JPH099645A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JPH099645A
JPH099645A JP7147307A JP14730795A JPH099645A JP H099645 A JPH099645 A JP H099645A JP 7147307 A JP7147307 A JP 7147307A JP 14730795 A JP14730795 A JP 14730795A JP H099645 A JPH099645 A JP H099645A
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JP7147307A
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Koju Kitaoka
幸樹 北岡
Hiroshi Mochikawa
宏 餅川
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より短いオン時間を有するPWM指令信号に
対するデッドタイム補償においても、異なる電流極性に
対して同じオン時間を有する出力電圧を出力可能とす
る。 【構成】 指令信号補償回路9Uを、遅延回路16及び
17によって演算され、相電流Iuの極性に応じてスイ
ッチにより切替えられて与えられる遅延時間だけPWM
指令信号Uの立上がりエッジ或いは立下がりエッジを遅
延させた補償指令信号Ucを出力し、デッドタイム補償
回路10Uを、補償指令信号Ucのオン時間tcが基準
デッドタイムTdよりも短く、且つ、相電流Iuの極性
が負の場合は、オン時間tcに等しいデッドタイム補償
値を補償指令信号Ucに加えるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デッドタイム補償機能
を有するインバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインバータ装置の一例を図17に
示す。即ち、インバータ主回路50は、スイッチング素
子たるNPN形のトランジスタ51U乃至51W及び5
1X乃至51Zを3相ブリッジ接続して構成され、その
入力端子52a及び52bは、直流電源54の正及び負
端子に接続され、出力端子53U,53V及び53W
は、負荷たるインダクションモータ55の入力端子に接
続されている。そして、制御回路56がトランジスタ5
1U乃至51W及び51X乃至51Zに対してPWM指
令信号に基づきゲート信号を与えることによりインダク
ションモータ55を駆動制御するものである。
【0003】このようなインバータ装置に使用されるト
ランジスタは、そのゲートに与えられるゲート信号がオ
ンからオフになってからトランジスタがオフ状態となる
までに、暫くオン状態が持続されるストレージタイムが
存在する。このため、180度通電制御を行う場合は、
インバータ主回路50を構成する1つのアームの正極側
及び負極側のトランジスタが同時にオン状態となって短
絡するのを防止するため、PWM指令信号に所謂デッド
タイムを付加してゲート信号を与えるようにしている。
【0004】図18は、インバータ主回路50の例えば
U,V及びWの3相の内のU相のアームにおいて、正側
のトランジスタ51U及び負側のトランジスタ51Xの
ゲートに与えるPWM指令信号に、デッドタイムTdを
付加した場合のタイミングチャートである。
【0005】時刻AにおいてPWM指令信号Uがオンと
なった場合(図18(a)参照)、そのタイミングに同
期してトランジスタ51Xのゲート信号Gxはオン(ハ
イレベル)からオフ(ローレベル)に切替わり(図18
(c)参照)、また、トランジスタ51Uのゲート信号
Guは、時刻AからデッドタイムTd経過後にオフから
オンに切替わる(図18(b)参照)。
【0006】そして、時刻Aからオン時間t経過後の時
刻BにおいてPWM指令信号Uがオフとなった場合、そ
のタイミングに同期してゲート信号Guはオンからオフ
に切替わり(図18(b)参照)、また、時刻Bからデ
ッドタイムTd経過後に、トランジスタ51Xのゲート
信号Gxはオフからオンに切替わる(図18(c)参
照)。
【0007】この場合、U相のアームに流れている相電
流Iuの極性によって、出力端子53Uの出力電圧の挙
動は異なる。例えば、相電流Iuがインバータ主回路5
0側からインダクションモータ55側に流れている(以
下、電流極性が正であると称す)場合は、出力電圧Vu
は、ゲート信号Guのオンに略同期してオンとなり、ゲ
ート信号GuのオフからストレージタイムTs遅れてオ
フとなる(図18(d)参照)。
【0008】また、相電流Iuがインダクションモータ
55側からインバータ主回路50側に流れている(以
下、電流極性が負であると称す)場合、即ち、V若しく
はW相のトランジスタ51Y若しくは51Zがオンの場
合は、出力電圧Vuは、ゲート信号Gxのオフからスト
レージタイムTs遅れてオンとなり、ゲート信号Gxの
オンに略同期してオフとなる(図18(e)参照)。
【0009】即ち、図18から明らかなように、電流極
性が正のときには、PWM指令信号Uのオン時間tに対
して、出力電圧Vuのオン時間to(+)は(Td−T
s)だけ短くなり、電流極性が負のときには、オン時間
tに対して、オン時間to(−)は(Td−Ts)だけ
長くなる。即ち、以下の式で表される。
【数1】 また、図18はt>Tdの場合であり、電流極性が正で
t≦Tdの場合は、(1)式から明らかなように出力電
圧Vuは出力されない。この場合のタイミングチャート
を図19に示す。
【0010】よって、(1)乃至(3)式から、これら
のオン時間差を補償するためには、電流極性が正のとき
には、オン時間tに対して(Td−Ts)を加え、電流
極性が負のときには、オン時間tに対して(Td−T
s)を減じるようにデッドタイム補償を行えば良い。
【0011】図20及び図21は、相電流Iuの電流極
性が正及び負の場合に、これらのデッドタイム補償を行
った場合のオン時間の関係を示すものである。図20
(a)及び図21(a)は,補償されたPWM指令信号
Ucのオン時間、即ち、トランジスタに与えるゲート信
号のオン時間tcに対する出力電圧Vuのオン時間to
(+)及びto(−)の関係を示す関数であり、(1)
乃至(3)式に表した出力特性を示している。尚、右辺
のtはtcに置き換わっている。
【0012】また、図20(b)及び図21(b)は、
PWM指令信号Uに対して与える補償特性を示す関数で
あり、横軸はPWM指令信号Uのオン時間t、縦軸は補
償されたオン時間tcである。そして、図20(c)及
び図21(c)は、PWM指令信号のUオン時間tと出
力電圧Vuのオン時間to(+)及びto(−)の関係
であり、即ち、図20(b)及び図21(b)と図20
(a)及び図21(a)との合成関数を示している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図20(c)及び図2
1(c)から、デッドタイム補償後の出力電圧Vuのオ
ン時間toについて、以下のことが言える。 電流極性が正の場合は、図20(c)から、オン時間
to(+)の最小値は、 ストレージタイムTsによ
って規定される。これは、トランジスタの特性に 基
づく物理的な限界である。 電流極性が負の場合は、図21(c)から、オン時間
to(−)の最小値は、 (Td−Ts)によって規
定されるので、指令信号Uのオン時間tがt≦Td−T
sに設定されると、出力電圧Vuは出力されない。出力
電圧Vuのオフ時間についても、同様のことが言える。
【0014】従って、この様なデッドタイム補償を行っ
た場合でも、キャリア周波数の高いスイッチングが行わ
れて、オン時間tがTs<t≦Td−Ts(一般に、T
d>Tsに設定される)の範囲に設定されると、電流の
極性によって出力電圧に上述のオン時間差が発生し、出
力電流が歪む上にトルクも変動してしまうという不具合
があった。
【0015】また、電圧制御を行う場合には、特願平3
−187998公報に開示されているように、電流の極
性を意識すること無く、出力電圧検出回路によってPW
M指令信号と実際の出力電圧のオン時間との差を補償す
るものがある。しかし、この従来技術では、出力電圧検
出回路の降圧回路における発熱や、検出部におけるノイ
ズ耐性などに問題があった。
【0016】一方、上述のように、電流の極性に従って
補償特性を切替える場合は、電流のゼロクロス点の判断
を正確に行うことが重要となる。しかし、電圧制御を行
う場合、実際の電流波形は、図22に示すように、PW
M変調によるリップルの波高値がゼロレベルに達する付
近から歪み始める。従って、変流器などの電流検出器に
よって実電流のゼロクロス点bを検出すると、理想的な
正弦波のゼロクロス点aから遅れるため、このゼロクロ
ス点bによってデッドタイム補償特性の切替えを行う
と、電流波形は大きく歪んでしまうという不具合があっ
た。
【0017】加えて、実際の電流検出器は、ゼロクロス
点の判定レベルに真のゼロクロス点に対するオフセット
値を持っているので、補償特性の切替えには更なる誤差
が加算されてしまう。これらの原因によって、電流波形
のゼロクロス点付近において、電流波形が停滞するよう
な歪み、所謂“はりつき”現象が発生する。このはりつ
き現象は、キャリア周波数が高くなると特に顕著とな
る。以上のような問題から、電流波形の歪み及びトルク
リップルの発生が生じるため、電圧制御時における電流
波形のゼロクロス点検出に基づくデッドタイム補償は余
り採用されなかった。
【0018】本発明は上記課題を解決するもので、その
目的は、より短いオン時間を有するPWM指令信号に対
するデッドタイム補償においても、異なる電流極性に対
して同じオン時間を有する出力電圧を出力し得て、ま
た、電圧制御においても、電流検出によるゼロクロス点
の判定をより正確に行うことにより、出力電流の歪みや
トルクリップルの小さいデッドタイム補償を実現できる
インバータ装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載のインバータ装置は、PWM指令信号
に対してデッドタイム補償を行うものにおいて、基準デ
ッドタイム及びストレージタイムのデータをセットする
データセット手段と、このデータセット手段にセットさ
れたデータに基づいてPWM指令信号の立上がりエッジ
及び立下がりエッジを遅延させる時間をPWM指令信号
のオン或いはオフ時間に応じて演算する遅延時間演算手
段と、相電流の電流値を検出する電流検出手段と、この
電流検出手段によって検出される電流値から相電流の極
性を判定して極性信号を出力する電流極性判定手段と、
遅延時間演算手段によって演算された遅延時間を電流極
性判定手段によって出力された極性信号に応じて切替え
て出力する遅延時間切替え手段と、この遅延時間切替え
手段によって出力された遅延時間だけPWM指令信号の
立上がりエッジ或いは立下がりエッジを遅延させた補償
指令信号を出力する指令信号補償手段と、この指令信号
補償手段が出力する補償指令信号のオン或いはオフ時間
を計時する計時手段と、この計時手段によって計時され
た補償指令信号のオン或いはオフ時間がデータセット手
段にセットされた基準デッドタイムよりも短い場合は、
計時手段によって計時された補償指令信号のオン或いは
オフ時間に応じて変化させたデッドタイム補償値を指令
信号補償手段が出力する補償指令信号に加えるデッドタ
イム補償手段とを具備したことを特徴とするものであ
る。
【0020】この場合、電流極性判定手段を、電流検出
手段によって検出される電流値のゼロクロス点付近での
電流値の変化量を演算し、その変化量に基づいてゼロク
ロス点判定レベルを演算して補正するように構成しても
良い(請求項2)。
【0021】また、電流極性判定手段を、電流検出手段
によって検出される電流値をその電流値の極性が正の場
合に正の基準値と比較を行う正側比較器と、その電流値
の極性が負の場合に負の基準値と比較を行う負側比較器
とを具備し、正側及び負側比較器の出力信号に基づいて
極性信号を出力するように構成しても良い(請求項
3)。
【0022】
【作用】請求項1記載のインバータ装置によれば、遅延
時間演算手段は、データセット手段にセットされたデー
タに基づいてPWM指令信号の立上がりエッジ及び立下
がりエッジを遅延させる時間をPWM指令信号のオン或
いはオフ時間に応じて演算する。その遅延時間は、電流
極性判定手段により出力された極性信号に応じて、遅延
時間切替え手段によって切替えられて指令信号補償手段
に与えられ、指令信号補償手段は、その遅延時間だけP
WM指令信号の立上がりエッジ或いは立下がりエッジを
遅延させた補償指令信号を出力する。
【0023】そして、デッドタイム補償手段は、補償指
令信号のオン或いはオフ時間が基準デッドタイムよりも
短い場合は、計時手段によって計時された補償指令信号
のオン或いはオフ時間に応じて変化させたデッドタイム
補償値を補償指令信号に加えるので、従来よりも短いオ
ン或いはオフ時間を有するPWM指令信号に対しても、
相電流の極性が正の場合と負の場合とでインバータ装置
の出力電圧のオン或いはオフ時間を等しくすることがで
きる。
【0024】この場合、電流極性判定手段を、電流検出
手段によって検出される電流値のゼロクロス点付近での
電流値の変化量を演算し、その変化量に基づいてゼロク
ロス点判定レベルを演算して補正するように構成すれ
ば、ゼロクロス点判定レベルの補正をインバータ装置の
可動中に動的に行うことができる(請求項2)。
【0025】また、電流極性判定手段を、電流検出手段
によって検出される電流値をその電流値の極性が正の場
合に正の基準値と比較を行う正側比較器と、その電流値
の極性が負の場合に負の基準値と比較を行う負側比較器
とを備え、正側及び負側比較器の出力信号に基づいて極
性信号を出力するように構成すれば、電流値の真のゼロ
クロス点に対する極性信号の位相のずれを補正できる
(請求項3)。
【0026】
【実施例】以下本発明の第1実施例について図1乃至図
10を参照して説明する。全体構成を示す図1におい
て、インバータ主回路1は、6個のNPN形のトランジ
スタ2U,2V,2W及び2X,2Y,2Zを3相ブリ
ッジ接続して構成されたもので、夫々のコレクタ,エミ
ッタ間にはフライホイールダイオード3U,3V,3W
及び3X,3Y,3Zが接続されている。また、インバ
ータ主回路1の入力端子1a及び1bには、直流電源4
の正及び負端子が夫々接続されていると共に、直流電源
4にコンデンサ5が並列に接続されている。
【0027】そして、インバータ主回路1の出力端子6
U,6V及び6Wは、負荷たる例えばインダクションモ
ータ7の入力端子、即ち、図示しないスター結線された
ステータコイルの一端子に接続されている。
【0028】PWM指令信号発生回路8のU,V及びW
の各相に対応した出力端子は、指令信号補償回路(指令
信号補償手段)9U,9V及び9Wの各入力端子に接続
されており、PWM指令信号U,V及びWを夫々与える
ようになっている。その指令信号補償回路9U,9V及
び9Wの出力端子は、デッドタイム補償回路(デッドタ
イム補償手段)10U,10V及び10Wの入力端子に
接続されており、補償指令信号Uc,Vc及びWcを夫
々与えるようになっている。
【0029】例えば変流器からなる相電流検出器(電流
検出手段)11U,11V及び11Wは、U,V及びW
の各相電流Iu,Iv及びIwを検出するようになって
おり、その各相に対応した出力端子は、電流極性判定回
路(電流極性判定手段)12の各相に対応した入力端子
に接続されている。そして、電流極性判定回路12の各
相に対応した出力端子は、デッドタイム補償回路9U,
9V及び9Wの各入力端子に接続されており、極性信号
Sign(Iu),Sign(Iv)及びSign(Iw)を夫々に与えるように
なっている。これらの極性信号は、相電流の極性が負の
場合はローレベルであり、相電流の極性が正の場合はハ
イレベルとなるものである。
【0030】データセット回路(データセット手段)1
3の出力端子は、指令信号補償回路9U,9V及び9W
並びにデッドタイム補償回路10U,10V及び10W
の入力端子にデータバスで接続されており、図示しない
外部より与えられるデッドタイムTdの時間データを、
後述するクロック信号fckの周期で除した2進数のカウ
ント値N(Td)のデータを与えるようになっている。
また、データセット回路13の出力端子は、指令信号補
償回路9U,9V及び9Wの入力端子に、もう一つのデ
ータバスで接続されており、同様に外部より与えられる
ストレージタイムTsの2進数のカウント値N(Ts)
のデータを与えるようになっている。
【0031】そして、デッドタイム補償回路10Uの出
力端子は、図示しないPWM制御回路を介してトランジ
スタ2U及び2Xの各ベース(ゲート)端子に夫々接続
されており、ゲート信号Gu及びGxを夫々与えるよう
になっている。同様に、デッドタイム補償回路10Vの
出力端子はトランジスタ2V及び2Yの各ベース端子に
接続され、また、デッドタイム補償回路10Wの出力端
子はトランジスタ2W及び2Zの各ベース端子に接続さ
れ、ゲート信号Gv及びGy並びにゲート信号Gw及び
Gzを、夫々与えるようになっている。
【0032】指令信号補償回路9Uの電気的構成を示す
図2において、タイミング発生回路14の入力端子S
は、PWM指令信号発生回路8のU相出力端子に接続さ
れており、U相に対するPWM指令信号Uが与えられる
ようになっている。また、タイミング発生回路14のク
ロック入力端子CKは、図示しないクロック回路の出力
端子に接続されており、クロック信号fckが与えられる
ようになっている。そして、タイミング発生回路14の
負論理の出力端子UP及びDOWNは、スイッチ15の
入力端子IN1及びIN2に夫々接続されている。尚、
スイッチ15は、スイッチ18と共に遅延信号切替え手
段を構成する。
【0033】このタイミング発生回路14は、指令信号
Uの立上りにおいて、クロック信号fckに同期して1ク
ロックだけローレベルとなる信号を出力端子UPに出力
し、指令信号Uの立下がりにおいて、同様にクロック信
号fckに同期して1クロックだけローレベルとなる信号
を出力端子DOWNに出力するものである。
【0034】スイッチ15及び18並びに遅延回路(遅
延時間演算手段)17の極性信号端子SGは、電流極性
判定回路12Uの出力端子に接続され、極性信号Sign(I
u)が与えられるようになっている。そして、スイッチ1
5の出力端子OUT1は、遅延回路(遅延時間演算手
段)16の入力端子G1及び遅延回路17の入力端子G
1に接続されている。また、スイッチ15の出力端子O
UT2は、遅延回路17の入力端子G2に接続されてい
る。スイッチ15及び18は、極性信号端子SGがロー
レベルの場合は、入力端子IN1が出力端子OUT1に
接続され、入力端子IN2が出力端子OUT2に接続さ
れ、また、極性信号端子SGがハイレベルの場合は、入
力端子IN1が出力端子OUT2に接続され、入力端子
IN2が出力端子OUT1に接続されるように構成され
ている。
【0035】遅延回路16及び17のクロック入力端子
CKは、図示しないクロック回路の出力端子に接続され
ており、クロック信号fckが与えられるようになってい
る。また、データセット回路13の出力端子は、データ
バスを介して遅延回路16のデータ入力端子DATA及
び加算器19のデータ入力端子に接続され、カウント値
N(Td)のデータを与えるようになっている。遅延回
路16の負論理の出力端子Zは、スイッチ18の入力端
子IN1に接続されている。遅延回路17のデータ入力
端子DATA1及び乗算器20のデータ入力端子は、デ
ータセット回路13の出力端子にもう一つのデータバス
を介して接続され、カウント値N(Ts)のデータが与
えられるようになっている。
【0036】この遅延回路16は、入力端子G1がロー
レベルの場合にカウント値N(Ts)のデータがロード
され、クロック信号fckに応じてダウンとカウントして
いくダウンカウンタである。そして、遅延回路16は、
カウント値が0に達すると、1クロックだけローレベル
となる信号を出力端子Zから出力するものである。
【0037】また、加算器19のもう一方のデータ入力
端子は、乗算器20のデータ出力端子にデータバスを介
して接続されており、加算器19のデータ出力端子は、
遅延回路17のデータ入力端子DATA2にデータバス
を介して接続されている。乗算器20の係数は1/2で
あり、遅延回路17のデータ入力端子DATA2には、
カウント値N(Td+Ts/2)のデータが与えられる
ようになっている。
【0038】而して、遅延回路17の負論理の出力端子
Zは、スイッチ18の入力端子IN2に接続されてお
り、スイッチ18の出力端子OUT1及びOUT2は、
SRラッチ21の負論理の入力端子S及びRに夫々接続
されている。また、SRラッチ21の出力端子Qは、デ
ッドタイム補償回路10Uの入力端子に接続され、補償
指令信号Ucを与えるようになっている。
【0039】遅延回路17の電気的構成を示す図3にお
いて、分周器22の入力端子及びマルチプレクサ23の
入力端子Bには、クロック入力端子CKからクロック信
号fckが与えられるようになっている。分周器22の出
力端子は、AND回路24の一方の入力端子に接続さ
れ、2分周したクロック信号fck/2を与えるようにな
っている。
【0040】Dフリップフロップ25の入力端子D及び
負論理のクリア入力端子CL並びに負論理のAND回路
38の入力端子は、入力端子G1に接続されている。ま
た、Dフリップフロップ25のクロック入力端子CK
は、入力端子G2にNOT回路26を介して接続され、
Dフリップフロップ25の出力端子Qは、マルチプレク
サ23の切替え信号入力端子Sに接続されている。マル
チプレクサ23の出力端子Zは、プリセッタブルダウン
カウンタ(以下、PDカウンタと称す)27のクロック
入力端子CKに接続されている。
【0041】PDカウンタ27のロードデータ入力端子
LDATA1は、加算器19のデータ出力端子に接続さ
れ、カウント値N(Td+Ts/2)のデータが与えら
れるようになっている。また、PDカウンタ27のロー
ドデータ入力端子LDATA2及び比較器28のデータ
入力端子Aは、データセット回路13の出力端子に接続
され、カウント値N(Ts)のデータが与えられるよう
になっている。また、PDカウンタ27のカウントデー
タ出力端子CDATAは、比較器28のデータ入力端子
Bに接続され、負論理のキャリー信号出力端子CYは、
出力端子Zに接続されている。
【0042】NAND回路39の負論理の入力端子は、
入力端子G2に接続されている。また、負論理のAND
回路38の入力端子及びNAND回路39の入力端子
は、極性信号端子SGに接続されており、極性信号Sign
(Iu)が与えられるようになっている。そして、負論理の
AND回路38の出力端子は、PDカウンタ27の負論
理のロード信号端子LD1に接続され、NAND回路3
9の出力端子は、PDカウンタ27の負論理のロード信
号端子LD2に接続されている。
【0043】このPDカウンタ27は、ロード信号端子
LD1若しくはLD2がローレベルの場合に、ロードデ
ータ入力端子LDATA1若しくはLDATA2に与え
られているデータを夫々ロードする。そして、PDカウ
ンタ27は、以降クロック入力端子CKにクロック信号
が与えられる毎にそのデータをダウンカウントして行
き、そのカウント値をカウントデータ出力端子CDAT
Aに出力し、カウント値が0に達すると、キャリー信号
出力端子CYに1クロックだけローレベルとなる信号を
出力するものである。
【0044】そして、比較器28の負論理の一致信号出
力端子Zは、AND回路24の他方の入力端子に接続さ
れ、AND回路24の出力端子は、マルチプレクサ23
の入力端子Aに接続されている。尚、マルチプレクサ2
3は、切替え信号入力端子Sがローレベルのとき入力端
子Aに与えられている入力信号を出力端子Zに出力し、
切替え信号入力端子Sがハイレベルのとき入力端子Bに
与えられている入力信号を出力端子Zに出力するように
構成されている。
【0045】デッドタイム補償回路10Uの電気的構成
を示す図4において、タイミング発生回路29の入力端
子S及び計時手段たるアップダウンカウンタ(以下、U
Dカウンタと称す)30の制御端子DUは、指令信号補
償回路9Uの出力端子に接続されており、補償指令信号
Ucが与えられるようになっている。また、タイミング
発生回路29のクロック入力端子CK及びUDカウンタ
30のクロック入力端子CKは、前述の図示しないクロ
ック回路の出力端子に接続されており、クロック信号f
ckが与えられるようになっている。
【0046】そして、タイミング発生回路29の負論理
の出力端子UPは、負論理のOR回路31の一方の入力
端子及びSRラッチ32の負論理の入力端子Rに接続さ
れている。また、タイミング発生回路29の負論理の出
力端子DOWNは、負論理のOR回路31の他方の入力
端子及びSRラッチ33の負論理の入力端子Rに接続さ
れている。このタイミング発生回路29の入力に対する
出力動作は、前述したタイミング発生回路14と同様で
ある。負論理のOR回路31の出力端子は、Dフリップ
フロップ34の負論理のプリセット入力端子PRに接続
されている。
【0047】UDカウンタ30のカウントデータ出力端
子DATAは、比較器35のデータ入力端子DATA2
に接続されており、負論理のキャリー信号出力端子CY
は、SRラッチ32の負論理のセット入力端子S及び負
論理入力のOR回路36の一方の入力端子に接続されて
いる。比較器35のデータ入力端子DATA1は、デー
タセット回路13の出力端子に接続されており、カウン
ト値N(Td)のデータが与えられるようになってい
る。また、比較器35の負論理の一致信号出力端子Z
は、SRラッチ33の負論理のセット入力端子S及び負
論理入力のOR回路36の他方の入力端子に接続されて
いる。
【0048】OR回路36の出力端子は、Dフリップフ
ロップ34のクロック入力端子CKに接続されている。
そして、Dフリップフロップ34の出力端子Qは、UD
カウンタ30のイネーブル信号入力端子ENに接続さ
れ、反転出力端子QBは、データ入力端子Dに接続され
ている。
【0049】UDカウンタ30は、イネーブル信号入力
端子ENがハイレベルで、制御端子DUがハイレベルの
ときは、クロック信号fckに応じてアップカウントを行
い、制御端子DUがローレベルのときは、クロック信号
fckに応じてダウンカウントを行って、そのカウント値
をカウントデータ出力端子DATAに出力する。そし
て、UDカウンタ30は、カウント値が0に達するとキ
ャリー信号出力端子CYに1クロックだけローレベルと
なる信号を出力するものであり、イネーブル信号入力端
子ENがローレベルの場合は、カウントは禁止状態とな
る。尚、以上はU相についてのみ説明したが、V及びW
相に対応する指令信号補償回路9V及び9W並びにデッ
ドタイム補償回路10V及び10Wは、上記と同様の構
成である。以上がインバータ装置37を構成している。
【0050】ここで、本実施例の動作原理について図5
を参照して説明する。以下は、U相について説明する。
まず、相電流Iuの極性が正の場合は、デッドタイム補
償回路10U及び指令信号補償回路9Uの入出力特性
は、従来と同様の図20(a)及び(b)となるよう
に、即ち、(1)及び(2)式で表される入出力特性に
する。
【0051】そして、相電流Iuの極性が負の場合は、
デッドタイム補償回路10Uの入出力特性は、指令信号
補償回路9Uの出力である補償指令信号Ucのオン時間
tcが基準デッドタイムTdを超える場合は、従来と同
様に基準デッドタイムTdをデッドタイムとして加え
る。そして、補償信号のオン時間tcが基準デッドタイ
ムTd以下の場合は、デッドタイムをオン時間tcと同
じ時間だけ与えるようにする。この領域では、図20
(a)から明らかなように、相電流Iuの極性が正の場
合の出力電圧Vuのオン時間は存在しないため、一定の
基準デッドタイムTdを与える必要がないからである。
この領域での入出力特性は、座標(Td,2Td−T
s)及び(0,−Ts)を通過する直線となり、 to=2tc−Ts …(4) で表される。
【0052】従って、デッドタイム補償回路10Uの補
償指令信号Ucのオン時間tcに対する出力特性を
(4)式、即ち、図5(a)に示すように設定した場合
に、指令信号補償回路9UのPWM指令信号Uのオン時
間tに対する出力特性を(4)式の逆関数となるように
設定すれば、両者の出力特性を合成写像した結果は、図
5(c)に示すようにto=tとなる。即ち、t=2t
c−Tsをtcについて解くと、 tc=(t+Ts)/2 …(5) となり、入力tの値域は、0≦t≦2Td−Tsとな
る。従って、指令信号補償回路9UのPWM指令信号U
のオン時間tに対する出力特性を、(5)式,図5
(b)に示すように設定すれば良い。
【0053】次に、本実施例の上記の原理に基づいた作
用を説明する。まず、相電流Iuの極性が負である場合
の指令信号補償回路9Uの入出力特性について図6及び
図7を参照して述べる。PWM指令信号Uのオン時間t
が、t>2Td−Tsの場合である図6において、PW
M指令信号発生回路8が出力するPWM指令信号Uが、
時刻Aにおいてオン(ハイレベル)になったとすると
(図6(a)参照)、タイミング発生回路14は、この
立上りエッジで、出力端子UPにローレベルのパルスを
出力する(図6(b)参照)。
【0054】相電流Iuの極性が負の場合は、スイッチ
15及び18の極性信号端子SGはローレベルであり、
内部の接続は図2に実線で示すようになっている。従っ
て、遅延回路16には、カウント値N(Td)のデータ
がロードされ(図6(e)参照)、ダウンカウントが開
始される。
【0055】また、同時に遅延回路17のPDカウンタ
27にはカウント値N(Td+Ts/2)のデータがロ
ードされる(図6(f)参照)。この時、遅延回路17
においては、Dフリップフロップ25がクリアされ、マ
ルチプレクサ23の切替え信号入力端子Sはローレベル
となる。従って、マルチプレクサ23の入力端子Aが入
力として選択され、分周器22から2分周されたクロッ
ク信号fck/2が、AND回路24及びマルチプレクサ
23を介してPDカウンタ27に与えられ、ダウンカウ
ントが開始される。
【0056】そして、遅延回路16は、時刻Aから遅延
時間Tdが経過した時刻Bにおいて、カウント値が0に
達して(図6(e)参照)出力端子Zにローレベルのパ
ルスを出力する(図6(g)参照)。すると、SRラッ
チ21のセット入力端子Sがローレベルとなり、その出
力端子Qはハイレベルとなって、補償指令信号Ucはオ
ン(ハイレベル)となる(図6(d)参照)。
【0057】一方、遅延回路17のPDカウンタ27
は、カウント値N(Td+Ts/2)からクロック信号
fck/2でダウンカウントして行き、そのカウント値が
N(Ts)に等しくなる時刻Cにおいて(図6(f)参
照)、比較器28の出力端子Zがローレベルとなって、
マルチプレクサ23の入力端子Aにはクロック信号fck
/2が与えられなくなり、ダウンカウントは停止され
る。ここで、時刻Aから時刻Cまでの経過時間をtxと
すると、Td+Ts/2−tx/2=Tsから、tx=
2Td−Tsとなる。
【0058】その後、時刻AからPWM指令信号Uのオ
ン時間tが経過し、時刻Dにおいてオフ(ローレベル)
となると(図6(a)参照)、タイミング発生回路14
は、この立下がりで、出力端子DOWNにローレベルの
パルスを出力する(図6(c)参照)。すると、Dフリ
ップフロップ25のクロック入力端子CKにNOT回路
26を介してクロックパルスが与えられ、マルチプレク
サ23の切替え信号入力端子Sはハイレベルとなる。従
って、マルチプレクサ23の入力端子Bに与えられてい
るクロック信号fckがPDカウンタ27のクロック入力
端子CKに与えられ、再びダウンカウントが開始される
(図6(f)参照)。
【0059】そして、時刻Dから遅延時間Tsが経過し
た時刻Eにおいて、PDカウンタ27は、キャリー信号
出力端子CYにローレベルのパルスを出力し(図6
(h)参照)、そのパルスはSRラッチ21のリセット
入力端子Rに与えられて補償指令信号Ucはオフ(ロー
レベル)となる(図6(d)参照)。
【0060】ここで、PWM指令信号Uのオン時間tと
補償指令信号Ucのオン時間tcとの関係を考えると、
図6より、 tc=t+Ts−Td=t−(Td−Ts) …(6) であり、PWM指令信号Uの立上がりエッジ及び立下が
りエッジに対して指令信号補償回路9Uが遅延時間Td
及びTsを夫々与えて補償した補償指令信号Ucを出力
することにより、図20(a)に示す従来と同様の入出
力特性となる補償を行っていることが分かる。
【0061】次に、図7において、相電流Iuの極性が
負で、PWM指令信号Uのオン時間tが、t≦2Td−
Tsである場合について述べる。PWM指令信号発生回
路8が出力するPWM指令信号Uが、時刻Aにおいてオ
ンとなったとすると(図7(a)参照)、時刻Aにおけ
る動作は上記と同様である。そして、時刻Aからオン時
間t経過後の時刻Bにおいて、PWM指令信号Uはオフ
となり、タイミング発生回路14は、この立下がりで、
出力端子DOWNにローレベルのパルスを出力する(図
7(c)参照)。この時刻Bにおいて、遅延回路17の
PDカウンタ27のカウント値はN(Td+Ts/2−
t/2)であり(図7(f)参照)、また、クロック信
号はfck /2からfck に切替わる。
【0062】そして、時刻Aから遅延時間Td経過後の
時刻Cでは、図6(e)及び(g)と同様に、遅延回路
16は、出力端子Zにローレベルのパルスを出力し、S
Rラッチ21のセット入力端子Sがローレベルとなり、
補償指令信号Ucはオンとなる(図7(d)参照)。
【0063】また、図7(f)の時刻Bから遅延時間t
y=Td+Ts/2−t/2経過した時刻Dにおいて、
PDカウンタ27のカウント値は0に達してキャリー信
号出力端子CYにローレベルのパルスを出力し(図7
(h)参照)、そのパルスはSRラッチ21のリセット
入力端子Rに与えられて補償指令信号Ucはオフとなる
(図7(d)参照)。
【0064】ここで、PWM指令信号Uのオン時間tと
補償指令信号Ucのオン時間tcとの関係を考えると、
図7より、 tc=t+Td+Ts/2−t/2−Td=(t+Ts)/2 …(7) となる。従って、(5)式と同様の特性で補償を行って
いる事が分かる。
【0065】次に、相電流Iuの極性が正である場合の
指令信号補償回路9Uの入出力特性について、図8を参
照して説明する。相電流の極性が正の場合は、電流極性
判定回路12が出力する極性信号Sign(Iu)はハイレベル
となり、指令信号補償回路9Uのスイッチ15及び18
内部の入出力の接続は、図2に2点鎖線で示すように切
替わる。そして、PWM指令信号Uが時刻Aでオンにな
ると、その立上りでタイミング発生回路14から出力さ
れる出力信号UPは、遅延回路17の入力端子G2に与
えられる(図8(b)参照)。
【0066】すると、NAND回路39を介してPDカ
ウンタ27のロード信号端子LD2がローレベルとなっ
て、PDカウンタ27には、ロードデータ入力端子LD
ATA2に与えられているカウント値N(Ts)のデー
タがロードされる(図8(f)参照)。同時に、Dフリ
ップフロップ25のクロック入力端子がハイレベルとな
って、マルチプレクサ23の切替え信号端子Sがハイレ
ベルとなるので、クロック信号fckがPDカウンタ27
にクロック信号として与えられて、ダウンカウントが開
始される。
【0067】そして、時刻Aから遅延時間Tsが経過し
た時刻Bにおいて、PDカウンタ27のカウント値は0
に達してキャリー信号出力端子CY、即ち、遅延回路1
7の出力端子Zがローレベルとなって(図8(h)参
照)、SRラッチ21のセット入力端子Sがローレベル
となり、補償指令信号Ucがオンになる(図8(d)参
照)。
【0068】その後、時刻CにおいてPWM指令信号U
がオフになると、その立下りでタイミング発生回路14
から出力される出力信号DOWNは、遅延回路16及び
17の入力端子G1に与えられる(図8(c)参照)。
この場合、遅延回路17においては、Dフリップフロッ
プ25がクリアされてPDカウンタ27に与えられるク
ロック信号がfck/2に切替わるが、PDカウンタ27
にはデータのロードは行われず、カウント値0でカウン
トを停止した状態になっている。
【0069】一方、遅延回路16においては、相電流の
極性が負の場合と同様に、時刻Cでカウント値N(T
d)がロードされて(図8(e)参照)ダウンカウント
が開始され、遅延時間Td経過後の時刻Dにおいてカウ
ント値が0に達すると、出力端子Zがローレベルとなっ
て(図8(g)参照)SRラッチ21のリセット入力端
子Rがローレベルとなり、補償指令信号Ucがオフにな
る(図8(d)参照)。この場合のPWM指令信号Uと
補償指令信号Ucとの関係は、図8から明らかなよう
に、 tc=t+(Td−Ts) …(8) であり図20(b)に示す従来と同様の入出力特性であ
ることが分かる。
【0070】以上説明した指令信号補償回路9Uの入出
力特性をまとめると、以下のようになる。
【数2】
【0071】次に、デッドタイム補償回路10Uの入出
力特性について図9及び図10を参照して述べる。指令
信号補償回路9Uが出力する補償指令信号Ucのオン時
間tcが、tc>Tdの場合である図9において、ま
ず、時刻Aで補償指令信号Ucがオンになったとすると
(図9(a)参照)、タイミング発生回路29は、この
立上りエッジで、出力端子UPにローレベルのパルスを
出力する。すると、SRラッチ33のリセット入力端子
Rがローレベルとなって、ゲート信号Gxはローレベル
となる(図9(c)参照)。
【0072】而して、時刻AからストレージタイムTs
の経過した時刻Bにおいて、トランジスタ2Xがオフ状
態になる。この時、相電流の極性が負、即ち、トランジ
スタ2V若しくは2Wのどちらかがオン状態である場合
は、出力端子6Uの出力電圧Vu(−)はハイレベル
(オン)となる(図9(h)参照)。
【0073】また、負論理のOR回路31を介してDフ
リップフロップ34のプリセット入力端子PRがローレ
ベルとなり、UDカウンタ30のイネーブル入力端子E
Nはハイレベルとなる。同時に、補償指令信号Ucが与
えられる制御端子DUもハイレベルとなることから、U
Dカウンタ30は、初期値0からアップカウントを開始
する(図9(d)参照)。
【0074】そして、時刻Aから時間Tdが経過した時
刻Cにおいて、比較器28は一致信号出力端子Zをロー
レベルにする(図9(e)参照)。すると、SRラッチ
32のセット入力端子Sがローレベルとなって、ゲート
信号Guはハイレベルとなり(図9(b)参照)、直ち
にトランジスタ2Uはオン状態となって、相電流Iuの
極性が正の場合は、出力端子6Uの出力電圧Vu(+)
はハイレベル(オン)となる(図9(g)参照)。ま
た、負論理入力のOR回路36を介してDフリップフロ
ップ34にクロック信号が与えられ、イネーブル入力端
子ENがローレベルとなってUDカウンタ30はディス
エーブル(カウント禁止)状態となる。
【0075】そして、時刻Dにおいて補償指令信号Uc
がオフになると、タイミング発生回路29は、この立下
りエッジで、出力端子DOWNにローレベルのパルスを
出力する。すると、SRラッチ32のリセット入力端子
Rがローレベルとなって、ゲート信号Guは直ちにロー
レベルとなる(図9(b)参照)。相電流Iuの極性が
正の場合は、出力端子6Uの出力電圧Vu(+)は、ス
トレージタイムTs経過後にローレベル(オフ)となる
(図9(g)参照)。
【0076】同時に、負論理のOR回路31を介してD
フリップフロップ34のプリセット入力端子がローレベ
ルとなり、制御端子DUはローレベルとなることから、
UDカウンタ30は、カウント値N(Td)からダウン
カウントを開始する(図9(d)参照)。而して、時刻
Dから時間Td経過後の時刻EにおいてUDカウンタ3
0のカウント値が0に達すると、UDカウンタ30のキ
ャリー信号出力端子CYがローレベルとなって(図9
(f)参照)ゲート信号Gxはハイレベルとなり(図9
(c)参照)、相電流Iuの極性が負の場合は、出力端
子6Uの出力電圧Vu(−)はローレベル(オフ)とな
る(図9(h)参照)。
【0077】ここで、補償指令信号Ucのオン時間tc
と出力電圧Vuのオン時間toとの関係は、図9より、
【数3】 となって、tc>Tdの領域では、図20(a)及び2
1(a)に示すように、指令電圧と等しいオン時間また
はオフ時間の出力電圧を発生させる補償指令を与えるこ
とができる。
【0078】次に、補償指令信号Ucのオン時間tc
が、tc≦Tdの場合である図10においては、補償指
令信号Ucが時刻Aでオンになると、時刻Aにおける動
作は図9と同様であり、UDカウンタ30はアップカウ
ントを開始し、時刻Aから時間Ts経過後の時刻Bにお
いて、出力電圧Vu(−)はオンとなる(図10(h)
参照)。
【0079】そして、補償指令信号Ucがオン時間tc
経過後の時刻Cでオフになると、UDカウンタ30は、
カウント値がN(tc)に達した時点からダウンカウン
トに切替わる(図10(d)参照)。
【0080】而して、時刻Cから時間tcが経過した時
刻Dにおいて、UDカウンタ30のカウント値は0に達
して、キャリー信号出力端子CYがローレベルとなって
ゲート信号Gxはハイレベルとなり、相電流の極性が負
の場合は、出力電圧Vu(−)はローレベルとなる(図
9(h)参照)。
【0081】ここで、相電流の極性が負の場合の補償指
令信号Ucのオン時間tcと出力電圧Vuのオン時間t
oとの関係は、図10より、 to=2tc−Ts (Iu<0,Ts/2≦tc) …(11) であり、(4)式、即ち、図5(a)に示したものと同
様の入出力特性を以て、補償指令信号Ucのオン時間t
cに等しいデッドタイム補償値を補償指令信号Ucに加
えていることが分かる。
【0082】また、相電流Iuの極性が正の場合につい
ては、前述した指令信号補償回路9UにおいてPWM指
令信号Uに施される補償によって、そのオン時間tcの
最小値が基準デッドタイムTdを下回ることがないの
で、出力電圧Vu(+)のオン時間は存在しない。
【0083】以上説明したデッドタイム補償回路10U
の入出力特性をまとめると、以下のようになる。
【数4】
【0084】また、指令信号補償回路9U及びデッドタ
イム補償回路10Uの入出力特性を合成すると、PWM
指令信号Uのオン時間tと出力電圧Vuのオン時間to
との関係は、図20(c)及び図5(c)に示すよう
に、即ち、以下のようになる。
【数5】
【0085】ここで、電流極性が正の場合におけるPW
M指令信号Uのオン時間tの下限は、トランジスタ2U
乃至2Zの特性による限界、即ち、ストレージタイムT
sによって規定されるため、実際のPWM指令信号発生
回路8は、電流極性が負の場合においてもt≦Tsの領
域では、PWM指令信号Uを出力しない。以上を加味す
ると、実際の入出力特性は以下のようになる。
【数6】
【0086】尚、以上はU相についてのみ説明したが、
V及びW相についても上述と同様のPWM指令信号及び
デッドタイム補償が行われるものである。また、以上は
PWM指令信号Uのオン時間tと出力電圧Vuのオン時
間toの関係について述べたが、出力電圧Vuのオフ時
間についても全く同様に適用することができる。
【0087】以上のように本実施例によれば、指令信号
補償回路9Uを、遅延回路16及び17によって演算さ
れ、相電流Iuの極性に応じてスイッチ15及び18に
より切替えられて与えられる遅延時間だけPWM指令信
号Uの立上がりエッジ或いは立下がりエッジを遅延させ
た補償指令信号Ucを出力するように構成し、デッドタ
イム補償回路10Uを、補償指令信号Ucのオン時間t
cが基準デッドタイムTdよりも短く、且つ、相電流I
uの極性が負の場合は、オン時間tcに等しいデッドタ
イム補償値を補償指令信号Ucに加えるように構成し
た。
【0088】従って、従来とは異なり、PWM指令信号
Uのオン時間tがt≦Td−Tsの領域においても、異
なる相電流Iuの極性に対して出力電圧Vuのオン時間
toを等しくすることができるので、出力電圧Vuの歪
みを低減し得て、また、トルクリップルをも低減するこ
とができ、負荷の駆動をより精密に行うことが可能とな
る。
【0089】次に、本発明の第2実施例について、図1
1及び図12を参照して説明する。第2実施例の構成
は、第1実施例と同様であり、第2実施例の作用は、電
流極性判定回路12に係るものである。まず、第2実施
例の作用の原理について、図11を参照して説明する。
【0090】図11(a)に示すように、電流極性判定
回路12は、相電流検出器11Uによって検出されるU
相の相電流Iuの電流値を一定時間間隔でサンプリング
している。相電流Iuの電流波形が理想的な正弦波の場
合は、ゼロクロス点近傍での電流波形は略直線となって
いるが、実際に検出される電流波形は、負側から真のゼ
ロクロス点に近付く所で歪み(はりつき現象)を生じて
いる。
【0091】今、相電流Iuが負から正に変化していく
場合を考える。ある時点でサンプリングされた相電流I
uの電流値をIu(n)、その直前にサンプリングされ
た電流値をIu(n−1)として、両者の差分値(変化
量)ΔIu(n)=Iu(n)−Iu(n−1)を求め
てプロットすると、図11(b)に示すようになる。即
ち、電流波形が略直線上に載っている場合は差分値ΔI
uは略一定のある値を示すが、電流波形がゼロクロス点
近傍で歪み始めると、差分値ΔIuは次第に低下して行
き、完全にはりつき現象を生じている部分では略ゼロと
なる。従って、差分値ΔIuの変化を見ることにより、
電流波形が真のゼロクロス点に近付いていることを知る
ことができ、これを利用して、電流極性判定回路12の
ゼロクロス点判定レベルの補正を行うことができる。
【0092】次に、第2実施例の作用について、図12
を参照して説明する。図12は、ゼロクロス点判定レベ
ルの補正用データをサンプリングするためのフローチャ
ートを示す。このフローチャートは、ゼロクロス点判定
レベルの補正を行う場合のみ、電流値のサンプリング間
隔で入るタイマ割込みにおいて行われる処理である。
【0093】まず、「電流値Iu(n)をサンプリン
グ」の処理ステップS1において、電流極性判定回路1
2は、相電流検出器11Uから電流値Iu(n)を得る
と、次の「|Iu(n)|<Is?」の判断ステップS
2に移行する。判断ステップS2においては、ステップ
S1で得た電流値Iu(n)が、予め設定されているゼ
ロクロス点近傍の領域|Is|(図11(a)参照)内
に入ったか否かが判断される。
【0094】判断ステップS2において「NO」と判断
すると、「STATUS←1」の処理ステップS3に移
行し、フラグSTATUSを「1」にセットする。そし
て、「Iu(n−1)←Iu(n)」の処理ステップS
10に移行する。処理ステップS10においては、今回
サンプリングされた電流値Iu(n)を、時系列が1つ
前の電流値Iu(n−1)に代入すると、処理を抜けて
リターンする。
【0095】その後、電流値Iu(n)が領域|Is|
内に入り、ステップS2において「YES」と判断する
と(図11(a)及び(b)に示す時刻A)、「ΔIu
(n)=Iu(n)−Iu(n−1)」の処理ステップ
S4に移行する。処理ステップS4においては、今回得
られた電流値Iu(n)と前回得られた電流値Iu(n
−1)との差分値ΔIu(n)が演算される。そして、
次の「STATUS=1?」の判断ステップS5に移行
する。
【0096】判断ステップS5においては、フラグST
ATUSが「1」であるか否かが判断される。この時点
ではステップS3で「1」にセットされているので「Y
ES」と判断して、次の「|ΔIu(n)|<ΔIs
?」の判断ステップS6に移行する。判断ステップS6
においては、ステップS4で得られた差分値ΔIu
(n)が、予め設定されている差分値の領域|ΔIs|
(図11(b)参照)内に入ったか否かが判断される。
判断ステップS6において「NO」と判断すると、ステ
ップS10に移行した後処理を抜けてリターンする。
【0097】そして、差分値ΔIu(n)が領域|ΔI
s|内に入ることによりステップS6において「YE
S」と判断すると(図11(b)に示す時刻B)、次の
「Iuz(m)←Iu(n)」の処理ステップS7に移
行する。処理ステップS7においては、今回サンプリン
グされた電流値Iu(n)をゼロクロス点判定レベルの
補正用データとしてデータ列Iuz(m)に加えて記憶
させる。そして、「Sign(Iu)反転」の処理ステップS8
に移行する。
【0098】処理ステップS8においては、ステップS
6で「YES」と判断したことによりU相電流の極性が
反転したと認識して、その時点で出力されていた極性信
号Sign(Iu)を反転させる。即ち、その時点までローレベ
ル(負)を出力していればハイレベルに反転させ、ハイ
レベル(正)を出力していればローレベルに反転させ
る。尚、このステップS8は、判定レベルの補正を行う
ためのサンプリング処理中のみに行われる処理であり、
通常は、電流値Iu(n)とゼロクロス点判定レベルと
の比較によって極性信号Sign(Iu)が出力される。
【0099】そして、次に「STATUS←0」の処理
ステップS9に移行して、フラグSTATUSが「0」
にリセットされると、ステップS10に移行した後処理
を抜けてリターンする。これ以降の処理では、電流値I
u(n)が領域|Is|内にあるとしても、ステップS
5において「NO」と判断されて、ステップS10を通
過した後リターンするため、U相電流波形の1回のゼロ
クロス点の通過に対しては、差分値ΔIu(n)が領域
|ΔIs|内に最初に入った時に得られた電流値Iu
(n)のみがデータ列Iuz(m)に加えられることに
なる。
【0100】以上のようにしてU相電流波形の複数回の
ゼロクロス点の通過によって得られたデータ列Iuz
(m)からその平均値を演算し、得られた値を新たなゼ
ロクロス点判定レベルとする。その結果、図11(c)
において、真のゼロクロス点aに対して例えば補正前の
ゼロクロス点がbであったとすると、補正後のゼロクロ
ス点はcとなって、真のゼロクロス点aに対する時間差
はtbからtcに縮小される。尚、以上はU相電流Iu
についてのみ述べたが、V及びW相電流Iv及びIwに
ついても同様に処理が行われる。
【0101】以上のように第2実施例によれば、電流極
性判定回路12を、相電流検出器11Uによって検出さ
れる電流値Iu(n)が、ゼロクロス点付近に設定され
た領域|Is|内にある場合に、その電流値Iu(n)
と前回にサンプリングされた電流値Iu(n−1)との
差分値ΔIu(n)を演算し、その差分値ΔIu(n)
が領域|ΔIs|内に最初に入った時に得られた電流値
Iu(n)のみをデータ列Iuz(m)に加え、複数回
のゼロクロス点の通過によって得られたデータ列Iuz
(m)からその平均値を演算して補正するように構成し
た。
【0102】従って、例えば電流極性判定回路12が有
しているゼロクロス点判定レベルの真のゼロクロス点に
対するオフセット値は、インバータ装置37が、始動時
におけるコールド状態から負荷の運転を継続してホット
状態に変化するとそれに伴って変化するが、インバータ
装置37が運転状態であっても、ゼロクロス点判定レベ
ルを動的に補正することができるので、極性信号Sign(I
u)の反転タイミングを常時真のゼロクロス点に近付ける
ことができ、デッドタイム補償をより正確に行うことが
できる。
【0103】図13乃至16は本発明の第3実施例を示
すものである。第3実施例の構成は、図1に示す電流極
性判定回路12が電流極性判定回路(電流極性判定手
段)40に置き換ったものであり、その他は第1実施例
と同様の構成である。電流極性判定回路40のU相に係
る部分の電気的構成を示す図13において、正側比較器
たる比較器41の反転入力端子には、電流値の正の基準
値Isを電圧に変換したV(Is)が与えられるように
なっている。また、負側比較器たる比較器42の反転入
力端子には、電流値の負の基準値−Isを電圧に変換し
たV(−Is)が与えられるようになっている。そし
て、比較器41及び42の非反転入力端子は、相電流検
出器7Uの出力端子に接続されており、電圧変換された
電流値V(Iu)が与えられるようになっている。
【0104】比較器41の出力端子は、タイミング発生
回路43の入力端子Sに接続されており、比較器42の
出力端子は、タイミング発生回路44の入力端子Sに接
続されている。また、タイミング発生回路43及び44
のクロック入力端子CKには、クロック信号fckが与え
られるようになっている。尚、タイミング発生回路43
及び44の動作は、第1実施例におけるタイミング発生
回路14若しくは29と同様である。
【0105】タイミング発生回路43及び44の負論理
の出力端子UPは、負論理のOR回路45の入力端子に
夫々接続されている。また、タイミング発生回路43及
び44の負論理の出力端子DOWNは、負論理のOR回
路46の入力端子に夫々接続されている。そして、負論
理のOR回路45の出力端子は、SRラッチ47の負論
理のセット入力端子Sに接続され、負論理のOR回路4
6の出力端子は、SRラッチ47の負論理のリセット入
力端子Rに接続されている。そして、SRラッチ47の
出力端子Qは、指令信号補償回路9Uの入力端子に接続
されており、極性信号Sign(Iu)を与えるようになってい
る。
【0106】次に、第3実施例の作用を図14を参照し
て説明する。U相電流Iuが負側から正側に変化する場
合を考える。U相電流Iuが時刻Aにおいて負の基準値
−Isより大きくなると、比較器42の出力端子はハイ
レベルとなり(図14(b)参照)、タイミング発生回
路44の出力端子UPは、ローレベルのパルスを出力す
る(図14(d)参照)。そのパルスは、負論理のOR
回路45を介してSRラッチ47のセット入力端子Sに
与えられ、極性信号Sign(Iu)はハイレベルとなる(図1
4(h)参照)。
【0107】そして、U相電流Iuがゼロクロス点を通
過して、正の基準値Isより大きくなると、比較器41
の出力端子はハイレベルとなり(図14(c)参照)、
タイミング発生回路43の出力端子UPは、ローレベル
のパルスを出力する(図14(f)参照)。
【0108】その後、U相電流Iuが最大振幅値を示す
時点を経過して、時刻Bにおいて正の基準値Isより小
さくなると、比較器41の出力端子はローレベルとなり
(図14(c)参照)、タイミング発生回路43の出力
端子DOWNは、ローレベルのパルスを出力する(図1
4(g)参照)。そのパルスは、負論理のOR回路46
を介してSRラッチ47のリセット入力端子Rに与えら
れ、極性信号Sign(Iu)はローレベルとなる(図14
(h)参照)。
【0109】従って、極性信号Sign(Iu)は、U相電流I
uの変化に対して、図15に示すようにヒステリシス特
性を持つことになる。よって、例えばU相電流Iuが負
側から正側に変化する場合は、図16に示すようにゼロ
クロス点を判定する位相が真のゼロクロス点に対して進
み位相となることにより、相電流のはりつき現象を発生
させることがない。また、正側から負側に変化する場合
は、遅れ位相となることにより同様の効果が得られる。
尚、以上はU相電流Iuについて説明したが、V及びW
相電流Iv及びIwに対しても作用は同様である。
【0110】以上のように第3実施例によれば、U相電
流Iuを電圧変換したV(Iu)を正の基準値Isを電
圧変換したV(Is)と比較する比較器41と、負の基
準値−Isを電圧変換したV(−Is)と比較する比較
器42とを備え、これらの比較器41及び42の出力信
号に基づいて極性信号Sign(Iu)を出力するように構成し
たので、U相電流Iuに対する極性信号Sign(Iu)の出力
特性にヒステリシスを持たせることができ、相電流のは
りつき現象の発生を防ぐことができる。本発明は上記し
かつ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施が可能で
ある。
【0111】
【発明の効果】本発明は以上説明した通りであるので、
以下の効果を奏する。請求項1記載のインバータ装置に
よれば、指令信号補償手段を、遅延時間演算手段によっ
て演算され、相電流の極性に応じて遅延時間切替え手段
により切替えられて与えられる遅延時間だけPWM指令
信号の立上がりエッジ或いは立下がりエッジを遅延させ
た補償指令信号を出力するように構成し、デッドタイム
補償手段を、補償指令信号のオン時間が基準デッドタイ
ムよりも短い場合は、そのオン時間に等しいデッドタイ
ム補償値を補償指令信号に加えるように構成したので、
従来よりも短いオン或いはオフ時間を有するPWM指令
信号に対しても、相電流の極性が正の場合と負の場合と
でインバータ装置の出力電圧のオン或いはオフ時間を等
しくすることにより出力電圧の歪みを低減し得て、ま
た、トルクリップルをも低減することができ、負荷の駆
動をより精密に行うことができる。
【0112】請求項2記載のインバータ装置によれば、
電流極性判定手段を、電流検出手段によって検出される
電流値のゼロクロス点付近での電流値の変化量を演算
し、その変化量に基づいてゼロクロス点判定レベルを演
算して補正するように構成したので、インバータ装置の
運転状態の変化によってゼロクロス点判定レベルのオフ
セット値が変動しても、インバータ装置の可動中に動的
に補正を行うことができ、極性信号の出力タイミングを
常に真のゼロクロス点に近付けることができる。
【0113】請求項3記載のインバータ装置によれば、
電流極性判定手段を、電流検出手段によって検出される
電流値をその電流値の極性が正の場合に正の基準値と比
較を行う正側比較器と、その電流値の極性が負の場合に
負の基準値と比較を行う負側比較器とを備え、正側及び
負側比較器の出力信号に基づいて極性信号を出力するよ
うに構成したので、電流値の真のゼロクロス点に対する
極性信号の位相のずれを補正することにより、相電流の
はりつき現象の発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の全体の電気的構成を示す
【図2】指令信号補償回路の電気的構成を示す図
【図3】遅延回路の電気的構成図
【図4】デッドタイム補償回路の図2相当図
【図5】入出力特性図
【図6】指令信号補償回路のタイミングチャート(Iu
<0,t>2Td−Ts)
【図7】図6相当図(Iu<0,t≦2Td−Ts)
【図8】図6相当図(Iu>0)
【図9】デッドタイム補償回路のタイミングチャート
(tc>Td)
【図10】図9相当図(tc≦Td)
【図11】本発明の第2実施例の原理図
【図12】電流極性判定回路のゼロクロス点判定レベル
の補正データサンプリング処理のフローチャート
【図13】本発明の第3実施例の図2相当図
【図14】タイミングチャート
【図15】電流極性判定回路の図5相当図
【図16】相電流波形図
【図17】従来技術における電気的構成を示す図
【図18】一定のデッドタイムを付加した場合の図6相
当図(t>Td)
【図19】図18相当図(t≦Td)
【図20】電流極性が正の場合の図5相当図
【図21】電流極性が負の場合の図5相当図
【図22】相電流波形図で、(a)は1周期全体の波形
図,(b)はゼロクロス点付近の拡大図
【符号の説明】
8はPWM指令信号発生回路、9U,9V及び9Wは指
令信号補償回路(指令信号補償手段)、10U,10V
及び10Wはデッドタイム補償回路(デッドタイム補償
手段)、11U,11V及び11Wは相電流検出器(電
流検出手段)、12は電流極性判定回路(電流極性判定
手段)、13はデータセット回路(データセット手
段)、15及び18はスイッチ(遅延時間切替え手
段)、16及び17は遅延回路(遅延時間演算手段)、
30はアップダウンカウンタ(計時手段)、37はイン
バータ装置、40は電流極性判定回路(電流極性判定手
段)、41は正側比較器、42は負側比較器を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PWM指令信号に対してデッドタイム補
    償を行うインバータ装置において、 基準デッドタイム及びストレージタイムのデータをセッ
    トするデータセット手段と、 このデータセット手段にセットされたデータに基づいて
    前記PWM指令信号の立上がりエッジ及び立下がりエッ
    ジを遅延させる時間をPWM指令信号のオン或いはオフ
    時間に応じて演算する遅延時間演算手段と、 相電流の電流値を検出する電流検出手段と、 この電流検出手段によって検出される電流値から相電流
    の極性を判定して極性信号を出力する電流極性判定手段
    と、 前記遅延時間演算手段によって演算された遅延時間を前
    記電流極性判定手段によって出力された極性信号に応じ
    て切替えて出力する遅延時間切替え手段と、 この遅延時間切替え手段によって出力された遅延時間だ
    けPWM指令信号の立上がりエッジ或いは立下がりエッ
    ジを遅延させた補償指令信号を出力する指令信号補償手
    段と、 この指令信号補償手段が出力する補償指令信号のオン或
    いはオフ時間を計時する計時手段と、 この計時手段によって計時された補償指令信号のオン或
    いはオフ時間が前記データセット手段にセットされた基
    準デッドタイムよりも短い場合は、前記計時手段によっ
    て計時された補償指令信号のオン或いはオフ時間に応じ
    て変化させたデッドタイム補償値を前記指令信号補償手
    段が出力する補償指令信号に加えるデッドタイム補償手
    段とを具備したことを特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 電流極性判定手段は、電流検出手段によ
    って検出される電流値のゼロクロス点付近での電流値の
    変化量を演算し、その変化量に基づいてゼロクロス点判
    定レベルを演算して補正することを特徴とする請求項1
    記載のインバータ装置。
  3. 【請求項3】 電流極性判定手段は、電流検出手段によ
    って検出される電流値をその電流値の極性が正の場合に
    正の基準値と比較を行う正側比較器と、 その電流値の極性が負の場合に負の基準値と比較を行う
    負側比較器とを備え、 前記正側及び負側比較器の出力信号に基づいて極性信号
    を出力することを特徴とする請求項1記載のインバータ
    装置。
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