JP3183147B2 - ロールおよびこれに用いるゴム組成物 - Google Patents

ロールおよびこれに用いるゴム組成物

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JP3183147B2
JP3183147B2 JP3246396A JP3246396A JP3183147B2 JP 3183147 B2 JP3183147 B2 JP 3183147B2 JP 3246396 A JP3246396 A JP 3246396A JP 3246396 A JP3246396 A JP 3246396A JP 3183147 B2 JP3183147 B2 JP 3183147B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現像ロールや定着
ロール等のようなトナーと接触するタイプのロールおよ
びこれに用いるゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機等において、例えば、現
像ロールのように、トナーと接触するロールでは、トナ
ーがロール表面に付着するのを防止することが重要な特
性として要求されている。このため、このようなロール
の最外層は、離型性に優れるフッ素ゴム組成物を用いて
形成されており、この離型性をさらに向上させるために
上記フッ素ゴム組成物に、離型剤としてシリコーンオイ
ルが配合されている。
【0003】ところが、フッ素ゴムとシリコーンオイル
は相溶性が悪いため、シリコーンオイルが大きな凝集体
となって、フッ素ゴムマトリックス中に存在する場合が
ある。このような状態になると、例えば、電子写真複写
機の現像ロールにおいて、ロール表面へのシリコーンオ
イルの供給が不均一となり、この結果、シリコーンオイ
ルが不足した部分にトナーの付着が生じ、これが起点と
なってトナー付着がさらに広がって、最終的にはトナー
フィルミングが発生してしまう。
【0004】この問題を解決すべく、本出願人は、フッ
素ゴムマトリックス中に反応性シリコーンオイル粒子を
反応固定させてなるゴム組成物を、最外層に用いたロー
ルをすでに提案している(特願平7−249415
号)。これは、離型剤である反応性シリコーンオイル粒
子と、フッ素ゴム分子とを反応させて化学的に結合させ
ることにより、シリコーンオイルが大きな凝集体となっ
て滲み出すことを防止し、その結果、上記トナーフィル
ミングの発生を防止しようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ロ
ールでは、シリコーンオイルの最外層表面部分への供給
が不安定なため、使用環境の変化等により、トナーフィ
ルミングに対する耐久性が変動するという課題を有す
る。すなわち、シリコーンオイルの粘度が低下する夏期
には、シリコーンオイルの最外層表面部分への供給が速
くなりすぎるため、早期にトナーフィルミングが生起す
る。そこで、シリコーンオイルの配合量を増加させる
と、最外層を形成する塗膜の強度が低下したり、塗布時
にはじいたりするという問題が生じる。加えて、上記ロ
ールでは、フッ素ゴムとシリコーンオイルとの相溶性の
問題を解決するために、フッ素ゴムとシリコーンオイル
とを化学的に結合させるため反応性シリコーンオイルを
用いての反応工程が必要になる。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、長期にわたるトナー離型性に優れるとともにト
ナーフィルミングの発生が防止されて、かつ、長寿命の
最外層を備えたロールおよびこれに用いるゴム組成物の
提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、軸体の外周面に一層もしくは二層以上の
層が形成されたトナーと接触するタイプのロールであっ
て、上記層のうち最外層が、下記のゴム組成物(A)に
よって形成されているロールを第1の要旨とし、このロ
ールに用いるゴム組成物(A)を第2の要旨とする。 (A)フッ素ゴムをマトリックス成分とし、このフッ素
ゴムマトリックス中に下記の粒子(X)が分散したゴム
組成物。 (X)シリコーンオイル含浸シリコーンゴム粒子,シリ
コーンオイル付着シリコーンゴム粒子,シリコーンオイ
ル含浸シリコーン樹脂粒子およびシリコーンオイル付着
シリコーン樹脂粒子の少なくとも一方からなる粒子であ
って、下記に示す粒度分布特性(Y)を備えている粒
子。 (Y)粒径0.1μm以上の粒子の断面積を計測し、こ
れを小さいものから順次累積した場合に、この総合累積
断面積に対し90%の割合の累積断面積となる点におけ
る粒径が30μm以下。
【0008】ここで、上記粒度分布特性(Y)における
「粒径が0.1μm以上の粒子の断面積を計測し、これ
を小さいものから順次累積した場合」とは、つぎのよう
な場合をいう。すなわち、上記フッ素ゴム組成物(A)
において、これに分布する粒径0.1μm以上の粒子の
断面積を計測する。上記粒径は、粒子の最大粒径をい
う。例えば、粒子の断面形状が円形である場合はその直
径が粒径となり、粒子の断面形状が楕円形である場合
は、その長径が粒径となる。また、上記計測は、例え
ば、走査型電子顕微鏡によりフッ素ゴム組成物を観察す
ることにより行うことができる。この観察は、ゴム組成
物全体について行う必要はなく、観察箇所(サンプリン
グ箇所)を決めて部分的に行ってもよい。このサンプリ
ング箇所は、好ましくは4〜30箇所、特に好ましくは
20〜30箇所である。また、断面積の算出は、粒子の
断面形状に応じて行うものであり、例えば、粒子断面を
小分割して各部の面積を算出し、これを合計して各粒子
断面積を求めることができる。そして、この断面積を小
さいものから順次累積し、総合累積断面積を算出するの
である。
【0009】また、上記粒度分布特性(Y)における
「この総合累積断面積に対し90%の割合の累積断面積
となる点における粒径が30μm以下」とは、つぎのよ
うなことをいう。すなわち、まず、上記総合累積断面積
の90%の割合の累積断面積を導出する。そして、この
90%の割合の累積断面積となる点における粒径(以下
「90%累積断面積粒径」という)を求める。この一例
を、図4のグラフ図に示す。このグラフ図では、縦軸が
累積断面積割合(%)であり、横軸が粒子の粒径(μ
m)および粒子の断面積(μm2 )である。図示のよう
に、粒子の断面積が小さいものから順次累積していく
と、粒径(断面積)が大きくなるに従い累積断面積割合
が大きくなる曲線が得られる。そして、点線で示すよう
に、90%累積断面積にあたる点における粒径を求める
のである。そして、この点での粒径が30μm以下であ
れば、本発明の要件を満たすのである。
【0010】そして、上記粒子(X)において、「シリ
コーンオイル含浸シリコーンゴム粒子」とは、シリコー
ンゴム粒子中にシリコーンオイルを含浸するシリコーン
ゴム粒子を意味し、「シリコーンオイル付着シリコーン
ゴム粒子」とは、シリコーンゴム表面にシリコーンオイ
ルを付着したシリコーンゴム粒子を意味する。同様に、
「シリコーンオイル含浸シリコーン樹脂粒子」とは、シ
リコーン樹脂粒子中にシリコーンオイルを含浸するシリ
コーン樹脂粒子を意味し、「シリコーンオイル付着シリ
コーン樹脂粒子」とは、シリコーン樹脂粒子表面にシリ
コーンオイルを付着したシリコーン樹脂粒子を意味す
る。すなわち、本発明において「シリコーンオイルを有
するシリコーンゴム(シリコーン樹脂)粒子」とは、シ
リコーンオイルを内部に含浸した状態のみをいうのでは
なく、単にシリコーンオイルが粒子表面に付着した状態
のものをも含む。
【0011】上記のように、本発明のロールは、最外層
に特殊なゴム組成物(A)を使用することを特徴とする
ものである。この特殊なゴム組成物(A)には、シリコ
ーンオイルを有するシリコーンゴム粒子およびシリコー
ンオイルを有するシリコーン樹脂粒子の少なくとも一方
からなる粒子が分散されている。この状態の一例を、図
1の模式図で示すと、フッ素ゴムマトリックス1中にお
いて、シリコーンオイル含浸シリコーンゴム粒子および
シリコーンオイル含浸シリコーン樹脂粒子の少なくとも
一方からなる粒子2が分散されており、上記シリコーン
オイル3は上記粒子2の中から滲み出し分離して、ロー
ルの最外層表面に供給される。そして、先に述べたよう
に、上記粒子2の粒度分布特性(Y)は、90%累積断
面積粒径が30μm以下に設定され、フッ素ゴムマトリ
ックス1中に均一に分散している。すなわち、本発明
は、従来のように、シリコーンオイル3が直接的にフッ
素ゴムマトリックス1中に分散しているのではなく、上
記粒子2中に含浸した状態で間接的にフッ素ゴムマトリ
ックス1中に均一に分散している。したがって、シリコ
ーンオイル3は、上記粒子2を介して、最外層表面部分
に安定して供給されるため、トナーフィルミングの発生
が防止されるとともに、長期にわたるトナー離型性が付
与される。しかも、シリコーンオイル3の配合量を増加
させる必要もなく、ロールの長寿命化が図れる。加え
て、本発明においては、シリコーンオイル3は、上記粒
子2に保持された状態でフッ素ゴムマトリックス1中に
均一に分散しているので、フッ素ゴムとシリコーンオイ
ルとの相溶性の問題がなく、従来のように、反応性シリ
コーンオイルとフッ素ゴム分子とを化学的に結合させる
ための反応性シリコーンオイルを用いての反応工程が不
要である。
【0012】また、シリコーンオイルがシリコーンゴム
粒子あるいはシリコーン樹脂粒子の表面に付着している
場合も、図1の模式図と同様に、フッ素ゴムマトリック
ス中において、シリコーンオイル付着シリコーンゴム粒
子およびシリコーンオイル付着シリコーン樹脂粒子の少
なくとも一方からなる粒子が分散されており、上記シリ
コーンオイルは上記粒子の表面に保持された状態から分
離して、ロールの最外層表面に供給される。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0014】本発明のロールとしては、例えば、図2に
示すように、軸体10の外周面に沿って最内層11が形
成され、その外周面に中間層12が形成され、さらにそ
の外周面に最外層13が形成された構造になったものを
あげることができる。
【0015】上記軸体10は、従来公知のどのようなも
のを使用しても差し支えない。例えば、金属製の中実体
からなる芯金や、内部が中空の金属製円筒体等が用いら
れる。そして、その材料としては、アルミニウム、ステ
ンレス等があげられる。
【0016】また、上記軸体10の外周面に形成される
最内層11およびその外周面に形成される中間層12の
形成材料も特に制限するものではなく、従来公知のどの
ようなものを用いてもよい。例えば、上記最内層11の
形成材料として、エチレン−プロピレンジエンゴム(E
PDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコ
ーンゴム、ポリウレタン系エラストマー等にカーボンブ
ラックを配合したものがあげられる。また、中間層12
の形成材料として、例えば、EPDM、SBR、ニトリ
ルゴム、水素化ニトリルゴム、ポリウレタン系エラスト
マー、ポリエステル、N−メトキシメチル化ナイロン等
にカーボンブラック、金属酸化物、四級アンモニウム
塩、ほう酸塩等の導電剤を配合したものがあげられる。
そして、上記最内層11および中間層12の形成材料の
調製方法も、従来公知の方法が適用される。この例をあ
げると、まず、最内層11の形成材料(コンパウンド
状)は、上記各成分をニーダー等の混練機により混練し
て調製することができる。また、中間層12の形成材料
(コーティング液)は、上記各成分を、ボールミルやロ
ール等で混練し、この混合物に溶剤を加えて混合攪拌す
ることにより調製することができる。
【0017】そして、上記中間層12の外周面に形成さ
れる最外層13は、フッ素ゴムマトリックス1中に、シ
リコーンオイルを有するシリコーンゴム粒子およびシリ
コーンオイルを有するシリコーン樹脂粒子の少なくとも
一方からなる粒子(X)が分散された特殊なゴム組成物
(A)を用いて形成される。なお、上記粒子(X)は、
先に述べた粒径分布特性(Y)を備えている。
【0018】上記フッ素ゴムとしては、特に限定するも
のではなく、従来公知のものが使用されるが、ポリマー
粘度が低く充填物の分散性が良い等の理由からテトラフ
ルオロエチレン−ポリプロピレン(TFE−PP)共重
合体を使用することが好ましく、なかでも、下記に示す
一般式(1)で表される構造を有するランダム共重合体
を用いることが特に好ましい。
【0019】
【化1】
【0020】上記式(1)において、各繰り返し部分
m、n、pの割合は、重量比で、m:n:p=(30〜
60):(10〜40):(10〜40)に設定された
ものを用いることが好ましく、特に好ましくは、m:
n:p=(30〜50):(30〜40):(20〜3
0)である。
【0021】つぎに、上記シリコーンオイルを有するシ
リコーンゴム粒子のシリコーンゴム粒子形成材料となる
シリコーンゴムとしては、水酸基、アミノ基、エポキシ
基、ビニル基からなる群から選ばれた少なくとも一つの
官能基を有するものが好ましい。これらの官能基を有す
ることにより、フッ素ゴム中に反応固定され、塗料や組
成物中に均一に安定して分散したものとなる。
【0022】上記シリコーンゴムのなかで、フッ素ゴム
との反応性等の点から、水酸基、アミノ基、ビニル基を
有するシリコーンゴムが好ましく、なかでも、アミノ基
を有するシリコーンゴムが好ましい。
【0023】また、上記シリコーンオイルを有するシリ
コーン樹脂粒子のシリコーン樹脂粒子形成材料となるシ
リコーン樹脂としては、水酸基、アミノ基、エポキシ
基、ビニル基からなる群から選ばれた少なくとも一つの
官能基を有するものが好ましい。これらの官能基を有す
ることにより、フッ素ゴム中に反応固定され、塗料や組
成物中に均一に安定して分散したものとなる。
【0024】上記シリコーン樹脂のなかで、フッ素ゴム
との反応性等の点から、水酸基、アミノ基、ビニル基を
有するシリコーン樹脂が好ましく、なかでも、アミノ基
を有するシリコーン樹脂が好ましい。
【0025】上記シリコーンオイルを有するシリコーン
ゴム粒子およびシリコーンオイルを有するシリコーン樹
脂粒子におけるシリコーンオイルは、特に限定するもの
ではなく、例えば、従来公知の反応性シリコーンオイル
(a)および非反応性シリコーンオイル(b)が使用さ
れるが、トナーフィルミングに対する耐久性(離型性)
等の理由から、特に非反応性シリコーンオイル(b)が
好ましい。
【0026】上記反応性シリコーンオイル(a)は、水
酸基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、カルボキ
シル基、メタクリロイル基からなる群から選ばれた少な
くとも一つの官能基を有するものが好ましい。これらの
官能基を有することにより、フッ素ゴムと反応し固定さ
れる部分が生じることにより、離型剤としてのシリコー
ンオイルの表面への供給が安定する。また、これらの官
能基は、分子鎖の末端(両末端を含む)や側鎖に位置す
るものであり、オイルの種類等によって異なる。
【0027】さらに、上記反応性シリコーンオイル
(a)のなかで、熱安定性等の理由から、平均分子量が
300以上のものが好ましく、特に好ましくは、平均分
子量が1,500〜20,000のものである。
【0028】上記各官能基を有する反応性シリコーンオ
イル(a)の具体例を以下に示す。
【0029】〔水酸基を有する反応性シリコーンオイ
ル〕
【0030】
【化2】
【0031】〔アミノ基を有する反応性シリコーンオイ
ル〕
【0032】
【化3】
【0033】〔メルカプト基を有する反応性シリコーン
オイル〕
【0034】
【化4】
【0035】〔エポキシ基を有する反応性シリコーンオ
イル〕
【0036】
【化5】
【0037】〔カルボキシル基を有する反応性シリコー
ンオイル〕
【0038】
【化6】
【0039】〔メタクリロイル基を有する反応性シリコ
ーンオイル〕
【0040】
【化7】
【0041】上記具体例で示した反応性シリコーンオイ
ル(a)のなかで、反応性の点から好ましいのは、上記
式(2)、(3)、(4)で示される反応性シリコーン
オイルであり、特に好ましいのは式(2)で示される反
応性シリコーンオイルである。
【0042】上記非反応性シリコーンオイル(b)は、
アルキル基、アラルキル基、高級アルコールエステル
基、ポリエーテルフルオロアルキル基からなる群から選
ばれた少なくとも一つの官能基を有するものが好まし
い。これらは、離型剤としての効果が高いからである。
【0043】また、上記非反応性シリコーンオイル
(b)のなかで、離型性と熱的安定性等の理由から、平
均分子量が500〜100,000の範囲のものが好ま
しく、特に好ましくは、平均分子量が2,000〜5
0,000の範囲のものである。
【0044】上記各官能基を有する非反応性シリコーン
オイル(b)の具体例を以下に示す。
【0045】〔アルキル基を有する非反応性シリコーン
オイル〕
【0046】
【化8】
【0047】〔アラルキル基を有する非反応性シリコー
ンオイル〕
【0048】
【化9】
【0049】〔高級アルコールエステル基を有する非反
応性シリコーンオイル〕
【0050】
【化10】
【0051】〔ポリエーテルフルオロアルキル基を有す
る非反応性シリコーンオイル〕
【0052】
【化11】
【0053】これら具体例として示した非反応性シリコ
ーンオイル(b)のなかでも、離型性が高いという理由
から、上記式(8)、(10)、(11)で示される非
反応性シリコーンオイルであり、特に好ましいのは、式
(10)で示される非反応性シリコーンオイルである。
【0054】上記粒子(X)を形成するシリコーンゴム
粒子およびシリコーン樹脂粒子に対する、上記シリコー
ンオイル(反応性、非反応性とも)の配合量は、粒子
(X)を形成するシリコーンゴム粒子およびシリコーン
樹脂粒子100重量部(以下「部」と略す)に対し、シ
リコーンオイル(反応性、非反応性とも)が20〜25
0部の範囲が好ましく、特に好ましくはシリコーンオイ
ルが100〜200部の範囲である。すなわち、シリコ
ーンオイルの配合割合が20部未満であれば、離型剤と
しての効果を充分に発揮できないからであり、逆に25
0部を超えれば、シリコーンゴム粒子およびシリコーン
樹脂粒子に含浸あるいは付着されるシリコーンオイルの
許容量を超えることになり、シリコーンオイルが大きな
凝集体となって滲み出すからである。上記シリコーンオ
イルの配合形態は、反応性シリコーンオイル(a)およ
び非反応性シリコーンオイル(b)のいずれか一方を単
独で配合してもよく、また、aおよびbの双方を配合し
てもよい。ただし、aおよびbの双方を配合する場合の
両者の配合割合としては、重量比で(a)/(b)=5
/95〜50/50が好ましく、特に好ましくは(a)
/(b)=15/85〜30/70である。
【0055】上記フッ素ゴムに対する、シリコーンオイ
ルを有するシリコーンゴム粒子(α成分)およびシリコ
ーンオイルを有するシリコーン樹脂粒子(β成分)の少
なくとも一方からなる粒子の配合量は、フッ素ゴム10
0部に対し、粒子が10〜120部の範囲が好ましく、
特に好ましくは、30〜80部の範囲である。すなわ
ち、粒子の配合割合が10部未満であれば、シリコーン
オイルの量が少なすぎるため、離型剤としての効果が充
分に発揮できなくなるからであり、逆に120部を超え
るとフッ素ゴムがもろくなったり、塗布が困難になるか
らである。上記フッ素ゴムに配合される粒子の配合形態
としては、シリコーンオイルを有するシリコーンゴム粒
子(α成分)およびシリコーンオイルを有するシリコー
ン樹脂粒子(β成分)のいずれか一方を単独で配合して
もよく、また、α成分およびβ成分の双方を配合しても
よい。ただし、α成分およびβ成分の双方を配合する場
合の両者の配合割合としては、重量比で(α成分)/
(β成分)=95/5〜50/50が好ましく、特に好
ましくは(α成分)/(β成分)=90/10〜70/
30である。
【0056】ここで、上記シリコーンオイルを有するシ
リコーンゴム粒子は、例えば、以下のようにして作製す
ることができる。
【0057】まず、シリコーンゴム粒子は、例えば、つ
ぎのまたはの方法によって作製できるが、特に粒径
の制御が容易である等の理由からの方法が好ましい。
【0058】 硬化性オルガノシロキサン組成物を2
30〜300℃のスプレードライヤーの中で硬化させ、
粒状のシリコーンゴムを得る方法(特開昭59−961
22号公報)。
【0059】 硬化性オルガノポリシロキサン組成
物、例えば、ビニル基含有オルガノポリシロキサンと、
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとからなる付加
反応型のオルガノポリシロキサン組成物とを、水中に界
面活性剤を用いてエマルジョン粒子が粒径20μm以下
となるようにエマルジョン化し、付加反応用の白金系触
媒を添加し、スプレードライ前又はスプレードライ終了
までにこのエマルジョン粒子中に含まれているオルガノ
ポリシロキサンを硬化させる方法(特開昭62−257
939号公報)。
【0060】なお、上記シリコーンゴム粒子として、そ
の表面を予めまたはその製造途中にシラン、シロキサン
等で処理したものを使用することも可能である。
【0061】そして、上記シリコーンゴム粒子の製造工
程中、具体的にはビニル基含有オルガノポリシロキサン
とオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを混合する
前に、あらかじめ、ビニル基含有オルガノポリシロキサ
ン(またはオルガノハイドロジェンポリシロキサン)と
上記シリコーンオイルを先に述べた割合で配合すること
により、目的とするシリコーンオイルを有するシリコー
ンゴムが得られる。
【0062】また、上記シリコーンオイルを有するシリ
コーン樹脂は、例えば、以下のようにして作製すること
ができる。
【0063】すなわち、シリコーン樹脂の原料となるク
ロロシラン(RSiCl3 、R2 SiCl2 )をシリコ
ーンオイルに溶解する。ついで、これを加水分解しシラ
ノール化する〔RSi(OH)3 、R2 Si(OH)2
がオイル中で分散した状態になる〕。これを上記、
の方法または脱水縮合反応をある程度進行させた後(水
に溶けなくなるまで)、水に分散しエマルジョン化す
る。これをさらに反応させ、粒子化する。これを取り出
し乾燥を行うことにより、目的とするシリコーンオイル
を有するシリコーン樹脂粒子が得られる。
【0064】そして、本発明のゴム組成物(A)には、
上記フッ素ゴム、シリコーンオイルを有するシリコーン
ゴム粒子およびシリコーンオイルを有するシリコーン樹
脂粒子の少なくとも一方からなる粒子(X)の他に、そ
れを用いてなるロールの用途にもよるが、適正な体積電
気抵抗(107 〜1012Ω・cm)を付与することを目
的として、イオン性導電剤を配合することができる。こ
の体積電気抵抗にかかる特性は、例えば、現像ロールの
最外層の特性として重要である。
【0065】上記イオン性導電剤としては、例えば、ト
リメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、ベンジ
ルトリメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルプ
ロピレンアンモニウムクロライド、トリオクチルプロピ
ルアンモニウムブロマイド、トリメチルオクタデシルア
ンモニウムパークロレート、テトラブチルアンモニウム
ハイドロゲンサルフェート(TBAHS)、テトラブチ
ルアンモニウムヒドロキサイド等の四級アンモニウム化
合物、およびこれら四級アンモニウム化合物の過塩素酸
塩、安息香酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、水酸塩、ほう酸塩
等があげられる。これらは単独でもしくは2種類以上併
せて用いられる。なかでも、TBAHS、テトラブチル
アンモニウムヒドロキサイドを用いることが好ましい。
【0066】さらに、上記イオン性導電剤以外に、水酸
化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、鉛
丹、リサージ等の受酸剤や、パーオキサイド、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールAF、ヘキサメチレンジアミ
ン等の加硫剤を必要に応じて適宜配合することができ
る。なお、後述するように、上記加硫剤は、本発明のゴ
ム組成物の使用時(塗工前)において、その都度配合す
ることが好ましい。
【0067】つぎに、本発明のゴム組成物(A)は、上
記材料を用い、例えば、下記に示す態様により作製する
ことができる。
【0068】まず、第1の態様について述べる。すなわ
ち、フッ素ゴムを密閉式混練機(例えば、バンバリーミ
キサー)中で混練する。これに、受酸剤を投入し、さら
に混練した後、シリコーンオイル含浸シリコーンゴム粒
子およびシリコーンオイル含浸シリコーン樹脂粒子の少
なくとも一方からなる粒子、その他の成分を投入し、混
練を続ける。そして、混練機のトルクが上昇した後に混
練を停止して、混練物を取り出す。そして、この混練物
をオープンロールでシーティングする。ついで、これを
溶剤に溶解し、目的とするフッ素ゴム組成物(コーティ
ング液)を調製する。上記溶剤としては、例えば、酢酸
エチル、メチルエチルケトン、メタノール、トルエン、
イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、ジメチル
ホルムアミド等があげられる。これらは単独であるいは
2種類以上併用される。なお、この段階では、加硫剤は
配合せず、使用の前(塗工前)に配合することが好まし
い。
【0069】つぎに、第2の態様について述べる。すな
わち、溶剤にフッ素ゴムを溶解する。上記溶剤として
は、上記と同様、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケ
トン、メタノール、トルエン、イソプロピルアルコー
ル、メチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド等があげ
られる。これらは単独であるいは2種類以上併用され
る。そして、上記溶解したフッ素ゴム中に、シリコーン
オイル含浸シリコーンゴム粒子およびシリコーンオイル
含浸シリコーン樹脂粒子の少なくとも一方からなる粒
子、その他の成分を配合する。そして、加温下で攪拌を
行い粘度を上昇させ、この粘度が一定になるところで攪
拌を停止して、目的とするフッ素ゴム組成物(コーティ
ング液)を調製する。なお、上記加温条件は、40℃以
上で溶剤の沸点以下の範囲が好ましく、特に好ましくは
50〜80℃の範囲である。また、この調整時では加硫
剤は配合せず、使用の前(塗工前)に配合することが好
ましい。
【0070】さらに、第3の態様について述べる。すな
わち、フッ素ゴムを密閉式混練機(例えば、バンバリー
ミキサー)中で混練し、これに、受酸剤を投入し、さら
に混練した後、シリコーンオイル、シリコーンゴム粒子
およびシリコーン樹脂粒子の少なくとも一方の粒子、そ
の他の成分を投入し、混練を続ける。そして、混練機の
トルクが上昇した後に混練を停止して、混練物を取り出
す。そして、この混練物をオープンロールでシーティン
グする。ついで、これを溶剤に溶解し、目的とするフッ
素ゴム組成物(コーティング液)を調製する。それ以外
は、上記第1の態様と同様にして、目的とするフッ素ゴ
ム組成物(コーティング液)を調製する。
【0071】最後に、第4の態様について述べる。すな
わち、酢酸エチル等の溶剤にフッ素ゴムを溶解し、溶解
したフッ素ゴム中に、シリコーンオイル、シリコーンゴ
ム粒子およびシリコーン樹脂粒子の少なくとも一方の粒
子、その他の成分を配合する。そして、加温下で攪拌を
行い粘度を上昇させ、この粘度が一定になるところで攪
拌を停止して、目的とするフッ素ゴム組成物(コーティ
ング液)を調製する。それ以外は、上記第2の態様と同
様にして、目的とするフッ素ゴム組成物(コーティング
液)を調製する。
【0072】このようにして得られたフッ素ゴム組成物
(A)では、フッ素ゴムマトリックス中に、シリコーン
オイルを有するシリコーンゴム粒子およびシリコーンオ
イルを有するシリコーン樹脂粒子の少なくとも一方から
なる粒子(X)が、90%累積断面積粒径が30μm以
下となるような粒度分布で均一に分散している。この結
果、先に述べたように、シリコーンオイルは、上記粒子
を介して、最外層表面部分に安定に供給されるため、ト
ナーフィルミングの発生が防止されるとともに、長期に
わたるトナー離型性が付与される。しかも、シリコーン
オイルの配合量を増加させる必要もなく、ロールの長寿
命化が図れる。なお、上記粒子の粒径は、好ましくは
0.1〜50μmであり、特に好ましくは0.5〜5μ
mである。
【0073】本発明のロールとしては、例えば、前述の
図2に示すように、軸体10の外周面に最内層11が形
成され、この最内層11の外周面に中間層12が形成さ
れ、この中間層12の外周面に最外層13が形成された
構成があげられる。
【0074】そして、上記図2に示すようなロールは、
例えば、つぎのようにして作製することができる。
【0075】すなわち、まず、前記のようにして調製さ
れた最内層11および中間層12の形成材料を用い、常
法に従って、軸体10の外周面に最内層11および中間
層12をこの順序で形成し、ロール基体を作製する。例
えば、図3に示すように、軸体10をセットした下蓋1
5および円筒型16内に、コンパウンド状の最内層形成
材料を注型し、上蓋17を円筒型16に外嵌する。この
状態で、ロール型全体を加熱(加硫処理、条件:150
〜200℃×20〜40分)し、最内層11を形成す
る。ついで、最内層11が形成された軸体10を脱型
し、必要に応じ加硫剤の残渣を蒸発除去する。そして、
上記最内層11の外周面に中間層形成材料(コーティン
グ液)を塗工し、乾燥および加熱処理(加硫処理、条
件:120〜200℃×10〜30分)を行って中間層
12を形成する。上記塗工は、ディッピング法、スプレ
ー法、ロールコート法等の従来公知の塗工法を適用でき
る。このようにして軸体10の外周に最内層11および
中間層12が形成されたロール基体を作製する。
【0076】他方、前記ゴム組成物(A)(コーティン
グ液)に加硫剤を配合する。そして、上記ロール基体の
中間層12の外周面に、上記ゴム組成物(A)を塗工す
る。この塗工法は、特に制限するものではなく、ディッ
ピング法、スプレー法、ロールコート法等の従来の方法
が適用できる。そして、塗工後、乾燥および加熱処理
(加硫処理、条件:150〜200℃×20〜40分)
を行うことにより、ゴム組成物(A)中の溶剤の蒸発除
去を行うとともにフッ素ゴム成分を架橋する。このよう
にして、図2に示すような三層構造のロールを作製する
ことができる。なお、このロールにおいて、各層の厚み
は、適宜決定される。例えば、現像ロールでは、最内層
の厚みは2〜10mmの範囲に設定することが好まし
く、特に好ましくは3〜6mmである。また、中間層の
厚みは3〜90μmの範囲に設定することが好ましく、
特に好ましくは5〜15μmである。そして、最外層の
厚みは20〜100μmの範囲に設定することが好まし
く、特に好ましくは30〜70μmである。
【0077】このようにして得られたロールは、現像ロ
ールに好適であるが、必ずしも現像ロールに限定するも
のではなく、定着ロールおよび転写ロールにも好適であ
る。すなわち、本発明のロールは、その最外層が長期間
優れたトナー離型性を有することを特徴とすることか
ら、ロール表面(最外層)がトナーと直接接触するタイ
プのロールに適用することによって効果を発揮す。ま
た、本発明のロールの例として、図2において三層構造
のものをあげたが、軸体10の外周に形成される層は必
ずしも三層でなくてもよく、ロールの用途等に応じ、適
宜の数の層が形成される。ただし、必ず最外層(単層の
場合にはその層)が、上記特殊なゴム組成物(A)で形
成されていなければならない。
【0078】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0079】まず、実施例および比較例に先立ち、軸体
となる芯金(直径10mm、SUS304製)と、最内
層形成材料として液状シリコーンゴムにカーボンブラッ
クを添加したものと、中間層形成材料として水素化ニト
リルゴムにカーボンブラックを添加したものとを準備し
た。
【0080】そして、前述の方法に準じて、軸体の外周
に、最内層および中間層を形成し、ロール基体を作製し
た。
【0081】(1)予めシリコーンオイル含有シリコー
ンゴム(樹脂)粒子を作製し、これを用いて作製したフ
ッ素ゴム組成物使用のロール。
【0082】
【実施例1〜16、比較例1〜4】まず、前述のの製
法(特開昭62−257939号公報)に従い、下記の
表1〜3に示す配合量で、予めシリコーンオイル含浸シ
リコーンゴム粒子を作製した。また、前述の水中でエマ
ルジョン化する方法に従い、下記の表1〜3に示す配合
量で、予めシリコーンオイル含浸シリコーン樹脂粒子を
作製した。
【0083】つぎに、フッ素ゴムを酢酸エチルに溶解し
た後、この中に上記のシリコーンオイル含浸シリコーン
ゴム粒子、シリコーンオイル含浸シリコーン樹脂粒子、
その他の材料を下記の表1〜3に示す割合で配合した。
そして、30℃の加温下で攪拌を行い粘度を上昇させ、
この粘度が一定になるところで攪拌を停止して、目的と
するフッ素ゴム組成物(コーティング液)を調製した。
【0084】そして、上記フッ素ゴム組成物を用い、前
述の方法(塗工法:ロールコート法)により、上記ロー
ル基体の外周面に最外層を形成し、目的とするロール
(図2参照)を作製した。なお、このロールの最内層の
厚みは、5mmであり、中間層の厚みは10μmであ
り、最外層の厚みは50μmである。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】(2)フッ素ゴム、シリコーンオイル、シ
リコーンゴム(樹脂)粒子を同時配合して作製したフッ
素ゴム組成物使用のロール。
【0089】
【実施例17〜30】フッ素ゴムを酢酸エチルに溶解し
た後、この中にシリコーンオイル、シリコーンゴム粒
子、シリコーン樹脂粒子、その他の材料を下記の表4お
よび表5に示す割合で配合した。そして、30℃の加温
下で攪拌を行い粘度を上昇させ、この粘度が一定になる
ところで攪拌を停止して、目的とするフッ素ゴム組成物
(コーティング液)を調製した。それ以外は、実施例1
と同様にして、目的とするロール(図2参照)を作製し
た。なお、このロールの最内層の厚みは、5mmであ
り、中間層の厚みは10μmであり、最外層の厚みは5
0μmである。
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】このようにして得られた実施例1〜30お
よび比較例1〜4のロールについて、20℃、30℃お
よび40℃における複写画像の評価およびトナーフィル
ミングの発生について、以下の方法により調べた。この
結果を、下記の表6〜10に示す。また、同表において
粒子の平均粒径および90%累積断面積粒径も併せて示
す。なお、この90%累積断面積粒径の計測は、以下に
示す方法により行った。
【0093】〔複写画像評価〕上記で得られたロールを
現像ロールとして電子写真複写機に組み込み、実際に複
写を行った。そして、複写画像の画質を複写初期と3万
枚複写後において目視評価した。すなわち、文字を印刷
し、複写画像に問題がなく、細線が鮮明に複写されたも
のを○とし、かすれやかぶり等が発生したものは、×と
した。なお、かすれとは、細線がとぎれたものをいい、
かぶりとは、イメージのないところにトナーが飛んでい
るものをいう。また、トナーフィルミングが発生した場
合は、トナーフィルミングが発生した部分と発生しなか
った部分とに分けて評価した。
【0094】〔トナーフィルミング〕現像ロール表面に
トナーが厚く付着した部分は、帯電性が悪くなり複写画
像に不良が生じる。具体的には、現像ロール表面にトナ
ー成分の一部が1μm以上の厚みで付着すると、画像が
著しく悪化する。そこで、トナー付着が1μm以上とな
った場合を、トナーフィルミングが発生したものとし
た。
【0095】〔90%累積断面積粒径〕図5(A)に示
すように、ロール20の弾性体部分(最内層、中間層、
最外層)に軸方向に対して直角に2か所切れ目をいれて
輪切りにし、さらに軸方向に切れ目をいれ、芯金から取
り出し、同図(B)に示すようなサンプル20aを作製
した。そして、同図(C)のサンプル20aの断面図に
示すように、点線で囲った4箇所(最外層部分)につい
て、走査型電子顕微鏡(S−4100、堀場製作所社
製)で観察を行った。そして、先に述べた手順により画
像処理機(スピカII、日本アビオニクス社製)を用い
て、90%累積断面積粒径を自動的に求めた。
【0096】
【表6】
【0097】
【表7】
【0098】
【表8】
【0099】
【表9】
【0100】
【表10】
【0101】上記表6〜10の結果から明らかなよう
に、シリコーンゴム等の粒子(X)の90%累積断面積
粒径が30μm以下である実施例1〜30のロールは、
複写画像に問題がなく、また、細線も鮮明に複写されて
おり、トナーフィルミングの発生もなかった。これに対
し、粒子の90%累積断面積粒径が30μmを超えた比
較例1〜4のロールでは、トナーフィルミングが発生
し、この部分では、複写画像にかすれやかぶりが生じ
た。
【0102】
【発明の効果】以上のように、本発明のロールは、最外
層に特殊なゴム組成物(A)を使用することを特徴とす
るものである。この特殊なフッ素ゴム組成物(A)に
は、シリコーンオイルを有するシリコーンゴム粒子およ
びシリコーンオイルを有するシリコーン樹脂粒子の少な
くとも一方からなる粒子(X)が分散されており、か
つ、この粒子(X)は、90%累積断面積粒径が30μ
m以下である粒度分布特性(Y)を有する。すなわち、
従来のように、シリコーンオイルが直接的にフッ素ゴム
マトリックス中に分散しているのではなく、上記粒子に
保持された状態で間接的にフッ素ゴムマトリックス中に
均一に分散している。したがって、シリコーンオイル
は、上記粒子を介して、最外層表面部分に安定に供給さ
れるため、トナーフィルミングの発生が防止されるとと
もに、長期にわたるトナー離型性が付与される。しか
も、シリコーンオイルの配合量を増加させる必要もな
く、ロールの長寿命化が実現する。加えて、本発明にお
いては、シリコーンオイルは、上記粒子に保持された状
態でフッ素ゴムマトリックス中に均一に分散しているの
で、フッ素ゴムとシリコーンオイルとの相溶性の問題が
なく、従来のように、反応性シリコーンオイルとフッ素
ゴム分子とを化学的に結合させるための反応性シリコー
ンオイルを用いての反応工程が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴム組成物の微視的構造を示す模式図
である。
【図2】本発明の一実施例であるロールの構造を示す断
面図である。
【図3】本発明の一実施例であるロールの製法を示す断
面図である。
【図4】粒子の粒径と、粒子の累積断面積割合との関係
を示すグラフ図である。
【図5】(A)はロールに切れ目をいれた状態を示す斜
視図であり、(B)はロールから切り出したサンプルの
斜視図であり、(C)は上記サンプルの断面図である。
【符号の説明】
1 フッ素ゴムマトリックス 2 シリコーンオイル含浸シリコーンゴム粒子およびシ
リコーンオイル含浸シリコーン樹脂粒子の少なくとも一
方からなる粒子 3 シリコーンオイル 10 軸体 11 最内層 12 中間層 13 最外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加地 明彦 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−359950(JP,A) 特開 平2−107655(JP,A) 特開 平1−242650(JP,A) 特開 平5−140402(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 501 G03G 15/20 103 G03G 15/15 103 C08L 27/12 C08K 5/54 F16C 13/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体の外周面に一層もしくは二層以上の
    層が形成されたトナーと接触するタイプのロールであっ
    て、上記層のうち最外層が、下記のゴム組成物(A)に
    よって形成されていることを特徴とするロール。 (A)フッ素ゴムをマトリックス成分とし、このフッ素
    ゴムマトリックス中に下記の粒子(X)が分散したゴム
    組成物。 (X)シリコーンオイル含浸シリコーンゴム粒子,シリ
    コーンオイル付着シリコーンゴム粒子,シリコーンオイ
    ル含浸シリコーン樹脂粒子およびシリコーンオイル付着
    シリコーン樹脂粒子の少なくとも一方からなる粒子であ
    って、下記に示す粒度分布特性(Y)を備えている粒
    子。 (Y)粒径0.1μm以上の粒子の断面積を計測し、こ
    れを小さいものから順次累積した場合に、この総合累積
    断面積に対し90%の割合の累積断面積となる点におけ
    る粒径が30μm以下。
  2. 【請求項2】 上記シリコーンゴム粒子が、水酸基、ア
    ミノ基、エポキシ基、ビニル基からなる群から選ばれた
    少なくとも一つの官能基を有するシリコーンゴム粒子で
    ある請求項1記載のロール。
  3. 【請求項3】 上記シリコーン樹脂粒子が、水酸基、ア
    ミノ基、エポキシ基、ビニル基からなる群から選ばれた
    少なくとも一つの官能基を有するシリコーン樹脂粒子で
    ある請求項1または2記載のロール。
  4. 【請求項4】 上記シリコーンオイルが、下記の反応性
    シリコーンオイル(a)および下記の非反応性シリコー
    ンオイル(b)の少なくとも一方である請求項1〜3の
    いずれか一項に記載のロール。 (a)水酸基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、
    カルボキシル基、メタクリロイル基からなる群から選ば
    れた少なくとも一つの官能基を有する反応性シリコーン
    オイル。 (b)アルキル基、アラルキル基、高級アルコールエス
    テル基、ポリエーテルフルオロアルキル基からなる群か
    ら選ばれた少なくとも一つの官能基を有する非反応性シ
    リコーンオイル。
  5. 【請求項5】 ロールが、現像ロール,定着ロールまた
    は転写ロールである 請求項1〜4のいずれか一項に記載
    のロール。
  6. 【請求項6】 ロールに用いるゴム組成物であって、
    ッ素ゴムをマトリックス成分とし、このフッ素ゴムマト
    リックス中に下記の粒子(X)が分散していることを特
    徴とするゴム組成物。 (X)シリコーンオイル含浸シリコーンゴム粒子,シリ
    コーンオイル付着シリコーンゴム粒子,シリコーンオイ
    ル含浸シリコーン樹脂粒子およびシリコーンオイル付着
    シリコーン樹脂粒子の少なくとも一方からなる粒子であ
    って、下記に示す粒度分布特性(Y)を備えている粒
    子。 (Y)粒径0.1μm以上の粒子の断面積を計測し、こ
    れを小さいものから順次累積した場合に、この総合累積
    断面積に対し90%の割合の累積断面積となる点におけ
    る粒径が30μm以下。
  7. 【請求項7】 上記シリコーンゴム粒子が、水酸基、ア
    ミノ基、エポキシ基、ビニル基からなる群から選ばれた
    少なくとも一つの官能基を有するシリコーンゴム粒子で
    ある請求項記載のゴム組成物。
  8. 【請求項8】 上記シリコーン樹脂粒子が、水酸基、ア
    ミノ基、エポキシ基、ビニル基からなる群から選ばれた
    少なくとも一つの官能基を有するシリコーン樹脂粒子で
    ある請求項または記載のゴム組成物。
  9. 【請求項9】 上記シリコーンオイルが、下記の反応性
    シリコーンオイル(a)および下記の非反応性シリコー
    ンオイル(b)の少なくとも一方である請求項
    いずれか一項に記載のゴム組成物。 (a)水酸基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、
    カルボキシル基、メタクリロイル基からなる群から選ば
    れた少なくとも一つの官能基を有する反応性シリコーン
    オイル。 (b)アルキル基、アラルキル基、高級アルコールエス
    テル基、ポリエーテルフルオロアルキル基からなる群か
    ら選ばれた少なくとも一つの官能基を有する非反応性シ
    リコーンオイル。
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