JPH0992851A - 薄膜太陽電池の形成方法 - Google Patents

薄膜太陽電池の形成方法

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JPH0992851A
JPH0992851A JP7250710A JP25071095A JPH0992851A JP H0992851 A JPH0992851 A JP H0992851A JP 7250710 A JP7250710 A JP 7250710A JP 25071095 A JP25071095 A JP 25071095A JP H0992851 A JPH0992851 A JP H0992851A
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solar cell
etching
film solar
transparent conductor
layer
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JP7250710A
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Hirotsugu Shimoda
寛嗣 下田
Hirobumi Ichinose
博文 一ノ瀬
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 選択精度に優れ、長期的にも安定なエッチン
グパターンを形成し、光起電力素子のシャントや外観不
良等の課題を解決することにより、良好な特性及び高い
歩留りを有する薄膜太陽電池の形成方法を提供する。 【解決手段】 本発明の薄膜太陽電池の形成方法は、少
なくとも導電性基板101上に、半導体層102、透明
導電体層103が順次積層された薄膜太陽電池の形成方
法において、電解処理により前記半導体層に内在する短
絡電流通路104を除去した後、エッチング処理により
前記透明導電体層103にエッチングパターンを形成す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜太陽電池の形成方
法に係る。より詳細には、半導体層に内在する短絡電流
通路に起因するエッチングパターン不良を改善すること
により、良好な特性及び高い歩留りを有する薄膜太陽電
池の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透明性導電膜のエッチング技術
は、太陽電池やホトダイオードなど様々な用途に広く用
いられている。非晶質シリコン太陽電池では以下の
(1)や(2)に示すものが、一般的には以下の(3)
に示すものが、その一例として挙げられる。
【0003】(1)ガラスなどの光透過性絶縁基板上に
透明性導電膜を成膜し、この膜をエッチングすることに
より太陽電池セルの所定パターンを形成し、パターニン
グされた透明性導電膜上に非晶質シリコン層を成膜し、
その上に裏面電極を形成する方法がある。
【0004】(2)金属基板上に非晶質シリコン層を成
膜し、次に透明性導電膜を成膜し、この膜をエッチング
によりパターン形成し、その後電解処理等による短絡部
の欠陥処理を行った後、その上に銀などの集電電極を形
成する方法がある。
【0005】(3)透明性導電膜成膜後、選択的エッチ
ングによりパターニングする方法としては、特開昭55
−108779号公報及び米国特許第4419530号
に開示されているような化学エッチング法がある。ま
ず、シルクスクリーン印刷あるいはホトレジストにより
ポジパターンを形成し、その後ネガ部分(露出部)に相
当する透明性導電膜を塩化第二鉄溶液や硝酸などのエッ
チング液で処理する方法である。または、プラズマ処理
によるドライエッチングなどの手段によって除去する方
法もある。さらにポジ部分に残っているシルクスクリー
ン用インキあるいはホトレジストをそれぞれの剥離剤に
よって溶解除去し、あるいはドライプロセス(プラズマ
灰化法等)で除去して最終的に選択的なパターンを得て
いた。
【0006】しかしながら、上記(1)〜(3)に示し
た従来の透明性導電膜のエッチングによるパターニング
では、いずれもホトレジストなどによるポジパターンの
形成、露光、現像、エッチング、レジスト剥離、及び後
処理が必要であり、エッチングの前工程及び後工程が多
いことが問題であった。
【0007】化学エッチングは溶液中で行うため、レジ
ストの膨張、剥離による精度低下を招くことがある。ま
た、厳密な溶液の温度管理も必要であった。
【0008】一方、ドライエッチングは精度の高いパタ
ーニングが可能であるが、処理速度が遅く製造コストが
高いという問題があった。
【0009】また、ホトレジストの剥離には非常に強力
な酸化剤を必要とする場合があり、取り扱いが危険であ
ること、廃液処理も難しいという欠点があった。無公害
なプラズマ灰化法による除去は、全てのレジストには利
用出来ないという問題があった。
【0010】さらに、従来のエッチング法により、細分
化されたパターンを形成し、その後パターニングされた
上から電解処理による短絡部の欠陥処理を施した太陽電
池では、パターニング不良(パターニングライン断線
等)によるシャントや、欠陥以外の部分例えばパターニ
ングライン周辺等にも電界がかかり透明性導電膜がエッ
チングされることによる外観不良が生じ、製造歩留りや
光電変換効率等の特性が低下するという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題を改善して、選択精度に優れ、長期的にも安定なエッ
チングパターンを形成し、光起電力素子のシャントや外
観不良等の課題を解決することにより、良好な特性及び
高い歩留りを有する薄膜太陽電池の形成方法を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜太陽電池の
形成方法は、少なくとも導電性基板上に、半導体層、透
明導電体層が順次積層された薄膜太陽電池の形成方法に
おいて、電解処理により前記半導体層に内在する短絡電
流通路を除去した後、エッチング処理により前記透明導
電体層にエッチングパターンを形成することを特徴とす
る。
【0013】
【作用】本発明では、電解処理により前記半導体層に内
在する短絡電流通路を除去した後、エッチング処理によ
り前記透明導電体層にエッチングパターンを形成するた
め、短絡電流通路として働く欠陥部のみがリペアされた
透明導電体層からなるパターンが得られる。その結果、
光起電力素子のシャントや外観不良を低減することがで
きる。
【0014】また、本発明に係る電解処理は、電解質槽
内において、前記薄膜太陽電池に対して、前記薄膜太陽
電池の開放電圧以上の正電圧をパルス的に少なくとも2
回以上複数回印加し、前記導電性基板と短絡している部
分の前記透明導電体層を選択的にエッチング溶解させた
後、前記薄膜太陽電池を水洗、乾燥するため、短絡電流
通路として働く欠陥部のみがリペアでき、かつ、リペア
部分に残留する水分も除去することができる。
【0015】さらに、本発明に係るエッチング処理は、
前記透明導電体層上に、少なくとも一種類の高分子微粒
子体とエッチング性溶液とを混錬したペーストをスクリ
ーン印刷し、加熱処理により焼成した後、前記薄膜太陽
電池を水洗、乾燥するため、ペーストが透明導電体層上
に積層された際に、エッチング性溶液が均一に接触、反
応することができ、均一なエッチングパターン形成がで
きる。その結果、未エッチング部なしにパターン形成で
きると共にペーストの横方向への液だれが生じないた
め、線幅の均一なエッチングパターンが得られる。
【0016】
【実施態様例】
(電解処理)本発明に係る電解処理としては、ステンレ
スからなる導電性基板上に、半導体層、透明導電体層が
順次積層された薄膜太陽電池を、水溶液中で金属の析出
が起きない塩、ルイス酸、ルイス塩基等の電解質溶液、
具体的には塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化スズ、塩
酸等の水溶液中に入れ、基板側を負極、対向電極側を正
極とし前記薄膜太陽電池の開放電圧以上の正電圧をパル
ス的に少なくとも2回以上複数回印加し、基板と短絡し
ている部分の透明導電体層を選択的にエッチング溶解さ
せ除去するものが挙げられる。その後、太陽電池を取り
出し水洗を十分行った後、温風オーブン等で好ましくは
100〜150℃の温度で30分以上乾燥を行い短絡電
流通路内に入り込んだ水分を除去する。
【0017】前記電解質溶液の電気電導度は、少なくと
も55mS/cm(25℃)以上が好ましい。前記正電
圧は、好適に0.5〜8Vであり、より好ましくは2.
5〜6V、さらには3.5〜5Vが最も好ましい。1回
の電圧印加時間は、好適に0.1〜10秒であり、より
好ましくは0.3〜5秒、さらには0.5〜2秒が最も
好ましい。電圧印加回数は、好適に2〜20回であり、
より好ましくは2〜15回、さらには5〜10回が最も
好ましい。
【0018】また、上記の電解処理条件(印加電圧値、
電圧印加時間、電圧印加回数)は、電解処理前及び電解
処理後に前記薄膜太陽電池に好ましくは500〜450
0luxの低照度の蛍光灯の光を照射した時の低照度開
放電圧(低照度Voc)の測定値より決定される。
【0019】一方、非晶質太陽電池などに用いられる透
明性導電膜としては、可視光に対する透明性と電気伝導
度性に優れた特性を持つSnO2,In23,ITO
(In23十SnO2)膜などが使用される。これらの
透明性導電膜の成膜方法としてはスパッタリング法、真
空抵抗加熱蒸着法、エレクトロンビーム蒸着法、スプレ
ー法等を用いることができ、所望に応じて適宜選択され
る。
【0020】次に、図1を用いて上記記載の電解処理工
程について説明する。図1において101は基板、10
2は半導体層、103は透明導電体層、104は短絡電
流通路、105は対向電極、106は電圧印加のための
電源、107は残留水分を表す。図に示すように半導体
層内に潜在的に欠陥部分(シャント部分)が存在し、基
板と透明導電体層で短絡電流通路を形成している場合、
電解質溶液を介して太陽電池に太陽電池の開放電圧以上
の電圧をパルス的に少なくとも2回以上複数回印加する
ことにより、効果的に短絡電流通路が検出され、基板と
導通している透明導電体層を選択的に除去できる。その
後、太陽電池を十分に水洗、乾燥することにより107
に示すような短絡電流通路内に残留した水分を完全に除
去でき、108に示すような短絡電流通路が除去された
太陽電池が得られる。
【0021】(エッチング処理)本発明に係るエッチン
グ処理としては、少なくとも一種類の高分子微粒子体と
エッチング性溶液とを混錬したペーストを透明導電体層
上に所望のスクリーン版を用いてスクリーン印刷法によ
り積層するものが挙げられる。この際、パターニングが
同時に行われるため、マスクによるパターニングを必要
としない。
【0022】前記ペーストにはある程度の粘性を持たせ
るためにグリセリン等の潤滑剤を混入しても良い。ま
た、高分子微粒子体には高分子樹脂の微粒子体を用い、
高分子樹脂としてはアクリル樹脂、シリコン樹脂、ベン
ゾアナミン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチ
レン樹脂等が好ましい。これらの高分子樹脂は耐溶剤性
や耐酸性が付与されることにより耐腐食性が向上し安定
なペースト物が得られる。また、ペーストを透明導電体
層上に積層した後、エッチング反応を速めるために10
0℃以上の温度で加熱処理を行うため、加熱温度で変化
しないように加熱温度より融点の高い高分子樹脂を好適
に用いる。それにより、ペースト内のエッチング性溶液
が反応中に高分子微粒子体は反応することはなく、ペー
ストが基板に結着して除去しにくくなる等の弊害から逃
れられる。高分子微粒子体の形状は基本的には均質な球
状粒子であるが、それ以外の様々な形状のものでも良
く、構造的には多種の高分子の多層構造、その他の材料
との複合粒子構造であっても良い。
【0023】また、高分子微粒子体とエッチング性溶液
を均一に混錬、分散することにより、ペーストが透明導
電体層上に積層された際に、エッチング性溶液が均一に
接触、反応することができ、均一なエッチングパターン
形成が可能になる。このためには、高分子微粒子体の粒
子径は均質分散可能なだけ小さく設計されていなければ
ならず、粒子径としては20μm以下が好ましい。
【0024】透明導電体層上に積層されるペーストの膜
厚としては10μm以上2mm未満が好ましい。この膜
厚範囲で積層することにより、ペースト内のエッチング
性溶液が透明導電体層と十分に反応し、未エッチング部
なしにパターン形成できると共にペーストの横方向への
液だれが生じず線幅の均一なエッチングパターンを得る
ことができる。
【0025】透明導電体層上にペーストを積層した後
は、エッチング反応を速めるために、温風オーブンやI
Rオーブン等を用いて100℃以上の温度で加熱処理す
る。これによりペーストの液だれも防止することがで
き、良好なパターニングが可能となる。
【0026】加熱処理後、水洗処理しペーストを洗い流
して除去する。その後、温風オーブン等で好ましくは1
00〜150℃の温度で、30分以上乾燥を行う。
【0027】本発明はステンレス基板上に堆積された半
導体層と該半導体層上に堆積された透明導電体層を含む
太陽電池において、まず上記記載の電解処理により潜在
的に存在する短絡電流通路を除去し、その後上記記載の
エッチング処理によりエッチングパターンを形成するこ
とを特徴とする。本発明のエッチングパターン形成方法
を用いることにより、いかなる複雑形状のパターニング
においても太陽電池の有効面積を容易に且つ正確に決定
でき、しかも欠陥部のみがリペアされているため、光起
電力素子のシャントや外観不良の課題を克服した良好な
特性及び歩留りの高い太陽電池を提供することが可能で
ある。
【0028】
【実施例】本発明の薄膜太陽電池の形成方法について以
下に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。
【0029】(実施例1)本例では、図2〜図4に示し
たシングル型太陽電池の形成方法について述べる。
【0030】以下では、形成の手順に従って説明する。 (1)5cm×5cm角のステンレス基板201上にバ
ッチ式スパッタリング法により裏面反射層202、20
3を成膜した。202は金属層であり材料としてはA
l,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,Cr,Cu等の金
属単体及び合金が用いられるがここでは反射率の高いA
gを使用した。203は透明導電性酸化物層であり材料
としてはZnO,SnO2,In23,ITO等が用い
られるが、ここではZnOを使用した。また、これらの
表面は光の乱反射を起こさせるためにテクスチャー構造
とした。なお、膜厚はそれぞれ0.45μm、1μmと
した。
【0031】(2)裏面反射層上にバッチ式プラズマC
VD装置を用いて、半導体層204、205、206を
成膜した。アモルファスシリコン(以下a−Si)半導
体層の成膜法としてはRFプラズマCVD法(RFPC
VD法)、マイクロ波プラズマCVD法(MWPCVD
法)、ECR法、熱CVD法等を所望に応じて用いる。
204はa−SiからなるRFn型層、205はa−S
iGeからなるMWi型層、206はμc−Siからな
るRFp型層である。なお、205のMWi型層の膜厚
は800Åとした。
【0032】(3)半導体層上にバッチ式真空抵抗加熱
蒸着法を用いて、透明導電体層であるITO膜2O7を
成膜した。なお、膜厚は850Åとした。以上でa−S
iGeシングルセルの作成を終えた。
【0033】(4)前記セルを不図示の塩化アルミニウ
ムの電解質溶液槽に入れ、セル基板側を負極、対向電極
側を正極とし正電圧3.5Vを印加時間1秒としパルス
的に6回印加し電解処理を行った。なお、塩化アルミニ
ウム電解質溶液の電気電導度は68.0mS/cm(2
5℃)とし、また対向電極面積は基板面積(5cm×5
cm)と同様とした。その後、前記セルを電解質溶液槽
内から取り出し、純水でセル表面の電解質溶液を十分に
洗い流した後、温風オーブンで150℃の温度で30分
乾燥を行った。
【0034】(5)エッチングペーストは、塩化第二鉄
(FeCl3・6H2O)を加熱溶融しエッチング性溶液
として用い、これに粒子径5μmのアクリル樹脂の微粒
子体及びグリセリンを混錬して作製した。 (6)不図示のスクリーン印刷機でセルの透明導電体層
上に線幅1mmのラインで、4cm×4cm角のパター
ンで前記ペーストを印刷した。なお、膜厚は30μmと
した。
【0035】(7)不図示のIRオーブンで温度170
℃で5分間加熱処理した。加熱処理後、セルをIRオー
ブンから取り出し冷却後、セルを純水で洗浄しペースト
を除去した。 (8)セルを温風オーブンで150℃の温度で30分乾
燥を行い、4cm×4cm角のエッチングパターン20
8が得られた。
【0036】以下では、上記(1)〜(8)の工程によ
り、透明導電体層上にエッチングパターン形成したセル
のエッチングラインエリア内に対して、照度4000l
uxの蛍光灯の光を照射した時の低照度開放電圧(低照
度Voc)の測定結果について説明する。さらに、低照度
oc測定後、集電用のグリッド電極209を銀ペースト
のスクリーン印刷法で形成し、AM1.5の太陽光スペ
クトルで100mW/cm2の光量の疑似太陽光源を用
いて太陽電池特性を測定し、光電変換効率を求めた。
【0037】その結果、低照度Vocは0.51V、光
電変換効率は8.2%であることから、本例の条件にお
いて電解処理及びエッチング処理を行い作製したシング
ル型太陽電池は良好な特性であることが分かった。
【0038】(実施例2)本例では、太陽電池における
半導体層の構成をトリプル型とした点が実施例1と異な
る。他の点は、実施例1と同様とした。
【0039】図5は、本例で作製したトリプル型太陽電
池の構成を示した模式的断面図である。図5では、ステ
ンレス基板301上に裏面反射層であるAg302とZ
nO303を堆積した後、半導体層として、a−Siか
らなるRFn型層304、a−SiGeからなるMWi
型層305、μc−SiからなるRFp型層306(以
上ボトム層)、a−SiからなるRFn型層307、a
−SiGeからなるMWi型層308、μc−Siから
なるRFp型層309(以上ミドル層)、a−Siから
なるRFn型層310、a−SiからなるRFi型層3
11、μc−SiからなるRFp型層312(以上トッ
プ層)が順次積層されている。すなわち、半導体層は、
a−Si/a−SiGe/a−SiGeからなる卜リプ
ルセルとした。なお、305のMWi型層の膜厚は90
0Å、308のMWi型層の膜厚は850Å、311の
RFi型層の膜厚は950Åとした。次に、前記半導体
層上には、透明導電体層313であるITO膜を成膜し
た。その後、実施例1と同様の電解処理、エッチング処
理によるエッチングパターン314の形成を行い、さら
に集電用のグリッド電極315を銀ペーストのスクリー
ン印刷法で形成して非晶質太陽電池を作製した。
【0040】本例の薄膜太陽電池に対しても、実施例1
と同様の低照度Vocの測定、光電変換効率の測定を行っ
た。
【0041】その結果、低照度Vocは1.52V,光
電変換効率は11.5%であることから、本例の条件に
おいて電解処理及びエッチング処理を行い作製したトリ
プル型太陽電池は良好な特性であることが分かった。
【0042】(実施例3)本例では、電解処理における
印加電圧を、0.5V,1.0V,2.0V,5.0
V,7.0V,10.0Vと変化させた点が実施例2と
異なる。
【0043】他の点は、実施例2と同様とした。
【0044】表1は、実施例2と同様に、本例で作製し
た薄膜太陽電池に対して、低照度V ocおよび光電変換効
率の測定を行った結果である。表1における印加電圧
3.5Vの結果は、実施例2の結果である。
【0045】
【表1】 表1から、本発明の電解処理における印加電圧として
は、3.5〜5.0Vの範囲で最も良好な特性が得られ
ることが分かった。
【0046】(実施例4)本例では、電解処理における
電圧印加回数を、1回、3回、10回、20回、30回
と変化させた点が実施例2と異なる。他の点は、実施例
2と同様とした。
【0047】表2は、実施例2と同様に、本例で作製し
た薄膜太陽電池に対して、低照度V ocおよび光電変換効
率の測定を行った結果である。表2における電圧印加回
数6回の結果は、実施例2の結果である。
【0048】
【表2】 表2から、本発明の電解処理における電圧印加回数とし
ては、5〜10回の範囲で最も良好な特性が得られるこ
とが分かった。
【0049】(実施例5)本例では、ロール・ツー・ロ
ール型プラズマCVD法を用いて作製した非晶質太陽電
池セル上に、図6に示したエッチングパターンを形成し
たトリプル型太陽電池の形成方法について述べる。な
お、ここでは大面積化された太陽電池の特性分布を詳細
に把握するために図6に示すような細分化されたエッチ
ングパターンを形成した。
【0050】以下では、形成の手順に従って説明する。 (1)オーカイト及び純水で十分に脱脂、洗浄したステ
ンレス帯状基板(幅356mm、長さ750m)301
を不図示のロール・ツー・ロール型DCマグネトロンス
パッタ装置に入れAgを0.45μm堆積し、その後Z
nOを1μm堆積して裏面反射層302、303を形成
した。
【0051】(2)基板を取り出し、不図示の複数の半
導体層をそれぞれ堆積する放電箱を備えた堆積室がガス
ゲートにより接続されたロール・ツー・ロール型プラズ
マCVD装置に入れ、前記裏面反射層上に半導体層とし
て、a−SiからなるRFn型層304、a−SiGe
からなるMWi型層305、μc−SiからなるRFp
型層306(以上ボトム層)、a−SiからなるRFn
型層307、a−SiGeからなるMWi型層308、
μc−SiからなるRFp型層309(以上ミドル
層)、a−SiからなるRFn型層310、a−Siか
らなるRFi型層311、μc−SiからなるRFp型
層312(以上トップ層)を順次積層した。すなわち、
半導体層は、a−Si/a−SiGe/a−SiGeか
らなる卜リプルセルとした。なお、305のMWi型層
の膜厚は900Å、308のMWi型層の膜厚は850
Å、311のRFi型層の膜厚は950Åとした。
【0052】(3)基板を取り出し、不図示のロール・
ツー・ロール型DCマグネトロンスパッタ装置に入れ、
前記半導体層上にITOを850Å堆積し、透明導電体
層313を形成した。
【0053】以上で、a−Si/a−SiGe/a−S
iGeトリプル型太陽電池セルの作製を終えた。
【0054】(4)ステンレス帯状基板上に作製したa
−Si/a−SiGe/a−SiGeトリプル型太陽電
池セルを、356mm×120mm(幅356mmはそ
のままで基板搬送方向に120mm)のサイズに切断し
た。以下、前記サイズの太陽電池セルをスラブと呼ぶこ
とにする。
【0055】(5)前記スラブを不図示の塩化アルミニ
ウムの電解質溶液槽に入れ、スラブ基板側を負極、対向
電極側を正極とし正電圧3.5Vを印加時間1秒としパ
ルス的に6回印加し電解処理を行った。なお、塩化アル
ミニウム電解質溶液の電気電導度は68.0mS/cm
(25℃)とし、また対向電極面積はスラブ面積(35
6mm×120mm)と同様とした。
【0056】(6)前記スラブを電解質溶液槽内から取
り出し、純水でスラブ表面の電解質溶液を十分に洗い流
した後、温風オーブンで150℃の温度で30分乾燥を
行った。 (7)実施例1に記載のエッチングペーストと同様のペ
ーストを用いて、不図示のスクリーン印刷機でスラブの
透明導電体層上に線幅1mmのラインで、図4に示した
エッチングパターンで前記ペーストを印刷した。なお、
膜厚は30μmとした。
【0057】(8)不図示のIRオーブンで温度170
℃で5分間加熱処理した。加熱処理後、スラブをIRオ
ーブンから取り出し冷却後、スラブを純水で洗浄しペー
ストを除去した。 (9)スラブを温風オーブンで150℃の温度で30分
乾燥を行い、図6に示したエッチングパターン314が
得られた。
【0058】上記(1)〜(9)の工程により得られた
本例のスラブは、実試料5と呼ぶことにする。
【0059】(比較例1)本例では、電解処理を行わず
に透明導電体層上にエッチングパターンを形成した点が
実施例5と異なる。
【0060】他の点は、実施例5と同様とした。本例で
得られたスラブは、比試料1と呼ぶことにする。
【0061】(比較例2)本例では、エッチング処理前
に電解処理を行わずに、エッチングパターン形成後に電
解処理を行った点が実施例5と異なる。
【0062】他の点は、実施例5と同様とした。本例で
得られたスラブは、比試料2と呼ぶことにする。
【0063】表3は、実試料5、比試料1、及び比試料
2に対しては、目視による外観検査、及び、各試料のエ
ッチングラインエリア(18mm×43mmの長方角が
36個)内に対しては、照度4000luxの蛍光灯の
光を照射した時の低照度開放電圧(低照度Voc)の測定
結果である。また、低照度Voc測定後、図7に示すよう
に各エッチングラインエリア内に集電用のグリッド電極
315を銀ペーストのスクリーン印刷法で形成した後、
AM1.5の太陽光スペクトルで100mW/cm2
光量の疑似太陽光源を用いて太陽電池特性を測定し、光
電変換効率及び歩留りを求めた結果も併記した。
【0064】
【表3】 表3より、本発明のエッチングパターンを形成して作製
した太陽電池は、外観不良のない良好な特性及び歩留り
の高い太陽電池であることが分かった。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
選択精度に優れ、長期的にも安定なエッチングパターン
を形成し、光起電力素子のシャントや外観不良等の課題
を解決することにより、良好な特性及び高い歩留りを有
する薄膜太陽電池の形成方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電解処理工程を説明する概略図で
ある。
【図2】本発明に係るシングル型太陽電池の構成を示し
た模式的断面図である。
【図3】図2の太陽電池におけるエッチングパターンを
示した平面図である。
【図4】図2の太陽電池の構成を示した模式的平面図で
ある。
【図5】本発明に係るトリプル型太陽電池の構成を示し
た模式的平面図である。
【図6】帯状基板を用いた図5の太陽電池におけるエッ
チングパターンを示した平面図である。
【図7】帯状基板を用いた図5の太陽電池の構成を示し
た模式的平面図である。
【符号の説明】
101 基板、 102 半導体層、 103 透明導電体層、 104 短絡電流通路、 105 対向電極、 106 電圧印加のための電源、 107 残留水分、 108 短絡電流通路が除去された太陽電池、 201 ステンレス基板、 202、203 裏面反射層、 204 a−SiからなるRFn型層、 205 a−SiGeからなるMWi型層、 206 μc−SiからなるRFp型層、 207 透明導電体層、 208 エッチングパターニングライン、 209 グリッド電極、 301 ステンレス帯状基板、 302、303 裏面反射層、 304 a−SiからなるRFn型層、 305 a−SiGeからなるMWi型層、 306 μc−SiからなるRFp型層、 307 a−SiからなるRFn型層、 308 a−SiGeからなるMWi型層、 309 μc−SiからなるRFp型層、 310 a−SiからなるRFn型層、 311 a−SiからなるRFi型層、 312 μc−SiからなるRFp型層、 313 透明導電体層、 314 エッチングパターニングライン、 315 グリッド電極。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも導電性基板上に、半導体層、
    透明導電体層が順次積層された薄膜太陽電池の形成方法
    において、 電解処理により前記半導体層に内在する短絡電流通路を
    除去した後、エッチング処理により前記透明導電体層に
    エッチングパターンを形成することを特徴とする薄膜太
    陽電池の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記電解処理は、電解質槽内において、
    前記薄膜太陽電池に対して、前記薄膜太陽電池の開放電
    圧以上の正電圧をパルス的に少なくとも2回以上複数回
    印加し、前記導電性基板と短絡している部分の前記透明
    導電体層を選択的にエッチング溶解させた後、前記薄膜
    太陽電池を水洗、乾燥することを特徴とする請求項1に
    記載の薄膜太陽電池の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記エッチング処理は、前記透明導電体
    層上に、少なくとも一種類の高分子微粒子体とエッチン
    グ性溶液とを混錬したペーストをスクリーン印刷し、加
    熱処理により焼成した後、前記薄膜太陽電池を水洗、乾
    燥することを特徴とする請求項1に記載の薄膜太陽電池
    の形成方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009501247A (ja) * 2005-07-15 2009-01-15 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 二酸化ケイ素層および窒化ケイ素層のためのプリント可能なエッチング媒体

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JP2009501247A (ja) * 2005-07-15 2009-01-15 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 二酸化ケイ素層および窒化ケイ素層のためのプリント可能なエッチング媒体

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