロール基体の外周面に最外層を
形成し、目的とする現像ロールを作製した。なお、この
現像ロールの最内層の厚みは、5mmであり、中間層の
厚みは10μmであり、最外層の厚みは50μmであ
る。
較例1〜4の現像ロールについて、複写画像を評価する
とともにトナーフィルミングの発生の有無を調べ、その
結果を後記の表1〜表3に示した。また、これらの表
に、粒子の平均粒径、90%累積断面積粒径も併せて示
した。なお、上記評価・計測は、下記の方法に従った。
写機に組み込み、実際に複写を行った。そして、複写画
像の画質を複写初期と3万枚複写後において目視評価し
た。すなわち、文字を印刷し、複写画像に問題がなく、
細線が鮮明に複写されたものを○とし、かすれやかぶり
等が発生したものは、×とした。なお、かすれとは、細
線がとぎれたものをいい、かぶりとは、イメージのない
ところにトナーが飛んでいるものをいう。また、トナー
フィルミングが発生した場合には、トナーフィルミング
が発生した部分と発生しなかった部分とに分けて評価し
た。
トナーが厚く付着した部分は帯電性が悪くなり複写画像
に不良が生じる。具体的には、現像ロール表面にトナー
成分の一部が1μm以上の厚みで付着すると画像が著し
く悪化する。そこで、トナー付着が1μm以上となった
場合を、トナーフィルミングが発生したものとして、そ
の有無を調べた。
示すように、現像ロール20の弾性体部分(最内層、中
間層、最外層)に軸方向と直角に2箇所切れ目を入れて
輪切りにし、さらに軸方向に切れ目を入れて芯金から取
り出し、同図(B)に示すようなサンプル20aを作製
した。そして、同図(C)のサンプル20aの断面部に
示すように、点線で囲った4箇所(最外層部分)につい
て、走査型電子顕微鏡(S−4100,堀場製作所社
製)で観察を行った。そして、先に述べた手順により画
像処理機(スピカII,日本アビオニクス社製)を用いて
90%累積断面積粒径を自動的に求めた。
ンオイル等の粒子の90%累積断面積粒径が30μm以
下である実施例1〜7の各現像ロールは、複写画像に問
題がなく、また細線も鮮明に複写されており、トナーフ
ィルミングの発生もなかった。これに対し、上記表3か
ら、反応性シリコーンオイル等の粒子の90%累積断面
積粒径が30μmを超えた比較例1〜4の現像ロールで
は、トナーフィルミングが発生した。
ールの最外層における反応性シリコーンオイルからなる
粒子の状態を、上記走査型電子顕微鏡を用い調べた。こ
の結果を、図5〜図8の写真に示す。
面の状態を示す写真(倍率1万倍)であり、図6は、同
じ最外層内部(厚み方向断面)の状態を示す写真(倍率
1万倍)である。また図7は、比較例1の現像ロールの
最外層表面の状態を示す写真(倍率1万倍)であり、図
8は、同じ最外層内部(厚み方向断面)の状態を示す写
真(倍率1万倍)である。上記図5および図6の写真か
ら、実施例1の現像ロールでは、オイル粒子が非常に粒
径が小さく、フッ素ゴムマトリックス中に均一に分散し
ていることがわかる。これに対し、上記図7および図8
の写真から、比較例1の現像ロールでは、反応性シリコ
ーンオイルから形成された粒子の粒径が大きいことが分
かる。
剤(アセトン)で拭き、最外層に分散されているオイル
成分を除去して得られる空隙の状態を調べた。図9は、
その最外層表面の状態を示す写真(倍率2500倍)で
あり、図10は、同じ最外層内部(厚み方向断面)の状
態を示す写真(倍率2500倍)である。これらの写真
から、フッ素ゴムマトリックス中に均一に分散したオイ
ル粒子は、フッ素ゴムマトリックス内部において部分的
に連結し、ある程度つながっていることが分かる。
1〜表3の結果(トナーフィルミング)から総合的に判
断して、フッ素ゴムマトリックス中に分散する反応性シ
リコーンオイルからなる粒子の90%累積断面積粒径が
30μm以下あり、これがフッ素ゴムマトリックス内部
において部分的に連結した状態でフッ素ゴムマトリック
スに反応固定されていることにより、実施例品は、トナ
ーフィルミングの発生が防止されたといえる。
す模式的な平面図である。
み方向断面図である。
の表面における反応性シリコーンオイル粒子の構造を示
す顕微鏡写真である。
イル粒子の構造を示す顕微鏡写真である。
る反応性シリコーンオイル粒子の構造を示す顕微鏡写真
である。
イル粒子の構造を示す顕微鏡写真である。
のちの最外層の表面における反応性シリコーンオイル粒
子の構造を示す顕微鏡写真である。
オイル粒子の構造を示す顕微鏡写真である。
を示すグラフ図である。
示す斜視図であり、(B)は現像ロールから切り出した
サンプルの斜視図であり、(C)は上記サンプルの断面
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 軸体の外周に一層もしくは二層以上の層
が形成されたロールであって、これらの層のうち最外層
が、下記(A)のゴム組成物によって形成されているこ
とを特徴とするロール。 (A)フッ素ゴムをマトリックス成分とし、このフッ素
ゴムマトリックス中に、反応性シリコーンオイルおよび
反応性フッ素オイルの少なくとも一方からなる粒子が分
散したゴム組成物であって、上記粒子がフッ素ゴムマト
リックス内部において部分的に連結した状態でフッ素ゴ
ムマトリックスに反応固定されており、かつ上記粒子の
粒径が、粒径0.1μm以上の粒子の断面積を計測し、
これを小さいものから順次累積した場合に、この総合累
積断面積に対し90%の累積断面積となる点の粒径が3
0μm以下となるよう設定されているゴム組成物。 - 【請求項2】 上記反応性シリコーンオイルが、水酸
基,アミノ基,メルカプト基,エポキシ基,カルボキシ
ル基,メタクリル基からなる群から選ばれた少なくとも
一つの反応基を有する反応性シリコーンオイルであり、
上記反応性フッ素オイルが、水酸基,アミノ基,メルカ
プト基,エポキシ基,カルボキシル基,メタクリル基か
らなる群から選ばれた少なくとも一つの反応基を有する
反応性フッ素オイルである請求項1記載のロール。 - 【請求項3】 上記反応性シリコーンオイルの平均分子
量が300〜15万であり、上記反応性フッ素オイルの
平均分子量が200〜2万である請求項1または2記載
のロール。 - 【請求項4】 上記反応性シリコーンオイルおよび上記
反応性フッ素オイルの合計配合割合が、フッ素ゴム10
0重量部に対し、0.5〜100重量部である請求項1
〜3のいずれか一項に記載のロール。 - 【請求項5】 上記粒子が、非反応性シリコーンオイル
および非反応性フッ素オイルの少なくとも一方を含有す
る請求項1〜4のいずれか一項に記載のロール。 - 【請求項6】 上記非反応性シリコーンオイルが高級ア
ルコールエステル基を有し、上記非反応性フッ素オイル
がパーフルオロポリエーテルである請求項5記載のロー
ル。
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